_____ねぇ、知ってる?
午前4時44分に起きるとね、幽霊に首を絞められて殺されちゃうんだって。
____..「 はあ?何それっ。超ウソくさっ 」
親友の由宇(Yu)が言った噂を、行菜(Yukina)は信じなかった。
行菜は都市伝説や幽霊など、非科学的なものは信じない。
夏のホラー映像集なんて番組を観ても、ただ真顔で映像を眺めてるだけ。
どうせあんなの、作り物じゃん。
行菜はそう思っていた。
「 えぇ〜、嘘じゃない。本当だってば 」
「 じゃあ証拠見せてよ。何処で知ったの、それ 」
行菜は目を細めて言った。
バッカバカしい。
行菜は溜め息をついた。
何でみんな、あんな嘘っぱちに怯えるんだろう。
何で?映像とか作り物に決まってんじゃん。
行菜が心の声でそう言ってる間に由宇が口を開く。
「 …ネットで見たの。ある書き込みに、『親友の家に泊まりに行ったて4:44ちょうどに起きたら首を絞められた』って… 」
行菜は有り得ない、と一言言うと、
「 どうせそれ、作り話だよ。ホラ、『絶叫少女』にもあったじゃん。
都市伝説を作った女の子の話 」
「 …え。でもあれ、作った都市伝説が本当になっちゃったって話でしょ? 」
由宇はどうやら幽霊を信じている様子だった。
由宇は昔から怪談が好きで、読む本は全てホラー話。
行菜でさえ他のジャンルを読んでいるところなんか見たことがない。
行菜はまた溜め息をつく。
「 …はあ。だからそういうことじゃ 」
「 あっ!キムタクだあ! 」
「 …は? 」
行菜が言う途中、由宇は突然芸能人か写っているポスターに釘付けにされた。
木村拓。由宇の大好きな芸能人。
「 やっぱりたっくん格好いいなー。いつ見ても変わらないところがスキ〜 」
由宇が高い声を出し、体をくねらせ
る仕草。
それはキムタクに興奮した時に出てしまう性格だ。
そんな由宇を見ていると、行菜はたまに鬱陶しく感じた。
行菜の方はあまりキムタクが好きではないので、何だか由宇が面倒くさかった。