「恋愛話」
私は恋なんてしない。
恋をして、何の得があるというの―?
「それでねー、大橋君に告ろうと思うんだけど……」
「ついに!?頑張れ!綾子ならかわいいしOKすると思うよ」
あ……。
この流れって……。
「えー?紗南の方がかわいいじゃん」
「いや、それを言うなら麻衣の方が……」
やっぱり……。
女子のこういう話って、本当に苦手。
周りの女子たちの話を聞き流しながら、私は黙々と学級新聞の作成をしていた。
どうか、私に話が回ってきませんように……。
「ね、由依はどう思う?」
運悪っ!!
突然話を持ちかけられた私は手を止めて
「うん、みんな可愛いと思うよ」
と言った。
みんなはそれに恥ずかしがって、キャーキャー騒いでいた。
今凄い適当に言ったのに気付かないのかな?
私は黙々と書き進める。
5時近くになり、ようやく学校から解放された。