―もう、あれから何年の月日が経つだろう。 私は、長い髪を風に揺らしながら、3つあるお墓に一つずつ、丁寧に花を添え、そっと手を合わせた。 墓石に掘られた名前は、「春風ありさ」「木村俊」「進藤正義」。 8年前、私は大切な人たちを永遠に亡くしました。
一話「訪れる幸せ」 ねぇ、きっと私は、 幸せになれない。 ううん、なっちゃいけないんだよね。