――主人公なんて、存在しない――
初の小説です。
続く気がしないのですが頑張ります()
いつからこんな性格になってしまったのだろうか。
つい最近からだろうか。
それとも随分前からだろうか。
もしかしたら、最初からだろうか。
考えれば考える程、分からなくなっていく。
脳が、体が、心についていけない。
だんだん、意識が薄れていく。
どうか、このまま覚めないで
ゴン、と鈍い音がした。
世界が反転している。
どうやら鈍い音の犯人は、ベッドから落ちた私の頭らしい。
痛む頭を押さえながら、ゆっくりと起き上がる。
午前七時三十分。絶望的な時間だ。
絶体絶命に追いやられた私は
慌ただしく服を着替え、
慌ただしくキッチンに駆け込み、
慌ただしくパンをくわえ、
慌ただしく玄関に向かい、
慌ただしく靴を履き替え、
慌ただしく外に出た。
「事故に遭わないでねー」
と、のんびりした母の声を背に、
パンを貪りながら駅まで走る。
ここまで三分と十二秒。
新記録だ、たぶん。
素早く改札を通り抜け、
二段とばしで階段を上る。
ホームに着いたと同時に、電車の扉が開いた。
「間に合った…?」
ぜえぜえと息を切らし、ホームの時計を見上げる。
短い針は七、長い針は八を指していた。
七時四十分。
「間に合った…」
と呟き、座席に座る。
特にすることも無い私は、今日のお弁当の中身を予想した。