白ユリ。

葉っぱ天国 > 小説キーワード▼下へ
1:梨穂:2015/11/14(土) 18:07 ID:ZRo

prologue

大切な家族。

大切な姉。

そんな大切な姉と『大切な人』が一緒になったら。

あなたなら、どうしますか―?

2:梨穂:2015/11/14(土) 18:26 ID:ZRo

「あぁーっ!?」
そんな空気をつんざくような悲鳴に、私は目が覚めた。
何事かとリビングに向かう。
「どうしたの?」
ドアを開けると、兄と、二人の姉がいた。
なぜだか兄の純はニヤニヤとしていて、私と同い年の姉はフォークをつかんだまま、ぶるぶると震えて兄をにらんでいる。
一つ上の姉、まりあはそんな二人の間でおろおろとしていた。
何……?この光景は。
「あ……、ありさちゃん。おはよう」
まりあ姉さんが私に気付いて声をかけてきた。
「ねぇ、姉さん。ありすと兄さんどうしたの?」
「あ、うん。あのね、純君がありすちゃんのウィンナー食べちゃって……」
あ、そういうこと。
兄さんやっちゃったね。ありすはウィンナーが大好物なのに。
ましてや食い意地が張っていて大食いのありすの物を食べるなんて……。
これは、死亡確定だよ。

3:梨穂:2015/11/14(土) 18:46 ID:ZRo

それと、私と同い年の姉って時点で気付いているかもしれないけれど、私、南十字ありさとありすは双子の姉妹。
一卵性だから、見た目はそっくり。
私と姉さんが話している間も、ずっと喧嘩をしていた二人。
まだまだ終わりそうにないから、私は朝ごはんを食べてるか。
今日は土曜日だから学校はない。
だから、ゆっくりと食べることができる。
「お兄ちゃん、何で私のウィンナー食べたの!?信じらんない!!」
「はんっ!うっせーな。ウィンナーの一本くらいでガタガタいうんじゃねー」
「ウィンナーくらい!?あのねぇ!私はウィンナーが大好きなの!知らないの?」
「知ってるし」
「知ってて食べたの?ますます信じらんない!」
……まだ続いてるよ。
どうしよう、私のウィンナーあげた方がいいのかな?
いや、でも悪いのは兄さんだし。
そんなことを考えているといきなり大声で名前を呼ばれた。


書き込む スレ一覧 サイトマップ ▲上へ