滅びるデストルド

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1:熊:2016/02/12(金) 22:11 ID:eIQ

始めまして。熊です。初投稿な上、厨ニ創作です。見苦しい点が多いと思いますが、精一杯制作したいと思います。
〜あらすじ〜
いじめられっ子の中学二年生、穂高 改直<ほたか かいと>が常日頃の問題に頭を抱えながらの帰り道、男性を捕食する怪物に遭遇し、襲われてしまいます。その時、空から光が舞い降りたのです...

2:熊:2016/02/13(土) 10:29 ID:eIQ

平成26年現在、内閣府によると2万5千人から3万人程の自殺者が年間で出ている。その理由は、いじめ、失敗、人生の悲壮感など、様々だ―

第1章1節「モノクロ」

「もう嫌だ、死にたい」
と、いつもの口癖をつぶやきながら帰る穂高改直は今日もいじめられた。
「痛った!針刺さっちまった!」
「不器用だな...」
「おい穂高!お前今俺を不器用だと思っただろ!」
「い、いや...」
「放課後屋上へ来い!」
「はい...」
なぜ僕なのか。なぜ誰も助けてくれないのか。どうしてこんな事をされなくちゃいけないのか。この世界は平等だと誰かが言うが、そんな事は決して無い。幸せに包まれる家庭があれば、絶えることなく恐怖に包まれる家庭だってある。ぼくは不平等な世界の駄目な方にいる。どうしてこうなったんだろう...

放課後になり、改直は屋上へ行った。そこには顔を真っ赤にした不器用な男、詩島がいた。詩島は太った体を震わせながら言った。
「俺は、”不器用”って言葉が世界一嫌いなんだよ!俺は世界一嫌いな言葉を言ったお前えを許さねぇ!」
ふざけるな。そんな事知らなかったんだからしょうがないだろ。
―言ってやる。勇気を出せ。いつものストレス晴らしてやる...!
「ふざ...ごめん。」
―言えなかった。勇気を出せなかった。いつものストレス晴らせなかった...!
「調子に乗るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
詩島が腕を振り下ろす。
(殴られる!)
しかし、詩島はあと1cm程の距離で改直を殴るのを止めた。
「え...?」
「もういい!消えろ!」
そう言い、詩島は早足で帰って行った。
「なんで殴んなかったんだ?...まあいいや、帰ろう...」
改直は学校から出て、そそくさと帰路を急いだ。早く帰らないといけない。なぜなら、地獄は学校だけではないからだ。
「家に帰ってもいいこと無いなぁ...」
改直の両親はいわゆる“暴力親”である。家に帰るのが予定より1分でも遅いと、何をしていたのかと問いただされ、理由も無いのでただ謝ると、殴られる。
「もう嫌だ、死にたい」
そう口走った瞬間、目に映ったのは、人を喰らう怪物だった。
―続―                      

3:熊:2016/02/13(土) 21:45 ID:eIQ

あ、言い忘れてました。自由にレスおkです!じゃんじゃん書き込んで下さい!

4:匿名:2016/02/14(日) 16:06 ID:Tlc


 改行するときは、空欄一つ開けた方が良いと思います。
 また、『!』や『?』等の記号を使う際は、次の台詞との間に一マス開けるのが基本らしいです。
 加えて『…』は単数使用ではなく『……』の様に二個使用するのも、小説の基本となっております。

 以上は、>>2を見てまでの一番気になったところです。
 作品事態はまだ一スレしか上がっていないので何とも言えませんが、>>2冒頭の自殺についての文章は心惹かれる物がありました。
 これからも頑張ってください。

5:fia◆LM ikrkn:2016/02/15(月) 16:55 ID:iwg

ここまで読んで面白かったです。
最後の人を食べる怪物からの続きも凄く気になります。
続きはよ。

6:熊:2016/02/15(月) 22:33 ID:eIQ

 ―穂高改直の最悪な日常は、中学校入学から暫くすると起こった。今住んでいる那珂町に越して来たばかり
 だった為、まわりに馴染めず、部活にも入らず、何事にも消極的だった。その時の改直には、まわりが全員
 敵に見えた。人から白い目で見られたり、成績の悪化で元々厳しかった親はさらに厳しさを増した。そんな 生活を一年続けていたら、いつの間にか、下しか見ないようになった―
 
 第一章第ニ節「スタート」

 僕は今、怪物の目の前にいる。ヤツは男性だったであろう人肉をむさぼり喰っていた。吐き気と恐怖で体が
 動かなかった。しかし、こういう時に限って喉はせっせと働く。
 「く......喰ってる、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 その瞬間、怪物は赤く染まった顔をこちらに向けて不気味な笑みを浮かべた。その怪物を見て、僕はヤツと
 目が合い、怪物の顔とは対照的に顔は蒼白くなっていった。そして、そのまま意識は遠のいて行った。最後
 に僕が見たものは、降って来る光。なんだあれ。なんだ......あれ......。

 気が付くとそこはベットの上だった。
 「ここは一体......?」
 「ここは病院です。ご両親が捜索願を出されて、救急搬送隊があなたをここへ」
 「あの......」
 母さんが口を開く。
 「息子は今日退院できますか?」
 「いえ。今日一日入院して、明日退院という予定になります」
 「そうですか......」
 母さんは恐らく僕を早く帰らせるつもりでいたみたいだ。面倒臭いからだ。
 「では失礼します」
 「息子さんとはお話しないのですか?」
 「ええ。では」
 行ってしまった。用事もないのに。
 「では今日は安静にしてて下さい」
 「はい......」
 ......暇だな。一応テレビカードあるし部屋に誰もいないからテレビ見よ。
 ―その瞬間目に映ったのは昨日の帰り道だった。
 「こちらリポーターの山本。那珂町にある現場では、男性と見られる方の遺体がありました。この男性は、
 昨晩七時ごろ、猟奇的な殺害方法で殺されていました。この犯行はドロップ―」
 昨日の事がもう話題になっているのか......一体全体僕の身に何が―
 (昨日の事全て教えてやろうか?)
 「え......!?」
    ―続―

7:熊:2016/02/19(金) 21:28 ID:eIQ

 ―穂高改直は”怪物”に会い、恐怖で意識を失ってしまった。その時、上空から一つの光が舞い降りた。そ
 の光は倒れていた改直に取り憑いた。改直が目覚めたのはその瞬間だった。怪物は起き上った改直に襲いか
 かる。しかし改直は先程とは裏腹に怪物に向かって行く。彼の左目は紅蓮に染まり、右手には大剣を握って
 いた。その姿にあっけに取られていた。その隙を狙った彼は怪物を一刀両断した。
 「ギャァァァァァ!」
 怪物の断末魔戸と共に彼はまた意識を失い、倒れこんだ。
 
___________________________________________________
 
 (昨日の事全て教えてやろうか?)
 「え.....?」
 脳の内部に直接響き渡るような声がした。
 「お前は一体何者だ!?」
 「私は”炎鳴神”。君の体に昨日の晩取り憑いた。」
 頼む。常人にも分かるように説明してくれ。
 (そうだな......)
 「ちょっと待て!何で僕の考えてる事が分かるんだよ!」
 (それは私が君と同化しているからだ。)
 「......まぁいいや。まずはこの状況に至るまでを説明して欲しい。」
 (いいだろう。黙って聞いてくれ。私はある目的のために幽体となって浮遊していた。そんなあくる日、
 君が”奇獣”に襲われていたので、助けたかったが、この姿では何も出来ないのでやむを得ず、君の体と同 化した。その後力は収まり、今に至るのだ)
 「質問良いかな?」
 (ああ、何だ?)
 「ある目的って何なの?」
 (それは話が長くなる。また今度だ)
 「”奇獣”とは?」
 (それは君の言う所の怪物。いわゆる生物兵器だ。人を喰らい、君の様に力を持っている人間を襲う奴らだ
 )
 「さっきから炎鳴神がずっと言ってる“力”って何なの?」
 (それは、私が人間に同化する事で、並外れた身体能力を手に入れる。だが、通常の人間はこの“神”の力
 には耐え切れ無いが、お前は耐え切ったのはおろか、私の力を完全に使いこなした。それが君の”力”だ
 )
 「失神してたのに?」
 (意識の有無は関係無い。私が君の体を使えたかは君が私の力を使えたかと一緒なんだ。)
 「ところで、その力で僕は奇獣を倒せるの?」
 (は......?)
 改直はこの時、一つの考えがあった。
 この力で奇獣を倒せば皆自分の事を認めてくれるんじゃないかな―
 人類の敵を倒す理由にはやや不純だが、志は十分だった。
 (ああ、もちろん倒せる。その力でな。)
 「そうなんだ」
 改直は奇獣を”自分”が倒せる事に気分が高楊した。
 (奇獣は力を持っている人間を嗅ぎ分ける。いずれ君の元にまた襲いかかるだろう。しかし奇獣はどんな人 間も喰らう。君の周辺の人間にも危害が及ぶ可能性が否めない。注意しろ)
 「そうなのか」
 そんな二人の会話を隣接するビルの屋上から盗み見る怪しい影があった。
 「あれが我々の大敵、穂高改直か......」



 〜あとがき〜
 更新遅れました。すみません。物語の構想を練るのが大変なんです。どんな流れにしようか、どんな伏線を
 張ろうか、って考えたりします。では皆様、また次の回でお会いしましょう!

8:熊:2016/02/22(月) 21:54 ID:eIQ


―ある日の朝、二人の夫婦の間に子供が生まれた。その子供のには名前はまだ無かった。夫婦は三日三晩悩ん

 だ。その末決まった名は、失敗しても、改め、直せる人間、”改直”だった。改直は順調に育って行く.....
 
 筈だった。不器用な夫婦は子供に対して冷たく当たる事しか出来なかった。弁解も出来ないし、このまま続

 ける訳には行かない。子供が居ない時話すのはいつもこの話題だった。しかし、この夫婦が子供へ何かを託

 す時間の余裕が無い事を二人はまだ知らなかった。

9:熊:2016/03/12(土) 23:49 ID:eIQ

 病院からの帰り、改直に向かって唐突に炎鳴神が言い放った。
 (君の家に奇獣が近づいているぞ!)
 「何故奇獣が僕の家に!?」
 帰路を急ぎながら改直は問う。
 (奇獣は君の匂いを記憶している。その匂いをたどって家に来たのだろう。)
 と炎鳴神が説明していると、改直は倒れている人影を発見した。人影に近づいてみたが、その命は絶えてい た。
 「そんな!」
 (改直、すぐ家に戻るぞ!)
 「ああ!」
 この時、改直は初めて家に帰りたいと思った。どんなに殴られても、蹴られても、怒鳴られても、親は親な
 んだと思った。
 ―――――――――――――
 家に戻ると、玄関から滅茶苦茶に荒らされていた。
 「そんな......母さん!父さん!」
 改直の声を聞いたためか、奥から声が聞こえて来た。
 「改直!助けてくれ!」
 改直の父親の声を聞き、居間へ行くと、奇獣に襲われている父親を見つけた。
 (行くぞ改直!私の名を叫べ!)
 「ああ!」
 「―汝の力を我に託せ、炎鳴神!」

 〜あとがき〜
 大変遅れました。自分も来年度から受験生となるのでさらに遅れると思います。お詫びに設定晒します。
 改直の父親・・・無職の下衆1号。息子に物理的な暴力を振るう。

 改直の母親・・・無職の下衆2号。息子に精神的な暴力を振るう。


 
  

10:熊:2016/03/17(木) 21:51 ID:eIQ

 穂高改直が叫んだ瞬間、改直の左目は紅く染まり、右腕には大きな剣が現れていた。

 「それが例の”エンメイシン”か......」

 「黙れ奇獣!」

 父を襲った奇獣に改直は逆上した。手に握りしめた剣を奇獣に向かい切り払った。

 「”奇獣”って呼ぶのよせよ。俺の名前はロノウェだ。ろ、の、うぇ!」

 「そんなのはどうでも...うあっ!?」

 改直は何かに足を引っ張られた。

 「おいロノウェ!そいつが狙いなんだろ!」

 「父さん!何を!?」

 改直が動けない内に父親は逃げ出した。しかしロノウェが殺したのは、父親の方だった。

 「クズ1号抹殺完了〜。感謝しろよボウズ」

 目の前で父親を殺された改直の堪忍袋の緒が切れた。

 「お前ぇぇぇぇぇぇ!!!」

 改直は剣をロノウェに突き刺した。

 「グ...ハァ......」

 ロノウェは断末魔を上げ、倒れた。
 「母さんが心配だ!行かなくちゃ!」

 「待て......ボウズ......」

 「!?まだ生きていたのか!」

 「俺の話を良く聞け......奇獣に関する事を洗いざらい教えてやる......」

 「え?」

11:熊:2016/03/19(土) 23:11 ID:eIQ

 ―何処だ、ここは。私は誰なんだ?

 「目を覚ましたかい?”ロノウェ”」

 私は、ロノウェ。27人目の柱――

 ―――――――――――――
 
 「ロノウェ、奇獣についての事って一体......!?」

 「俺が消える前に話す......。奇獣とは、文明遺産研究家、山岸博士がある目的のために生み出した72体
 の悪魔。 ボウズに今憑いている炎鳴神はこの町に結界を張り、この町にある何か大切な物を守る4体のシ
 ステムの内の一体で、この4体を統率するシステム、”漆黒神”(しっこくしん)が存在する。この漆黒神
 が暴走し、止めようとした4体の子システムを破壊し、今の奇獣を統率し始めたらこうなってしまった....
 ..」

 「奇獣については分かったが、さらに分からない事が増えたよ!」

 ロノウェの説明のに改直は腹が立った。

 「まあそう言うな。今の状況で調べられたのはこの位だったんだ。」

 「何だよそれ!」

 話している内にロノウェの体が消え始めていた。

 「俺の体はここまでだ。これからじきに謎は明かされるだろう......」

 「そんな!行くなノロウェ!」

 「お前の父さん、悪かったな......」




 「ノロウェェェェェェェェェェェ!」

12:熊:2016/03/25(金) 17:04 ID:eIQ

 ノロウェは死んだ。父さんも死んだ。これで母さんが死んでしまったら―
 僕は......。

 「なぜ僕じゃなかったんだ」

 母がいるであろうパチンコ店へ急ぎながら改直は一言呟いた。

 (どうしたんだ?いきなり)

 「僕がいなくなれば父さんは死ななかった」

 (そんな事は言うものじゃない)

 「そう...だよね......」

 (見ろ、パチンコ屋だ)

 改直はおそるおそる店へ入っていく。店をある程度覗いても母親の姿は見当たらなかった。

 「居ないな......」

 (店員に聞いてみよう)

 炎鳴神の言う通り近くに立っていた店員に声をかけた。

 「あの、さっき髪の長い痩せこけた女の人を見かけませんでしたか?僕の母なんですが......」

 「君、こんな店に未成年が入ってきちゃ駄目でしょ?」

 「......でも、好都合だ」

 (!?)

 「ノロウェが来るのを此処で待っていたら丁度やってくるとは」

 「人間の姿にもなれるのか、奇獣!!」

 「まあ殺した人間の姿を頂いてね。あと俺の名前グシオン」

 グシオンの言葉に改直は激しい怒りを覚えた。

 「おいおい、戦うなら外にしよーぜ」

 「......」

13:君の知る人物:2016/03/25(金) 19:41 ID:sSc

ロノウェがノロウェになってますぜ。
とても面白いので、次回たのしみにまってまーす!!

14:熊:2016/03/27(日) 22:18 ID:eIQ

―あれ、ここは―

 (ここは貴方の住んでる那珂町の狭い狭い路地じゃない。何言ってるのかしら)

 (改直、大丈夫か?)

 「ああ、無事だよ。炎鳴神と......誰!?」

 物語は20分前に戻る。改直とグシオンは人目のつかない路地に移動した。
 「......それじゃあ、始めるか。死の遊び<デスゲーム>を

 (やるぞ!改直!!)

 「汝の力、我に託せ!炎鳴神!!」

 改直の紅蓮に染まった瞳は、怒りに燃えていた。

 「お前のような野郎に母さんを、人を殺させない!」

 改直は大剣をグシオンめがけて振りかざした。しかし、グシオンはその刃を素手で受け止めた。

 「なんだこの剣。俺様に炎は効かねえんだよ餓鬼が!!!」

 「グあっ!!」

 グシオンは改直が握ったままにも関わらず、大剣を改直ごと投げ飛ばした。

 「ああああああああっ!!!」

 そのまま改直は路地の行き止まりにぶつかった。脳を打った改直は失神してしまった。

 (改直!起きろ!改直!)

 炎鳴神の声も改直には届かなかった。

 「人間も脆いなぁ。だろ、炎鳴神。」

 (生憎私もさっきの一振りに殆どの力を込めてしまった。このままじゃ、改直も、私も......)

 (......情けないわね。炎鳴神。この憎たらしい奇獣ちゃんは水が苦手みたい)

 (君は、”水鳴神<すいめいしん>”!?)

 (正解。じゃあこの坊やの体、借りるわね)

 そう言うと、水鳴神の光は、改直に憑き、体が動き出す。

 (痛っ!体の主の痛みはトレースされるのね。なんて嫌な仕組み)

 「グシオン君はこっちですよ〜」

 水鳴神の後ろにグシオンが回り込む。しかし、その体は半分となっていた。

 「え、嘘」

 (嘘と真実は紙一重。あなたは私の水鳴神剣に真っ二つにされていた事に気付かなかったあなたの負け)

 (水鳴神、強い)

 炎鳴神は確信する。

 「という事があったのか。ありがとう。水鳴神。これからも宜しく頼むよ。」

 (え!?ああ、うん......)

 この瞬間、改直は大切な事を思い出した。

 「母さん!」

 路地から出て周りを見渡していると改直の元へ警官がやって来る。

 「君、穂高改直君だね?今君のお母さんが病院にいるので一緒に病院に来て欲しいが、いいかな?」

 「は、はい!!」




 〜あとがき〜
皆様、閲覧ありがとうございます。熊です。今回の回、どうだったでしょうか?感想を出来れば下さい。(この感想のコメントがこれからの執筆の参考になったり、励みになります。これからもお願いします)
キャラ紹介
水鳴神・・・液体状に変わり、トリッキーな戦術を得意とする水鳴神剣を改直に与える。(この時改直の左目は青色に変わる)アストラル(幽体)型プログラムなので性別は無いが、女性ぽい。

15:君の知る人物:2016/03/30(水) 23:09 ID:sSc

アストラルw遊戯王っすかw

16:熊:2016/03/31(木) 15:30 ID:eIQ

レベル4のモンスターが2体・・・来るぞ!遊馬!!(CV入野 自由)
......ちゃうわ!!
アストラルとは実体を持たない幽体、つまりお化けと言う意味です。
某ゼアルのアストラルは此処から取られていると思われます。

17:熊:2016/04/01(金) 16:50 ID:eIQ

 ―穂高改直は病院につき、母の病室へ向かった。そこで母は疲れ果てて横になっていた。

 「......母さん、何があったの?」

 「怪......物......」

 一言不可解な言葉を残して母はまた眠ってしまった。

 「改直君、今はそっとしといてあげよう」

 同伴していた警官は改直にそう言った。

 「はい......」

 病院のロビーにて改直が警官と母を待っていると、ある男性が改直に話しかけてきた。

 「君が穂高改直君だね?」

 「は、はあ......」

 {誰だこの人}

 改直が心の中で思った事に炎鳴神は図々しく答える。

 (彼は君が私と初めて会った日、気絶していた君を病院へ連れて行った人間じゃないか)

 「どうした、改直君」

 男性が聞いてきた。

 「いえ。そういえば、貴方が僕を助けてくれたんですよね?お名前を聞いてよろしいでしょうか」

 「いいよ。俺の名前は和田 優人(わだ ゆうと)。覚えててくれたのか。ありがとう」

 男性の名前を聞いた所で改直は最も聞きたかった質問を聞いた。

 「何故、和田さんが僕の元に?」

 「姉......君のお母さんから頼まれた事があってね」

 話は、昨日に遡る。
 優人はある日、改直の母親から電話が来た。

 「もしもし、和田です」

 「優人?私だけど」

 「姉さん?」

 「ええ。貴方、内の改直を倒れてた所を助けたのよね?その節はありがとう」

 「たまたま見つけたんだ。改直君じゃないかと思ってね」

 「......そう。それで頼みがあるのだけれど、私に何かあったら改直を引き取って」

 「何かってどうしたんだ姉さん!!」

 「最近誰かに監視されている様な気がするの。」

 「......分かった」

 この時、姉と弟、穂高改直の母と叔父の間で約束がなされた。

 ―――――――――――――――――

 「君の家も酷い有様だし、警察だって行き来している。俺の家に来た方が良い。広い部屋じゃないがちゃん
  とした飯は出せるよ」

 「ありがとう、叔父さん」

 「優人で良いよ」

 二人が会えたので警官は席を立った。

 「本官はこれで」

 改直は感謝の言葉を口にする。

 「ありがとうございました!!」

 その言葉を聞いた後、警官は足早に病院から去って行った。

 「改直君、今から君のお母さんの病室へ行こう。その後俺の家に来てくれ」

 「はい」

 (......良かったな、改直)





 病院の近く、歩いていた警官が呟いた。

 「鳴神の使い手に”ドロップアンドウィップス”のリーダーか。面白くなってきたな。ま、奴らを狩るのは
  このサブナック様率いる悪三人衆だ!!!!」

18:熊:2016/04/04(月) 22:30 ID:eIQ

 どうも皆さん、熊です!! 今回は番外編「ドロップアンドウィップス」をお送りします。
 簡潔に言うと”和田優人”の話です。
 ―世界で初めて奇獣を倒した者の物語―


 「・・・はあ」
 俺は和田優人。高校3年生だ。毎日が億劫だ。退屈だ。お陰様で第一声から溜息をついてしまった。ゴメン。
 「おい和田。この問3をといてみろ」
 教師って何故こんなにもうざったいだ。俺を当てても誰の得にもならない。強いて言えばあそこの馬鹿なゴ
 ロツキが俺に突っかかって来るぐらいか。
 「x=3」
 「・・・正解だ」
 こんな世界やってられるか。俺はそんな風に考えていた。”その時”が来るまでは。

19:熊:2016/04/07(木) 16:25 ID:eIQ

「ドロップアンドウィップス」続き。
 その日の帰り、優人が狭い路地を進んでいると倒れている怪物を見つけた。

 「にしてはでかいな、この怪物」

 優人がまじまじと覗いてると、怪物が意識を取り戻した。

 「・・・ここは」

 「怪物!?生きてたのか!!」

 「人間!!私に何をするつもりだ!」

 目覚めた怪物は優人に警戒した。優人は怪物に何もしない事を伝えた。

 「何もしないよ。それより、お前腹減ったろ」

 「ふん!この奇獣”バルバドス”が人間の施しなど受けるか!」

 バルバドスと名乗る怪物はそう言うものの、腹から音が鳴る。

 「やっぱ腹減りじゃねえか。コンビニで何か買って来るから此処にいろよ」

 「・・・勝手にしろ」

 優人はコンビニで軽食を買って来て、それをバルバドスに食べさせた。すると、バルバドスは自分の事を話
 し始めた。

 「俺は奇獣と言う怪物だ。目的は特にないが、漆黒神と言う存在の命令によって統率され、その命令のまま
  に俺達は人を殺し続け、抵抗する者は本人を含めた関係者全員を殺した。しかし、俺はそのやり方に不満
  でしょうがなかった。こんな事は間違ってると仲間に伝えた俺は裏切り者として今も追われている」

 バルバドスの話を聞いて優人はある事に気が付いた。

 「つー事は、今も、追われてる?」

 「ああ」

 重大な事に気付いた優人はバルバドスの手を引っ張り、逃げ出した。

 「お前、その仲間だった奴らに追われてるんだろ?早く逃げるぞ!!」

 走り出した優人の前に怪物が現れた。

 「そうはさせねえよ!俺達悪三人衆がバルバドスと、人間!お前も殺す!」

 敵に気付かれた。こんな時どうする?
 A バルバドスを置いて逃げる
 B 立ち向かう
 Aの場合、多分俺も殺される。Bの場合、大変な事になる。

 「こんな時、どうすればいいんだ!?」

 優人の独り言に敵の堪忍袋が切れる寸前にまで迫っていた。その時、バルバドスが口を開いた。

 「C 俺の力を使う」

 「はあ?」

 敵と優人の疑問が同時に聞こえた。

20:熊:2016/04/09(土) 21:20 ID:eIQ

「―つまり、どういう事だ?」

 バルバドスの急な発言に対して優人は質問した。

 「俺の魂をお前に移す代わりにお前は超人的な運動能力を手にする事ができる。これを利用してお前に奴ら
  、奇獣を倒して貰う」

 「それは俺が強制的にこの争いに巻き込まれるって事じゃん!」

 優人が声を荒げて反論する。

 「このままじゃどの道お前もやられる。そもそもお前、本当に嫌だと思って無いだろ?良い退屈しのぎだっ
  てな」

 優人の思っていた事がバルバドスに見透かされていた。

 「おい!さっきから何で俺の考えてる事が分かるんだ―」

 優人が言葉を言いきる前に”悪三人衆”を名乗る奇獣の一体がバルバドスの体を上下に割った。

 「悪いな。こいつの命は悪三人衆が一人、アンドラスが頂いたよ」

 突然の事に優人は驚いたが、すぐにバルバドスの近くで声を掛けた。しかし、バルバドスの体には触れられ
 無かった。

 「おい!どういう事だ!?奇獣でもあんなすぐ実体は消えないぞ!」

 奇獣の一体、ブエルはバルバドスを斬った張本人、アンドラスに問い詰めた。しかし、アンドラスも愕然と
 していた。

 「バルバドスの体を・・・斬った感覚が・・・無かった・・・」

 これは一体どうなっているんだ。優人は心の中でそう問う。その時、その問いに答える声が聞こえた。

 (お前の手に触れた時、魂をお前に移し、ダミーの体を気付かれないように作った。どうだ?名案だろ?)

 「バル・・・バドス?」

21:熊:2016/04/11(月) 21:41 ID:eIQ

その声は、優人の”脳の内側”から聞こえてきた。バルバドスの言ってる意味が良く分からないが、今の状況
 を打開するにはバルバドスの力を借りるしか無かった。

 「お前の事、信じてみる」

 「ありがとう。優人」

 バルバドスが感謝を述べると、いきなり優人の体の奥底から力が溢れて来た。

 「これが、バルバドス」

 「おーーーーい」

 優人が亜然としていると、向こうから怪物の声がした。

 「準備出来たか?」

 「あ、ああ」

 優人の返事を聞くと、怪物達が名乗りを挙げてきた。

 「我は奇獣が一人、サブナック!!!」

 「同じく、アンドラス」

 「俺wwwブエルwww」

 「我ら、悪三人衆!!!」

 「……」

 彼らの名乗りに優人は言葉を失った。

 「そんなこんなでヨロシク!!」

 そう言ったと同時に彼らが攻めて来た。その攻撃を優人は避けた。しかし、それと同時にあまりの速さで気
 絶してしまった。

 「―――」

 (おい優人!駄目だ、気絶している……)

 バルバドスも困り果てた。

 (しょうがない。俺が動くか)

 バルバドスは優人の魂と同化しているため、優人の体を動かせる。その構成は炎鳴神達と同様だ。

 「こいつ避けたぞ!」

 サブナックが焦る。しかしアンドラスは動じない。

 「……速さが足りない」

 そう言って優人に斬りかかったが、容易く避けられ、その隙を突いて腹に一撃を喰らった。

 「マジ……」

 アンドラスが倒れる。それを見たブエルが激情に駆られた。

 「こんのおおおおおおおおおおおおお」

 しかしブエルの拳は簡単に受け止められ、握り潰されてしまった。

 「ぎゃあああああああああああああああああ」

 サブナックはブエルとアンドラスの姿を見て、その後、自分の目の前にいる人間、いや、”鬼”を見て恐れ た。

 「ひ……ひええええええええええええええ」

 そう叫んでサブナックは仲間の二人を抱えて逃げて行った。

 「ふう」

 優人の体を借りたバルバドスは溜息をついた。

 ―――――――――――――――

 優人は気が付くと自分の家にいた。ワンルームの殺風景な部屋だ。

 「俺、なんで此処に……」

 (俺がお前の記憶を頼りに帰って来た)

 「そう言えばさっきの奴らは!?」

 (お前が気絶してしまったから代わりに闘ってやった。感謝しろよ)

 「……へえ」

 度々バルバドスが口にする奇獣の便利なシステムに少し驚き、興味が沸いた。しかし、言う事は他にあっ  た。

 「ごめん。俺の力じゃお前に耐え切れなかった。足手まといになっただろう?」

 優人の心からの謝罪にバルバドスは言葉を返す。

 (そんな事は無い。お前がいなければ俺もお前も此処にはいなかった。それに方法だって考えてある)

 バルバドスの優しい言葉に優人は安心した。そして、質問をする。

 「なあ、今言った”方法”って?」

 (お前が俺の力を使える方法さ。お前以外の人間に俺の力を分割して供給するんだ。これをするためには二  人ぐらい協力者が必要だがな)

 「それなら”当て”がある。ま、話は明日にしようぜ。もう日が暮れてるし飯にしよう。バルバドス、お前
  も手伝え」

 (おう!任せ……って体が無いのにどうすんだよ!!)

 「そうだったな」

 優人はそう言って笑った。バルバドスも優人の心の中で大きく笑った。





 

22:熊:2016/04/23(土) 23:25 ID:eIQ

  翌日、優人は学校へ行くとすぐ、”当て”の人物の元へと向かった。そこは優人のクラスとは別の教室
 だった。

 「よう!!郷、和也」

 優人は元気良く挨拶をした。それに気付いた二人の少年達がこちらへ向かって来た。

 「オッス優人!!」

 「おはよう優人君」

 大声を張り上げた少年、藤 郷(ふじ ごう)と静かな声を発する巳年 和也(みどし かずや)が優人
 挨拶を交わし終わると優人が真っ先に喋り始めた。

 「今日はお前らに頼みたい事があるんだ」

 「何だよ。なんでも言ってみろ」

 「どうしたの?」

 二人の返事を聞いた後、優人は息を一つ吸って一言放った。

 「俺の力をお前らにあげたい!」

 「はあ?」

 郷が気の抜けた返事を返した。

 ――――――――――――――――――――――――――――――

 その後説明が終わると郷と和也は納得した。

 「なるほど。俺らにその力を分けて一緒に闘おうって事か」

 「優人君の心の中にそのバルバドスって言う方がいるんだね」

 (方ってなあ……)

 和也の言動にバルバドスも苦笑いした。
 そうしていると、バルバドスは学校の廊下の奥から異様な気配を感じた。

 (優人、今の内に二人に力を分けてくれ)

 「え?」

 (何か、来る)




 ―あとがき―

 滅茶苦茶遅れました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 申し訳無いです。

 お詫びといっては何ですが、作者の情報を君達に公開しよう!!

 名前 熊(←知ってるよ)

 中二病、オリキャラ板等に熊出没注意。

 独自の痛い設定有。痛さは常人だと手にシャーペン刺した位、変人だと金だらい一つ位。

 ……いらないよね。

23:熊:2016/05/02(月) 21:48 ID:eIQ

 バルバドスがそう言った刹那、向こうの廊下から叫び声と共に大勢の生徒が逃げて来た。生徒達は息を切ら
 しながら怪物、お化けと口にしているのを優人が聞いた。

 「まさか…奇獣!?」

 (そのまさかだ。今の混乱の内に郷と和也に力を分けるんだ)

 「分かった。郷、和也、手を貸してくれ!」

 「おう!!」

 「うん!!」

 二人が優人に向かって手を出す。その手を優人が強く握る。すると、突然二人の体の内側から力が溢れて来
 た。

 「な、何だ!?」

 「これが…バルバドスの力!?」

 二人が自分の体の内部からの異変に亜然とする。しかし、ずっとそうしている余裕は無い。

 「お前ら、今の内の内に作戦会議だ」

 優人が作戦会議を提案する。その言葉を聞いて和也が意見を出した。

 「僕が二人に指示を出す。その通りに二人共動いてくれないかな?」

 和也の意見に賛同する郷と優人が同時に声を発した。

 「分かった」

 (そろそろ敵が現れる。一旦和也は隠れて状況を把握、残りの二人が攻めてくれ)

 「よし。作戦は大体決まった。あとは奇獣のお出ましを待とう。俺と郷は此処に残り、和也は手前の教室に
  隠れていてくれ」

 「……分かった」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「誰かいるかー?いるなら元気良く返事しろー」

 廊下の角から奇獣が曲がって来る。

 「来たぞ。敵さんだ」

 郷が少し震えながら優人に伝えた。

 (この声と軽口は……)

 バルバドスの呟きに優人が興味を持った。

 「知っているのか?」

 (ああ、この声は”アモン”だ。)

 (アモンとは、最初に”創られた”奇獣だ。)

 「何だって!?」

 思わず優人が大声を出した。

 「馬鹿!気付かれるぞ!」

 二人の声を聞いたアモンがこちらへ近づいて来る。

 「そこに誰かいるのか?」

 「気付かれた!」

 アモンが現れたと同時に二人が突撃する。

 「出て来ないならこっちから……」

 アモンが言葉を言いかけた所で二人が両脇を殴った。

 「ぐああああ……」
 
 鈍い痛みがアモンを襲う。

 「餓鬼ども!!!!!」

 激怒したアモンの拳が二人に襲いかかる。それに反応した和也が二人に指示をする。

 「二人共!後ろに回避して!」

 その指示通り二人が避ける。それによってアモンの体のバランスが崩れる。

 「今だ!二人共奇獣の頭を狙うんだ!」

 敵の頭目掛けて二人が拳を振り下ろす。

 「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「……ここは…」

 優人は気付くと小さなアパートの一室に居た。

 「俺の、家……夢、だったのか……」

 ふと傍らの時計を見ると、午前8時を過ぎていた。

 「改直!!遅刻するううううう!!!」



 彼はこれからも自分の心を信じ、まっすぐに進んでいくだろう。たとえ自分の信じて来た記憶が”嘘”だっ
 たとしても……。








 

24:熊:2016/05/08(日) 22:05 ID:eIQ

 六月十三日金曜日。
 今日は改直が一ヶ月ぶりに学校へ行く日だった。両親の死後、精神的なストレスで改直は不登校状態に
 あった。しかし、明日は行くんだと昨晩改直が宣言したのだった。

 「改直ー。準備はできた―」

 優人が出来たかと聞く前に改直は出て行った。今は八時十八分。遅刻寸前である。

 「俺も学校で先生と話して来なくちゃな」

 ふうと溜息を吐いた後、事前に立てかけてあったスーツに手を掛けた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「ギ、ギリギリセーフ…」

 息を切らしながら改直が机に寝そべっている。その格好を見ながらひそひそと話をする生徒がいるが、改直
 は耳を貸さない。

 「みんなおはよう」

 教室の戸を開け担任が入って来る。それと同時に周りの生徒達の背筋が伸びる。

 「よく来たな穂高。皆も穂高の事を労わってくれ」

 「はーい」

 やる気の無さそうな返事が聞こえてくる。

 (皆君の事を労わってくれると言っているぞ。良かったじゃないか)

 久々に炎鳴神がこちらへ話しかけてくる。

 「あんなのただの空返事だよ。どうせいつもの居づらい世界なんだよここは」

 (それはどうだろうな)

 改直を嘲笑するように炎鳴神が口にする。

 (……何だよ)

 改直が不貞腐れていると、男子が話しかけてきた。

 「あの…穂高君、大変、だったよね…」

 同情して欲しい訳じゃない。ほっといてくれ。そう改直が言おうと思ったその時だった。

 「ガンバレって詩島君が、穂高君に伝えろって言われて、なんか…ごめん」

 「詩島が……?」

 詩島と言えばいつも僕に難癖つけて突っかかって来る奴だ。なんでそんな奴が??

 「あと、詩島君が放課後来いって言ってたよ……」

 「え?」

 以外だった。詩島が僕をわざわざ応援した後呼ぶなんて。放課後の”お呼ばれ”はいつもの事だったが、
 このようなやり方は詩島らしく無かった。

 「あいつ、何がしたいんだ?」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「―すみません、入校許可は頂いているでしょうか?」

 ここは改直の通っている那珂町中学校の受付。そこの受付係がやって来たコートを来た大男に話しかけた。

 「そんな物、必要無い。」

 大男がそう呟くと受付係の首を一瞬で切断した。その様子を掃除していた主事が見ていた。

 「キャ、キャァぁぁぁっぁあああ!!」

 そのまま主事が逃げてしまった。

 「あーあー。もうばれちまったか。まあいいや、一つ暴れてやるか」

 大男はその場から離れていった。コートを脱いだ大男の姿はまさしく、”アモン”だった。

25:熊:2016/05/28(土) 23:59 ID:eIQ

 その日、優人は改直の学校に来ていた。そこでは、改直の担任と優人が話会っていた。すると、急に扉を開
 けて受付の係員が息を切らしてやって来た。

 「先生! か、怪物が……」

 「怪物…!?」

 怪物と聞くとすぐに優人は思いついた。”奇獣”が来た、と。

 「ようバルバドス。”パーティー”の始まりだ」

 「お前は……アモン!!」

 突然廊下を歩きながら現れたアモンに優人は驚く。しかし、その前に担任と係員を何とかしなければ。そう
 思った。

 「二人共!早く逃げて下さい!」

 「は、はい!」

 優人の指示に従い二人が逃げていく。それを見送った後、アモンに視線を送った。

 「さっき、お前は俺を”バルバドス”と呼んだな。それは俺の中の力を指しているのか、それとも……」

 「それについて今日はお前に話をしに来たんだ。まあ聞いてくれや……」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 優人と担任が話ている頃と同時刻、改直は詩島に呼び出されていた。

 「屋上に連れて来て、また僕に寸止めパンチを喰らわすのか。もうどうだって良い。いっそ当ててくれ」

 皮肉と諦めのこもった改直の言葉に詩島も顔をしかめるが、すぐに本題に入った。

 「俺は今日、超が付くほど気に入らないお前に一つ言いたい事があって此処に呼んだ。今からその言葉を言
  くれ」

 「分かったからとっとと言って見ろよ」

 どうせ消えろとかそんな言葉を面と向かって言いたいんだろ、と改直が思うが、炎鳴神達にこら、となだめ
 られた。

 「実は―」

 言いかけた所で詩島は目の前に沸いて出た奇獣に腰を抜かした。

 「う、うひゃああああ!!」

 「どーも、お前が穂高改直だな。」

 「お前ら、奇獣!!」

 (しかも三体同時。手ごわいわね)

 心の中で水鳴神が分析する。

 「自己紹介をさせて頂く!!」

 リーダー格であろう奇獣の珍妙な台詞に改直の開いた口が塞がらない。

 「我は悪三人衆のリーダー、サブナック!」

 「最近ネット回線の調子が悪くて投稿出来なかったって熊が嘆いてたよ。アンドラス」

 「俺wwwブエルwww」

 「我ら、悪三人衆!!」

 「何だこいつら……」

 「……」

 一通りに自己紹介に二人は絶句した。

26:熊 さて次回はどうしようかな:2016/06/04(土) 21:32 ID:eIQ

「あ、あんた達今までの奇獣とは何か全然違うような……」

 改直がやっと口を開く。

 「我等は孤独の星の下に生まれた今までの奇獣とは訳が違うんだよ!」

 「アンドラス達は目覚めた時からずっと一緒だったんだよ」

 良く飲み込めないが改直とそこで亜然としていた詩島がゆっくりうなずく。

 「は、はあ……」

 そんな中、詩島が小声で話し始めた。

 「な、なあ改直。こんな時にアレだが言いたい事があるんだ」

 「え?」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 場所は変わり、アモンと優人が対峙していた。

 「今日はバルバ…いや、和田優人。お前の過去について話す。何せ今までの失敗で今日が俺の命日になると
  思うぜ。あの漆黒神とやらに倒されてな。」

 「それなら早く話せ。黙って聞いてやる」

 アモンは話し始めた。

 ある日、アモン、バルバドス、サブナック、ブエル、アンドラスの5体の奇獣が地上に転送された。
 その様子を目撃した男がいた。その名は和田優人。彼はおののきながらもアモンにプッシュ・ダガーを刺し
 た。それを見たバルバドスは彼の心臓を一突きにした。バルバドスは人を殺めるという行為に恐怖していた
 が、他の者は当然の事だと思っていた。
 暫くすると、バルバドスの力によって体が変化し、優人の姿へと変貌した。
 ”俺はこいつの記憶を知った。こいつは凶悪猟奇殺人犯だったが、顔と声は知られていない。少しの間こい
  つの姿で生きさせてくれ。また逢う日、今日の事を話し合おうな”
 これがバルバドスの最後の言葉だった。その後、アモンの力でバルバドスとしての記憶は書き換えられた。

 「―お前には奇獣の面を持ち生きるのは酷だと思ったんだ。お前は優し過ぎるんだ」

 「…アモン」

 アモンに手を差し伸べようとした瞬間、アモンが倒れた。

 「な……アモン!」

 「ハートフルな話じゃないか」

 拍手をしながら現れたのは、謎の黒い”バケモノ”だった。

 「アモンをやったのはお前か……まさか、お前!!」

 「そう。私こそが漆黒神!!!」
 

27:熊 アンドラスの言う通り!:2016/06/12(日) 13:55 ID:eIQ

「……何故アモンを倒した!!」

 優人が激昂しながら漆黒神に聞いた。それに対し漆黒神は冷静かつ嘲笑しながら答えた。

 「不必要だからだよ。私は貴様と穂高改直の抹殺を命令した。だが無駄な犠牲と共に、目的も果たせていな
  い。彼には将来性が見出せない。つまり、もう駄目な”ゴミ”って事さ。

 「どんな者であろうが、誰もゴミなどでは無い!!」

 その時、廊下の暗がりから炎鳴神の乗り移った改直達が姿を現した。

 「久しいな、炎鳴神……ほう、サブナック達も貴様らの側についたのか」

 漆黒神が冷徹さの中に驚きを秘めて言葉を放った。

 「我らはアモン様の死を感じ取った時、何が善で何が悪なのか、改められた。その結果が今の状況だ!」

 「きっとwww俺でもwww何かできるwww」

 「何があったかは次回説明するってさ。アンドラス」

28:熊 アンドラスの言う通り!:2016/06/18(土) 21:57 ID:eIQ

 時は遡り、改直が悪三人衆と対峙していた頃に戻る

 「……どうしたの!?」

 「改直、今まで本当にごめ―」

 詩島が言葉を言い終わる前にサブナックが襲いかかった。

 「ピーチクパーチクうるせえんだよ!」

 「改直、危ない!!」

 その時、改直を押しのけて詩島が攻撃をかばった。すると、詩島の腹に大きな傷が開いた。

 「し、詩島あああああああああ!」

 改直が叫ぶと同時に炎鳴神の力を発現させ、サブナックに斬りかかった。しかし、その攻撃は当たらない。

 「う…ううう……」

 床に伏した改直は涙を流した。”守るべき者”を守れなかった不甲斐無さと、詩島の傷を治せないもどかし
 さがさらに彼を苦しめた。

 「もう、何も出来ないのか……また、守れないのか……」

 うな垂れていた改直の前方から光が差した。改直が目を瞬かせると、そこには真っ白な世界が広がってい
 た。

 「此処は……」

 (此処はキミの精神世界。今はキミの意識が奪われているから、こんなに真っ白なんだ)

 「へえ……って誰です貴方!精神世界ってどゆこと!?意識が奪われてる!?はあ!?」

 (始めまして穂高改直クン。僕は風鳴神。僕の力で今君は精神世界にいるんだよ)

 「現実はどうなっているんだ?」

 状況を読めて来た改直は風鳴神に訪ねた。

 (まだ寝てるよ。だけど精神世界の時間は現実の一万分の一だ。心配はいらない)

 「そう。なら、君の知っている事を全て話してくれないか」

 (分かった。まず、僕の力だ。僕はこの様に精神世界へ介入する能力と、自他の治癒能力がある。これを使
  えばキミの友達を治したり出来るよ。)

 「本当に!?」

 詩島を助けられる事に改直は希望を抱いた。

 (ああ。次に、キミの力の事だ。キミの力をフルに活用させる事で、炎鳴神、水鳴神、そして僕の力を同時
  使用出来る!)

 「そうなのか!?」

 (念じる事によって発動するが、同化部分、つまり目への負荷が掛かるので無理は禁物だ。)

 (そしてもう一つ、能力吸収(アブソーブ)。これは相手の力を吸収し、コピーするものだよ。キミは僕達
  の力を使っていく内に、キミ自身が新たな力を手に入れたんだ。)

 「そうなのか……にしても、何故風鳴神はそんな事をしっているんだ?」

 (それは”まだ”言えない。僕の知っている事はもう全て話した。さあ、改直。現実世界へ戻ってやる事を
  やるんだ。僕も力を貸そう!)

 改直は大きくうなずいた。そして、気付くと学校に戻っていた。

 「……戻って来たんだな」

 「ブツクサ言ってんじゃねえ!」

 意識が戻ると同時に突然サブナックがこちらへ攻撃を仕掛けて来た。その瞬間、改直が叫んだ。

 「汝の力を我に託せ!炎鳴神、水鳴神、風鳴神!!」

29:熊:2016/06/22(水) 17:29

ちょっくら捕捉タイム。
和田優人(バルバドス)の記憶についてです。
優人の記憶とアモンの記憶に矛盾があった点ですが、実はアモンの記憶を書き換える力に穴があったのです。
アモンの力のルールとして、「改ざんする記憶は設定出来ず、過去の印象的な記憶が新たな記憶に影響する」という物です。
これによって優人の記憶にアモンが出てきました。
以上です。
舌足らずの熊でした。m(∨_∨)m

30:熊 pc:2016/06/25(土) 22:51

 「汝の力を我に託せ!炎鳴神、水鳴神、風鳴神!!」

 改直が叫ぶと同時、彼の左目の瞳孔に赤、青、緑色の三つ巴紋が浮かび、右手には左目のそれと同じ意匠の
 ある大剣を握りしめていた。

 「少しだけ姿が変わったぐらいで!行くぞブエル!アンドラス!」

 そして、呼ばれた二人の仲間も加わり、三体が同時に攻撃を仕掛けて来る。しかし、その一斉攻撃もあえな く大剣の炎、水、風の三つのオーラに防がれた。

 「すごい……これが三体同時に能力を使用した力なのか」
 
 (今敵が倒れている隙にキミの友達を助けるんだ)

 風鳴神が指示をする。改直はうなずき、倒れている詩島の腹に手を差し伸べた。すると、たちまち詩島の
 腹の傷が回復し、意識を取り戻した。

 「改直……お前……」

 詩島は改直の姿を見ると、小声で話し出した。その姿を見た改直が彼をなだめる。

 「今は休んでいて。まだ此処は危ない。奴らに気付かれたらまずいし」

 その忠告も聞く事無く、詩島が言い放った。

 「今までごめん。俺は俺自身が嫌いだ。だから”不器用”なんて言葉も嫌いだ……」

 自分の思いを改直にぶつけると、眠ってしまった。

 「不器用だな……」

 改直はそう言うとおもむろに立ち上がり、悪三人衆の元へ駆け寄った。すると、三体に左手を向け、
 呟いた。

 「能力吸収(アブソーブ)」

 そう言うと、改直の左手に三体の力が吸収されていった。その時、気配を察したサブナックが改直に襲いか
 かった。しかし、その場でサブナックは硬直した。

 「僕に攻撃は効かない」

 「なに…!」

 「これはお前の仲間の力だよね?」

 「なぜアンドラスの力を使えるんだ!!」

 「お前に語る必要は無い。それに、僕が中学生という事で手加減してたんだろ?」

 サブナックは仲間の力を奪われ、さらには自分の甘さも読まれ、怒りで爆発しそうだった。
 しかし、今は何も出来ない。

 「苦しいか?でも、父さんや母さん、詩島の受けた苦しみはこんなもんじゃない!!……そうだ、もう一人
  の奴の力を使ってみるか。確か、”相手の最も印象に残った人物の現在の状況を知る事が出来る”だっ   け?あんまり実用的じゃないけど当ててみよ」

 改直は恨みのあまり、残虐な思考となっていた。

 「やめろ…やめてくれええええ!!!」

 サブナックの必死の抵抗に目もくれず、力を発現させた。すると、サブナックは苦しみ悶えた。その後、
 動きを止め、唐突に呟いた。

 「アモン様が、ヤラレタ」

 「アモン?誰だ?炎鳴神、知ってるか?」

 (あ、ああ。聞いた事がある。確か、奇獣の始祖だったそうだが)

 「成程、こいつの上司だった訳か。んでそいつが倒されたと。まあ朗報かな」

 改直の発想に水鳴神が反論した。

 (それだけでは無さそうね。アモンは最強の奇獣という話があるもの。ちょっと体借りるわね)

 「え!?ちょ!!」

 改直が驚く間も無く体の自由は効かなくなった。

 「ちょっと貴方、サブナックとか言ったわよね?そのアモンはどこで、いつ、誰に倒されたの?」

 「この学校で少し前、漆黒神に……」

 サブナックの回答に水鳴神は動揺する。

 「なんですって!?じゃあ此処に漆黒神が!?」

 (漆黒神は今までの事件の発端だ!彼に会って事の全てを話してもらわなくては!)

 炎鳴神が漆黒神に会う事を催促する。

 「そうね。じゃあ探知能力の優れている貴方に任せるわ」

 そう言うと、改直に体の自由が戻る。

 「ふう……まあそういう事だから、サブナックだっけ?お前に用は無いからもうどっか行ってなよ」

 「待て。俺も、俺達も漆黒神の元へ行く。敵討ちって奴だよ。それに、今ので守れなかった者の痛みが分か
  った気がするんだ。だから俺達を一緒に連れてってくれ」

 サブナックの言葉に意識を取り戻した他のニ体もうなずく。

31:熊 pc:2016/06/25(土) 22:52

 「……分かった。お前の贖罪、見せてもらうよ」

 改直はサブナックと固い握手を交わした。

 「痛ったあああああああああ!!」

 改直が右手を握り潰され、悶絶する。

 「ああ、済まない。そっちは生身の人間だったな」

 (そんな事より、あの君の友達はどうするんだ?改直)

 「そこに保健室があるからそこで寝かせておこう」

 改直はベットに詩島を横たわらせ、悪、否、”正義三人衆”と共に漆黒神の元へ向かった。

32:熊 pc:2016/07/02(土) 21:37

 「……とういう訳で俺達は奇獣を利用してきた張本人、漆黒神の元へやっとのこさ辿り着いたんだよ。
  アンドラス」

 「おいアンドラス、どこ向かって喋っているんだよ」

 一人呟くアンドラスにサブナックは問いただす。しかし、アンドラスは何も答えない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「お前が……漆黒神だな……」

 「貴様が我が子システム共を憑依した穂高 改直だな」

 その時、改直と漆黒神が接触していた。その唯ならない空気に近くにいた優人も干渉の余地は無かった。  そして漆黒神の煽る様な態度に改直の堪忍袋の緒が切れた。

 「間接的とは言えお前の所為でたくさんの人や奇獣が傷ついて来た!!」

 「今まで奇獣とは単なる殺戮するだけの奴らだと思っていた!!だけど彼らには人間と同じ”心”が
  あった。しかし彼らの良心の概念は侵された!漆黒神!お前の所為でな!!」

 「勘の鋭い餓鬼だ。確かに奇獣を操作しているのはこの我だ。だが、我の望む”生命の無い世界”を
  創り上げるためその為の生贄になってもらうだけだ。何が悪い?」

 (”生命の無い世界”?)

 炎鳴神はその一つのキーワードが気になった。しかし、改直はその事を気にせず、怒りに身を任せていた。

 「生贄だと……なぜわざわざ奇獣を使った!!言え!」

 「面倒だからだよ」

 漆黒神のこの一言に改直は憤怒した。

 「お前を……ぶった切る!!!来い!炎鳴し……」

 改直が自分の力を使おうとしたが、度重なる戦闘や三体同時憑依の負担によって倒れてしまった。近くで呆
 然としていた優人ははっとなり即座に意識を失った改直の体を覆う様にかばって漆黒神に目を当てた。

 「おっと、そんな目で見るなバルバドス。その餓鬼だっても力は残って無いだろう。今日から二カ月程後、
  つまり大晦日の日、我らは東京都庁を占領し、この世界の人間を絶滅させる本拠地とする。この計画を
  止めたかったら、その日、新宿へ来い。一番頂上の部分で待っている。」

 漆黒神は高笑いしながら虚空へと消えていった。

 「行ったか……俺は改直を連れて帰る。お前らも来い。生憎今日は警備員もいないしな」

 優人に対しサブナックが言葉を挟んだ。

 「まだ穂高改直の友達とやらが残っている。俺達が家へ連れていく。一応俺は警官、こいつらは警備員だし
  な」

 「……そうか、ありがとう」

 優人は少し微笑んだ。
 

33:熊 pc:2016/07/03(日) 11:22

 その後、改直の中学校は先日の戦闘の被害で学校として機能させる事が不可能に近くなってしまった。
 そのため、改直達は十数km先の他の中学校へ通う事になった。

 「……おい改直、この前俺が出会ったあの怪物って…夢じゃ無いんだろう?」

 詩島が改直にひそひそ声で聞いた。その事を改直は肯定した。彼の事を信頼していたからだ。

 「うん、そうだよ。詩島の僕への気持ちも決して嘘じゃない。でも、怪物の事は詳しく言えないけれど、誰
  にも話さないでね」

 「お……おう。そういえば、その時俺の帰りが遅かった物だから母ちゃん滅茶苦茶怒ってたなー。世界の終  わりを見たかと思ったぜ」

 話を切り替えた詩島は笑いながら話をする。改直も笑う。
 すると、教室の戸を開けて教師が改直と詩島を呼び出す。

 「穂高ー、詩島ー、今から職員室来−い」

 そう言われて二人が職員室へ向かうと、優人と刑事が話をしていた。すると、刑事がこちらを見つけ、手招
 きをする。その合図のまま、二人が近くにあった椅子に腰かける。

 「君達がこの前の“事件”の時いた子達かー。あっと、僕は鳴海 進之介(なるみ しんのすけ)。
  よろしく」

 自己紹介をさっと済ませると、すぐ本題に入った。

 「この前の事で捜査以来が出たので、監視カメラを見たら、君達と、この和田さんと、”怪物”が映ってい
  たんだよね」

 (改直、この問題に国を巻き込んでも犠牲が増えるのみだ。何も口出ししてはいけない。)

 「怪物っていうのは、その……変な格好をした人達が学校に残っていた僕らを人質にしていたんですよ」

 「何の為に」

 「……」

 改直はとっさに言い訳を言ったが、その作戦も無駄だった。

 「そう言えば、詩島君、腹の傷はもう大丈夫かい?」

 「あ、治ってる!確か怪物に斬られたはずじゃ……」

 その言葉に全員が動揺する。詩島は口を押さえた。

 「君達、真実を言ってくれないと、こちらで身柄を拘束させてもらう事になるよ」

 「脅しですか!」

 改直が大声を上げ、周りの教師達がこちらを向く。
 刑事の答えは単純で、重かった。

 「切実な願いだよ」

 「我々にはこの日本の人々を守る義務がある。マスコミにこの情報は提供しない。だから、教えてくれ。
  その時の事、怪物の正体、君達の力を……僕達が出来る事なら何でもする」

 刑事の願いを受けた改直は、一つの答えを出した。

 「分かりました。警察署の方で話をしましょう。但し、この事にあなた達もあまり巻き込みたくない」

 「詩島はもう戻って良いよ。君も巻き込みたくない」

 「改直、お前……」

 そのまま刑事と共に優人と改直は行ってしまった。詩島はその後ろ姿を眺めているだけだった。

34:熊 pc:2016/07/09(土) 22:49

 「んでだ。早速本題に入るが、あの日、何があったんだ?」

 警察署の取り調べ室に入ると、早々に進之介が話出した。

 (どうする、炎鳴神?)

 改直が炎鳴神に心の中で問いかける。

 (しょうがない。現状の事を話し、大晦日の事態の協力を煽るか)

 「……分かりました。全部話します」

 改直がそう言うと、今まで起こった奇獣との遭遇、別れ、優人の過去等、知っている事、そして大晦日に起 こりうる奇獣の進撃、改直が有する力を全て話した。

 「そうだったのか」

 「君達はそんなに辛い事に会って来たのか。こんな聞き方をして本当に済まなかった」

 進之介はその場に立ち、深く御辞儀をした。その姿に優人が戸惑った。

 「や、やめて下さい。自分達が頭を下げて協力を煽ぐ方なのに……」

 「……分かった。こちらから大晦日の日の件を上に報告する。これで恐らく都の方で対応してくれる
  だろう」

 「ありがとうございます!!」

 改直と優人の二人が感謝する。暫くして警察署から出ると、詩島と正義三人衆が立っていた。

 「大丈夫だったか改直!?お前、あの態度のでかい刑事に何もされていないよな?」

 詩島が改直に近づき、安否を確認する。その過保護な対応に改直も苦笑いする。

 「話は後だ。今日は皆で焼き肉食いに行こうぜ。俺の奢りでな!」

 優人が高笑いしながら歩いて行く。”奢り”の言葉に期待をした全員が優人についていく。
 すると、改直が素朴な疑問を投げかける。

 「でも優人さん、そのお金って……」

 「FXだ!!」

 歩いていた優人以外の全員が驚き、転ぶ。

 「な、何だよー!PCワークも立派な金だあああああ!」

35:テンペスティア 旧名 熊:2016/07/14(木) 19:28

 年表作ってきた。

2001年
11月30日 穂高改直出産。

2004年
2月12日 那珂町設立。毎年この日は「なかまちフェスタ」が開催される。

2006年
6月13日 奇獣正式起動。
  14日 和田優人死亡。

2014年
9月17日 炎鳴神、水鳴神、風鳴神、子システムその4起動。事故によって実体を持たない憑依型
      アストラル体となり那珂町のみを彷徨う。
9月28日 穂高一家、那珂町へ越す。

2015年
5月12日 改直が炎鳴神と遭遇。奇獣プルソンを討伐。監視していたグシオン、ロノウェは家族を特定、調      査を開始する。
5月13日 改直、入退院。自宅にてロノウェと遭遇、討伐。その後、母の安否を確認しに入ったパチンコ店
      でグシオンと対峙。その直後、水鳴神が憑依。グシオンを討伐。
      同日改直の母親が入院したので優人が改直を引き取る。
5月20日 改直の母親が過度のストレスによって死亡。
6月13日 改直が久方振りに登校。それと時を同じくしてアモン、サブナック、アンドラス、ブエルが
      侵入。
      風鳴神が改直と合流。子システムの活用法を伝える。 詩島が改直と和解。
      アモン消滅。正義三人衆が味方に。 漆黒神が現れる。
11月31日 優人、改直が警察に取り調べを受ける。そして警察に大晦日に起こる漆黒神達の襲撃に備える
       為の協力を要請。

36:テンペスティア 旧名 熊:2016/07/17(日) 22:08

 12月31日、世に言う大晦日の日。改直達は新宿都庁へ向かっていた。

 「漆黒神は時間を伝えていなかったんですが、大丈夫なんですか?」

 改直は疑問を優人にぶつけた。しかし、優人は奇獣であった経験から推測した答えを導き出していた。
 
 「その点なら問題無いよ。奇獣の基本的な行動に適した時間は夜だから、時間を感知されるリスクが高く
  ても全力を出す為に行動時間を今頃に設定していると思うよ。それに、あっちから”招待”しているから
  こっちの分かりやすい時間にするだろうしね」

 乗っていた電車の時間を見ながら彼は言った。すると、その電車のパネルに炎上している都庁の映像が流れ
 出した。

 「……まさか!!」

 全員が驚いている中、中継しているキャスターが淡々と状況を説明している。

 「たった今、謎の怪物の集団が新宿都庁に攻撃を開始しました。偶然そこの警備に当たっていた警察の
  特殊部隊が対策を行っている模様……うわっ!!」

 キャスターの断末魔の後、画面に現れたのは漆黒神だった。

 「やあ、諸君。我こそがこの世界を殺す黙示録の使者、漆黒神だ。穂高改直、和田優人、この映像を
  見ているだろうから言っておこう」

 「貴様達の勘違いで起こした愚行によって多くの犠牲者が出ている。我はその様子がおかしくて
  たまらない。さあ、早く来ないともっと多くの者が冥界へ下るぞ!!フッハハハハハ!!!!」

 「くそ……!!」

 改直はその様子をくぁwせdrftgyふじこlpしながら見ていた。その心を察した優人は今の
 状況から判断をした。

 「今この車両には人がいない。少し乱暴だが、そこのドアをこじ開けて全員全力で走るんだ。その方が
  恐らく到着は早い。さあ、行くぞ!」

 その言葉を合図に優人、その場にいた正義三人衆は姿を豹変させ、奇獣の姿へと変わった。改直も風鳴神の
 力を借りて電車を後にした。

 「待ってろ!漆黒神!!」

37:テンペスティア 旧名 熊:2016/07/26(火) 20:56

 改直達が走り出してすぐ、新宿の東京都庁が見えて来た。

 「都庁はあそこだ、乗り込むぞ!」

 優人が全体を仕切る。

 「待って優人さん、”一番頂上の場所”って二つ無い?」

 「え……」

 確かに都庁は頂上となる場所が二つある凹状の形をしている。

 「成程、戦力の分断を狙ったか……よし、三人衆と改直、俺で二手に分かれよう。俺達が右側、お前達が左
  側へ言ってくれ」

 「分かった」

 作戦の説明が終わる頃には都庁の目の前の通りにいた。全員が周りを見ると、阿鼻叫喚を上げる人々と、大
 量の奇獣が暴れまわっていた。

 「前方は固くガードされているか、一体、ニ体、三体……ニ十体くらいしかいないぞ」

 サブナックが周囲の状況を分析した。

 「よし、突撃だ!!」

 優人の掛け声で全員は四散し、多数の奇獣を薙ぎ倒していった。

 「ふぅ……あまり手強いという訳では無さそうだな。やはり”頂上”にいるのが要なんだろうな」

 「……どういう事?」

 優人の意味深な言葉に改直が質問した。

 「ほら、頂上は二つあるだろう。だから、漆黒神がどっちに居るか分からないだろ?だから、こちらの
  ”賭け”を楽しんでいるんじゃないか?」

 「だとしても、漆黒神のいない側に何も無いって言うのも不思議ですよ。残りの奇獣か、唯の時間稼ぎか…
  ・・・」

 改直が頭を悩ませていると、炎鳴神が語りかけて来た。

 (改直……私に一体、心当たりがあるのだが……)

 「え?誰?」

 (嫌、何でも無い。きっと彼なら無事だろう)

 「は……?」

 改直があっけに取られていると優人が呼んだ。

 「何しているんだ改直、突入するぞ!」

 「は、はい」

 都庁内部へ向かって改直達は向かった。

38:テンペスティア 旧名 熊:2016/07/30(土) 15:28

 改直達が都庁内部に侵入したものの、違和感が残っていた。

 「ここから頂上への分岐となるが……何故奇獣が此処までの道を塞いでいなかったんだ?まだ残党はいる筈
  だが……」

 サブナックに対して優人がこうではないかという意見を言った。

 「それなら、此処からのルートに居るか、頂上、もしくはもしもの時の保険として残党を残している可能性
  もある」

 優人の発想に全員が納得していた……と思われたが、そこに以外な人物が反論した。

 「多分www他の奴らはwww逃げてるよwww」

 「どうしたんだ、ブエル」

 優人がどうしたのか聞いてもブエルは淡々と話し続けた。

 「これはwwwただのwww勘だけどwwwしっこくしんにwww余りしたがってないwww奴らはwww
  俺達がwww怖くてwww逃げたとwww思うwww」

 ブエルの答えに奇獣達は合点が当ったのか頷いた。

 「成程。そうすれば恐らくこの上のフロアにも残りの奇獣は居ない、という事になるな。よし、作戦通り
  このまま進んでくれ。サブナック達は頂上に漆黒神が居たら即刻退避、俺達に知らせてくれ。誰も
  居なかったらその場で待機。分かったな?」

 「それとサブナック、お前にこれを渡して置く」

 優人が出したのは小型のインカムだった。

 「何かあったらそれで知らせろ」

 「分かった」

 話が終わると、二組に分かれ行動を開始した。改直、優人は右側、正義三人衆が左側へ向かった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 都庁右フロア・頂上付近

 「ブエルの予想通り、残党は居ませんでしたね」

 「ああ、後はそこのドアを開けるのみだ、漆黒神が出るか、それとも―」

 すると、改直の頭に、激痛が走った。

 「ぐあぁぁーーっ!!」

 「どうした、改直!!」

 「く……そこに居るのは、漆黒神じゃない、もっと、僕の力に近い、禍々しい、力……」

 優人が動揺していると、インカムから音声が聞こえて来た。

 「バルバドス、こっちに漆黒神が居る!今からこっちへ……」

 サブナックの声が途切れ、雑音の後に聞こえて来たのは漆黒神の声だった。

 「そこに居るのはバルバドス、否、和田 優人だね?そっちには、我の秘密兵器、”雷鳴神”がいる」

 「雷鳴神……まさか!!」

 「そう。そのまさか。穂高 改直の有する結界制御システムの最後であり、最初のシステムの事さ」

 その真実に優人は驚きを隠せなかった。

 
 

39:テンペスティア 旧名 熊:2016/08/03(水) 00:33

 都庁左フロア・頂上

 改直達が頂上へ到着する一分程前、サブナック達は頂上へ到着していた。しかし、あたりを見回しても誰も
 居なかった。

 「誰も居ない……改直達が漆黒神と……」

 サブナックが呟き、他のニ体に待機を命じようとした瞬間だった。

 「残念。我は此処にいる」

 ブエルの背後に漆黒神が現れた。彼が振り向こうとした時には、体が横半分に断たれていた。

 「ブエルーーーー!!」

 アンドラス、サブナックの悲痛な叫びが虚空に響いた。その声もブエルには届かなかった。

 「脆い物だな……奇獣という奴は」

 漆黒神はブエルを見下ろしながら嘲笑した。その隙を見てサブナックとアンドラスが漆黒神の居る方向の
 反対側へ向かった。それに気付いた漆黒神は走るニ体の前へ回り込んだ。

 「おっと、連絡するつもりだろう、させはしないよ」

 漆黒神が右の手の平を大きく前へ突き出す。しかしサブナックに向けていた攻撃が間一髪で停止した。

 「……!?動かないだと……」

 「どいつもこいつも忘れていたのか。これがアンドラスの力だ。改直も前使っていただろう、って熊が
  言っていた。アンドラス」

 その状況を見計らい、サブナックが優人に連絡を取る。

 「バルバドス、こっちに漆黒神が居る!今からこっちへ……」

 向かっている。そう伝えるようとした頃にはサブナックの腹部を漆黒神が貫いていた。

 「あんな低レベルの力が効くわけ無いだろう」

 そう言いながら彼はインカムを奪い、淡々と話していた。他の場所に目をやると、アンドラスも
 倒れていた。

 「俺……達は、死ぬの、か……」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 都庁右フロア・頂上

 優人は動揺を隠せないまま頂上までのドアを蹴破った。改直も頭を押さえながら階段を昇る。

 「貴様が雷鳴神だ……な!?」

 優人の視線の先には雷鳴神と思われる大柄な怪物が土下座をしていた。

 「え、お前、何、やってんの?」

 「土下座です」

 「え、否、それは分かるよ!唯、敵であるお前が何で土下座してんだよ!」

 二人が喋っている間に改直の頭痛が治まっていた。

 「お、治った。よし、覚悟しろ!裏切り野郎!!!」

 改直と優人が気を取り直し臨戦態勢に入る。その目からは、詫びなど聞かないという固い意志が秘められて
 いた。が、しかし、この状況に炎鳴神が割って入った。

 (ま、待ってくれ改直。彼は味方だ)

 「え?」

 炎鳴神の話によると、雷鳴神が漆黒神のスパイだと今気付いたそうだ。

 (さっきの頭痛は恐らく彼が私達に敵ではない事を知らせるための感応波を送っていたのだろうが、

  昔から失敗が多かったからな。妙な物を発していたのだろう)

 炎鳴神の話にいつの間にか立っていた雷鳴神が頷いていた。

 「今までの事は自分が話します―――」

 それは漆黒神と暴走を始めた頃、皆が倒され、緊急脱出用のアストラル形態になる中、自分だけがその場に 居合わせず、残ってしまったのです。その様子を見ていた自分は漆黒神にすぐ見つかり、

 「どうだ、俺と組まないか?」

 と言われました。自分は皆みたいになるのが怖くてそれを受けてしまい、皆の無事を祈って過ごしていまし
 た―――――

 「どうか、僕を許して下さい」

 雷鳴神はもう一度土下座をした。

 「もう、いいんだ」

 改直に憑依した炎鳴神が励ました。

 「私達に協力してくれればそれでな」

 雷鳴神は顔を上げて炎鳴神に感謝した。

 「ありがとう……」

 改直の人格が戻ると、すぐさま雷鳴神の力を使った。

 「汝の力、我に託せ……雷鳴神!!!」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 都庁左フロア・頂上

 「……待っているぞ、穂高 改直……フフフ、フハハハハハ!!!」

 彼らの到着を首を長く待っていた漆黒神の不気味な笑い声が夜の新宿に響く。
 現在、11時50分、2016年は来るのだろうか――

 

40:テンペスティア 旧名 熊:2016/08/03(水) 02:23

THE END OF DETHTOLD
滅びるデストルド 最終回
 「……そろそろ来るか、奴らが……」

 そう言いながら漆黒神が直感的に右側を振り向くと、超越した跳躍力で改直と優人がこちらへ迫って
 いた。

 「漆黒神!僕達は、お前を許さない!」

 改直は叫びながら手にしていた大剣から周辺住宅から集約した雷を放った。その雷に当たった漆黒神には
 傷は全く残っていなかった。しかし、別のダメージを与える事は出来た。

 「この雷撃……雷鳴神、裏切ったのか?」

 この質問に対し改直に憑依した雷鳴神ははっきりと答えた。

 「元からお前を味方と思った事は無いさ!お前が与えて来た全ての痛み、此処で償え!!」

 「言うじゃないか……もういいさ、全てを破壊してやる!!人も、奇獣も、この星も!!!」

 「くっ……ここまでの力を隠していたとは……」

 本気を見せた漆黒神は状況を観察し、対策を見極めようとしていて無防備に近い優人を狙った。

 「消えろ、バルバドス!」

 大きく振りかぶった拳の威力は桁違いだった。咄嗟に防御した優人が頂上の地面に叩きつけられ、フロアの
 最下部へ落ちていった。

 「優人さん!」

 心配の声を掛けた改直の背後に漆黒神が移動した。それを察知した改直は漆黒神の攻撃を雷撃で防いだ。

 「やるじゃないか」

 「場数踏んでるんでね」

 「経験なら私の方が上だ!!」

 その言葉と同時に漆黒神が殴りかかってきた。改直はその攻撃を受けようと大剣を自分の前にかざしたが
 そこから1cm程前で拳を止めた。

 「これって、フェイント!という事は……」

 次に漆黒神は改直の足を掛けようとしたが、その瞬間改直はジャンプし回避した。

 「これは、いつも詩島がやっていたフェイントだ。お前までそれをやるとは」

 改直はにやりと笑った。

 「貴様あああああああああああああ!!」

 漆黒神が怒りの咆哮を上げた。この時を見計らい、改直は全力を解放した。

 「汝の全ての力を託せ……炎鳴神、水鳴神、風鳴神、雷鳴神……」

 「四属托生、カルテット・エレメント!!!」

41:テンペスティア 旧名 熊:2016/08/03(水) 02:25

 改直の結界防御システムに反応した際の瞳孔の変色現象によって、左目は四つの光を放ち、周辺大気を固形
 化させることで出現する大剣には四体の意匠が込められた。

 「こっちも本気だ!」

 漆黒神と改直が向き合い、お互いに間合いを詰めると、人の目に映る事の無い速度で闘いを始めた。
 当初は改直が優勢だったが、人間特有の体力の消耗で漆黒神が有利になって行った。

 「勝負あったようだな。貴様では、我は倒せない」

 「いいや……まだ、やれる……」

 「第一、我を倒したとて、奇獣の暴走は終わらない上我が子システムの本体も修復出来ないぞ」

 漆黒神は今更ながら、事の真実を述べた。

 「ハッタリを!」

 改直は自分を動揺させるために咄嗟に言った嘘だと考え、立ち止っている漆黒神に剣を向けたが、
 風鳴神が止めた。

 (否、漆黒神の言っている事は本当だ。彼は僕達の実質的な管理システムだ。生物兵器の操作、子システム
  のバックアップくらい、出来るだろうさ)

 「そうか、倒せないのか……ならばあの方法しか……すると誰かに足止めしてもらわないと、くっ!!」

 改直が作戦を練っている間際に漆黒神が攻撃して来た。間一髪回避したが、打開の策も問題が残っていた。

 改直が目を離した刹那、漆黒神が超近距離に迫っていた。改直の反射神経では、目視がやっとだった。
 この瞬間に今までの彼ならば死を覚悟していた。しかし、この力を手にしてからの経験によって、彼は
 ”生きる事”を諦める事は無くなった。彼の感じた死が彼を生かしていった。
 この覚悟は一つ、奇跡を起こした。

 漆黒神の足が地上から放たれた光線によって打ち砕かれていた。改直が地上を見下ろすと、多数の警官と、
 先日の刑事が居た。

 「すまない、渋滞で遅れた!!この”対未公式生物兵器用光線”は一発しか打てない。後は君の出番だ!」

 刑事と共にそこに居る機動隊、自衛隊等が口々に頑張れ、負けるなと声援を掛けていた。その声を聞いた
 改直は決意した。

 「……全吸収(ギャザリング・アブソーブ)!!」

 そう叫ぶと、漆黒神の体全体が改直の右目にに吸収されていく。

 「貴様、一体何を!?」

 「お前を僕に封印する!!」

 そう言いながら改直は右目の出血による痛みをこらえながら吸収し続けた。

 「僕がいなくなればッ!お前が復活するッ!だからッ!僕は死なないッ!!」

 「そんな、我が封印だと?そんな、そんな、嘘だーーーーーーーー!!!」

 断末魔を残しながら漆黒神は消え去った。

42:テンペスティア 返事ください!!:2016/10/20(木) 00:02

 あれから、数ヶ月。

 人々の記憶に奇獣の存在と、世界を救った英雄の名が刻まれた。

 その後、まだ残存している奇獣らを排除するため、国家直属対未確認生物自衛部隊、

 通称「N.v.s」が発足した。

 しかし、彼ら、否・・・・・・




 全人類に危機が迫っていた。


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