そう、私は悪女。

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1:ほのあ◆1o:2016/04/03(日) 12:57 ID:jAM

こんにちは!ほのあです。
不登校や病気の小説を書いて行こうと思います。
荒らしや悪口等、猥褻な事は書き込まないでください。
よろしくお願いします!

2:ほのあ◆1o:2016/04/03(日) 13:28 ID:jAM

第一話 私の生活

とある家の中、和室の部屋の真ん中に電源が付いていない黒いパソコンが置いてあり、パソコンの目の前にぽつんと正座をして座っている小学生が居た。影が薄そうで、性格も暗そうなオーラを放っている。パソコンに吹き掛ける様に、小さく溜息を付いた。

「……何で、私ってこう何だろう。」

溜息を付いた後、そう呟いた。黒い画面のパソコンに自分の顔が映る。その顔は至って不細工でも可愛くもない普通の顔だが、本人自身は不細工過ぎて吐き気がする。自分の鏡を見るのも嫌だ……と思い、自分の顔が映る黒いパソコンを閉めた。

彼女の名前は月条綾。小学五年生で、不登校の女。学校の友達からは虐められて下り、悪女とも言われている。悪女と言われている理由は、きっと不登校だからと綾は自分で考えている。そう思うだけで頭痛がして頭を抱え込む。そんな時、襖がスーッと音を立てて開いた。

「綾、ちょっと話が有るの。来なさい。」

襖を開けたのは、綾の母親。そう言われるが、どうせ不登校になった理由を聴きに来たのだろう、と勝手に決め付け後ろを振り向く事さえ出来なかった。

母親には悪いが、今は嫌だ。ときっぱりと断った。すると母親はそれを分かったと受け入れる。普通の母親ならば無理矢理にでも来させるだろう。だが、直ぐに諦めてしまった。襖が閉まる。綾はそのまま布団を引いて、その中で泣いた。

(何度言っても聴かない人には諦めるって、本当何だね……)

そう暗い声で呟く。その呟きは誰にも聴こえない。何故なら心の中で一人寂しく呟いているのだから。綾は現実逃避をする様に、そのまま眠りに付こうとした。

眠りに付こうとしてから二十分は立っただろうか。綾は不眠症で、目がぱっちりと開き、全く眠りに付いていなかった。

「眠くない……それに暑い。」

今は四月の始まり頃だが、真夏の様に暑い。きっと布団を五枚も掛けているからだろう。頭の髪の毛から足の先っぽまで全て身体を布団の中に納めている、布団を取れば良いじゃないか、と普通の人は思うだろうが、綾は特別可笑しな病気を持っていたのだ。

布団から髪の毛、足等が布団からはみ出していると、誰かに髪の毛や足を捕まれそうで怖い。と言う病気だ。今は四月だからまだ大丈夫だが、真夏になれば身体を全て布団に納めるのも無理そうで、真夏には実に困っているのだ。綾はそのまま布団に出て、近くに置いて有る古い扇風機に電源を付けた。

3:ほのあ◆1o:2016/04/03(日) 18:26 ID:jAM

「涼しー……暑かった……私が暑がりだからかな?」

扇風機の電源ボタンを押すと、扇風機の羽がパタパタと回りだし、綾の方に風が向かってくる。風は暑さを攻撃する様に吹いて来る。本当は強いのにしたいが、節約の為に弱い方にした。

この扇風機の回っている羽は凄い。何せ、このまま消さなければずっと回っているのだろうから。生まれ変わるのならば、誰かに役に立つ扇風機の様な道具になりたい。と思っていた。このまま扇風機の中に指を入れて死んでしまおうか。とも考えた。何にも役に立たない何て生きている価値も無い。そう思ったが、怖くて入れられなかった。

ある程度風に当たったからと扇風機を消し、次はどうしようかと考えた時、さっきと同じ様に襖が開き、母親が夕飯が出来たと伝えに来た。この際、お腹はあまり空いていないが夕飯を食べに行く事にした。綾にとって、ご飯は天国の様な物なのだから。

「いただきまーす。」

今日の夕飯はシチュー。綾はご飯かパンに付けて食べると言えばパン派だ。母親も結構分かっているのか、パンを用意していてくれた。こんなに不登校でも、好みを知っていてくれるのは嬉しい事だな……と母親の方を見て笑みを浮かべた。

そんな時、綾が今一番言われたくない事を、父親に言われた。

「なぁ綾、学校は何時行くんだ?」

一番言われたく無い事、それは学校の事だ。勿論理由は有る。だが、親には迷惑を掛けたくない為言っていないのだ。

後で言う、と何時もの様に誤魔化し、丁度シチューとパンを完食して、そのまま和室に戻った。

「言いたくないのに、何回も言わせないでよ……」


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