花巻ちゃんの裏のウラ

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1: そら◆mU:2016/04/23(土) 09:40 ID:KzY



学校では地味な女の子。
だけど本当は凄く可愛い美少女なの。

っていうケータイ小説の主人公系ヒロインには、なんないわけだけどさ。

ごめんね。
裏では性悪とか、実は男とかそんなんじゃないわけ。面白くないよね。


私は花巻 岬。 
はなまきみさき、と「き」が多い気もする名前な私は皆から花巻ちゃんって呼ばれてる。そのまんまだけど。

そんな私、花巻ちゃんは。

至って普通のどこにでもいる高校1年生だったのでした。ちゃんちゃん。


え、終わらせちゃだめとか言わないでよ。
うわ、もう始まっちゃったし。


<花巻ちゃんの裏のウラ>
って表じゃんとかいっちゃだめだよって、一応注意事項言っとく。

2: そら◆mU:2016/04/23(土) 13:08 ID:KzY



わぁ、桜が綺麗だわ。
あら、あんなところに蝶々さんが飛んでるわ。ごきげんよう蝶々さん!

爽やかな朝、小鳥さんも歌ってるわ。
そして今日は私の新しい生活の始まり、高校の入学式……!

「とかいうキャラは大体闇抱えてるんだよね、ストレス発散大切だな。」

「朝からあんたの意味分からん茶番で目覚めてしまったアタシには、もう一度眠りにつく権利があると思う。」

幼馴染みの衛藤 夜月(えとう よづき)を叩き起こしにくるのが私の日課。
残念ながらイケメンな幼馴染みとの胸キュンな恋じゃないから、よっちゃんは女だけど。

「ほら、よっちゃん起きて。入学式のときに遅刻されたら恥ずかしくて口から火が出る。」

「それはすごい、サーカス行ってきたら?」

顔だろ、とかツっこんでくれないのはよっちゃんの冷たさでもあり、私のことを全て分かってるが故の優しさかもしれない。
ここですごい笑われても、何か虚しいしさ。

よっちゃんを本当に叩き起こしてから、制服を投げつけてやった。

ブツブツ文句を言いながら制服の袖に腕を通しているよっちゃんは中2くらいに、両親を亡くしてしまっている。

よっちゃんが大人になるどころか高校に進学するのでさえ見届けられなかったんだ。

唯一の家族であるお兄さんでさえも海外を飛び回って仕事していたりと、よっちゃんは頼れる人がいない。

私は、生まれたときからよっちゃんの一番近くにいる幼馴染みってやつ。
幼馴染みであり、親友であり、家族みたいな私達は今日一緒に高校に入学する。

「おら、制服着てやったんだから、朝ごはん準備してよ。」

「いや、よっちゃんが上から目線になれる理由が分かんないな。」

今日も平常運転な私達は、朝っぱらから騒がしい。

3: そら◆mU:2016/04/23(土) 13:26 ID:KzY


私は勉強はろくに出来た試しが無い正真正銘の馬鹿だけど、運動と料理だけは得意。
女子力の欠片もない私だけど、お母さんに料理だけは叩き込まれてきた。

それに、よっちゃんは何でも出来る万能な人間だけど、料理だけは作らない。
もしかしたら、器用なよっちゃんなら料理だって簡単なのかもしれないけれど作れないふりをしているだけだったりして。

だってさ、よっちゃんって余裕そうに見えて実はすごい不器用で…って、スクランブルエッグ良い感じに出来てきたな、よし。

「よっちゃーん、3つ星シェフ花巻の特製スクランブルエッグパンが出来たぞー。」

適当に作っちゃうときは、
食パンを軽く焼いてから、スクランブルエッグを作って乗せるだけの簡単メニュー。
よっちゃんはこんなのでも、

「適当だな、まぁ、うまいうまい」

そういって、食べてくれる。
だけど今日は、さっさと飲み込んでくれないと時間がない。

時間まで20分程度、ここから学校までは歩いて30分…、要は全力疾走で行けってこと。

「飲み込んだ?飲んだ?パンは飲み物だもんね?よしきた、よっちゃん水飲んで走るぞ」

「ほっほ、まっへよ、まはほみほんでないっへば」

「ちょっと待ってよ、まだ飲み込んでないってばって?そんなの気合いだー」

よっちゃんの腕をグイッと引っ張り玄関を飛び出して鍵を閉める。
若干よっちゃんはイラついてるけど気にしない気にしない。

それから私達は、無事入学式にたどり着くことが出来た。
大量の汗を流しつつ、ゼーゼー言いながら参加していた謎の2人組は、伝説になったんじゃないかな。たぶん。

4: そら◆mU:2016/04/23(土) 13:41 ID:KzY



そんなこんなで、よっちゃんと同じクラスになれた花巻です。脈絡ねーな、とか思った人挙手ね。きゃ、多い。

「それにしても、知ってる顔ねーんだな。」

「学校サボり常習犯だったの覚えてないのか。中学の同級生ごろごろいるんだけど。」

机に突っ伏しながら意味分かんないことを言うよっちゃん。

「まじつまんねー」と言っては、学校を抜け出して1人ふらふらサボっていたせいで、中学の友達の顔を誰1人として覚えていない。

いっぱいいるんですが、同級生。

まぁ、それもよっちゃんらしいなと思った矢先、ポンポンと肩を叩かれた私。

「なにー…、誰ですか」

キラキラスマイル光線を放つ爽やかイケメンがこちらを見ておりましたとさ。あは。
いやもう、ほんとやめてよ。

私がさ、イケメンのハートもキャッチしちゃう美女ってことくらい知ってるから。

……引くなよ、おい引くなよ。ネタだからね、ガチじゃないから。

と、1人で馬鹿みたいなことを脳内で繰り広げていると、爽やかが爽やかに話出した。

「そこ、俺の席なんだよね。」

指指した先にはよっちゃん。
あー、そうだった。席順表によると、出席番号順に座るから、私の隣は「柊」って人が座ることになってる。

でもよっちゃんは、基本私以外とは話さないからそこに居座ってて…。

「あ”?ここに座って何が悪いの?
アタシさ、ここ以外座んねーから。」

5: そら◆mU:2016/04/24(日) 10:22 ID:KzY


低く響く声。大抵の人はそれに怖じ気づいて、謝りながら去っていく。

なのに、爽やかはまだニコニコしたままで

「は?それ我が儘っていうんだよ、分かるかなぁ?いいからさっさと退け」

声だけどす黒く、そう言い放った。
うわぁ、よっちゃんに言い返した人とか初めて見たわー、感動感動。

よっちゃんはそれにイラつきながら、盛大な舌打ちを残して自分の席に戻っていきましたとさ、うっわ機嫌悪くなったぞ。

「爽やかってさ、意外と性格悪い感じなの?」

私の隣に座って窓の外を眺め出した爽やかに聞いてみた。

「爽やかって俺のこと?君馬鹿っぽいね。」

最早ニコニコでさえ消えてしまった。
こちらを少しも見ないで答えてやがる。

ただの顔面だけ美少年~中身は性悪の香り~
もう爽やかでもねーや、残念。

「今のでよく分かったよ。人って見た目じゃないよなぁ。」

1人でウンウンと頷く私を見ながら、
「頭大丈夫かよ。」といらない心配をしやがる始末。もう何もいえねぇ。

6: そら◆mU:2016/04/24(日) 10:31 ID:KzY


登場人物が3人になったので、ここで紹介を挟みます

花巻岬 (はなまき みさき)
お気楽適当少女。一応主人公。
ルックスは可愛らしい方だけど、言動のせいか良く見られない。
チャームポイントの白い肌は遺伝なんだってさ。

衛藤 夜月 (えとう よづき)
ヤンキー少女。金髪ショート。
花巻を唯一、岬と呼ぶ。岬のことが実は大好き。
授業態度も悪すぎるけど、成績は上位。要は花巻にとって嫌味でしかない。

柊 (ひいらぎ) 
顔面だけ美少年こと柊は、性格を除けばほぼ完璧。ロシア人のクォーターで、家もお金持ち。

7: そら◆mU:2016/04/24(日) 10:50 ID:KzY


「えっちゃーん。早速帰ろうぜパーリピーポー、ヘイッ!」

机に突っ伏してダラけモード全開の彼女を引っ張り出そうとべしべし叩くも効果は無し。ちくしょう。

周りを見てみれば、ピアス開けまくり金髪ガールを叩く平凡普通人間というシュールな画にビビっている様子。面白いね。

「えっちゃーん、さっきの性悪男はもういないよー、ウザすぎて殴ろうかと思ったけど私堪えたよ、凄くない?」

えっちゃんの耳元で、デカい声で話してみるけど動かない。
いや、後ろの影は動いたぞ。何だ?

「俺、まだいるよ。残念だったね。」

ニコニコスマイルをどこかから引っ張りだしてきた顔面だけ美少年がそこにいたらしい。

「アハハハ、柊くんおはよう!
爽やかなグッドモーニングだね、ウフフ、ウホウホ」

「やべー、間違えて動物園に来ちゃったわ、俺帰る。」

失礼な爆弾をぶちこみながら帰っていくのを見ながら、「ウホウホ」笑う私は本当に馬鹿なのかもしれない。
今更か。

「えっちゃーん、本当にアイツ帰ったよー。って、あれテレポート使ったの?」

そこにはもうえっちゃんの姿は無かったとさ。イラついた挙げ句、えっちゃんもいないってどゆこと。

「まー、いいや。私も帰ろ」

えっちゃんレベルになるとテレポートも使えるってことだな、なるほど。

8: そら◆mU:2016/04/24(日) 10:56 ID:KzY


のそのそと歩いて私が家に着くと、もう既にくつろいでいる金髪がいた。

「えっちゃーん、鍵閉めててくれないと、変な野郎来たらどうすんの?」

私の家の合鍵を持っているえっちゃんは、自由に私家に来たりしてる。
私の両親は、基本仕事で夜遅くまで働いてるから、いつもえっちゃんと2人でゴロゴロ過ごしてる。

「めんどいし、変なの来てもアタシ倒せるしさ。」

そっかそっか、えっちゃんレベルになるとテレポートも超能力も使えるわけだな、強いね。
リビングで制服のままだらだらしている金髪を横目に、お昼ご飯は何にしようかなー、と考えながら自分の部屋へと向かっていく私。
パジャマの方が落ち着くしね。着替えたいー。

9: そら◆mU:2016/04/24(日) 11:10 ID:KzY


柊side

急に柊がなんだよって思ってるんだろ?
俺、柊が召喚された理由はさっきまでの出来事をまともに語れるのが俺しかいないからってわけ。

何となくイジるのが面白いから、花巻に話しかけててから普通に帰ろうとした俺。
ウホウホって何だよ、と若干飽きれながら靴箱に到着したその時、後ろから猛スピードで走ってきたやつがいた。

それが金髪ヤンキー、もとい衛藤。
衛藤は、俺に最大級の睨みを効かせながら

「岬をあんまりからかうなよ。」

と、言ってきた。
最初はレズ疑惑しか浮かばなかったが、純粋に花巻を好きなんだと分かって一応安心した。
いや、近くにレズとかいたらどうしていいかわかんねぇし。

「岬をいじめていいのはアタシだけ」

とまで言っていたから、これから下手に花巻に近づくのはやめようとさえ思った。
いや、でも話すと面白そうだから金髪のいない時に話そうか。

ルックス的にはモテるはずの花巻。
黙っている花巻を見たら、男はコロッと落ちるんじゃねーか?
そういう時は衛藤、どうすんのかな。
まぁ、俺には関係ないしな。

           柊side 終

10: そら◆mU:2016/04/24(日) 12:20 ID:KzY


「よっちゃん、どうするー?
お昼からどっか遊びにいく?今日から華のJKだべ、キラキラだべー」

別に田舎出身ってわけでもないけど、だべたべ言いながらご飯を食べ終わってごろごろ中の金髪に問いかけた。

よし、お皿洗い完了。キュキ○ットはすぐ落ちるから良いよね。

「あー…、岬行きたいとこでいいよ」

こっちをチラッと見ながら、そう言うよっちゃん。ほらね、見た目はあんなのだけど優しいんだもんね。

「やったー、ショッピングセンターで服買いたいからさ、行こー!
JKらしい私服買いたいー、だべー」

フーッ!とテンションあげぽよな私は、階段をだんだん上がってスパッと私服に着替える。
メイク?するわけないでしょー。

いやーねー、前にやってみたことあるけど、よっちゃんが
「そーいうのいらない」って言いやがったからさー、ひどいよね。

するといえば、精々リップくらい。

階段を下りれば、さっきまで制服だったよっちゃんは私服になっていた。
流石だよね、私が今日外出たいっていうのを分かってて私服持ってきてたんだ。

「よしっ、いざショッピング!」

私がよっちゃんを見ながらドヤ顔で言ってズンズン玄関まで歩いていくと、後ろから「フッ」と大人っぽい笑い声が聞こえた。何さっ。

11: そら◆mU:2016/04/24(日) 12:37 ID:KzY


ショッピングセンターに着いてからは、終始私だけ盛り上がっていた気がする。

「よっちゃん、見てー!これ私に似合ってない?え、似合ってないって?」

「これさ、美味しそうだよね!
え、美味しそうじゃないの…?」

「あの人綺麗だね!
…、え、そっか…。」

ずっと否定されてる気がするけどめげないめげない。あはは。

洋服もいっぱい買って、カフェにでも入って休もうかというその時。

最悪な相手に出会ってしまう。

「あ、花巻…。」

「……何」

突然現れた彼は、私の人生の中で最もいらない思い出を作り出した人間。

「…相変わらず衛藤と仲良いんだな。
俺の事、覚えてた?」

よっちゃんがアイツを睨んでいるのが伝わる。私だって睨みたいけれど、きっとそうしてしまったら私が壊れると分かっているんだ。

「…あんたとは話したくない。」

私が唯一、冷たく接する相手。

「…ごめんって。
それにしても、今日大丈夫だった?
今日遅刻しそうになってたけどさ。」

笑いながら話すアイツは悪魔。
同じ高校に通っていることを遠回しに伝えてきたんだ。

「岬、行こう。」

よっちゃんに手を引かれ、足早にそこから去る。
手の力強さから、よっちゃんは確実に怒っているんだ。私だって…、怒ってるよ、アイツに。


『これまで2人で頑張ってきたのに』

『岬を”また”傷付けられる前に、アイツから離さねぇと』


『…やっぱり、”花巻ちゃん”だね。』

12: そら◆mU:2016/04/24(日) 14:31 ID:KzY


「いやー、もうびっくりだねー。
あんなとこで会っちゃうとか、驚くよねー。」

いつもより気の抜けた声で馬鹿みたいに言ってみちゃうのは、私の強がりだ。
それを分かってるよっちゃんは、何も言わないでいてくれる。

…よし、切り替えていこう!

「よっちゃん、お家帰ろっか!ファッションショーしないといけないー」

「何それ、アタシ拷問じゃん。」

「おいっ、何を言いやがんだー」

いつも通り、いつも通り。

13: そら◆mU:2016/04/24(日) 17:33 ID:KzY


その日の夜は、まともには寝れなかった。
よっちゃんは私を気遣ってか、いつもより早くに自分の家へ帰っていった。

「アイツは忘れていいんだから。」

とだけ残して、優しく微笑んで行った。

忘れていいんだよね、そうだね。
頭では理解してるけれど、忘れようとする度に思い出してしまう。
中2の時、よっちゃんを支えなきゃいけないはずの私にも、最悪の出来事が起こった。

それから、2人揃って涙を枯らして、2人揃って今の生活を手に入れたんだ。

よっちゃんの身に何か起これば私が動くように、私の身に何か起こればよっちゃんは怒ってくれるし、自分を犠牲にしてでも動こうとする。

「私が守らないと…。」

無力な私だけど、大切な人くらい守れるはず。

お母さんもお父さんもいないこの家で1人、静かに眠りについていった。

14: そら◆mU:2016/04/24(日) 17:43 ID:KzY


「花巻さん、衛藤さんはどうしたんですか?」

「すみませーん、学校まで引きずってきたんですけど、来て早々に屋上でおやすみ中ですかねー。」

ヘタレっぽい担任にそう答えると、周りから笑われる始末。
それもそうだよね。高校生活2日目でサボってんだもん、笑うよねー。

「君の友達はおもしろいんだね、君に似て馬鹿なの?」

いらない爽やかオーラを纏ったまま話しかけてくる顔面だけ美少年にイラつきながらも、

「残念でしたー。よっちゃんは私と違って天才なんだよなー、何でも出来るんだよ、凄いでしょ?」

ハッ、と笑ってやりながら自慢する。

「揃いも揃って大好き同志とか気持ち悪っ」

と毒を吐くのもさっきの爽やかと同一人物。うん、何で二重人格してんだよって話だね。

「2日目なのによく私達のことそこまで言えるねー。ストーカー?」

「…いや、昨日で充分、花巻の相方が怖いこと思い知ったから。」

変なことをいい始める柊。
昨日…?なんて何かあったっけ。
なんもないよね、何いってんだこいつ。

15: 空ラビ◆mU:2016/04/26(火) 15:58 ID:KzY


うん、きっと私の馬鹿が伝染したんだな。花巻馬鹿伝染病って中々ひどいのよねー、はは。

「花巻ちゃーん、一緒にいこう!」

…はっ、次移動教室かー。
あの天使ボイスで花巻ちゃんと話しかけてくれるのは、3年の頃よっちゃんの次に仲良しだった弥生ちゃんだー。

「ありがとー、いこーいこー」

よっちゃんは今頃、ぐーすかぴーすか寝てんだろーなぁ。
優等生花巻は、弥生ちゃんと仲良く理科室へレッツゴーだわー。

16: 空ラビ◆mU:2016/04/26(火) 17:28 ID:KzY


「…さん?花巻さん…?
…チッ、おい花巻起きろよ、ほらさっさと起きろ!テメー、俺をどんだけ待たせてんだよ」

優しい声から、どんどんどす黒く変わる性悪男の声…。私を眠りから覚ますこのうざい声の持ち主はきっと…。

「内面最悪性悪鬼ドS悪魔顔面だけ美少年の柊か…「おいテメー」

肩を揺さぶられて現実世界へこんにちわ。

「あれ?今何時?」

「もう昼休みになんの。よく1時間1時間飽きずに寝れるな、逆に凄い」

馬鹿にしたように言われてムッとするも、あることに気がつきイライラもすぐにさようなら。

4時間目は教室での授業だったから、普通なら前の方に座る後ろ姿が見えるはずのよっちゃんが…いない。

「ねぇ、よっちゃんは?もしかして、ずっと帰ってきてないのー?」

私が柊の方を覗きこんで聞けば、こちらをちらっと見て

「衛藤は見てねーよ。お前のアホ面しか見てねぇ。」

後半部分、優しい私は華麗なるスルーを決めましたとさ。

「よっちゃん、いつも私と昼休み過ごしてくれるから、4時間目は何があってもサボらないのになぁ…。」

不思議で、たまんないなー
不思議…というか。少し…、

_____…胸騒ぎがして、変な警報が鳴り響いているように思う

昨日のあれからなのかな。
朝だって、よっちゃんはいつもよりも無口で、すぐに屋上に行っちゃって…。

17:ミルフィーユ:2016/04/26(火) 18:36 ID:eQ2


花巻ちゃんんんんっ!!!なぜか愛しいッッツ!!!

突然失礼しました。
『なんかおもろそー!』って思って蓋を開けたらびっくり!!!クッッッッツソおもしれえええええ!!!!でした。ごちそうさまです。
これからもどうか読ませてください!!応援させてください!!お願いします!お願いします!!

18: 空ラビ◆mU:2016/04/26(火) 20:10 ID:KzY


>>17
ミルフィーユさん

ありがとうございますっ、すっごい嬉しいです…!
花巻ちゃん、これからも頑張ってかいていきます!

19: 空ラビ◆mU:2016/04/27(水) 20:17 ID:KzY


まぁ、よっちゃんにも色々あるんだもんね。私がとやかく言える筋合いないかなー。

「弥生ちゃーん、おべんとーたべよーよー」

「うん、いいよー!」

弥生ちゃんに声をかけて、ガタッと席をたつ。いつもはうるさく響くはずのこの音も、雨の音に遮られて…。

あ…れ?
よっちゃん、今屋上にいるはずだよね。雨が降ってるってことは…?

あることに気づいた私は、弥生ちゃんに華麗なるジャンピングを披露してから、急いで教室を飛び出した。

…雨が降ってるときに、よっちゃんが屋上にいるわけないんだ。

どこにいるの、よっちゃん…

20: 空ラビ◆mU:2016/04/27(水) 21:11 ID:KzY


屋上へと続く階段をかけ上がり、屋上への扉を勢い良く開けるけれど、
そこには雨音しか響かない。

「…どうしよう、屋上以外場所分かんないよ…。」

入学して2日目。校内は全てを把握出来てないから、教室と靴箱と体育館と屋上と…、少ししか分からない。

よっちゃん以外に頼れる人なんて…。

21: 空ラビ◆mU:2016/04/29(金) 15:55 ID:KzY


口を開けば悪いことしか言わないけれど、私が起きるまで待っててくれるあの人しか、もう思い当たんないよ。

「柊!…助けて、お願い。」

さっきまでいた教室に戻って、男子や女子の輪の中心にいる柊に声をかけた。
いつもなら、こんなにめんどいこと、私からするわけがない…けど。

私を見た瞬間に席を立ってこっちへすぐ来てくれた柊だから、頼れる気がするの。

「よっちゃんが、いない。校内とか全部、なんにもわかんない…。」

途切れ途切れに言うわたしに、柊は至って落ち着いたまま、

「俺が探してやるよ、さっさと着いてこい」

真っ直ぐそういって、教室を出ていった。柊に、着いていかなくちゃ。


_____

片っ端からトイレへ行ったり、様々な教室を手当たり次第覗くけど、よっちゃんの気配はなかった。

残すは、体育館しかないわけで…。

柊の後ろにくっついて、体育館へ入っていく。


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