嫌いの反対

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1:真奈美:2016/04/29(金) 19:29 ID:7wU

私の名前は西川葵。
クラスメートで大っ嫌いな男子がいる。




――


「涼ちゃんおはよ〜!」
「葵ちゃん!おっは〜!」
「宿題やってきた?」
「するわけないじゃんw」
「さすが涼ちゃんwそうだろうと思ってたけど」
「はぁぁぁ!?なら最初から聞くなよ!w」

この子の名前は福田涼香。あだ名は「涼ちゃん」。
中学に入って新しくできた友達なんだけど、
とにかく喋りやすいの!男みたいにサバサバしてるから、小さいことにネチネチしない。
私はそんな性格の涼ちゃんが、大好きなんだけど。。。


「おぉ西川に福田。お前らいつも一緒だな。金魚とフンか?w」


。。。また来たよ。相川翔太。



「はぁぁ!?どっちがフンだよ!!」
「そりゃぁもちろん西川が金魚でお前がフンだろ」
「なっ!!最悪!!葵ちゃん、こんな奴ほっとこう!?」
「うん」
「は、ちょっと待てよ」

私は相川を無視して涼ちゃんと教室を出る。

「なんであんないつもつっかかってくるのかねぇ」
「ホントむかつく!!」
「金魚とフンって。。。まさにあいつがフンじゃない?」
「それな!!自覚しろっつうの!」

涼ちゃんは相当あいつのことが嫌いなのか、ここへきてずっと愚痴っている。
まぁ私も相川は大嫌いだけどね。
相川と涼ちゃんは、「腐れ縁」らしいけど、ホントのとこはどうだか。


――


教室に戻ると、すでに他の生徒が着席していて、してないのは私と涼ちゃんだけだった。

「げ。あたしらだけ?ひぇぇ恥!!」
「もうすぐ予鈴なるし、私たちも早く座らなきゃ」
「じゃ、また休み時間に!」
「了解!」

私と涼ちゃんが座ったと同時に、担任の谷口が入ってきた。

「はい、おはようございます」
「「「「おはよーございます」」」
「今日は50分授業の6時間、掃除、黙想、終会、全てあるのでしんどいと思いますが、頑張って行きましょう」
「えー50分かぁ」
「掃除あるってよー」
「だりぃぃ」
「はい、静かに!1時間目は国語です。では、解散」

2:真奈美:2016/04/29(金) 21:45 ID:7wU


「西川さん」
「ん?なに?」
「廊下で山本さんが呼んでるよ」
「あ、わかった。今行く。ありがとね」
「ううん」

「由美、どうしたの?」
「あのさ、1時間目体育なんだけど、体操服忘れちゃって。持ってない?」
「あぁ、ごめん。今着てるから貸せない」
「そっかぁわかった。じゃあ「俺持ってるけど」
「え?」
「だから、俺持ってんだって」
「でも、私女だし。。。」
「男と女の体操服は共通だろ?ちゃんと洗濯もしてる」
「。。。じゃあお願いします」

なんと相川だった。

「はい」
「ありがとう。。。いつ返せばいいかな?」
「いつでも。体育6時間目だし、そんなに急がなくてもいい」
「わかった。出来るだけ早く返すね。ありがとね!」

そう言って由美は帰って行った。

1時間目が始まる1分前、私は相川に話しかけた。
気になってたことを。

「相川も案外優しいんだね」
「なんだと思ってたんだ」
「バカだと思ってた」
「は。。ざけんなよ!」
「だっていつもからかってくるじゃん」
「それは。。。お前が」キーンコーンカーンコーン♪

相川が何か言う前に、チャイムが鳴った。

「ん?なに?何言おうとしたの?」
「いや、別に。きにすんな」

。。。なによ。


国語担当の村田が教室に入ってきた。

「号令お願いします」
「きりーつ!れい!」
「「「お願いしまーす」」」
「今日休みはいるかー?」

学級代表の森山梓紗が答えた。

「いません。全員そろっています」
「そうか。さすが2年4組だな。全員元気で先生たちも高い評価をしてるんだぞ」
「内申点上がりますかー?」
「橋本はまたそうやって!言っておくが、内申点は上がらない」
「えーえー」
「つまんねぇ」

3:ユリ◆e.:2016/04/29(金) 21:52 ID:3zQ

面白いです!
最新頑張ってください(*´ω`*)

4:真奈美:2016/04/30(土) 13:52 ID:7wU

≫ユリ◆さん
ありがとうございます!!更新頑張ります(*`・ω・)ゞ


キーンコーンカーンコーン♪

「やっと1時間目終わったぁ」
「村田の授業つまんねぇ」
「眠いよな」
「ほらそこ!もっとやる気を出したらどうなの?」
「うるせぇな。学級代表だからって調子乗んなよな」
「それな。去年は遅刻の常習犯だった癖に」
「な。。んでそれを。。。」
「図星突かれて黙るとかだっさーww」
「あんたらホントムカつく!!」

そう言って森山さんが教室を出て行った。

「ちょっと。。。追いかけなくていいの?」

私がそう言うと、

「ほっときゃいいんだよ。2年生になって急に変わりやがって。内申点1番気にしてるのあいつだろ」
「遅刻の常習犯って知ったらどこの高校の教師もそんな奴入れたくないだろ」
「まぁ。。ね。でも、変わったことはいい事じゃない?」
「そりゃ変わればいいよ。遅刻しなきゃいいよ。でも、遅刻常習犯だった奴が俺たちに口出しするのはおかしいだろ?」
「お前ら、いい加減やめろ」

え?

「なんだよ翔太。お前、あいつをかばうのか?」
「え、まさか、好きなのか!?森山梓紗のこと!!」
「あいつ、まぁまぁ顔は可愛いからなぁ。なぁ翔太、外見で決めんなって。中身が大事だろ?」
「何決めつけてんだよ!違う!」
「え、じゃあ誰だよ?あ、やっぱあの美女か?」
「あぁ、皆川柚花か?」
「そいつも違う!てか誰だよ!皆川柚花って!」
「は、お前知らないの?学校中のアイドルじゃねぇか」
「ふん、くだらん。俺は他にいる」
「え!誰!?」
「絶対言わねぇ!!」
「翔太らしー。でも教えてくれよー」

キーンコーンカーンコーン♪

「ほら、予鈴が鳴った鳴った!はい皆かいさーん」
「あー予鈴を理由に逃げやがったなー!帰るときしつこく聞いてやるからな!」

「へー相川にも好きな奴いたんだねー」
「どーでもいいよ。あいつが好きになった奴は将来悪夢だろうねぇ」
「。。。涼ちゃん、それは言いすぎw」
「葵ちゃんだってそう思うでしょ??」
「まーねw」
「あははやっぱ葵ちゃんもそう思ってんじゃーんw」

私達の他愛無いこの会話を、まさか、あいつにきかれてるなんて、思ってもみなかった。


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