魔法使い。それは、優しい心を持った者。

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1:スイ◆FA:2016/06/08(水) 21:39 ID:E32


プロローグ


___魔法。それは、この世に存在するものなのだろうか。
私は、その魔法を信じている。だって、アニメとかでは魔法がよく使われてるアニメがあるもん。
その魔法を使える魔法使いも、きっと存在すると思う。

でもね、私は魔法使いになるのか夢なの。
だってさ、魔法ってなんかかっこ良いじゃん!楽しそうじゃん!
それで、色々人助けとか出来たらな〜……って思う。


まぁ……こんな夢みたいな話、無いに決まってるよね!ナイナイ!
……でもね、私が魔法使いになったら……困ってる人を、少しでも助けたいな。



はじめまして、スイです!(・ω・)/
文才を上げるため、今日からここで小説をだらだらと書いていきます。

……が、これが初の葉っぱデビュー、そして初の小説!なので、ちょっと心配ですね……
ファンタジー小説で、魔法系のものです。日本語おかしいけど、出来るかぎり頑張ろうと思っております。


それでも良い方は、どうか私にお付き合いくださいませ。m(__)m

2:スイ◆FA:2016/06/08(水) 23:31 ID:E32


1 魔法使いの誕生


___窓から入ってくる、太陽の光。
目覚まし時計が部屋中に響きわたる。
その目覚まし時計のおかげで、彼女はいつも通り起きられるのだ。

「うっ……う〜ん……ふわぁ〜、もう朝かぁ。学校やだな〜……」

ゆっくりと起き上がり、大きくあくびをする。
目覚まし時計を見ると、もう朝の6時半。もう夏だからか、窓の外の太陽は早くから輝いている。
ベッドから起きようとし、布団から出てくる。
そして、バジャマから普段着へ短時間で着替え、ゆっくりと歩きながらダイニングへと歩いた。


彼女の名前は緑風 実糊。ごく普通の小学6年生である。
明るく、誰にでも優しい。が、頭は悪く、ちょっとめんどくさがり屋な一面もある。


……そんなごく普通の実糊だが、実は、実糊は魔法使いになる資格があるのだ。
それはなぜか。理由は、魔法使いは優しい者しかなれないのだ。心から優しい気持ちを持っている。そして、何ごとも諦めずに努力をする者。
こういった者が、魔法使いになれる資格があるのだ。
実糊はめんどくさがり屋で、しかも頭も悪い。それでも、優しい心を持ち、何ごとも諦めない者こそが___真の魔法使いになれるのだ。

もちろん、このことは実糊自身は分かっていない。
だが、なれるのだ。実糊なら、この世界を救う魔法使いに……


「おはよ〜……お母さ〜ん」

今起きたばかりの声で、実糊はあいさつをする。
ダイニングに入ると共に、皿を洗っている実糊の母と、もうすぐご飯を食べ終わりそうな実糊の父が目に入る。
実糊は、それを見て、今日もいつも通りだなぁ……と、心がほのぼのした。

「おはよう、実糊!今日も早いわね〜」
「そりゃそうだよ、だって学校だもん!起きたくなくても起きなきゃいけないじゃん?」
「休みの日は、10までぐっすりだけどな!はははっ」
「お、お父さんうるさいよっ」

と、実糊は少し焦る。そうだ。実糊は、休みの日はいつも朝の10時まで寝ている。それもぐっすり。酷い時は、12時くらいまで寝ていたこともあるだろう。
ふざけた会話を交わしながらも、実糊は4つある内の1つの椅子に座る。

テーブルには、簡単にイチゴジャムを塗ってある食パンと、透明な水。
朝ご飯は、いつも簡単な物で済ます。___いや、普通の家は簡単な物で済ませるだろうが。


「いただきまーす!」

手を合わせてそう言うと、まずは食パンを豪快に食べる。食パンのイチゴジャムが、実糊の口回りに付く。
実糊はそれを分かっていたのか、そこら辺に置いてあったティッシュを取り、口回りを拭いた。
時々水が恋しくなり、実糊は冷たい水を喉に通らせた。

「いってきまーす!」
「いってらっしゃい、気を付けるのよー!」

学校へ行く時に、母と交わす一言。赤いランドセルを背負って、家から飛び出す。
気を付けるよ、だから心配要らないよ!と、実糊は母に届くかどうかも分からずに、心の底で思った。


「おはよーっ!春菜ー!」
「みーちゃん、おはよ〜。今日も元気だね〜」
「あったりまえよ!私はいつでも元気なんだかんね!」

親しく会話をする2人は、親友のように仲の良さそうな関係だった。
実糊が話しかけた相手は、佐藤 春菜。実糊の親友で、落ち着いた雰囲気を放っており、数学が得意な少女である。
ちなみに、みーちゃんというのは実糊のことである。春菜からは、そう呼ばれているのだ。

3:スイ◆FA:2016/06/09(木) 15:01 ID:gTk


「……そういえば、みーちゃんって魔法使いになりたいの?」
「うん、そうだよ!春菜ちゃんよく分かったね〜!」
「そりゃあ一緒に居るんだから分かるよ〜」
「えぇ〜!そうかなぁ?でも、魔法なん存在しないし、そもそも魔法使いになんて、なれっこないよね……」

と、実糊は春菜の顔を見て苦笑いをする。
歩いている内に、いつの間にか学校の校門前に着いている。2人は、お喋りをしながらも、校舎の中に入っていく。
実糊よ、君は魔法使いになれると言うのに、なぜ分からないのだろうか。____いや、分からなくて当たり前だろう。




その頃、別世界の魔法の国……
通称、スマイルタウンのお城では、1人の女王が、大きな椅子に座っていた。
その隣には、ピンク色で天使のような羽が生えた妖精が飛んでいた。

「女王様!今日もお仕事、お疲れ様アル!」
「アルル、ありがとう!もう少ししたら、別のお仕事があるわ。だから、あんまりゆっくりは出来ないわね……」

はぁ……と、疲れた溜息をつく女王。アルルは、その疲れた女王の為にお茶を淹れる。
妖精の名前は、アルルと言う。本名は……アルル・リリアスと言っただろうか。
スマイルタウンの中では、ごく普通の妖精である。



____そんな時、この平和なスマイルタウンに、最大の危機が訪れたのだ。


「ふふふ……ここがスマイルタウンとかいうところか。居心地わりぃところだが、支配するには持ってこいだな」

黒いマントを纏った、怪しげな雰囲気を放った謎の男。
そして、マントの中からなにかが入った袋の中身を、スマイルタウンに撒いたのだ。紫色の、煙のようなもの。


最初は特に影響は無かった。ただ、咳をする妖精が居ただけ。
_______が、それを吸った妖精たちは次々に倒れていったのだ。



「ケホッ、ゲホッ!こ、この煙はっ……!!」
「アル!これは、毒……っ!?ど、どうしてこんなものがアル!?ゲホッ、ケホッ!」
「いいえ……毒と似ているけれど、違うわ。これは、『ウイルス』よ……!!」

苦しそうに咳をする2人。紫色の煙は、毒ではなくウイルスだったのだ。女王は、鼻が良いのか匂いですぐに分かった。
ということは、謎の男が撒いた煙は、『ウイルス』だったのだ。

「ふははははっ!良い景色だ。女王、妖精たちは皆ウイルスで死にかけになっている。俺はこのスマイルタウンを滅ぼすのが目的だ。さぁ、どうする?妖精も使いものにならない。魔法使いだって居ない」
「だ、誰なの!?どうして、いきなりこのスマイルタウンを滅ぼすなんてっ……」
「女王様!なんだかよく分からないけれど、こうなったら魔法使いを呼ぶしか……」

4:スイ◆FA:2016/06/12(日) 19:05 ID:nr.


あわてて魔法使いのことを言い出すアルル。ゲホゲホと咳をし、とても苦しそうだ。
その光景を、謎の男は不気味な笑みを浮かべて見ている。

「ダメよアルル!この魔法の世界を人間界に知られたら……っ」
「ゲホッ!……っ大丈夫アル!このスマイルタウンに、悪さをしない魔法使いを連れてくるゲホッゲホッ!アル」

咳のせいで、2人の声が乱れる。
このウイルスは、女王と妖精たちにだけ効くウイルスらしく、謎の男には効いていない。

「……分かったわ……そのかわり、私も着いていくわ。くれぐれもこの世界に悪さをしない魔法使いを呼んでこなきゃ……ゴホッ!」
「分かったアル!魔法使い、探すアル!」
「ふふふ……そんな魔法使い、俺たちには敵わないだろうけどなっ!!ハハハハハッ!!」

高笑いをしながら、謎の男は消えてしまった。
今やスマイルタウンへ撒かれたウイルスは、妖精たちを気絶させているだろう。

「レッドクリスタル・ワープ!!」

アルルが赤色のクリスタルを持ち、人間界へ行く呪文を唱え、2人はそのまま白い光に包まれた。
これは、魔法が成功した______と言って良いのだろうか。
やはり、この世には”魔法"と言うものが存在するのだ。
むしろ、ここスマイルタウンは、魔法で出来ているようなものなのだから____




そして、実糊たちが住んでいる人間界の時計では、11時を指していた。
アルルと女王は、一通りが少なく、薄暗い路地裏にワープした。

「ここが、人間界アル?なんだか、薄暗いところアルね……」
「ここは路地裏よ。人間界の本で、見たことがあるわ」

さっきのウイルスのせいか、女王はふらふらとしながらやっと立っている状態。アルルも同じく、弱った羽で飛んでいる。
___だが、さすが女王といったところだ。人間界のことも、よく知っている。

薄暗い路地裏を抜けようとし、まっすぐに歩いていく2人。
……しかし、この姿のまま人間界に来てしまうのはさすがにまずかった。


その理由は2つ。
まずは服装だ。女王様は、なんとも珍しく、豪華な服装をしていらっしゃる。
人間界にはそんな服装をしている人はいないから、珍しくて目立ってしまうのだ。
2つの理由はアルル。アルルは羽で飛んでいるのだ。
人間界には飛ぶぬいぐるみ、ましては妖精すらもいないはず。

……と、この理由から、服装とアルルで、人々から噂をされてしまう。
そのことを考えた女王は、まっすぐに路地裏を出る足を止め、アルルにそのことを話した。


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