能力を持つ者達が出会うとき

葉っぱ天国 > 小説キーワード▼下へ
1:夜空:2016/07/03(日) 09:33

 みなさん、こんにちは、もしくはこんばんは!
 小説を書きたいと思います。
 見ていただければ光栄です。
 感想、アドバイスなど書いていただけたら嬉しいです。

2:夜空:2016/07/03(日) 10:51

 登場人物の紹介をしたいと思います。
 
 主人公 皐月美桜(さつき みおう) ニックネーム サツキ     女
 登場人物 蒼原ハルカ(あおはら はるか) ニックネーム ハルカ  男
     高坂綾(こうさか あや) ニックネーム アヤ       女
     湾修也(わん しゅうや) ニックネーム ワン       男
     陸人優(りくと ゆう)  ニックネーム リク       男
     廃土由姫(はいど ゆめ) ニックネーム ハイド      女
     美緒美雨(みお みう)  ニックネーム ミオ       女
     川端モカ(かわばた もか) ニックネーム モカ      男

3:夜空:2016/07/03(日) 11:08

 夏は嫌いだな。
 私はずっとそう思って生きてきた。 
 
 朝、カーテンを開けるとまぶしい日差しが部屋の中を照らす。
 これが気持ちいいなんて私は思えない。
 
 「サツキ!おはよう。」
 
 「ハルカ!もう、勝手に入ってこないでよね。」 
 私の部屋に入ってきたのは蒼原ハルカ。
 両親が事故で亡くなって私の家に住んでる。
 
 「ノックぐらいしなさいよ!」
 私はハルカを睨む。
 「ごめんごめん。ね、今日は久しぶりに二人で出かけない?」
 ハルカが私をじーっと見つめる。
 あぁ、ハルカのこの青く光る目に見つめられると勝てない。
 「わかった。どこがいい?」
 
 「別に行きたい場所なんてないよ。適当に散歩しよ!」
 は?って思ったけど、これがハルカだし。
 私はうなずいた。
 しょうがないなぁ。
 
 
 
 「よし、ターゲットを見つけたぞ。」
 「さすがハイド。」
 「黙れ!ワン。」
 「冷たいなぁ。」
 

4:夜空:2016/07/03(日) 11:29

 「暑い・・・。ハルカ、なんでこんなに暑い日に外に出るのよ?」

 「気分転換だよ。サツキだって、部屋でずっと引きこもってて暇でしょ?」
 
 「別に、私はただのニートだし。」
 
 「ううん。特別なニートだよ。」
 ハルカのまぶしい笑顔。
 ハルカの事が嫌いになりそうな時もあれば惹かれることもある。
 別に好きってわけではないんだけど。
 
 しばらく歩いていると暗い路地裏に入った。
 「ああ、このままでいい。ずっとここにいたい。」
 
 「サツキ!もう、行こうよ。」
 その時だった。
 長い茶髪の髪を揺らしながら女の子が落ちてきた。
 いや、落ちてきたっていうより、舞い降りてきた。
 「やっと会えたな。仲間。」
 「は?」
 私は訳が分からなかった。
 私は女の子が舞い降りてきた上を見た。
 すっごく高い場所から落ちて、無傷?
 で、変なこと言うし。
 この子、誰?

5:夜空:2016/07/03(日) 11:50

 私はいつの間にか気絶していた。
 目を覚ました時にはとてもきれいな部屋にいた。
 でも明るくないし、暗くもない。
 どこだ?
 あたりを見回すとそこにはハルカと知らない子達がいた。
 あ、さっきの女の子!
 「あの!」
 「キャー!」
 女の子の悲鳴。
 「アヤ、ビックリしすぎだよ。怖がりなんだから。」
 男の子が悲鳴を上げたアヤってこの傍に行く。
 「怖がりじゃないもん。ビックリしただけだもん。ひどい、リク!」
 リクっていう男の子がアヤって子の頭をなでる。
 
 「起きたな。サツキ。」
 さっきの女の子。
 「なんで、私の名前?」
 「説明は後にする。」
 するとその女の子と同じくらいの背の男の子が来た。
 
 「紹介するねー。えっと、まず僕が湾修也。でこの子が廃土由姫。名前は可愛いんだけど、暴力的なんだよねぇ。」
 するとハイドさんがワンさんを殴る。
 「余計な一言はいらないんだよ!ワン!」
 
 「痛タタタ・・・。気を取り直して、さっき怖がってたフワフワヘアーのこの子が高坂綾。」
 
 「フワフワじゃないもん。」
 可愛い子だな。
 「いっつもアヤの傍にいる長身さんが陸人優。あっちで横になってるのが美緒美雨。」
 ミオさんが私に手を振る。
 私はお辞儀した。 
 
 「その横にいるのが川端モカ。女の子みたいな名前だよね。モカって。フフフ。」
 
 「笑うな、バカワン。」
 この六人、結構なオーラを感じる。
 なんだろ・・・?

6:夜空:2016/07/03(日) 12:57

 この六人、まさか・・・?
 「俺達はサツキと同じ、能力者だ。」
 ハイドさんが言った。
 「やっぱり。」

 「俺は能力を使って見た人の名前と性格がわかる。ついでに死ぬ日もな。」
 ハイドさんが暗そうな顔で言う。

 「僕は、どこの国の人とも話せるんだ♪」
 ワンさんがのんきそうに言う。

 「私は、人を宙に浮かせたり自由に操ったりできるの・・・。」
 消え入りそうな声でアヤさんが言う。

 「俺はどこでどんな事件が起こっているかが見えるんだ。」
 リクさんがアヤさんをなでながら言う。

 「私は人に言われたことや、本に書かれてた言葉とかいろんなことを記憶できるんだ。」
 ミオさんがあくびをして言う。

 「僕は身体能力が人一倍あるんだ。自分で言うのもなんだけど。」
 モカさんが恥ずかしそうに言う。

 「サツキ、ハルカ。能力。」
 ハイドさんに言われてはっとした。

 「あ、はい。私は目を閉じて能力を使うといろんなことが分析できます。」
 
 「僕は、目的の人がどこにいようと場所がわかります。」
 
 全員、能力者、なんだね。
 「それで?なんですか?能力を言わせて、何がしたいんですか?」
 
 「お前たちを俺達が組んでるチームに入れたい。」
 ハイドさんの言葉に???が浮かんだ。
 

7:夜空:2016/07/03(日) 14:40

 チームに私達を入れるってどういうこと?
 「あの、どういう事か説明してもらえませんか?」
  
 「ん?あ、ああ。いいだろう。私達はみんな能力を持ってるよな?」
 
 「はい。」
 
 「それで事件を解決するんだ。といっても私達の能力が必要な時だけだが。」
 
 「たまに、みんなで一緒にお出かけにも行くよね!」
 アヤさんが言う。
 
 「まあな。どうだ?二人とも。入ってくれるか?」
 
 「いいんじゃない?サツキ。面白そうだし。ね?」
 
 「まぁ。ニートでいるのも飽きたし。」
 
 「じゃあ、決定だな!」
 
 「はい。あの、皆さんの事なんて呼べばいいですか?」
 
 「ん?好きなように呼べ。」
 
 「リーダーは誰?」
 ハルカが手を挙げていった。
 
 「ん?俺だ。」
 ハイドさんが言った。
 
 「サブリーダーがなぜか、あいつだが・・・。」
 ハイドさんはワンさんを指す。
 ふぅん。
 
 ハイドさんはリーダーさん。 ワンさんはそのまま。 アヤさんはアヤちゃん。 リクさんもそのまま。 ミオさん、モカさん。でいいや。
 でもこんなに能力者がいるなんて知らなかった。
 
 「ほかにも能力者はたくさんいるよ?」
 モカさんが言った。
 ふぅん。
 これから先、どうなるんだろう?

8:夜空:2016/07/03(日) 17:05

 「ねぇ、私遊園地行きたい・・・!ねぇ、いいでしょハイド?」
 アヤちゃんが言う。

 「そうは言ってもなぁ。なぁ、お前らは。」
 リーダーさんが言いながら後ろを向いて四人を見た。
 そして続きを言うのをやめた。
 なぜって、満面の笑みでリーダーさんを見つめてたんだもん。
 
 「お前ら・・・。仕方ないなぁ。サツキ、ハルカ。いいか?この連中らと付き合ってやってくれないか?」
 
 「あ、はい。いいですよ。ね?サツキ?」
 
 「え?まぁ、いいけど。」
 
 「やったー。じゃあ、行くぞ。」
 
 「あ、おいお前ら!すまない。あいつらはこういうときだけ俺のいう事を全く聞かないんだ。」
 
 結構大変だな。
 
 

 遊園地に着いたとき真っ先に飛び込んだのはワンさん。
 
 「ハイドー。早く行こ。」
 
 「お前、俺をどこにつれて行くんだよ?」
 
 「もう、決まってるでしょ?ジェットコースターだよ。相変わらず、ノリ悪いなぁ。」
 
 「黙れ、バカ。」
 
 ジェットコースター乗り場に行って後ろの席に座る。
 
 「ジェットコースターって後ろの方がスリル感いっぱいなんだよね?」
 
 「そうなの?サツキちゃん?」
 ワンさんが私を見る。

 「はい!上から落ちるときに後ろの方が落ちるときには前の方は落ちかけてますよね?そこからスピードが出るので、後ろの席はのぼっているときからスピードが出るんですよ!」
 
 「へぇ、さすが!分析力。だってハイド!」
 
 ワンさんやアヤちゃんがすっごく興奮してる。
 大人っぽいかもって心のどこかで思ってたけど、案外違うみたい。

9:夜空:2016/07/03(日) 21:42

 ジェットコースターが動き出す。
 ワンさんと、アヤちゃんがワクワクしてる。
 アヤちゃん、怖がりだけどジェットコースターは大丈夫なんだね。
 
 なんか、六人と出会って、私変わった?
 なんて思った時、ジェットコースターがスピードを上げて落ち始めた。

 「ヒヤッホーイ!」
 ワンさんが叫ぶ。
 ジェットコースターでそんな風に叫ぶ人、ドラマや漫画くらいでしか見たことない。
 ふとハイドさんを見るとハイドさんは無表情だった。
 えっ?
 ジェットコースターで無表情の人はホントに初めて見た。
 個性豊かだな。
 
 「次はバイオハザードだ!ひっさしぶりに、アヤの本気で怖がってる顔、見たいなぁ。」
 ワンさんがアヤちゃんを覗き込む。
 
 「アヤにそんな顔で詰め寄るの、やめろよ!ワン!」
 リクさんがアヤちゃんの前に立って両腕を広げる。
 すると、ハイドさんがワンさんのお腹を殴った。
 
 「ホントにお前って奴は・・・。」 
 ハイドさんがつぶやいてアヤちゃんの顔を覗き込む。
 優しそうな顔で。
 
 「アヤ、嫌なら行かなくっていぞ?」 
 
 「うん。こんなバカのいう事なんて気にしなくていい。」
 モカさんも言う。
 そう後ろでミオさんが道に転がってるワンさんを、助けてる。
 
 「ホントに、ワンは懲りないなぁ。ハイドに殴られるってわかってるでしょ?」
 
 「ごめんごめん。」
 
 「私じゃなくて、アヤに謝んな?」
 
 「アヤ、ごめん。」
 
 この年でこんなにしょうもないことで謝らされるとかどれだけ子供なんですか、ワンさん!?
 
 「いいよ・・・。私、行くよ。バイオハザード・・・。」
 アヤちゃんが怖そうに言った。
 
 「マジか?アヤ?」
 
 「うん。」
 
 「サンキュー、アヤ!お前いい奴!さあ、行こうぜ!」
 
 「リク、アヤの傍にいてやれよ?」
 
 「わかってるよ、ハイド。」
 
 「結局はリーダーさんも行きたかったんだね。」
 ハルカが私の耳元でつぶやく。
 
 「確かに・・・。」
 どんどんみんなの子供っぽさが見えてくる。
 嬉しくもあり心のどこかであーぁって思ってる私ってなんだろ?
 目を閉じて考える。 
 分析中・・・。
 
 ふぅん、私は今人生に生きがいを感じてるみたい。
 へぇ?

10:夜空:2016/07/03(日) 22:12

 それが何?
 生きがい感じてたら、みんなの子供っぽさ見えてくるのが嫌になるってこと?
 そんなことないでしょ?
 まぁ、いい。
 いつか、私にもわかる日が来るはず。
 それまで、待っていよう。

11:夜空:2016/07/04(月) 16:45

 「楽しかったね!また来ようね、ハイド!」
 アヤちゃんがリーダーさんに飛びつく。
 
 「まだ来るのか?金の無駄だし、もっと他の事に興味を持てよ。」
 
 「えー!遊園地、楽しいよ?そうだ、今度来るときはハイドの好きなとこ、行こう。ね?それでいいでしょ?」
 
 「いや、別に俺は遊園地で遊びたいとは思っていないが・・・。」
 真反対のこの二人、結構仲いいのかな?
 リーダーさんの暗い雰囲気と、アヤちゃんの明るい雰囲気が合わさっていい感じっていうか。
 
 「サツキ、楽しかったね。僕もまた、来たいな。」
 ハルカが嬉しそうに言う。
 まだ遊び足りないって顔してる。
 元気すぎ。
 でも、久しぶりに外に出て、意外と楽しかったかもしれない。

 「サツキ、ハルカ。すまなかった。いきなりこいつらに付き合わせて。これがアイツらだし、お前らもすぐになれると思うんだ。」
 
 「あ、はい。すぐなれそうです。特にハルカは。」
 
 「へへへ。」
 ハルカが頭をかく。
 
 「動くな!」
 男の人の太く大きな声が響いた。
  
 「静かに!リク、アヤにつけ。」
 
 「わかってる。アヤ、心配ないからね。」
 
 「なに?これ?」
 
 「サツキ!分析できないか?」
 リーダーさんが私を向く。

 「あ、はい。すぐやります。」
 私はあたりを見回す。
 逃げ出そうとする女の人。
 泣き出す赤ちゃんや子供。
 家族を守ろうとする男の人。
 そして、その向こうには・・・。
 私は焦って目を閉じた。
 
 「サツキ、まだか?」 
 
 「はい。おそらく、テロにストが私達を脅してどこかに閉じ込めようとしています。」
 
 「なに!?」
 
 「リク・・・。」
 
 「大丈夫だから、しっかり俺についててよ?」
 
 「テロリスト・・・。」
 
 「どうする?」
 
 「どこかに隠れるか?」
 
 「そんな暇ないだろ!」
 どうしよう・・・。

12:夜空:2016/07/04(月) 16:45

 「楽しかったね!また来ようね、ハイド!」
 アヤちゃんがリーダーさんに飛びつく。
 
 「まだ来るのか?金の無駄だし、もっと他の事に興味を持てよ。」
 
 「えー!遊園地、楽しいよ?そうだ、今度来るときはハイドの好きなとこ、行こう。ね?それでいいでしょ?」
 
 「いや、別に俺は遊園地で遊びたいとは思っていないが・・・。」
 真反対のこの二人、結構仲いいのかな?
 リーダーさんの暗い雰囲気と、アヤちゃんの明るい雰囲気が合わさっていい感じっていうか。
 
 「サツキ、楽しかったね。僕もまた、来たいな。」
 ハルカが嬉しそうに言う。
 まだ遊び足りないって顔してる。
 元気すぎ。
 でも、久しぶりに外に出て、意外と楽しかったかもしれない。

 「サツキ、ハルカ。すまなかった。いきなりこいつらに付き合わせて。これがアイツらだし、お前らもすぐになれると思うんだ。」
 
 「あ、はい。すぐなれそうです。特にハルカは。」
 
 「へへへ。」
 ハルカが頭をかく。
 
 「動くな!」
 男の人の太く大きな声が響いた。
  
 「静かに!リク、アヤにつけ。」
 
 「わかってる。アヤ、心配ないからね。」
 
 「なに?これ?」
 
 「サツキ!分析できないか?」
 リーダーさんが私を向く。

 「あ、はい。すぐやります。」
 私はあたりを見回す。
 逃げ出そうとする女の人。
 泣き出す赤ちゃんや子供。
 家族を守ろうとする男の人。
 そして、その向こうには・・・。
 私は焦って目を閉じた。
 
 「サツキ、まだか?」 
 
 「はい。おそらく、テロリストが私達を脅してどこかに閉じ込めようとしています。」
 
 「なに!?」
 
 「リク・・・。」
 
 「大丈夫だから、しっかり俺についててよ?」
 
 「テロリスト・・・。」
 
 「どうする?」
 
 「どこかに隠れるか?」
 
 「そんな暇ないだろ!」
 どうしよう・・・。

13:夜空:2016/07/04(月) 16:47

 すみません、二つかいてしまいました。
 最初の方は誤字があります。
 すみません!

14:らら◆Oc:2016/07/04(月) 17:56

夜空、ぜんぶ読んだよ〜!!!実は、ちょっと前から読んでた 笑
面白いね!!!続きが気になる♪♪(*^○^*)
更新頑張って!!!!!!

15:夜空:2016/07/04(月) 19:18

 ありがとう、らら。
 読んでくれてたんだー📖
 私もららの小説読んだよ!

16:夜空:2016/07/04(月) 20:21

 「サツキ!ハルカ!お前ら運動神経は?」
 
 「え?あ、はい。まだいい方です。昔格闘技を習っていたので。」
 
 「僕もまぁまぁ。」
 
 「よかった。戦うことになるかもしれねぇが、いいよな?」
 マジか。
 
 「とりあえず、女子はどこかに固まってて。男子は隠れて様子を見よう。ハイド、連絡するからね。」
 
 「わかったよ。ハルカ、ワンたちについて行ってくれ。」
 
 「はい。サツキ、ハイドさんについて行ってよ?」
 
 「わかってるから。」
 
 「アヤ、大丈夫だよ。ハイドにちゃんとくっついとかないと捕まるからね。」
 
 「うん。」
 
 「よし、行くぞ。サツキ、アヤ、ミオ。こっちだ!」
 
 「はい!」
 私達は遊園地の木々の裏に隠れた。
 
 「ここでじっとしていろ。俺は木に登って様子を見る。」
 
 「あの、私も行っていいですか?」
 
 「ん?いいが、見つからないようにしろよ。」

 「はい。アヤちゃん、震えてるよ?大丈夫?」
 
 「怖いよ。サツキ、行かないでよ・・・。」
 
 「大丈夫だって。ほら、これ。すぐ戻ってくるから。」
 私はアヤちゃんに着ていたパーカーをかけた。
 私は一番高い木に登る。
 木登りなんて久しぶりだけど、意外と早くのぼれた。
 
 「サツキ、やるな。よし、観察。」
 私はうなずいてあたりを見渡す。
 
 「誰もいなくなったな。」
 
 「はい。」
 
 「サツキ。お前の能力はあの中のものでも分析できるか?」
 
 「はい。やってみます。」
 リーダーさんがさした方向は人々が連れられて行った、遊園地の隣のスーパーマーケットだった。
 あそこでもテロリストは動いてるのかな?
 私は目を凝らしてみて目を閉じた。
 
 見えたのは黒服のサングラスをかけた男の人が、数人と手を縛られた人たちが何十人も。
 部屋は真っ黒で暗くて改装中っぽい感じ。
 
 多分、今から忍び込んでも大丈夫だし、アヤちゃんの能力でテロリストの目を奪えると思う。
 それをリーダーさんに伝えた。
 「よし、アヤの様子をうかがって、忍び込もう!」
 
 「はい!」

17:夜空:2016/07/04(月) 22:58

 「アヤ。今からあそこのスーパーに潜入するぞ?いいか?」
 
 「あそこにリクたちがいるの?」
 
 「そう!だから助けてテロリスト捕まえないと。」
 私はアヤちゃんの手を握った。
 
 「わかった・・・!私、行く!」
 アヤちゃんが決心した。
 
 「よし、アヤの気が変わるまでに行くぞ。」
 
 「行こう。」
 
 
 私達は急いで走った。
 見つからないようにしないとね。
 
 「今、どんな様子か調べよう。アヤ、あそこに乗せてくれ。」
 
 「うん・・・!」
 アヤちゃんが瞬きをして目の色をピンクから青に変えた。
 そして、リーダーさんを宙に浮かせ本棚の上に乗せた。
 
 「アヤちゃん、私もあっちに乗せてくれないかな?」
 アヤちゃんはうなずいて乗せてくれた。
 
 そこでは怒鳴り声や泣き声がして、中央あたりに、ハルカたちがいる。
 何だか知らないけど、ワンさんがぶつぶつ言ってる。
 怒られるよ?
 そのとき、テロリストの一人がワンさんの胸ぐらをつかんだ。
 
 「お前、さっきからうるせぇんだよ?」
 すると、ワンさんは外国語を話しなじめた。
 多分、英語。
 さすがっていうのか、意味不というのか・・・。
 

18:夜空:2016/07/05(火) 19:08

 「すごいな。ワンさん。」

 「いや、あいつの能力を正しく言うと、日本語で喋っても能力を使えば自分以外の人には外国語にきこえる、だ。」
 へぇ。
 
 「まぁ、今度いろいろと教えてやろう。アヤが怖がりなのも理由があるからな。」
 リーダーさんが声を潜めていった。
 
 「そうなんですか?」
 
 「アヤが一番深いかもしれない。リクを慕っている理由や、能力を使えるようになった理由もあるからな。」
 え?
 
 「アヤ以外の俺を含める全員は生まれたときから能力者なんだ。でも、アヤはあるきっかけがあったんだ。」
 そうなんだ。
 ホントのアヤちゃんはどんな子なんだろ?
 
 「アヤちゃん、今だよ!」
 
 「え・・・?」
 
 「能力を使ってあそこのテロリストたちを浮かせて。」
 
 「おい、サツキ!アイツらはみんな銃を持っているんだぞ?何をするかわからない。」
 
 「私の分析によると、あの人たちは動揺して銃を落とします。」
 
 「んー。わかった!サツキ、お前を信じよう。やれるか?アヤ。」
 
 「うん。リクたちを助けるためだから・・・!」
 そしてアヤちゃんは宙に浮きテロリスト達を向く。
 目を青く光らせ、テロリストたちを睨む。
 
 「うわっ!」
 
 「なんだ?」
 
 「どうなってるんだ。」
 テロリストたちは宙に浮き、分析通り銃を落とした。
 
 「よし!アヤ、向こうに行くぞ!」
 
 「うん。」
 アヤちゃんはまた能力を使い、向こう側につれて行った。
 

19:夜空:2016/07/06(水) 16:31

 「なんだ?おい、お前ら、こいつら、なんで動いてるんだ?」
 
 「すみません!リーダー!」
 
 「ミオとサツキはワンたちを解放しろ!アヤ、俺達はこいつらを片付けるぞ。」
 
 「うん。」
 
 「はい!」
 私とミオさんはハルカたちを助けてテロリストの前に立った。
 銃をタオルの上から持つ。
 指紋が残らないように。
 私はすべての銃から球を取り出す。
 
 「リク!警察。」

 「了解。」
 
 「アヤ、こいつらを縛り付けろ。」
 えっ?
 アヤちゃんは手で動作をしてる。
 縄で縛る動作だ。
 するとテロリストたちの手と足は縛られたようになった。
 アヤちゃんってこんなこともできるんだ。
 
 「連絡したからすぐ来るよ。」
 
 「よし。お前ら待ってろよ!もうすぐ楽になるからさ。」
 リーダーさんはテロリストのリーダーに言った。
 
 そして警察が来て、テロリストたちは逮捕された。
 
 「ふぅー。ビックリしたね。サツキ!」
 ハルカが笑顔で言う。
 
 「あんなことがあったのにもう笑ってられるの!?」
 
 「でも、もう解決したじゃん。」
 そりゃあ、そうだけどさ・・・。
 
 「ありがとな、サツキ。お前のおかげで今回は助かったよ。これからも頼むぞ。」
 
 「はい!」
 リーダーさんに褒められてうれしかった。
 
 「サツキ・・・!これ・・・、ありがとう。嬉しかったよ。」
 アヤちゃんが私にパーカーを差し出した。
 
 疲れて今日はすぐに寝ちゃった。
 久しぶりに外に出て新鮮な空気を吸った。
 って言っても夏で暑かったけど。 
 

20:夜空:2016/07/06(水) 22:15

 「明日、今日会った場所で集合だ。」
 リーダーさんの声を思い出す。
 
 朝起きて着替えて、昨日の場所にハルカと行く。
 半袖の上着を着て、フードをかぶる。
 ハルカが私のまねをする。
 
 「みんな、もう来てるかもしれないね。」
 
 「うん。だいぶ待たせてるかも。」
 
 「ちょっと遅れた方がカッコいいよ。」
 
 「それ、パーティーのときでしょ!?」 
 昨日の場所に行く。
 
 「まだ来てないね。」
 
 「うん。」
 数分後。
 
 「待たせたな。」
 
 「モカとワンがなかなか起きなくてさ。特にワン!」
 リーダーさんとリクさんが言う。
 
 「大丈夫です。」
  
 「いやー、申し訳ない!でも、それが僕なんで。そこ、わかっておいて。」
 ワンさんが手を合わせる。
 
 「お前、それで許してもらおうとするなよ、バカ!」
 リーダーさんがワンさんを殴る。
 
 「ホント、ごめんね・・・。モカは、いつも寝るとなかなか起きないの。モカは身体能力が人一倍でしょ?睡眠時間も人一倍なの。」
 アヤちゃんが言う。 

 「そうなんだ?」
 私はモカさんを見る。
 
 「へへへー。」
 
 「じゃあ、案内しよう。昨日、気絶していたからどこかわからないだろう。いや、分析能力でわかるか?」
 
 「いえ、よろしくです。」
 私とハルカは六人の後ろについて行った。

21:夜空:2016/07/07(木) 16:40

 大きな交差点に出た。 
 
 「うわっ!」
 
 「キャー!」
 悲鳴や驚く声が聞こえた。
 
 「なんだ?」
 
 「行こう。」
 
 私達は声がした方に言った。
 そして、言葉を失った。
 近くで女の子の泣き声がする。
 
 「どうしたの?」
 アヤちゃんが真っ先に聞きだす。
 
 「ユウヤ・・・、が、バイクにはねられて・・・、そのままトラックに轢かれて・・・。」
 
 「え・・・?じゃあ、あの子が?」 

 「そう・・・、あれはユウヤ。」
 女の子はトラックに轢かれて血まみれになってる男の子を指差す。
 
 「救急車は?」 

 「誰かが呼んでくれた・・・。だけどもう、死んじゃってるよ・・・。」
 
 「なんで?わからないよ・・・?」
 アヤちゃんが女の子の手を握る。
 
 「だって、見えたんだもん。」
 
 「見え、た?」
 
 「そう。ユウヤの影が飛んでるのが見えた・・・。」
 
 「えっ?」
 
 「変って思わないの?おかしな子って思わないの?」
 
 「思わない。だって、私もそうなんだもの。」
 
 「えっ?」
 
 「驚かないでね・・・。」
 アヤちゃんは、能力を使って女の子の手を挙げさせた。

 「なに?これ?」
 
 「私の能力。誰にも言っちゃダメだよ?あなたもそうでしょ?」
 
 「うん。死んだ人の影が見える。私に影が見えたら、完全にその人は死んでるの・・・。」
 
 「そっか・・・。ねぇ、あなたの名前は?」
 
 「木下美優希。」
 
 「ミユキ、ね?私は高坂綾。」
 
 「アヤ・・・。」
 私達はアヤちゃんとミユキちゃんの傍に行った。
 
 「もし、よければうちに来て話さないか?」
 
 「えっ?」
 
 「何も悪いことはしない。ただ、その能力について話したい。」

 「わかった・・・。」
 救急車が来た。
 
 「行こうか?」
 
 「うん。行く。」
 私達は歩き出した。

22:夜空:2016/07/08(金) 17:54

 「さぁ、ここだ。入ってくれ。」
 
 「行こ、ミユキちゃん。」
 
 「ミユキでいい。ちゃんは似合わないから。」
 そうかな?
 
 「そこに座って。話を聞かせてくれないか?」 
 ミユキはソファに座って、静かな声で話し始めた。
 
 「私とユウヤは、幼馴染で近所に住んでたんだ。今パパとママが仕事で忙しくて私の面倒を見れないからって、私はユウヤの家に泊まってたの。
 今日は公園に遊びに行ってたんだ。 何もすることもなくてなんとなく出てただけで、暑くなってきたから、ユウヤの家に帰ろうと思ったの・・・。」
 ミユキは泣き出した。
 そのあとの事を言うのが、つらいんだろう。
 
 「それで・・・、私があの交差点をわたろうとしたら信号を無視して、バイクがものすごいスピードで向かってきて・・・。
 ユウヤは私を押しのけて、自分も逃げようとしたら、そんな暇なくって・・・。それで・・・、トラックに・・・。」 
 
 ミユキが涙を手で拭う。
 
 「こんな能力だって、なければよかった・・・。そしたら、ユウヤが死んだってこと、もうちょっと後で知れたのに・・・。」
 アヤちゃんがミユキを抱きしめて背中をさする。
 
 「もうやだ・・・。こんな世界・・・。酷くて狭くて辛い世界なんて・・・。ここから消え去りたい。ユウヤのいる天国に早く、逝きたいよ・・・。」
 
 「私も、そう思ったことたくさんあったよ。」
 アヤちゃんが言う。
 
 「どんなこと?」
 ミユキが顔を挙げてアヤちゃんをまっすぐに見つめる。

 「私ね、小さい時に誘拐されたことがあって。大きな男の人たちがたくさんいて、怖くて死んじゃいそうだった。そのまま二年くらい監禁されてて。
 脱走したくてもできなかった。ドアが中から開けられない構造になってて。」
 
 「それで?」
 
 「ある日、抜け出そうとしてると、見つかって銃を突きつけられて。そのとき、能力が生まれてその人達は天井に上がったんだ。
 しばらくずっとそのままだったんだ。ある日、リクが監禁部屋に入ってきて、脱出できたんだ。」
  
 それがアヤちゃんの、能力の生まれ方かぁ。
 でも、小さい時に誘拐って・・・。

23:夜空:2016/07/09(土) 13:41

 「ほかにもいろいろあるけど、それは後々話すから、今はもう少しだけ話を聞かせて?」
 ミユキはうなずいた。
 私達は自己紹介をして、ミユキに話を聞いた。
 
 「ユウヤも能力があったんだ。その人が考えていることがすべて目に見える。探る能力。私とユウヤは同じ能力者だから、お互い分かり合えた。
 ユウヤはお金持ちの家に生まれた、お人好しで誰にでも好かれて、でもユウヤの本当の気持ちは私にしかわからなかった。
 みんなユウヤは元気で優しくて何でも受け入れてくれて才能があるって思ってる。 
 だけど、ユウヤは自分を汚い落ちこぼれだと思ってて、少しでもそんな自分をよく見せようと思って、人に優しくしてるだけ。
 裏では泣いていて、寂しがり屋で、甘えっ子で・・・。」
 
 「そうなのか。」
 
 「学校でも人気だったユウヤが死んだから、みんな悲しむだろうなぁ。」 
 
 「ここで聞くのもなんだが、二人は何年?何歳?」 
 リーダーさんが聞く。
 
 「小6で十二歳。ユウヤは昨日が誕生日だったの。あー、昨日のユウヤの笑顔。忘れたいな。忘れたくないけど、忘れたい・・・。
 目じりを下げて、くしゃっと笑う顔。 私、それがあったからこれまで生きてこれたのに・・・。」

24:夜空:2016/07/11(月) 20:51

 「僕もわかるよ。その気持ち。」
 ハルカが言った。
 
 「僕も、両親が死んで、胸が張り裂けそうなくらい辛かったよ。誰もいない所でずっと泣いていたよ。」
 
 「そうなの?」
 
 「うん。でも今はサツキの家に居候させてもらってるんだ。」
 
 「楽しい?」
 
 「うん。」
 
 「私も、サツキの家に居候したい。」
 
 「えっ?」
 私はびっくりした。
 
 「サツキ、いいじゃないか。」
 
 「でも、ミユキの両親に聞かないと。」
 
 「わかった。効いてみる。」 
 ミユキはポケットから携帯を取り出して、両親にかけた。
 
 「パパ?これからは、ほかの友達の家に居候してもいい?・・・うん。わかった。」
 ミユキは携帯をポケットにしまう。
 
 「サツキの両親が良ければって。」
 
 「えっ?」
 
 「大丈夫。ベビーシッター代は払うから。」
 
 「ベビーシッターって・・・。」
 
 「ダメ?」
 
 「わかった。聞いてみるよ。」
 私はお母さんに聞くことにした。
 
 「お母さん?あのさ、ハルカが居候してるじゃん?もう一人、居候させてもいい?・・・適当だね・・・。うん。そう伝えておく。うん。」
 
 「なんて?」
 私はスマホをしまいながら言った。
 
 「いいけど、まずミユキの両親に会って、しっかり話さないとダメだって。」
 
 「わかった・・・。」

25:夜空:2016/07/13(水) 20:49

 それはもう親に任せて・・・。
 
 「ミユキ。お前もこのチームに入らないか?」
 
 「いいよ。仲間がいるし、能力を隠す必要もない。ここでなら泣きたいときに泣けそう。」
 
 「ミユキの能力は死が見える、か。」
 ミオさんが厚い本を手に取る。
 
 「それ、なんですか?」
 私は美緒さんに聞く。
 
 「ん。読んでみて。」
 ミオさんに渡された。
 それは特別な本らしくて、能力の名前が書いてある。 
 
 「空気を読み取る、人を操る、事件を探る、聴覚を欺く、人物を見抜く、記憶する、人物を探る・・・。」
 私は本に書いてあることを口に出して読む。
 
 「それは順に、サツキ、アヤ、ハルカ、リク、ワン、俺、ミオ、ハルカだ。」
 リーダーさんが腕と足を組む。
 
 「あ、死が見える、あった。」
 私がそう言うとミユキが本を覗き込んだ。
 本にはその能力を持つ人物の数が書いてあった。
 それは増えたり減ったりすることで文字が勝手に変わるらしい。
 
 「死が見えるの能力を持った人、私一人だけだ。」
 ミユキがビックリしたように言う。 
  
 「ホントだ。」
 ミユキがとてつもなくすごい子に思えてきた。
 
 「人物を見抜くも、ハイドだけだったよねぇ。」
 ワンさんがリーダーさんを見る。
  
 「そうだったな。レアな能力を手に入れたよ。不幸だがな。」 
 じゃあ、レアな能力ほど、辛いってこと?
 だってミユキも行っていたもん。
 こんな能力、なければ良かったって・・・。
 

26:夜空:2016/07/15(金) 21:32

 私達はずっとずっと、事件を解決していった。
 
 あれから何年がたったんだろう。
 
 リーダーさんやワンさん達とあって、人生が変わった気がする。
 
 ただのニートだったけど、生きがいを感じた。
 
 こんな変な能力、世間に認められるはずがないって、あきらめてた。
 
 だけど、リーダーさん達みたいな仲間に出会って、ずっとずっと楽しかった。
 
 こんなに感情が豊かになったのは初めてだった。
 
 
 そんな時、私達が出会った、一番危険で大きな事件。
 それが最後の活動だったんだけどね。

27:夜空:2016/07/17(日) 12:00

 私はいつの間にかどんどん、このチームに慣れていってチームの団員としても活躍していた。
 平和が続いたある日、リクさんが何かに反応した。
 
 「どうした、リク?」
 
 「どうしたの?」
 リーダーさんとアヤちゃんがリクさんに言って、みんながリクさんを見る。
 
 「事件が起こっている。それもこの近くで。とっても危険な事件だ。ピストルを持った男女が複数いて、何人もの人を撃って殺している。」
 
 「なに!?」
 リーダーさんが立ち上がった。
 私とハルカは顔を見合わせて、真剣な顔になった。
 
 「早く行かないと、この街が壊れてしまう。下手すれば、俺達まで。」
 
 「ハイド、早く行かないと。」
 
 「わかっている。アヤ!」
 
 「うん。リク、道案内して。」
 
 「オッケ。」
 アヤちゃんが私達を浮かせて、リクさんが案内をする。
 
 「ここだよ。」
 リクさんが地面を指差す。
 地面を見下ろした私達は絶句。
 
 泣き叫ぶ少女を置いて、大人たちは悲鳴を上げながら逃げていく。
 小さな赤ちゃんを抱きながら、逃げていく男性。
 手を繋いで一緒に逃げている女性達。
 
 「早く止めないと。サツキ、状況を分析してくれ!」
  
 「はい!」
 リーダーさんに言われて、私はあたりを見回して目を閉じる。
 
 黒い服とピアスとサングラスと帽子という格好の男女達がピストルを握っている。
 変な感じがする。 
 あの人達も能力者だ!
 
 「ミオさん、あの本ありますか?」
 
 「これ?はい。」
 ミオさんに能力の本をかりる。
 
 分析してみる。
 
 ピストルを持った人達の能力。
  
 獲物を離さない  時空を止める  人を操るの三つ
 アヤちゃんと一緒。
 
 男女を数えると、七人いる。
 みんなに伝える。
 
 「人を操るの方は、アヤが一番理解している。」
 リーダーさんが言う。
 
 一応、だれがどの能力かということも、分析。
 獲物を離さないが一人。
 時空を止めるが三人。
 人を操るが三人。
 
 「どちらかと言ったら、こっちの方が有利だ。あいつらよりも人数が多いし、能力の数だって多い。獲物を離さないは、俊敏力のあるやつだ。」
 ワンさんとリクさんと私が選ばれた。
 時空を止めるは、ハルカとミオさんとリーダーさん。
 人を操るがアヤちゃんとミユキとモカさん。
 
 「よし、出動だ!」
 リーダーさんの声が耳の奥まで響いた。
 
 「はい!」
 

28:夜空:2016/07/22(金) 16:50

 獲物を離さない・・・。
 手強いっていうより、危険だよね。
 
 「サツキ、早く。行こう。」
 リクさんとワンさんが私を呼ぶ。
 
 「はい。」
 私がすぐに飛んでく。
 
 「こっちの方が有利だよ。自由自在に動けるからね。体力を消耗しないから。」
 
 「あぁ。サツキ、後ろにいて。」
 私はリクさんの後ろにつく。
 獲物を離さない能力を持った人が私達に気づく。
 おなじ能力者同士だからか、私達が浮いていることには驚かなかった。
 !
 私は瞬時に分析をした。
 私達の方が不利だ。
 あの人は獲物を離さない。
 狙うものがどこにいても・・・。
 私が二人に伝える前に、二人はその人に向かって行っていた。
 
 それで・・・。
 
 バンッ!バンッ!
 
 「うっ!」
 
 「あぁ!」
 
 二つの銃声と同時に二人のうめき声が聞こえる。
 
 「ワンさん、リクさん!」
 
 「僕達が間違っていた、みたいだね。」
 
 「サツキ、またいつかね。」
 ワンさんの最後の言葉がどういう意味か分からなかった。
 その時。
 
 バンッ!
 
 「あっ!」
 
 ワンさんとリクさんが死んだあと、私もいつの間にか・・・。
 
 死んでいたんだ。
 

29:夜空:2016/07/25(月) 20:03

 私は目を覚ました。
 目を開けたその先には白い霧のかかった広い広い世界が広がっていた。
 
 「タ、スケ……テ…。タスケ……テ。」
 小さく透き通ったような声が私の耳に入る。
 
 「え?」
 後ろを見ると、そこにはあの交差点がポツンとひとつだけあった。
 
 「まさか……!ハッ!」
 
 じっと交差点を見た。
 男の子と女の子の姿が見える。
 やっぱり!
 私は、走り出す。
 あれは、あれは、ユウヤ君とミユキだ!
 ユウヤ君が死ななければ、ミユキも元気になれたはず!
 私は二人を助けようとしたけど、思った。
 ユウヤ君が死ななければ、ミユキは私達のチームには入らない……。
 
 「そんな事・・・!」
 私は決心して、ミユキを押しのけたユウヤ君を助けようとした。
 その時、見えたんだ。
 黒いボロボロの服を着た少し長めの黒い髪の背の高い男の子が、あのバイクを後ろから押して、ユウヤ君を殺そうとしてるところが。
 でも、変だよ。
 バイクは走ってるのに、後ろから押せるわけないじゃん。
 
 考えられるのは、アイツも能力者って事だった。
  
 その時、声がした。
 
 「やり直してみたい?もう一度、あの夏の最初の日から、やり直してみる?皐月…、美桜…。」
 すると、あの背の高い男の子が私の方を睨んだ。
 
 真っ赤に光った鋭い目で……。

30:夜空:2016/07/25(月) 21:39

 私はもう一度目を覚ました。
 
 「サツキ!よかった……。」
 リーダーさんが私の目に入る。
 
 「リーダーさん?リクさん、ワンさんも……。」
 
 「心配したよ。もし戻ってこなかったらって思ったら……。」
 
 「リク、泣いてるの?」
 ワンさんがリクさんの背中をバシッとたたく。
 
 「痛いなぁ。」
 
 「あ、あの、ミユキは?」
 
 「ミユキの夢か?」
 
 「え?は、はい。」
 
 「俺もミユキの夢を見たよ。」
 
 「僕も見たよ。」
 
 「俺も。少し長めの黒髪で背の高い男の子に睨まれた。」
 ゆめで観たないような全部一致した。
 
 しばらくすると、ハルカやモカさん、ミオさんが戻ってきた。
 
 「アヤとミユキは?」
 
 「わからない。どこだ?」
 アヤちゃんとミユキが戻ってきてない。
 
 二日たっても、二人は戻ってこなかった……。
 二人はどこにいるの?

31:夜空:2016/07/25(月) 21:57

 アヤside
 
 「ここはどこ?助けて、怖いよ。リク!ハイド!ワン!」
 三人の名前を呼ぶ。
 三人とは幼馴染だから。
 弱虫で泣き虫な私のすぐ傍にいてくれた、優しい人だから。
 
 誰もいない。
 
 「君が、高坂、綾、だよね?」
 後ろで声がした。
 恐る恐る後ろを向くと、ボロボロの黒い服を着た、長い黒髪の背の高い男の子が立っていた。
 少し猫背だ。
 
 「あなた、どうしたの?こんなにボロボロの服を着て。顔も少し汚れてるよ?」
 私はポケットからハンカチを出そうとした。
 
 「君をずっと探していたんだよ・・・。」
 
 「あなたの名前は?」
 
 「名前?さぁ。僕には両親という人がいないからね。第一に、僕は人間じゃないから。」
 私はどんどん怖くなっていった。
 これ以上聞くと後悔しちゃいそうだけど、聞きたい。
 
 「じゃあ、なに?」
 
 「僕は死神のゲームから作り出された死神だよ。君を迎えに来たんだ。」
 
 「え?どうして私を?」
 
 「あれ?知らない?君は死神「リム」の孫なんだよ。僕はその人の使い。君を迎えに行くように、リム様に頼まれたんだ。という事で!」
 死神さんは私の目を塞いだ。
 その瞬間、おなかに激痛が走った。
 ううん、激痛じゃない。
 私は死神さんに殺されたんだ。
 二度目の死を遂げたんだ……。

32:リュウ (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2016/07/26(火) 07:33

見させていただきました。面白かったです。一度、死んじゃったりするところがスリルがあって、そこが面白いです。

33:夜空:2016/07/26(火) 11:08

 見ていただいてありがとうございます!

34:夜空:2016/07/26(火) 11:23

 ミユキside
 
 「ユウヤ!待って、ダメ!」
 
 「えっ?」
 ユウヤが私の方を向いた時には手遅れだった。
 ユウヤの血塗れの姿を、通りすがった人達は気味が悪そうに見ている。
 どこかの誰かが、救急車を呼んでくれた。
 でも、そんなの遅いんだ。
 そしてこの後、ハイド達が来たんだ。
 
 何回も何回も、時空が切れてリセットされて、ユウヤが死ぬとこを目の前で見た。
 
 時計の針が鳴り響く私の寝室。
 目を覚ました私は急いで着替えて、外に出た。
 ユウヤを探しながら。
 いつもの公園のブランコにユウヤは座っていた。
 
 「ユウヤ!」
 私は息を切らしながらユウヤの名前を呼んだ。
 
 「ミユキ?どうした、そんなに急いで。」
 
 「どうした?って心配したんだからね!」
 
 「は?大丈夫か、ミユキ?」
 そっか。
 私達は今、リセットされたんだ。
 ユウヤが死ぬとこなんてもう見たくない。
 私は決心した。
 
 「もう、帰ろうか。暑いし。」
 
 「賛成。」
 交差点の前。 
 
 信号が青に変わる。
 私はバイクが走ってくるのを見た。
 ユウヤが歩き出す。
 私はユウヤよりも前に出て、ユウヤを突き飛ばした。
 そのまま、私は……死んだ。

35:夜空:2016/07/26(火) 13:42

 ミユキside
 
 「ミユキ、ミユキ……。」
 ユウヤの声。
 死んだ私を抱き起しながら、泣きながらユウヤが私の名前を呼ぶ。
 ごめん、独りにして。
 でも、ユウヤのためなんだ。
 
 「お願いだから、泣かないで…。」
 私はつぶやいた。
 もちろん、ユウヤに聞こえるはずがなく、ユウヤは泣き続けてる。
 
 
 私は目を覚ました。
 
 「ミユキ!よかった。もどってきたな。」
 ハイドの声。
 
 「お帰り。大丈夫だった?」
 
 「変な夢を見た。」
 
 「俺達もなんだ。きっと内容は俺達とは違うだろう。」
 
 「えっ?」
 
 「ミユキは「永遠の世界」に入っていったんだよ。終わらない世界に。だけど、その時空を破ってミユキが戻ってきたってわけ。」
 サツキがいつもの様に分析して言った。
 じゃあ、最後に私が死んだことで時空を破ったって事?
 私は周りを見回す。
 サツキ、ハルカ、ハイド、リク、ワン、モカ、ミオ……、あれ?
 
 「アヤは?」
 私がそう言うと、みんながうつむいた。
 
 「まだ戻ってきていないんだ。今日も戻ってこなかったら五日目だ。アヤはどうなっているんだろう。」

 「早く戻ってきて、活動を開始したいんだが。今はアヤがどうなっているかが心配なんだ。」
 
 そうだったんだ……。 
 私、四日間みんなを心配させてたんだな……。
 アヤ、早く戻ってきてよ。

36:夜空:2016/07/27(水) 10:52

 アヤside

 ここはどこだろう。
 真っ暗で、何も見えなくて……。
 私、浮いてる。
 いや、あの、自分の能力で浮いてるわけじゃなくて不思議な力で浮いてる。
 なにかに縛り付けられてるみたいな感じだけど、手足はちゃんと動く。
 すると前の方から風が吹いてきて、パッと明るい光が差した。
 かと思うと、さっきの死神さんが現れた。
 
 「やぁ。居心地はどうかな、アヤ?」
 
 「普通。それより、私のおばあちゃんのこと、知ってるの…?」
 
 「あぁ。僕はリム様の使いだって君が死ぬ前にも一度言っただろう?」
 
 「じゃあ、おばあちゃんに会わせて!」
 
 「それはどうかな?今ではリム様より、僕の方が立場が上になっちゃってるんだよねぇ。」
 
 「え・・・?」
 
 「だからさぁ、現在この国では僕が王様なんだよねぇ。」
 
 「この国?」
 
 「そう。死の国へようこそ。仕方ない。新しい住民に一度だけ元女王に会わせてあげよう。」 
 そう言って死神は私を操った。
 おかしいよ、操るのは私なのに。
 死神に連れられたところは大きくて薄汚れた家だった。
 ところどころに蜘蛛の巣が張っていて、気味が悪い。
 
 「さぁ、入りなよ。君のおばあちゃんに会えるよ。」
 私は言われたままに家に入った。
 
 「おばあちゃん?私だよ、アヤ。あなたの孫のアヤだよ。」
 私はどういったら分からなくってそう言った。
 おばあちゃんには会ったことがないから。
 私が生まれる前に死んじゃったの。
 
 お母さんから聞いた話だと、人間に殺されちゃったんだって。
 何もしていないのに。
 ただ、能力を持っていただけで人間に殺されちゃったんだって。
 だから、私は人間が怖くって仕方がなかったんだ。
 そこに現れたのがリクだったの。

 

37:夜空:2016/07/27(水) 20:22

 アヤside 昔の思い出
 
 私はある日、誘拐されたの。
 ただ渡されたのは小さな部屋と本とノートと筆記用具。
 好きなように使ってくれて構わないって言われた。
 私はおびえながらも、そっとその部屋に入った。
 誘拐犯は女の人だった。
 
 「私が、あなたの本当のお母さんよ。」
 なんて嘘言われた。
 抵抗したら何されるかわからないから、ただずっとお母さんって呼んでた。
 そのたびにその人は満足して笑顔で私を見てた。
 
 本は一週間に一回、新しいのを渡されて、いつしか私の部屋は本でいっぱいになっていた。
 いつも窓際に座って紅茶を飲みながら読書をしている。
 たまに日記もつけてるんだ。
 
 『いつか、この薄暗くて狭くて怖いこの部屋から私を広い広い世界へ連れ出してくれる救世主が現れますように。
  優しくて強い子がいいな。ずっと守ってくれそうな子。』
 
 そんなことをいつも願っていたんだ。

38:夜空:2016/07/27(水) 20:34

 アヤside 昔の思い出
 
 そんなある日の事。
 
 「あれ?おかしいな。ここだと思ったのに。」
 女の人が出かけた後、男の子の声がした。
 
 「おーい!誰かいますか!?」
 私は思わず窓から顔を出す。
 男の子と目が合っちゃって、怖くて顔を隠しちゃった。
 
 「大丈夫だよ!何もしないから。僕は、君を助けたくて来たんだ!」
 
 「え…?」
 
 「だから、おびえなくて大丈夫。」
 
 「でも、どうしてここが分かったの?」
 
 「誰にも言わない?」
 
 「言わない!約束するから。」
 
 「それが僕の能力なんだ。生まれつき、どこでどんな事件が起こっているかが見える。」
 
 「そうなの?」
 
 「うん。秘密だからね、二人だけの。」
 
 「うん。」
 何だか私は嬉しかった。
 私たち二人だけの秘密って初めてだから。
 
 「君の名前は?僕はリク。 陸人優!」
 
 「高坂綾だよ!」
 
 「アヤ!今すぐに君の所へ行くよ。」
 リクはそういうと、ゴツゴツした、壁をのぼり始めた。
 
 「え?危ないよ!」
 
 「そんなの構うもんか!君を助けられたらそれでいい!」
 リクはホントに優しくて強い子だった。
 私が思い描いていた子、そのままだった。

39:夜空:2016/07/27(水) 20:44

 アヤside 昔の思い出
 
 でも、うれしかったのも束の間。
 リクは手を滑らせて、地面に落下し始めた。
 私は悲鳴を上げたのと同時に、リクが宙に浮いた。
 
 「えっ?」
 
 「これ、アヤがやったの?」
 
 「いいえ、違う。」
 私はリクにこの部屋に入ってほしいと思った。
 すると、その通りにリクは部屋に窓から入った。
 
 「なにこれ?」
 
 「やっぱり、アヤの能力だよ!アヤが僕を助けようと強く思ったから、能力が生まれたんだよ。生まれつき能力を持ってない子はこういう時にできる可能性があるらしいんだ。」
 
 「そうなの?」
 
 「あぁ。試しに僕を使ってみて。」
 私はリクが宙に浮くとこをもう一度思った。
 すると、リクは思いっきり、天井に頭をぶつけた。
 
 「!ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!」
 私は必死に謝った。
 
 「ハハハ。大丈夫だよ。これくらい。さぁ、ここから逃げよう。」
 
 「でも!」
 
 「大丈夫。僕がついてるから。それに君の能力で逃げることだってできるだろう?」
 !
 本当だ。

40:夜空:2016/07/28(木) 13:09

 アヤside 昔の思い出 (ラスト)
 
 リクは私の手を握っていった。
 
 「行こう、アヤ!はやく、本当のお母さんの元に帰ろう!」
 
 「うん。」
 私は能力を使った。
 すると、今度はスッと浮いて、そのまま窓から出て行った。
 
 「怖い……。」
 
 「高所恐怖症?」
 
 「うん……。いつも部屋の中にいたから、外に出たことなくって。外に出ただけで怖い。」
 その時私は、家の屋根に子猫がいるのを見つけた。

 「あ、猫!」
 私は猫の傍により、猫をなでた。
 私、犬は怖いけど、猫は好きなの。
 昔、お母さんと住んでいた森の奥の家には猫がたくさん出てきてたから。
 その時私は気づいた。
 ここ、空だ。
 誰かに見られたらどうしよう。
 
 「早く行こう!」
 私はリクの手を引っ張っていった。
 
 「あんなところに監禁されてたら、情緒不安定にもなるよね……。」
 リクがそうつぶやいた。
 
 「情緒…不安定?」
 
 「なんでもない。」
 リクはそう言って笑った。
 私はリクが好きになった。

41:夜空:2016/07/29(金) 08:23

 アヤside

 おばあちゃんを探し続けていると一人の若い女の人が姿を出した。
 黒いドレスには白いバラの詩集、黒くて長い髪は、ボサっとおろしてある。
 
 「アヤ?アヤなの?」
 
 「そうだよ。おばあちゃん。」
 
 「でも、どうしてここに?」
 
 「死神さんが、おばあちゃんが呼んでるって言って私を殺したの。」
 
 「なに!?」
 
 「呼んでるんじゃなかったの?」
 
 「アヤは天然が入ってるね。私が孫を殺してでもここに呼ぼうとするわけがないだろう?」
 
 「あっ。」
 
 「おい!衛兵!来なさい!」
 おばあちゃんが叫ぶと、ぞろぞろと衛兵さん達が現れた。
 
 「この子を連れてきた、死神を探してここに連れてきてくれ。」
 
 「はい!」
 衛兵さん達が大きな返事をして家から出て行った。
 
 「えっ?」
 
 「アヤ。お前は人間界に戻りなさい。」
 
 「えっ?」
 
 「いつかはまたここに戻ることになる。でも今はその時じゃないからね。」
 そう言って、おばあちゃんは私の目を塞いだ。
 何をしたのかわからないけどフッと体が浮かび上がる様な感じがした。

42:夜空:2016/07/29(金) 20:57

 アヤちゃんがスッと姿を現した。
 
 「アヤちゃん!」
 
 「アヤ!」
 
 「アヤ。戻ったんだな。」
 みんなが口々に言う。
 
 「リク・・・!みんな!心配かけて、ごめんね……?」
 
 「よかった。アヤが無事で。」
 
 リクさんがアヤちゃんを抱きしめる。
 リク&アヤはカップルと思っていいくらいだから。
 
 私も嬉しいよ、アヤちゃん。
 するとリーダーさんが口を開いた。
 
 「一番の問題を忘れていないか?」
 
 「あっ・・・。」
 そうだ。
 私達一回あの人達と戦って瞬殺だったんだ。
 
 「今度こそは、負けないぞと言いたいところだが。」
 
 「だが?」
 ハルカが言った。
 
 「今の俺達のままじゃアイツらに勝つことは不可能だ!」
 リーダーさんがそう言い切った。

43:夜空:2016/08/02(火) 19:56

 「じゃあ、どうしたらいいの?」
 ミユキが言った。
 うんうん。
 
 「さぁな。俊敏力を鍛えるくらいしかないだろう。」
 リーダーさんが悔しそうに腕組みをして言った。
 
 「じゃあ、いいものがあるよ。」
 ワンさんがおもちゃの銃を取り出した。
 
 「ここに、BB弾を入れて……。リク、行くよ!」
 ワンさんがリクさんに向けて撃った。
 
 「おい!ただのお遊びじゃないか!」
 
 「これ、当たるとまぁまぁ痛いから、鍛えられると思うよ。」
 
 「俺が言ったのはそういう事じゃないんだよ、バカ!」
 
 「じゃあ、各自何かするしかないんじゃない?」
 ミユキがあきれながら言った。
 
 「そうだよね。」
 みんなが納得した。
 私はワンさんとリクさんと一緒に何か考える。
 獲物を離さない…。
 どうすれば、勝てるんだろうか。
 
 「獲物を離さない能力の弱点を調べる必要があるんじゃないかな。」
 私はぼそっと言った。
 
 「それだよ!ミオに、本を借りて調べよう。」
 
 「えっ?あ、はい。」
 私達はミオさんの所に行って、本を借りた。
 
 「あったよ!獲物を離さない能力の弱点は……。」

44:夜空◆M.:2016/08/03(水) 14:47

 「獲物を離さない能力の弱点は?」
 私が聞くとリクさんは言った。
 
 「水。」
 
 「はっ?」
 ワンさんと私は驚いた。
 
 「そんな単純なもので倒せるの?」
 
 「水鉄砲で倒せるんだ?」
 
 「みたいだね。」
 えー、なんか悩んで損した。
 水で倒せる能力って……。
 ま、いいか。
 私達は水鉄砲を持ってきた。
 
 「リク!」
 ワンさんがリクさんを呼んでリクさんがワンさんを見た。
 そこにワンさんが水鉄砲で攻撃。
 
 「やったな!サツキもおいでよ。」
 
 「え?」
 私はリクさんに腕を引っ張られて、三人で水鉄砲で遊んでた。

45:夜空◆M.:2016/08/04(木) 17:12

 ハイドSide
 
 ワンとリクとサツキがあんなに楽しそうにしているのは久しぶりに見た。
 
 「注意しないの?いつもなら、真剣にやれって言うじゃない?」
 マセたミユキが上目遣いで俺を見る。
 
 「別にいいんだ。今日は特別だ。アヤのお前も帰ってきたしな。ひさしぶりに、楽しもうじゃないか。」
 
 「ふーん。いいとこあるじゃない。」
 
 「なっ、なわけないだろう!」
 
 「フフ。」
 アヤをちらっと見ると目が合った。
 アヤは優しく微笑んで、目線を下に向けた。
 刺繍をやっているみたいだ。
 アヤはお手本用に女の子らしい。
 優しく微笑んだり、雷に怖がったり、可愛子ぶってないし。
 俺はこのままでいいんだがな。
 できれば、永遠にこの年でみんなと生きたいな。
 なんて最近は願ってしまっているんだ。
 叶いもしない夢を追いかけてしまってるんだ。
 昔は四人で一緒に遊んだなー。
 
 「ほら、見てよハイド。」
 ワンが私に何かを見せようとする。
 手で覆って隠している。
 
 「なんだ?」
 
 「じゃじゃーん。」
 カエルだった。
 
 「うわぁー!やめろ、ワン!バカ。」
 
 「なに怖がってるの?ハイド?大丈夫、ただのカエルさんよ。」
 アヤがワンからカエルを受け取る。
 
 「ハイドも怖がりだなー。」

 小さい時は初めてのものにおびえまくっていた。
 今は慣れているんだが、一歩踏み出す勇気が昔の俺にはなかったんだ。
 その勇気をくれたのがワンとリクとアヤだ。
 
 ありがとうなんて恥ずかしくって言えないけど、
 今日という日を頑張って生きよう。
 テレカクシってこういうものなのか?

46:夜空◆M.:2016/08/06(土) 10:31

 それから数日後
 
 「また、現れたみたいだ。」
 
 「あいつらが?」
 リーダーさんが言って、ハルカが聞き返した。
 
 「あぁ。よし、アヤ高速飛行で頼む。」
 
 「わかった。」
 アヤちゃんが集中して私達を宙に浮かせる。
 
 「行こう!」
 リーダーさんを先頭に私達は飛んでいく。
 
 「サツキ!こっちだよ。ワン、行くぞ!」
 リクさんに呼ばれて急ぐ。
 
 「水鉄砲で倒せるやつに負けたなんてねー。」
 
 「弱点さえわかってれば死ななかったのに。」
 
 「まぁ、生き返ってるんだし。」
 
 私達は水を飛ばし始めた。
 水がホントにダメらしく大きくて立派な銃をガサっと落とした。
 
 「よし、取りに行ってくる。」
 
 「気を付けて!」
 ワンさんが銃を取りに行った。
 銃を手にとって面白そうに眺めて、弾丸を取り出して、リーダーさんに渡す。
 警察を呼んで始末終了。
 
 「任務終了だね。あっちの二組も終わってるし。」
 
 「やったね。」
 私達は抱き合って喜んだ。

47:らら◆Oc:2016/08/06(土) 16:56

夜空、お久しぶりです!!!!!

やっぱり、夜空の小説は面白いね〜…!!!見ててドキドキするよ!!!いいところで切ってるから、続きがすごく気になる………!!!!!
これからも更新、頑張れーーーっ!!}!!( ´ ▽ ` )ノ

48:美門翼:2016/08/06(土) 21:07

 ひさしぶり!
 ありがとー。
 頑張るね!

49:夜空◆M.:2016/08/06(土) 21:07

 ↑の私だからね!

50:夜空◆M.:2016/08/06(土) 21:20

 アジトに帰る。
 
 「俺達とサツキやハルカ、ミユキが会ってから3年経ったんだねー。」
 リクさんが突然言った。
 そう言えばそうだ。
 
 「3年前の夏よりも、サツキ穏やかで優しくなった気がする。」
 
 「同感。それに、可愛くなったんじゃない?」
 ハルカやミユキが言ってアヤちゃんがクスッと笑った。
 
 「んなわけないでしょ!?ないないないない!」
 私は否定した。
 
 「顔真っ赤じゃん。」
 ワンさんに言われてちょっと恥ずかしくなった。
 ハルカがくすくす笑って言った。
 
 「ほら。3年前だったらうるさいって言って睨むでしょ?」
 
 「変わったんだったら、ハイドもじゃないかな?」
 アヤちゃんがリーダーさんを指差す。
 
 「は?」
 
 「確かに変わった。昔はカエルに怖がってたのにさ。」
 
 「うんうん。犬にも怖がってたよね。」
 
 「猫は大丈夫だったけどね。」
 
 「うるさーい!黙れ!」
 
 「あ、ここは変わってないや。」
 
 「ワン黙れ!それ以上言うと殴るぞ。」
 
 「ほら、そういうとこ。」
 リーダーさんが迷うことなくワンさんを投げ飛ばす。
 
 「イッテ…。やっぱり変わってない。」
 
 「なんでそんなに主張するんだよ?」
 モカさんが腕組みをしながら笑った。
 
 「僕さ、ハイドの事好きだよ。」
 リーダーさんがワンさんの胸ぐらをつかんで顔を近づけていった。
 
 「もう一回言ってみろ。殴り倒してやる。」
 
 「あぁー、ごめんごめん!悪かったって!ごめんなさーい!」
 ここはここで微笑ましいな。
 湾修也と廃土由姫
 陸人優と高坂綾
 この二組が良い感じだよね。
 いろんな意味でね。

51:夜空◆M.:2016/08/14(日) 19:11

 私達は今年で十八歳。
 一応みんな、大学には行きたいと思っているみたい。
 私は留学したいと思ってる
 アメリカの学校に行きたいんだ。
 リクさんとモカさんも私と同じ大学を受験する。
 
 「大学に行ったら、きっとしばらく会えないんだろうな。」
 リーダーさんがボツリと言った。
 そっか、もう離れ離れになってしまうんだ。
 そんなの考えたこともなかったな。
 
 「残り僅かの時間で何をしようか…。」
 リクさんがそう言ってみんなが考えた。
 
 「でも、このチームで代表的なのは遊園地だよねー♪」
 ワンさんがリラックスしたように言った。
 
 「そうだよね…!私もそう思う…!」
 
 「珍しい、ワンとアヤの意見が一致してる…。」
 ミユキが面白そうに足を組んで言った。
 
 「遊園地って…、お前らどう考えても遊びたいだけだよな!?」
 
 「だって遊園地って遊ぶとこじゃん!」
 
 「そうだけどさ…。」
 ワンさんとリーダーさんが言い合ってる。
 私たちはそんな二人を微笑ましいなっと思いながら眺める。
 
 「お前ら!そ、そんな目で見るな!バカ!」
 
 「えぇー?いいじゃん、ハイドーォ。」
 
 「ワン、オネエになった?」
 
 「なってないよ、ハルカ君。」
 ワンさんがハルカの顔に自分の顔を近づけてニヤッと笑った。
 
 「やっぱり、変わってないなー。」
 アヤちゃんがそう言った。
 全然変わってないところもあるけど大きく成長したとこもちゃんとあるよね…

52:夜空◆M.:2016/08/19(金) 11:16

 なんか、寂しくなってきたなー。
 こんな感情初めてかもしれない。
 
 「サツキ、ここに来てから感情が豊かになったよね。優しいとこも見れたしね。怒りはずっと前からだったけど。」
 
 「ハルカ!うるさいよ。」
 
 「あ、ごめん。」
 私は笑った。
 
 「ほら!それだよ!」
 
 「はっ?」
 
 「サツキの笑う顔なんてここに来てなかったら見れてないよ。」
 
 「はいはい、そーだね。」
 
 「どこで変わったの?」
 ミユキが私の前に来て言う。
 
 「わかんないってば!」
 
 「あのね、ミユキ。サツキは昔ね話し方スッゴくぶっきらぼうだったんだよ。」
  
 「まぁ、想像したらあり得ないことはないね。」
 ミユキがうんうんとうなずく。
 なんでそうなるの…?
 まぁいいや。
 ちょっと、楽しい気分になれたかもしれないから…。


書き込む スレ一覧 サイトマップ ▲上へ