題名未定

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1:わぁお 何もかも青二才:2016/07/07(木) 20:08

小説を書くことにしました。
未熟ですがよろしくお願いします。

2:わぁお 何もかも青二才:2016/07/07(木) 20:31

暖かな陽光の射し込む畳の床の狭い部屋に暮らす男は突然の鼻への刺激から目を覚ました。
時刻はもう昼であった。

3:わぁお 何もかも青二才:2016/07/07(木) 20:32

目覚めたばかりで視界が曖昧としているが、鼻にはこれまで嗅いだことの無いような臭いが呼吸とともに入ってきて、ツンと痛い。
自分でも認めてしまうほどに鼻が鈍かったから、臭いを気にした事は殆ど無かったためにこの臭いが何なのか見当もつかなかった。
それにしてもどうしてこんなにも臭いを感じるのだろうか、もしかして鼻が敏感にでもなったのだろうか。
試しにもう何年も使っている古い布団を嗅いでみると、嗅いだことの無いような悪臭が鼻を突く。
もう一つ試しに本棚の古本を嗅ぐと、これまたインクの独特な臭いが鼻に入ってくる。
きっと、鼻が無駄に利くようになってしまったのだろう。
今まで臭いにも匂いにも興味を抱かなかったから嗅覚の神様がお怒りになられたのだ。
これは恐らく罰なのだ。

鼻が利くようになったのならこんなボロ家には居ていられない。
気晴らしに街にでも出よう。

4:わぁお:2016/07/10(日) 04:33

西洋の造りの建物が立ち並ぶ街には洋の服を着た者と和の服を着た者が入り交じって混雑していた。
「うっ、くっせえ」
街に来て一番にその言葉を吐いた。
煙草やら汗やら香水やらが混ざり混ざり、一つの臭いになり、鼻をつく。
こんな街に来るべきではなかった。
のどかな公園に入るも、花の香りが鼻に入るとそれはまるで香水を瓶ごと鼻に入れられているような強い臭いになり、これまた不快。
酒を飲むのも酒の独特の香りに吐きそうになって、薬を飲もうものなら強い薬品臭に眩暈がする。

鼻を摘んで不快を顔に表しながら歩く自分は滑稽なのだろうか、先程から会う人会う人に顔を怪訝そうな顔で見られる。

5:わぁお:2016/07/25(月) 02:27

「おう、次郎じゃあないか!」
と、前の方から懐かしい声がした。
下の名前で呼ばれたのは久しぶりだったので驚いて、少し戸惑いつつ前の方に視線をやるとこれまた懐かしい昔と変わらぬ坊主頭の旧友の姿があった。
「なんだ、その変な顔は。」
自分が鼻を摘み眉間に皺を寄せているのを見て、今にも笑いそうな顔で旧友は言う。
「何も好きでしてるわけじゃねえよ。」
鼻を摘んでいるせいでいつものような声が出ず、変に響いた妙な声が出てしまう。
そのせいで先程まで笑いを堪えていた旧友は我慢出来ずに声を出して大きく笑い始めてしまった。
旧友の笑いは自分を侮辱しているような気がして、旧友の方をじっと、睨む様に見つめたが笑うことに夢中なのか気づかない。
それでさらに怒りが増したが、流石の自分もそこで大声をあげて怒鳴るような子供では無い。


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