さよならスーヴェニア

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1:とあfeat:2016/09/24(土) 00:01

とあさんの曲、「さよならスーヴェニア」を
自己解釈したものです。
亀更新なのでご注意下さい。

2:とあfeat:2016/09/24(土) 00:04

ゴソゴソ···
未来「よしっ!出来た!」
私は初音未来(はつね みく)
今、明日の準備が終わったところです。
明日は、

3:とあfeat:2016/09/24(土) 00:05

すいません途中送信してしまいました。
そして、レンミク注意です。

4:とあfeat:2016/09/24(土) 00:12

明日は、私の彼氏、レン君の誕生日です。
すっごい気合いの入った飾り付けにしてしまいました!
こうして祝えるのも、これで最後になるかもしれないから・・・。

転勤が決まったのは、3ヶ月ほど前。
とても急で、お父さんも申し訳なさそうだった。
私は明後日、北海道に行く。
だからきっと、レン君の誕生日を一緒にすごすのは、これで最後・・・。
私が引っ越すことは、誰にも言っていない。
友達のリンにも、レン君にも。
誰にも、言ってない。
悲しませたくないから。

5:とあfeat:2016/09/24(土) 00:19

ブブブッ!
メールの着信音。レン君からだ。
「明日は俺の誕生日祝ってくれるんだよな?
 楽しみにしてるぜ!」
私は小さく笑みをこぼす。
はしゃいじゃって、子供みたい。
そんなところも、好き。
きらきらのパッケージに包まれたプレゼント。
心を込めて書き上げた、おめでとうのメッセージ。
君と出会えた日を思い出しながら、書き上げた一通の手紙。

6:とあfeat:2016/09/24(土) 00:21

準備は万全。
明日がレン君にとって、最高の誕生日になりますように・・・。

7:とあfeat:2016/09/24(土) 00:21

とりあえずここまで。
昼にはレスがついていることを願う。

8:とあfeat:2016/09/30(金) 19:52

〜翌日〜
ピンポーン···
「おお、いらっしゃい、未来」
「こんにちはレン君、お邪魔します」
今日はレン君の家で誕生日パーティー。
最高の誕生日にしてみせる!

9:とあfeat:2016/09/30(金) 19:57

「レン君、これケーキ」
「マジで!?ありがとう!」
「レン君、甘いもの大好きだもんね。
 レン君の好きなショートケーキ選んだよ」
「未来マジありがとう」
レン君が真顔でお礼を言うから、私、笑っちゃった。
でもその瞬間、頭の中をよぎったの。
引っ越しのことが。

10:とあfeat:2016/09/30(金) 20:00

突然うつむいた私を心配したのか、
レン君が声をかけてくれた。
でも私は、笑顔で何でもないと返事をする。
せめて、レン君との最後の思い出の中での私は、
笑っている私でいてほしいから。

泣くのは少しあとで。

11:とあfeat:2016/10/09(日) 18:24

今更ですが、めっちゃ短編です。

12:とあfeat:2016/10/09(日) 18:26

本当に幸せな時間だった。
レン君にプレゼントを渡して。
一緒にケーキを食べて。
一緒にゲームをして。
マ●オカート、負けちゃったな。
でも、すごくすごく、楽しかった。

13:とあfeat:2016/10/09(日) 18:30

そして、楽しい時間は過ぎてー···
あっけなく、終わる。

「お邪魔しました。レン君、今日はありがとう」
「いや、俺こそありがとう。ケーキとか、プレゼントとか」
あともう少し、もう少し我慢したら、泣いていいから。
だから、まだ、出てこないで···。
「レン君」
「なんだ?」
「これ···」
そう言って私が差し出したのは、
一通の、手紙。

14:とあfeat:2016/10/09(日) 18:34

何度も何度も、書き直した手紙。
私の思いがたくさん詰まった、大切な手紙。
「明日の朝、読んで」
「今じゃダメなのか?」
「絶対、ダメ」
「···ん、わかった。明日の朝に必ず読む」
「ありがとう」
私は、微笑む。
泣きそうなのを必死でこらえて、笑う。
ああ、渡せた。
よかった。

15:とあfeat:2016/10/09(日) 18:40

「じゃあ、レン君、"さよなら„」
「またな」
さよなら、レン君。
私は、”またね„なんて言えない。
もう、きっと、会えない。
私はレン君に背を向けて、少し日が暮れた道を歩く。
足が重い。
腕が震える。
やだ、やだ、引っ越したくない。
喉から嗚咽が漏れる。
レン君に、聞こえちゃう。
止めなくちゃ、止めなくちゃ、止めなくちゃ。

16:とあfeat:2016/10/09(日) 18:44

止めなくー···、
ふいに後ろから、レン君に抱きしめられた。
「ーえ···」
「お前、どうしたんだよ」
びくっと、肩が強ばる。
「お前に一番好きな言葉、"またね„だったじゃねえか···」
···覚えて、た。
ずっと前、まだ付き合ってもいなかったころ。
二人が交わした、言葉。

17:とあfeat:2016/10/09(日) 18:45

少しミスしました。

二人で交わした、言葉。

です。

18:とあfeat:2016/10/09(日) 18:50

「お前の好きな言葉って、何」
「えっ?わ、私?
 えーと···"またね„かな?」
「またね?何で?」
「またね、って言ったら、また会えるでしょ?
 だから、幸せな言葉だな、って、思ったんだけど···。
 へ、変···かな?」
我ながら少し恥ずかしいセリフだと思った。
「いや、すげえ良いと思う」
「えっ?···」
「またね、か。うん、良い言葉だ。
 ···あ、んじゃ俺、明日から初音には"またな„って言うわ」

19:とあfeat:2016/10/09(日) 18:52

「え?えええ?」
「嫌か?」
「ううん。すっごく嬉しい!」
あの瞬間、私は恋に落ちたの。


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