お隣さんとわたし。

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1: ◆/2 hoge:2016/11/09(水) 18:19



隣に住むあの人に、不思議と惹かれて。>>2

 

2:◆/2 hoge:2016/11/09(水) 18:21


恋愛じゃないです(核心)
もう一度言います、恋愛はしません

のろのろ亀更新です、どうぞよしなに

3:◆/2:2016/11/11(金) 17:44



「ねぇ、お母さん。あのおにーさん、なにしてるの?」
「箒を持っているし、庭の掃除でしょう? 変なことを気にするのね」

 母娘の視線の先には、一軒の平屋、その庭があった。そこで一人の若い男が箒を持って立っている。一見すれば、ただの掃除をしている人であるが――娘はそこからなにを思ったのだろうか、しきりに首を捻っている。

「でも変だよぉ、すっごい怖い顔してるもん」
「そんなこと言ったらその人に失礼でしょ。……さ、いつまでも突っ立ってないで行くわよ」

 母親はその男に一瞥をくれ、娘の腕を引っ張ってその場から離れた。その表情に焦りや恐怖が見えるのは、娘にも分かったらしい。首を捻ったままで、彼女は母親の顔と男の顔を交互に見続けていた。

 

4:◆/2:2016/11/13(日) 19:12



 森崎美奈子は、貸家に住む一人の女性だ。年齢は二十七、恋人の一人や二人、いてもおかしくない時期である。しかし彼女は、恋愛はおろか友人も限られた人数しかいない。

 そんな彼女の趣味は、あまり大声では言えないことだが、隣人の会話を聞くことだ。セキリュティになんてこだわっていない薄い壁を隔てただけの家同士なら、生活の音など筒抜けなのだ――そんな状況を利用し、彼女は毎日と言っていいほど、隣の家と接する壁に耳を当てている。

5:◆ik:2017/01/15(日) 10:46



 テレビの音や、水道の音。隣人は一人暮らしをしているのであろう。そのため、生活の音しかそこからは聞こえてこない。しかし、他人の生活を想像するということが、美奈子にはとても楽しく感じられたのだ。それに、彼女にはもうひとつ、気になることがあった。

 美奈子は、平凡な毎日にひどく退屈していた。趣味などはなく、することと言えば仕事くらいのもの。どこかのミステリ小説なら、人殺しに走っていただろうが、それほどのリスクを犯す必要も無い。

 そんな時に聞こえたのが隣の部屋からの声だった。その声は、ひどく焦っていた。「殺さないでくれ」そんなふうにも、聞こえたような。美奈子はそれにとても惹かれた。人殺しはしたくはないが、その様子を聞けるのなら別だ。その日から、美奈子は壁に耳を当てるようになった。


トリップを……忘れた!
トリップ変わってますが本人です。

 


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