恋なんてしたことない。
なのに、たった一つの消しゴムで、
恋に目覚めた。
そんな私の物語。
どうも、日下平匡です。
読んでくれたら嬉しいです。
感想などもお待ちしております。
登場人物
*佐藤 凛 Rin Satou
スポーツ万能な中2。恋なんてものは
したことがなく、初恋もまだ。
*相沢 優里 Yuri Aizawa
スポーツ万能な中2。小6に頃に彼女が初めて出来たが、3ヶ月で別れた。
とにかく、女子全員に優しいので、人気は高い。
*田中 愛埜 Aino Tanaka
凛の親友。スポーツ万能。
結城というイケメン彼氏が居る。
*中白 結城
愛埜の彼氏。また、優里の唯一の友達でもある。
*荒らし、なりすましなどはご遠慮願います。
*アドバイス、感想はお待ちしております。
>>2にて訂正。
中白 結城 Yuki Nakashiro
です。読み方を書いていなくて申し訳ありませんでした。
「ピッ!!」
笛の音が体育館に響き渡る。
「佐藤!ボーっとしてないでちゃんと動く!」
笛の同じくらいの音がまた響く。
これは顧問の川島先生だ。厳しすぎ。
「佐藤!さ・と・う!」
「ふぇ……?ひゃ、はいっ!」
意味不明な言葉を発しながらとりあえず返事はした。
まぁ、実を言うと私のことを言ってるだなんて気が付かなかった。
だって今日は、それどころじゃないんだもん。
だって私、人生で初めて、
『恋』というものをしてしまったのだから_____。
私の初めての初恋は今、4:00より6時間も遡る。
それは、授業中だった。
今は午前十時。二時間目くらいかな?
実を言うと私は今何時間目かさえも分かっていない。
こんな私が一瞬で恋に落ちてしまうなんて。
二時間目の授業は数学。
難しい方程式を習う。
たが、私の頭の中はバスケでいっぱい。
授業を聞けるはずも無かった。
まぁ、書くものは書いてちゃんと受けてます感は出しといたけど。
そんな時だった。
私は机の端に置いてあった消しゴムを、肘で落としてしまった。
「コロコロ……」
だいぶ遠くまで行っちゃった。
あちゃ〜どうしよう。取りに行ったら怒られるかな……
でも私は意を決して取りに行くことにした。
そぉーっと。忍者のように歩く。
私は運動神経の良さがここで役立っているのか分からないけど、
消しゴムまであと少し。
もう手を伸ばせば届きそう。
「カタッ………」
やってしまった。私は転がってた鉛筆をさらに転がしてしまった。
間からそろりと先生を見るが、気づいている様子は見られない。
先生には気付かれなかったが、ある男子が気付いた。
その名は相沢優里。女子には比較的優しいと評判は良い。
相沢は、私が消しゴムを取ろうとしていることが分かったみたいで消しゴムを取ろうとした。
でも、私もあと少しで届きそうだ。
「えいっ!」
心の中で叫ぶ。誰にも気付かれないように。
………あっ!消しゴムだ!
私が消しゴムに触ったと同時に、
私は温かい手の温もりを感じた。
「えっ……?」
顔をあげると、相沢だった。
相沢は手のしたにあるのが消しゴムじゃないと分かったのか、すぐ手を退けた。
「ご、ごめん。」
私は自分でも顔が赤くなっているのが分かった。
だって男子の手に触れるなんて、初めてだから。
これが私の、
『恋』の始まりだった。