君 へ 伝 え る こ と 。

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1:カナ◆ClA:2017/03/08(水) 20:48

ここでかくのは初めてですがどうぞ宜しくお願いします。

2:カナ◆ClA:2017/03/08(水) 20:53

「…ねぇ、大丈夫?」


目を開くと飛び込んできた、白い天井。


そして、その人。


黒く澄んだ瞳に、茶色がかった短い髪。



その出逢いは偶然だったのか、必然だったのか___。

3:カナ◆ClA:2017/03/08(水) 21:05

「奏、大丈夫?」

私、神崎 奏は、只今保健室のベッドに横たわっている最中。


そして私の顔を覗きこんでくるのは、加賀美 花依。

私の親友と言っていいほどの友達である。


『…ぁ、うん、大丈夫』

花依「本当に?」


眉を八の字にし、目にうっすらと涙を浮かべた顔で心配してくる花依。

本当だよ、ということを示すように、ゆっくりと頷いてみせる。


花依「…そっか」


やっと安心したのか、ふにゃりと笑う花依。


__本当に、良い友達をもった。


こんな状況のとき、私はいつもこう思うのだ。

だって、本気で自分のことを心配してくれる友達なんて、中々もてるものではないから。





___少なくとも、私には。

4:カナ◆ClA:2017/03/08(水) 21:15

何故私が今、保健室で寝ているのか。

それは、私の持病が原因である。



___ナルコレプシー___。



突然睡魔が襲ってきて、意識が遠のいていくのだ。

その睡魔には抵抗出来ない。


病気持ちだからって、苛められたこともあった。

それが原因で、友達だって上手く作れなくなっている。



……怖いのだ。



いつか、裏切られることが。

5:カナ◆ClA:2017/03/09(木) 19:03

もしかしたら、花依にだって裏切られる時が来るかも知れない。


『……は…』

自嘲気味に笑った。


本当の友達であろう人さえ信じきれない自分が、段々惨めに思えてきたのだ。


しょうがないじゃない、全ては家族のせいだ。



『…ねぇ、花依。今何時?』

ふと時間が気になって、ベッドの横にある椅子に腰を掛ける彼女に問いかける。

病気とはいえ睡眠時間。

ある程度の時間は経っている筈だ。


花依「今?今はねぇ……」

数秒間の間があってから、花依が答えた。


花依「多分、五時限目の終わりくらいかな。ほら奏、二時限目に倒れたじゃん。それからずっと寝てたよ」


詳しい時間を言わないのは、時計がないからだろう。


今日は早帰りの為、確か六時限で終わりだった筈だ。


女子高校生というものは、暇な時間があれば友達と遊びに行くものだと言う。

私にはそんなことさえ、出来ない。


いや、出来ないんじゃない。

しないのだ。



そもそも自分から遊びに行こうと思ったことはないし、友達もほとんどいないため遊ぶことはない。


それに数少ない友達である花依も、私の体を気遣って誘ってこない。


ただ、それだと当然花依に悪いと思ってしまうのが私な訳で___。


『花依、今日遊ぶ?』

出来る限りの自然な笑顔を浮かべて訊く。


花依「ううん、無理しないで奏。私は大丈夫だから」


花依が真剣な表情で言った。

花依は、鋭い。

私の嘘をいつも見抜いてしまうのだ。


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