イケの中

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1:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/12(日) 16:19

川面に、私の姿が映る。

石を投げ込むと、チャポンと、沈む。

私も、消えてしまいたい。

儚く、泡になった、人魚姫のように。

そして私は_________

2:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/12(日) 16:33

金坂葵、14歳。

人生に、絶望している。

学校に行けば、結菜にいじめられる。

家に帰れば、お母さんに打たれる。

行き場のない、怒りだけが、日々溜まっていく。

妹の茜は、私に優しいけど、目には軽蔑の光がある。

お父さんはいない。

茜が生まれたときに、死んだ。

事故死だった…。

お父さんが、生きていれば、こうならなかった。

何度思っただろう。

お母さんは、お父さんが死んでから、疲れて、私に手を出し始めた。

「あんたなんか、生まれなければよかったのに。」

何度も、何度も、言われた。

日々、疎まれていく。

なら____

いっそ、この世から、消えてやる。

そう、決意した。

3:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/12(日) 21:27

決意して、今日決行!

近くの、殿川。

流れは、ゆるやか。

底は、深い。

「よし!」

声を上げて、殿川に飛び込んだ。

冷たい水が、私の身体を包む。

泡が、ボコボコとたつ。

寒い。

死ぬ、よね。

あれ、息ができる。

目も開けれる。

「……気づいたか。」

澄んだ笛の音のような、不快な金切り声のような声がする。

目の前には、短いアイスブルーの髪と、深緑色の瞳の、カッコイい男の人がいた。

「あの、此処は??」

「此処は、殿川の深き底の、その先の底の国だ。」

えっ……。

そんなところなの!?

「あなたは?」

「我は、殿川の水神。」

水神……!?

「そなたは?」

「金坂葵、14歳です。」

ほぉと、水神は、顎をなでる。

「そなたは、我の花嫁としよう。」

花嫁…!??

「リュー、クラウ。」

水神が、誰かの名を呼ぶ。

銀髪の、短い髪の深い蒼の瞳の男の子と、黒髪の、(こちらは、少し長い。頬にかかるくらい。)黒色の瞳の男の子が出て来た。

「お呼びでしょうか?」

「うむ。葵、銀髪の方は、リュー。黒髪の方は、クラウ。我の眷属だ。」

2人とも、カッコイい。

4:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/12(日) 21:42

「「葵様、よろしくお願いします。」」

あ、葵様!?

今まで呼ばれたこと無い。

水神は、

「葵、急で悪いのだが、朱火のもとに向かってくれないか?」

……朱火??

「朱火と言うのは、海の果ての国を治める、水神だ。我の花嫁、と挨拶してくるだけで良い。」

水神かぁ…。

緊張するなぁ。

「連れに、リューがつく。心配するな。」

リュー(呼び捨てでいいかな?)が、うなずく。

大丈夫だよね…?

「それでは、行って参ります!」

私は、リューと共に、朱火様のもとに向かった。

5:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/13(月) 07:03

葵が、リューと旅たった後。

水神は、不思議そうに、水晶玉を見る。

そこに映っていたのは。

葵とそっくりの、少女が駆けずり回っている様子だった。

『お姉ちゃん、帰ってきてよ!お願い!!お姉ちゃんを、助けるから!』

場面は、切り替わり。

ショートカットの、少女が大声を出している。

『金坂、今まで悪かった!!!!お願いだから、戻ってきて!』

「葵は、こんなに好かれて、いるのにのぉ。」

水神は、不思議そうに、笑う。

クラウは、じっと、水晶玉を見ていた。

6:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/13(月) 20:42

私は、気になったことを口にする。

「朱火様って、強いの?」

リューが、ブルリと震えながら、

「そりゃあそうですよ。この間、挨拶に行って、失礼なことを言ったら、俺、飛び魚に変えられたんですよ。」

飛び魚!?

失礼なことって!?

いろいろツッコミたい。

と言うより、

「リューって、何歳なの?」

リューは、不思議そうに、言う。

「116歳ですよ。」

116歳!?

眷属になってから!?

すごいなぁ。

こんなゆったりとした、田舎にいたなんて。

「ちなみに、好きな子はいた?」

リューの顔が、赤くなる。

7:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/13(月) 20:55

「いましたよ、麗奈って言う子が。」

へぇ〜!

どんな子だったんだろ?

聞きたかったけど、止めた。

リューが、青くなっているから。

「葵様、此処は気をつけてください。」

どうして?

「化流と言う、水神になれなかった、者達が、花嫁様を狙っていますから。」

リューは、私の顔をジイッと、見つめる。

「大丈夫だよ!」

自信満々で言う。

リューは、心配げに、ゆっくりと歩を進める。

ゴォー

あたりの水の流れが変わった。

ゆったりだったのが、荒れ始める。

「化流が、近付いています。」

化流…か。

ぼんやりしていると。

ゴォー

竜巻のような、激しい音が近付く。

初めて私は、恐怖を感じた。

時すでに遅し。

泥のような、竜巻が私を取り込む。

『どうして、……………が‥水神に‥。』『どうして、私じゃない。』『許さない。』『花嫁を取り込もう。』『永遠に、苦しむが良い。』

たくさんの、怨念の言葉が、うずまく。

「イヤッ!」

拒絶しても、怨念が私に集中する。

意識が、なくなる。

8:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/13(月) 21:41

気がつくと。

目の前に、リューの顔があった。

「ワアッ!?」

ビックリした〜!

だって、リューはカッコイいんだよ?

目の前にあったら、余計ドキドキするよ。

「…葵様…良かった…。」

心なしか、リューの体から、血が出ている。

あちこちに、傷がある。

「もしかして、助けてくれたの?」

そう聞くと、リューは真っ赤になった。

リューの傷を縫い、再び歩く。

朱火様の所、まだまだかぁ。

でも、水の中だし、そんなに辛くない。

そこは、嬉しい。

けどさ。

花嫁って、今更に分からない。

何で私が…!?

水神の花嫁に!?

普通の疑問が、駆けめぐり始めた。

9:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/14(火) 18:49

遠い…!

とにかく、遠い…!

さすがに、水の中とはいえ、疲れた。

リューが、気遣うように、

「少し、休みましょう。」

大きく根を張った、大樹の下で休む。

この大樹、何千年前から、あったのかな?

水は、蒼く透き通っていて、キレイ…。

砂利が、道みたいに、なっている。

どこを見渡しても、同じような、風景だらけ。

こんな所、知らなかった。

昔、茜とこの池を見た。

「あれ………?」

なんで、泣いているのだろう。

茜なんか、嫌いなのに。

茜を考えているせいか、涙が止まらない。

「葵様……。」

リューが近付いてくる。

chu

私の頬に、キス、した。

ビックリして、涙が止まる。

「良かった……、葵様には、笑顔が似合いますよ。」

ドキッ!

そんな言葉。。

私の胸が、キュウッとなる。

今まで感じたことのない、暖かな感情がわきあがる。

なに、このキモチ。

休憩を終え、再び歩く。

「まだ〜?」

「もう少しですよ。」

もう少しって、どのくらいなのだろう。

「ねえ、リュー。」

「なんでしょうか?」

「朱火様には、朱火と言う名前があるじゃん?殿川の水神の名前って……?」

リューは、少しの間、悩んでいた。

もしかして、リューも知らないのかな?

「…葵様は、まだ知られぬ方が、良いと聞いています。」

えっ!

まだって…。

いったい、いつまでも待てば良いの!?

「俺が言えるのは、葵様が、真の宿命をさとった時と、しか。」

真の宿命…?

私に、何の宿命があるのだろう?

リューの態度からして、まだ知らないコトがあるのは、分かった。

10:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/16(木) 07:01

カミノミコトバ

遥かなる遠き記憶に、いひ伝える巫女が現れん。

巫女と水神が結ばれん時、巫女は使命を全うし、魂よびの巫女とならん。

水神の真の名は、巫女が真の宿命を悟らん時。

巫女と眷属が結ばれる時、水神は荒れ狂わん。

水の国のすべてを破壊する、破壊神とならん。

破壊神を戻すのは、巫女の使命。

魂よびの巫女は、自らの魂を、天地におさめん。

カミノミコトバ

11:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/16(木) 07:22

「朱火様のもとです。」

朱火様の祠は、真っ赤な炎をかたどっていた。

「殿川の花嫁と、この間の飛び魚か。」

声とともに、真っ赤な髪に、銀の瞳の少女が現れた。

「朱火様ですか?」

「我は朱火。そなたは、葵か。」

なんで知っているのかな?

朱火様は、フフフと笑って、

「挨拶の印に、これをやろう。」

きれいな、翡翠のブレスレットを、つけてくれた。

「あ、ありがとうございます!」

「それでは、気をつけて。」

朱火様は、そう言って、祠に入っていった。

「葵様、帰りましょう。」

リューの言葉にハッとして、

「うん。」

うなずいて、クルリと向きを変えた。

12:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/16(木) 19:00

クラウは、水晶玉を苦い顔で、見つめた。

「リュー…。」

黒髪をパサリと、かきあげる。

「…様、どうしましょうか。」

水神は、不機嫌そうに、

「アイツとだけは、結ばせるな。」

しかし、葵を見る目は、優しかった。

「我が、今必要なのは、葵だけだ。」

クラウは、困った顔をする。

(…様も、葵様には、優しいのですね。)

「そろそろ帰ってくる。迎えにいこうではないか。」

クラウを手招き、玄関(?)に向かった。

__________________

私は、リューと一緒に、(当たり前だけど!)もとに戻ってきた。

「朱火の機嫌は、損ねなかったか?」

水神は、少し笑いながら、聞く。

「損ねなかったよ!」

うん、だってリューを飛び魚に変えなかったもん!

水神とクラウが、くつくつと笑う。

リューは、真っ赤になった。

13:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/16(木) 21:09

水神は、少し笑う。

「翡翠のブレスレットとは。皮肉か?」

翡翠のブレスレットが、どうかしたの?

「ねぇ、もしかして、ひ「葵様!!」

切羽詰まった、リューの声。

振り返って、体の芯がヒヤリとする。

なんと、あの、化流が現れたのだ。

「………!ヒッ!」

涙で、視界がにじむ。

リューが、私を助けようと、手を伸ばす。

「…!あっ。」

小さな水流。

次の瞬間。

水神の冷たい体が、私を包み、

別の岩に座らせる。

えっ、今のって、助けてくれたの?

じっくりと、化流が近付いてくる。

そして、取り込まれる。

泥が、ゆっくりと私を包み出す。

今度は、負けない。

14:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/18(土) 07:59

化流から、怨念のにおいがする。

気が遠くなりかけた。

でも……

リューを怪我させたくない。

その重いが、バネになった。

体の中が、熱くなる。

〈巫女よ、今目覚めの時。〉

涼やかな、女のような、男のような声が聞こえる。

〈真の宿命、悟らん。〉

新たな、私の何かが、入る。

ソレは、恐ろしく巧みに、私の中に侵入する。

突き上げてくる、ナニカ。

〈巫女のチカラを授けん。〉

熱いのが、なくなる。

目を開けると、私は私じゃない気がした。

15:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/18(土) 08:00

×重いが
○思いが

16:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/18(土) 10:19

カッ!

いつの間にか手にあった、刀剣を化流に斬り込む。

サアッとかき消える。

ふうっ。

「巫女に目覚めたか。」

水神の声に振り向く。

やっと戻った気がする。

「リュー!!」

思わず抱きつく。

「!?//」

リューの顔が、赤くなる。

「我はどうでも良いのか…(怒)」

水神の怒った声に、クスリと笑ってしまう。

笑いが、止まらない。

「ねぇ、水神…クス…子供、…クス…みたい…クス…だよ。」

クスクスでは、終わらない。

「アハハハハ…!」

水神は、不思議そうに、首を傾げる。

面白い以上に、愛しくなる。

不思議。

恋とは違うけど。

背伸びをして、頭をなでる。

この、子供のような、不思議な水神を…。

17:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/18(土) 10:30

リューside

嫌だ。

葵様が、…様をなでているなんて。

「ッ!」

胸をくすぶる、よく分からない炎を消そうとしても、消えない。

このまま、奪って行きたい。

葵様は、無邪気な顔で、ずうっと、なでている。

嫉妬なのか、よくわからない。

これだけは言える。





俺は、葵様を愛している。

18:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/18(土) 15:02

「…いる〜?ちょっくら、泊まらして〜。」

明るい声がする。

水神を撫でる手を止め、

「誰か呼んでるよ?」

水神は、ハッとして、玄関?に向かう。

「玉か。」

はあっと、ため息をついたのが分かる。

そこには、

薄紫の髪をおろしている、少女がいた。

大人しげな雰囲気。

私の視線に気づいて、

「あ〜、……の花嫁?うち、玉姫。」

玉姫は、くるくると喋る。

大分印象違うな〜。

「麗麻(レマ)の所、行くんやけど、ちょっくら、泊まらして〜。」

水神は、仕方なさそうに、

「良いが、我の家の中だけだ。」

家の中??

「この岩から、100qの所までだ。」

へえ。

結構広大なんだね。

と言うか。

私、一睡もしてない!

かと言って、眠くもない。

不思議〜。

玉姫が、ニコニコ笑う。

「じゃあね、葵!」

そう言って、ゆっくり向こうへ歩いていく。

水神は、笑みを漏らす。

「今宵は、我と過ごそう、葵。」

え。

一応、夜、あるんだ!?

「葵様、俺と過ごしませんか?」

え!?

リューが、そんな事言うとは、思いもしなかった。

水神が、ジト目で、私をみる。

「我とだろう、葵。」

リューは、何も言わなかったけど、その目は、私を求めていた。

ええっ!?

「じゃ、じゃあ…3人で過ごしましょう!」

とりあえず、コレで良いよね!?

19:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/19(日) 09:46

とりあえず、割り当てられた部屋?に行く。

一応、ついたてもある。

「ふぅ。」

なにもドキドキする事が、なかったのに、胸がトクントクンする。

何??

頭の中に、リューの顔が浮かぶ。

体の芯が、熱くなる。(巫女としてでは、無く。)

もしかして……

コレが好きと言う感情なのかもしれない。

私、リューが好きだ。

けど、口にしたらいけない気がする。

言った瞬間、誰かが、壊れる。

昔からの掟が、私達の仲を阻む気がした。

20:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/19(日) 21:22

水神の目の届かないところで、リューに告白したい。

水神が見ないところ。

風呂場だ!

「ね、リュー、ちょっといい?」

「葵様?」

首を傾げつつ、リューが来た。

「私ね、リューが好き!!」

言っちゃった。

果たしてリューの返事は!?

21:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/20(月) 11:03

「お、俺も……////」

ウソッ!

両想い!?

嬉しいなあ。

「でも、水神に言ったらダメなやつでしょ?」

「……そうです。葵様は、…様の花嫁ですから。」

風呂場から戻る。

「ねぇ、水神。」

水神は、チラッと、私をみる。

「……………お風呂入っていい?」

「もちろんだ。」

ふぅー!

改めて、言えなくなる。

風呂場

脱ぐ前に、お風呂を見る。

広い!

とにかく広い!

はやく入ろ〜!

脱いで、タオルを持って入る。

まず、体を洗おう。

石鹸は?

石鹸の代わりに、

『体洗う用』

と書かれた、ビンを開ける。

中には、ジェリービーンズみたいな、粒があった。

色は、赤。

えっと、使用方法は。

『タルの中に、お湯と商品を入れる。少し待つと、泡立つ。体につけてから、お湯をかけても良い。』

なんかすごそう!

22:クリスタル◆eQ:2017/03/20(月) 21:37

タルに、ジェリービーンズみたいな赤色の粒を入れ、お湯をかける。

わあっ!

フワッとした、泡ができる。

タルから取り出す。

泡からは、オレンジのような、甘酸っぱい香りがする。

だけど、ローズみたいな香りもする。

洗って、流すと、もとからコンプレックスだった、ブツブツが消えた。

代わりに、すべすべ。

ひゃ〜!

うれしい!

シャンプーも、ジェリービーンズみたいな、薄紫の粒があった。

タルで作り、頭に乗せる。

気持ちいい!

こっちは、爽やかな香りがする。

流したら、さらに気持ちいい。

湯船にはいる。

あったかい。

じんわりとしたあたたかさに、眠くなる。

寝ちゃダメ!

この後、リューと水神と過ごすんだから!

23:クリスタル◆eQ:2017/03/21(火) 07:24

茜&結菜side(人間界)

走っても、走っても、お姉ちゃんの姿が見えない。

「お姉ちゃん……!!」

「金坂!!」

誰かと、ハモった。

振り返ると。

「あ……!!お姉ちゃんをいじめてた、結菜さん!?」

「もしかして、金坂の妹?」

やっぱり、お姉ちゃんを捜してたんだ。

「お姉ちゃんをいじめるために、捜してるの??そんなのだったら、捜してあげない方が、お姉ちゃんのタメなんだよ。」

結菜さんは、ゆっくりとくずおれた。

「違う。金坂がいなくなって、罪の重さに気付いたんだ。」

嘘っぽい。

24:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/21(火) 20:24

あがって、風呂場に行く。

体を拭き、衣をまとう。

下衣は、白色。

上衣は、淡い朱色に、クリーム色の花が、縫われている。

まとうと、ふんわりとした、柔らかさが私を包む。

湯上がりの温かさが、体のすみずみまで、届く。

髪は、まとめなくて良いよね。

確認し、風呂場を出た。

「ハアー、気持ちよかった!」

「そうかのぉ……!////」

水神と、リューの顔が、赤くなる。

「大丈夫、熱あるの?」

リューと水神の顔をまじまじと見つめる。

25:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/23(木) 21:45

ぽわんぽわん

謎の発光体??が、現れた。

シューッ!

「ウワッ!?」

発光体??は、煙を出して。

巫女になった。

『私は、瀬蘭。葵の先代の大いなる巫女。』

瀬蘭さんは、ニコニコッと、私をみる。

『さすが、私が見こんだだけありますね。』

へっ!?

『今日から私も、葵と過ごしとうございます!』


こうして、水神と巫女と、眷属2人と、人間の私の謎?生活が始まった。

26:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/24(金) 20:20

「瀬蘭さんは、何歳で嫁いだ?んですか?」

瀬蘭さんは、ふわふわ笑う。

『17です!』

私より、3歳上!?

『これから、葵に、金坂家と、殿川の水神の関係を…。』

気になるなぁー!!

*とある所*

「恋亜様!」

執事らしき老人が、恋亜を捜す。

恋亜__ウサギの耳を持つ、茶髪の少女は、仕方なく出る。

「もう!…様の所に、行くのです!リューにも会いたいし。やっぱり、私は、クラウが好きだなー!」

執事は、恋亜を引き止める。

「おやめください!」

恋亜は、うざったそうな顔をして、

「花嫁様と友達になりたいの!良いでしょう、いってきます!」

「恋亜様!」

執事の声に、耳を貸さず、恋亜は出発した。

27:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/26(日) 12:57

金坂と水神の関係(殿川)

これは、私(葵)が、簡単にまとめたよ!

昔、昔。

ある時、イケの水がかれてしまった。

困った人々は、金坂家の娘を花嫁と言う名目で、生贄にしてしまった。

生贄を出した次の日から、雨やイケの水が、増えていく。

人々は、おおいに喜んだ。

この(黒?)歴史がもとになり、金坂家では、時に虐待する親が出、子が、殿川に飛び込むと、いうことになった。

若干、嫌だよね。

ホントに嫌だったのに、こっちでは、予知されてたなんてね。

28:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/26(日) 13:01

瀬蘭さんは、ニコリと笑う。

『葵、湯殿に行きましょう!』

ええっ!?

さっき行ったのに!?

『はやく。』

仕方ないな。

瀬蘭さんは、巫女の服を脱ぐ。

めっちゃ、スタイル良いなぁ。

これ、現代だったら、モテるのに。

『葵は、湯船に浸かってたらどうでしょう?』

「そうだね。」

瀬蘭さんが体を洗ってる間、湯船に浸かる事にした。

29:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/27(月) 17:36

カポーン

桶の音。

湯煙越しに、瀬蘭さんの姿が見える。

あったかい。

じんわりしたあたたかさに、のぼせそう。

そろそろあがろうかな。

湯船から足を延ばし、立ち、歩き出したら。

ツルンッ!

転ぶ!

ギュウッと目をつぶると。

30:みかぜ◆3Y:2017/03/27(月) 18:36

リリカは、やっぱり、小説書くの上手!頑張れ!応援してるね!小説書く同士お互い頑張ろう!

31:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/27(月) 20:06

みかぜありがとう〜〜〜!

みかぜの小説も、楽しみだよ★

32:みかぜ◆3Y:2017/03/27(月) 20:08

ありがとー!私もリリカの小説楽しみにしてるね!

33:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/27(月) 20:34

楽しんで読んでもらえるよう、がんばるね!

小説

叩きつけられる……!!

「シチュリ…アク」

瀬蘭さんの声がした。

と‥

フワッ!

浮いた!?

浮いた私の体は、空中で体制を整え、床に降り立つ。

ふと振り向くと。

瀬蘭さんは、肩で息をしながら、倒れ込むように湯船に沈む。

「瀬蘭さん!溺れますよ!?」

「久しぶりにチカラを使ったので、疲れたのです。」

久しぶりなんだ。

さすが巫女だね。

瀬蘭さんを背負いながら、湯部屋を出る。

のぼせるぐらい、浸かってたせいか、冷たい。

風邪ひかないうちに、服を着よう。

帯をしめながら、瀬蘭さんを見る。

瀬蘭さんは、また何か呪文を唱える。

真っ白な光に、瀬蘭さんが包まれる。

目を開けると、巫女服をまとった瀬蘭さんがいた。

『葵、行きましょう。そろそろ、…と、リューが心配する頃です。』

心配性なんだ?

瀬蘭さんは、私をギューッと抱き締める。

『葵を譲りたくありません!』

ええっ!?

部屋の角のほうから、殺意を感じる。

「瀬蘭、我が葵を譲るわけなかろう?(怒)」

「……瀬蘭様。(怒)」

振り返ると、リューと水神がいた。

「まあまあ、4人で過ごしましょう!」

とりなしながら、内心ホッとしていた。

女子1人じゃないからね!

34:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/28(火) 14:07

瀬蘭さんは、ニッコリ(黒笑い)笑う。

『葵は、あなた達に譲りませんよ?』

水神とリューは、

「めんどくさいのぉ。」

「仕方ないですね。」

瀬蘭さんは、私の肩をつかむ。

『葵、女子トークいたしましょう?』

水神とリューは、ヒソヒソと、

「瀬蘭は、女子なのか?」

「俺も疑問です。」

2人とも、瀬蘭さんに失礼だよ!

襖を開けて、(なんと!和風の部屋があったの!)中に入る。

『此処なら、聞かれませんね。』

私は、着物の裾を整えながら、座る。

『葵には、好きな者がおりますか?』

真面目な顔で、瀬蘭さんは私の頬に触れる。

ぶっちゃけて良いのかな?

……ダメかも。

私が、リューと両想いなことも、瀬蘭さんには、言ったら水神にバレる。

「私は‥…」

35:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/29(水) 17:15

「私は‥…」

ピインッと張りつめた空気。

どこか頼りなげに、私の声が響く。

ドンッ!

ドアが開く。

そこには、水神とリューがいた。

「恋亜様がきました!葵様、来てくれませんか??」

『ちょっ……!』

「瀬蘭は、我と。」

水神は、瀬蘭さんと私の間に入る。

リューが私の手を取る。

「早く行きますよ!」

わわわ…!

顔近いよっ!

玄関?に行くと。

ウサギの耳を持つ、少女がいた。

「私、緑川の水神の娘、恋亜で〜す!葵、あっそぼ!」

恋亜ちゃん、かわいい!

妹の茜と違うよ!

36:リリカ@恋歌◆JA:2017/03/31(金) 17:48

*prologue*(新章の)

遠くにある、リューへの恋心。

毎日、毎日、恋い焦がれていく。

伝えられたら良いなあ。

そう、伝えられたら。

水神にバレたらいけない、恋。

私は、花嫁だから。

いつか、ハッキリさせたい。


この恋が、かなう日を。

37:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/01(土) 16:50

新章 ヒミツの恋

恋亜ちゃんは、可愛いし、ワガママじゃないし、茜の百倍いい子!

「恋亜ちゃんは、今日どうするの?」

「もちろん、泊まるのよぉ。」

ああ、可愛すぎる!!

『葵……。』

わっ!瀬蘭さん!?

瀬蘭さんの周りから、ブラックオーラがある。

こ、怖いッ!

リューの顔も、こわばってる。

「葵様、恋亜様を可愛がりすぎですよ。」

そんなぁ。

でもでも、可愛いよぉ!

水神も、呆れたように、

「葵、とりあえず恋亜から離れるのだ。」

ええっ!?

仕方なく、離れる。

「ヤダ!葵と離れたくない!!」

恋亜ちゃんが、私の腰に腕を回す。

アハハ、くすぐったいよ!

瀬蘭さんが、ベリッと、恋亜ちゃんと私を引き剥がす。

あ〜あ、また後でかぁ。

って、もう朝!?

一晩寝なくても、眠くない。

此処って、やっぱ不思議だぁ。

38:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/02(日) 09:14

おなかも空いてない。

不思議。

恋亜ちゃんが、すぐ駆け寄ってくる。

「葵大好き〜!!」

わわわわ……!!

メッチャうれしいよぉ!

ズイッと、瀬蘭さんが来る。

ものすごい殺気を放ちながら。

『葵〜、恋亜〜?(怒)』

怖い怖いッ!

39:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/03(月) 17:43

瀬蘭さんを怒らせたら、メッチャ怖いのは、分かる。

嫌にでもね。

恋亜ちゃんは、瀬蘭さんを睨んだ。

「イヤ!…なら、勝負しよーよ?勝った人が、葵を独り占めできるって事でね。」

……………え?

水神と、瀬蘭さんとリューの目が、光った。

「「「のった!(のりました!)」」」

どええ!?

や、やだ。

リューが、不意に、私の耳に囁く。

「必ず勝ちますから…。」

ドッキュン!

カッコよすぎだよ///

40:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/04(火) 10:38

*とある所*

「葵……。必ず、僕の花嫁にするからね?」

少年は、小さく呟く。

グッと、握られた手には、大きな鎌があった。

「そのためには、…と、眷属を殺すから。君のためなら、何でもするよ。___たとえ、嫌われても。」

不穏な言葉を残し、少年は、水の渦に取り込まれる。

「化流、お疲れ。…恋亜と瀬蘭がいるのか。めんどくさいが、やるか。」

少年は、大きい鎌を振り回す。

ブン、ブンッと、音を立てた。

 ****葵side****

一体、誰を応援すれば__!?

そうだっ!

恋亜ちゃんを応援しようっ!

「まずは、彼処まで走るよっ!」

かけっこ?

「葵、スタートを言って!」

分かったよ〜!

「じゃ、よーいスタート!」

ダッダッダッ…!

う〜ん、皆同じくらいだなぁ。

『勝ったのは‥…!』

ドキドキする!

『恋亜です‥!』

瀬蘭さんの声がして、恋亜ちゃんが飛び上がる!

「わ〜い!」

良かったね、恋亜ちゃん!!

恋亜ちゃんは、私をギュッと抱きしめた。

「やっと、葵を独り占めできる〜!」

えっ、そこ!?

まあ、賭は賭だしね。

41:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/06(木) 11:02

ザッと、突如水が渦巻く。

えっえっ!

なにっ!?

渦がなくなると、そこには。

金色の髪の、少年がいた。

翡翠の色の瞳が、ぎりっと歪む。

「…は、葵を何だと思ってるんだ。」

えっえっ!?

なんで私の名前を!?

少年の顔が、ゆるむ。

「君と僕は、太古の昔から、結婚することを、定められていた。」

どういうこと‥…??

それよりも驚いたのは、水神だった。

「今は、我の花嫁だ。」

少年は、笑って、

「僕の花嫁、花蓮を奪った上に、葵も奪うのか?」

水神は、口を開いた____

42:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/08(土) 08:49

少年の話

僕と、花蓮は、昔から仲がよかった。

だから、一緒に結婚の約束もしてた。

そんなとき、お前(水神)が、花蓮を娶った。

僕は、次の縁談を受けた。

それが、葵だったわけ。

なのに、またお前は、僕の幸せを阻止する。

許すも何も、ない。

花蓮をどうした!?

捨てたのか!?

許さない‥…!!

43:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/08(土) 08:56

花蓮さん!?

どういうこと、リュー!?

リューは、不思議そうに首を傾げる。

水神は、冷たく言い放った。

「勝手に死んだ。」

その言い方には、さすがの私もカチンとした。

「何それ!酷いよ!!」

水神は、

「葵の好きなのは、誰なのだ。」

イライラしてる私は、素直に

「もちろん、リューだよ!」

途端、水神の雰囲気が変わった。

44:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/11(火) 17:18

新章 破壊神

メキメキと、音が鳴る。

ヤバい!

流石の私も気がついた。

怒らせちゃった。

これから何が起こるの‥…?

45:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/12(水) 21:35

気分転換に、番外編

【互いの心】

私は、瀬蘭。

先代の、魂呼びの巫女。

葵は、可愛くて、賢い。

だからすぐ好きになった!

私は、幽霊?的な存在。

葵をサポートするだけだと、思うけど、絶対!リューに譲らない!

そんなとき。

クラウから、呼ばれた。

『何なんです?』

クラウは、ニコッと、

「あなたなら、よく知ってらっしゃいますよ。」

いやな予感。

「_____優蘭さんの事ですから。」

ゾワリと、背中が寒くなった。

優蘭の事なんて、ここ最近忘れていた。

固まっている、私をよそに、クラウは、

「瀬蘭様なら、分かっていると思います。葵様がするべき事が。」

そう言って、口付けした…。

いつもなら、甘いと思うのが、苦いしこりとなって、いつまでも残っていた______

46:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/16(日) 21:37

水神の周りから、大きな渦がまき始めた。

うわあ!

怖い‥…!

ギュッと、リューが私を抱きしめた。

安心した。

瀬蘭さんが、少年を連れて、来た。

そう言えば…

「あなたの名前、何?」

少年は、水神から目を離さず、

「ユィヤ。」

ユィヤ君か〜。

水神の姿が、渦に囲まれて、見えない。

カラカラ

殻が取れるように、水神が現れた。

その姿は、銀色の光。

どういうこと‥…?

瀬蘭さんと、クラウが、

『恐れていたことが…。』

「起こってしまいました…」

どういうことか、よくわからない。

瀬蘭さんが、戸惑っている、私とリュー、ユィヤ君に、微笑む。

『今、話しますね。私の妹、優蘭の事について。』

パアッと、光が出る。

そこには、桃色の巫女服をまとった、瀬蘭さんによく似た人がいた。

優蘭さんは、透けていた。

でも、ニコニコと笑った。

『久しぶり、お姉ちゃん。』

47:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/17(月) 21:29

優蘭さんは、優しく笑って、話し始めた。

『お姉ちゃんと私は、双魂の魂呼びの巫女でした。
お姉ちゃんが使命を全うし、私は水の国の御殿に仕えていました。
御殿には、夢花と言う、大いなる巫女を呼び、こちらの世界でも生まれる花です。
ある日_____』

優蘭さんは、私に柔らかく笑いかけた。

『夢花が咲いたのです。夢花の中心に、葵様の命が出来たのです。
私しか見えませんでしたが、葵様の真の姿が、垣間見えたのです。
その後すぐ、夢花は枯れました。
枯れたという事は、大いなる巫女が、どの道を行くのか、誰にも分からないと言う事なのです。』

そうなんだ…

私は、この世と、水の国の双方で生まれたんだ。

瀬蘭さんが、

『葵には、破壊神、…様、いえ、翡翠様を止めていただきます。』

翡翠…

水神の名前なんだ。

「はい、止めま「やめてください。」

私の声に、被さるように、リューが叫んだ。

「俺は、もう、麗奈も葵様も失いたくないんです!」

麗奈さん?

朱火様のところに行った時だった。

リューの口から、麗奈さんの名前が出たこと。

麗奈さんは一体、どうなったの?

48:リリカ@恋歌◆JA:2017/04/28(金) 20:36

リューの話をまとめると。

百年ほど前、リューは麗奈さんと此処に来た。

リューと麗奈さんは、恋仲になり、それがそのときの代の、水神にバレたそうだ。

水神は、破壊神となり、麗奈さんはある決意をしたらしい。

「ウチ、水神を止めるんよ。やから、もう帰って来れんけど、______リュー、大好きやよ。」

そう微笑んで、水神を自らの身をていして、破壊神を封じ込めた。

悲恋だ。

今も、その状況…‥…

リューは、悲しげに私の頬にふれた。
   
そんな表情しないで___

「麗奈と似ている、葵様を失いたくない___」

麗奈さんと、似てる?

私は、麗奈さんの代わりなの?

ホントの私が、好きじゃないの?

暗い想いが、私の中を突っ切る。

そんなわけ、ない。

違うよ。

思い込ませても、無理だ。

結局、私は誰かの代わりなんだ‥…‥…

49:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/06(土) 18:57

何度も、違うと暗示をかけても、無理だ。

____リューが好きでいるのは、私なの?私に似てる、麗奈さんなの?

悩みながら、へらりと瀬蘭さんと、クラウ、リューに笑いかけてると。

____そなたは、いつの世も”代わり“なのだ。

翡翠の声がした。

ただ、その声にかげりがある。

____優蘭の前の前、千佳の時もそなたは代わりだった…。

違う!!違う!!

ズキズキと頭が痛い。

それに伴って、私の口から、とんでもない言葉が飛び出した。

50:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/06(土) 21:08

「リューは、麗奈さんと似ているから、私が好きなの?!」

嫌。

こんな心が狭い、発言なんか、したくない!

嫌われたくない!

ギュウッと目をつぶったら、リューが言った。

「それもありますが、」

それも、あったんだ…‥…。

目を開けたら、微笑んでいる、リューがいた。

「オレは、そのままの葵様が好きです。」

きゅんっ!

私、なにを考えていたの。

なんで、リューを信じれなかったの?

自分に自信がなかったから?

_________違う。

今は、分からないけど、いつかきっと分かる。

ゴゴゴゴォ

翡翠である、銀の光が、ユィヤ君を襲う。

「だめ!ユィヤ君!!」

ユィヤ君を庇うように、立ちはだかる。

グワーン!

大きな音がして、私の体は吹き飛ばされた。

私の意識も、深い闇の中に落ちていった。

51:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/08(月) 21:11

新章 守るべきもの

パチッと、目を開けると、優蘭さんがいた。

「優蘭さん…瀬蘭さん達は……?」

優蘭さんは、まじめな顔になった。

『皆、翡翠様を止めています。翡翠様が、葵様を依代にと、暴走して…』

最後の言葉を聞かずに、私は駆け出した。

私には、分かっていた。

だけど、認めたくなかったんだ。

今、すべき事___守るべき者を守りたい。

パアアッ

私の姿が、変わり始めた。

髪が、腰まで伸び、和服をまとう。

「リュー!瀬蘭さん!ユィヤ君!」

叫ぶと、3人が振り向く。

ボロボロだけど、今の私には、心強い。

___この命賭してもやる。

私は、水底を蹴った。

52:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/08(月) 21:23

銀色の光目指して、地を蹴った。

お願い届いて________

そして、その光を手で受け取る。

溢れんばかりの光。

私は、それを自分の胸に入れた。

「くっ!あぁあっー!!イヤ____」

熱い!!熱い!

『なぜ、我を受け入れる?』

冷たい、翡翠の声。

どこか、物悲しい。

「あなたに寄り添うのは、私の使命だから。」

そう言って、私は自分の胸の中に、翡翠を受け入れた。

53:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/12(金) 21:32

エピローグ

「葵!」

ああ、また愛しい人の私を呼ぶ声を聞ける。

この喜びは、果てしない。

私は、笑って、リューのもとに駆けだした。
***************

次章は、三角関係です!
リューを巡って、新キャラが大暴れ!?

54:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/13(土) 20:23

*introduction*

「紅蘭、何処に行くのよ?」

鮮やかな赤色の髪の少女が、振り向く。

ニヤリと笑って、答えた。

「大切な人を探しに行くの。」

55:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/15(月) 19:07

破壊神との戦いの後、翡翠はもとの水神となり、(呼び方も水神に戻るよ)私とリューの交際も認められた。

恋亜ちゃんや瀬蘭さん、優蘭さんはスッゴい残念にしていた。

それと同時に、殺意もわいていた。

「リュー!」

あれ、私以外の声。

でも、瀬蘭さんや優蘭さん、恋亜ちゃん、ユィヤ君の声でもない。

振り向くと、鮮やかな赤色の髪の美少女が微笑みながら、立っていた。

「貴女が、葵?」

「はい‥…?」

美少女は笑いながら、言った。

「私は、紅蘭。リューを取り戻しに来ましたの。」

56:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/20(土) 18:25

リューを取り戻しに来た‥…?

その言葉を飲み込むのに、30秒ほどかかった。

紅蘭さんは、ほんわかと笑っている。

「葵…!紅蘭!?」

リューと、紅蘭さんって、知り合いなの!?

って、知り合いじゃないと、名前知らないか‥…

私が一人、戸惑ってると、紅蘭さんが口火を切った。

「リュー、あの約束の通りに、此処まで来ましたのよ。」

そして、頬を紅く染めた。

「結婚してくださいまし。」

57:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/25(木) 20:24

け、結婚!?

紅蘭さんは、リューの腕をとる。

「もちろん、ですわね?」

ううむ。

あまり認めたくないけど、こうやって、腕組んでる二人は、お似合い。

こーんな美少女のほうが、良いよねぇ‥

リューは、紅蘭さんの腕を離して、

「オレは、葵といるって決めた。だから、紅蘭__お前とは、いられない。」

ハッキリと言い切った、リューを紅蘭さんは凝視。

「私の、どこが駄目なのですか?」

そう言って、走っていった。

58:リリカ@恋歌◆JA:2017/05/29(月) 18:30

「ねぇ、リュー。あんな言い方って‥…」

ヒドいよ、という前に、言葉を飲み込んだ。

リューは涼しそうに、

「紅蘭は、コレくらいでキレるヤワな奴じゃないよ。」

うわぁ。

絶対的な信頼を置いてるんだね。

  その夜のこと side 紅蘭

憎い、憎い。

リューの心を奪った、葵が憎い。

なんで、リュー。

あの約束、覚えてるわよね?

なんで葵が好きなの?

私は、このときのために持ってきた、薬を出した。

これで、リューの心は私のモノ。

私は、微笑んだ。

59:リリカ@恋歌◆JA:2017/06/03(土) 20:45

葵 side
私は、リューを信じている。

それは、これからもきっと。

でも、その信頼が壊れてしまいそうな、事件が起きたんだ。

その前に、桜美姫が来たところから、始めよう。

『貴女が、葵ですか?』

春のような、暖かいのんびりしたような、声がした。

「そうですが‥…?」

振り向くと、長い艶のある髪を持つ、十二単のような衣を纏っている、美少女がいた。

美少女は、ふわりと笑った。

『私は、桜美姫と言います。』

60:リリカ@恋歌◆JA:2017/06/06(火) 21:08

桜美姫は、フフフと笑った。

「貴女は、神族ですか?」

桜美姫の周りには、神々しい光があるようだった。

桜美姫は、笑顔をかき消して、

「流石、水神の花嫁ですね。私は、樹齢千年を超えた桜に宿っています。」

「此処に来た、理由は?」

驚くべき事を、桜美姫は告げた。

「紅蘭____しかるべき報いを下さないと、いけない者を見つけるためにね。」

61:リリカ@恋歌◆JA:2017/06/07(水) 21:30

キャラクタープロフィール

桜美姫
神族の長。
樹齢千年を超えた桜に宿る。

大罪ノ1  【紅蘭】
桜美姫の宿るはずの桜の幹を切って、術に変えたこと


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