共産戦隊セキグンジャー

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1:アーリア:2017/04/04(火) 18:09

念のために言うが、誤解はしないでね!

2:アーリア:2017/04/04(火) 18:10

1、我らは共産戦隊セキグンジャー

「我々は、共産戦隊セキグンジャーだ。悪のヤミキン軍団を倒す労働者の味方だぞ。さあ労働者たちよ我々が来たからはもう安心するんだ! 」

 謎の格好をした5人組の者たちが突如現れた。
 俺は、闇金業者から金を借りるだけ借りて、後で裁判で債務不存在確認訴訟を提起することで借金を踏み倒そうとしたのだが、裁判を提起する前に闇金構成員に捕まっていたところであった。
 そこに気持ち悪い5人組がやってきたのである。

「さあヤミキン軍団! お前たちはここで成敗されるのだ」

 5人組の1人がそう叫ぶと、一斉に闇金構成員を取り囲み、ゲバ棒でリンチに及んだ。闇金構成員は抵抗も出来ず無残に倒れこむ。
 俺は、その隙にここを抜け出し繁華街へ逃げることにした。気持ち悪い5人組のおかげで借金を踏み倒すことが出来て大助かりだ。



 翌日。
 俺は、自宅でテレビを着けると、とある暴力団壊滅のニュースが放送されていた。その名前は『日協組』といい、俺の住む街一体に蔓延る暴力団だったわけだ。

「まさかあの赤色一色の5人組がじゃないだろうな? 」

 つい、独り言を漏らしたが、俺が多額の金を借りていた闇金業者も『日協組』系列だったはずだ。その闇金業者の構成員がリンチされて、今日テレビをつけたらその親玉が壊滅したと報じられている。少なくともあの気持ち悪い5人組が関係しているはずだ。
 とは言え、もう俺はこの街を去ることにしている。あの気持ち悪い5人組と会うことも無いだろう。

3:アーリア:2017/04/06(木) 18:06

2、お金大好き
 
 俺は大金を手に、真岡市を出て東京市にやってきた。飛行機でわずか2時間弱で着く距離であったが、東京市に居るのも一時的なものであり、俺はもっと遠いところへ行くつもりである。

「反共真赤示一(はんきょう まっかしはじめ)さんですね。では303号室をお使いください」

 俺はフロントのホテルマンから鍵を受け取り、303号室へと向かう。このホテルでは1ヶ月間の宿泊を予約していた。あくまでも一時的な滞在だからだ。
 部屋に着いた俺は、とりあえ荷物を机に置きホテルに来る前に買った新聞を読むことにした。普段は新聞は買わないのだが、一面の見出しが目に入ったので買ったのである。その内容は『ソ連とロシアの戦争か!』というものである。1990年、ソ連は消滅することは無かったものの多くの構成国が、主権国家として独立してしまい、ソ連の中心的存在であったロシア・ソビエト社会主義共和国も、現在では独立主権国家たるロシア連邦だ。現在残されたソ連の構成国は中華・ソビエト社会主義共和国と朝鮮・ソビエト社会主義共和国の2カ国でソ連を構成している。ソ連の首都もモスクワーから北京に遷都された。そんな現ソ連政府は、かつてのソ連盟主だったロシアと戦争になるかもしれない状態になっていたのだ。

「ロシアとソ連が戦争か。となると、ちょっと行き先を変えたほうが・・・・・・あっ! 」

 戦争だ。もしかしたら金儲けが出来るかもしれないじゃないか。今のうちに鉄でも買い占めて投機売買をやってしまえば良い!
 俺は急いで鉄の買占めを決めた。闇金から2億円ほど借りていたので、その殆どを使い込むのだ。早速、スマホで楽土証券会社の取引画面を開く。

「鉄を2億円弱分っと」

 あっさり鉄を買い占めることに成功した俺は、これから来るであろう希望に胸が高まっていた。

4:アーリア:2017/04/07(金) 18:34


3、あの五人組

 東京市に滞在して10日目。俺は今、満州国の領事館内で査証の発行を受けたところであった。以前は日本国民であれば査証なしで居住や仕事が出来たのだが、ちょうど3年前に満州国は日本国民に対しても査証の無い者は仕事は出来ない制度にしたのである。単なる居住に関しても1年を超える場合は査証が必要となった。

「これで新京へ行けるぞ! 」

 俺は喜んだ。これで東京○○ランドとは比べ物にならないほどの夢の国、満州国へ行けるのだから。しかもそこで仕事も出来る。

「我々は共産戦隊セキグンジャーである。お前は、悪のシサンカーの娘だな! 成敗してやる」

 突如、どこかで聞いたことのある声がした。
 その声のする方向を向くと、あの気持ち悪い5人組が居たのだ。全身の殆どが赤一色に包まれ、胸から腹の辺りに大きく絵がかれた星マーク。そして頭の上には金色の、釜と槌のソビエトマークが装着されている。どう見ても気持ち悪い。
 その五人組は一斉にゲバ棒で少女をリンチする。

「た、助けて! 」

 少女は必死に助けを請う。

「ちょっと待て。お前ら何をしてるんだ」

 俺はその五人組に抗議した。

「お前は悪のシサンカーの仲間か! 成敗するぞ。この娘はな、父親が大企業の筆頭株主であることを良いことにクラスメイトをいじめていたのだ。こいつのせいで組合の教師たちも多くが犠牲になった」

 なるほど。この少女も可愛らしい顔して、とんでもない悪さをしていたらしい。

「ま、まあ私はこれ以上関わりませんが、警察とか呼ばれないようにね・・・・・・」

 放っておこう。闇金の奴らがリンチされていた時なんか、何も思わず逃げたんだ。あの五人組の言葉を信じるなら少女も悪さをしているではないか。その点、闇金と何ら変わらない。
 俺は心の中で正当化させながら、この場を後にした。

5:アーリア:2017/04/10(月) 18:08


4、解放


 ここ東京市にもブラック企業はたくさんある。ブラック企業に就職してしまったら地獄が待っている。365日ずっと仕事尽くしだ。そして酷いところだと家に帰れず半ば監禁されるところもあるらしい。
 この私もそんなブラック企業に勤めている従業員だった。ここ半年、休日は1日たりとも無い。朝6時に出社して深夜0時に帰れれば良い方だ。一応、会社名義で借りているアパートに住んでいるので、通勤時間は徒歩30分ほどであるから、睡眠時間は多い時では5時間弱はとれる。
 でも、1日の殆どが労働に消費され、プライベートな時間など無い。しかも給与はどんなに働いても月14万円・・・・・・まあ、どうせ使えないし良いか。

「進藤君さ、やる気あるの? 君を守ってくれるのはこの会社しかないんだよ。だからこの会社に恩返ししないと」

 代表取締役の黒四秒平(こくし びょうへい)だ。私はこいつにこき使われている。

「佐藤君、鈴木君、君らも頑張って仕事すれば報われるんだよ? だから頑張れよ」

 何が頑張れだよ。私はお前に殺されそうだ。
 こうして、私の一日が始まった。



 昼ごろ。会社に赤い服装で謎の5人組が現れたのであった。

「我々は共産戦隊セキグンジャーである。悪の経営者から、大切な労働者を助けにきたぞ!」

 その五人組の1人はそう叫んだ。すると五人組は黒四を取り囲んで、それぞれが手に持つ変な棒を叩きつけた。
 私は頭の中で、警察を呼ばなければならないとは思っていても、中々行動に移せなかった。黒四がリンチに遭っていることがとても心地良かったからだ。佐藤や鈴木も、その光景を黙って眺めているだけで、警察を呼ぶつもりは無いらしい。

「君たちは、この悪の経営者から解放された」

 五人組の1人が私たち3人にそう言ってきた。

「あ、あの明日は休んでも良いですか? 」

 何て馬鹿なのだろう。私はその五人組の1人にそう質問してしまったのだ。思えば会社を辞めるという考えも無かった。今になって気づいたのだ。

「君たちは大切な労働者だ。当然休むといい。それに再就職の方は我々が何とかする。安心するんだ」

 五人組の1人はそう言ってくれたが、私はとても嬉しかった。
 今、私はとても幸せな気分だ。

6:アーリア:2017/04/14(金) 19:48


5、異国への旅たち


 東京市滞在15日目。
 
「ほほう。聴く分には良いものだな。気持ちよくなる」

 俺は、あの一件以来、ホテルの部屋からあまり外出することは無かった。しかし世界情勢は大きく動いたのである。予定通りか、ソ連とロシアは戦争になったのだ。ちょうど東京市に来たときに買った鉄も、買い手が見つかり倍の額、4億円弱で売れた。現物は手にしていないが、この辺は俺と相手方が楽土証券会社を介して『指図による占有移転』の方法による引渡しによって俺の債務は履行済みだ。4億円弱もすでに銀行口座に入っている。
 それはともかくだ。俺は今、とある系統の歌がたまらなく好きになってしまった。どういう系統かは、あまり口に出せないがイタリア語のこの歌を聴くと元気になる。

「この動画の投稿者は、結束の会と言うのか」

 私は結束の会についてネットを開いて調べると、どうやら満州国新京市に本部があることが判った。ちょうど私がこれから行こうと考えていた所だ。

「そろそろ、満州行くか」

 私は身支度をして部屋を出た。ホテルには1ヶ月分の宿泊料を払い、空港へ向かう。手持ちのお金は20万円はあるので、航空券当日購入も大丈夫であろう。
 考えてみれば、借金を踏み倒して今では4億円だ。私はとんでも無い大金をこの僅かな期間で増やしてしまった。だが、私はこの4億円を、満州にてさらに増やすつもりである。さあ行こう! 夢の満州へ。

7:アーリア:2017/04/19(水) 19:16



6、私を助けてくれた正義の味方 前編


 私は中学1年生。実はアイドルでもある。所属事務所は大手芸能事務所で、自分で言うのも恥ずかしいけれど売れっ子アイドルとして国民から認知されている。
 でも、そんな日々も終わるかもしれない。事務所の代表取締役である発破乃篤銘(はっぱの とくめい)が枕営業を持ちかけてきたのだ。もし、これに応じなければ私はアイドルして活動できなくなるかもしれないと言う恐怖もある。だから、やむを得ず応じるしかないというのが私の結論。

「誰か・・・・・・助けてよ」

 思わず呟いてしまう。でも、枕営業なんてしたくない。しかし応じなければ・・・・・・。いっそ今後のアイドル活動を諦めると言う手もある。

「こんばんわ」

 突然誰かから声をかけられた。
 私は顔を上げると、そこには私と同い年ほどの女子が立っていた。

「私の名前は、赤光早百合(せきみつ さゆり)って言うの。赤光って言う姓は最近ある人たちに付けてもらたのだけどね」
「私は、なゆりん・・・・・・いえ、愛川奈由(あいかわ なゆ)と言います。あっ、立ってないで横に座ったらどうです? 」
 
 私は、彼女に座るよう促した。因みにここはとある公園のベンチである。

「どうもありがとう」

 彼女はそう言って、ベンチに座った。

「単刀直入に言うけど、貴方は発破乃篤銘から枕営業を持ちかけられているよね? 」
「えっ? 」

 彼女の口から、『発破乃篤銘』と『枕営業』の単語が発せられたことに私は驚きを隠せなかった。そもそも、私が枕営業を持ちかけられていることは、私と発破乃篤銘しか知らない筈なのに。
 そして、さらに彼女の口から驚愕の事実を告げられる。

「とある正義の味方たちがとことん調べ上げて、発破乃篤銘を成敗したの。だから貴方が悩む必要はないと思うよ」

 これが嘘ではなく真実であるなら、私は気持ちが楽になれる。だから私は、彼女から詳しく話を聞くことにした。

8:アーリア:2017/04/26(水) 17:22


7、私を助けてくれた正義の味方 後編


「我々は共産戦隊セキグンジャーだ! 資本主義者の権化である発破乃、お前をここで粛清する」

 芸能事務所を経営する発破乃が、その事務所で仕事をしていると全身赤で染めた5人組の集団が侵入してきた。今、この事務所には発破乃1人しかいない。

「お前たちは誰だ? しかも訳のわからんことを言いやがって」

 5人組の集団は、発破乃の発言を無視してゲバ棒を手に持ち襲い掛かった。

「何をしやがる! 」

 発破乃はとっさに身をかわした。しかし、5人組の集団は次々と襲い掛かってくる。何度か身をかわすことが出来た発破乃も、ついに後頭部を強くゲバ棒で叩かれる。

「ぐっ・・・・・・」

 発破乃は意識を失い、倒れてしまった。

「手間を煩わせやがって」

 五人組の1人がそう言うと、一斉に倒れた発破乃をゲバ棒で叩きまくった。



「共産戦隊セキグンジャー・・・・・・と言う人たちが、殺してしまったんですか? 」
「ええ。そうよ」

 発破乃は死んだらしい。共産革命とか言うのを実現させることを理想としたセキグンジャーの手によって。

「実はね、私も成敗された身なのよ。だけど殺されることは無かったわ。だから改心して、セキグンジャーの協力者として生きることにした。貴女も良かったら協力者にならない?」
「はい! 悪い人たちを倒すためなら、私も協力させてください」
「ありがとう。では早速、もう1人の協力者の進藤さんの処へ行きましょう」

 こうして私は、共産革命のための協力者となった。

9:アーリア◆Z.:2018/03/09(金) 22:42

8、豹変


「我々は偉大なるムッソリーニ様を唯一全能の神として、崇拝しております。反共真赤一さんも、どうです? 我々とともに」

 日本で、気持ち悪い全身レッドスーツの5人組が暴れている一方で、満州国ではファシスト系の団体が勃興していたようだ。

「歌を聞きましたが、中々良い歌でしたよ」

 俺はとりあえずそう言った。と言うのも、結束の会が投稿した歌を聴いたことがきっかけでここまで来たのである。だから、これは素直な感想だ。そして、実は俺はある妄想を膨らませていた。もしこの妄想が実現できたら個人的にとても興奮する。実現させてみようと思い、その一歩のために俺はある申し出をした。

「皆さんには資金を援助しようかと思っているのです」

 俺がそう申し出ると、結束の会の者は目の色を変えた。やはりお金は欲しいのだろうか?

「資金援助ですか……」
「ええ。とは言っても融資という形になってしまいますがね。元本は一億円、利息は5%でどうです? 弁済期は気長に待ちますよ」
「なるほど……確かに今、私たちは資金難にあるのですが……わかりました。上に掛け合ってみます」

 この一億は私の遊興費だ。これから、面白いことを引き起こしてやろうじゃないか。


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