流れ星をつかまえて。

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1:玲葉◆yM:2017/04/16(日) 20:25

ねぇ、一個だけお願い言っていい?

____流れ星をつかまえて。

2:玲葉◆yM:2017/04/16(日) 20:32

1,告白

それは、あったかい春の日差しの差す、昼休み。

「高嶺、付き合ってくれる?」

ごく気軽に、言われた。
唐突すぎて、どう反応して良いか、わからない。
と言うか、私モテたことないもん。

「えっ‥…!?な、んで。」

なんででって、ひどいよね。
私が悶々としているのを、知らないかのように、相手は、

「だって、高嶺もこと好きだから。」

さらっと言われるのも、初めてだ。
いい人だよ、ね?

「それじゃあ…よろしくお願いします。」

私が言うことか、分からないけど、ニコッと笑った。

3:玲葉◆yM:2017/04/17(月) 20:04

相手は、真柴純君。
スッゴく、モテるんだよ。
なんで、派手系男子が、超超ジミ系女子(私)と、付き合うの??
男子って、よく分かんない。
帰りのホームルームを終え、友美リンと帰る。

「真柴君、良いよねぇ!」

友美リンの声に、ドキッとした。

「コクられたいなぁ!」

ゴメン、友美リン。

家に着いた。
今日、塾だ。
ヤダなぁ…。
小学三年の頃から、通ってるから、今更辞めれない。

4:玲葉◆yM:2017/04/17(月) 20:20

「梨華〜?時間よ〜」

えっ、もうそんな時間?
本にしおりを挟んで、置いた。
帰ってくる時間は遅いから、夕食代わりのお弁当を、塾で食べるんだ。
お母さんから、弁当箱を受け取る。

「今日、暗くなるみたいだし、どうする?」

「いつも通りで良いよ。」

自転車のカギを取って、家を出る。
カゴに、弁当箱と塾のバッグを入れる。

「行って来ます。」

お母さんに言って、塾に向かう。
志津川ゼミナールは、受験にスゴく、良いらしい。
小瀧学園を目指すから、ここが良いんだ。
クラスは、AからFまで。
私は、Bクラス。
Bクラスは、ふつうの学力より、まあまあある人。
Aクラスが、トップクラス。
Aクラスの人となんか、話したことない。
遠い人達だもん‥…。
塾に着いた。
受付に行くと。

「では、Bクラスに。」

受付の人の声と、

「ハアッ!?俺が、Bクラス!?」

いかにも怒った感満載の、男子。
男子は、私より少し背が小さい。
男子が唐突に、振り返った。
澄んだ瞳に、サラサラの黒髪。
わぁ‥…
俗に言う、イケメン、だぁ。
受付の人が、

「高嶺さんも、Bクラスだから、一緒に行って。」

男子は少し、受付の人を睨んで、

「行こうぜ。」

ぶっきらぼうに、私に言った。

5:玲葉◆yM:2017/04/18(火) 19:48

話す話題がないから、思い切って、聞いた。

「あの〜、名前、は?」

男子は、サラッと、

「時神千早。お前は?」

時神君か…
なんか急に、恥ずかしくなった。

「高嶺梨華…。よろしくね。」

高嶺梨華か…と、時神君は反芻した。
そして、ニッと、笑った。
その笑みは、とても爽やかで、女の子は、キュンッとなるくらい。
って、私も女子だね。

「志津川ゼミナールの中、教えてくんない?」

「喜んで!」

 2,探偵?

志津川ゼミナールは、クラスごとに、階が違う。
Aクラスは、最上階、Bクラスはそこの下。
Cクラス以降は、一、二階。
志津川ゼミナールには、休憩室がある。
でも、塾生は、談話室としても使ってる。
私は入ったことない。
まず、塾トモがいないもん。

「此処が、休憩室。」

ドアを開けると、時神君の目はキラキラしていた。

「かっけー!!」

ん〜??
どこがかっけーの?
男子って、よく分かんない。
椅子に座ると、時神君は驚くべき事を言った______

6:玲葉◆yM:2017/04/18(火) 20:59

「おれ、探偵になりたいんだ!だから、梨華、一緒に探偵団組もうぜ!!」

へ?   
時神君、本気なの??
戸惑っている、私をよそに、時神君は、

「もう一人、入れても良いかもな。梨華、希望者集めて。」

話が進んでる!
了解してないのに!

「それって、入塾者だけ?」

時神君は、当たり前のように、うなずいた。

「もちろんだ。」

探偵とか、無理だよ。
まず、志津川ゼミナールで事件とか、有り得ないし。
まず、依頼者来るの?

翌日

友美リンに、話すと。

「え〜、良いなぁ。あたし、志津川入れないし。頭良くないから。」

入塾テストが、あるからね。

「それより、真柴君可愛すぎ!!」

友美リンの目、ハートになってる。
アイラブ真柴君だもんねー!
そうだっ!
真柴君を、誘ってみようっ!

7:玲葉◆yM:2017/04/19(水) 19:36

真柴君を、誘おうとして、ハッとなった。
真柴君は、いつも女子に付きまとわれてる。
つまり、私が近付くと、付きまとっている、女子たちに睨まれる!
ヤダヤダ!
地味に生きたい、私にとって、目立つのは、この上なくイヤだ。
でも‥…
時神君のために、言おう。

「真柴君、」

ビシッと女子たちの視線を感じる。

「志津川ゼミナールって、知ってる?」

知ってるよね?
女子たちに聞かれないよう、真柴君に囁く。

「そこで、探偵するんだぁ。入ってくれる?」

ドキドキする…。
入塾者だけだし、『ごめん。』って、言われるよね。
絶対に!

「気になるし、俺も入りたいな。」

ウソッ!?
真柴君は、ニコッと笑った。

「今日あたり、入塾しようかな。」

そうだと嬉しいなっ!

8:玲葉◆yM:2017/04/19(水) 21:36

3,結果は・・・

家に帰り、志津川ゼミナールに行く準備をする。
鞄に、プリント類を入れてると、テレビから、こんなニュースが流れていた。

『あの花菱会社のCEOは、十二歳の歌川京さんに、決定しました。歌川京さんは、天才児としても有名です。』

ふーん。
十二歳で、CEOかぁ…。
私じゃ、考えられないなぁ。
って、もう時間!
お弁当を持って、自転車に乗った。

志津川ゼミナールに着いた。
急いで、Bクラスに入る。

「梨華、遅かったな。」

時神君が、目をきらんと、光らせた。
私はソッと囁く。

「希望者、いたよ。」

途端に、時神君はニヤニヤし始めた。

授業後

休憩室に向かっていると。
Aクラスから、男の子が出て来た。
すごい、デキる人だぁ。
男の子は、暗い雰囲気だ。
あれ?
志津川ゼミナールの鞄は?
塾生なら、必ず持ってるハズ。
え?
じゃあ、入塾者??
だったら、Aクラスから出て来ないよ?
一体、どういうこと何だろ?
疑問を抱えつつ、休憩室に入る。
机に向かい合って、座る。
時神君が、ウキウキしている顔になった。

「早速、事件だぜ!」

と、ボールペンを取り出した。
普通の、ボールペン??
違う。
今話題の、国民的アイドル、アユリンのサイン付きだ!

「これ、どこで手に入れたの?」

時神君は、得意げな顔で、

「俺の席に、入れてあったんだ!」

9:玲葉◆yM:2017/04/20(木) 19:56

え!?
時神君の席に!?
と言うか、

「アユリンって、アイドルだけど、サインしないんだよ。」

地方から出て来たから、そういうこと、しないっていう、理由だったはず。
時神君の顔が、青ざめる。

「嘘だろ…‥…!?じゃ、コレは‥…?」

誰かの、サインって、事だよね?

「事務所に届けてみよう。」

一階の事務室前

あっ!
真柴君!

「入塾テスト、どうだった!?」

思わず、真柴君の肩をつかんだ。
真柴君は、ニコッと微笑んだ。

「合格。」

ヒャッホー!!!
解答用紙を見ると、なんと全問正解!!
すごぉい。

「真柴君、スゴいね!!」

それを見ていた、時神君がフンッと、そっぽを向く。
機嫌悪くした?
事務の人に聞く。

「あの、Bクラスにこのボールペンが‥…「あっ!俺の!」

言いかけて、真柴君が私の言葉に被さるように、言った。

休憩室

「なんで、ああ言ったの??」

真柴君は、とろけるような笑みを浮かべた。

「このボールペン、気になるから。」

うぁあぁあ!
カッコカワイイ!!
頬が熱くなる。
時神君は、

「どこがだよ?」

突っかかるように、聞く。
真柴君は、臆することなく、

「アユリンはサインしないんだよ。」

私と同じ…。

「あと、このボールペン、未使用なんだよな。」

そう言われれば、そうだね。

10:玲葉◆yM:2017/04/20(木) 21:27

4,ボールペンの持ち主は・・・

アユリンらしき、サイン付きのボールペンは、水色のチェック柄。
女の子が買いそうだよね。
うーん、これからどうしよう?

「そのボールペン、見せて。」

ひとりの女の子が、来た。
その子は、ポニーテールに赤色のゴムで結んでいた。
大きな瞳、美少女だぁ。

「ハイ。」

ボールペンを見せると、その子は、

「私、北条優里帆。どこで見つけたの?」

ハッとした、時神君が、慌てて、

「Bクラスの俺の席。」

北条優里帆は、微笑んで、手を伸ばした。

「じゃあ、それ返して。」

と、もう一人の女の子が来た。
その子は、三つ編みで、北条優里帆とは違う感じの、美少女。

「あ!!それ私のボールペンだぁ。」

北条優里帆の顔が強ばった。
美少女は、

「あたし、高川美歩。拾ってくれて、ありがとう!…優里帆?」

北条優里帆と、高川美歩の視線がぶつかった。
慌てて、北条優里帆が、

「これ私の。」

高川美歩は、ジッとボールペンを見て、

「違うよぉ。やっぱり、あたしのだよぉ。」

うええ?!
これって、どっちのだろ?
真柴君が、冷静に言った。

「じゃ、これだれのサイン?」

北条優里帆が青ざめた。
対して、高川美歩の顔は自信満々。

「アユリンのじゃない?」

北条優里帆の顔は、真っ青をこえて、真っ白。
やっとのように、北条優里帆は言った。

「ごめん、美歩。先、教室行ってて。美歩のだったら、持ってくよ。」

高川美歩は、納得してなさそうだったけど、休憩室を出て行った。
北条優里帆は、ペコッと頭を下げた。

「ごめんなさい!!!!」

11:玲葉◆yM:2017/04/21(金) 19:52

へっ!?
なんで、北条優里帆が謝るんだろ?

「私、転勤族で、九州から来たの。お姉ちゃんは、アイドルとして、活躍してて、なかなか帰ってこないの。」

目を伏せて、言った。
アイドルなんだぁ。
私のお兄ちゃんなんかと違う。
お兄ちゃんは、頭よくって、カッコいい?らしい…。
家で、私と愛(なる)にも、お父さんとお母さんとも話さない。
北条優里帆のお姉ちゃん、優しいなぁ。

「私、中学でも孤立してるの。寂しくて、泣いてた時にね、お姉ちゃんがね…。」

きっぱりと、北条優里帆は言ったんだ。
涙が溢れてる。

「サインしてくれたの。お姉ちゃん、アイドル業でもサインしないのに。」

えっっっ!!
じゃあ、北条優里帆のお姉ちゃんって…

「お姉ちゃんは、アユリンって言う芸名なんだ。」

やっぱり!!
北条優里帆のお姉ちゃんは、アユリン!!

「私の宝物だし、美歩に渡せないんだ。拾ってくれて、ありがとう、返して。」

私は、時神君の手から、ボールペンを奪って、北条優里帆に返した。

12:玲葉◆yM:2017/04/21(金) 21:17

北条優里帆は、ありがとうを連発し、教室に向かった。

「何すんだよ、梨華!」

時神君がジロッと私を睨んだ。
真柴君も、溜め息を吐いた。
私、何かしたっ?
時神君が、呆れたように、

「あのボールペン、誰が俺の席に入れたのか、調べてなかった!」

あっっっっ!!!
忘れてたっ!

「今から、取り返してこいよ。」

ハアッ!?
なんで偉そうに、いわれなきゃいけないわけ!?
私は、ギロッと時神君を睨んだ。
時神君も、睨み返してきた。
真柴君が、溜め息を吐いた。

「今、喧嘩する時じゃ、ないんじゃ、ね?」

冷静な声に、流石の私と時神君もハッとした。
真柴君が、

「考えられるのは、アユリンが直接、千早の席に入れたとしか思い付かない。」

でも、どうしてなの??
時神君が、ニヤリと笑う。

「本人と、連絡とろうぜ。」

13:玲葉◆yM:2017/04/21(金) 21:24

5,手紙

『アユリンは人気だし、噂が立つのもアレだから、手紙で聞こう!梨華、よろしく!』
時神君に頼まれた事を、思い出す。
今、家でアユリンへの手紙を書いてるんだ。
うーん。
書き出し、どうしよ?

[アユリンへ。私達は、優里帆さんと同じ塾の者です。]

取り敢えず、良いかな。

[優里帆さんのボールペンの件なんですけど、どうしてBクラスの机に入れたのですか?]

いい感じ。

[返事を、お願いします。

 流れ星探偵団、高嶺梨華]

これで良いかな?
封筒に入れて、ポストに出しに行く。
真実は、どうなんだろ?

14:玲葉◆yM:2017/04/21(金) 21:32

一週間して、アユリンと、北条優里帆から返事が来た。
ちなみに、志津川ゼミナールで受け取った。

[高嶺さんへ。ボールペン、見つけてくれて、ありがとう。
実は、優里帆を元気づけるために、教室に置いたんですが‥…
間違えてしまいました。(^^;)
どうか、優里帆と仲良くしてやってください。アユリン]

そうだったんだ!
アユリンが間違えただけっ!?

志津川ゼミナールに行くと、北条優里帆が来た。
ちょっと、赤くなって。

「私も、一緒に、探偵していい?」

時神君と、真柴君に聞かなきゃだけど、


「もちろん、良いよっ!!」

15:玲葉◆yM:2017/04/21(金) 21:34

あとがき

流れ星をつかまえて。1
書き終わりました!
疲れましたが、楽しかったです!
2では、梨華の小学校生活を書いたり、女子の友情、真柴君との絆を(もちろん、千早も優里帆も!)を、書いていきたいです!

16:玲葉◆yM:2017/04/21(金) 21:42

流れ星をつかまえて。2

1,最悪な、朝

ふわあーぁ!
私__高嶺梨華は、寝ぼけ眼を擦りながら、ベッドを出た。
春とはいえ、まだまだ寒い。
愛の部屋を開ける。

「愛っ!起きてっ!」

呼び掛けても、起きない。
この小学一年はっ!
二年になったら、起こさないからねっ!
寝てる愛を無視して、一階に降りる。
トーストの匂い。
グーッとお腹が鳴った。
早く着替えよう!
紺のジャンパースカートに、シンプルな白のシャツを合わせる。
学校の準備をして、トーストにかぶりついた!
美味しいっ!

「おはよー。」

私がトーストにかぶりついて、3分25秒後に、愛が降りてきた。
遅いな!
小学六年になったら、遅刻だぞっ!
愛が着替え始めたのをしりめに、玄関の戸を開ける。

「行ってきます!」

17:玲葉◆yM:2017/04/22(土) 20:08

あー、学校に行きたくないなぁ…
どうしてか?それは‥…

「千愛、おっはー!」

そう、岡本千愛がいるから。
岡本千愛は、大きな女子グループのリーダー。
グループは、ざっと見て三つにわかれてる。
グループ一は、岡本千愛率いる、華やかグループ。
グループ二は、華やかグループを取り囲んでいる、話しかけられたら、答えるグループ。
グループ三は、私みたいなグループに入れない、入らない人達。
グループなんか、無理して笑ってるのを見てるし、岡本千愛の期待に応えなきゃいけない。
そういうの、なんだか嫌なんだ。
話す人なんかいないから、ほぼ私は本を読んでる。

18:玲葉◆yM:2017/04/22(土) 21:38

「千愛〜、今日、霆Zの試合だよ!」

「もちろん、見に行くし!!」

「千愛は、誰オシ?ウチ、徳野!」

騒がしいなぁ。
というか、この教室、岡本千愛達のモノじゃないのに、うるさくしないで。
チラッと、岡本千愛は私を見て言った。

「高嶺さんとか、霆Zのコト知らなさそうだよね?」

ドキッ。
知らなくは、ないのになぁ。
私だって、知ってるよ。
霆Zのコト。
霆Zは、霆ゼミナールが作った、サッカーチーム。
志津川ゼミナールじゃないけど、志津川に通ってる、霆Zに入ってる人とか、かなりいる。
わざとらしく、岡本千愛は言う。

「地味な人って、恋愛に疎そうだよね?特に、真柴純とか、知らなさそ。」

ムカッとした。
疎くなんか、ないはずなのに。

19:玲葉◆yM:2017/04/23(日) 20:25

言い返すのも、なんだし。
気を静めた。
でも、最悪な気分だった。

2,図書室の事件?

昼休みになった。
はぁー、やっとこのクラスから離れられる。
私は、急いで図書室に向かう。
本を選んで、窓際の“いつも”の、席に着く。
此処は、風通りも良くて涼しい。
時たまだけど、霆Zの練習試合も見えるんだ。
うちの学校は、霆Zに校庭を貸してる。
今日も見れると良いなぁ。
窓を開けて、校庭を眺めると。
低学年の男子たちが、サッカーをしていた。
今日は練習日じゃないんだ。
ガッカリしながら、窓を閉めた。
私が手に取った本は、『夏蒼空』。
主人公があることをきっかけに、クラスの男子に恋心を抱く青春系恋愛小説。
クラスの皆は、知らない。
でも、志津川ゼミナールでは、流行ってる。
最初のページをめくろうとして。

「せとかウッザ!何、あの態度!」

「どーせ、真柴君に媚びてるんでしょ。」

「でも、田中となら、お似合いじゃない??」

「言えてる〜!」

岡本千愛達だ。
陰口を言ってる相手は、高岸せとか。
普通に、いい人と、思ってたのに。
真柴君に、媚びてたの?!
田中君の事、馬鹿にしてる。
田中章太君。
オタとか、噂になってるんだ。
でも、いくら嫌いでもね。
高岸せとかに同情した。
ガラッ!
図書室の、戸が開いた。

20:玲葉◆yM:2017/04/25(火) 21:29

そこには__真柴君がいたんだ。
そういえば、図書委員だったんだ。
真柴君は、険しい顔になって、返却かごから本を取り出した。
三冊、出した。
『ごんぎつね』『銀の匙』『猫の恩返し』
真柴君は、ページを開けた。
なんと、所々ページがボロボロ。
まるで、切り取られたかのように。
真柴君は、私にだけ聞こえるように、

「高嶺さん、コレ事件だよ。」

と、呟いたんだ。

3,容疑者

教室に戻っても、真柴君の言葉に、フワフワ浮きそうなくらい、楽しみなんだ。
また、真柴君と時神君と事件を解ける。
そう思うと、ドキドキが止まらないんだ。
しかも、もしかしたら北条優里帆とも解ける!!
仲良くなりたいなぁ!
ワクワクしてて、授業の内容も入ってこなかった。
家に帰ると、愛がいて、ニコニコ笑っていた。

「お姉ちゃん、これナルの絵だよ!」

そう言って、愛はグチャグチャの“絵”を、見せた。
お世辞にも、綺麗とは言えない。

「スゴいね。」

素っ気なく言って、志津川ゼミナールに行く準備を始めた。

21:玲葉◆yM:2017/04/26(水) 19:31

Bクラスに入ると、なんとそこには、北条優里帆がいたんだ。
北条優里帆は、恥ずかしそうに、

「よ、よろしくね。」

私は笑って、その手を取った。

「優里帆って呼んでいい?」

「もちろん、__梨華」

改めて、照れるなぁ。
優里帆に、囁く。

「休憩室、来て。」

優里帆も楽しめるよ!

22:玲葉◆yM:2017/04/27(木) 21:19

Bクラスの国語の授業が始まる。
国語担当の先生は、速水先生。
いい先生なんだ。
私、国語は得意!
けど、算数と社会がニガテ。
普段なら、国語の授業が楽しみなんだけど、それより時神君と真柴君と優里帆と事件を解けることに、興奮する。
速水先生、悪いけど、今日の授業マジメに聞けない!
はやく授業終われ〜!
祈りながら、カリカリとプリントをする。
やっと!
授業が終わった!
バッグをひっつかみ、優里帆の手を握る。
休憩室に向かうと。

「梨華〜!!と、優里帆??」

時神君の素っ頓狂な顔に、優里帆と顔を見合わせて、笑った。

「優里帆も、入っていいよね?」

しばらく驚いてたけど、時神君はうなずいた。

「遅れてごめん。」

真柴君が来た。

「真柴君、優里帆も入っていい?」

真柴君は、ニッコリうなずいた。
時神君は、ちょっとムッとしていた。
私が、真柴君に丁寧に聞いたからかな?
優里帆が咳払いして、

「それで、事件は?」

私と真柴君はうなずいた。

23:玲葉◆yM:2017/04/30(日) 21:26

時神君と、優里帆に説明。
図書室の本のページが、切り取られたこと。
時神君が憤慨したように、

「なんだよ!」

えっっ?
何が、なんだよ!なの?
優里帆は、戸惑ったように、時神君を見る。
時神君は、

「そんな小さな事件、取り扱うか!」

フイッとそっぽを向いた。

24:玲葉◆yM:2017/05/01(月) 20:08

「小さな、事件…‥……‥?」

口の中で、反芻する。
ピキッと音がする。
私は、怒り心頭だった!

「何よ!小さな事件って!コレも、事件じゃない!突き止めないと、ダメでしょ?」

私の表情におびえたのか、時神君は青ざめる。
優里帆も、硬直している。
真柴君も。
自分が、どんな顔してるかなんて、見たくない。
もっと、言いたい事はあるんだけど、止めた。
フウッと、息をついて、気を静める。
時神君は、気圧されたように、

「分かった。この事件、引き受ける。」

やったぁ!

「ただし!」

時神君は、ビシッと指を立てる。

「この事件が終わったら、無茶を言うのは、なし!」

それぐらい、できる!
それより、事件解決のために、なにかいる。

25:玲葉◆yM:2017/05/01(月) 21:16

それは・・・・ノート!
事件ノートって、カッコ良いかも!

「お母さん、ノート足りないんだ。買いに行きたいんだけど。」

お母さんは、愛にクッキーを渡しながら、

「分かったわ。100円でいい?足りない分は、自費で出して。」

私の手に、100円玉を乗せた。
お母さんは、ケチだ。
自転車のカゴに、財布を入れて、自転車に乗った。
スイーッとこぐと、気持ちいい!
100円ショップ
どんな、ノートがいいかな?
私達の活躍を書くため、推理を書くためだから、まとめやすいノートがいいな。
シンプルな、ノートにした。
キャラ物だと、使いにくいし。
ノートを買って、家に帰った。
家に帰ると、愛とお母さんが揉めていた。

「愛!手を洗いなさい!」

「ヤァダ!」

低レベルな争い・・・
ほっといて、明日の準備をした。
明日は、千愛達に、会いたくない。
夕食は、ハンバーグ。
食べ終えて、事件ノートに向かう。
明日、まとめた事を、使って推理したいし。
翌日
学校は、特に目立ったことは、なかった。
まあ、岡本千愛のグループの、高畑彩乃が挙動不審だったのが、謎。
だって、本を借りずに、本を持って行った。
すごい、変。
真柴君も気付いたらしく、昼休み、ノートをまとめることにした。
【切り取られた本 ごんぎつね 銀の匙 猫の恩返し】
共通点って、ないのかな?
【容疑者 高畑彩乃】
書いたところで、チャイムが鳴った。
志津川ゼミナールに行くのが、スゴい楽しみ!!!

26:玲葉◆yM:2017/05/01(月) 21:34

4,共通点

真柴君と打ち合わせをして、家に帰った。
お兄ちゃんがいた。

「お母さんと愛は?」

お兄ちゃんは、素っ気なく、

「買い物。」

「ふうん。」

お兄ちゃんと話すことなんて、ない。
おやつは、パンケーキ。
フワフワで、美味しかった。
宿題(志津川ゼミナールのも)して、志津川ゼミナールに行く、準備をする。
ああ・・・・・
はやく、志津川ゼミナールに行きたい!
前の私____時神君と出会う前なら、嫌々行ってたなぁ。
ノートに、矛盾点を書いていないか、確認。
万一、時神君に言われたらどうするかも、考える。
時間になっても、お母さんと愛は、帰ってこない。
仕方なく、お兄ちゃんに伝言を頼み、自転車で行くことにした。
ちょっと日が暮れて、暗いけど、問題なく行けそう。
ゼミナールのバッグと、事件ノートがあるか確認し、駐輪場に自転車を停めた。
急いで、中に入る。
授業時間まで、20分ほどある。
休憩室に行くと、時神君と、優里帆、真柴君が揃っていた。

「良かった。梨華、事件の内容を、確認して。」

時神君に言われ、私はうなずいて、立った。
まだ、塾生はそんなにいない。
予習とか、復習をしてるんだ。

「えーと、私と真柴君の通う学校の図書室で、『ごんぎつね』『銀の匙』『猫の恩返し』のページが切り取られているのを発見。」

時神君は、うんうんとうなずいた。
付け加えの箇所も言う。

「容疑者、高畑彩乃。」

優里帆が、手を挙げる。

「高畑彩乃って、誰。」

「私の、クラスメート。」

答えたら、優里帆は納得した顔になった。

「本を借りずに、持って行った、この事から、事件との関連性を考える。」

パチパチと、真柴君と優里帆が拍手。
時神君は、偉そうにふんぞり返る。
あんたがやったわけじゃ、ないでしょ!

27:玲葉◆yM:2017/05/02(火) 18:52

時神君が、

「証拠が必要だよな。って、事で、真柴と梨華、よろしくっ!」

ついに、私の堪忍袋の緒が切れた。

「なによっ!また無茶言って!人に頼ってないで、あんたも来なさいっ!」

真柴君と優里帆は、度肝を抜かれたように、私を見る。
時神君は、偉そうにまた言った。

「俺や、優里帆は忍び込んだら、叱られるだろっ!そこを、生徒である梨華達がすれば良いだろっ!」

一理あるけど______
私は、勝ち誇ったように、

「残念。土曜日に、バザーが開かれるの。もちろん、来るわよね?」

ぐうっと、時神君が唸る。

28:玲葉◆yM:2017/05/02(火) 21:27

優里帆が、フフッと笑って、

「降参しなよ。」

時神君は、ジイッと私を睨む。
私も、睨み返した。
無言が広がる。
先に口火を切ったのは、時神君。

「分かったよ。で、バザーに行くとして、何時に集まる?」

私は事件ノートを開けて、【集合時間 場所】と、書いた。
私は、顔を上げて、

「優里帆と真柴君、時神君の都合によるけど。私は、何時でも大丈夫。」

先に返答したのは、優里帆。

「バザー、何時から始まるの?」

「11時から。」

優里帆は笑いながら、

「ぴったし、行けそう。」

優里帆はOK。
真柴君も、うなずいた。
あとは、時神君だけ。

「下調べも含めて、11時30で良くね?」

でも、調べるのに30分もかかるかな?
あっ。
もしかして。

「なにか、買いに行きたいの?」

優里帆は驚いたように、時神君を凝視する。
真柴君は、目を丸くする。
時神君は、照れたように、

「ん。悪いか……?」

いい顔するなぁ。
ま、いっか。
私も回りたかったりして。
私は、うなずいた。
そして、確認するように、言った。

「場所は、図書室で良いね?時間は、11時30分で!」

ちょうど、授業の音楽が鳴り始めた。

29:榛◆zmP9yD6kUsZTo:2017/05/03(水) 11:36

乱入失礼します。  
先に、長文になるかもしれない謝罪を言っておきます。


さて、本題に入らせてもらいます。
まず質問です。
一つ目、探偵チームKZ事件ノートという作品を知っていますか?

これによっては、この先言うことも変わります。
あ、因みに私は知ってるのでここまで似てると誤魔化しても無駄な気はしますけどね、一応こちらも情報を与えておきます。


二つ目、パクリの自覚はありますか?

なければ、大したものです。
年齢とか関係ありませんからね。まだ小学生だから知らなかった、などの言い訳を聞くつもりはありません。


三つ目、これからどうするつもりですか?

あなたはある作品に似せたとどこにも書いていません。更には自分で書き上げたように立ち振る舞っています。
これは著作権の問題に当たります。犯罪ですよ。


あなたが何も言わずスルーなどすれば、あの作品を知っている人はあなたのことを犯罪者だと思うでしょうね。
その中で書き続けられればその精神を褒めたいと思います。

長くなりましたが、ここらで一度終わらせていただきます。
様子を見てまた来るかもしれないので、その時はまたよろしくお願いしますね。
まあその時が来ないことを願います。

30:玲葉◆yM:2017/05/03(水) 21:45

〈1〉知ってます
〈2〉あります 言い訳は、言いません。
〈3〉このスレを閉じらせていただきます。
ついでにいうと、もう一生このスレには来ません。
これ以上、言われるならhogeしてください。


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