___「君、名前なんて言うの?」
あなたの一言で始まった、小さな恋のお話___
登場人物
松下 虹架 (マツシタ レイカ)
2年3組。身長が低いのがコンプレックス
戸田 奏 (トダ カナデ)
2年3組。背が高い。
斉藤 菜々 (サイトウ ナナ)
2年3組。虹架の友達。
まだまだ増えます…( ᷇࿀ ᷆ )
クラス替えは最悪だった。
4月の桜が舞う始業式。1年の頃に仲良くなった友人とは見事に全員離れ、心は泣き叫びそうだった。
そしてもう一つ最悪なこと、それは下駄箱。
私はとても背が低い。下駄箱の一番上なんか届くはずない。しかし、運悪く私は一番上になってしまった。
「ありえない。届かない。縮めよほんとに…」
ブツブツ文句を言いながら必死に背伸びをしていると、靴を持っている手が軽くなった。
「ここでしょ、いれてあげる。」
後ろから来た背の高い男の子が靴を入れてくれた。
「あ、ありがとう、ございます、」
「いいよ、でも下駄箱は縮まないと思うよー笑」
そう言い捨てて笑顔で手を振ってくれた男の子。
私の隣の列の下駄箱だ。
同じクラスなんかな、その時はまだそんなことしか考えていなかった。