雨の日のはなし、

葉っぱ天国 > 小説キーワード▼下へ
1: *◆nA:2017/11/13(月) 18:24



傘はささずに、そしたらあなたに見つけてもらえるかしら。>>2

 

2: *◆nA:2017/11/13(月) 18:26



長続きしなさそうですが書きたいのでスレを立てました、あすたりすくです。仮名です、適当です。

これは、ひとつのお話じゃなくて、いろんな人の雨の日のはなし。細かい話がちょこちょこ、…の予定。そのうちネタ切れ起こしそうです。亀更新ですが、見かけた際はちょっと読んでみてくれたら嬉しいです。コメントどうぞ

 

3: *◆nA:2017/11/13(月) 19:20



 薄暗い、曇り空。前までは不穏に感じるはずだったそれは、今では希望の光のようなものに思える。当然、光はさしていないけれど。

 やがて、雨が振り始めた。今、多くの人が空を見上げて顔をしかめたことだろう。その通り、周りの人々が、不満げな声を口々に漏らした。
 そんな中、わたしは、密かに心を踊らせている。傘も持っていないのに。

 わたしにとって雨の日は、あの人に会える、特別な日なのだ。
 きっと今もあの場所で、あの人は傘も持たずに立っているのだろう。雨宿りの間だけ許される時間は、ドラマティックだ。

 あの人に出会ったあの日も、こんな雨が降っていた。

 

4: *◆nA:2017/11/14(火) 18:51



 *(回想)

 雨がまた降っている。これで、何日目だろうか。こんなに長く続くと、さすがに気分も落ち込んでくる。
 薄汚れた窓から、外をぼんやりと見つめる。そういえば、傘、家に忘れてきたんだった。ふと思い出して、溜め息を吐く。学校から家まで帰るのに、どれほど濡れることになるだろうか。考えただけで憂鬱になる。

「やー佐藤、すっごい暗い顔してんね」

 沈んだわたしの表情とは対照的に、にんまりと笑う佳菜(今井佳菜、わたしの友人だ)の顔は晴れやかだった。雨が好きなのだろうか、全く気が知れない。

 わたしがまた溜め息を吐いて窓を見ていると、佳菜はやれやれと首をすくめる。それから、春なのにー、と口ずさみながらどこかへ消えていった。
 そういえば今は、春だった。それも忘れるくらい、雨は続いているのだ。

 佳菜が歌っていたあの曲は、はたしてなんというタイトルだったか。ぼんやり考えてみたけれど、どうにも思い出せなかった。

 


書き込む スレ一覧 サイトマップ ▲上へ