君に会いたい

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1:水城雫◆SKU:2018/05/27(日) 21:20

あの日、初めて思いが通じ合った

その時、約束したよね…ずっとそばにいる事

でも、そんな約束は……




守ることはできなかった

2:水城雫◆SKU:2018/05/27(日) 21:27

私、宮野結衣がこの世から消えてから、ちょうど一ヶ月経った。

もう、みんな忘れてる…私のことを

ねぇ、もう私のこと忘れちゃったの?…祐希。

ごめんね、約束守れなくて……

私からした約束なのに、一週間もしないうちに破っちゃって。

私は、祐希と両思いになっって付き合い始めて、すぐに交通事故で死んでしまった。

今は、幽霊となってみんなを見ている。

でも、みんなには見えない。私も触れることはできない。

私の声はみんなに届かない。こんなに近くにいるのに。

何で、私は死んだの?

何で、何で…せっかく祐希と付き合うことができたのに。

初恋が実ったのに

もう私は、祐希に触れることもできないし、話すこともできない。

こんなの儚すぎるよ。

祐希と話したい、祐希に触れたい……

でも、この思いが叶うことは…絶対にない

3:水城雫◆SKU:2018/05/27(日) 21:32

俺の彼女、結衣が消えてから一ヶ月たった。

結衣が死んだのを知ったのは、友人から電話だった。

「宮野が、病院に運ばれた…」

この一言を聞いた瞬間、俺は凍りついた。

俺は、すぐに病院に駆けつけた。

でも、遅かった。

俺が着いた頃には…もう結衣は…この世にはいなくなっていた。

交通事故だったらしい。トラックが飛び出してきたようだ。

どうして、どうして結衣なんだよ。

もう、結衣はいないんだ。

ずっと俺は結衣が好きで…やっと叶ったていうのに…

4:水城雫◆SKU:2018/05/27(日) 21:37

幽霊になっても、毎日学校に通った。

みんなを見るために…

でも、辛くなるだけだった。

もう、みんなは私の存在を忘れて、笑って過ごしている。

しょうがないとは思ってる、でも…忘れられたくないよ

祐希も、もう忘れちゃったのかな

ねぇ、祐希……

私が居なくなって悲しい?

それとも、何も思わなかった…?

ねぇ、どうなの祐希……

5:雫◆SKU:2018/05/27(日) 23:22

もう、みんなきっと結衣のこと忘れてる

そんなみんなに俺はイラついていた

結衣が亡くなって約10日ぐらいで、結衣の話はスッと消えてった

みんな、何事もなかったように笑っていつも通りに過ごしている

まるで最初から結衣がいなかったかのように

こうなるのも、仕方ないとは思う

でも、悔しかった。

悲しかった。

結衣の存在がみんなの記憶から消えるのが

俺は今でも結衣のことを思ってる。

きちんと覚えてる

でも、いつか

結衣の顔、結衣の声、結衣の温もり…仕草

全部忘れてしまう日がくるのだろうか…

6:雫◆SKU:2018/05/27(日) 23:26

そろそろ、修学旅行が近くなる

私も、行きたかった

祐希と、友達と楽しい思い出を作りたかったなぁ

もう、幽霊生活にも慣れた。

本当に幽霊って実在するんだね。

死んでから色々知れた。

壁とかすり抜ける事ができるなら…

生きてる人と、話せる機能もつけてくれればいいのに…

そしたら、祐希と…話せるのに

「できるよ」

え?

誰?と思い声のする後ろに振り返る

「! あ、あなたは?」

7:雫◆SKU:2018/05/27(日) 23:39

「んー、人間? 幽霊? どっちでもないかな!」

目の前には、人間の姿をした…なんていうか人間と動物が混ざった感じの人が立っていた。

「え、ええと…心の声が聞こえるの?」

だって、さっき口に出して言わなかったし。

心の声が読めるんだよね? この人

「あぁ、そうだよ! びっくりさせてごめんね?」

「え、あ、いや。大丈夫です。」

「そう?ならよかった」

といいはにかんだ。 この人可愛い。

「あの、名前は?」

「私は、リリっていうの。妖精みたいな名前でしょ? あなたは…結衣ね。」

確かに、リリって妖精みたい。

すごい、名前もわかるんだ。

「よ、よろしくお願いします。」

「でね、結衣。さっき私、できるよって言ったよね?」

8:雫◆SKU:2018/05/27(日) 23:45

「え? あ、うん! そうだよ!」

できるって、祐希とまた話せるって事だよね…?

「ええ、彼とまた話せるようになるわ。」

「! 本当に? どうやって…」

「でも、条件があるの…」

リリは不敵な笑みを浮かべた。

じょ、条件……。


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