何度も何度も同じよーなのばっかすいません;;
※同性愛のおはなしです
松原 さくら 中2。2-2。吹奏楽部。
西ノ宮 ゆき 2-3担任。吹奏楽部顧問。
茉莉 2-5。吹奏楽部。
香凜 2-2。吹奏楽部。
中根 瑠菜 3-5担任。吹奏楽部顧問。
・さくらは中1の頃から西ノ宮先生のことがすき
・去年までの接点は教科担任(理科)のみ(西ノ宮先生は今年から吹奏楽部に)
Sakura side
「西ノ宮先生!!!!今日から吹奏楽部なんですか!!」
「そうだよ!よろしくね!!」
本人に直接聞いて、やっと実感が湧いてきた。
約2時間前、愛する西ノ宮先生のクラスになれず落ち込んでいた私の耳に飛び込んできた職員紹介での言葉。
『2年3組担任、西ノ宮ゆき、担当教科、理科、部活は吹奏楽部です』
はああああああああ?!
最後、何て?!
って、叫びたいのを必死で押さえて、私は横の男子に「今なんて言ってた?」とコッソリ無駄な確認をした。
「吹奏楽部って…」
ああ、だよね、ありがとう。
なんていう、言葉のわりに私の顔面は相当にやついていただろう。
そこからはもう頭の中真っ白で、なんとかここまで生き抜いた。
ずっとずっと頭の中に「ありえない」の五文字しかなかったのが、西ノ宮先生の「そうだよ」を聞いて「ヤバイ」に変わっていく。
「はいー!よろしくお願いしますー!」
ペコリとお辞儀をすると西ノ宮先生は、
「何ぃ、いつもお辞儀なんてしないくせにいい子ぶって」
そう言って笑った。
これが、入学式の日に西ノ宮先生と交わした言葉全文。
ここから、嘘つきな西ノ宮先生によって、去年までとは次元の違う、私の『幸せライフ』が始まる
__
すげー面白そう
4:和菜◆h.:2018/06/17(日) 23:16 >>3
ありがとうございます!!
お世辞言ってもなんも出てきませんよ!
「おはよー」
「ふふ、おはようううう♡」
「さくらなに気持ち悪い」
早速香凜さんからご指摘をいただきました。
だって昨日が金曜日だったなんて知らない。
金曜日の次が土曜日なんて知らない。
土曜日には午前部活があるなんて知らない。
というわけ。まとめると、こんなに早く西ノ宮先生が部活に現れる(かもしれない)なんて想定外だったから、にやにやが止まらないってこと。
自転車漕いでるだけで幸せなもんだから、気づいたら学校に着いていた。
_____♪
楽器を出して、音だし、チューニング。
8時の点呼まであと4分。西ノ宮先生はまだ来ない。
もしかして来ないんじゃないか。という不安と焦りが出てきたそのとき。
「おはようございます〜」
私の大好きな声が聞こえた。
楽器の音にかきけされてたけど、その声を聞き間違えるはずがない。
確信をもって扉のほうを見ると、予想通り、大好きな大好きな西ノ宮先生が顧問の中根先生とともに入ってきた。
・
・
・
「それでは、みんなお待ちかね。こちら新しく吹奏楽部にきてくださった西ノ宮先生です」
中根先生に紹介されると、西ノ宮先生はニコッと笑って軽く自己紹介を始めた。
「こんにちは。3年生の人は初めましてかも。西ノ宮ゆきです。中学のときは吹部でフルート吹いてました。ピアノも弾きます。よろしくお願いします」
え。え。え。
知らなかった情報が多すぎる。
フルート吹いてたの?ピアノ弾けるの?
でもピアノって何となくわかる気がする。指長くて綺麗だもん。
しかもフルート?私と一緒じゃん!!!!!!!!!!!!
とりあえず入学式と同様に、発狂したい気持ちを必死に抑えて拍手をする。
「ということなので、西ノ宮先生はおもに木管、フルート中心に見ていただこうと思ってます」
中根先生はいつも通りつまらなさそうな顔で説明してくれる。
がしかしいつもと内容の濃さが違いすぎる。!!!!!!!!
これは、、パート練くるってことは、なんか教えてくれるとか、そういうことか??って妄想。
とりあえず嬉しみの強さは異常で、これから毎週末西ノ宮先生を拝めるという事実が私の口角をなかなか下げてくれない。
点呼終わり、パート練に分散するとき、香凜にまた「ニヤニヤきもい」と注意された。
これはまずい、早いとこ口角を下げないと、西ノ宮先生に見られてしまう。
なんて、考えたときにはもう遅かった。
「さーくーらーさーん」
呼び止めたわりにゆっくりと階段を降りる西ノ宮先生。
待っている間にも口角が上がっていくのがわかる。やばい。
「はい…」
平静を装って返事をするものの、きっとニヤニヤは抑えきれていないのだろう。
「あのさー………………………」
内容は、3年生の名簿見たけど名前読めないから教えてくれということだった。
正直どうでもいいけど私を頼ってくれたことが嬉しくて、快く受け入れた。先輩の下の名前なんて、半分も覚えてないのに。
「これはー?岡本さん」
「えっとー、りね、おかもとりね先輩です」
ふぅ。一人目は同じパートの先輩で一安心。この調子でいけば大丈夫。読めない人だけ聞くんだよね?
「この先輩は?原田なにさん?」
はいおわたー。まず原田という名字に聞き覚えがない。そして読めない。
「えーーーーーっとー」
すると、なんとか誤魔化さなくては…と焦る私の気持ちを見抜いたのか、西ノ宮先生は悪〜い顔をして私を煽り始めた。
「あーれぇ?先輩の名前覚えてないのぉ?1年もお世話になってるのにぃ?」
「いやぁ、覚えてたんですけどー」
「覚え[てた]?過去形?うわぁー」
目を細めてめちゃめちゃ煽ってくるが、全く思い出せない。
原田先輩(?)ごめんなさい!!と思いつつ、私はもう最終手段に出ることにした。
「先生!」
「ん?なに?」
「あの。パート練の場所行って先輩に確かめてきてもいいですか?不安なので」
よし、言い訳成功♡
なんて思ったのが間違いだったか、西ノ宮先生はやはり私を困らせにきた。
「じゃあ一緒にいく。パート練見たいし!」
は、はぁ。としか言えず、西ノ宮先生と理科室へ向かう。西ノ宮先生、無言の圧力がすごい。
・
・
ガチャリ、とドアを開けると先輩や茉莉が、あっ!という顔をして一斉にこっちを見る。
そして、私の隣にいる人物を見て何かに納得したように、さっき西ノ宮先生に名前を教えたばかりの岡本先輩が口を開いた。
「あー、さくらちゃん西ノ宮先生とお話ししてたんですか!遅いなぁって話してて」
言われて時計を見ると、点呼が終わってからもう7分もたっていた。
地獄の時間だと思ってたのに、結局は西ノ宮先生といると時間が短く感じる。
「ごめんね!松原さん借りちゃって」
「いえいえー大丈夫ですよ!」
「そうそう、それでさ、教えてほしいことがあって、この子に聞いたら全然わかんないの!」
私の肩をポンポン叩きながら、次は先輩に同じことを聞きだした。
肩叩かれるとか幸せすぎな、っていうふわふわした思いとは裏腹に、いいとこを見せれなかった悔しさが頭の中をぐるぐる回っている。
結局、先輩が全部教えてた。
「ありがとね!!」
そう言って、先生は理科室を出る
……前に、私のほうに歩いてきた。
「さくらもありがとう!気が向いたらまた見にいく」
そして、私のほうを見て笑ってから、今度こそ理科室を出ていった。
はあぁ。幸せすぎる。今日まだ最初なのにさっ。
さっきの悔しさはどこへやら。またまた顔がにやついてくる。
いつもは茉莉と先輩と話すのだけが楽しみのパート練も、西ノ宮先生来るかな、って考えるだけで頑張れた。
まぁ、来なかったんだけど。
合奏中は私の視界のちょうど正面のピアノ椅子に座って合奏を見ているらしい西ノ宮先生。けど、なんせ距離が遠いし、間に色んな人やらものやらが入るせいで、そこまで拝むことはできなかった。
でも、それでも、今まで部活中にこんなに好きな人と関われたことなんてない。そう思うと今この瞬間がどれだけ幸せか、よく理解できた。
「点呼」
・
・
・
「先生何かありますか」
「西ノ宮先生ありますか?」
いつも通りの点呼。だけどいつもと少し違った中根先生の言葉。
その言葉に、みんな一斉に西ノ宮先生のほうを向く。もちろん私も。
「わあぁ、めっちゃ注目されてる…笑」
いや、そこじゃないって西ノ宮先生。
って多分みんな思ったんだろうね、先輩も、結構笑ってる。
「で!初めて吹奏楽部見させてもらいましたけど…やっぱ、音楽っていいなぁ、と思いました。そして、そう思わせてくれるあなたたちはすごいなぁって。これから先生っていう立場であなたたちと一緒に音楽やれるって思うとすごく楽しみです」
話し終えると律儀に礼をし、中根先生のほうを向くよう促す。最後までやりきる西ノ宮先生すき。
「はい。西ノ宮先生もおっしゃってたけど〜……………」
中根先生の話は相変わらず楽しくないからあんまり頭に入らないんだけど。笑
「ありがとうございましたさようなら」
「「「「さようなら」」」」
「はいさようなら〜」
「さようならぁー」
点呼を終えると私はいつも通り、すぐそこにいる香凜を呼ぶ。
「かーりーーーん!」
「うるさ「かーりーーーん!」
香凜の声の上に何かが被さる。しかも声のもと、私のかなり近く。
何事って振り向くと私の真後ろに西ノ宮先生がいた。
「まねしないでくださいよー」
そういうと西ノ宮先生は嬉しそうに、また「まねしないでくださいよー」って言いながら私の肩に左腕をのせる。
今この瞬間、このジャージの右肩部分は家宝になりました。
でも今日はもうニヤつき飽きたのか、そこまで口角は上がらなくて、ひと安心。それでも多分ちょっとニヤニヤしてるけど。
「松原さんって部活でもこんなにうるさいんだね」
階段を降りながら西ノ宮先生が言った。
「そうなんですよ〜、本当困っちゃう」
しかも返事を香凜に先越された。返答ダメすぎるし。
「いやいやいや、今日はたまたま気分がハイだったっていうか」
「いっつも廊下で『先生〜♡』って言ってくる声と同じだったよ?」
「あー!あの声すごいですよね」
「うん、もーね、呼ばれたこっちが恥ずかしいの!!ね!松原さん」
香凜と西ノ宮先生って、究極のドSコンビじゃん。もう反論する余地もないので認めることにした。ちょっとうるさい自覚あったし。
「はい!松原さくらはうるさいですよすいません♡」
「うわ適当ww」
西ノ宮先生はどこかツボったのか、お腹を抱えて笑い出す。
香凜はというと、それをつまらなそうな薄〜い笑顔で眺めている。
そうこうしている間に昇降口につき、