赤い糸

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1:タピオカパン:2019/07/13(土) 12:47

題名に特に意味はないですはい(☞^o^) ☞

純粋な恋愛小説を書きたいです


レッツラゴー

2:タピオカパン:2019/07/13(土) 13:17

三橋 陽✡*Mitsuhashi Yo*✡
目が大きい。陽キャだけど、チャラチャラした感じではない。
素直で優しいので騙されやすい。
運動神経いい。勉強はまあまあ。
可愛い系イケメンと言われている。モテる。
緩莓の事が気になっている。
小柄。
南島緩莓✲*Minashima Yurume*✲
目が大きくて綺麗。陽キャ。
すごく可愛い。
意外とドS。
運動神経いい。勉強はそこそこ。
モテる。
陽をよくいじる。

3:タピオカパン:2019/07/13(土) 14:33

「みっつーおっはよー」


そう声をかけてきたのは、南島さん。


大きな瞳で見つめてくる。


「み、南島さん、おはよう。」


挨拶を返すと、南島さんはにっこり笑って席についた。


南島さんは俺の後ろの席。


こないだクラス替えがあったばっかりで、席は出席番号順。


『みつはし』と『みなしま』だから。


それで、大体の人には『みっつー』って呼ばれてる。


「今日って漢字テストあるっけ?」


振り向くと、南島さんが首を傾げていた。


「うん。あるよ。一時間目」


「ええっ!?嘘勉強してない!」


「南島さん頭いいじゃん」


「ま、みっつーよりかはね」


「えっ」


「ねえ、勉強教えて?」


首を傾げながら少し微笑んでそう言った。


ずっきゅうううんん!!!


「いえっさー」


「ありがと」


「お前ら仲いいな〜」


俺の隣の席の和田が言った。


っしゃあああ!!


俺ら仲いいんだ!!!←

4:タピオカパン:2019/07/13(土) 14:43

勉強を教えていると、


「みっつー、今度の土曜日空いてる?」


と、榊原結菜に聞かれた。


「いや、ちょっと予定が…」


俺は榊原が苦手だ。


なぜか俺によく話しかけてくるし、チャラいし、うるさいし、口軽いし。


「えー?まじ?じゃあゆる(緩莓)は?」


「土曜日?空いてるよ!」


なぬ!?!?


「じゃあ優太と雛乃と龍輝とうちとゆるで温水プール行かない?」


「えっやったー行く行く!!」


「あ、俺やっぱ行くわ!」←


「オッケーじゃあみっつー追加ね!めっちゃ豪華メンバーじゃん!楽しみ」


「ねー」


南島さんが笑顔で言った。


ていうか温水プールって…


水着じゃん!!水着ぢゃん!!


て・こ・と・は・??


南島さんの水着すがt((アンパーンチ


ゲホゲホめっちゃ楽しみ!!!!←

5:タピオカパン:2019/07/13(土) 15:38

榊原結菜✸*Sakakibara Yuna*✸
チャラい!!見た目もチャラい!!バリバリ陽キャ。
陽キャだけど誰とでも分け隔てなく話すので人気がある。
フレンドリー。いざというとき頼りになる。
緩莓を妹のように可愛がっている。
陽にやたらと話しかける。
運動神経まあまあ。勉強もまあまあ。


小森優太✯*Komori Yuta*✯
犬みたいな顔をしている。イケメン。
照れ屋で分かりやすい。陽キャ。
運動神経がいい。サッカークラブチームに入っている。
勉強はまあまあ。
雛乃と付き合っている。

若尾雛乃⚛*Wakao Hinano*⚛
おしゃれで女子力が高い。陽キャ。
黒縁のメガネをかけている。(コンタクトの時もある。)
優しい。優太と付き合っている。
そのことでイジられることが多い。(優太も)
運動神経そこそこ。勉強は出来る。

大久保龍輝✪*Okubo Ryuki*✪
日焼けした肌が特徴的。
少しハーフっぽくて、モテる。
見た目とは裏腹に、意外と人見知り。
モテる。陽キャの中で一番大人しめ。
優しい。
運動神経いい。勉強はそこそこ。

6:タピオカパン:2019/07/13(土) 16:01


「みっつー!!漢字テスト全部欄埋められたよ!」


一時間目が終わって、南島さんが嬉しそうに報告しに来た。


「おー、すごいね」


「みっつーはどうだった?」


「んー、まあ俺も全部うめられたけど自信ないとこあるわ」


「そっかー。でも、みっつーのおかげだよありがと!!」


あーもう可愛いかよ

7:タピオカパン:2019/07/14(日) 00:01

お弁当タイム。


「三橋〜、今日も一緒に食べようぜ〜」


林がお弁当袋を持ってやってきた。


「おう」


席を立って教室を出ようとすると、


「ちょっと待って!!」


と榊原に呼び止められた。


「なんだよ榊原」


林がそう聞くと、


「みっつーはうちと食べる約束してたから!!」


「は!?」


「えっしてたん!?」


「してないしてない」


「一緒に食べよ!!お願い!」


「じゃあ林も一緒に」


「林は菜月と付き合ってるんだから菜月と一緒に食べなよ♪」


「は!?」


榊原に背中をグイグイ押され強引に教室を出させられた。




「なんで榊原と」


榊原に背中を押され、着いたのは屋上。


「もー、何よ、そんなに私が嫌いなの?」


「うーん…苦手?」


「ひどっ!!」


軽めに殴られた。


「いった」


「ねえ、本題ね。」


「本題って」


「みっつーってさ、好きな人いるでしょ」


「は!?」


「うっわーわっかりやす!!」


「違うって!!」


「別に好きな人がいることは悪いことじゃないじゃん」


「…うんまあ…からかわれるし」


「いるんだ」


頷くと、


「南島」


「!?」


「ゆるでしょ、好きな人って」


「なんで!?!?」


「じゃあゆるのこと好き?嫌い?好きか嫌いか」


「き、嫌いではない…」


「はっきりして!!」


「す、好き…」


「ニヤニヤ」


「ニヤニヤすんなよ!!別に、友達としてだし!!」


「顔真っ赤じゃん」


「そ、そういうお前はどーなんだよ」


「んー?いるよ〜」


「龍輝」


「違う」


「小森」


「違う。ってか付き合ってるし」


「林」


「違うって」


「和田?」


「正直タイプじゃない」


「井ノ原?」


「キモい」


「島岡」


「理解不能」



──数分後。


「…同じクラス?」


「うん」


「え、男子…だよね」


「当たり前じゃん。」


男子で残っているのはあと一人。


俺、だけじゃん……



「……え?」







「俺………!?」

8:タピオカパン:2019/07/14(日) 13:15


「……自意識過剰」


「え!?俺じゃないの」


「…ど・ん・か・ん・!!」


また殴られた。


「いてーなおい」


「いい加減気づきなよ。なんで分かんないの、察してよ」


「え何、好きなの?」


「……好きだよ!ずっと前から!」


榊原の顔は真っ赤だった。


「い、いつから…?」


「小学校の頃からずっと好き!」


「えっ!?」


まさか榊原がこんなに一途だったとは。


「小1で同じクラスになってから優しくされて好きになって中3になってもまだ好きなんだよ?逆に気づかないほうがおかしいよ」


「ごめん…」


「謝んないでよ。…でも…」




「ちょっとは私のことも見てよ」



榊原は寂しそうに笑った。


──初めて見た。こんな表情の榊原。


「…」


「鈍感なのもみっつーのいいとこだよ。…でさ、」


榊原の笑顔が消えた。


「……高校、どこ行く?」


「…碧波かな」


「それって…」



「ゆるが行きたいって言ってたとこ?」


「…」


「前私とゆるが喋ってたの聞いてたんでしょ」


「…うんごめん」


「よっぽどゆるが好きなんだね」


沈黙が訪れる。


「でもまあ、分かるよ。ゆるを好きになる理由」


「…」


「可愛いんだよ、あの子って」




「顔だけじゃなくて、性格も可愛いんだよね。やけに素直だし、優しいし、ちょっと天然だし、」


榊原と目が合う。



「みっつーと似てんだよね」


「えっ」


「ほら、今の表情とかめっちゃ似てる。」


「…」


「お似合い」


榊原はそう言い、手をぱんと合わせた。


「ごちそうさまでした!!」


ハッと我に返る。


「全然食べてねえ!!」


「いただきっ」


「あー!」


卵焼きを食べられた。


「許可もらってねーだろ」


「うんま!!だってそうしないと減らないじゃん。お弁当ボランティア♪」


「なんじゃそりゃ」


「あははっ」


キーンコーンカーンコーン。


「あっやばっチャイム鳴るよ!」


「もう鳴ったよ」


「ごちそうさまでした!!」


「まだ食べ終わってないじゃん」


「後で食べる!!」


俺たちは急いで屋上を出た。

9:タピオカパン:2019/07/14(日) 18:32


「やっほー」


南島さんが眠そうな顔で手を振ってきた。


「やっほー。眠いの?」


そう聞きながら席につく。


「眠いと思う〜?」


「うん」


「ぴんぽーん」


南島さんはそう言って笑った。


え、なに可愛いんだけど((


「次数学だねー」


「うんだるいね」


「数学に必要なのは?」


「えっと…集中力」


「ぶっぶー。筆箱でしたー」


「えっ?」


「ねーところでみっつーさー」


「うむ」


「筆箱は?」


「え、机の上に…ねーじゃーん!!」


「やばいじゃーん」


「どこどこどこ」


「知らん知らん知らん」


「……ねえ和田、俺の筆箱知らない?」


「え、お前の?…あれ、さっき南島が」


「和田ぁ!!空気を読め空気を!」


南島さんがそう言った。


「……南島さん、俺の筆箱返して?w」


「えっ何それ知らない筆箱って何」


「筆を入れる箱。」


「ブフォッ」


隣で和田が噴き出した。


「あぁ〜そ〜なんだ、すごいね」


「…」


俺は仕返しに南島さんの筆箱を取った。


「あ〜!私の筆箱返して」


「あ、いいこと思いついた。数学の時間交換しない?」


「えっ?筆箱を?お互いの」


「うむ」


「さんせーい!!」


「あっ授業始まる」





──数十分後…


なんだこの問題…ムズ…


「ん?なんだこの筆箱。やけに可愛らしいな」


俺の筆箱(南島さんの筆箱)を見た数学の岩井先生に聞かれた。


南島さんの筆箱はあのネズミのキャラクターのデザインだった。(ヒント ハハッ!!)


「いや、これはあの…えっと」


「ごまかさなくてもいいぞ、ギャップ萌えじゃないか」


いや萌えないで…


続いて。


「ん?南島の筆箱はやけにカッコいいじゃないか」


俺の筆箱は黒色に青の文字でアデ◯ダスと書いてあるthe男子って感じ。


「いや、これは机の上に落ちてたので拾いました」


「ブフォフォフォフォwww」


笑いのツボが浅い和田が爆笑した。


クラスのみんなも南島さんの発言に笑いをこらえていた。


『机の上に落ちてた』って何!?


「ゴミ拾いの協力か?嬉しいなあ」





いや俺の筆箱ってゴミ!?!?


ショック!!


いつもは退屈な数学の時間が南島さんと岩井先生のおかげですごく楽しく感じた。


ちゃんちゃん!!


あ、そういえばこのシャーペン(南島さんのシャーペン)めちゃくちゃ書きやすい。


いっつも南島さんが使ってんのか……


すげえ←

10:タピオカパン:2019/07/14(日) 20:57



「なんだ。お前ら筆箱交換してたのか」


数学の授業が終わると、和田がそう言った。


「うん。ていうか和田めっちゃ笑ってたやん」


「だってw机の上に落ちてたってwww」


和田の必殺技。


その名も!!!


『思い出し笑い』←ショボっ!!おもんなっ!!


「ねぇ、これって今日一日中やんの?」


南島さんが聞いてきた。


「じゃあ、そうしよ」


「りょ」


「ねーみっつー」


「何榊原」


「態度急変すな!!」


また殴られた。


「ころす気?」


「まあね!」


「殺人予告したー」


「いやころすとは言ってないし」


「ねえねえ、次の授業学活だってー」


南島さんがそう言った。


「え?そうなの?」


「何すんの学活って」


「しーらねっ」


みんながざわついている。


「転校生でもくんじゃない?」


南島さんがそう言った。


「はーいみんな席につけ〜」


担任の赤坂先生が教室に入ってきた。

11:タピオカパン:2019/07/14(日) 21:04

「転校生を紹介する」


!!!!


みんなが驚いて南島さんの方を一斉に向いた。


南島さんはピースサインをした。


すると、すごく小柄なのが入ってきた。


顔が見えなかったから、男子か女子か分からなかった。


「じゃあ、自己紹介をしてもらおう」


すると、転校生は顔をあげた。


え、どっち?


女子?男子?


「ぼ…僕の名前は源しえるです……これからよろしくお願いします」


男か。


「じゃあ、源の席は出席番号順と考えて、南島の後ろにすっか」


な!!な!?


ナナナナーナナナナー((


先生が机とイスを南島さんの後ろに持ってきた。


え、なんか後ろ一人って寂しくない?


かわいそう


しえるくんが歩いてこっちにやってきた。


あ、俺よりちっちぇー。


っしゃあ!!←


「しえるくんっていうんだ!!いい名前だね!よろしくね!!」


フレンドリーな南島さんが早速しえるくんに話しかけた。


「じゃあ、先生はこのあと出張だから、自習な。あ、教室から出たら違反だぞ。トイレはしょうがないけど。あ、ちなみに帰りは岩井先生が来るから」


「はーい」


そう言い、先生は教室から出ていった。


「席は立っていいんでしょ?」


榊原が言った。


「え?だめじゃない?」


と若尾。


「えーでもさっき先生『教室から出たら』って言ってたよ」


「良くね?」


「はーいスタンドアップ」


和田が立ち上がった。


すると女子のほとんどは立ち上がってしえるくんのもとに集結した。


「ねえねえ、どこから来たの!?」


「兄弟いる?」


「君性別どっち?」


「え、えーっと…」


しえるくんが慌てていると、


「お前ら肉食動物かよ。」


と和田が言った。

12:タピオカパン:2019/07/14(日) 21:05

「じゃあみんなでざっと自己紹介しない?名前だけでいいから覚えてもらお」


という榊原の提案にみんな賛成した。


「じゃ、まずうちから!」


でしゃばり((アンパーンチby榊原結菜 バイバイキーンby俺!!(三橋陽)


「榊原結菜!!気軽に話しかけて!よろしく♪」


「よろしくね」


しえるくんってなんか女子っぽいな〜


「若尾雛乃でーす!吹部です!これからよろしくねー」


「こちらこそ」


「若尾はこいつと付き合ってまーす」


林が小森のことを指差してはやしたてた。←だじゃれだよーん((いやさすがの俺でも笑えないぜby和田


「やめろよ」


「はいはーい!二階堂玲奈って言います!よろしく!」


──女子がどんどん言っていき、女子で残ったのは南島さんだった。


「ゆる言ってない?」


「あ、うん。」


あ、やべ。南島さんめっちゃ可愛いからしえるくんに惚れられてしまったら困る


「南島緩莓って言います!出席番号前後だから色々お世話になると思うからよろしくね!しえるくん!」


うっわあああああああおおおお可愛すぎてほとんどの男子が心の中で雄叫びしてるよ(?)


これワンチャンしえるくん惚れたんじゃね?


いやあんな可愛い笑顔見せられたら確実にキュンとはするよな。


「よ、よろしくです…」


あ、これ確実に惚れたな。


顔真っ赤だし。


「じゃー次は男子」


榊原がそう言った。


「あ、三橋陽です!みんなからはよく『みっつー』とか『三橋』とか呼ばれてるから、好きに呼んで!よろしく!」


「俺は小森優太。サッカーが好きでーすえっとよろしくおなしゃーす」


「和田悟でーす!みんなからは和田って呼ばれてまーすよろしく!」


「林雄大。趣味はゲームとゲームとゲーム。よろしくな」


「俺は井ノ原慶太だ。みんなからはイノッチと呼ばれてるんでよろちくび♡」


「誰もイノッチなんて呼んでないしキモい黙れ」


井ノ原のことが大嫌いな榊原がそうまくし立てた。


「あ、いつものことだから気にしないで」


少しびっくりしているしえるくんに南島さんが優しく声をかけた。

やっぱ南島さんって罪な女だなあ…←

13:タピオカパン:2019/07/14(日) 22:21

和田 悟✫*Wada Satoru*✫
よく笑う。笑いのツボが浅い。
三橋の親友。陽キャと陰キャの間みたいな感じ。
野球部で坊主。
小柄。


林 雄大♤*Hayashi Yudai*♤
いじりもするしいじられもする。陽キャ。
三橋と仲がいい。
菜月と付き合っている。
野球部で、坊主。


小室菜月❇*Komuro Natsuki*❇
優しくて穏やか。陰キャではないが、話すのが苦手。
林に告られ付き合う。
緩莓にあこがれている。


井ノ原慶太⚠*Inohara Keita*⚠
変    態!!!!⚠
可愛い子が大好きらしい…(引)ಠ_ʖಠ
ちょっとナルシ入ってる?
榊原に一回告るが即フラれる。
次は緩莓に告ろうとしてるらしい((タヒね!!by榊原結菜


二階堂玲奈✳*Nikaido Reina*✳
元気すぎてちょっと嫌われている。
決して悪い子ではないが、『明るすぎてウザい』と言われている。
チリチリの天パが特徴的。
イケメン大好き。

14:タピオカパン:2019/07/14(日) 22:59


源しえる♧*Minamoto Sieru*♧
可愛い系男子。子犬みたい。
目が大きくて髪の毛や目が茶色っぽい。
ハーフではない。
中性的な顔をしている。
小柄。
緩莓に惚れたかも?

15:タピオカパン:2019/07/15(月) 13:02

「──よーし帰り学活始めるぞー」


6時間目の学活が終わり、岩井先生が教室に入ってきた。


「ん?もしかして転校生か?」


岩井先生がしえるくんを見て言った。


「え、あ、は、はい」


強面の岩井先生だけど、性格はありえないぐらいいいんだよね。


「源しえるって言うのか。いい名前だな」


そう言い、岩井先生は目元にしわを寄せて笑顔になった。


岩井先生は結構人気なんだよね。


榊原が『岩井先生かっこいい』と言ってたのを思い出した。


「──さようなら〜」


帰り学活が終わり、みんなが教室を出ていく。


俺はサッカー部に入っている。


南島さんは入っていないそうだ。


南島さんは運動神経抜群で歌も上手いし絵も上手いからいろんなところから声をかけられてるみたいだけど、南島さんの家庭は両親が共働きで夜遅くまで働いているため、妹や弟の面倒を見ないといけないらしい。お姉さんは海外に留学しているらしい。


「みっつー部活頑張ってね!じゃーね!」


と南島さんが言った。


「あ、ありがとう。南島さんも妹さんと弟さんのお世話頑張ってね!」


「ラジャー!!」


南島さんはそう言って敬礼をすると、走って教室を出ていった。


あんな可愛い人見たことないよ。


すると、南島さんの後ろ姿を見つめている人がもう一人いた。


しえるくんだ。


しえるくんと目があった。


会釈しようとすると、目をそらされてしまった。


あれ?


しえるくんって人見知りなのかも。


すると、


「みっつー!!」


と榊原が駆け寄ってきた。


「どしたん」


「途中まで一緒に行こ!」


「別にいいけど」


すると、視線を感じ、振り返ると、またしえるくんと目があった。


「あっ!ねえねえしえるくん!」


と、榊原が声をかけた。


しえるくんは一瞬ビクッとした。


「は、はい」

「いーよ、敬語じゃなくて。しえるくんって前の学校では何部入ってたの?」

「えっと、写真部…」

「写真部なんてあったんだ!うちの中学写真部ないんだよな〜」

「そうなんだ…」

「何部入ろうと思ってる?」

「うーん…何も入んないかな…。」

「そうなの?じゃあゆると同じじゃん!」

「ゆる…?」

「あ〜、えっと、しえるくんの前の席の南島緩莓って子だよ。あの可愛い子」


「あ…」


しえるくんはこくこくと頷いた。


「じゃーね!しえるくん!」


「うん。じゃーね」


「じゃーね」


俺もついでに手を振る。


一緒に教室を出ると、


「…みっつー、なんか悩んでるっしょ」

「え?」

「ゆるがしえるくんに取られないか心配なんでしょ?」

「えなんで!?」

「図星かい」

「だって…」


南島さんはフレンドリーだし優しいから誰にでも声かけることは分かってるけど、なんかあの二人が喋ってると…


「嫉妬だな」

「だってしえるくんって可愛い感じじゃん。このクラスの男子とはなんか違う感じだし」

「んー…でもゆるの好みとはちょっとずれてるかな〜」

「そうなの?」

「なんか前ゆるが言ってたのは『同じ背丈の人が好み』って」

「え…」

「ゆると男女別の背の順隣でしょ」

「うん」

「ビンゴじゃん」

「でも」


「大丈夫に決まってんじゃん!!だってゆるとめっちゃ仲良いしよく喋ってるでしょ?しかもみっつー顔良いし性格もいいし」


「仲良い?」


「仲良い」


「よく喋る?」


「よく喋る」


「相性いい?」


「相性抜群!!」


「っしゃあ!!」


「素直w」


そうしていると、下駄箱についた。

16:タピオカパン:2019/07/15(月) 17:40

 

「……え?」


「ん?どしたの?」



俺の下駄箱の中には手紙が入っていた。


「えっ!?何これ!ラブレターじゃない!?」


「そんな典型的な…」


白い封筒に赤いハートのシール。


典型的なラブレターやないかーーーい!!!


「ねね、開けてみなよ」


「なんでここで」


「誰からなのか気になるじゃん?」


「それはそうだけど、なんで榊原も見んだよ」


「別にいいじゃーん」


「じゃあ、誰にも言うなよ」


「えっいいの?」


「…うん」


「やっさしー!!」


背中をばんと叩かれた。


「じゃあ、開けるよ」


封筒を開き、中の便箋を開ける。





「えっ?」


差出人は、なんと隣のクラスの月川心美だった。


「心美ィ!?」


心美は榊原とも比較的仲の良いモテ女だ。


サバサバ系女子。


「まじかよ」


「心美意外に乙女やんw」


「『ずっと前からみっつーの事好きだった。付き合って。あと、好きな人いる?』だって」


「正直に答えたら」


「…うん…」


「結菜ーーー!!」


という声が聞こえた。


ふりかえると、榊原と同じテニス部の照村希空が走ってきた。


「もう部活始まるよ!急がないと」


「えっまじ?じゃーねみっつー」


「じゃーなー」


俺も急がねーと。


月川かー…


厄介だな。


塾の席隣なんだよな〜…



オーマイガー!!/(^o^)\

17:タピオカパン:2019/07/15(月) 21:25

部活帰り。


「三橋って好きな人いんの?」


同じサッカー部の海崎涼介に聞かれた。


「…え!?」


「え?」


「…」


「その反応は、お前いるんだろ」


「お前こそいんじゃん!!有名だし!中内」


「おい」


「すんませーん」


「んーお前の好きな人か…」


「…」


「…日奈?」


「違う」


「友梨奈」


「ちゃうちゃう」


「愛花?」


「違う」




「んー…あっ、緩莓?」


「…違う」


「はいーーーー!!絶対そうーーー!!確定ーー」


「ち、違うって…」


「顔赤いけど、熱?w」


「うん。熱。」


涼介が俺のおでこに手を付けて、


「はい、40度。」


「やばいやんインフルやんw」


「緩莓かぁ…まあ分かる気がする。なんかああいうの好きそう三橋って」


「あ゛あ゛い゛う゛の゛だって?」


「ごめんごめん。なんか、自分と同じくらいの背でモテる感じの」


「…海崎は?中内のどこが好きなん?」


「は!?お前ふざけんじゃねーよ」


「別にふざけてねーし。いたって正常」


「…ころす」


「あ殺害予告した!殺害予告した!」


「お前それ好きだな〜」


「で?どこが!好きなんですか!」


「……優しいとこ」


「言うんっかいっ!!」


「お前それ流行らそうとしてる?絶対流行んないよ」


「いやひどっ!w」


二人でなんだかんだ仲良く帰った。とさ!!

18:タピオカパン:2019/07/15(月) 22:16

月川心美☪*Tsukikawa Kokomi*☪
結菜の親友。結菜と同じでバリバリ陽キャ。
サバサバしていてスポーツが得意。
髪型は肩より少し長めの外ハネ。おでこを出している。
口が悪くて腹黒さ丸出し。
だけど容姿はそこそこいいのでモテてる。←


照村希空☣*Terumura Noa*☣
普通のよくいる明るい女子。ポニーテール。
結菜と同じテニス部。
真面目。


海崎涼介☸*Umizaki Ryosuke*☸
イケメンだが、惚れっぽい。
中内の事が好きという噂は有名。
陽と同じサッカー部。
陽と同じくらいの背。


中内夏葉☘*Nakauchi Natsuha*☘
ショートカットでボーイッシュ。
ソフトボール部。
いつもコンタクトをつけている。
明るい。

19:タピオカパン:2019/07/16(火) 17:13


「ただいまー」


しーん…


お母さんもお父さんも仕事か。


弟は習い事。多分もうすぐ帰ってくると思うけど。


手を洗い、自分の部屋に入る。


すると、スマホが震えた。


お母さんかな。


確認してみると、なんと南島さんからの電話だった。


なっ…なんで!?


震える手で緊張しながら電話に出る。


「も…もしもし」


『もしもしみっつー!?いきなり電話かけてごめんね!忙しいのに…』


「ううん。全然大丈夫」


『ちょっと大変なことがあって!!』


「うんっ」


南島さんは焦っているのか、早口だった。





『Gが出たの!!!』






「…はい?」





『あのね、なぜか私の部屋に、Gが出て!!ほんとに私虫だめだから退治できなくて!それで』


「俺に来てほしい、と」


『…なんで分かったの!?』


「いや話の流れ的に」


『そう…そーゆーことなの!!!あの、今忙しかったらほんとにいいから!ごめんね?こんなこと』


「いーよいーよ。全然大丈夫だし」


『ありがとう!ところで、私ん家分かる?』


「うん。分かる」


南島さんと俺の家は比較的近くて、昔はしょっちゅうお互いの家に遊びに行ったりしてた。俺のお母さんと南島さんのお母さんがめちゃくちゃ仲が良くて、その繋がりでほとんど幼馴染みたいなもんだし。


なのになんで『南島さん』呼びなのかというと、実は俺は昔からずっと『ゆるちゃん』と呼んでて、だけど小6の時に『お前なんで南島のことちゃんづけしてんの』って言われて、『緩莓』って呼ぼうとしたけど勇気でなくて、迷った挙げ句『南島さん』の呼び名に辿り着いたのだ。


『本当にありがとう!気をつけてきてね!』


ゆるちゃんってほんとかわい。←

20:タピオカパン:2019/07/16(火) 21:03

ピンポーン…


南島さんの家のインターホンを押す。


来るの久しぶりだなあ…。


すると、玄関のドアが開いた。


「みっつうううう!!!ありがとおおおお!!!ごめんねえええええ」


「だいじょおおぶうううう」


「入って」


いや切り替えはや。w


南島さんに促され、南島さん家に入る。


「お邪魔しまーす」


なっつかしー!!


昔と変わらず広くて綺麗!!まるで南島さんの心のようだ。←は


「Gが私の部屋にいるのおおお」


ちょっと涙目じゃん。


ここは男を見せねーと!!!


「大丈夫。」


そう言って笑いかけると、南島さんも笑ってくれた。


いや笑顔ハンパないって!!!


南島さんの部屋に入る。


あー…Gは思ったよりちっちゃいな。


南島さんの部屋は広いけど。


ちょうどGの近くには窓があった。


Gが飛ばないようにそーっとほうきで窓の方へ促す。


そして窓を開けて素早くほうきで外に出す!!


飛んでった!!


閉める!!


完了!!


っしゃああ!!


南島さんにいいとこ見せられ…



ぎゅっ








南島さんが俺に抱きついていた。



えっ



えっ!?


ちょっと待って心臓爆発すんだけど



え死ぬ。



死ぬ!!!!





可愛すぎて死ぬ!!!


おれ絶対顔真っ赤じゃん…


「ありがとう…ほんとにありがとう……」


天使ぢゃん。まぢで。((


「お、おう。全然いいよ。そんな怖かったの?」


「うん……ほんと苦手……怖かった」


南島さんは顔をあげた。


「ありがとう」


そして笑った。


これが天使か。



「どういたしまして」


俺は南島さんの頭を撫でた。

21:タピオカパン:2019/07/16(火) 21:05

てゆーか『空綺麗だなー』って思って空見上げてG飛んでたら死ぬよね。

22:タピオカパン:2019/07/17(水) 19:21



「じゃあ、俺はこれで」


「えっ?」


「えっ?」


「…もう帰るの?」


南島さんは俺の手を掴んだ。


途端に体温が上がる。


「えっだって迷惑だし…」


「久しぶりに私んちでご飯食べない?」


「え……いいの?」


「うん!あ、でも…みっつーのお母さんがいいならだけど…」


「今LINEしてみる。」


「うん」




「オッケーだって!」


「よし!あっでも明ちゃんは?」


明(あき)は俺の弟。(小4)


「んー…」


「明ちゃんもうちで一緒に食べようって誘ってみて!」


「うん。じゃあちょっと家戻るわ」



「えっ!!久しぶりにゆるちゃん家でご飯食べんじゃん!行く行く!」


明に事情を説明すると、そう答えた。


「よし、じゃあ行くか」




「やっほー!!ゆるちゃん久しぶり!!」


「わ〜明ちゃん!おっきくなったね〜!久しぶり!」


よしよしと南島さんが明の頭を撫でる。


明になりてえ……。




「「「いっただっきまーす!!」」」


3人で手を合わせ、そういった。


「ごめんね。昨日私が作ったシチューなんかで」


「ううん!めっちゃ上手い!すげーな」


「美味しい!美味しい!ゆるちゃん天才!」


「えへへありがと」


南島さんは嬉しそうに笑った。

23:タピオカパン:2019/07/17(水) 22:38

「ごちそーさまでした!!」


明がぱんっと手を合わせた。


「えっ早!!」


「へっへー。おれいっつも一番に給食食べ終わんの」


明は誇らしげに言った。


「じゃあ俺先帰る!!」


「え、大丈夫?」


「うん!じゃーねゆるちゃん!ごちそーさまでした!美味しかったよ〜」


明は笑顔でそう言うと家を出ていった。



ってか二人きりやん。


えっちょっと待って二人きりやん!!??


二階に繪恋(えれん)ちゃんと遊雨(ゆう)くんいるけど!(緩莓の妹と弟。双子で2歳。)


「…み、南島さん」


「ん?なに?」


「……好きな人いる?」


「……いると思う?」



「え…」



南島さんは首を傾げた。


南島さんは可愛い。すごく可愛い。


そしてモテる。


いる可能性は大だ。


「……いると思う。」


「正解」


「え…いるの…!?」


「うん。いるよ」


「そう…なんだ…。」


「どうしたの?」


「いや…」


俺なはず、ない…か。


「みっつーは?好きな人、いるの?」


「…いると思う?」


「…んー…いる?」


「当たり」


「誰?」


「誰だと思う?」


少しの沈黙が訪れる。


「……結菜?いっつも仲良くしてるよね」


「それはあっちが一方的に」


「…日奈ちゃん?」


なんでみんなそんなに日奈だと言ってくるんだろう。さっき涼介にも言われたし。


「違うけど」


「えーなんか前日奈ちゃんの事好きだったんじゃないの?」


「小5のときほんのちょっとだけね。」


今は…もう他に好きな人がいる。


「ふーん…じゃあ、学年でタイプの女子はいる?」


「え…タイプの女子?」


「性格とか顔も含めて全部」


それはもちろん、




ゆるちゃんだよ。



「じゃあ言いにくかったら、イニシャルでいいから」


「…M・Y」


「え、夕梨?」


「違うよ」


「優樹菜」


「ノー」


「弥生?」


「ううん」


「依ちゃん」


「違う」


「えー??分かんない」


天然やなあ。


「同じクラスのM・Yだよ。分かんない?」


「え、三橋陽?w」


「なわけ無いじゃんww自分とかナルシやんw」


「ん〜?」


「最初の文字がみで最後の文字がめ。もうこれ分かるっしょ」





「え」










「私?」

24:タピオカパン:2019/07/18(木) 07:17

俺はゆっくりと頷いた。



ゆるちゃんは顔を赤くしていた。




「ゆるちゃん」





「うん…」






「頑張ってね」







「───え?」





「好きな人いるんでしょ?応援するよ」





俺は笑顔でそう言い、「ごちそうさまでした」と手を合わせ、「お邪魔しました」と家を出た。





片思いだったのか。





俺の、勘違いだったんだな。

25:タピオカパン:2019/07/18(木) 07:29

──次の日。


「えー今日は席替えをしようと思う。月も変わるのでな」


「よっしゃー!!」


「早くない!?」


喜ぶ人もいれば、嫌がる人もいた。





これで、南島さんとバイバイだな。



いつもだったら、朝すぐに話しかけてくる南島さんも、話しかけてこなくなった。





目があっても、前みたいに微笑んでくれることはなくなった。






───俺たちの関係は、崩れてしまったんだ。


「あーいじゃあくじ引け〜」


言われたとおりくじを引く。


「1」


1かあ。


黒板の先生が書いた座席表に名前を書きに行く。


「みっつー!何番だった?」


榊原だ。


「1。」


「…え、まじ!?うち2番なんだけど!!みっつーの後ろ!」


「おー!」


榊原は嬉しそうに黒板に名前を書きに行った。


「三橋〜!俺7番!!お前の左斜め後ろ!!」


「まじか!!っしゃああ」


和田とぱちんと手を叩く。


6番誰だ?


黒板に書いてあったのは…







井ノ原。



「タヒねタヒねタヒねタヒねタヒねタヒねタヒねキモいキモいキモいキモい」



井ノ原大嫌いな榊原が机に顔を突っ伏して呪文のように唱えた。

26:タピオカパン:2019/07/18(木) 07:33

南島さんは、8番だった。


和田の後ろの席だ。


「ゆるううううう!!最強の癒やし来たあああっ!!!」


榊原がばりくそ喜んでいた。


「結菜〜!」


「おう、南島!俺の後ろか。よろしくな」


「うん!よろしくねー」


俺は南島さんと目が合う前に顔を背けた。













やっぱ、告白しなければよかったな。

27:タピオカパン:2019/07/18(木) 15:47



「なんかあった?」


と、休み時間に榊原に話しかけられた。


「…別に」


「うっそだー。じゃあ今日ゆると喋った?」


「…喋ってない」


「ねえ、やっぱり二人なんかあったでしょ。私分かるんだからね」


「………告った」


「えなに?ごめん聞こえなかった」


「告った」


「………え?」


「けど…」


「ねえ、みっつー誤解してるんじゃない?ゆるは…」


そこまで言って榊原は口をつぐんだ。


「…なんでもない」


「…そう」


「あっ、だけどこれだけは言わせて」


「なに?」






「もっと笑ってよ」


榊原は寂しそうな顔でそう言った。


「あと、ゆるの話、ちゃんと聞けば分かるから…じゃあ」


榊原はそう言って去っていった。





ちゃんと聞けば分かる…か。


でも確かに、あのとき南島さんはまだ何か言いたそうだった。


それを俺は誤解して……





しっかり、話そう。

28:タピオカパン:2019/07/18(木) 18:26

キーンコーンカーンコーン。


昼だ。


弁当だ。


「みっつー」


榊原に肩を叩かれた。


「ゆると一緒に食べなよ」


「なんで」


「お願い」


「なんで」






「私は二人に笑っててほしいの」




──驚いた。


榊原は、チャラくて、人のことなんて全然考えないやつだと思っていた。


「でも…」


「私がゆるを上手く誘ってあげるから。」


「うん…」


「分かった。最初はゆると私とみっつーで食べて、途中で私は上手く抜けて、二人きりにさせるから。」


「う、うん…」


「ゆる〜!」


「ん?」


「屋上でさ、私とゆるとみっつーの3人で食べない!?」


「うん。いいよ」


榊原はちらりとこっちを向いてウィンクをした。






「ごめん、私委員会の仕事思い出したから、行くね!ほんとごめん」


「そうなの?そっか。頑張ってね!いってらっしゃい!」


「うん。じゃーね!」


そう言い、榊原は屋上を出ていった。


沈黙が訪れる。


「…あのさ」


とりあえず、昨日のことを謝ろうと思った。


「昨日は、ごめん」


南島さんは首を振った。


「なんで謝るの?悪いのは私の方なのに」


南島さんは箸を置いた。


「はっきり言わなくて、ごめんね」


「え……?」










「私…っ…」







「みっつーが好き!!ずっとずっと前から!!」


南島さんは大きな瞳から綺麗な涙を流した。

29:タピオカパン:2019/07/18(木) 18:32









「ま、まさか…ゆるちゃんまで…っ」




俺は高鳴る鼓動を抑えきれなかった。



「両思いだね」


ゆるちゃんは濡れた瞳で俺を見つめた。


「……俺さ、実は…その…両思いだとしても……」



「「いつも通りに過ごしたい」」







「あと、これから、緩莓って呼んでよ」


「…いいの?」


「むしろ呼んでよ!」


「じゃあ…俺のことは…」


「『みっちゃん』って呼びたいな」


「…なんか可愛いね」


「でしょー?」


「いいね、みっちゃんって」


「改めてよろしく、みっちゃん!」


「こっちこそよろしく。ゆ…緩莓」


「よくできました〜!」


もう、『南島さん』呼びとはお別れだ。

30:タピオカパン:2019/07/18(木) 19:37

「やっほー!」


「やっほーみなしまさ…緩莓」


「まだ慣れないの〜?みっちゃん」


「そ…そりゃあ」


今日はまちに待った土曜日。


みんなでプールに行く日。


「みんなまだ来ないね〜」


「ね」


今、待ち合わせ場所の桜山公園で待っている途中。


「ねえ、写真撮らない?」


緩莓がスマホを取り出した。


「え…いいの?」


「もちろん!撮りたいから言ってるんだもん」


緩莓は慣れた手付きでカメラを横にした。


「はい、ちーず」


パシャッ


撮れたものを見せてもらう。


え…っ待って緩莓元からめっちゃ可愛いからもっと可愛くなってる。神じゃん。


それに比べて俺は…


「みっちゃんめっちゃ可愛い!!」


「かっかわいい!?」


「あっごめん嫌だった?そ、そうだよね男子なのに可愛いって、ごめんね!カッコいいよ!」


焦って謝ってくる緩莓。


めっちゃ可愛いわ〜。


「私これLINEのアイコンにしようかな」


「えっ!?」


「うそうそ。」


「ゆるーーーっ!!みっつーーーー!!」


という元気な声が聞こえてきた。


「結菜〜」


「おー榊原」


「まだ二人しかいなかったんだ」


「うん。あっそうだ結菜、写真撮る?」


「うん!撮ろ撮ろ!!」


パシャッ


女子って写真撮るの好きだなー。


「やっほ〜」


若尾と小森もやってきた。


「一緒に来たのかな〜?ニヤニヤ」


榊原が茶化した。


「あっ大久保も来たよ!」


緩莓が言った。


「ごめーん」


「よし!全員揃ったね!じゃあ行こう!」


榊原が先頭を切って歩き出した。

31:タピオカパン:2019/07/20(土) 07:04

電車にて。


榊原と若尾はスマホばっかりいじっている。


男子3人は、話をしていた。



「おい、なんかあの男の子南島のことめっちゃ見てね?」


と小森が指差して言った。


小森が指差したのは、中1ぐらいで、メガネをかけたどこにでもいそうな男子だった。


「たしかに…」


その男子は緩莓のことをちらちら見ていた。


緩莓はその男子に気づいてないようで、俺達が話していることに「どうしたの?」と尋ねてきた。


「いや…」


可愛いからかな。


緩莓は普通の人と比べるとすごく可愛い。


電車の中でもひときわ目立っている。


すると、緩莓の向かいに座ってた男子はバックをガサゴソと探り始めた。


すると、バックの中に入っていたプリントがバサバサっと落ちた。


「大丈夫?」


緩莓の方にもプリントが落ちていて、緩莓はプリントを拾って男子に手渡した。


「あ……ありがとうございます」


俺は気づいた。


こいつ、緩莓のスカート覗いてねえか?


緩莓はチェックのスカートを履いていた。


男子は確実に緩莓のスカートを覗いている。


普通だったらそんなに拾うの遅くねーし。


「おい」


俺は男子に声をかけた。


「はっ…はい」


男子はビクッとした。


「ど、どうしたのみっちゃん……」


緩莓はびっくりしていた。


「…なんでもない」


すると、男子は空いていた緩莓の隣の席に腰をおろした。


は?

32:タピオカパン:2019/07/20(土) 07:15

そのことに俺はイライラしていた。


またなんかするつもりかよ。


一目惚れにもほどがあるわ。



そして数分後。


緩莓が俺の手をぎゅっと握ってきた。


「みっちゃん…」


緩莓は震えた小さい声でいった。


「どうし…」


「触ってくる……」


「え?」


すると、男子は緩莓の手を握っていた。


いやきもすぎくん。


「交換するか。」


「うん…」


俺たちは席を交換した。


「ねえ君。何歳?」


俺はできるだけ優しいお兄さんを装ってそう訊いた。


「じゅ…13…です」


13。ってことは中1か中2か。


「やめようか。」


そう言うと、男子は俺のことを睨んできた。


「…あの人のなんなんですか」


「は?」


「あの…女の人と、どういう関係なんですか」


緩莓のことか。




「緩莓は俺の彼女。」




「──え?」


「だーかーら、カレカノ。」


「そ…そうですか」


そう言うと、男子は止まった駅で降りていった。


「みっちゃん…ありがとう」


カレカノって言っちゃったぢゃん。

33:タピオカパン◆VU:2019/07/21(日) 11:15

プールに着き、俺たちは更衣室に入った。


「お前南島のこと好きだろ」


いきなり小森に指摘された。


「…なんで?」


「さっき電車で南島のこと守ってたじゃんか」


「いやそれは普通でしょ」


「嘘付け」


「は?」


「俺先行ってるね〜…」


水着に着替え終わった大久保が更衣室を出ようとした。


「おい逃げるな」


「お前榊原だろ?」


「いや大久保龍輝ですけど」


「榊原龍輝」


「人の名前で遊ぶなコウモリ。」


「は!?」


俺は無言で更衣室を出た。


すると、女子たちもちょうど更衣室から出てきた。


「やっほー」


榊原が元気よく手を振ってきた。


「おう」


「あれ?小森と龍輝は?」


「まだ着替え中」


「そ。」


すると、榊原が小声で、


「ゆるの水着姿、どお?」


と言ってきた。


「はあ!?」


「あらあら顔真っ赤にしちゃって」


〜っ!!

34:タピオカパン◆VU:2019/07/21(日) 20:27

「んじゃ、ウチラは先ウォータースライダーやってくるから!」


そう言い、女子3人はウォータースライダーのところへと向かっていった。


「俺たちはじゃあ…」


「流れるプールでいっか。」


「…おう」


俺たちは流れるプールへと向かった。


「そんなに人は多くないみたいだね」


「まあ確かに、まだ暑くはないし」


水へと足を入れる。


「どう?」


「普通」




ドン


「あっすみません」


流れるプールでエンジョイしていると、大久保が人にぶつかった。


「ご、ごめんなさい」


「…あれ?」


大久保が思い出したように言った。


「なに?知り合い?」


小森と首を傾げていると、


「希じゃん」


「えっもしかして龍輝!?」


感動の再会的な??


「小学校のときの同級生とか」


「ああ」


「あ、えっと小学校のときの同級生。」


いやいいですー。紹介とかいいですー。


「園崎希です!」


自己紹介とかいいですー。


「どもー」


小森が軽いノリで会釈をした。


「俺の友達の小森と三橋。あ、そういえば希って誰と来てたの?」


「ん?えっとねー、あの二人!」


園崎さんが指差したのは、女子二人だった。


大久保絶対ホッとしてるやろ。男子じゃなくてよかったって思っとるんやろ。


ばーかばーか!((謎))


「えっ、龍輝じゃん!」


「え〜っ!おひさ〜!」


大久保って小学校でもモテてたんかなあ


「おー」


大久保が女子に囲まれている。



俺たちはなにを見せられているのだろう。。。


「あれっ?龍輝の友達?」


ショートカットの女子が俺らを見て言った。


「うん。そう。右が小森で左が三橋。」


「へぇ〜っ!そうなんだぁ!私は野々原愛で〜す!よろしく!」


なにこいつ…明るすぎて引くわ…しかも中学生でツインテとか。


冗談は顔だけにし と け よ って!ホンネージャーン!!((


「宇佐美香帆です。はじめまして。」


だよね。普通初対面なら敬語だよね。


ツインテ女やばいじゃん。


すると、大久保と園崎さんが歩いて行ってしまった。


はあ!?(#^ω^)


友達優先だろ。ってか俺達と遊びに来てたのに。


感動の再会だとしてもさあ…


「あ〜あ、希と龍輝いっちゃったあ…じゃ、私達で回ろっか♡」


うわ、語尾にハートつけんなし。


あのさあ…






大久保!お前なんとかしろよ!!

35:タピオカパン◆VU:2019/07/22(月) 11:59

さっきからさ…



野々原ってやつにめっちゃくっつかれてんだけど…


井ノ原と名字にてるしめんどくさい性格も似てるし…


最悪。


「ねぇ、彼女いるの?」


実際に上目遣いで聞いてくる人っているんだ。


「いないけど」


「じゃ、好きな人は?」


「…いない」


「ほんとに?」


「逆にそれ知ってどーすんの」


「んー、とりあえず知りたい♡」


「俺のこと知ってもつまんないと思うけど」


「そうかな?私はぜーんぜんそんなこと思わなーい」


うるせえ。


一方、小森は宇佐美さんに話しかけられていた。


小森イケメンだもんなー。


まあ、彼女いるけど…


大久保は園崎さんとどっか行った。


せっかく緩莓たちと来たのに…




大久保、後で覚えとけよ。

36:タピオカパン◆VU:2019/07/22(月) 12:03


「ヒャッホーーー!!」


一方女子3人は、ウォータースライダーを楽しんでいた。


滑り台?の幅が広いから、5人ぐらい一気に滑れる。


「ねね、じゃあ次はなんか叫ぼうよ」


結菜がそう提案した。


「いいね!どうする?」


「んー…じゃあ、好きな人の名前を叫ぶ!!」


「「ええええ!?」」←緩莓と雛乃


「じゃ、決まりね☆行くよっ!!」


「う…」

37:タピオカパン◆VU:2019/07/22(月) 12:06


「みっちゃーん!!」


…ん?


今呼ばれたような気が…


誰だ?


でも、俺のことをああ呼ぶ人はただ一人。



緩莓?


「こもーーーーっ」


続いて、そう聞こえてきた。


小森の事そう呼ぶのって…


若尾だな。


え、なんだ?


どしたん?


「ねえ、どしたの」


「おれ、ちょっと行ってくるわ。小森。行こ」


「おー」


「えっ?ちょ…」

38:タピオカパン◆VU:2019/07/22(月) 14:31

ウォータースライダーのところまで行くと、


「「あ…」」


緩莓と若尾が俺たちに気づいて、顔を赤くした。


「ど、どどどど」


「ねえ、さっきなんか叫んだ?」


「えっ、え!?何も!?」


わかりやすい…


「ほっ、ほんとに何も叫んでないから!!」


すると、


「あーっ♡三橋くん、こんなとこにいたー♡」


野々原と宇佐美が歩いてきた。


「え…?誰?」


若尾が首を傾げた。


「あれ?誰?あなたたち」


「クラスメートですけど…」


緩莓がそう答える。


「…ふーん…?」


謎の気まずい空気になる。


「ちょ、ちょっと愛!ごめんなさい。私たち大久保の小学校のときの同級生なの」


「そうなんだ。私は南島緩莓っていいます。」


そう言って緩莓は笑顔を見せた。


この笑顔に惹かれたんだよなあ…


「若尾雛乃でーす」


「私は宇佐美香帆です。」


謎なんだけど。((


すると、


「あれ?榊原は?」


と小森が言った。


「自販機のとこ行くって言ってた」




「ねえ、」


野々原がゆっくりと近づいてきた。


「私のこと、好き?」





「──え」


そう声を発したのは、緩莓だった。


すると、


「はいはいはい!!」


ドンっ


いきなり榊原が出てきて、野々原を滑り台へと落とした。


「!?」


「もう、うちら帰ろ!!」


「は?」


「え?」


「なんで?」


「いいから!!大久保は置いてこ!」


榊原は怒っているみたいだった。


っていうか、俺流れるプールしか入ってないんだけど…





悲っ!!

39:タピオカパン◆VU:2019/07/22(月) 14:45

帰り。


大久保抜きのメンバーで電車に揺られている。


「…」


みんなずっと無言。


榊原…


嫉妬してんじゃね?


榊原も多分大久保が好きで、大久保が園崎さんと一緒にいるのを見てさ…



ってか榊原って、こないだおれに告ってきたよな?


冷めんの早くね?


「大久保、帰ってこれっかな…」


大久保は意外と方向音痴だから。


「知らんわ。」


榊原…


「それよりさー」


小森が口を開いた。


「あの野々原ってやつやべーよな」


「それな」


「あの子野々原さんって言うんだ…」


「結構ぶっ飛んでるよねw」





「南島さん」


ん?


「あっしえるくん!」


塾帰りなのか、しえるくんが乗車してきた。


「やっほーしえるくん」


榊原が表情をころっと変えた。


「南島さん、髪の毛濡れてるね。どうしたの?」


「プール帰りだよ」


「あ、そーなんだ」


しえるくんが俺たちを見て言った。

40:タピオカパン◆VU:2019/07/22(月) 22:02



「おい三橋…なんで昨日置いてったんだよ」


「榊原に聞けよ」


「はぁ!?なんでわざわざ…」


「あーんたがいちゃついてるからでしょー」


榊原が大久保を小突いた。


「いた」


「結局あのあとどうなったの?」


「え?どうなったのって?」


「園崎さんだっけ?とさー」


「別に。」


「お前いい加減気づけよー」


「はぁ」



「しえるくんおはよ!!」


そう、教室に入ってきたしえるくんに向かって元気よく挨拶をするのは、二階堂だ。


めちゃめちゃしえるくんに話しかけているから、しえるくんのことを狙っているのではないかと噂されているようだ。


「おはよう」


一方、シャイなしえるくんは、小さく手を振るだけであった。


そっかー。


席替えしたのか。


「ねえ聞いて!」


二階堂が大きな声で言ったため、みんなが二階堂に注目した。


「日奈ちゃん、宮路のこと好きなんだって!」


沖田日奈(おきたひな)は、結構人気のある女子で、一年に一回は何かと話題になる人物。


その日奈が、あのめちゃくそ自由人の宮路を好きなのかー。


そりゃあ噂になるわな。


「いやそれ言っていいの?」


と榊原。


「えっでも別によくない?」


すると、丁度宮路が教室に入ってきた。


「宮路!お前…」


和田が早速そのことを伝えようとした。


「和田」


榊原が強めの口調で和田を止めた。


「お前たちなにを企んどるんだ」


宮路は独特のゆっくりとした喋り方でそう言った。


「失礼しまー…」


「あっ!!日奈!」


「おおおお!!」


「えっ!!何!?」


沖田は普通に用があってここに来ただけなのに…


なんかめんどくせえな。


榊原はため息をついて呆れていた。

41:タピオカパン◆VU:2019/07/23(火) 17:08


──休み時間。


俺は和田と平和に話していた。


今日の休み時間も平和に終わると思った。




ところが…



「まじで玲奈KYじゃん。日奈の好きな人言いふらすとか。口ゆるすぎ」


「ほんと。日奈も宮路もかわいそう」



二階堂がいないこの教室では、さっきの二階堂の発言に不満を持ったやつらが二階堂に対しての愚痴を言っていた。


うわ…空気わる…



宮路も丁度いないため、みんな言いたい放題だ。


「まじあいつ調子乗りすぎ。ウザいわ」


の船木が吐き捨てるように言った。


「のの言い過ぎでしょ」


茜が言った。


「は?そういう茜だって玲奈のこと不満に思ってんじゃないの」


「だとしてもさあ」


「なによ。日奈よりも玲奈のほうが好きなわけ?ありえなすぎて笑う」


「そういうわけじゃないよ!」


「じゃあ何?」


「もし玲奈のこと不満に思ったとしても、それは流石に言いすぎなんじゃないかなって…」


「ないわーwなにいいこぶってんのw必死すぎてウケる」


「…っ…!」


茜は傷ついたような顔をして俯いた。


すると、茜と仲のいい清水が、茜の肩に手を置いた。


「言いすぎ」


「は…はあ?あんた茜のこと好きなの?」


「今はそういうの関係ないでしょ」


清水は表情を変えず冷静に淡々と答える。


対しての船木はかなりお怒りのようだ。


「もう、みんなバカ。ほんっとに馬鹿じゃないの」


船木はそう叫んだ。



「そうだねえ!!」


静まり返った教室に、その声が響いた。


そう言ったのは榊原だった…



「ほんとバカ。まじで」


「ほんとよね?良かったわ結菜に分かってもらえて…」


榊原は船木の言葉を遮るように言った。


「は?あんたのことに決まってんじゃん」



「……は!?」


「小さい出来事でグチグチ言ってんじゃねーよ」


榊原はそう言って机をばんと叩いた。


ビクッ


この教室にいるほとんどの生徒がびくっと肩を震わせた。


「そんなことでしかこの学校生活を充実させることができないの?ずっと人の悪口言ってるけど」


榊原は船木をキッと睨んだ。


「いい加減やめよう」


榊原は静かにそう告げた。


「なんで…」


「人間なんだから、これくらい分かるよね?」


榊原はニコッと笑った。


でも、目は笑っていなかった。


「…うん」


船木がそう言うと、榊原は無言で教室を出ていった。


こ、こえーわ…

42:タピオカパン◆VU:2019/07/23(火) 17:27

沖田日奈✾*Okita Hina*✾
人気者。恋愛のことなどでよく話題になる人物。
三橋の以前の想い人。宮路のことが好きだという噂が流れている。

宮路広規❖*Miyaji Koki*❖
おおらかで自由人。
いつも笑っている。

船木のの✺*Funaki Nono*✺
自分勝手で、気が強い。
人の悪口をほとんど毎日言っている。

渋谷 茜✵*Shibuya Akane*✵
素直で純粋。
タレ目気味の大きな瞳が印象的。
普通に可愛い。蒼とよく一緒にいる。幼馴染み。

清水 蒼✜*Shimizu Aoi*✜
クールでポーカーフェイス。
普通にイケメン。目が綺麗。
ドジな茜をそばで支えている。
あまり表情を変えないが、茜の笑顔には弱い。←

43:タピオカパン◆VU:2019/07/24(水) 21:23


3時間目の授業が始まった。


家庭科か…


今日は調理実習などもないので、教室での授業だった。


先生変わってめっちゃ退屈なんだよなあ…


新学期に先生が変わって、体の大きいやまんばみたいな先生になった。


言ってることがよく分かんないし授業もつまんない。


一番退屈な授業。


みんなぼーっと窓の外を見てたり、寝てたり、落書きしたり、こっそりメモでやり取りしている人もいる。


すると、肩をトントンと叩かれた。


「はい」


榊原にメモを渡された。


「書き終わったら井ノ原に渡して」


「りょ」


なんだろう、と思いメモを開く。


三橋の列と井ノ原の列のみんなで穂村先生のあだ名考えようぜ 礼央

いいね。賛成。 颯太

みんなどんどん書いてって 大翔

じゃあまず私ね。やまんば 結菜


という内容だった。


何考えてんだこいつら…w


俺はビッグヘッドと書いておいた。


先生にバレないように井ノ原にメモを渡す。


「書いたら和田に渡して」


「生類わかりみの令」


「はいはい」


井ノ原がメモを書き、和田にメモを渡した。


すると、しばらくしてから和田が静かに笑いをもらしはじめた。


やめろ和田!!


こっちもつられて笑いそうになってきた。


和田が緩莓に渡した。


すると、しばらくしてから、緩莓も笑い始めた。


「南島さん、和田さん、何笑ってるんですか」


「「えっ」」


「廊下に立たせますよ」


ドラ◯もんかよ。


「ご、ごめんなさい」


緩莓が慌てて謝った。


「すいません」


和田も謝った。






二人とも誤ってるときもちょっと笑ってたけど。


「もう、気をつけるのよ」


授業がまた再開して、メモが一周してきた。


読み返す。


じゃあ私からね。やまんば 結菜

ビックヘッド 三橋

なまごみのかたまり 井ノ原

フランシスコ・デブエル 和田

ボウリングの球とか ゆるめ

ラグビーボール 篠塚

パグ 宮路

www湯婆婆 礼央


などなど。


みんなヤバすぎだろw先生に謝れw(俺もだけど)


あれ?俺たち省かれt一生懸命書いたのn((by颯太&大翔 

44:タピオカパン◆VU:2019/07/25(木) 08:29


「お前らなんで笑ってたん?」


授業が終わってから、和田と緩莓が色んな人に話しかけられていた。


「これ」


礼央がメモを見せる。


「なんだよこれwww」


「みんな馬鹿すぎんだろw」


「あ?」


『馬鹿』と言った裕也に対して榊原が笑顔でそう言った。


「ごめんなサイヤ人」


「おもんな」


「…」


「緩莓ボウリングの球とかwww」


「だって他に思いつかなかったんだもん!!」


「地味に失礼w」


どっと笑いが起こる。


「茜。髪の毛乱れてるよ」


「えっほんと?もー、蒼は男子のくせに私より女子力高いじゃん」


茜と蒼のやり取りを見た人たちが、


「リア充爆発しろ」


「ミサイル打ちてー。」


「あの二人なんかむかつくわあ」


と次々に言った。


「名前も地味に似てるしお似合いだよね」


と超絶美人で比較的無口でクールな瑠樺が言った。


みんな口をつぐんで瑠樺を見る。


いやーほんとに顔整ってんな。


多分みんなそう思ってる。


「だよね〜。確かに名前似てるし」


彩乃もニコニコしながら言った。


彩乃は小柄で、栗色のボブヘアに大きなタレ目がちの目が特徴的な可愛い系女子。


緩莓とはまたちがう可愛さ、と言われてるっぽい。


「茜がボケで蒼がツッコミ、的な?w」


緩莓も言った。


いや2-1の三代美人が揃ってる!!


っていうかそもそもブサイクな人いねえわ。←


「蒼ってさ…なんか、男子なのに、可愛いよな」


そう大翔がつぶやいた。


「え大翔キモっ」


周りにいたほとんどの人がドン引きした。

45:タピオカパン◆VU:2019/07/25(木) 15:26

緩莓side*❁


4時間目は、理科。


今日は実験をするらしい。


「ゆる、行こ」


「うん」


結菜と教室を出る。


すると、


「おい、緩莓!」


びくっ


大きな声で呼ばれた。


「…なに」


私が一番嫌っている男子、内田晴哉だった。


「ちょっとうっちー、私のゆるに何の用?」


結菜が言った。


「お前、俺のLINEブロックしてるだろ」


「だってうるさいんだもん」


「はあ!?」


「とにかく、私達移動教室だから。じゃーね」


不満そうな晴哉を置いて、私はスタスタと歩いた。


「ねえ、うっちーってめっちゃゆるに話しかけてくるよね〜。ゆるのこと好きなんじゃない?」


「それはないでしょ」


学年で晴哉のことを「うっちー」と呼んでいない女子は私だけらしい。


晴哉ってなんかいっつも喧嘩腰?っていうか…


怒ってるみたいなんだよねー。


「っていうか、今日実験だよね。急ごっか」


「うん」


そう言って私たちは急いで階段を降りた。

46:タピオカパン◆VU:2019/07/25(木) 23:00

理科の班は、こないだ席替えをした。


私は、茜と蒼と小森と一緒になった。


茜とは結構仲がいいほうだから嬉しい。


それにしても茜と蒼ってすっごい縁あるなあ…


いいなあ…


!?


い、いいなあ!?な、なんで!?


もしかして私もみっちゃんと一緒の班になれたらよかったなあなんて思ったの!?


「ゆる…?」


「あっなんでもない!ほら、理科室だ〜」


「(明らかにおかしいw)」


理科室に入ると、みっちゃんと目が合った。


とたんにどきんと胸が跳ねる。


みっちゃんは照れながらも少しだけ笑ってくれた。


それがものすごく嬉しくて、思わずニヤけてしまった。




「──はい、では今日は酸素と銀の化合を行います。手順はこの間説明しましたね。じゃあ、開始」


みんな必要な器具を用意する。


ガスバーナーなどを準備する。


「えっと…あとなんか必要なのあったっけ?」


茜が言うと、


「マッチね」


と蒼が即答した。


…蒼茜のこと好きやろーーー


「じゃあ、火つけよ」


小森がそう言うと、茜が元気よく、


「私火つけたいー!」


「危ないよ。火事になる」


「なっ!?」


しょんぼりしている茜を見て蒼が少し笑った。


珍しいなー。


蒼が笑うのって茜に関してのことだけな気がする。


「じゃ、俺と一緒にやる?」


蒼は真顔で言った。


「「え」」


私と小森は思わず声を出してしまった。


「はい、マッチ持って」


マッチを持った茜の手を蒼が握って、手を誘導した。


シュッ


「おお〜!ついた!」


茜ははしゃいでいた。


すると、


ぱりんっ!!


ガラスの割れる音がして、見ると彩乃が怪我をしていた。


手からは血が。


「大丈夫!?」


みっちゃんがポケットからティッシュを出して彩乃の手を押さえていた。


ズキッ


……あれ?


なんか…


胸が痛いなあ。


「角!保健室行こうか。三橋、ありがとな」


そういう先生の声が、遠く聞こえた。

47:タピオカパン◆VU:2019/07/25(木) 23:09

ののが落としてしまった試験管が割れて彩乃が怪我をしたらしい。


みっちゃんは優しいから、彩乃のことをすごく心配していた。


それが、私にはすごく辛くて…


授業が終わるまで、ずっと下唇を噛み締めていた。


授業が終わると同時に、彩乃が保健室から戻ってきた。


「彩乃っ!!ほんとごめん…っ」


「ううん!気にしないで」


ののは責任を感じているみたいで、少し涙目になっていた。


「彩乃、大丈夫?」


そう、みっちゃんが発した。


その一言だけなのに。


みっちゃんが彩乃を心配していることに対して私は何を考えているんだ?


みっちゃんは、私だけのものだなんて思ってるの?


私は辛くて走って理科室を出た。

48:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 08:00


「ゆる、今日は私とゆるとみっつーでおべんと…」


結菜がそう言いかけたとき、


「緩莓!!」


と、大きな声で呼ばれた。


見ると、思った通りドアのところには晴哉が立っていた。


「俺と一緒にご飯食べよーぜ!!」


…は?


なんで晴哉と??


しかも二人で?


「あ、ごめn」


「多目的な!分かったか絶対来いよ」


……いやいやいや


しかも人気の少ない多目的室で?


「ゆる…どすんの?w」


「笑わないでぇ…」


ちらりとみっちゃんを見てみる。


みっちゃんは和田と楽しそうに話をしていて、私のことなんかちっとも気にしていないようだった。


…私達って、本当に両思いなの…?


「ゆる!」


「はいぃ!!」


いきなり結菜に大声で呼ばれ、思わず背筋が伸びた。


「行ってこい!」


「ええええ!?やだよ!なんで!?」


「…実を言うと、みっつーの反応が気になる」


「…!?」


「じゃあ、行ってら!」


結菜に背中を押され、教室を出た。


ねえ、何…?


『お前は嫌いだ』とか言われそうなんだけど…


そう思いながら、多目的室のドアを開けた。

49:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 11:08


「よお」


ドアを開けると、晴哉が席に座っていた。


私はそこから少し離れた所に座る。


…やばい


二人きりとか…


好きではないけど緊張する…


「俺の向かいに座れよ」


「え…」


晴哉は自分が座っている席の前の席を指差した。


渋々その席に座る。


「なんで私と」


晴哉はそっぽを向いた。


あんたがここに座れって言ったくせに…


わざわざ2年の教室から少し離れた多目的室なんかに呼び出して。


「…好きなやつ誰?」


「…は?」


「いるんだろ。そんくらい分かんだよ」


「…いないよ」


咄嗟に嘘をついてしまった。


でもいいや。


「いるくせに。じゃあお前一番仲いい男子誰?」



そんなのみっちゃんに決まってる。


だけど、私はそれを素直に口にできなかった。


「陽だろ」


「…へ?」


…なんで分かるの?


「知ってんだよ。お前が陽と仲が良いってことぐらい」


「ま、あいついいやつだし。」


「…晴哉は、好きな人いないn」


そう言いかけたとき、晴哉が突然立ち上がり、私の手を引いて壁際に追いやった。


「晴哉っ…!?」


すぐ近くには晴哉の顔があって、背けるしかなかった。


「お前、自覚ないのかよ」


「え?」


「ほんとに気づかないか?」


「…わかんない」





「俺お前のこと好きなんだよ!!」






晴哉の声が教室に響き渡った。


私は呆気に取られるしかなかった。

50:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 11:10

>>44 学年間違えた…3−1です(。・ω・。)ノ
    まあ見てくれてる人いないっぽいし言ってもいみないけど

51:いちごみるく:2019/07/26(金) 21:26

「す…」


好きだなんて…


私に接するときはなんか不機嫌な感じだったから、てっきり私のことなんか嫌いなんだと思ってた。



その晴哉が。


私はなんて答えていいのか分からなくて。


「ごめん…」


私はまだ開けていないお弁当箱を持って教室を出た。


「おい…待てよ!」


晴哉に追いつかれないように走った。


私は誰もいない廊下でうずくまった。





私…













最低だ……

52:いちごみるく:2019/07/26(金) 21:27

ごめんねえ♥前からこんな小説なくなればいいのにって思ってたんだあ

53:いちごみるく:2019/07/26(金) 21:28

なのに私はこんなにまともな小説書いてあげたんだよお?偉くない?ʬʬ

54:いちごみるく:2019/07/26(金) 21:32

あなたもうこんな小説かくのやめたら?wwwwwwww

55:いちごみるく:2019/07/26(金) 21:34

まあ私もずっと読んであげてたから♪この話には詳しいお だから>>51みたいなの書けたんだよ?感謝ぷりーず?ゎら

56:威風◆Ok:2019/07/26(金) 21:36

いちごみるくさん

そういうことはやめましょう。タピオカパンさんに失礼ですよ。
こんな小説なくなってほしいってよく言えますね。

57:いちごみるく:2019/07/26(金) 21:49

>>56 逆にこの小説好きなんですか?

58:威風◆Ok:2019/07/26(金) 21:52

>>57 あまり読んだことはありませんが、タピオカパンさんに失礼なことは言うのをやめましょう。

59:いちごみるく:2019/07/26(金) 22:01

>>58 ブフォʬʬ読んだことないんかよʬ ほらね、人気ないじゃんʬ

60:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 22:03

あ…  いちごみるくさん、そうですよね。こんな小説…つまんないですよね。…ごめんなさい、こんな小説投稿して。ほんとにごめんなさい。

61:威風◆Ok:2019/07/26(金) 22:05

>>>60 タピオカパンさんが謝ることありませんよ! 今読んでいる最中なんですが面白いですね。

62:ジイカ◆Es:2019/07/26(金) 22:13

差し出がましいかもしれませんが失礼します
>>54の発言がとても気になったので

巧い拙い関係なく、小説を書くことは自由です。
むしろ下手だから書いて書いて、上達させていくのではないでしょうか。
やめたら? と他人が止めるのは筋違いです。

それに大体の人が途中でやめてしまう中、タピオカパンさんはかなりの文量を書き続けています。
中々できることではないと思いますがね。

釣りだとは思いますが、念の為に書き込ませて頂きます

63:いちごみるく:2019/07/26(金) 22:16

>>60 言い過ぎたわ…ごめんなさい。
>>62 はい…正気に戻りました。

64:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 23:00

>>61 ありがとうございます…!!もう更新やめようかと考えてました。面白いなんて言っていただけてすごく嬉しいです…!すごく励みとなりました。ありがとうございます。

>>62 これからも書き続けていきたいと思いました…!頑張りたいと思います。

>>63 分かってくれたなら良かったです。

65:サグメ推し◆dg:2019/07/26(金) 23:03

恋愛小説に興味が無かった私が、恋愛小説に目覚めたきっかけです!ありがとうございます!

66:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 23:03

いちごみるくさんが書いた>>51、私が書こうと思ってたのと結構似ていたので、そのまま続きを書きたいと思います(◕દ◕)

67:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 23:06

>>65 なんてこったサグメ推しさん!!
    恋愛小説に目覚めたきっかけだなんて…!!
    嬉しすぎて言葉がでません😭😭ありがとうございます!!あと、レスの書き込み時間一緒ですね!!運命だぁ🤗((

68:タピオカパン◆VU:2019/07/26(金) 23:19



「…緩莓?」



ハッ


聞き慣れた声がして顔をあげると、みっちゃんが驚いた顔でこっちへやってきた。


「緩莓…なんでこんなところに」


「…み、みっちゃんこそ…」


「俺は委員会の仕事で。早めにお弁当食って行かなきゃいけなくて…緩莓、どうしたの?具合悪い?」


私は首を横に振った。


「大丈夫。…ほら、委員会の仕事遅れちゃうよ…私は大丈夫だから、行って」


私はゆっくり立ち上がった。


「ほんとに大丈夫なの?」


私はにこっと笑った。


「証拠」


すると、みっちゃんも笑顔になった。


「…よし!じゃあ委員会の仕事頑張ってくるわ!!」


「うん!頑張って。行ってらっしゃい」


私はみっちゃんに手を振った。




良かった。


みっちゃん…ちゃんと私のことも見てくれた。

69:タピオカパン◆VU:2019/07/27(土) 08:41

陽side*★


『大丈夫。』


なんかおかしくないか…?


だって、結菜は教室でお弁当食べてたし、ほとんどの女子は確か教室にいた気がする。


じゃあ、緩莓は誰と…?


そんなことを考えていると、


「あっ陽先輩!!こんにちは!」


ん?


「あっ、新原さん。こんちゃ。」


委員会の後輩(中2)の女子。(保健委員会)


やたらと俺に話しかけてくる。


まあ、後輩に好かれるのは嬉しいし、全然いいんだけど。


「あの、委員会の仕事なくなったらしいです!」


「あ、そうなんだ。」


「…先輩、……一つ質問してもいいですか?」


「?うん。いいよ」


新原さんが立ち止まった。


その目は、緊張しているように泳いでいた。


「……先輩」


俺は黙って次の言葉を待った。













「好きな人いますか?」

70:タピオカパン◆VU:2019/07/27(土) 09:31




「えっ」


好きな人…


新原さんは顔を赤らめていた。


どうしよう。


『いる』って答えたら質問攻めされそうだし、『いない』って答えても…


「…さあね」


「えっ?」


俺が出した答えはこれだった。


「新原さんがいないって思うならいないし、いるって思うならいるんじゃない?」


俺は何か聞かれる前にじゃあねと手を振ってその場を去った。



そして、一人残された夢葉(新原)は、こうつぶやいた。







「…絶対いるじゃん…」

71:タピオカパン◆VU:2019/07/27(土) 14:59

教室に戻ると、緩莓の姿があった。


良かった。


……良かった?


なんで安心してんだろ、俺……


昼休みの教室はワイワイガヤガヤしていた。


すると、


「このクラスで実は付き合ってるっぽい男女探そうぜ!!」


…はい?


そう口にしたのはクラスのムードメーカーの一人、裕也だった。


「つまりどーゆーこと?」


茜がそう聞くと、


「そーゆーこと」


蒼が答えた。


「???」


茜はぽけーっとしていた。


いやあかあおコンビ(茜と蒼のこと。通称レッドブル。←あかとあおだから)怪しいだろ。


蒼絶対茜のこと好きやんけ!


「レッドブルでしょ」


結菜が笑うと、みんな口々にレッドブルレッドブル言い始めた。


レッドブルコール。←


「だよなー!!お二人さん、どうなのかしら?」


裕也が二人に聞く。


「え何が?」


茜の天然発動!!(常時発動してるけど)


「茜何考えてたの」


蒼のツッコミ発動!!(常時発動してるけど)


「(茜には話通じないし蒼にはかわされるし…なんて日だ!)」←裕也


「小森と若尾は?」


「いやもうバリバリ付き合ってんじゃんお前馬鹿かよ草」


颯太が言ったのに対しての美奈の毒舌攻撃。


「そんな言わんといて…俺死んじゃうよ?」


「じゃあタヒねw」


「!!??」


颯太と美奈もありそう…


「彩ちゃんとかっちゃんもさー…」


『彩ちゃん』とは彩乃のことで、『かっちゃん』とは勝田智和のことだ。


「あ゛あ゛っ!?」


かっちゃんがすごい形相でこっちを睨んだ。


その近くで首をかしげている彩乃。


ほのぼのとしたマイペースな彩乃と怒りっぽいかっちゃん。


そのペアはすごく珍しい。


この前、彩乃が転んだとき、かっちゃんが保健室に連れて行ったとか。


かっちゃんは彩乃に対しては優しい。


そんなことを考えていると、裕也にびしっと指を突きつけられた。

72:タピオカパン◆VU:2019/07/28(日) 07:45

「え、何──」


「お前も怪しいぞ!」


「はあ」


「お相手は?」


すると、誰かが


「日奈じゃないの」


と言った。


それは心愛だった。


「ええええ!?そうなのか三橋!!」


「いや…ちが…」


「日奈ってモテるよね〜」


「付き合ってんの?」


否定するも、みんなの耳には届かないみたいだ。


どおしてだよおおお!!


すると、


バン!!


びくっ


大きな音がして、みんながそっちに注目する。


「──あごめん、驚かせるつもりじゃなかったんだけど」


どうやら瑠樺は黒板を叩いたらしい。


「三橋、なんか言ってるよ」


あ……


みんなの視線が今度は俺に集まる。


「えっと……俺、日奈じゃないから…ご、誤解だから」


あはは〜…


しーん…


笑みを浮かべるも、みんな笑わなかった。





どおしてだよおおお!!←


「そうなんだ。じゃあ他にいるん?」


陽向が小悪魔的な笑みを浮かべてこっちを見た。


「えっと……ま、㊙で!」


みんながどおしてだよおおおという顔をしていた。←いやカオスww

73:匿名ぼーちゃん:2019/07/28(日) 22:49

いつも見てます!!大好きです!!特に三橋くんが大好きすぎます😘ゆるめちゃんも可愛すぎる😍これからも頑張ってください!

74:タピオカパン◆VU:2019/07/28(日) 23:11

>>73 わああああ!!嬉しい😄嬉しすぎて死ぬ…!バタッ じゃあみつゆるいっぱい登場させますね!!すごくやる気になりました(*ノェノ)ありがとうございます!

75:タピオカパン◆VU:2019/07/29(月) 09:19

「三橋」


さっきの騒動がおさまると、瑠樺が話しかけてきた。


瑠樺と話すことはそうそうないので、ドキドキする。


「な、何?」


「さっきはごめん」


「え?」


「三橋がなんか言ってんなって思って、みんなに聞いてもらえる方法、あれしか思いつかなくて。」


「いや謝らなくていいよ。助けられたし」


「そ?ならよかばい」


瑠樺がそう言ってにこっと笑った。


方言萌え…!!


瑠樺のお母さんが博多の人らしくて、瑠樺はたまに方言が出る。


クールでかっこいい瑠樺が笑顔を見せるのも方言を使うのもごく稀だ。


俺、てんっさい!!←


瑠樺が立ち去ると、緩莓と目が合った。


あ……


緩莓はジト目でこっちを見てからそっぽを向いた。





──もしかして妬いてる?


だったらめちゃクソ嬉しいんだけど!!


「ねえ、次の授業って体育だよね?」


結菜が言った。


「そうじゃん!」

「早く行かねーと」

「急げ〜」


体育は早く行ったほうが成績が上がるらしい。


だからみんな急いで行くんだ。


「三橋、行こーぜ」


「おう」


和田に声をかけられ、小走りで教室を出た。

76:タピオカパン◆VU:2019/07/29(月) 15:16

これからおばあちゃんち行くので投稿頻度落ちるかもしれないのでよろしくです(◕ᴗ◕✿)←ほとんど独り言

77:タピオカパン◆VU:2019/07/29(月) 19:32

今日はリレーをやるらしく、まずはチーム決めから。


龍輝と一緒になりてーなー。


あいつ多分この学年の男子の中で一番足速いし。


まあ俺も速い方だけd((


「はーいじゃあチーム決めます。1チーム5人。でも一つだけ6人になる班があります」


うぇーい、とみんなが返事をする。←




そしてしばらくして、班が決まった。


俺は、颯太とかっちゃんと彩乃と美奈と同じだった。


なんかすげーな、颯太と美奈いいかんじ(?)だし、かっちゃんと彩乃もいい感じだし…


おれぼっち((たまご◯ちみたいに言うな


「…颯太足ひっぱんなよ?」


「いやいやいやいや!それはこっちのセリフだし!」


美奈がそう言うと、颯太ががんばって言い返した。()


「ごめん…私、足遅いから…」


彩乃がおどおどしながら申し訳なさそうに言ってきた。


「何心配してんだよ。俺がいるからそんなん気にすんなばーか」


かっちゃんがちょっと強めの口調で言った。


ツンデレばればれ。


…俺、やっぱぼっちやわー


「かっちゃんとみっつー速いよね。50メートル何秒?」


颯太が聞いてきた。


「俺は7秒」


「同じく」


「あんたはどーなのよ」


美奈が颯太に尋ねると、


「俺?俺は8秒台!」


「……足ひっぱんなよ?」


「なんでえええ」


すると、


「ええええ!?ゆるちゃん7秒台なの!?はやー!!」


と玲奈の声が聞こえてきた。


どうやら、緩莓は玲奈とののと蒼と祐也と一緒だったらしい。


だけど、女子で7秒台かー。


流石だな。


そんなことをぼんやり考えていると、


「はーい、じゃあ各チームで練習はじめてくださーい」


という先生の声が聞こえた。

78:タピオカパン◆VU:2019/07/29(月) 20:26

俺たちはとりあえずトラックを走りながらバトンパスの練習をすることにした。


「じゃ、行くよ〜」


なぜか俺がこのチームのアンカーになったので、一番先頭を走る。


一番最初に走るのは颯太。その次は美奈、その次が彩乃、次がかっちゃん。


その次は、


俺だ俺だ俺だ俺だ俺だ((


走っていると、後ろからドドドドドと足音が聞こえてきた。


ん?


「うおおおおお!!」


後ろから猛スピードでやってきたのは和田たちのグループ。


和田が先頭だった。


「ちょ和田はえーよ!!」


和田はなぜかみんなをおいてこっちに向かってめちゃくちゃ走ってきていた。


「み、三橋!急いでえええええ!!」


一番後ろの颯太は和田が怖いみたいだ。w((


「いえっさー!!」


俺はスピードをあげて走った。


「うおおおおお!!」


かっちゃんたちもスピードをあげた。



っていうか和田何が目的なんだよ!!


するとやっとバトンが渡ってきた。





颯太、あんなに怖がってたのにちゃんと渡したんだ……w


ウケる!!


「おわっ」


俺はつまづいてしまった。


「あ」


「っぶねーな!!」


転びそうになったところをかっちゃんが掴んでくれたので助かった。


だがしかーし!!


「きゃっ!!」


彩乃がバランスを崩して転んでしまったみたいで、かっちゃんの背中にぶつかって俺たちは共倒れになってしまった。


ドサッ


「あっ…!ごめん!ごめんなさ…」


彩乃が泣きそうになりながら謝った。


「あっはは!!なんかめっちゃカオスだったねw」


俺がそう言うと、彩乃は申し訳なさそうに苦笑いした。


「か、かっちゃん…ごめんね」


「……手」


かっちゃんがそう言うと、彩乃はかっちゃんの背中に置いていた手をぱっと話した。


「…俺、水飲んでくるわ」


かっちゃんはそう言っ立ち去った。







「調子狂うな…」


智和は一人でそう呟いた。

79:タピオカパン◆VU:2019/07/30(火) 11:56

「──じゃあ、充分練習できたと思うので対決してみたいと思いまーす」

ちょとまてちょとまておにいさーん((お兄さんじゃないけど


練習全然やってないんですけど。


和田のせいで…←





「いちについて…よーい…どん!」


一番最初に走るのは、颯太、緩莓、大翔、瑠樺、レイ、広規だ。


女子は緩莓と瑠樺か。


どっちも運動神経いいもんなー。


って、もう始まってるし!!


「頑張れー」という声があふれる。


今のところみんなすごくいい勝負だ。


そして颯太から美奈へバトンが渡った。


うわお。バトンパス完璧。


あんなに和田に邪魔されたのに。←


美奈のおかげで俺たちのチームは二位のチームと結構かけ離れている。


そして次は彩乃にバトンが渡った。


少し危うかったが、彩乃はしっかりバトンを握って走った。


『ごめん…私、足遅いから…』


そう言っていた彩乃も、一生懸命走ってくれた。


そしてかっちゃんにバトンが。


「あ…っ」


バトンが落ちてしまった。


かっちゃんはすぐにバトンを拾った。


「気にすんじゃねぇ!」


かっちゃんは走り出した。


すると、後ろから玲奈が距離を縮めてきた。


あ…やばい、追いつかれそうかも…


いや、かっちゃんなら大丈夫だ。


そしてついに俺にバトンが渡った。


俺は全速力で走って走って走った。


…やばい、祐也に追いつかれる…!!


でも、ギリセー…




ズルッ


「わう」



ズサァァァァァーーッ


そしてそのままゴール!


「っしゃあ!一位!!」


みんなに大爆笑された。


ちゃんっっっっっっっちゃん!!←

80:タピオカパン◆VU:2019/07/30(火) 17:19



「ねえ三橋くん、今日って小テストあったっけ?」





「三橋くん」


「えっ」


今俺は塾にいる。


「疲れてるみたいだね。」


「え、ああ。今日転んだからかな」


「転んだ?」


「あ、いやなんでもない」


俺の前の席の植野さん。


すごく頭が良くて常に成績トップ。


綺麗な黒髪が印象的な女の子。


「みっつー」


すると、右隣の心美に話しかけれらた。


──あ。


手紙の返事してねえ。


「今日リレーで転んだんだって?結菜から聞いたよ」


あいつ榊原…!


「ところで〜、」


心美は謎の間を開けた。


「みっつーの好きな人知ってるよ」


「……ワンモア?」


「うち、みっつーの好きな人知ってる」


「それいつどこで誰から聞いた?」


「教えるわけ無いじゃん」


「言え」


「別に誰でもよくね?」


「お前うぜーなー。」


「だからなんやねん」


「はあ…もういいや」


俺は勉強に集中した。

81:タピオカパン◆VU:2019/07/31(水) 07:40



やばみ。


こないだやった小テスト返ってきた…


65。


100点満点中で!


まじ禿げそう……


そんで今は落ち込みながら家に帰ってるってわけよ。


どないしよう…。


ヤギに食べさせよっかな…((


あーあ。家着いちゃったし。


絶対マミーにテストの結果聞かれんじゃん!!


「あ、みっちゃん」


玄関のドアを開けようとすると、聞き慣れた声が聞こえた。


振り返ると、そこには緩莓が立っていた。


「おう。緩莓。…なにしてたの?」


「買い物」


あぁ。そっか。


緩莓んちは両親が共働きで、妹たちの面倒は全部緩莓がみているんだ。


「暗いから気をつけなよ?」


「うん。ありがと」


「じゃな」


「ばいばーい」


緩莓の笑顔のおかげで、少し緊張が和らいだ。


…よし。


そう俺は決心をしてドアを開けた。

82:タピオカパン◆VU:2019/07/31(水) 15:58

「おかえりー」


ドアを開けると、ちょうどお母さんが玄関にいた。


「た、ただいま」


「ねえ、そういえば、前引っ越して行っちゃった桐野茉莉ちゃんって、覚えてる?」


「え…」


唐突の質問に一瞬固まる。





『陽くん!』




ああ。


茉莉か。


随分と前だ。小4のときくらいに引っ越してきて、小4の終わりでまた引っ越していった。


転勤族か。



茉莉は俺に───




「帰ってくるんだって」


「…へえ」




『陽くん、あのね……』






「多分、今度は長くいると思う」






『私────』





「……そうなんだ」












『陽くんが好きなんだ。』

83:タピオカパン◆VU:2019/07/31(水) 18:30



『転校生の子を紹介します。桐野茉莉さんです』



転校生か〜。



しかも、『まつり』っていうんだ。



変わった名前だな〜。



『転校生』という慣れない響きに、みんなはざわついていた。



そして教室に入ってきたのは、ゆるく巻いた髪をおろしている女の子。



『…かわいい』



誰かがそうぼそっと呟いた。



『…桐野茉莉です。うちは転勤族なので短い間しか一緒に過ごすことはできないと思うけど、よろしくお願いします。』



『てんきんぞく?』『てんきんぞくって何?』



という疑問が飛び交った。





そして、茉莉の席は俺の隣になった。



少し緊張している茉莉に、俺はこう言った。




『三橋陽。』



茉莉はきょとんとした顔で俺を見た。



『俺の名前。よろしく!』



茉莉は少し恥ずかしそうに笑った。




『よろしくね』

84:タピオカパン◆VU:2019/07/31(水) 18:47



そして、茉莉が来てから約一年後──


──小4の終わり。


クラスのお別れ会をしたあと、帰り道。


俺は、蕾がなっている桜の木をぼーっと見ながら帰っていた。


すると、


『陽くん』


そこには、笑顔を浮かべた茉莉が立っていた。


だけど、その笑顔はどこか、


寂しそうだった。


『どうしたの、茉莉』


俺が名前を呼ぶと、茉莉はぎゅっとランドセルの取っ手を握りしめた。


『陽くん、あのね……』


茉莉はそう言うとうつむいた。


『私───』


茉莉は顔をあげた。



『陽くんが好きなんだ。』



茉莉の顔は赤く染まっていた。


『──え?』


人生で初めて異性に『好き』と言われた。



ゆるちゃんにも、今まで言われたことがなかった。


茉莉の顔は真っ赤で、つられて俺も赤くなった。


だけど、茉莉の顔は次は悲しい顔へと変わっていった。



『………私がいなくなったら、陽くんはどう思うかな。』



茉莉はすごく小さな声でそう言った。


『え……』



『ううん、なんでもない。』


茉莉は、少し涙目になりながら微笑んだ。


『……またね』


『…おう!』


俺がそう言うと、茉莉は小走りで走っていった。


その時の茉莉の寂しそうな背中は、今でも鮮明に覚えている。



俺はあのとき、


茉莉が目に涙をためていた理由、


『またね』と言った理由、


そんなことを知ろうともせず、ただ真っ青な青空を眺めているだけだった。


『また、会おうね───』


そう言いたかったんだな。

85:タピオカパン(先輩):2019/08/01(木) 08:02


「…みっちゃん?」


「──え?」


「なんか考え事してた?」


「えーうん、まあ…」


授業が終わってぼーっと席に座ってたら、緩莓に話しかけられた。


「……何考えてたの?」


「うーん…進路のこととか」



──嘘。


本当は茉莉のことを考えていた。


お母さんは、『帰ってくる』って言ってたけど、いつ帰ってくるんだろうとか。



っていうか俺……


茉莉のこと考え過ぎか。


「進路かー。そうだよね。私達受験生だし」


俺の嘘を素直に受け止めてくれる緩莓。


多分、緩莓は俺のことが好きで、純粋に想ってくれている。


───だけど、俺はその緩莓をよそに、他の事を考えているなんて。


緩莓の顔を見ていると、俺の心の歪みが見えてきた。


「…ごめん…」


ぽろりと心の中で思っていた言葉がもれた。


「え?」


緩莓はきょとんとしていた。


「どうしたの?私別に謝るようなことされてないけど…なんか悩んでることあったらいつでも言ってね」


緩莓はそう言って行った。


『なんか悩んでることあったらいつでも言ってね』


言ったらきっと───




緩莓は傷つくだろう。

86:タピオカパン(先輩):2019/08/01(木) 08:16




小5の始まり───





────茉莉はいなくなっていた。



『──え?茉莉引っ越したの?』



引っ越した……



そういえば、茉莉は“転勤族”と言っていた。



『短い間しか一緒に過ごすことはできないかもしれないけど、よろしくお願いします。』



茉莉はもう、その時から分かっていたんだ。



一年後には、ここから去ることを。


『陽くん!!』


その笑顔が。



その声が。









俺はいつの間にか、好きになっていたんだ。

87:藍乃ちゃん hoge:2019/08/01(木) 09:30


おもしろいです!!!これからも頑張ってください、!!

88:タピオカパン(先輩):2019/08/01(木) 11:06

>>87 わ、ありがとうございます!!!めちゃくちゃ嬉しいです😆😆はい!頑張りまーす!(ノ◕ヮ◕)ノ*.✧

89:タピオカパン(先輩):2019/08/01(木) 13:20

───自分の気持ちが分からない。


自分が誰を好きなのか。



緩莓とは、自分にとってどういう存在なのか、とか……


緩莓は俺の幼馴染みで、一番長く一緒にいる異性。


素直で、心が清らかな、美しい人間。


そして俺たちは両想い。




そうだよ……


両想い……


……




『なんか悩んでることあったらいつでも言ってね』






伝えないと。




伝えたら─────




緩莓は悲しむだろう。


そんな顔見たくないけど、


隠すほうがやだ。





俺は緩莓に本当の思いを伝えることを決心した。

90:タピオカパン(先輩):2019/08/01(木) 14:09



「みっちゃん!」


緩莓が駆け寄ってきた。


俺は、学校から帰ってから、緩莓を公園に呼び出した。


結構暗くなってきたし……


「ごめん、こんな時間に呼び出して」


と言ってもまだ5時だ。


緩莓は、いつも弟たちの世話などで忙しいが、今日は空いてるらしい。


「ううん!全然大丈夫」


緩莓はそう言って微笑んだ。




多分、俺が『その事』を伝えたら、この笑顔は消えるだろう。


違和感を抱かせないように、俺はなるべく普通に振る舞った。


「……緩莓」


「ん?」


名前を呼ぶと、緩莓は優しく聞き返してくる。






「──大事な、話があるんだけど」


そう言うと、緩莓の顔は真剣になった。


つられて俺の顔もこわばる。


「緩莓さ、『桐野茉莉』って、覚えてる?」


「…あっ、小4のとき転校してきた子だよね」


俺はうなずいた。


「…その子が、どうかしたの?」


「……好きだったんだよ」


「────え?」





「俺、茉莉の事好きだったんだよ」


「え、えっと…つまり、今は違うってことでしょ…」


俺が首を横に振ると、緩莓は手を握りしめた。


「……私は……?私のことは、嫌いになっちゃったの……?」


緩莓が涙目になりながら言った。


その顔を見て、胸がきゅっと締め付けられた。


──違う。


───そんなわけない。


────俺が言いたいのは………


「俺は緩莓が好きだよ。誰よりも好きだ。緩莓が笑ってくれると自分も笑顔になるし、緩莓が近くにいるだけですんごい幸せになるんだ。緩莓みたいな人……嫌いになれるわけ、ないじゃん………」


俺はぐっと涙をこらえた。


緩莓も、我慢してるんだから………


「茉莉ちゃんの事は………?」


「茉莉の事、たまに思い出すんだ。あいつ、何してるかなって……今は、好きとかじゃなくて……」


緩莓は俺の話を黙って聞いてくれた。


「俺、あいつに不思議な別れ方されて……それが、忘れられなくて……」


「みっちゃん」


緩莓が優しく、そう言った。


「私、全然怒ってないから。むしろ怒るわけないじゃない。私はみっちゃんが悩みを打ち明けてくれたことがすっごく嬉しい。みっちゃんは素直だから、そのことがずっと心にひっかかってたんだね…」


緩莓が俺に抱きついてきた。


「ゆるm「お…お前ら……!!」


え?


聞き覚えのある声がして、振り向くと、俺の親友、和田が立っていた。


「お…お前ら……!!」







「付き合ってたのかよおおおおおーーーーーーー!!!!」


和田は「あああああ」と叫びながら走り去っていった。


「「え゛」」


……大事な話ししてたんだけど………


和田ぶっころ☆((

91:タピオカパン(先輩):2019/08/01(木) 14:39



『おい、お前ら付き合ってたん!?さっきハグしてたよな!?ラブラブじゃん!!!』


家に変えると、和田からそうLINEが来ていた。


和田ってさ〜…


うん。





うぜえわ☆


スタンプ連打してやろ。


怒っている顔のスタンプを連打する。


疲れたーと思ってスマホを置くと、


ピコン♪←


と着信音がなった。


『おい南島〜、明日ってさー、』


───は?


「お前親友の名字間違えるなんてサイテーなやつだな」


と送る。


『は?だってお前らもう結婚してんだろ?南島〜』


こいつ馬鹿かよ。


いやもう馬鹿だよ。


馬鹿の頂点に立ってる男だよ。


ってゆーか俺が婿入りするんかよ。


「お前はじめてのおつかい行ってこいよw」


『お巡りさんこいつでーす』







結果。






和田はうぜえ!!!!



以上、三橋と和田のLINEたいむでしたー。




NEXT!!

92:タピオカパン(先輩):2019/08/02(金) 12:03

🍚ごはんTime🍚


「その茉莉ちゃん、来週くらいに帰ってくるらしいわよ」


「へー」


「その子って可愛かったの?」


俺は飲んでいたお茶を吹き出しそうになった。


「うわ兄ちゃん汚っ!」


「ふきだしてねーよ」


っていうか年頃の男子に普通そんなこと聞く!?


素直に答えるとでも思ってんのかな?←


「あー、その反応は陽、茉莉ちゃんの事好きなんでしょ」


お母さんやめて……←


「お母さん、兄ちゃんが困ってる」


明、ナイス!!


「…から、もっと聞いて!!」


明は満面の笑みでそう言った。


腹黒!


いや前から知ってたけど!


俺より明の方が賢いけど!


「大人しい子なんでしょ?」


「…んー…まあ」




『陽くん…私ね、どうしたらいいか分かんなくなっちゃって』


『何が?』


『私……いじめられてるみたいなんだけど』


その時の茉莉は、むりやり笑みを浮かべているようにしか見えなかった。


『気が弱いからかな…』





そんな茉莉を放っておけなくて、俺はできるだけ茉莉のそばにいてあげるようにした。


「ごちそーさまでした!!」


そんな明の声が聞こえて、ハッと我に返った。


「同じクラスになれるといいね」


お母さんはそう言って笑った。


……何勘違いしてんだろう……←


まあ、茉莉のこと好きか嫌いかって言われたら……



嫌いじゃないけど………


好き寄りの普通…かなあ…


「兄ちゃん汚っ」


「え?」


「ぶははは」


明もむかつく☆


まあ、和田よりはマシだけど…うん。

93:タピオカパン(先輩):2019/08/02(金) 17:08



「和田!!」


教室に入ると、俺は真っ先に和田のもとへ走った。


「よお南島。」ニッコー


「お前いい加減やめい?」ニッコー


「…おはよう」


すると、緩莓が少し不機嫌な顔で現れた。←


「おはよ…ってどうしたの!?なんか目の下クマできてない!?」


俺がそう言うと、緩莓は和田をキッと睨んだ。


「和田さあ、なんで夜中の12時にLINE送ってくるの!?そのおかげで全然眠れなかったんだけど!」


和田ぁ〜??


「なんだよ三橋、新婚祝い送ったげたのに」


和田は緩莓に向かってそう言った。


え何?


緩莓のことは俺の苗字で呼んでんの?


「最初和田から『おい三橋ー』ってきたときは送り先間違えたんだな〜って思ってたけどずっと『三橋緩莓』とか言ってきたからもうボケたのかと思ってびっくりしたじゃん!」


緩莓はそう言って和田の机を叩いた。


ボケたのかと思ってびっくりしたんだww


「まあまあお二人さん、落ち着いて」


いや俺は割と落ち着いてるけど。((


「新婚旅行は学校の屋上でい((ぱちん☆


↑上の音が何の音かはご想像にお任せします☆


「ってーな!!三橋!!」


和田は真顔で言ってたからどっちの三橋か分かんないんだけど←


あ、どっちがぱちんしたのかはご想像にお任せだよ☆

94:タピオカパン(先輩):2019/08/03(土) 08:26



「はーい今日は男女でペアを組んでリコーダーのテストの練習をしたいと思いまーす」


男女でペア…!?


一時間目の授業は音楽。


「じゃあくじ引きで決めましょう!」


先生がくじ引きを出した。





『7…』


黒板を見ると、7番は8番の人とやるようになっていた。


はっちばーんだれですかー


と思いながら俺は黒板に名前を書きに行った。


「あ」


8番のところに名前を書いていたのは、


「みっつー、よろしくね」


彩乃だった。


え、かっちゃんにころされそU((


「おー、よろしく」


彩乃って俺よりちょっと背ちっちゃいんだー。


緩莓は…と思いながら緩莓の方を見ると、


緩莓はしえるくんとハイタッチしていた。




な゛


な゛んでよりにもよってぇぇ!!


だってしえるくん絶対緩莓に脈あるよ!!


えんだーーーーいあーーーー((


「みっつーってゆるちゃんのこt「行こう!練習しよう!かんっぺきにしよう!」


「え?う、うんそうだね」


「練習はどこでもオッケーでーすあっでも外には出ないようにしてくださいね」


はーい。


「屋上はいいんですか?」


「屋上はオッケーです」


絶対屋上混むだろうなあ…←


「とりあえず俺たちはここでやるか」


「だね」


みんなが教室を出ていった。


教室に残ったのは、俺と彩乃のペアと、かっちゃんと結菜のペアだった。


「どうやったらそんな変な音出るの!?」


「うっせー!!俺は真面目にやってんだよ」


「それが真面目なの?w」


「あ゛?」


あのペアすげーな…←


どっちも気強いし…


隣の彩乃は、そんな二人の様子を見つめていた。


…だよね、そうなるよね〜…。


自分の好きな人?があんなふうに他の人と話してたら気になっちゃうよ。


わかるわかる。


「……じゃ、やるか!」


「あ、うん!」


♪♬♫


「彩乃ってリコーダー上手いね」


「そう?みっつーも上手いよ」


彩乃はそう言って笑った。


すると、


「せんせえええええーーーーーーっ!!」


バンッ!!


その大きな声と共に音楽室の扉が思い切り開いた。


「和田?どしたん」


「おお、三橋!助けてくれよおおお!」


和田は泣きそうな顔で叫んだ。


どうしたどうした?


「屋上で練習してたらさ、リコーダー落としちまってよおおお」


馬鹿じゃん。←


「で?ペアの人は?」


「瑠樺は無言で俺のこと見てくるしなんか」


瑠樺…w


「なに和田リコーダー落としたの?w」


話を聞いた結菜が笑いながら言った。


「笑うな」


「壊れてはないんだろ。早く取りに行ったほうがいいんじゃねぇの」


かっちゃんが言った。


「そ、そうだな。行ってくるわ」


和田は音楽室を出ていった。

95:タピオカパン(先輩):2019/08/03(土) 08:44


「和田来なかった?」


和田が出ていってちょっとしてから、瑠樺が来た。


「さっき来てリコーダー取りに出ていったよ」


「入れ違いか…」


「もしかして瑠樺取りに行ったの!?」


結菜が驚きながら聞いた。


「うんまあ」


カッコよ。←


「和田…w」


「どーしよ…」


瑠樺が和田のリコーダーを見ながら言った。


「もうすぐ帰ってくるんじゃn「なかったんだけど!!」


ちょうど和田が帰ってきた。


「あ、和田これ」


瑠樺がリコーダーを渡した。


「え……?いつ取りに行ったん!?早くね!?」


「お前がギャーギャーわめいてるときな」


「だまれ?」ニッコー


「いやだ☆」ニッコー


「とりま早く練習しよ」ビュゴォォ


「は、はい」


瑠樺可哀想…和田のせいでだいぶ練習時間削られたじゃん。


まあ俺らもだけど。


「瑠樺そこらへんの男子よりカッコいい…」


彩乃が目をキラキラさせながら呟いた。


そ、そこらへんの…


彩乃ってたまにグサッとくること言うんだよね〜w

96:タピオカパン◆VU:2019/08/03(土) 16:53

「ゆる、なんかあった?」


今日は俺と和田と結菜と緩莓の四人でお弁当を食べている。(なぜか)


「エッ」


結菜の突然の問いかけに、緩莓は箸を止めた。


「んーと…ま、まあ、気にしないで!」


「新婚旅行どこに行くk「黙りなはれや☆」


和田とギャーギャーやっていると、結菜ががたんと立ち上がった。


「「うおっ」」


「まじで!?」


結菜が緩莓に向かって目を見開きながら聞いた。


なになに


「おい、教えろよ〜」


和田がいう。


「そうだよー。せっかく四人で食べてるんだから話題は共有しよう」


「そ れ な ☆」


「和田ウザイ」


「がーん」


効果音口で言うなやw


「え、えっと和田のリコーダーの件だよ!」


緩莓が慌てたように言った。


なんか隠してんなー


「俺のリコーダーがどしたと?」


「しーらんぺっぺ」


和田と顔を見合わせる。


「…なんか隠してんの?」


「わ、和田が!ゴリラって話!!」


結菜が言った。


「それでなんで『まじで』ってなるんだよw」


「おい和田ゴリラ、動物園から脱走してきちゃだめだぞ、帰れ」


「お前まで洗脳させられやがったな」


「は?」


「は?」


「おい和田〜、冗談は顔だけにしとけよ〜w」


「ちょっと何言ってるか分かんない」


「あの二人何話してんだろーね〜…」


「ね〜…」


和田と三橋が笑い合っているのを冷めた目で見ている、緩莓と結菜であった。

97:タピオカパン(先輩):2019/08/04(日) 08:01

✲*緩莓side*✲


──音楽の時間。


『10』


『南島さん、何番だった?』


しえるくんが訊ねてきた。


『10番だったよ』


『僕11番。…あれ?』


『私たちペアじゃん』


私たちはいえーいとハイタッチをした。


そう言って笑うと、しえるくんは小さな声で『よっしゃ』と言った。


『そんな嬉しかった?』


冗談半分で笑いながら聞いた。


すると、しえるくんは赤い顔でうなずいた。




……な、なんだろ…


何かこっちも赤くなってきちゃうんだけど……


『屋上でもオッケーです』


先生のそんな声が聞こえ、みんながドドドと教室を出ていった。


屋上人気だな〜。


『じゃあ、私たちはどこでやろっか』


『屋上…』


『にしよっか』


『うん』


私たちは屋上へ向かった。





『うおああああああ!!!』


びくっ


和田の叫び声が聞こえ、びっくりして振り返る。


『リ…リコーダー落としちゃった』


落とした!?


どうやって??


『うわあああんどーしよううう』


『どんまいじゃん』

『さ、練習練習♫』

『…』


少し涙目の和田に対してのみんなの反応は塩だった。


だって和田ってめんどくさいもん。うん。


私とみっちゃんに新婚とか言ってくるし…


『南島さん…』


『あっ、練習しよっか』


そう言って私はリコーダーを握り直した。


すると、しえるくんはそれを制した。


『?どしたの』


『あの…』


しえるくんは一瞬だけ空を見上げてから紅く染まった顔を少しそらした。







『…月が、綺麗ですね』







時間が、止まったような気がした。

98:タピオカパン(先輩):2019/08/05(月) 08:29

すみません、これから更新遅くなりますごめんなさい🙏

99:タピオカパン(先輩):2019/08/09(金) 08:32




『────さ、練習再開しよっか』


しえるくんはにこっと笑ってリコーダーを握った。


『え……と』


私は顔が赤くなるのを自覚した。


こ、こんなロマンチックな告白されたのはじめて…


すると、しえるくんに頭をぽんぽんと撫でられた。


『っ…!?』


『南島さんはかわいいね』


『え』


しえるくんってさ…


私より背小さいのに私より大人っぽいんだけど…


『付き合おう』


………!?


しえるくん!!


早まるな!!


『えっと…あのね』


私はやっぱりあの人のことが誰よりも好きだ。


『好きな人、いるの』


『……そう』


しえるくんの顔から笑顔が消えた。


『…三橋くん?もしかして』


『え…』


『ふーん…そうなんだ。』


しえるくんは少しニヤリとした。


な、なに…??


しえるくんが私の頬に右手を添えてきた。


ちょ


ちょっと待って


これって───


『南島さん、したことないでしょ』


キスのこと?


抵抗しようとする前に、顔を近づけられた。


『南島さんのハジメテ、もらっちゃおっかな』


や 


やめてーーーーーーっ!!


キーンコーンカーンコーン。


力がヘナヘナと抜けた。


しえるくんって…


しえるくんって…







肉食だったんだ……。

100:タピオカパン(先輩):2019/08/09(金) 16:51


それでその事を結菜に話した。


『まじで!?』


結菜はそう言って驚いた。


そりゃそうだよね。


告白されてキスされそうになったなんて……


さっきの出来事が脳内でリプレイされる。


『南島さんのハジメテ、もらっちゃおっかな』





うん…←


「緩莓顔赤くない?どしたの」


みっちゃんがキョトンとした顔で訊ねて来た。


「ほら、あれだよ、お前と結婚して嬉しさがこみ上げてk「黙れ和田ゴリラ」


「…嬉しさが「和田ゴリラ☆」


「…う「ゴリラ☆」


「うぜえ」


「え、えっと二人とも落ち着いて」


なだめると、


「なあ、あれ…」


和田が窓の外を指差した。


「えっ?」


「もーらい☆」ヒョイ


「……え?」


お弁当箱に入っていたはずのスイートポテトが入ってない…………………???


スイートポテトが…入って…な、い…


私の……大好きな………


スイートポテトちゃん……が…


「あー…えっと南島…ゆるしてちょ♡」


「……土下座しよっk「はい緩莓ちゃーんストップストップー?はい落ち着いてー」


結菜が慌てて私をとめた。


ちょっと和田うざいかも。


うんウザイ。


うざいランキング一位だよ。


ダ ン ト ツ で!!

101:ありさ◆8g:2019/08/11(日) 15:24

レス100
おめでと🥳

102:タピオカパン(先輩):2019/08/11(日) 15:37

ありがと😘

103:タピオカパン(先輩):2019/08/12(月) 16:05

 
陽side☆*



今日の朝は、何かが違った。


いつもと変わらないような朝だけど、なんか変だ。


なんか…


無性に胸がザワザワする。


部屋を出ようとすると、スマホが震えた。


見ると、和田からのLINEだった。


『おい三橋……』


ん?


なんか暗くね?


【どうしたお前】


そして次に送られてきたメッセージは、









『南島、









引っ越すらしい。』

104:タピオカパン(先輩):2019/08/12(月) 17:20





ウソだろ。


ウソだよな…?


だって………お前は嘘つきだしからかい上手だし冗談よく言うし





緩莓が引っ越すっていうのも、





きっと





すると、スマホが震えた。






「…ゆるめ」


迷わず電話に出る。


「…もしもし」


かすれた声でそう言うと、


『みっちゃん……わたしね』


緩莓の声は涙声だった。


「うん。………聞いた。…和田から」


『…ヒック……明日の夜に…この家を出るから…』


明日。


「…好きだよ、緩莓。」


『私もっ…大好き…大好きだよ』


「ありがとう。」


『またね…』


そこで通話は終了した。


気づいたら頬が濡れていた。



神様…………


緩莓がこの先、笑顔であふれる生活を送れますように……




お願いします。

105:タピオカパン(先輩):2019/08/14(水) 15:50

あの、この赤い糸を読んでくれてる方にお聞きしたいんですが、赤い糸の登場人物の中でいちばん好きなキャラを教えていただきたいです。
えっと理由はそのキャラをなるべく多めに登場させたいから?です

よろしくお願いします🙏🙇

106:若桜◆ME:2019/08/14(水) 21:47

めっちゃ面白かった❗これからも更新頑張って!

緩莓ちゃんが好き‼
女子だけど惚れるw

107:タピオカパン(先輩):2019/08/15(木) 07:41

>>106 わあああありがとおおお!!!😭✨うん!頑張るね!緩莓に一票!とゆーことで本人から一言👉「若桜ちゃんありがとう!これからもよろしくね!大好き!」

108:タピオカパン(先輩):2019/08/15(木) 12:07





「今まで本当にありがとうございました。私はみんなと過ごした日々を忘れません……」


そこまで言うと緩莓は両手で顔を覆った。


「……緩莓…」


結菜が涙目で緩莓の背中をさすった。


「…っ…私、みんなのこと大好き…こんな楽しいクラスで…





私は本当に幸せでした」


そう言って緩莓は微笑んだ。


その笑顔は、今まで見た笑顔の中でいちばん素敵だった。


「…ありがとう…っ…」


緩莓は綺麗な涙を流した。


女子はほとんど涙目で、男子は曇った顔をしていた。


そりゃあそうだよな…


緩莓は結構クラスのムードメーカーだったし、誰にでも分け隔てなく優しく接するから、いろんな人に好かれてるし…


緩莓がいなくなるなんて思ってもなかったから。


「南島は、今夜家を出発するらしい。」


担任の赤坂先生が口を開いた。


その言葉は、水を打ったように静かな教室に響き渡った。







小6のとき。


休み時間、俺は普通に校庭で友達と一緒にサッカーをしていた。


たまたまボールが体育館倉庫の裏に転がっていってしまい、俺が取りに行くと、


華奢な体つきをした緩莓と、ゴツくてデカイ体つきをした春樹がいた。


『ゆるちゃん?春樹?』


そう呟いたが、その声は二人の耳には届かないようだった。


もう一度呼びかけようと息を吸うと、


『おれ、南島のこと好き。付き合お』


今、なんて…?


『つ、付き合うなんて…』


ドンッ


『っ!?』


春樹は壁ドンをした。


『なんで?おれのこと嫌いなん?』


大きい春樹の手が、小さな緩莓の顎をつうっと撫でた。


『や…』


春樹が緩莓に顔を近づけた瞬間、俺の中で何かが噴火した。


『なにやってんの?』


なるべく普通を装って、転がっていたボールを拾いながらあっけらかんと言った。


『…陽』


『みっつー…』


『ゆるちゃんになにしてんの?』


目線を春樹の手に移すと、春樹は緩莓から手を離した。


『お前、なんで南島のことちゃん付けしてんの?ダサっ』


その時は結構ショックだったけど、今思うとあれは負け犬の遠吠えのようなものだったのかなと思う。


『みっつー…』


『…さ、もうすぐ休み時間終わるから教室戻ろっか。


南島さん。』


その時の緩莓の悲しそうな表情は、今でも鮮明に覚えている。

109:後輩◆:2019/08/15(木) 12:07

和田くん面白い

110:タピオカパン(先輩):2019/08/15(木) 12:10

>>109 おー後輩!ありがとう🙏✨和田から一言👉「おっマジかよ!!嬉しすぎて目からファンタ出るわ。あんがとん♥」

111:後輩◆:2019/08/15(木) 12:12

>>110
ww

112:愛華@ゆっかー◆QI:2019/08/15(木) 12:48

こんにちは!!とても面白いです!
緩苺ちゃんも良いし、みっつーも良いよなあ、、
でもやっぱ緩苺ちゃん!です!

113:タピオカパン(先輩):2019/08/15(木) 17:16

>>112 わあああありがとうございます🙏✨めっちゃうれしいです😭✨緩莓ですね!分かりました!緩莓から一言👉「愛華ちゃん!私を選んでくれてありがとう!だいすき!」

114:愛華@ゆっかー◆QI:2019/08/16(金) 08:59

>>113
わー!!可愛いです!可愛いですよ〜
わー、かわいー!

115:タピオカパン(先輩):2019/08/16(金) 12:36

>>114 wwありがとうございます!!

116:タピオカパン(先輩):2019/08/16(金) 13:15


「ねえ、みっちゃん…今日、一緒に帰れる?」


帰りのHRが終わると、緩莓が話しかけてきた。


今日は全部活がオフの日。


「うん。いいよ、一緒に帰ろっか」


そう言うと、緩莓は微笑んだ。





「ねえ…みっちゃん」


ふと、緩莓が口を開いた。


「私……引っ越すんだよね…東京に……遠そうで遠くないでしょ?」


緩莓はそう言って俯いた。


「みっちゃん……私のこと忘れないでね」


「忘れるわけ、ないじゃん」


忘れられるわけないよ…


緩莓みたいな、心が美しい人…忘れられないよ……


「俺……緩莓に謝らないといけないことがある」


「謝らないといけないことって?」


「…俺みたいな人間が、緩莓のこと好きになってごめん」


自分でも、何を言っているのかが分からなくなってしまった。




「──なんで?」


顔をあげると、緩莓は悲しそうな顔をしていた。


「なんでそんなこと言うの?そんなこと言われたら、悲しいよ……だって……




みっちゃんはこの世界に一人しかいない存在なんだから」


俺は息を呑んだ。


緩莓は大きな瞳から透明な涙をぽろぽろと流した。



「みっちゃんは……三橋陽は」


いきなり名前を呼ばれ、ドクンと胸が高鳴った。






「いつまでも、私にとって光だから…っ…」





オレンジ色の温かい光が、俺たちを優しく照らした。

117:匿名:2019/08/16(金) 21:25

おもしろいです!
頑張ってください(^^)

118:タピオカパン(先輩):2019/08/17(土) 08:37

>>117 わーありがとうございます🙏✨めちゃうれしいです😭!頑張りますね!

119:タピオカパン(先輩):2019/08/17(土) 22:16

えーと…今のところ緩莓が結構人気だから緩莓side増やそっかな。

120:後輩◆:2019/08/18(日) 00:10

どこの話?(場所)

121:タピオカパン(先輩):2019/08/18(日) 09:12

>>120 神奈川!

122:リコピン◆AQ:2019/08/19(月) 20:52

あと他に好きなキャラいる人いますかー?(?)

123:リコピン◆AQ:2019/08/20(火) 08:34


緩莓がいない教室は、とんでもなく寂しかった。

                      ・・
みんな普通に過ごしている…いや、過ごせているふりをしている。


緩莓と仲がよかった結菜は自分の席に頬杖をつきながら座ったまま動かないし、緩莓の事が好きなしえるくんは暗い顔をしている。


そして、俺は───……


ぼーっと、空を見つめていた。


どこまでも青く、雲一つない広い空。


ああ、この空をたどって緩莓のところに行けたらいいのに。


俺は、今とんでもなく後悔している。


最後に手を繋いでおけばよかった。


最後に緩莓のことを抱きしめておけばよかった。


最後に“大好き”の一言くらい言えばよかった。


なぜ緩莓を泣かせてしまったんだ。


もちろん俺は、緩莓の怒った顔も泣いた顔も微笑んだ顔も照れている顔も、びっくりしている顔だって全部愛おしく、大好きだ。


でも、俺がいちばん見たかったのは、


いちばん好きなのは、



緩莓の眩しいくらいの笑顔だったのに。

124:リコピン◆AQ:2019/08/20(火) 10:43

* ❁ 緩莓side ❁ *


「南島さん、呼ばれたら入ってきてね」


新しい担任の、小林綾音先生に、そう声をかけられ、はい、と頷く。


これから、新たな学校生活が始まる。


みっちゃんは、今どうしているだろうか。


いつものように明るい笑顔で笑い合っているだろうか。


それとも───


私が居なくなったことを、少しでも寂しく思ってくれているだろうか。


そうだったら嬉しいな。


「南島さん、どうぞ」


「あ、はい」


私は高鳴る鼓動を抑えられないまま、教室へと足を踏み入れた。


緊張して、思わず俯きがちになってしまった。


「じゃあ、南島さん自己紹介お願いします」


小林先生はニコニコしながら視線を向けてきた。


安心させようとしてくれているのが伝わってきた。


「はじめまして。南島緩莓です。…えと、よろしくお願いします」


ペコリと会釈をすると、拍手がおきてほっとした。


言うことが見つからなくて、短く終わってしまった。


つまんないやつ、と思われていないだろうか。


髪の毛を耳にかけながら教室を見回す。


綺麗だな、と思う。


新しめの学校なんだろうか。


「南島さんの席はあそこよ。北島くんの隣。」


先生が一人の男子を指差した。


いかにも明るそうな、日焼けした肌が特徴的な男の子だった。


そこの席まで歩いて腰掛けると同時に、チャイムがなった。


多分、朝のHRの終わりのチャイム。


ほっとして背負っていたリュックを机に置くと、私に視線が集まっていることに気がついた。


意味もなくぎこちなく笑みを浮かべると、たくさんの人たちが私のもとへ集まってきた。

125:愛華@菅井様◆QI:2019/08/20(火) 12:37

緩苺ちゃん転校先大丈夫かな…ってなりますね!頑張って下さい!

126:リコピン◆AQ:2019/08/20(火) 13:36

>>125 どうでしょう、心配ですねw((ありがとうございます!頑張ります✨

127:一騎◆:2019/08/20(火) 21:23

>>123
(泣)

128:リコピン◆AQ:2019/08/21(水) 06:51

>>127 あらあら。😁

129:リコピン◆z.:2019/08/21(水) 18:58


「ねえねえ、モデルとかやってるの!?」

「名前可愛いね!」

「超可愛いね!」

「どこからきたのー?」


押し寄せる人たちの質問攻めを受け、「えっと」と応えるしかなかった。


すると、


「お前ら、がっつきすぎだろw」


と、右から声がした。


その声の主は、北島くんだった。


「だって〜こんな可愛い子見たことないんだもーん」


そう口を尖らせて答えたのは、どこか結菜に似ている、明るそうな子だった。


「ねね、ゆるめちゃん、だよね漢字どーやって書くのー?」


その子は視線を北島くんから私へと移した。


「あ、はい。そうです。えっと漢字は…」


慌てて筆箱を取り出すと、その子は軽く噴き出した。


なんで笑っているのか分からなくて目を瞬かせていると、


「だって、同い年なのに敬語なんだもん、なんか後輩みたいだね」


その子はクククッと笑いを洩らしながらそう言った。


「あ、そだ。私横尾沙耶香!よろしくねゆるめちゃん!」


「あ、はい…うん。よろしくね」


そう微笑みかけると、沙耶香ちゃんは私の顔をじーっと凝視してきた。


「な、なんかついてる?」


「うん。ついてる。白い透き通ってる肌に大きな目と小さい鼻と綺麗な口がついてるよ」


私が口を開く前に、沙耶香ちゃんは言葉を続けた。


「もうほんとまじで可愛い顔してるね。モデルみたい。まじ可愛い」


そんなに率直に言われると恥ずかしくて照れてしまう。


少し顔を伏せていると、「やっほー」と、北島くんが顔を覗き込んできた。


突然だったので、思わずわっと声をあげてしまった。


「南島さんって、驚くとき『きゃっ』じゃなくて『わっ』って言うんだ。なんかかわいー」


!?


か、かわいい…


男子にそんなこと言われたことがないから、固まってしまった。


「えー、じゃあ私も『わっ』って言えばかわいいって言ってくれる?」


沙耶香ちゃんがニヤニヤしながら北島くんの肩に手を乗せた。


「お前はむり」


「えーなんで!?差別!ひどいー」


沙耶香ちゃんの反応が面白くて、思わず笑ってしまった。

130:リコピン◆z.:2019/08/22(木) 08:53


「あ…笑ったあ!」


沙耶香ちゃんがそう言うと、さっき散ったみんなが再び集まってきた。


「笑顔かっわいい!!」

「これが天使か〜」

「女子なのに惚れた」


「もーみんな、いくらゆるめちゃんが可愛いからって好意丸出しすぎーw」


沙耶香ちゃんが私に抱きつきながらそう言った。


「てゆーか、めっちゃ髪綺麗!さらっさら」


沙耶香ちゃんが私の髪をときながら言った。


「ホントだっ…!!私ロングの子好みっ…!」


みつあみをした大きな瞳の、私と同じくらいの背の女の子が震えながら言った。


「ゆるめちゃん。このみつあみは究極の髪フェチだから気をつけたほうがいいよ」


沙耶香ちゃんがそう言うと、みつあみの子は口を尖らせた。


さっきの沙耶香ちゃんと似ている。


「沙耶香ひどいよー!ちゃんと名前紹介してくれればいいのにー!」


すると、みつあみの子はこっちに向き直って、照れたように笑った。


「えっと…神谷栞菜です…あの…あなたの髪すっごい綺麗で…お友達になりましょうっ!!」

理由が面白くて、また笑ってしまった。


「うん。お友達になろう。南島緩莓です。よろしくね」


「はわわわ南島さん…!!」


『南島さん』


その響きを聞くと、いつもあの時のみっちゃんを思い出す。


「普通に名前でいいよ。よろしくね栞菜ちゃん」


「名前を呼んでもらえるなんて光栄です…!!」


栞菜ちゃん、面白い子だな。


「やば、もーすぐ授業始まんじゃん!じゃーねゆるめちゃん!」


沙耶香ちゃんと栞菜ちゃんに手を振られ、私も手を振り返す。


席に腰かけると、右から視線を感じた。


「やっほー」


「北島くん」


「…隼、って呼んでよ」


下の名前、隼くんって言うんだ。


「しゅ…隼くん」


「よくできました」


そう言うと、北島くんはにかっと笑った。


私も笑い返す。


何気なく窓の外を見ると、青い青い大空が広がっていた。


雲一つない、真っ青な大空。


まるでみっちゃんの心のように。


この大空をたどって、みっちゃんの所に行きたいなあ……。


涙が滲んできたのがバレないように、ずっと窓の方へ顔を向けていた。

131:リコピン◆z.:2019/08/22(木) 15:14

☆ * 陽side * ☆


「えー…今日は大事なお知らせがある。みんな座れ」


赤坂先生が、いつもより早めにHRを始めた。


言われるがままにみんなが座る。


っていうか、座っている人がほとんどだった。


「転校生を紹介する」


それを聞いた途端に、思い出した。


茉莉、帰ってくるんだ。


もしかして、とドアの方に目を向けていると、そのもしかしては当たった。


少し俯きがちに入ってきたその人物は、やっぱり茉莉だった。


「桐野…茉莉です…よろしくお願いします」


今回は長くいるのかな、と思ったが、中3なので結局は別れることになるのかと思った。


少しタレ目がちなその瞳は、どこか曇っていた。


茉莉の席は、ぽっかりと空いた緩莓の席になった。


できればそのまま残していてほしかった。


緩莓がここにいたという証拠をとっておいておきたかった。


でも、俺のそんな密かな願いは叶うこともなく、赤坂先生の大きな声に紛れて消えていった。




緩莓は、今頃どうしているだろうか。


まあ多分、緩莓のことだから、すぐに好かれて馴染んでいると思うけど。


そんなことを考えていたら、


「…陽くん」


と、小さな声がした。


多分この声は、いや、囁きは俺にしか聞こえなかっただろう。


振り返ると、前より大人っぽくなった茉莉の姿があった。





「私のこと…覚えてる?」

132: 愛華@菅井様 ◆QI:2019/08/22(木) 22:59


 あああ、切ないぃ…
 続きが気になります!頑張ってください!
 

133:リコピン◆z.:2019/08/23(金) 10:11

愛華さんいつもありがとうございますううう🙏😭✨頑張ります✨😭

134:紅蓮◆jk:2019/08/23(金) 10:14

ゆるめちゃぁぁん! 切ないよね.....
みっつーと茉莉ちゃんもきになります

135:リコピン◆z.:2019/08/23(金) 10:16

みっつーと茉莉はどうしようねぇw

136:若美小説◆YQ:2019/08/23(金) 14:12

こんにちは!

感想
文も分かりやすく、読みやすかったです。
それだけではなく、ストーリーがすごいいいです!面白いです!(ファンで興奮中)
アドバイス
最近の投稿は、緩莓ちゃんが転校してしまった、ということで使われてないのですが。
たまーに絵文字が入っているときがあるので、そこだけ直すと、さらに小説っぽくなると思います!

これからも応援しています!頑張ってくださいね!

137:若美小説◆YQ:2019/08/23(金) 14:19

すみません、訂正。
絵文字が入っているときがあるので、そこだけ直すと

絵文字が入っているときがあるので、絵文字をなくすと

ごめんなさぁい‼

138:リコピン◆z.:2019/08/23(金) 16:12

ありがとうございます…!!!🙏✨😭ありがとうございますううう!!たしかに、絵文字入ってるときあります!すんごく参考になりました!ありがとうございます🙏

139:若美小説◆YQ:2019/08/23(金) 16:18

いえいえ!何かありがとうございます!

140:リコピン◆z.:2019/08/23(金) 18:16

いや、こっちのセリフです!アドバイスありがとうございました!

141:若美小説◆YQ:2019/08/23(金) 18:33

いえ、頑張ってくださいね!(終わらない?系ですね。それでは〜)

142:リコピン◆z.:2019/08/23(金) 20:27

はい!ありがとうございます!まだ続きますよ〜頑張りまーす

143:リコピン◆z.:2019/08/24(土) 18:54



「…覚えてる…よ」


本当はずっと気になっていたなんて言えない。


悟られないために、なるべくよそよそしく答えた。


「よかった」


茉莉はふわりと笑った。


まるで、あの頃のように。


「みっつー」


と、明るい声がした。


「やっほー。あのさ、聞きたいことあんだけどー」


結菜が近づいてくると、茉莉はふっといなくなった。


そのことに少し違和感を覚えると、結菜に「おい、小僧!」と背中をばしんと叩かれた。


「いてーな、おい」


そう言うと、結菜が笑い出した。


「えちょ、何?」


「なんかさー、前もこんな流れあったよね〜。私がの背中叩いてみっつーがいてーなおいって言ってさ〜」


結菜は顔をくしゃくしゃにして笑った。


「お前、久しぶりに笑ったんじゃね?」


「──え?久しぶりにって…」


自分でも言いたくなかったが…


「──緩莓がいなくなってから、こんな大声で笑うことなかっただろ」


そう言うと、結菜は案の定顔を曇らせた。


「まあ、そうだけど…。…あ〜あ、なんでよりにもよって緩莓が引っ越しちゃったんだろーね……」


結菜ははあとため息をついた。


「井ノ原みたいなクソ野郎が引っ越せばいいのに」


「…だね」


「二人してひどいヨねえひどいヨ」


俺たちの声が聞こえたらしい井ノ原は硬直しながらそういった。


「緩莓…あっちでもモテるだろーなー」


そう言ってから、結菜はニヤリと笑った。




「とられちゃうかもね♪」



「お前そーゆーこというな」


「すんませーん」

144:リコピン◆z.:2019/08/25(日) 07:22


❁ * 緩莓side * ❁


「思ったんだけどさ〜、俺たちって似てね?」


お昼。


お弁当を食べている最中。


ここの学校は机を動かさずに食べるスタイルらしい。


それを疑問に思っていたら、北島くんに話しかけられた。


似てる…かな?


「…どこらへんが?」


そう訊ねると、北島くんはにかっと笑った。


「苗字」


「…?」


意味が分からなくて首を傾げていると、北島くんはノートをシャーペンを取り出した。


「ほら」


北島くんは何か書いて見せてきた。


『北島』『南島』


「“北”と“南”ってこと?」


「そう!あったり〜」


気づかなかった、北島くんって面白い気がする。


ちょっと和田に似てる気もするけど…w


でも、にかっと笑うとことか、みっちゃんに似てる気もするなあ……


和田とみっちゃんを混ぜた感じ?





……いや、カオスだわ……

145:リコピン◆z.:2019/08/25(日) 19:37

展開これで大丈夫かな(・。・;w

146:リコピン◆z.:2019/08/26(月) 08:28


「ねーねーゆるめちゃん!今度の林間学校さ、一緒の班にしようよ!」


お昼休み。


自分の席に座ってみっちゃんの事を考えていると、沙耶香ちゃんが元気よく駆け寄ってきた。




──やっぱり、結菜と重なってしまう。


「…?ゆるめちゃん?」


首を傾げている沙耶香ちゃん。


「あっ、ごめん。なんでもない。えーとなんだっけ。林間…学校?」


沙耶香ちゃんが言っていた林間学校。


多分、みっちゃんたちの学校でもあるだろうなあ………








一緒に、思い出作りたかったな…


きっと私が引っ越していなくて、あの教室にいたら、きっとみっちゃんは一緒の班になろうって。


太陽みたいな、笑顔で………



視界が滲んだ。


ダメだ。泣いちゃダメだ。


私はみっちゃんから笑顔と愛を貰ったんだから。


みっちゃんにとって、私が笑顔でいることが一番の恩返しだから。





泣いたりしたら、だめだって………



「ゆ、ゆるめちゃん……どうし…」



「……ううん、大丈夫。…目薬。目薬さしたの。あー、かゆかった」


無茶な言い訳…。


しかも、私は今、とんでもなく下手な笑顔を浮かべていると思う。


目に涙を浮かべながら、苦笑いのような笑みを浮かべている気がする。




とりあえず、私は涙を拭った。

147:匿名:2019/08/26(月) 17:50

そーいえば、リコピンさん活動休止するっていってましたよね…?つぶやきスレで見かけたんですけど。
ってことは赤い糸はもう更新されないんですか!?

148:一騎◆:2019/08/26(月) 21:33

>>147
赤い糸はなるべく更新するって言ってた。

149:リコピン◆z.:2019/08/27(火) 07:30


* ☆ 陽side ☆ *


「ねぇねぇ、昨日緩莓からLINE来たんだけど〜、もう友達できたって!」


翌日の朝、結菜が嬉しそうに報告してきた。


「へー。さすが緩莓」


素直に感心してると、結菜がニヤリと笑った。


なんかその笑い方多くね?w


「女子の友達じゃなくて男子かもよ?」


「いやありえんって」


「えーでも知ってるでしょ〜?緩莓がモテることぐらい」


「まあ…」


「じゃ、ありえーるでしょ!!」


「…」


「アタックしなよ!ww」


「…お前洗剤好きなの?」


「ちっげーよ!w」


すると、和田が教室に入ってきた。


「よお」


「おう」


「そだ、和田!和田ってなんか告られたんでしょ?w」


結菜が半笑いで言った。


「草生やすなしwそうだよ俺は告られたんだ!いいだろーははー」


和田はよくボディービルダーがとるポーズをした。


いやなんでそのポーズ?


「なんだっけ〜塾の子だっけ?」


「ふふん!その通り」


「で、断ったの?」


「……いや、断るっていうか…」


和田がしどろもどろになった。


「え、なになにOKしたの!?」


思わず訊ねると、和田はこう言ったのだ。




「好きって言うだけが告白じゃねーだろ?」






ゴリラのくせになにかっこいいセリフいってんだゴラ…


「え?なに違うの?好きって言われたんじゃないの?あ、月が綺麗ですねとか?」


結菜が首を傾げると、





「………『あのね、告白したいことがあるんだけど……




服に値札ついてるよ…』…って言われましたとさ。めでたしめでたs「「ぶははははは!!!!!」」


「え何?半額シール!?www」


「ちげーよ」


「『ゴリラ専用』ってかいてある値札?www」


「お前らうぜえ…w」

150:リコピン◆z.:2019/08/28(水) 07:25

* ❁ 緩莓side ❁ *


「そっか…ゆるめちゃんって、彼氏さんがいるんだ…」


帰り道、沙耶香ちゃんにみっちゃんの事を話した。


「うん……付き合ってるっていうか…両思い?なんだけど」


「じゃあ、両思いではあるけど付き合ってはないってことだね」


沙耶香ちゃんって察しがいいなあ…


「うん、そう」


「なるほど〜。あっ、そうだ、ちょっと話変わるんだけど〜」


「うん。」


「北島のこと狙ってる女子ってけっこーいるから、気をつけたほうがいいよ」


北島くん…


あの明るい笑顔が思い浮かぶ。


「そうなんだ」






「あいつゆるめちゃんのこと好きだよー」









「え??」


「だってさー、女子嫌いなあの北島があんなにゆるめちゃんに優しくするなんて」


「そうかな…」


沙耶香ちゃんとも普通に喋ってた気がしたけど…


「絶対そうだよ!だって普通にかわいいーって言ってたし」


『南島さんって、驚くとき「きゃっ」じゃなくて「わっ」って言うんだ。なんかかわいー』


あれは冗談だよ…


「…沙耶香ちゃんは?好きな人いるの?」


ふと思いついて聞いてみると、


「さあ、どうかなあ」


と、へらりと笑った。

151:リコピン◆z.:2019/08/28(水) 18:28


* ☆ 陽side ☆ *


今日は、朝起きると、雨が降っていた。


雨の日になると、必ず思い出してしまう。




中1のとき──


その日は、雨が降っていた。


強くも弱くもない、普通の雨。


その日はサッカー部がオフで、俺は帰ろうと昇降口を出た。


そこで、俺は傘を持ってきてないことにに気づいた。


朝は降っていなかったから、まさか雨が降るなんて思ってなかったから。


どうしよう、と昇降口の雨よけの下で立ち尽くしていると、






『どうしたの?』


と、澄んだ声が聞こえてきたのだ。





『み、南島…さん』





『…傘、ないの?』


『あ……』


傘を忘れたことを打ち明けるのがなぜか妙に恥ずかしくて、言葉を濁した。


『さては図星だな?』


緩莓はいたずらっぽく笑った。


いつもとはまた違う表情にドキッとする。



『あ…うん』


そう答えると、緩莓は頬をほころばせた。




『傘を忘れた罪として、私と相合い傘の刑に処す』






『へ…』



びっくりして緩莓の顔を見ると、少し照れたように笑っていた。


『さ、帰ろう』


そう言って緩莓は俺の手をひいてさした傘の中に入れた。


突然触れられたことと、あまりの近さに鼓動が速くなる。



緩莓の隣にこんなに至近距離でいられるなんてことを喜んでいる半面、誰かに目撃されたらどうしようという不安もあった。


しばらく二人で一つの傘で帰っていると、後ろから『みーっちゃったみーちゃった!!』というでかい声が聞こえてきた。


驚いて二人して振り向くと、そこには和田がいた。


『なにお前ら相合い傘してんだよ〜え〜?』


和田がニヤニヤしながら指差してきた。


『んだよ〜』


と言いながら緩莓を見ると、恥ずかしかったのか、耳まで真っ赤にして俯いていた。


そんな緩莓を見て、思わず俺まで赤くなってきた。


『お前ら……覚えとけよおおおーー!!!』


と、和田はなぜかそう叫んで走っていった。


緩莓はまだ俯いている。



『ほら、南島さん、笑って』


優しく声をかけると、緩莓は顔をあげ、いつもどおりの可愛い笑顔を咲かせた。


すると、なんと雨が徐々に弱まり、日差しが出てきたのだ。


『南島さん……』


まさか晴れるなんて思ってなくて、びっくりしてしながら緩莓を見ると、なんだか寂しそうな顔で空を見上げていた。





『相合い傘、もっとしたかったな』


そう言って、微笑んだ緩莓は、優しい光に照らされて、すごく綺麗だったのを、今でも鮮明に覚えている。

152:リコピン◆z.:2019/08/29(木) 07:37


そんなことを思い出しながら、家を出た。


雨が傘に当たって音をたてる。


しばらく傘からつたたり落ちる雫を見つめながら歩いていると、前に見覚えのある姿をとらえた。


新原さんだ。(>>69>>70参照)


どうしよう、声をかけたほうがいいだろうか。


でもそこまでしなくても…


そう考えてるうちに、足音で気づかれてしまったようで、新原さんが振り返った。


目が合うと、新原さんは途端に笑顔になった。


「陽先輩!!」


新原さんは笑顔で駆け寄ってきた。


「新原さん、おはよ」


「おはようございます!!いやぁ、まさか朝から先輩と会えるなんて思ってませんでした」


「いっつもこの道通るの?」


そう訊ねると、


「いや、いつもは別の道使ってるんですけど、今日はなんとなくこっちで行ってみようかなって」


「へー。そうなんだ」


「陽先輩はいつもこの道なんですか?」


「うん」


「じゃあ、これからこっちの道で行こうかな」


新原さんは楽しそうに笑った。


「あ……ところで先輩、彼女さんいるんですか?」


彼女、という響きを聞いて、緩莓の顔が思い浮かぶ。


いや、でも俺達はそういう関係じゃないし……


両思いなだけで…。


「…いないよ」


そう答えると、新原さんは目を丸くした。


「えっ…先輩、いないんですか」


新原さんが足を止めた。


「?…新原さん?」


不思議に思って足を止めると、新原さんはなにか決意したような顔でこっちを見つめた。





「私、陽先輩のことが好きです!付き合ってください!」





考えるよりも先に、口が動いた。



「ごめんね。俺ずっと前から好きな人がいるんだ。気持ちはすごい嬉しいよ。ありがとね」


そう言うと、新原さんはなぜか納得したような顔をした。


「…実は、なんとなく気づいてました。陽先輩は好きな人がいるって」


「え……」


「頑張ってください。応援してます!」


新原さんは、振られたのにも関わらず、明るい笑顔を浮かべてそういった。



すごく強い子だ。

153:リコピン◆z.:2019/08/29(木) 20:22

そういえばいつの間にか三橋が結菜のこと呼ぶとき『榊原』→『結菜』になってた&結菜の緩莓の呼び方が『ゆる』→『緩莓』に変わってたけどそのまま続けます🙏

154:リコピン◆z.:2019/08/31(土) 10:01

* ❁ 緩莓side ❁ *


「じゃあ今日は、今度の林間学校のグループなどを決めたいと思いまーす」


先生がそう言うと、途端に教室が騒がしくなった。


「あー、はいはい静かに!くじ引きで決めるわよ」


「「え〜!?」」


「なにかご不満?」


先生がそう訊ねると、北島くんが手をあげた。


「中学校生活最後のせっかくの林間学校なんで、仲いい人と一緒になりたいです!だから自由がいいです!」


さんせーい、という意見が多くあがり、先生は「しょうがないわねぇ」と言った。


「じゃ、怪我はしないでくださいね」


みんなが一斉に立ち上がり、仲がいい人のもとへ突っ走る。




これ、ぼーっとしてたら取り残されるかも……


焦りが生まれ、ちらりと沙耶香ちゃんの方を見ると、彼女は人気者なのでたくさんの女子に囲まれていた。


…っていうかこれって何人班なのかな?


「南島さーん」


唐突にそう呼ばれて振り返ると、北島くんが手招きしていた。


北島くんの周りには複数の男女がおり、少し緊張する。


「南島さんさ、俺らのグループ入んなよ」


視線を感じて、目を向けると、一人のツリ目がちの女の子がこっちを睨んでいるような気がした。


「…でも…」


「はい、決定ね!!」


北島くんは眩しいほどの明るい笑顔を浮かべた。


「あっ、そだ!お前ら南島さんに自己紹介して!」


北島くんが思いついたようにそう言うと、ツリ目の女の子は顔をしかめた。


「い、いいよそんな」


慌てて言うと、北島くんはキョトンとした。


「だって、名前とか知らないと話すとき大変だろ?」


ごもっとも。


けど…


「俺小室直樹!みんなからは『小室』って呼ばれるから、南島さんもそう呼んでいいよ!」


北島くんと同じく日焼けした肌が特徴的な男の子。


「…うん。よろしくね」


「只中航!よろしく!」


大きな目の明るそうな男の子が握手をしてきた。


いきなり触れられてびっくりしたけど、これは航くんなりの挨拶なのだろうと納得した。


「私は望月遥っていいます。よろしくね」


ふんわりと笑った子は、会釈をしてくれた。


「よろしくね」


会釈を返すと、遥ちゃんはツリ目の女の子に声をかけた。


すると、その子は不満そうにこっちを見た。


背筋がひやりとした。


「…宮園小春。」


「おい宮園。よろしくぐらい言えよ」


小室くんがそう言うと、小春ちゃんは大きなため息をついて、「よろ」と言った。


「…うん。よろしくね」





小春ちゃん怖いなあ……

155:リコピン◆z.:2019/08/31(土) 13:54

休み時間。


机の傷をぼーっと見つめながら座っていると、ぽんと肩を叩かれた。


びっくりして振り返ると、航くんが満面の笑みで立っていた。


「わ、航くん…どうしたの?」


「南島さんどうしたの?」


二人とも同時にそういった。


「え、私はなんもないけど」


「いや〜、なんか寂しそうだなと思って」


航くんは私と同じくらいの背のため、なぜか話しやすい気がする。


…なんとなくだけど。


「…まあ、寂しくないことはないけど」


「え!?冗談のつもりだったんだけど」


いや冗談かいな。


「なになに?何が寂しいの?」


「…友達と、離れちゃったこととか」


「わかるわかる」


「ん?」


「へ?」


「…なんでわかるのw」


「勘!!」


なんか航くんって子供みたいw


「ふーん…」


何気なく窓の外を見ると、カラスが飛んでいた。


「わーっ!!カラスゥ!!」ドテン


航くんはカラスを見るなり尻もちをついた。


「どうしたの…」


「俺さぁ、昔カラスに襲われて!」


航くんは手の甲の傷を見せてきた。


「あらまぁ」


「痛そうでしょ〜、だけど痛くないの、すげーよな」


「うん、すごいすごい」


「わースズメだ〜〜かわいい!!」


次はスズメを見るなり笑顔で窓に近寄った。


「わっカラス!!」


ギャーーーーと言いながらこっちに向かって走ってきた。


ゴンッ


航くんのおでこと私のおでこが衝突した。


「いっ……」


痛さに思わずしゃがみ込む。


「わーーーっ!?ごめんね⁉」


航くんがすぐさましゃがみこんで私のおでこをさすった。


「いたいのいたいの飛べ!!」


「え……飛んでいけじゃないの?」


思わず突っ込むと、航くんは「飛んでった??」と聞いてきた。


聞こえてない…ww


「うん…まあ、ちょっと痛いけど」


「俺石頭だからさ〜」


航くんがははっと笑った。


あまりの顔の近さに耐えきれなくて、


「顔……」


「え?なんかついてる??」


「もういいや」


冗談で立ち上がると、航くんが慌てたように「え、ごめんね!!」と言ってきたので、思わず笑みがこぼれた。




「俺らもう友達だな!」




「うん、そうだね」



そう答えると、航くんは太陽みたいな笑顔で私の頭をぽんぽんと撫でた。


「──え」




「友達記念」




にっと笑った彼の笑顔に、少し胸が高鳴ったのは、




きっと気のせい。

156:リコピン◆z.:2019/08/31(土) 19:49


☆ * 陽side * ☆


「緩莓、友達できた?」


そう打った文章を削除する。


だめだ。


緩莓が引っ越していってから未だに電話やLINEもしてない。


このことを結菜に言ったら怒られたけど。


『はあ!?何もたもたしてんのよ!忘れられちゃうかもよー?』


『いや、忘れはしないだろうけどさ』


『そうやって自分を安心させちゃダメ。もっと自分に厳しくならないと』


自分に厳しく…か。


「緩莓、新しい学校どう?もう馴染めた?」


まあ、緩莓がいなくなってから一週間くらいたっちゃったけど。


そう打った文章を送る。


すると、何分かたってから返事が返ってきた。


『うん!優しい人たちばっかで楽しいよ!みっちゃんは和田たちと楽しくやってる?』


可愛らしいスタンプとともに送られてきた文章を目にすると、緩莓の優しい笑顔が浮かんできた。


まるで目の前で喋っているかのように、緩莓の声が頭の中でこだまする。


「へぇ〜。よかったね!和田ゴリラたちと上手くやってるよwwあ、あとさ、今から電話してもいい?」


久しぶりに緩莓の声が聞きたかったのだ。


『いいよ!』


と返事が返ってきた。


俺は震える指で通話ボタンを押した。




『もしもし?』


「あ……」


久しぶりに聞く優しい声に、涙が出そうになる。


それをぐっとこらえる。


「緩莓…久しぶり」


『久しぶり〜!私もみっちゃんに電話しようか迷ってたんだけど……』


語尾がだんだん小さくなる。


これは照れているときの緩莓の癖だ。


頬を赤らめながら恥ずかしそうに下を向く緩莓の姿が思い浮かんでくる。


「俺も。声聞きたいな〜喋りたいなって思ってたけど、なんか勇気でなくて」


『愛と勇気だけが友達さ〜♪』


「いきなり歌い出すからびっくりしたw」


俺が笑うと、緩莓も笑い出した。


「そうだ。緩莓は新しい友達できた?」


『うん。できたよ。』


「よかったじゃん」


『…みっちゃん』


「ん?」


いきなり緩莓の声音が変わった。




『私にもし、男の子の友達ができたら、どう思う?』



唐突にそんなことを訊かれ、すぐには答えられなかった。



「いや、別に俺に気使わなくていいよ。俺に女友達がいるのと同じだよ。例えば結菜とかさ」


『……そう?』


「うん!」


『そっか。そうだよね…




みっちゃん……』


「ん?なに?」





『月が綺麗だね。』



そこで電話は切れた。

157:リコピン◆z.:2019/09/01(日) 07:33

* ❁ 緩莓side ❁ *


ふあぁ……


あー眠い…


重たい瞼を開けながら、カーテンをあける。


眩しい光が薄暗い部屋に差し込んできた。


あぁ、一日の始まりだな、と思う。


そこでふと、思い出した。


…そういえば、桐野茉莉ちゃんは、もうみっちゃんたちのとこに来たのかなあ……


まあ、もう来てるだろう…。


やっぱり、寂しいや。






朝ごはんを食べ、歯磨きをして、学校に行く準備をする。


家を出るまで、まだ時間が15分くらい残っていた。


ふぅ…と息をつきながら部屋に置いてある鏡を見る。


『緩莓はほんとかわいいよ!だから絶対友達できる!私が保証するぜい』


ここに引っ越してきてから、友達ができるか不安で結菜にLINEで相談したら返ってきた言葉だ。


『可愛い』……か…


私は鏡を見る機会はあまりない。


まあ、朝の身だしなみを整えたりとかはするけど…


基本的に学校のトイレとかでは見ない。


この前、沙耶香ちゃんと一緒にトイレに行ったとき、驚かれた。


「鏡見なくていいの!?…まーそっか。直すとこなんてないし」


私は女子力が足りないのかな、とか思ったし……


すると、ある出来事を思い出した。



中1のとき。



『──なあなあ、このクラスで一番女子力高い人って誰だと思う?』


そんな男子の会話が、聞こえてきたのだ。


そこは放課後の教室で、男子が数人いた。


私は忘れ物を取りにきた。


そして、その話し声が耳に入ってきてしまった。


これ──…今入ってったら確実にKYだよね…


私は足を止め、どうすることもできなくて男子たちの死角に立ちすくんだ。


『ん〜……俺は緩莓がいちばん女子力高いと思うー』


いきなり名前を呼ばれ、びっくりして思わず肩が震えてしまった。


『やっぱ言うと思ったーw』


『お前さ、緩莓のこと好きなんだろ?』


『は!?』


『否定しないってことは、図星じゃん』


『告れば?』


去ろっかな……


『ってゆーかさ、俺ら長話しすぎじゃねって話ww』


『それ』


『帰りますか』


男子たちがこっちへ向かってくる気配がして、どこに隠れよう、という焦りが生まれてきた。


だけど、もう遅かった。


とりあえず顔をそむけていると、


視界が塞がれた。


え?


『だーれだ☆』


あ…びっくりした


目隠しされて暴力されんのかと…←


『え……と、三宅くん?』


『ぴんぽーん☆』


視界が開いた。


『…聞こえてた?』


多分、さっきの会話のことだろう。


『ご、ごめん』


『いいよ、謝んなくて。忘れ物?』


『あ、うん』


『緩莓って抜けてるとこあっておもろいよね〜w女子力めっちゃ高いのに。じゃー!』






『女子力』という言葉を聞くと、大体思い出してしまう。


頭の中でこの出来事が再生されるのだ。


その時、私は少しだけ三宅くんにちょっとした好意を抱いていたから、こんなに印象に残っているのだろう。


まあ、今も三宅くんとLINEするときあるけど。



私って女子力高い雰囲気らしい。三宅くんによると。←

158:リコピン◆z.:2019/09/01(日) 09:58


「ゆるめちゃーん!おはよ!」


教室に入ると、沙耶香ちゃんが元気よく駆け寄って抱きついてきた。


「おはよー」


「ねーね〜、スカウトとかされないの?」


「されないよw」


「えー!?絶対されるよ!こんなに可愛いんだもん」


沙耶香ちゃんが私のほっぺを触りながら言った。


最初触られたときはびっくりしたけど、今はもうすっかり慣れた。


彼女はスキンシップが好きなのだ。


「うぇーいみんなおは!」


そう元気よく教室に入ってきたのは、航くんだった。


どうやったらあんなに満面の笑みでみんなに挨拶できるんだろう…。


「おー航おはよ」


「おっは〜」


「おは!!」


みんなが航くんに声をかける。


「おっは」


沙耶香ちゃんも航くんにそう言った。


すると、航くんと目が合った。


航くんはにっと笑い、席についた。




航くんに笑いかけられた瞬間、胸が高鳴った。



──嘘でしょ?



いや、そんなわけないじゃん……



航くんに恋するなんて、そんなこと……



『友達記念』



その時の航くんの笑顔が蘇る。





やっぱり…………





私──────
















航くんに恋しちゃったのかな。

159:匿名:2019/09/01(日) 13:31


 いつも見てます、!!

 すごく面白いです…!!

 航くんかわいいです笑

 これからもがんばってください!

160:リコピン◆z.:2019/09/01(日) 14:41

>>159 ありがとうございます!!!😭✨🙇♥
すごく面白いだなんて、照れますw 航かわいいらしい()航から一言👉「ありがとーーー!!俺ってかわいいの!?」…はいw 

頑張ります!!💪✌

161:リコピン◆z.:2019/09/01(日) 17:27

緩莓を航とくっつけようか迷ってるんですが…

どう思いますか?()

162:一騎◆:2019/09/01(日) 17:33

>>161
俺は反対

163:リコピン◆z.:2019/09/01(日) 17:35

>>162 意見ありがと!🙏✨かんしゃ

164:若桜☆郁里◆ME:2019/09/01(日) 19:06

>>161
私は緩莓ちゃんと陽くんのペアが好きだから反対かな

165:リコピン◆z.:2019/09/01(日) 19:40

>>164 わかった!意見ありがと〜🙏💕

166:樹音@新一 ◆6Y:2019/09/01(日) 19:41

凄く凄く面白い!
期待しています、これからの展開が楽しみ!

167:リコピン◆z.:2019/09/01(日) 19:42

>>166 そんなああ!!ありがとうございます😭✨頑張りますね!!💪

168:樹音@新一 ◆6Y:2019/09/01(日) 19:43

>>167
はい、期待していますね。
あのぉ…違ったらアレなんですけど
タピオカパンちゃんですか?
何かそれっぽいな、って

169:リコピン◆z.:2019/09/01(日) 20:28

>>168 うん!!そそ!名前変えたんだ〜

170:樹音@新一 ◆6Y:2019/09/01(日) 20:30

やっぱりね!これから仲良くしよね!

171:リコピン◆z.:2019/09/02(月) 06:57

うん!あんがと〜👼♥

172:リコピン◆z.:2019/09/02(月) 07:31

* ☆ 陽side ☆ *


「陽くんって…好きな子いるの?」


たまたま帰り道茉莉と一緒になり、そう訊ねられた。


「うん。まあ…」


少し照れくさくて、そう答えると、茉莉は微笑んだ。


その反応は…別に俺のことが好きってわけじゃないのか。


でも、茉莉は眉を下げながら、寂しそうに笑った。


「そうなんだ。…応援するね」


「おう」


それから、沈黙が訪れる。


「そうだ。茉莉は前の学校で好きな人とかいたの?」


「ん〜…まあ、一応いたけど、付き合いたいとかそういう感じじゃないの。ただ、憧れ程度の」


「ふーん」


「…陽くんって、スマホ持ってる?」


「うん」


「そうなんだ…ねぇ、よかったらさ、連絡先…「陽せんぱ〜い!!」


後ろから元気な声が聞こえてきた。


振り向くと、新原さんが駆け寄ってきた。


隣の茉莉は、戸惑ったような顔をしている。


「あ……新原さん」


「陽先輩、一緒に帰りましょうよ!」


「え……」


茉莉がそう洩らした。


新原さんは俺のことしか見ていない。


茉莉は顔を伏せた。


「わ…私、先に帰るね」


茉莉が方向を変えて歩き出そうとした。


「茉莉も一緒でいいなら一緒に帰るけど」


茉莉のことを控えめに指差しながら、新原さんに話しかける。


茉莉は目を見開いた。


新原さんは怪訝な顔をした。


この前告白されて、振ったとき、『応援します』って言われて、いい子だなとか思ったけど。


「じゃあ、そうしましょう!」


新原さんはニッコリと笑った。





それから、3人で帰ることになった。


「陽先輩の好きな人って、どんな人ですか?」


新原さんが早速話しかけてきた。


おしゃべりな子だなあ、と思いつつ、緩莓の性格を思い浮かべる。



『傘を忘れた罪として、私と相合い傘の刑に処す』



あの日から、俺は緩莓に心を鷲掴みにされた。


次々に、緩莓との思い出が脳内で踊る。


「陽先輩?」


あまりにも長く考えすぎていたせいか、新原さんが訊ねて来た。


「ん〜…一言では言い表せないなあ…強いて言うなら、





憎めない人、かな」


緩莓は、本当に憎めない。


緩莓が、本当に涙もろいのを、俺は知っている。


だけど、緩莓は人前で涙を見せない。


『心配なんてかけられないもん』


そう、緩莓は優しいんだ。


「憎めない、人…ですか」


「うん。本当に大切な人だよ。一緒にいたら、自然と心が浄化されるっていうか…自然に惹かれていくんだよね」


「そうか…陽くんには、そんな大切な人がいたんだね…」


突然茉莉がそう言った。


「私もその子に会いたいな」



「同じクラスですか??」



「うん。こないだまではね」


「え?」


「引っ越しちゃったんだ」


いつ会えるか分からないけど、俺はまた会えることを信じてる。


『みっちゃん、笑って!』


その言葉に、俺は何度助けられただろうか。

173:リコピン◆z.:2019/09/02(月) 19:09

* ❁ 緩莓side ❁ *


「ねぇねぇ、ゆるめちゃんの好きな人ってどんな人?」


休み時間、沙耶香ちゃんに突然訊ねられた。


「ど、どんな人って…」


「例えば、優しい〜とか明るい〜とか」


どっちも当てはまるけど。


「ん〜…すごい、優しいよ。思いやりがあって、ほんと…」


一言では言い表せなかった。


「ホントに優しいんだね、伝わった」


沙耶香ちゃんは微笑んだ。


「うん。…すごい、大切な人なの」


『大切な人』としっかり口に出してしまった。


自分で言ったのに顔が赤くなってしまった。


「も〜、こっちまで照れちゃうじゃん!」


沙耶香ちゃんは私の肩を揺さぶった。


そこで、ふと思いついた。


「…沙耶香ちゃんは、好きな人いないの?」


「えー?また?」


「前も聞いたっけ」


「うん。」


「いるんでしょ?」


「まあ、いるけど…」


沙耶香ちゃんは照れくさそうに頬を赤らめた。


「同じクラス?」


「うん。」


「どんな性格?」


「アホで馬鹿でドジで、子供っぽくて天然で無邪気」


子供っぽい…


「それってもしかして、わたるく「今日のお弁当、一緒に食べようよ!ねっ」


「え、うん」


航くんが好きなんだ…。


北島くんと喋っている航くんをちらりと横目で見る。


いつ見ても、彼は笑っている。


いつも笑顔だ。


私もよく、『緩莓っていつもニコニコしてるよね』と言われることがある。


でもそれは、表面上の私であって、ただ愛想をよくしているだけ。


みんなに見せている笑顔は、本物ではない。


でも、本当に楽しいとき───


みっちゃんと喋っるときや、結菜とか和田とかとわいわいやってるときは、自然に頬が緩む。


それが本当の私だ。


そうやって表面を取り繕っている私とは真逆で、航くんはいつも心から笑っている。


『よく笑う人は、よく泣く人。』


そんな言葉が浮かんできた。


航くんは、よく笑っているけど、もしかしたら裏で涙を流しているかもしれない。


私もよく、誰もいないところで泣く。


もしかしたら、航くんと私は根が似てるのかも…


「私と航、幼稚園の頃からずっと一緒なの。クラスは、一回別れたけど」


「一回だけ?」


「そ。すごいよね、ほんと」


沙耶香ちゃんは嬉しそうに笑った。


その笑顔は、心から航くんのことが好きだと物語っていた。


明るくて優しい沙耶香ちゃんと、無邪気で天然な航くんは、すごくお似合いな気がする。






私はやっぱり、誰よりもみっちゃんが好き。





───ずっとずっと、側にいれると思ってたのになあ……。





きっとこれは、



神様のいたずらだ。

174:リコピン◆z.:2019/09/02(月) 20:41





「じゃーね〜」


帰り際、沙耶香ちゃんに手を振って、別れた。


建物がいっぱいあるなあ……


さすが都会、とつぶやく。


今はそこまでひと気が無かった。


意味もなく手を観察していると、


ガシッ


いきなり後ろから手を掴まれた。


「──え」


驚いて振り向いたときには、もう路地裏へと追いやられていた。


目の前には、私より一つか二つくらい年上っぽい男の人がいた。


「…あ、の」


恐怖で言葉が出なかった。


心臓がバクバクと暴れている。





「俺と付き合え」




男の人は低い声でそう言った。


「…い、やです…すみませ…」



ドンッ!!



「あ゛?」


冷たい声で怒鳴られ、肩が震える。


目にはいつの間にか涙が滲んでいた。


「ごめ…ごめんなさい」


手で涙を拭おうとしたけど、両腕を掴まれているので、頬を伝って落ちた。




「なに泣いてんだよ…煽ってんのかゴラ!!」


ぼやけた視界で男の人を見上げる。


うわあ…不良だ…


こんな状況に遭っているというのに、私の頭に浮かぶのはそんなのんきなことばかり。


金髪にピアス、そして鋭い目つき。



なんで?


なんでよりにもよって私がこんな目に遭わないといけないの?


神様は私で遊びすぎだ。


「…お前、高校生か」


突然話しかけられ、ビクリとしてしまった。


「…いえ、中学生です…」


「いいか?今からてめぇは俺の女だ。」


不良男は不敵な笑みを浮かべた。


「は…」


そんな間抜けな声を洩らしたと同時に、



ガコン



という音がした。


驚いてそっちへ目を向けると、そこには見覚えのある人物がいた。


「わ、たるくん…?」


かすれた声でそう呼ぶと、航くんはびっくりしてこっちを見た。


「わ、南島さん!飲み物飲むー?」


天然な航くんは男に気づかず、今自動販売機で買ったジュースを差し出してきた。


「んだテメ、知り合いか」


不良男が口を開くと、航くんは目を見開いた。


──と思いきや。


「南島さん、行くよ」


と、私の手を掴んで走り出した。


不良男は隙をつかれ、なにか叫んでいた。


その路地裏からしばらく離れたところまで走ると、航くんは止まった。


いきなり止まったので、勢い余って航くんの背中にぶつかってしまった。


「航くん…」


ようやく口を開くと、航くんは振り向いた。


「なんか、南島さんの後ろ歩いてて、前見たらいつの間にかいなくなってて、もしかしてっと思ったら予想当たった」


「助けに来てくれたの…?」


そう訊ねると、航くんは答えるかわりに私の頭を撫でた。


「怖かったでしょ、もっと早く助けに行ってればよかったね、ゴメンね」




「助けてくれて、ありがとう」


私は航くんの手を握った。

175:愛華@ゆっかー◆QI:2019/09/02(月) 21:52


 あああ、緩苺ちゃんと陽くんくっつけて欲しい、、!
 どこかで再会するとか…勝手に言ってごめん!
 ていうか、私、前タピオカパンの時にタメでいいよねって話した希ガス…
   

176:リコピン◆z.:2019/09/03(火) 07:10

>>175 よし、みつゆるくっつけよう((全然!!コメもらえるのすごい嬉しいからありがたい🙏✨ だよね!wこれからもよろしくね✌

177:リコピン◆z.:2019/09/03(火) 07:28



家に帰ってから、深く息をついた。



ため息じゃない。



なんか、色んなことがありすぎて…



「おかえり」



突然お母さんが出てきて、思わず玄関でコケそうになった。



「た、ただいま…あれ?仕事は…」



いつもはもっと遅く帰ってくるから、なんでこんな時間にいるんだろ。



「いつも緩莓に遊雨と繪恋のお世話してもらってるから。いつもありがとね。たまには休んで」



お母さんはそう言ってニコッと笑った。



「うん…ありがとう」



私は最近、お母さんと話すことが少なくなってきていた。



私が中学生になってから、お母さんも働くようになって…



「そうだ。今日里香ちゃんから電話あって〜」



『里香ちゃん』というのは、みっちゃんのお母さんの名前。



仲がいいから、下の名前で呼んでるらしい。





「今度の日曜日、一緒に食事行かないかって」






「そうなんだ。楽しんできてね」




素直にそう言うと、お母さんは目を瞬かせた。



「何言ってるの、緩莓も行くのよ」




「──え?」



意味が理解できなくて、そう訊ねた。



「里香ちゃんと、陽くんと、緩莓と私。あ、どっちもお父さんは仕事で来れないから。遊雨と繪恋はベビーシッター頼んどく」



早口でまくしたてるお母さんに、私は目を丸くするしかなかった。



「緩莓、陽くんと会いたいでしょ?」











「…うん。




会いたい……!!」






みっちゃんに会える。




私の頭はそのことでいっぱいになった。






早く日曜日になってほしいな〜…

178:リコピン◆z.:2019/09/03(火) 19:25



「ええええ!!良かったじゃん!」


翌日、日曜日にみっちゃんと会えることを沙耶香ちゃんに報告した。


沙耶香ちゃんは私の背中をバシバシ叩きながら自分のことのように興奮している。


握力25kgらしい…


うん、痛い。w


「そうだよね!痛いよねゴメンね!」


心の中でつぶやいたつもりが、口に出ていたらしい。


否定することができなくて苦笑いしていると、雷がゴロゴロといってきた。


そういえば、みっちゃんは私より雷を怖がってたなあ……


女子よりも怖がっているみっちゃんの姿が面白くて、みんなで笑っていたのを覚えている。


「うわあ、滝じゃん!」


航くんの声でハッと我にかえった。


窓の外を見ると、雨がザーザーと降っていた。


え……


傘持ってきてない……


すると、髪が触られる感覚がした。


「ちょっとじっとしてて!可愛くしてあげる」


沙耶香ちゃんがそう言ったので、大人しく雨を見つめていた。





「はい、できた!」


数分後、沙耶香ちゃんの明るい声がした。


はい、と鏡を渡され、見てみると、みつあみにしてあった。


「わ、すごい……」


さすが沙耶香ちゃん、と心の中でつぶやく。


私は体育のときや料理をしたりするときにしか髪を結かないから、みつあみ姿の自分は新鮮だった。


「すげえ!似合ってるね!」


航くんが無邪気にそういった。


似合ってる、と言われて嬉しくなった。


だんだん分かってきたけど、多分航くんは誰にでもこんな感じに接するのだろう。


思ったことをぽんと口に出すような、素直な性格なのだ。


「あ、ありがとう





私も、素直になりたいな…。

179:リコピン◆z.:2019/09/04(水) 07:15


帰るときにも、まだ雨はやんでいなくて、コンクリートの地面を容赦なく打ちつけていた。


どうしよう…


やむまで待つ?


でもなあ……


遊雨と繪恋のお世話もあるし、早く行かないと。


そう思って、昇降口を出ようとすると、


「え!?風邪ひくよ!」


と後ろから大きな声が聞こえてきた。


「航くん」


航くんは慌てて靴を履き替え、傘立てから自分の傘を取って、私に差し出してきた。


「え…」


「女のコは風邪ひきやすいんだから、この土砂降りの中びしょびしょになりながら帰ったらダメだよ」


案外、しっかりしてるんだね。


と、失礼なことを口に出してしまいそうになって、慌てて口をつぐむ。


「じゃ!」


航くんは私に傘を預け、自分は何もささないで帰ろうとした。


「え…っちょっと待って」


「ん?」


思わず航くんの手を掴んでしまい、恥ずかしくなってぱっと離した。


「私だけ得するなんて…航くんに申し訳ない」


「じゃあ、相合い傘して帰る?」


あまりにもあっさりと言ったのでびっくりしてコケそうになった。←


「どーする?」


航くんが首をかしげて訊いて来る。


「それか、雨がやむように願うか」


え?w


航くんは空に向かって手を合わせていた。


天然だなあ…


「南島さんも願ってみてよ」


と言われたので、渋々手を合わせて目をつむる。


多分航くんは心の中で「晴れろや」って念じてるだろうけど、私は目をつむりながらみっちゃんの笑顔を思い浮かべていた。


太陽みたいに明るい、眩しい笑顔。


いけ、みっちゃんパワー!!←


「お?ちょっと弱まってきた!?」


という航くんの声で目を開けると、さっきよりはずいぶんとましになってきていた。


「よし!行くぞ!」


「え?」


「雨の世界へレッツラゴー!」


航くんは私の手をひいて走り出した。


水たまりも気にせずに雨の中を駆け抜ける。


てゆーか……


「…傘、さしたほうがいいんじゃない?」


「あ!!ナイスアイディ〜ア!」


無駄にネイティブでウケる。


私が傘をさして、航くんが濡れないように大きく傾けると、航くんは「風邪ひくよ!」とこっちに傾けてきた。


「いいよ、大丈夫だし」


とまた航くんへ傾ける。


「風邪ひいたらどうなるかわかってる!?マスクだよ!?マ・ス・ク!おれマスクやだ!嫌い!!」


自由な航くんのことだから、締め付けられるようでマスクは苦手なようだ。


「べつにいいよ」

「女のコは健康第一」

「男の子もでしょ」

「ダメ」

「ノーセンキュー」


傘をお互いに傾けるという謎のやり取りが続き、そのまま走り続けていると、


「…あ!みずたまーり!」


と航くんがいきなり叫んだ。


「え?」


時すでに遅し。


ばちゃん


大きな水たまりを二人で踏んでしまい、水が大きくはねた。


「「わーお」」


ハモったのが面白くて、ついふきだしてしまった。

180:リコピン◆z.:2019/09/04(水) 18:33


「じゃーね〜」


航くんと別れる頃には、もう雨はやんでいた。


「うん!じゃね〜!」


航くんは満面の笑みでブンブンと手を振ってきた。


私も自然と笑顔になり、手を振り返す。


そして、航くんの姿が見えなくなり、もうすぐ家に着く、


というとき。






「うっわ」




と、後ろから冷たい声が聞こえてきた。


え……


これは、私に向けて言ってるの……?


おそるおそる振り向くと、そこには見覚えのある、ツリ目の女の子が腕組みをして立っていた。


「こ、はるちゃん」


そう言うと、小春ちゃんは眉をくっとあげた。


「は?気安く名前で呼ばないでくれる?」


「ごめんなさい」


慌てて謝ると、小春ちゃんは続けて口を開いた。


「何?さっきの。」


「え…」


「なんで航とあんたが一緒に帰ってたわけ?しかも相合い傘なんてして」


見られてたんだ、と鼓動が速くなった。


「あの…あれは…」


「ボソボソ言ってんじゃねーよ。マジでムカつく。目障り。



なに航を自分のものにしようとしてんの?ばっかじゃないの!?」


小春ちゃんがヒステリックに叫んだ。


サッと血の気がひいた。




私は航くんに近づいてはだめだった。


私は航くんに優しくされてはだめだった。


だけど……



私は、航くんと仲良くしたらだめなの?


航くんと喋っているのは素直に楽しいし、自由になれるし、心が明るくなる。


それなのに──




「航はあんたみたいな奴とは似合わない。もう、今後一切航と関わらないで。関わったとしたらあ……





その髪の毛ちょん切ってあげる」


小春ちゃんはニッコリと笑った。


『緩莓の髪の毛綺麗だね!』




みっちゃん。



私は、どうしたらいいと思う……?


「航はね、みんなの航なの。だから航を奪おうとする奴は──」


「わたるわたるうるさいよ!奪うって何?みんなの航って?そんなの誰が決めたの?



そうやって航くんを束縛したら、ダメだよ」




「束縛なんてしてないし!」


「してるよ!」


「あーはいはいそうですか。」





「航くんが好きなんだったら、自由にさせてあげなよ」


私は彼女にそう告げ、くるりと家の方向へと向かって歩き出した。




仲良くしちゃだめなんて、逆に航くんが可哀想だよ。



そんなの、鳥かごに入れられて自由に飛べない鳥と同じじゃないかな。



あーあ、


あーあ。


雨によって洗われた空は、異様なほど透き通っていて、すごく羨ましかった。


そんな空を見ていたら、風にふかれてどっか飛んでいけないかな、なんて馬鹿なこと考えてしまう。




神様は、次はどんな出来事を私に与えるんだろう。


それは私にとっていいことなのか、悪いことなのか……







さあ、どっちだろう。

181:リコピン◆z.:2019/09/04(水) 20:26



夜。



ずっと悩んでいた。



私は航くんと仲良くしてはいけないんだ。



仲良くしたら……



考えただけでも背筋がゾクッとする。



小春ちゃん怖い……



航くんに関わる人全員にああやって言ってるのかな?



いや……そんなわけないか。



私だけ…か。



そう考えたら、胸がきゅっとなった。



目元が熱くなる。



「私、……情けないなあ…」



みっちゃんだったらどうするだろう。



この私を見たら、どうするだろう。



『俺が側にいるから』



きっと、そう言ってくれる。



私の大好きなあの笑顔で、そう言ってくれるはず。






でも……




神様はそれを、許してはくれなかった。



いつもでもみっちゃんに甘えてちゃ駄目、とでも言うように。



いつか自立しないといけない。



こんなのでくじけてたらダメだ。




『はあ?何そいつ。ぶっ飛ばす』



結菜だったら、きっとこう言ってくれる。



『笑え笑え笑え!俺様にかかればそんなやつひとひねりだ』



和田だったら、きっとこう。






みんなに会いたい。



みんなと喋りたい。



どんなくだらないことでもいい。



どんなしょうもないことでもいいから、笑い合いたい。



こんなに悲しむなら、もっとみんなとふれあっておけばよかった。






だって、未来なんて分からないんだもん。






普通だと思っていた毎日が、こんなにかけがえのないものだったなんて。



みんなの笑顔が、こんなにも愛おしくなるなんて。







人生は楽しいことばかりではない。




神様はきっと、そのことを教えてくれたのだ。

182:若桜☆郁里◆ME:2019/09/04(水) 20:46

切ない…緩莓ちゃん頑張れ‼
そして更新頑張れ‼

183:リコピン◆z.:2019/09/04(水) 20:58

頑張る💪✨若っちも更新頑張って😘

184:若桜☆郁里◆ME:2019/09/04(水) 21:30

ありがと!

185:リコピン◆z.:2019/09/05(木) 07:15


「ゆるめちゃーん!おはよ〜」


朝教室に入ると、いつも元気に迎えてくれる沙耶香ちゃん。


沙耶香ちゃんの明るさは私の心の支えであった。


「おはよう。あっ、そうだ。昨日のさ……」


ドラマの話をしようとすると、


「さーやーか」


と、聞き覚えのある声が、沙耶香ちゃんを呼んだ。


小春ちゃんだ。


小春ちゃんは笑っていたが、目は笑っていなくて、


まるで、冷たい氷のような視線で、沙耶香ちゃんを貫いていた。


「言ったよね?」


え……?


隣の沙耶香ちゃんは、下唇を噛んでいた。


え、


なにがあったの?


小春ちゃんは沙耶香ちゃんの手をひいて教室を出ていった。


え、え?


なにが?


一人呆然と立ち尽くしていると、いきなり視界に航くんが入ってきた。


びっくりしてコケそうになる。


私は昔からコケやすいのだ。


「びっ…くりしたあ」


「沙耶香、どこ行ったんだろね?」


それは航くんも疑問に思っているらしかった。


絶対なんかある。


「いざ、出陣〜〜!」


航くんが拳を突き出して教室を出ていこうとしたので、慌てて止めた。


「え?出陣反対?」


とすっとんきょうな声をあげる航くんに笑ってしまう。


すると、肩をぽんぽんと叩かれた。


「あっ、はい」


振り返ると、メガネをかけた、前髪の長めの男の子がいた。


顔は真っ赤だ。


「大丈夫?熱?」


そう訊ねると、その子はもっと顔を赤くした。


照れてる…のかな?


「えっと、あ…あの」


焦りながら喋る男の子。


「焦んなくて大丈夫だよ。ゆっくりでいいから話してごらん」


私より背が小さいから、思わず年下に接するように接してしまった。


やっちまったぜ。←




「あなたが好きです!僕と付き合ってください!!」




…え。


まさかの、告白!?


し、しかも……



結構人いる中で!?



なんかの罰ゲームだったりして。


いや、あり得るかもだけど。


「え、えーっと……」


答えに困る…。


ごめん、私にはみっちゃんっていう人が……!!


ていうか、視線が痛い。


ここで断ったら、この子は絶対に馬鹿にされたりする。


そんなのあんまりだ。


「ちょっと来てくれる?」


私は男の子に小さくて招きをして、教室を出た。


航くんが、女子みたいに「きゃ、きゃ〜!」と言ってたのがツボってしまい、笑いをこらえるのに必死だった。


そして人があまりいないところで足を止めた。



「……ゴメンね。」



口を開くと、男の子は、悲しい顔になった。






「誰よりも、好きな人がいるの。だから──




ゴメンね」


思わず男の子の頭を撫でそうになって、慌てて引っ込めた。


「好きって言ってくれたの、嬉しかったよ。ありがとうね」


微笑みかけると、男の子は口元を緩ませ、ニッコリと笑った。

186:リコピン◆z.:2019/09/06(金) 07:11



教室に戻ると、まだ沙耶香ちゃんと小春ちゃんの姿見当たらなかった。


おかしい。


教室をキョロキョロと見回していると、視線が集まっていることに気がついた。


多分、さっきの告白の結末がどうなったのか気になっているんだろう。


すると、キーンコーンカーンキーン……とチャイムが鳴り響いた。


え、もうHR始まっちゃう…


「先生横尾さんと宮園さんが教室出ていったきり戻ってこないんですけど…」


慌てて先生に言うと、「自習です!」と言って教室を出ていってしまった。


「えーなになに?自習?」

「ヒャッホウ!」

「どしたんだろーね」


みんながざわついている中、一人だけ、窓の外を眺めている人物がいた。


髪の長い、綺麗な目をした女の子。




───あれ?


「聖奈?」


私は、あの女の子を確かに知っている。


鶴城聖奈。


『鶴城聖奈。よろしく』


そんな質素な自己紹介をしたのは──


あの女の子だった。


中1の時に転校してきて、すぐ引っ越して行っちゃったのだ。


まさかこんな形で再会するなんて。


自習だというのに、みんなは立って喋っているから、私もいいだろう。


ゆっくりと聖奈に近づく。






「聖奈」





私は優しく、声をかけた。


聖奈は振り向き、次の瞬間目を見開いた。




「覚えて…る?」


覚えててほしいな。


だって、


あなたは───




「なんだ。私のこと忘れたのかと思ってたよ」


聖奈の声だ。


私は聖奈の声が好きだ。


落ち着く声。


「ごめんね。気づくの遅くて」


謝ると、聖奈はふっと笑った。


「いーよ、全然。」


ああ、聖奈だ。


やっぱり聖奈だ。






私の、命の恩人の。


「よかった。死んでなくて」


「や、やめてよ」


慌ててそう言うと、聖奈は頬杖をついて微笑んだ。


「緩莓。久しぶり」


なぜかその微笑みを見た瞬間、目頭が熱くなった。


「え…ちょ、なに泣いてんの」


聖奈は、私の命を救ってくれたのだ。

187:リコピン◆z.:2019/09/06(金) 16:30




私は、中1の時、ちょっとした嫌がらせを受けていた。


ホントにちょっとしたことで、上履きを隠されたりとか教科書に落書きされてたりとか、小さなことだったんだけど…。




それが、いつの間にか大きくなっていって。


机の中に、『伝えたいことがあるので体育館の裏へ来てください』っていう手紙が入ってて、言われたとおり行ったら、暴力を振るわれて───


全部全部女子からの嫌がらせ。


私はそれを『いじめ』とは思わないようにした。


思いたくなかったのだ。


自分がいじめられているなんてそんなこと自覚したくなくて、現実逃避してた。


『大丈夫だ。こんなのただの小さな嫌がらせ』


って自分に言い聞かせて……


だけどある日──


『お前三橋のこと好きなの?wwwマジでありえんわ〜ただの幼馴染みなだけなのに』


一人の女子に、言われた言葉。


私はそれを否定できなかった。



だって、合ってるから。


私はみっちゃんのことが好きだから。


否定できなかった。


『お前、マジで調子乗ってんじゃねーよ。三橋と幼馴染みだからってなに勝手に彼女気取りしてんの?』


ダメだ。


それだけはダメだ。


私のせいでみっちゃんもなにか言われてしまうかもしれない。


それだけは嫌だ。



きっと、私はこれからもこの“嫌がらせ”を受け続けることになる。




私が、今ここで死んでも、



命を絶ったとしても。


誰にも迷惑はかからない気がする。


だって、私が生きてたらダメでしょう。


私が生き続けたせいで、周りの人に迷惑がかかるなんて絶対に嫌だ。


一人残された屋上で、私は決心をした。


屋上の鉄格子に震える手をかけ、柵を乗り越える。


足が震えていた。


今私が立っているところは、私の足のサイズの幅しかなかった。



あと、一歩で、終わり。


あと、一歩で───



足を踏み出そうとした瞬間、足音が聞こえてきて、次に手を掴まれる感覚がした。



「何してんだよ馬鹿!!」



そう叫んだその女の子は、汗だくで、目が赤くて、髪の毛もグシャグシャになっていた。


「え…」


「今すぐ戻って」


「でも」


「戻れ!!」


なんとか鉄格子を乗り越えると、足の力が抜けた。


「何?自殺?いじめで?」


「…」


「お前をいじめてたやつが幸せにしてる姿を、天国から眺めても悔しくないのか?自分は死んでて、そいつは生きてるって、悔しいだろ!!なあ!!」


聖奈は私の肩を揺さぶった。


「こんなこと言うの、自分でも嫌っていうか……嫌だけど、いつかいいことがある。生きててよかったって思える瞬間ってくるから。」


その言葉をかけられた瞬間、こらえていた涙が溢れ出した。


生きててよかったって、思える瞬間。


その言葉は、私の心に深く突き刺さった。


死んでよかったなんて、そんなこと思うはずないのに。


私は本当に馬鹿だった。


その時死んでいたら、私はみっちゃんに想いを伝えられていなかった。





聖奈は、本当に私の命の恩人だ。

188:リコピン◆z.:2019/09/06(金) 20:55

土曜日。


私は沙耶香ちゃんと遊ぶ約束をした。


映画を見に行くのだ。


待ち合わせ場所の公園で待っていると、


「わっ!!」


といきなり背中を軽く押された。


「!?」


私は本当にびっくりしてコケそうになる。


「びっっっくりしたあああ!!」


そう言うと、沙耶香ちゃんはにひっと笑った。


「そんなんだから深瀬に告られるんだよ〜」

「ふかせ…?」

「あれだよ、眼鏡のチビ。」

「ああ…でも、なんで知って…」

「噂だよ〜、でも断ったんでしょ?」

「う…ん」


噂って恐ろしや。


「あっそうだ!LINE交換しよーよ」


「うん!」



LINE交換をすると、沙耶香ちゃんはこう言った。


「そだ。うちのクラスのグループあるから、招待しとくね」


なぜか心臓がドクンと高鳴った。


クラスのグループ…てことは、小春ちゃんも入ってるのかな…


なんて言われるのか怖い……


「うん。ありがと」


まあ、入ってないよりは入っていたほうが便利だと思うし。


「さ、行こう」


沙耶香ちゃんが歩き出した。


横に並ぶと、改めて沙耶香ちゃんのスタイルの良さが分かった。


背は私より少し高くて、足が長い。


ショートパンツを履いてるから、足の長さが目立つ。


「…沙耶香ちゃんって、スタイルいいね」


そうつぶやくと、沙耶香ちゃんは少し不満そうな顔をした。


「何言ってんの、ゆるめちゃんの方がめっちゃいいじゃん〜」

「いやまたご冗談を〜」


他愛のない話をしていると、沙耶香ちゃんは足を止めた。


「沙耶香ちゃん?」


沙耶香ちゃんの目線の先には、見覚えのある人物がいた。


航くん?


と───


小春ちゃん…?


沙耶香ちゃんに手をひかれ、木陰に隠れて二人の様子を見る。


二人は一緒にベンチに座っているようだった。


まさか、付き合って……

189:リコピン◆z.:2019/09/07(土) 07:05



「私ね、ずっとずっと好きな人がいるの。」


小春ちゃんの声が聞こえた。


「へぇ〜!いつから?」


それに対して明るく返す航くん。


航くんは気づかないだろう。


小春ちゃんが自分のことを好きだなんて。


「小5のときから。ホントに話してると楽しくて…」


「それはいいね〜、俺も実は好きな人いるんだよね」


え…!


いるの!?


誰とでも仲いいけど、まさかあの航くんが恋してるなんて…!!


意外!!初耳!!驚愕!!


隣の沙耶香ちゃんも目を丸くしていた。


「…いるの?」


小春ちゃんも初耳のようだ。


「うん。実はこれ誰にも話したことないんだけど〜、特別に話すね!」


航くんはすごいな。


誰にでもあの明るい態度で接する。


怒ることとかなさそう。


「その子は、別の学校なんだけどね。」


「……そうなの」


小春ちゃんは小さくつぶやいた。


多分、告白しようとしていたんだろう。


なのに、こんな形で片思いが確定してしまった。


それは誰でもショックだなあ…


「すごくすごく優しい子で。だけどだめなことはだめってちゃんと言う子で。よく叱られてたよ」


航くんはくひひっと笑った。


本当に嬉しそうだ。


私もそう。


みっちゃんのこと考えるだけで笑みがこぼれちゃうし、誰かにみっちゃんのこと話すだけで嬉しくなる。


私にはこんなに大切な人がいるんだ、って実感して。


「しっかり者でさあ…笑顔が可愛くて…たまに意地悪で…


とにかく、俺はもうあの子しか好きにならないって決めてるんだ。」


あの子しか好きにならない。


それは、どういう──


「な…なんで?別にいいじゃん、他の人を好きになったって…だって、それじゃあ…」


小春ちゃんは少し感情的になった。


「いいんだ。俺はあの子のことが世界でいちばん好きだから。」


航くんのその言葉は、本当に純粋にその子のことを想っているということがすごく伝わってきた。


世界でいちばん好き、かあ……


なかなか言えないよ。


航くんはホントにすごい人だ。

190:リコピン◆z.:2019/09/07(土) 07:23




「……航、好きな人。いたんだね」



沙耶香ちゃんはくるりと踵を返してまた歩き出した。



「…多分だけど、私分かるよ。航の好きな人。小学校が一緒でねー」







沙耶香ちゃんは笑った。



でも、無理をしている。



泣きたいくらいショックだろうに。



私はよく涙を我慢するから、泣きそうな人の表情はよく分かる。



「…無理、しなくていいんだよ」



優しく声をかけると、沙耶香ちゃんは俯けていた顔をあげた。



その瞳は涙目で、私の顔を見た瞬間沙耶香ちゃんは涙をぽろぽろと流した。




「…ほんとは知ってたの、私…航にどれくらい大切な人がいるか、知ってたの。けど…





好きになっちゃってさあ……」



沙耶香ちゃんの背中を優しく撫でる。



私も、前にみっちゃんが日奈ちゃんのことを好きという噂を聞いたとき、泣いた。



悔しかった。




だけど、みっちゃんは優しくしてくれるし、噂が本当か嘘か分かんなくなっちゃって。



まあ、好きになってくれるように頑張ろうって思って。



「…こんなんじゃ、映画大号泣だよ……」



沙耶香ちゃんは笑った。



「どうする?」



私は、そう訊ねた。



「え?何が?」



「今日は映画やめて、話さない?」



「え…っどういうこと」




「私…もっと沙耶香ちゃんのこと知りたいから」



沙耶香ちゃんの手を握ると、沙耶香ちゃんはふふっと笑った。



「私も。ゆるめちゃんのこといっぱい知りたい」



よかった。



否定されるかと思った……笑

191:リコピン◆z.:2019/09/07(土) 16:38



「みっちゃんは…私の幼馴染みで…面白くて、優しくて、素直で…昔っから仲が良くて。」


さっき待ち合わせていた場所へ戻りながら、私は話し始めた。


「昔は、『ゆるちゃん』って呼ばれてたんだけど。ある日を境に、『南島さん』って呼ばれるようになったの」


「えっちょっと待って何そのゆるちゃんって呼び方。かわよ…」


「どこに興奮してんの笑…んー、まあ、いきなり苗字で呼ばれたときはびっくりしたけどね…」


『南島さん』


いきなりそう呼ばれたのだ。


私が春樹に告白されたとき、みっちゃんが来て…


春樹はみっちゃんに何か言っていた。


私には聞こえなかったけど……


「…なんか、すごいショックだった。距離ができちゃったっていうのかな…」


「…電話してみれば?」


沙耶香ちゃんが唐突にそう言った。


目をぱちくりさせていると、沙耶香ちゃんはにやりと笑った。


「その、みっちゃんって人と話してるときのゆるめちゃんがどんな感じなのか気になる」


沙耶香ちゃんって、Sなのかな?()


でも、話したいから、否定できなかった。


スマホを取り出して通話ボタンを押す。


心臓が高鳴り始めた。


隣には沙耶香ちゃん。



そして、3コール目くらいでコールが途切れ、通話が繋がった。




『もしもし緩莓?』




みっちゃんの声だ。


私の大好きな、安心する声。


「うん…!急にかけちゃってごめんね」


沙耶香ちゃんは小さく「きゃ〜」と言った。


いや興奮しすぎw


『全然!俺もかけようか迷ってた。』


「そうなんだ。明日は久しぶりに会うね!楽しみ」


『…え⁉』


「?」


『え、なにそれ!?帰ってくんの!?え!?』


みっちゃんはめちゃくちゃ嬉しそうに言った。


「もしかして言われてない?明日私のお母さんとみっちゃんママと私とみっちゃんでご飯食べるって」


『なーにーそーれ』


隣で沙耶香ちゃんがふきだした。


私も笑いをこらえる。


『てゆーか言えよあのクソばばあ…心の準備できねーよ』


「ダメだよあんな優しくて美人なお母さんクソばばあ呼ばわりしちゃ。」


『ギャーすんまそん緩莓ちゃん』


「めっ!だよめっ!」


『めっキター!!』


…ww


沙耶香ちゃんは声を殺して爆笑していた。


もうだめだ〜。


みっちゃんと話してると自然ににやけちゃう。


変人だ…←


「と、とにかく、明日はよろしくね!」


『おう!よろしくな!また明日』


「じゃーね!」


『ばいちゃも〜☆』


ブチッ


アッ切っちゃった…w


「めっちゃ面白いじゃん、みっちゃんさん何者?ww」


みっちゃんさん。


ツボったーーーwww


あー、やっぱりみっちゃんと話すと元気もらえるわ。





やっぱ好きだなあ。




みっちゃんさん。()

192: 愛華@菅井様 ◆QI:2019/09/07(土) 19:26


 全然コメントしてなかった、ごめんね!
 これからもよろしくね!!
 あと、私の要望聞いてくれてありがとう、!
 緩苺ちゃんと同じでみっちゃんさんツボった…笑
  

193:リコピン◆z.:2019/09/07(土) 19:34

愛華ちゃーん!ううん!全然だいじょぶだよ😘
みっちゃんさんw
これからもよろしくね👼♥

194:若桜☆郁里◆ME:2019/09/07(土) 20:38

>>191はめっちゃ笑ったwみっちゃんさんw
面白いし、続きが気になる‼

195:リコピン◆z.:2019/09/07(土) 20:49

>>194 まじか!!ww嬉しい!w コメありがとね👼♥いつも元気もらえるよ😘 みっちゃんさんw

196:リコピン◆z.:2019/09/08(日) 07:34

「航はね、みんなに平等に接するの。本当に明るく優しく」


沙耶香ちゃんが話し始めた。


「だから、人気者でさ」


確かに、航くんは人気だ。


朝彼が元気よく挨拶をすると、必ずみんな返してるし。


「航と喋ってると居心地いいし、めっちゃ楽しくて。中1の時からクラス一緒なんだけど〜、男子の中でいちばん話すのって航なんだよね」


「そうなんだ…すごいね」


「まあ、知ってるだろうけど、あいつバリバリの天然でw」


「うん、知ってるw」


「去年なんか、穴空いてるバケツに水くんだりさ〜、『永遠に水たまらないんだけどどゆこと!?』とか言っててw」


その姿が想像できて、笑えてしまう。


「ほんと、人騒がせなやつでさあ」


その言葉には愛情がこもっていた。


「でも……



振られちゃったわ」


沙耶香ちゃんはあははっと笑った。


きっと沙耶香ちゃんは強いから、もう泣かないだろう。


「まあ、予感はしてたんだよね。小学校の頃から千夏のことめっちゃ大事?にしてたし。あ、千夏ってゆーのは航の幼馴染みね」


その子が、航くんの“世界でいちばん好きな人”……


「めっちゃ可愛くてさ。何が可愛いって、顔もそうだけど、やっぱいちばんは性格だね〜」


「どんな子なの?」


「んー、なんだろ。時に厳しく、時に優しくって感じ…かな。しっかりしてるんだけど、どっか抜けてて。航が好きになる理由、分かるし」


でも、と沙耶香ちゃんは言葉を続けた。


「航が千夏に想いを伝えられないまま、引っ越して行っちゃったんだよね…」


きゅっと胸が締め付けられた。


「千夏が引っ越していってから、航は別人みたいに暗くなったし、『千夏のとこ行きてえ』って嘆いてたし。千夏依存症かって」


ふー…と沙耶香ちゃんは息をついた。



「……千夏が、羨ましかったよ」


その横顔は、すごく寂しそうだった。


「航があんなに想い寄せてんのに、全然気づいてなかったし。内心嫉妬してた」


沙耶香ちゃんは髪の毛をかきあげた。


「あいつ、千夏がいなくなってから1週間くらいはずっとちなつちなつ言ってたよ」


「よっぽど好きなんだね」


「うん。らしいよ。


あ〜あ。私も航と幼馴染みだったら、好きになってもらえたのかなあ…?」


『幼馴染みだからってなに彼女気取りしてんだよ』





「…いいこと…ばっかじゃ、ないかな」


「え…そうなの」


私はゆっくりと頷いた。


『幼馴染みだからって』


“幼馴染み”を理由に理不尽な悪口も言われたし。


いいことばっかじゃない。




「よいしょっと」


沙耶香ちゃんは立ち上がった。



「明日、みっちゃんさんと会うんでしょ?身体休めといた方がいいよ☆あ、あともう一つ




元気になるおまじないください」


「え!?」


「おねが〜い」


「わ、分かったよ……えと…



 明日元気にな〜ぁれ…」


「元気1000倍さやパンマン!!」


「カオスw」


「もうまじ最高!!神!!天使!!あ、あとあと〜、『めっ!』もお願いしていいすか〜」


「それは無理ゼッタイ」


「ダメ?ちぇ〜」


すると、沙耶香ちゃんはゴソゴソとかばんを探った。


「ゆるめちゃん!笑って!!」


「え?あ、うん」


唐突にそんなことを言われて慌てながらも笑った。


カシャ


「私これ待ち受けにするわ。んで毎日拝む」


「え、ちょ、やめて!?」


恥ずかしくて焦げそう。


「わー、焦げパンマンだ」


そして沙耶香ちゃんの言動謎パンマン。w

197:リコピン◆z.:2019/09/08(日) 10:12


☆ * 陽side * ☆



今日はまちに待った日曜日!!



緩莓と会える日曜日!



ヒャッホウ☆



「今日何時に家出んの!?」



気になって気になって仕方がなかったから、お母さんに聞いた。



「もー、ゆるちゃんと会えるからって、興奮し過ぎよ」



「ギクッ!!」



「効果音口に出すなw」



いきなり明が現れてツッコまれた。



「お昼から一緒に出かけるから。あ、明は?どうする?」



お母さんが明に訊ねると、



「おれは遊雨と繪恋の面倒見たいから家で留守番してる!」



「嘘つけ。ほんとはゲーム目当てのくせに」



「ギクッ!!」



「効果音を口に出すな!w」



「はいはい、分かったから。ゲームやっていいから、その代わり遊雨と繪恋のお世話もよろしくね」



お母さんがそう言うと、明は目を見開いた。



「まーじか☆いやっっっほおう!!」



明はバク転でもしそうな勢いで飛び跳ねた。



「兄ちゃんざまーみろ!」



「言ったな〜!スーパーウルトラキーック!!」



「うわ、兄ちゃん中二病乙」



「は!?」



ていうかなんで『乙』とか知ってんだよ!()



「もう、陽ったら。そんなんだったららゆるちゃんに嫌われちゃうわよ」



「ノーン」



「はいふざけない!」



軽く頭を叩かれた。



「いて」



「あー!ババチョップ発動!ババチョップ発動〜〜!」



明の発言にツボって笑ってしまった。



明と爆笑していると、



「明と陽、ゲーム禁止」



「「ノーン!!」」




我が家の朝は騒がしいw

198:リコピン◆z.:2019/09/08(日) 12:00



『えええ⁉緩莓と会うの!?ズルすぎ!』


緩莓と会うことを結菜に伝えると、電話がかかってきた。


「そ。緩莓と会うの。いいだろ〜」


自分でもありえないくらい興奮している。


本人を目の前にしたらどれほど興奮してしまうだろう。


…いや、落ち着け俺。←


『ずるいずるいズルい!!はあ…まあ、楽しんできな!緩莓に私が寂しがってるって伝えといて!んじゃばいびー』


「りょ!あざま!」


電話を切ると、視線を感じた。


振り返ると、明がドアの隙間から覗いていた。


「…今のって、ゆるちゃん?違うよね?声違ったもん、どなた?」


なんで『どなた』なんw


「あー…クラスメイト。うん」


「怪しい」


「なにがやねん」


「怪しい…」


と言いながら明はドアを閉めた。


いや、謎い謎い謎い謎((


「陽〜、もうそろそろ出るから準備してね」


お母さんの声が聞こえた。


「はーい」


まあ、準備万端ダケド。


でも、心の準備がっ……!!()


「そうだ。行き際にさ、ゆるちゃんになんか買ってってあげたら?私も繭ちゃん(緩莓のママ)に買ってくからさ♪」


語尾に音符をつけるな!←


「んー…まあ確かにいいかもね」


緩莓の喜ぶとこ見たいし。


「とゆーことで、待ち合わせ時間よりも早めにるるぽーと行こう」(るるぽーとは、あれですあれ。((


「ラジャ」


「ゆるちゃん繭ちゃんにプレゼントフォーユー♪」


【速報】お母さん壊れた。w




「じゃ、行ってきまーす明、家のことよろしくね!」


「了解でござる」


「じゃーな。ゲームやりすぎ駄目だぞ」


「オメェもな!!」


明っていつからこんなに生意気になったっけ…()


「遊雨と繪恋のお世話もよろしくね」


「いってらっちゃいでちゅ☆」←多分遊雨たちのマネ。ぜんっぜん似てねえ。((


「遊雨と繪恋に謝れw」


「ごめんなちゃいでちゅ☆」


「きもい!w」


「ひどいでちゅ☆」


「はいはいもう行くよ!」


お母さんがババチョップ発動した。


「いってらっぴー☆」


明に見送られ、家を出た。

199:一騎◆:2019/09/08(日) 12:10

みっちゃんさん視点面白いww

200:リコピン◆z.:2019/09/08(日) 19:22

>>199 そう?wwありがと👼


「ねえ、これ!!ゆるちゃんに、合いそうじゃない!?」


今日のお母さんはやけにテンションが高い。()


るるぽーとについてからというもの、待ち合わせまでまだまだ時間があるので、二人でプレゼントを探す。


「てゆーかゆるちゃんなら何でも似合うわよね〜絶対!」


それは言えてる。←


「ゆるちゃんって何が好きなんだっけ?」




え、待って知らない……


いや、食べ物とかなら分かるけど。


まあゆるちゃんはおしゃれだから服とか好きっぽい…


だがしかーし!!


男の俺がThe・女子って感じの店に入るのはキツイ……


「ちょっとトイレ行ってくるからそこらへんぶらぶらしてて〜」


お母さんはいなくなった。


そして誰もいなくなっt((嘘ですゴメンナサイ


プレゼント…


プレゼント選びってなかなか難しい。


何を渡せば喜ぶ?


指輪?


いや早まるな俺。()


「いらっしゃいませー」


いきなり声が聞こえて心臓がバウンドした。←


そういえば俺雑貨屋見てたんだわ。


店を出ようとすると、あるものが目についた。


ネックレス……


早いかな?


AやMなどのイニシャルがチャームポイントらしい。


Y……


『私さあ、「するめ」って言われるのコンプレックスなんだよね』


口を尖らせながらそう言った緩莓がとんでもなく可愛かったのを覚えてる。


『みっ…みみみ、みっちゃん……』


顔を赤くして目を泳がせながら言う緩莓。


『ん?どした?』


『ズボンの…チャ、チャック、あいてるよ………』


チャック?


『おわーーーー!!??』


社会の窓があいていた。


でも、ストレートに言うところが緩莓らしくて、今でもよく覚えている。


あー、懐かしいわ……


そんなことを思い出していると、ぽんぽんと肩を叩かれた。


振りむこうとすると、ほっぺを指でつつかれた。(あれです、あれ)


「やーいひっかかったー」


お母さんが笑った。


自分で言うのもだけど、俺のお母さんは若い。


よくみんなに言われる。


緩莓のお母さんも若い。


すごく美人で、緩莓に似ている。


俺のお母さんと緩莓のお母さんだったら、緩莓のお母さんの方が大人っぽいけど。


俺のお母さんはなんというか……


自由すぎる。うん


ごくたまに、お母さんといるところを、『彼女?』と聞かれることもあった。


全力で否定しといたけど。()


「どう?なんかいいのあった?」


「これどうかなって」


さっきのネックレスを指差す。


「でも高いわよ、これ。買えるの?」


値段を見ると、2000円近くしていた。





まんぼう☆


「まあ、どれほどゆるちゃんのことを愛してるのか分かんないけど、2000円じゃ足りないわよね〜」


図星どすえ。((


いやお金なんかでは表せない。


ぜんっぜん足りねえ!!←


「まあとにかく、お腹空いたからなんか食べよ」


子供かよ。


てゆーか朝何を食べてきたんすか?雑草?()


「タピオカ!!どう?」


制服着せたらJKだわ。


うん。普通にJKだわ((


「いいんじゃない?」

「つめたーい!!」

「じゃ、温かいの頼めば」

「ひどーい!!」


なんなのこれ←

201:リコピン◆z.:2019/09/08(日) 19:53


 🎊200レス記念🎉


 赤い糸【番外編】



◆ * 第三者side(?) * ◆



海に行った3-1(緩莓もいるヨ)。



陽「いやっっっっほおおおうう!!!無限の彼方へ、さあ行くゾ!!」




結菜「飛び込み禁止」



和田「あー?んだよばば…あ。」



結菜「あ?今なんつった」



陽「そしてそこを目がけて水鉄砲攻撃☆」



緩莓「ねえねえ、みんなでビーチバレーしない?」



井ノ原「すっごくいい案ダネっ☆そしてすっごく可愛い水着ダn((結菜「黙れヘンタイ緩莓に近づくんじゃねぇ」



茜「わーいわーい海海〜〜!!」



蒼「いや浮き輪いる?ww」



茜「だって怖いんだもん」



蒼「はいはい、俺が手繋いどいてあげるから」



非リアの皆さん「「リア充爆発しろ」」



しえる「南島さん、一緒に海入らない?」



緩莓「うんいいよ!」



陽「ちょーっっっと待ったあああぁ!!俺も一緒に入りたい!」←



和田「絶対に押すなよ!絶対に押すなよ!」



陽「…」



和田「いや押せや」



緩莓「ねーねー!みんなでスイカ割りし…」ドン



和田「うお」



バシャン!!



緩莓「ギャー和田ごめん!!」



陽「おーい誰か〜人工呼吸〜、あ、井ノ原でいいや」



和田「ふざけんなよ!井ノ原と人工呼吸とか死んでもイヤイヤヨ〜」



緩莓「和田、ごめんね?大丈夫?」



和田「お、おん」



陽「(和田うぜえ…←)」



結菜「そこだーーーーーーッ!!」




ゴン



和田「ふぎゃッ!?」



茜「どう〜?スイカ割れ……!?わ、和田ァァァ!?!?ちょっと結菜ぁ」



結菜「作戦大成功〜☆」



陽「お前どんだけ和田のこと嫌ってんだよwww」



緩莓「和田〜生きてる?」



和田「死んでます……」



みんな「「なーんだ。生きてた」」



和田「いや精神的に死ぬ☆」




番外編、おしまい!チャンチャン♪

202:若桜☆郁里◆ME:2019/09/08(日) 20:54

200おめでとう!

番外編面白かった‼

203:匿名:2019/09/08(日) 22:16

https://i.imgur.com/Q50seAN.jpg

どう思いますか?

204:紅蓮◆jk hoge:2019/09/08(日) 22:41

先輩、ごめんなさい。
つぶやきで葉っぱ小説について呟いてたときに書いたことなの。
ストーリーは面白いけど、記号とか使ったりしてると小説じゃないよってこと書いただけだから。

205:リコピン◆z.:2019/09/09(月) 06:08

>>204 そうなの?最初見たときびっくりしたけど、確かに自分でも記号に頼りすぎって思ってて。参考になった!喝入れてくれてありがと あと、全然気にしなくていいよ!

206:リコピン◆z.:2019/09/09(月) 06:52


「タピオカうまし!」


「うん…美味じゃ」


さっきからお母さんは写真を撮りまくっている。


SNSにあげるわけでもないのに。


「そうだ!!ゆるちゃんにはタピオカ…うーん」

「なに?タピオカあげたらいいんじゃないって?」

「好きでしょ、女の子なら」

「まあ好きだろうけどー、なんか飲み物だとな」


「食べ物だろうが飲み物だろうがゆるちゃんが好きなものあげればいいじゃない」


なんか名言みたいに言ってますけど……笑


ていうか……


この店、ほとんど女子じゃねーか!!


男子なんて俺くらいしかいねぇし!!

オーマイガッ!!


「きゃはははは!!ウケる!!」


いきなり隣の席から大きな笑い声が聞こえてきて、肩が跳ねた。


びくった〜…


すごいうるさいんだけど……


JKらしき4人組の喋り声が店内に響いている。


周りのお客も少し怪訝に見ていた。


だけど4人組はそれに気づく様子もなく、まだ大声で喋っている。


「…行こっか」


お母さんが席を立った。


慌てて続く。


「…行儀悪いわね、あの子たち」


たぶん4人組のことだろう。


「ほんと。低レベルすぎる」


少し離れたのに、まだ笑い声が聞こえるってどゆこと。


店員さんも注意した方がいいんじゃ……


「もうすぐ待ち合わせの時間。行こ」


お母さんが腕時計を見ながら言った。


え、もう⁉


心の準備ーーーーー!!


「プレゼントは、また後で考えればいいから」


お母さんはツカツカと歩いていってしまった。


その後を慌てて追う。


「わー楽しみ」


うんまあ楽しみだけども。


心臓バクバクやねん!!


「あ!!いたいた!」


お母さんの視線の先にはスタイルのいい女優みたいな人が立っていた。


あれが緩莓のお母さんだ。


「里香ちゃん陽くん、やっほー」


爽やかに笑ったその笑顔はCMに使えそうだった。


「あれ?ゆるちゃんは?」


やっぱり。


違和感があったのはそのせいだ。


「あー、緩莓、体調不良で来れなくなっちゃって」


緩莓のお母さんが申し訳なさそうに言った。





嘘でしょ


なんで───


と、いきなり視界が塞がれた。



「だーれだ?」



それは間違いなく緩莓の声だった。


この華奢な手も、緩莓の声だ。


「緩莓!!」

「せーかぁーい」


視界が明るくなると、緩莓が視界にぴょこんと入ってきた。


うわああああああ緩莓!!


この可愛い顔は間違いなく緩莓だあああと心の中で叫ぶ。


いや、普通に声に出したらさすがにヤバイっしょ。



「久しぶり、みっちゃん」


その笑顔を見たら泣きそうになってしまった。


「ゆるちゃーん!!」


お母さんが緩莓に抱きついた。


「お久しぶりです」


緩莓がそう言うと、


「待って可愛い!!めっちゃ可愛い!!服似合ってる〜〜!」


いやほんとに、制服着せたらJKだな。


緩莓のお母さんも、制服着せたらJKいけるとおもう。


「ありがとうございます」


いやあ……


心拍数いとあがりけりだわ…。

207: 優妃 ◆QI:2019/09/09(月) 16:19


 いえぇぇぇい!(発狂)
 ねぇ、君天才なの?ねぇ!!なんでこんな小説書けるんだよー!(褒めてるよ)
 楽しみにしとくねー!!
  

208:リコピン◆z. hoge:2019/09/09(月) 16:38

>>207 天才なのは愛華ちゃんの方でしょ!!私を喜ばせる天才だぁ ありがとう👼♥待っててね!

209:リコピン◆z.:2019/09/09(月) 18:03

テスト前なので更新遅くなります🙏

210:リコピン◆z.:2019/09/09(月) 20:13

入ったところは、トンカツ店だった。


4人席に座った。


え、緩莓と向かい合わせとか死ぬ。


「さー、どれにしよっかな〜」


こんなかでいちばん子供っぽいの俺のお母さんじゃん…恥ずかしい

「里香ちゃん、無邪気ね」


うふふっと上品に笑う緩莓のお母さんと、その隣で大きな瞳でメニューを見つめる緩莓は、やっぱり似ている。


緩莓が大人になったらこんな感じになるのかな…と緩莓のお母さんを見ながら思う。


将来俺たちは付き合うだろうか。


今は両思いだけど付き合ってはない。


「緩莓、決まった?」


そう訊ねると、緩莓はメニューから視線をはずし、こっちに向けてきた。


「ううん、まだ。みっちゃんは決まった?」

「これにしよっかなって」


トンカツ定食を指差すと、


「じゃあ私もこれにしよっかな」


そういうとこが、異性を惚れさせるんだよおおお


自覚はしてないみたいだけど。



「わー、美味しそう…!!」


注文した料理が届くと、いちばん最初にお母さんが声をあげた。


子供かいな、と心の中でツッコむ。


「いただきまーす」


緩莓が手を合わせて言った。


ほんと、一つ一つが画になるよなあ。緩莓は。


俺もとんかつをかじる。


「うんまっ!!」


思わず大声で言ってしまった。


「うるさい」


お母さんに軽く小突かれた。


「ゆるちゃんは、どう?お友達できた?」


お母さんがニコニコしながら緩莓に話しかけた。


態度変わりすぎ…。


緩莓はトンカツを頬張っていた。


ごくんと飲み込むとにこっと笑い、


「はい、できました!」


と爽やかに言った。


親子揃って似すぎなんだよなあ


「良かったわねえ〜」

「はい〜」


…どっちもふわふわしすぎてて困る。


「ねえ、そういえば」


動かした手が水の入ったコップにあたってしまい、勢いよく倒れてしまった。


ばしゃっ


「あ〜れ〜ま〜」


緩莓の反応に笑ってしまった。


「このバカちん」


お母さんにまた小突かれた。


「大丈夫?服は濡れてない?」


と冷静に訊ねてくる緩莓のマザー。


それぞれ反応が違いすぎて困るんるん。



「いやぁ〜食った食った!」


店を出ると、お母さんが大きく伸びをした。


そしてくるりと振り向いた。


「だるまさんが転んだっ!」


・・・?


「里香ちゃんほんと無邪気だね」


無邪気=幼い。うん


「さ、次はどこ行こっか〜」


「俺、トイレ行きたいわ」

「私も行ってこようかな」


!!緩莓も!?


「じゃ、二人で行ってきな」


お母さんは何か察してくれた。


ありがたや〜


「じゃあ、しばらく自由行動ね〜」

「うん…って、え?」


自由、行動…?


てことは、緩莓とまわれって!?


緩莓を振り返ると、きょとんとした顔で見つめてきた。


ま、まぶしい…!直視できない…


「レッツゴートイレ!!」


緩莓がいきなり叫んだ。


周りのお客さんが一斉にこっちに視線を向けた。


一方俺は笑いをこらえるのに必死で、緩莓は顔を赤くしながら戸惑っていた。


天然すぎだよゆるめちゃん。

211:リコピン◆z.:2019/09/10(火) 07:11




「どうする?どこ行く?」



トイレを出てから、二人でそこらへんをぶらぶらしていた。



「ん〜…緩莓は見たいとこある?」



「…服、見たいな」



ちょっと恥ずかしそうに言う緩莓。



か わ い い 



「よし、じゃ行こうか」



あ…でもちょっと待てよ、服ってことは女子の店。



男子が入っちゃうと、、



「じゃあ、俺は外で待ってるね」



「え、なんで?」



緩莓が入ろうとした店は意外にも男女両方の服を扱っている店だった。



ここならオッケーだな。



「よし、緩莓の服選ぶぞ〜」



「「おー」」



店内をうろうろしていると、緩莓にすごく似合いそうなワンピースを見つけた。



白いレースが特徴的な、お上品なワンピース。



「緩莓ーこれどう?」



ワンピースを見せる。



「わ、可愛い!着てみよっかな」



そういう君の方が可愛いなんて言えない。



「うん。着て着て」



緩莓が試着室で着替えている間おれも服を見る。



おれも買ってみよっかな…



なんちて



「みっちゃーん」



その声に振り向くと、天使が立っていた。



開いた口が塞がらない。



「ど、どうかな…変じゃない?」



おろおろしながら聞いてくる緩莓。



「すげえ!すげえ似合ってる!可愛い」



あ。



普通に可愛いって言っちゃったし…



だってほんとに可愛いんだもん



白って色、緩莓にすごい合ってるような気がする。



純粋で綺麗な心を持つ緩莓にぴったりだ。



「ありがと」



照れくさそうに髪をくるくると指に絡めてまわす緩莓。



かなり照れているときにやる仕草だ。



「買ってあげるよ」



「え⁉そんな、いいよ…高いだろうし…」



「俺が買ってあげたいから」



そうきっぱりと言うと、緩莓は微笑んだ。



「…ありがとう」



値札を見ると、2000円近くしていた。



こんなの緩莓の笑顔にくらべたらどうってことねえーーーー!!(?)



「あ、そだ。そのワンピースの他に欲しい服はないの?」



ふと気が付き訊ねる。



すると、緩莓は首を横に振った。





「この一着を大切にしたいから、ないよ」





やっぱり緩莓は特別な人間だ。

212:リコピン◆z.:2019/09/10(火) 17:24

もうそろそろ私葉っぱ一旦やめるので、しばらくは更新しません。🙇読んでくれてる方には申し訳ありません…🙏💦

もうそろそろですよ(ここ重要)

213: 優妃 ◆QI:2019/09/10(火) 18:38


 そろそろ一旦やめるんだね、大丈夫だよ〜
 待ってるね!!
 もうそろそろね(重要)
  

214:リコピン◆z.:2019/09/10(火) 19:03

>>213 もしかしたら先延ばしになるかもだけど。w もしかしたらね(重要)

215:リコピン◆z.:2019/09/11(水) 12:22



「ん?お?おおおお!?!?」



服屋を出ると、聞き慣れたうるさい声が聞こえてきた。



和田だな。



「和田!おひさ!」


「なんか大人っぽくなってね?ちょっと見ない間に変わってる気がする」



「えーそう?」



おんおん!とうなずく和田と「えへへ…」と笑う緩莓。



うーーーー



なんかむかつく!



「え?もしかしてデート?お?」



さっきからお?連発しすぎ…



「ち、違うよ〜」



緩莓がひらひらと手を振った。



「お前なに嫉妬してんだよ」



と笑うと、和田はムッとしたようにいった。



「そそそ、そーゆーお前こそ、一人でこんなところに来れる勇気を持ってる俺に嫉妬してるんだろ」



・・・







「ふふん。おれも混ぜろ」



和田はドヤ顔をして腕組みをしながら言った。



「は?」



「へ?」



と俺と緩莓が同時に訊く。



「お前らのデート、邪魔してやるっ!」




キラーンとでも効果音がなりそうな勢いでビシッと指を突きつけられた。







てゆーか、デートじゃないけど、お前サイテーだな!

216:リコピン◆z.:2019/09/12(木) 07:25



「で?どすんの?」



いやお前が聞くなよ…



と内心ウンザリしながら思う。




てゆーかさあ…





お前、さっきから緩莓に触れすぎじゃね?



肩とんとんって叩いてほっぺつんってやるやつとかさっきからやりまくってるし緩莓の髪の毛くるくるやったり…



触れすぎくん。



「見て見て!ちょ〜ん〜まぁ〜げ〜」



和田が緩莓の髪の毛を持ち上げながら言った。



「ちょっと…和田さっきから私で遊び過ぎだよ!もう」



不機嫌そうな緩莓の顔を見て、和田はうはははと笑った。



「どうだ!俺の邪魔っぷりは!すげぇだろ!」



いやお前ただ単に緩莓のこと気に入ってるだけだろ。



お前確実に緩莓のことちょっと好きだろ!!



「和田さあ、一人で映画でも見てくればいいじゃん。一人で」



“一人で”を強調する。



「そうだよ!一人で映画だったらポップコーン食べ放題じゃん。だって一人なんだもん」



緩莓もニコニコしながらノッてきてくれた。



「傷つくんですけど!」



和田が銃に撃たれたようなポーズをしてる間に緩莓の手をひいて走った。



「あ゛!?逃げやがったな!!待てごら」



和田が全速力で追いかけてくるところを横にスッとよける。



「おわっ!?」



和田がコケそうになった。



「こーろーべ。こーろーべ。」



「お前腹黒すぎだろ」



「ねえなんかお腹空いたね」



緩莓が不意に言った。



「フードコートでも行く?」



緩莓に訊ねたつもりなのに和田が「賛成」と答えた。



「お前は黙ってろ」



「ノーン」

217:匿名◆zw:2019/09/12(木) 21:32

ゆるめ嫌い嫌い嫌い。陽くんとくっつけるな、ゆるめきらいきらい

218:匿名◆3E:2019/09/12(木) 21:39

うわしかも作者とトリップ微妙に似たし。最悪、変える

219:匿名:2019/09/12(木) 22:11

これの何が小説だよ
ssじゃねぇの?(笑)

220:紅蓮◆jk:2019/09/12(木) 22:13

まあまあ。そんなに言うなって。

221:匿名◆3E:2019/09/12(木) 22:22

>>219 同盟組もうぜw

222:紅蓮◆jk:2019/09/12(木) 22:24

作者可哀想

223:新見川 すみれ◆96 氷上のお姫様:2019/09/12(木) 22:24

それってアドバイスというか単なる悪口ですよね....?辞めた方が良いと思うのですが

224:匿名:2019/09/12(木) 22:24

>>221
いや、俺は率直な感想を言っただけだから別にいいや
作者には悪いけど、ネガティブな感想を書くのも人の自由だから
そんな媚売って「素晴らしいです!」とか言ってもつまらんでしょ?

225:紅蓮◆jk:2019/09/12(木) 22:28

悪口っぽく言わないでアドバイスすればいいじゃないですか

226:匿名◆3E:2019/09/12(木) 22:28

>>224 たしかにお世辞言うのもなw まあこの小説はとりま終わったなw

227:一騎◆:2019/09/12(木) 22:29

>>217
嫌いならみなければいいんじゃないんですか?

228:新見川 すみれ◆96 氷上のお姫様:2019/09/12(木) 22:30

感想と中傷は違うってご存知ですかい?(´・ω・`)

229:匿名◆3E:2019/09/12(木) 22:30

だってこの小説の作者だいたい毎日更新すっから板の上に上がってると目に入ってくんだよ、

230:紅蓮◆jk:2019/09/12(木) 22:30

>>226 お世辞言って馴れ合いはよくないですよね

231:新見川 すみれ◆96 氷上のお姫様:2019/09/12(木) 22:31

具体的に「何処が悪かったか」とか「こうすれば良い」とか書かれていないのは感想ではなく只の中傷でしかありませんよ。

232:匿名◆3E:2019/09/12(木) 22:31

【朗報】赤い糸終了wwwwww

233:一騎◆:2019/09/12(木) 22:31

>>229
目に入ったとしても読まずにスルーして下いけばいいじゃないんですか?

234:匿名◆3E:2019/09/12(木) 22:32

結局は作者がむり 

235:紅蓮◆jk hoge:2019/09/12(木) 22:32

いやいや、勝手に終わらせるなって。
これじゃあただの悪口だから、作者に何を要求するの?

236:匿名◆3E:2019/09/12(木) 22:33

この小説をやめることを要求しますわ

237:匿名◆3E:2019/09/12(木) 22:33

とりあえず落ち

238:紫龍◆jk:2019/09/12(木) 22:34

ここ荒らしたら、リコピンちゃんに悪いから
https://ha10.net/talk/1567951473.html
ここ来てください

239:匿名:2019/09/12(木) 22:35

俺としてはこの頭悪そうな文を直して欲しいんだけどね
あとなんかスカスカなのも「?」ってなる

240:紫龍◆jk hoge:2019/09/12(木) 22:35

https://ha10.net/talk/1567951473.html
で話しましょう。ここを荒らさないでください

241:匿名◆3E:2019/09/12(木) 22:35

とりあえずこの小説削除依頼してくる!

242:一騎◆:2019/09/12(木) 22:37

>>239
「頭悪そうな」以外に何か言い方なかったんですか?
>>241
「作者が無理だから消してください。」みたいな理由で消されるわけないでしょう

243:新見川 すみれ◆Ac 氷上のお姫様:2019/09/12(木) 22:44

コレで削除されたらお笑いモンッスよ....頭冷やして下さい

244:(´・д・`):2019/09/12(木) 22:47

楽しく描いてただけの作者さんが、こんな意味もわからない理由で消されるなんて理不尽極まりないです
まぁ依頼は通らないと思いますが

245:リコピン◆z.:2019/09/13(金) 05:53

「ん〜!おいし〜」


緩莓が頬を押さえながら言った。


俺たちは今クレープを食べている。


さっきお昼食べたばっかなので、お腹はあまりすいてなかったが、緩莓が言うなら、と食べてみた。


緩莓の反応通り、すごく美味しくて、ほっぺが落ちそうになった。


「めっちゃ美味い!さんきゅーな」


と和田が緩莓の背中をばんと叩いた。


「いった〜…」


割と真面目なトーンで緩莓がそう言ったので、和田は慌てて緩莓の背中をさすった。


「ごめんごめん」


すると、緩莓は和田の手をガシッと掴んだ。


「触らないで」


「は、はひ。メンゴメンゴ」


和田、ちょっと顔赤くなってね?


さては緩莓に手を掴まれてキュンとしたとか?


なんか笑える。


「なに笑ってんだよ」


「べっつに〜?」


クレープをもぐもぐと食べていると、緩莓がじっと見つめてきた。


ドキドキと胸が高鳴る。


「ねえ、記念に3人で写真撮らない?」


照れたように言った緩莓。


「おー!いいね」

「おれも賛成」


「じゃ、撮るよ〜はい、ちーず」


カシャッ


撮れた写真を確認すると、和田が目をつぶっていた。


「お前事故ってんぞ」

「またまたご冗談を〜」


ヘラヘラと笑う和田に緩莓が真顔でスマホの画面を見せる。


「わー事故だぁ」


そうつぶやいた和田に緩莓と爆笑する。


「はー、面白い」


緩莓がクスクスと笑いながら、ストレートティーのペットボトルの蓋をあける。


目をふせながらストレートティーを飲むその姿はまるでCMみたいだった。


「ストレートティーってうまいの?おれレモンティー派なんだけど」


和田が偉そうに頬杖をつきながら言った。


「え。おれミルクティー派」


そう言うとなぜか鼻で笑われた。


「お前って意外と甘党なんだよなぁ〜!男のくせにぃ」


その言葉にムッとする。


「お前だってレモンティー好きなら充分甘党じゃねーか」

「あー、はいはい、二人とも落ち着いて」


緩莓が喧嘩している弟たちをなだめるお姉さんのように優しく言った。


こんなお姉さん欲しいなあ…


「ストレートティーってどんな味?」


和田が訊ねると、緩莓はきょとんとした顔でペットボトルを和田に差し出した。


「まさか、ラベルの原材料名見て味を想像しろと?」


和田がすっとんきょうな声をあげた。


「なわけないじゃん」


緩莓は目を細めて笑った。





「実際に飲んで確かめろってこと」




へ?


心の中で俺がつぶやいたのと同時に、和田もまぬけな声を出した。


緩莓は首を傾げている。


天然な緩莓のことだから気づいてないのかな……



だってこれって、



間接キスになっちゃうじゃん!


俺より先に和田と!?


ダメダメダメ!


それは俺が許さない!


顔をうっすらと赤くしながらしどろもどろになっている和田からペットボトルを奪い取る。


「うお、びくった」

「だめだよ緩莓こんなやつと間接キ──」


言いかけて口をつぐんだ。


だけど緩莓は理解したようで、「わああ」と言いながら顔を赤くしている。


ただいま、俺の目の前にはりんごが2匹いる。


和田りんごと緩莓りんご。


んで、俺が飼い主。


いや、謎いな?


うん。


とりあえず二人がおさまるまで見守っていよう。

246:リコピン◆z.:2019/09/13(金) 06:00

これが最後の更新です


あのー…、ほんと情けないですけど、正直ちょっと泣きました。

こんな情けない作者です、どうぞあざ笑ってください

朝起きて覗きに来たらこんななってて驚きました

どういう風に捉えられようが、読んでくれただけでも私にとっては嬉しいことだと自分に言い聞かせています。


とりあえずわかったこと

私には小説の才能がない

こんなの小説じゃない

書き方がおかしい

私の小説のせいで葉っぱの皆様に不快を与えてしまった


学んだことっていうか。


このような低クオリティの小説を投稿してしまったことに深くお詫び申し上げます。


ほんとにほんとにごめんなさい。



それで、私は赤い糸を書くのをやめます。


実はもっと続きの話も考えていたんですが、ここまで嫌われていると精神的に辛くて、


変な終わり方になってしまいますが許してください。


とりあえず、葉っぱで私と絡んでくれた方には感謝の気持ちでいっぱいです。


ありがとうございました。


小説を書いている間はすごく楽しくて楽しくて、時間を忘れてしまうくらい没頭してました。


『小説じゃない』って思ってる人が結構多いみたいで、

だったらそれを早く言ってくれれば私はこんなに多くの人に迷惑をかける前にやめていたのになあ、と思ってる自分がいます。


長文スミマセン



葉っぱでの生活はすごく楽しかったです。


楽しい時間を、ありがとうございました。




 さようなら。



 赤い糸作者  リコピン (元タピオカパン)

247:脆弱プッチンプリン:2019/09/13(金) 12:35

密かに読んでいた者です。突然のレス失礼します。
本文ではキャラクターの個性や性格がはっきりと描かれていて、尚かつ一定のペースを保って更新されていたので、私はリコピンさんの小説が好きでしたし、読むのも楽しみでした。文体も、私がかなり昔に書いていた小説と似たようなところがあることに気付いてからは、何だか親近感が湧いていました。
私は、小説は才能でパッと書き上げられるものではなく、努力しながらしぶとく書いていくものだと思っています。「才能がない」「これは小説ではない」といったあまりにも中傷的すぎる理由で「小説を書く」というあなたの楽しみが理不尽な形で奪われてしまうことが本当に悲しいです。

このくらいのことしか言えなくてもどかしいですが、この一件で心身ともにダメージが大きかったと察します。お大事になさってください。

248:(´・д・`):2019/09/13(金) 14:22

私からも、慰めにすらならないとは思いますがレス失礼します
小説で大事なのは文章力もそうですが、続けることだと思うんです。
たとえどんなに素晴らしい設定で素晴らしい表現力でも、すぐに飽きて放置しては名作は生まれません。
私もいくつか投げ出しました。
赤い糸は、あまり続かない葉っぱ小説の中でもダントツに長い間継続されています。
このような事がなければ完結までいけたかもしれません。
リコピンさんのその継続できる力はなかなか簡単に得られるものでは無いと思います。
もしこのスレをご覧になられていましたら幸いです。

249:若桜☆郁里◆ME hoge:2019/09/13(金) 16:37

私から少し。失礼します。
ここまで続いていたのはすごいと思う。だから、勝手な思いだけど続けて欲しかった。
ここで完璧な小説を書かなくてもいい。あくまでも練習として私もここに来たんだ。
きつい言い方の人もたくさんいるけど、リコピンにはちゃんとファンがいる。
私も含め、その事を忘れないでほしいと思ってる。

ストーリーがすごくよくて、面白かった。
>>248さんのように、完結までいったかもしれない。
お疲れ様。そして頑張れ。どこかで小説を続けてくれることを期待してます。

250:匿名◆3E:2019/09/13(金) 16:52

リコピン、ごめん。
謝っても謝りきれねぇ…
結構前にさ、俺たちよく話してたよな。
めっちゃ仲良くて仲良くて…
正直おれ、お前のこと好きだったんだ。
ネッ友に恋なんてありえねえ、って思ってたんだけど、お前の明るさに惹かれた。
本当にごめん。
最初はお前の小説すっごい好きだった。純粋に読むの楽しんでたし。だけど、お前が俺じゃない他のやつと仲良くしてるの見て、すっげぇ嫉妬した。
こんなの勝手すぎるよな、殴っていいぞ。
お前は俺のこと、たぶん覚えてないだろうけど。
前は違う名前でやってたし…
どうにかお前の気をひきたくて、あんなに過激なこと言っちまった。
本当にごめんなさい。
ごめんな
まじで土下座して謝りてぇ。
自分がしたことはもう取り返しのつかないことなんだってまじで後悔してる。
ゆるめっていう登場人物、お前になんか似てんなって思った。
嫌いとか言って、ごめん。
ほんとは好きなんだ。
『ゆるめ嫌い』って、わざと女子っぽく言ったのもわざと。
ほんとにぶん殴られたい、じゃないと気が済まない。
ごめん、ごめんな。
アク禁される覚悟はできてる。
赤い糸のファンだった皆さん、本当に申し訳ございませんでした。
リコピン、お前と話してたとき、めっちゃ楽しかったよ
ありがとな
そして、本当にごめん。

251:エルまふおもち◆YU サルバトーレ:2019/09/13(金) 17:23

リコピンちゃんの小説、いつも見てたよ。
毎日って程上に上がってて、嬉しかった。
完結までいかなかったのは残念…
だけど、まず頑張ってきたリコピンちゃん、お疲れ様。
また葉っぱで小説書いてくれたら嬉しいよ。(自分の勝手な要望だけど…)
リコピンちゃん、本当にお疲れ様です。

252:めろるん◆g:2019/09/13(金) 17:37

乱入失礼します。

わたしは、あなたの小説が好きです。
ここまで続けられたのもすごいと思う。見習いたいほどです。

わたしは、また小説を書いてくださることを願っています。
自分の好きなことは続けてもいいんですよ!みなさんも応援しています。

本当にお疲れ様でした!!

253:ゆり:2019/09/13(金) 18:38

あの…リコちゃん(リコピン)のリア友です。リコちゃんが葉っぱやってるってこと自体は知ってたんですけど、小説書いてるなんて知りませんでした。今日会ったときも普通に笑ってたけど、なんかいつもと違うような気がして。なんかあったのかなと思って葉っぱ見に来てみたら…

きっとリコちゃんは私に心配をかけないように普通に接してくれてたんだなと思うとすごく胸が締め付けられます。
話聞いてみたら、リコちゃんはもう小説を書く気はない、葉っぱにはもう行かないと言っていました。
それを伝えに来ました。
いきなり出てきてすみません。

リコちゃんの代わりにお別れを言いたいと思って来ました。

254:匿名:2019/09/13(金) 18:39

>>253 えええ.... 残念です

255:ゆり hoge:2019/09/13(金) 18:42

はい…リコちゃんは『ゆるめと陽結婚させよっかなって思ってたんだけどね』って言ってます

256:若桜☆郁里◆ME hoge:2019/09/13(金) 19:02

>>255
そうですか……結婚って……面白そうですね。
身勝手かもしれませんが、続きが読みたいとは思っています。

257: 優妃 ◆QI hoge:2019/09/13(金) 19:08


 ゆりさんこんばんは。
 今は優妃ですが、愛華と言います。
 リコピンとはネッ友です。
 無理はしなくて良いのですが、リコピンに伝えてくれませんか?
 「無理はしなくて良いけど、いつか戻ってくるのを待ってるよ」と。
  

258:若桜☆郁里◆ME:2019/09/13(金) 19:19

>>257の意見(?)、賛成です。
私からもお願い出来ますか?

259:一騎◆ hoge:2019/09/13(金) 19:28

初めまして、一騎と言います。先輩(リコピン)とはネッ友です。ゆりさんいきなりですみませんが、先輩に「みんな待っている。」とだけ伝えてもらうことは出来ないでしょうか。

260:ゆり:2019/09/13(金) 19:28

>>257 

こんばんは。分かりました。伝えておきますね

>>258 

はい、大丈夫です。伝えておきます



あと、愛華さん、若桜さん、お名前出して伝えてもよろしいでしょうか、そのほうが説得力?あると思ったので

261:若桜☆郁里◆ME:2019/09/13(金) 19:29

大丈夫ですよ。ありがとうございます

262:ゆり hoge:2019/09/13(金) 19:31

>>259 

一騎さん、はじめまして。

はい、分かりました。

263:ゆり hoge:2019/09/13(金) 19:32

>>261

じゃあ、伝えておきますね。安心してください

264:紅蓮◆jk hoge:2019/09/13(金) 19:33

ゆりさん、こんばんは。紅蓮(ぐれん)と言います。
リアルの方で皆さんと同じく、リコピンちゃんに伝えてほしいと思います。
まず、呟きの方で特に意味もなく「赤い糸は小説(の書き方)ではない」と呟いていたところ、それが本人に伝わってしまいました。
おそらく、その発言も葉っぱ休止の原因になったと思います。
本当に申し訳ないと本人に御伝えください。
また、いつか話しましょうとも御伝えください。

265:ゆり hoge:2019/09/13(金) 19:37

>>264 

紅蓮さん、こんばんは。

そうなんですか。

分かりました。伝えておきますね。


>>皆さん

質素な返事でごめんなさい😣

特にその口調?に意味はないので気にしないでください

266:一騎◆:2019/09/13(金) 19:41

>>262
ありがとうございます。

267:ゆり hoge:2019/09/13(金) 19:43

>>266 どういたしまして。LINEでそのことをさっき送ったんですけど、既読がまだつかないので、返事が帰ってきたら報告しますね

268:ゆり:2019/09/13(金) 19:50

返信きました。

『「愛華ちゃん、若っち、後輩、紅蓮くん、ありがとう。気が向いたら、行くね。明日とかなら来れるかもしれない。ありがとう😊」って伝えといてくれる?』とのことでした。

(勝手に名前出して伝えてしまいすみません)

269:一騎◆:2019/09/13(金) 19:50

>>268
ありがとうございます!

270:ゆり:2019/09/13(金) 19:52

>>269 

どういたしまして😊

かわいいスタンプと共に送られてきたので、きっと大丈夫だと思いますよ!リコちゃんのことなので

271:紫龍◆jk:2019/09/13(金) 19:53

>>270 ありがとうございます

272:ゆり:2019/09/13(金) 19:55

>>271

紅蓮さんですか?はい、どういたしましてです😊

273:紫龍◆jk:2019/09/13(金) 20:00

>>272 そうです!

274:ゆり:2019/09/13(金) 20:02

>>273

カッコいい名前ですね!

275: 優妃 ◆QI:2019/09/13(金) 20:20


 伝えてくれてありがとうございます、!名前出して大丈夫ですよ👌
  

276:ゆり:2019/09/13(金) 20:23

>>275


どういたしまして!多分明日来るとおもいますよ!

277:若桜☆郁里◆ME hoge:2019/09/13(金) 21:45

ありがとうございます!

278:リコピン◆z.:2019/09/14(土) 11:06

たくさんの励ましの言葉ありがとうございます…!!🙏✨

おかげで続けようという気持ちが湧いてきました💪

すごく身勝手ながら、続けさせてもらいます。

あと、もしかしたらもう少しで完結するかもです…

改めて、たくさんの励ましのお言葉ありがとうございました🙇!!

279:若桜☆郁里◆ME:2019/09/14(土) 11:40

頑張ってね!

280:リコピン◆z.:2019/09/14(土) 16:19


>>279 ありがとう!👼♥




「ねえ、和田は何しに来たの?」


フードコートを出ると、緩莓が首を傾げながら和田にそう訊ねた。


「いや、暇つぶしに来ただけ」


「前から思ってたけど、和田って意外と行動力あるよね」


緩莓が少しいたずらっぽく笑う。


「たしかに、行動力だけはあるよな〜」


俺も同調してそう言うと、和田は口をとんがらせた。


「お前ら二人揃って腹黒いな、ブラックコンビ」


「腹黒いのは和田の方でしょ…」


和田の方を向きながら喋っていた緩莓が、前の下り階段に気づかず落ちそうになった。


「わ…」


「あぶねっ!」


俺と和田が同時に緩莓の腕を掴んだ。


緩莓は落ちずに済んだが、三人して尻もちをついてしまった。


「ごめん、ありがとう」


緩莓が手を合わせながら謝った。


「お前はほんと馬鹿だなあ、よそ見危ねーぞ」


和田が緩莓を指差しながら言った。


「馬鹿って…言い方悪いなあ」


緩莓がしゅんとする。


「わぁった!わぁったから!お前は馬鹿じゃない天才だ!」


「とりあえず立とっか」


まだ尻もちをついたままの二人に声をかける。


「わ、ごめんねみっちゃん」


緩莓がすっくと立ち上がった。


「お前ほんと三橋のこと好きなー」


和田が茶化した。


「そ…そういう和田は好きな子いないの?」


「たしかに。俺も気になる」


じーっと見つめると、和田は照れているのを隠すように頭をかいた。


「い…いねぇよ」


「え〜、ほんと?」


緩莓がにやりと笑いながら和田の顔を覗き込んだ。


「ほんとにいないの?今日はエイプリルフールじゃないよ」


「う…」


和田が耳まで真っ赤にして小さく唸った。


「ご想像にお任せします」


「ちぇ〜」


緩莓がつまらなそうに口をとんがらせた。


こうやって話している間にも、通り過ぎる人たちが振り向いて緩莓を見ている。


さっきのタピオカ店で騒いでたJKも、緩莓のことを見ている。


「そういえば、お前姉ちゃんいるよな?」


階段を降りながら和田が緩莓に訊ねた。


「いるよ。今は外国に留学してるけどね」


「留学⁉すげーな、俺の姉ちゃんなんてチャラチャラしてばっかなのに。同い年でもこんなに差があるもんなんだな〜」


どうやら緩莓のお姉さんと和田のお姉さんは同い年らしい。


「…ねえ、みっちゃん、和田」


階段を降りてから、緩莓は足を止めた。


「ん?どした」


そう訊ねると、緩莓は少し寂しそうな表情をしながら、潤んだ瞳で見つめてきた。


「…次、会えるのはいつだろうね」


寂しそうに笑った緩莓を見たら、胸が締め付けられた。


「大丈夫。またすぐ会えるよ。それまでの時間なんてあっという間だよ」


そう優しく言うと、緩莓は微笑んだ。


「…俺さあ、思うんだけど…」


和田が口を開いた。



「お前らほんとに付き合ってないのか?」



何か名言らしきものを期待していた俺は拍子抜けしてしまった。


だけど、和田の表情はいたって真剣だ。


「つっ、つつつ付き合ってるわけないじゃん〜ねぇみっちゃん」


緩莓に背中を叩かれた。


「俺らの秘密なんか、お前みたいなゴリラに教えるもんか!」


「あ゛!?」


「あー、やっぱり二人とも面白い」


手を叩きながら笑う緩莓と、和田を挑発しつつ逃げる俺と、俺を追いかけ回す和田。




はたからみたらただの変な三人組って思われそうだけど、そんなのちっとも気にならない。

281: 優妃 ◆QI:2019/09/14(土) 20:05


 リピ〜〜!!よかった。本当に良かった、、
 戻ってきてくれてありがとう!完結まで楽しみにしてるね☆
  

282:匿名:2019/09/14(土) 20:29

戻って来たのか…(困惑)

283:リコピン◆z.:2019/09/14(土) 20:54

>>281 愛華ちゃんただいまぁああ!👼♥ありがと、楽しみにしててネ!

284:リコピン◆z.:2019/09/14(土) 21:00

>>282 すみません

285:リコピン◆z.:2019/09/15(日) 10:00

休憩コーナーのような所でベンチに座っていると、


「ちょっと、トイレ行ってくるね」


緩莓がそう言った。


「あー…じゃあ俺も行こっかな」


和田も立った。


「じゃあ俺も」


「いやお前は俺たちのかばんを見る係な」


「うわぁ」


「じゃーな」


「みっちゃんごめん。よろしくね」


緩莓が申し訳なさそうに謝ってきたので気分スッキリだ。


「じゃ、行ってくるね〜」


「出動!!」


二人に手を振って見送る。


和田、なんか企んでそうだな〜。


どっかに隠れてて出てきた緩莓を驚かしたり…


よし、俺もなんかドッキリしかけよう!




❁ * 緩莓side * ❁


もう……


なんでよりにもよって和田もトイレなの……


トイレまでまあまあ歩くし、二人で並んで歩くとか恥ずかしすぎるし。


と思い、和田から少し離れて歩く。


すると、


「なあなあ南島〜」


和田が唐突に話しかけてきた。


無視するのはさすがに可哀想だから、和田とは真反対の方向に顔を向けながら「ん〜?」と相づちをうつ。


「南島ってさあ〜〜」


「うん〜」


和田につられて私まで語尾がのびてしまった。


「おい、こっち向けって!」


いきなり顎を掴まれ、むりやり方向を変えられた。


目の前には和田の顔。


「痛い……」


「あっ、ごめん」


和田がぱっと手を離した。


男子はやっぱり力が強いな…


「南島ってさ、まつげ長くね?」


「そう?普通だと思うけど」


「そうかー?」


そう話していると、トイレに着いた。


「じゃあね」


「おう!じゃ、出たらここで待ってて」


「はいはい」

286:リコピン◆z.:2019/09/15(日) 10:01





トイレを出て、さっき和田に言われた通りの場所で待っていると、



「わっ!」



と驚かされた。



「…なに?」



「いやドライーアイスー」



「さ、行こ」



「南島さぁ、今まで何回くらい告られた?」



「分かんない」



「分からないくらい告られたってことか」



「解釈の仕方…」



「俺の好きな人わかる?」



早歩きで歩いていた足を少し遅めた。



「和田の好きな人…」



「案外真面目に考えてくれんのな」



「だって気になるんだもん」



正直に言い過ぎた……。



「依ちゃん?」



「違う」



「んー…茜」



「いや茜は蒼だから、ね。ちがう」



「ふっふっふ…私は必殺技を持っている!」



なんかいきなり中二病ぽくなっちゃった…引かれそう



「お?なんだ?来い!」



まさかの乗り気。




「結菜!結菜でしょ!はい、効果ばつぐん」




「ブッブーーーーー!!」



和田が大げさに口をとんがらせて手でバツポーズをつくった。



「あの子たち、可愛いわね」



おばさんたちが私たちを見てうふふと笑った。



「「あ…」」



変人だと思われちゃったじゃん……



「えっ、結菜じゃないの⁉」



「うん。話してるとまあ楽しいっちゃ楽しいけどうるさすぎて疲れる」



「絶対結菜だと思ったのに…」



「ヒントは、M・Y!イニシャルが」



「……え?」



「…ん?」



「えっちょっと待ってもしかして和田って…




みっちゃんのこと好ッッ……!?!?」



「なっ!?違うに決まってるだろ!!どうやったらそうなんだよ!!」



「わっかんない」



「ハァ……ほんと天然だな。いや鈍感?」



「何言ってんのー?」



「ま、いつか分かるさ。行こー」



先にあるき出した和田のあとを慌てて追いかけた。

287: 優妃 ◆QI:2019/09/15(日) 16:15


 まさかの和田…あの子のこと好きなのかよ、まさかすぎてやばい笑笑
  

288:リコピン◆z.:2019/09/15(日) 17:01

>>287
まさかの…w
実は好きだったっていうw

289:紅蓮◆jk hoge:2019/09/15(日) 18:59

もう知ってるよ?
自分で自分の小説悪く言って荒らしたんでしょ?
赤い糸アンチスレ立ってること知らなかった?
みんなを騙して執筆するなんてサイテーだな。

290:一騎◆:2019/09/15(日) 19:41

俺のスレに来て。

291:匿名 hoge:2019/09/15(日) 19:46

そのアンチスレも自作自演ですよね。何がしたいの?まあバレたから逃げるか規制されたんだろうけど…

292: 優妃 ◆QI hoge:2019/09/15(日) 19:47


 威風、それは言い過ぎ。
 でも、自作自演は良くないよ。
 心配してるみんなを騙してるからね。
 管理人さんが言うから間違い無いよね。
 どうして自分で荒らしたの?理由を教えて。
  

293:匿名 hoge:2019/09/15(日) 19:52

おいおい、このスレ主自作自演して>>247みたいなコメントもらって「私すげー」ってなりたかっただけじゃねーか。

自作自演でこんな荒らしたんだから擁護する人がいないと思うから言うけどもうちょっと本を読もうぜ。

「会話文」

○○は××をした

「会話文」

○○は××をした

って形式の小説なんてないから。
さらに言えば登場人物紹介なんていらない。そんなものは小説の中で紹介していくのが普通。

294:匿名:2019/09/16(月) 08:22

結局自演かよ
みんなに悪いって思わないの?
葉っぱやめるなら一言謝れよ

295:停止しました。。。:停止

真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ


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