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1:しおん:2015/10/11(日) 22:21

―ねぇ、双子なのに、何でこんなに違うの?
産まれた時間はほぼ同じなのに、私はキミの様に素直にはなれない。
                  sakuya side

―私たちは双子なのに、本当に好きになった人には愛してもらえない。
ねぇ、こんな私の気持ちが、あなたにわかる?
                  amika side

二人の願いが交わるとき、星降る夜に奇跡が起きる。

2:しおん:2015/10/12(月) 19:17

第一話「初めての願い」朔矢side

「あ、双子」
そんな周囲の声に、私、島原朔矢は顔をしかめた。
私は、隣を歩く妹のあみかを見る。
あみかは、周囲のことなど全く気にしていない様子で、歩いていた。
私は少しため息をつく。
「ねぇ、あみか……、そろそろ、二人一緒にいるのやめない?」
あみかの大きな瞳が見開く。
「えっ、何でぇ?私は一緒がいいよぉ」
「こうやって一緒にいるから、私達比べられ……」
そんな私の声が、途中で遮られた。
「おーい、そこの双子ー!」
振り返ると、あみかの友人の李里香が手を振って駆け寄ってきていた。
「あ、李里香ぁ!」
あみかが嬉しそうに返す。

3:しおん:2015/10/12(月) 20:50

私はそんな二人から視線をそらして一人で歩きだした。
私には、同じ顔の双子の妹、あみかがいる。
見た目は同じなのに中身は全く違う。
昔からこうだった。
あみかは妹感が漂う甘えん坊で明るく、友達も多い。
女の子らしく軽くウェーブをかけた髪の毛も本当は校則違反なのだがよく似合っている。
それに比べて、私は、ストレートのショートヘアに何のアレンジもしていない制服の着こなし。
人とかかわるのが苦手な人見知りのため、一人でいることが多いが、勉強はまあまあできる方だからあみかの姉としても注目されている。
私があみかに勝っているところと言えば勉強と運動位だ。
「あ、島原さんだ」
これが、教室に私が入った時の皆の第一声。私は黙って席に着く。

4:しおん:2015/10/12(月) 20:53

「あの子、いつもクールでかっこいいよね!」
「ね!あみかとは正反対だけど、それがまたお姉ちゃんって感じでいいっていうか……」
お姉ちゃん……か。
「朔矢ってさ、結構モテるよな」
「まぁな、全体的に優秀だけど、特に理数はトップだしな」

5:しおん:2015/10/12(月) 21:37

……疲れる。
褒められるのは嬉しいけれど、勝手に人のうわさを立てないでほしい。
早く帰ろう―。


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