ぬらりひょんの孫夢小説 【夜輪花魁の怪】

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1:NONO:2011/09/20(火) 10:00

まだ前作が終わっていないのにすみません!!
どうしても柳田さんが書きたかった…

吉原とか紀乃も登場させるし…
喋り方も工夫してみたいしですね…

今回は奴良組の敵視点ですかね〜

どうか、頑張りますので応援よろしくお願いします!!

2:NONO:2011/09/20(火) 10:27

主な登場人物紹介

夜輪 吉原の花魁。秋月屋一の遊女。
   かつては紀乃の禿であった。
   

柳田 百物語組幹部。山ン本を慕っている。


鏡斎 怪談等の噂を画にあらわし、妖怪を生み出すことができる。




主要人物はこの3人ですかね?
もっと出てくるかもしれません。

3:NONO:2011/09/20(火) 10:42

追加


夜輪の一人称は「あて」です。
私のときもあります。

4:NONO:2011/09/20(火) 11:16

第一話 姐さんと初恋

艶やかなざわめきに包まれている吉原という場所。
表向きだけの鮮やかな世界を夜輪は座敷から見下ろしていた。

「そんなに退屈そうな顔をしてどうしたんだい?」
「姐さん…」

座敷に一人の遊女が入ってきた。
夜輪の姐さんである紀乃である。

「なんもありゃしません。あてはこの煌びやかな地獄を観察しとっただけでありんす」
「お前は年のわりに考えることが小難しいね」
「あい」

紀乃の様子がいつもとは違うことに気がついた。
普段にはない女らしい顔をしているのである。
紀乃は綺麗だが、こんな恋する乙女のような表情を見たのは初めてだった。

「姐さん、何かいいことでもありんしたか?」

つい聞いてしまう。
紀乃は質問には答えず逆に聞いてきた。

「夜輪、首無って知ってるかい?」
「首無?あの、妖の話でありんすか?」

詳しくは知らないが、客が話しているのを盗み聞きしたことはあった。
何でも、義賊だった男の成れの果てだとか…

「私さ、その首無に会いたいんだ」
「珍しいですね。姐さんが男に興味を示すなんて」
「義賊さんかも…しれないんだ」

どこか遠い眼をしている紀乃をみて確信した。

「姐さんの初恋…でありんすか?」
「昔の事さ…」

初恋か…
私には無縁のものだ。
ここにくる男たちの事なんか大嫌いだった。
あんな奴らに媚を売るぐらいなら死んだ方がマシだ。

5:NONO:2011/09/20(火) 12:25

第二話 折檻

それから紀乃はたまに変装して外を出歩くようになった。
吉原の女は二度と外には出られない。
この掟を破ったものには厳しい折檻が待っている。

こんな姿を見られたら、きっと飯抜きではすまないだろう。

「姐さん、今宵も行くんでありんしょう?」
「お前にはすまない事をしているね」
「いんえ、最近は柳通りでの目撃が多いみたいでし。気をつけておくんなませ」

長い髪を隠して歩く人影は、すぐに気付かれそうなものだが皆あまり興味がないらしく姐さんの変装はなかなかばれなかった。
安心感もあるが、辻斬りなどに会いやしないかと心底心配でもあった。

もし、その義賊さんと出会えてこの吉原に姐さんが戻ってこないとしてもかまわない。
姐さんが幸せになれるなら別にかまわない。

そんなことを思いながら、後姿を見送った。



「おい、夜輪!!てめぇ…こっちへ来い!!」

姐さんの帰りを座敷で待っていると、いきなり男に連れ出された。

「何をしんしか!理由を聞かせなんし!!」

腕を引っ張られながら睨みつけて言う私の頬をその男は平手打ちした。

パンッ

鈍い音が響く。

「紀乃はどうした?」
「姐さんなら、今日はもうお休みじゃ。お疲れの姐さんに会うことなんざ、いくらお前さんたちでもできんわ」

男を睨みながらそう言う。

「嘘をつくんじゃあないよ!あたいはあんたんとこの姐さまが大門の外に行くのを見たんだ!!」

男の後ろから遊女が姿をあらわす。
その遊女は紀乃の出世を人一倍妬んでいた女だった。

「姐さんに勝てないからって、あてに言いがかりつけるのはいかがなもんでありんしょう?」
「なんですって…!!」
「あての姐さんを悪く言うのは止めといた方が身のためでありんすから」
「黙れ!!遊女の分際で!!お前は折檻だ、夜輪」

男の命令で私は天井から紐でつるされ、イヤというほど棒で殴られた。
そして、しばらく食事を抜かれた。
帰ってきた姐さんも同様の処分が下された。

「すまないね…夜輪」
「なんともありゃしません。こんな事…」

姐さんの表情は暗かった。
首無には会えたのだろうか?

「姐さん、会えましたか?義賊さんには…」
「逃げられちゃったよ…」

弱弱しくそう呟いた姐さんに私はどう声をかけてよいのか分からなかった。

6:NONO:2011/09/20(火) 12:45

第三話 別れ

姐さんは座敷に上がるため、早めに折檻を終えた。
私はまだ、折檻部屋の中にいる。

吉原とは、こういう所なのだ。
表向きは色鮮やかに明るく飾っても、所詮裏を返してみれば憎悪や怨念が渦巻く闇の世界でしかない。
8歳の私が見た現実。

それでも、ここで生きなければならない。
売られてしまったのだから。

冷たい床に顔を擦りつけ、流れそうになる涙をこらえた。

「夜輪…聞こえるかい?」

姐さんの声がした。

「あい、姐さん」
「ごめん、私もう一度義賊さんと会いたい」
「それは吉原に帰ってこぬということですかい?」
「…そうなるかもしれない」

暗い顔をする姐さんに満面の笑みを向ける。

「行ってきなんし」
「いいのかい?」
「思いは止まらないんでありんしょう」

姐さんはとても驚いた顔をしている。

「あては姐さんの幸せそうな姿をみたいんでありんすよ」
「夜輪…」

義賊さんと幸せになっておくれなんし、姐さん

「ありがとう。私…あんたが禿で良かった」
「あてもでありんすよ。さあ、はやくお行きなんし」

黙って頷き折檻部屋を後にする姐さん。
黙ってその背中を見送った。



結局、姐さんは帰ってこなかった。

7:NONO:2011/09/20(火) 23:42

第四話 吉原一の花魁

それから10年の月日が流れた。
夜輪は18歳になっていた。

こんなに月日が流れてもこの街は変わらない。
表だけの煌びやかな世界。
今宵も闇に輝く鮮やかな街。

「夜輪!客だよ!!」

客引きの男に声をかけられる。

「今日は体調がすぐれん。お断り下さんし」

私は遊女の中でも最も地位の高い太夫になっていた。
客を選ぶことだってできるようになった。

「夜輪、何度目だい?客を断るのは…」

呆れた顔で女将さんは言ってくる。
何度目か…
私は答えることができなかった。
最近は全く男に会っていない。
吉原の男は別として。

「あての勝手じゃ。男は好かん」
「客がいるのは今のうちさね。すぐに老けてしまうよ」
「そのほうがあてにとっては嬉しいことじゃ。男の顔をみなくてすむもの」


いっそのこと早く年老いて、相手にされなくなればいい。
それで少しは自由に近づけるだろうよ。

「あんたは吉原一の花魁という自覚が足りないよ。ホントにもう…」

ため息をつく女将さん。
なりたくてなったんじゃない。

そういえば…
最近、山ン本という商人の名前をよく耳にする。
この吉原にも足を運んでいるとか…

大柄の男で遊び方も豪快らしい。
絶対に座敷に上がりたくない。

ふと思い出したその名前。
これが私の運命を大きく変えたのだった。

8:NONO:2011/09/21(水) 00:06

第五話 山ン本と柳田

「夜輪!お呼びがかかったよ!!」

女将さんが上機嫌で言ってくる。

「誰にでありんすか?」
「山ン本様だよ!!藤屋の高風も行ってる!早くアンタもいきな」
「御免こうむるでありんす。あては行きゃしません」

自分の部屋へ戻ろうとすると女将さんに腕をつかまれた。

「アンタほどの者だったら、身請け話だって夢じゃあないんだよ」
「たかがそれだけのために好きでもない男に媚なんて売りとうない」

そのまま階段を駆け上がる。
そして部屋にこもった。



いつの間にか月がでていた。
どうやら夜になっていたようだ。
今宵の吉原は貸切。
いつもの煌びやかな世界は見えない。


「寂しいものでありんすなぁ…」
「本当だね」

声がした。
振り返ると部屋の入り口にキツネ目の青年が立っていた。

「誰…?」
「柳田…とでも名乗っておくよ」
「今宵は貸切のはず…」
「僕は山ン本さんの付人だからね」

微笑みながら柳田は言う。
何をしにきたのだろう…

「生憎ですがあては今日誰とも会う気はありゃしません。お引取り下さんし」
「吉原一の花魁を拝めなくて残念がってたから連れて行こうと思ってきたんだけど…」

ゆっくりと近づいてくる。

「やっぱりやめた。君が美しいから哉?」
「おあいそ。でも、褒めたって何も出てきませんよ」


本当にこの人、何しに来たのかしら…?

9:NONO:2011/09/21(水) 12:08

第六話 柳田

「ボクは君に惚れてしまったの哉?」

そういいながらゆっくりと近づいてきた。

「花魁にそのような言葉…もう聞き飽きたでありんす」

柳田を鋭く睨む。
大体、こんな軽い言葉を吐くから男は信用できないんだ。

「お帰り下さんし」
「そうはいかないよ」

腕をつかまれ押し倒される。

「は…放せ…!!」

油断した。
きっとコイツの微笑みに騙されたんだ。

柳田は何も言わず顔を近づけてくる。

「…外道が……」
「そうだね。妖だもの…」

妖?
道理で不思議な気配を纏っていると思った。

「とにかく、手をお放し下さんし。あては…」
「廓言葉…やめてほしい哉」
「は?」

何をいってるの?

「無理な話でありんすなぁ…あては幼少の頃よりここで育った身。もう癖になってます」

柳田は少し残念そうな顔をした。

「そうか…」

そう呟き、離れる。

リン…

耳飾の鈴の音が響いた。
綺麗な音だ。

「綺麗な音でありんすなぁ」
「そう哉?君の方が綺麗だよ」
「おあいそ」

不思議とこの男に褒められるのは嫌じゃない。
むしろ少し嬉しく感じた。
初めての感覚だ。

「じゃあ、ボクはもう行くよ」

そう言って立ち上がる柳田。
私は黙って見送る。

部屋を出ようとしたとき、後姿に声をかけた。

「またいらして下さいませ…柳田様」

柳田は薄く笑って部屋を出て行った。

10:NONO:2011/09/21(水) 16:14

第七話 百足の毒

花魁たちが次々に死んだ。
その事実を知ったのは、翌日のことだった。

皆、百足の毒にやられて死んだらしい。
何でも妖者の仕業だとか…

「一体どういうことでありんしょう…」

一晩のうちに何があったのだろうか。
不思議とその百足に関する怪談が広まっていた。


「姐さん、『まんば百足』ゆう怪談を知ってます?」

禿の一人が聞いてくる。

「昨晩のことかい?」
「あい、何でもその百足に噛まれたら即死だそうで…」
「そうかい、お気をつけ」
「あい!!」

部屋を出て行く禿。
間髪いれず男が入ってきた。

「鯉さん、ひさしぶりでありんすなぁ」

奴良鯉伴という男だ。
やくざ者のようで、たまに吉原に来る。

「気分はどうだい?」
「相変わらず最悪でありんすよ」

友達のようなものだ。
唯一、気兼ねなく話せる存在である。

「それより、あんまり妖者を暴れさせるのはやめておくんなませ」
「妖者…?」

鯉伴はキョトンとしている。

「あんれ?鯉さんとこの者じゃないんすか?」
「最近、妙な輩が出回っててな」

外部のものか…

「にしても、今日は花魁が少ねえんじゃねえか?」
「ほとんどの花魁は昨晩死にんしたから」

鯉伴は両目を見開いた。

「何でまた…」
「確か…山ン本が来ておりんしたねぇ」
「山ン本…?」
「商人の名でありんす。昨日はその方の貸切でありんしたから」
「知らねえな…紀乃っぺにでも聞いてみるか…」


紀乃…?

「紀乃って…?」
「あぁ、吉原に元々いた首無の…」
「姐さんを知ってるんすか!?」

間違いない。
紀乃姐さんだ…

「組の者だ…」
「…幸せになったんすね、姐さん」

涙が溢れそうだ。

「鯉さん、一つお頼みしたいことが…」
「何だい?」
「姐さんに手紙を届けて下さんし」

11:NONO:2011/09/21(水) 19:13

第八話 手紙

筆を執って手紙を書き始める。
すると後ろから鯉伴が覗き込んできた。

「何て書くんだい?」
「見ないでおくれなんし」

―――――――――――――――――――――

紀乃姐さん


お元気でありんしょうか?
姐さんが吉原を出て10年がたちんした。
はやいものでございますね。

あては秋月屋で遊女となっております。
もう、あの頃の姐さんと同じくらいの年になりんした。

相変わらず男は好きません。

義賊さんとは会えたようで安心しました。
どうか幸せになっておくれなんし。

ところで、あても少し気になるお方ができんした。
お名前こそは書けませんが不思議な男なのです。
鈴の方とでも書いておきましょう。

あてに廓言葉を止めろというのでありんす。
なんともおかしな方でありんしょう。
この吉原に来てそんなことを言う男がいるなんて思ってませんでしたから。

どうやら妖者のようなのでございます。
まるで姐さんみたいだなと懐かしく感じております。
これが恋なのかあてにはさっぱりです。
でも、抱いたことのない感情なのでありんすよ。

姐さん、あては幸せになれるでしょうかね…

12:ゆめぽん ◆b96E:2011/09/21(水) 19:30

NONOさんこれも書いていたんですね!!
とってもおもしろいっす!
柳田にほれそう・・・!

13:NONO:2011/09/21(水) 19:44

はい!
書き始めました^^
百物語組の話が書きたい〜!!みたいなww
応援よろしくお願いします!>ゆめぽんさん

14:NONO:2011/09/23(金) 11:37

第九話 怪談話

鯉伴に紀乃への手紙を頼んだ日から、私は返事が来るのを心待ちにしていた。
嫌で仕方のなかった吉原での生活に希望が湧いてきたようだった。

気分が良かった私は久しぶりに客をとった。
大商人のご老人である。
私が禿の頃、よく遊んでくれたお爺さんだった。

「夜輪もすっかり花魁らしくなったねぇ」
「もう18でありんすから」

孫を見るように目を細めるお爺さん。

「紀乃がいなくなってから…もう10年か」
「あい、そうなりんすね」
「寂しくはないかい…?」
「最近は心が躍るようでありんすよ」

酒を注ぎながら言う私にお爺さんは微笑んだ。

「そうかそうか…いい人でもできたんかい?」
「いい人…?」

「すっかり恋する乙女の顔じゃよ」

途端に恥ずかしくなって自分の頬に手をあてる。

「…そんなんおりゃあせんわ」
「お前も年頃の娘じゃ。恋の一つや二つあって当然じゃぞ」

何もかも見透かしたように言ってくる。

「旦那…妖者に会ったことはありんせんか?」
「妖者?さぁ…?最近は噂が多いがのう…」
「噂…?」

何のことだろう…?

「う〜ん…そうじゃなぁ鬼夜鷹やまんば百足…黒田坊というのもあったかのう」
「外は大変でありんすなぁ…」

なかなか物騒な世になったものだ…
少し興味も湧いてくる。

「あんれ?確か黒田坊って正義の妖怪じゃあありんせんか?」
「そうなのかい?」
「さぁ?忘れしんした」

柳田も悪いことをしているのだろうか…?
していなければいいと思った。

15:NONO:2011/09/23(金) 16:26

第十話 殺され花魁

その夜…

吉原の街はいつも通りの世界をつくっていた。
何も変わらないはずだった。

「なにやら表が騒がしいでありんすなぁ」
「あい、姐さん」

外で聞こえる声に耳を傾け禿の少女に語りかける。
そう不思議なことではない。
怒声や喧嘩は当たり前。
だから、たいして気にもしなかった。

「私がみてきましょうか?」
「いいや、別にほっとけばいいよ」

しかし、少女は立ち上がり部屋を出て行った。

「…喧嘩になど巻き込まれませんかねぇ?」

そう呟いた夜輪の声は悲鳴に揉消された。

「キャアアアアァァァ」

女将さんの声だ。
一体何事だろうか…

「何…?」

部屋を出ようとすると禿が駆け込んできた。

「姐さん!早く逃げておくんなんし」
「一体何があったの…?」
「浪士でありんす。今、下で女将さんたちが…」
「襲われてるんだね?」
「あい」

何でここなのだろう…
斬りこみなんて…

「お前は布団部屋に隠れなんし…」
「姐さんは…?」
「あては大丈夫でありんす。早くおいきなんし」

禿をせかし自分は煙管に火をつけた。

「姐さん、どうかご無事で!!」

あれくらい小さい子なら隠れとおせるだろう…

「あては最後の一服でありんすかねぇ」

ここで逃げたとしても浪士たちは必ず追ってくるだろう。
そうなれば周りの人にも危害が及ぶ。
私が何とかしないといけない…

部屋の襖が開いた。

「いたぞぉ!!ここにも花魁が!!」
「殺せ!!」

浪士が刀を振り上げるのがわかる。

「そう簡単に殺されるなんて御免こうむるでありんす」

煙管の中の火種を浪士の足元に落とす。

「っつ、何しやがる!この下女が!!」

素早く隠し持っていた小刀で浪士の胸を刺す。

「死ぬなら…あんたらも道連れじゃ」
「殺せェェェェ!!」


*気がつけば私の胸には刀が刺さっていた。
周りは血の海。
何人かの浪士の死体。

「痛いもんでありんすなぁ…」

床に横たわる自分の姿はもう周りからみたら死んでいると思われるだろう。
しだいに力が抜けていく中で、柳田の気配がした気がした。

16:NONO:2011/09/23(金) 16:59

第十一話 人から妖怪

夜輪の支度部屋は血の海になっていた。
表の様子からして変だと思ったが、こんなことになっているとは予想していなかった。

「…夜輪?」

真ん中で倒れている花魁に駆け寄る。
もう虫の息だ。

「…どうしたら君を救えるの哉」


抱きかかえた花魁を生かす方法を考える。

人はこんなに早く逝ってしまうものなのか…?
人?
そうか…
噺にしてしまえばいいんだ。


*山ン本邸

「お願いがあるんですが…」

柳田は頭を下げながら言った。

「この子の怪談を書いてはいただけませんか…?」
「その娘の顔をみせてみよ」

山ン本が夜輪の顔を覗き込む。

「この娘に惚れたか…」

そう呟き筆を執る。

「名はなんと言う…?」
「夜輪です」

描き終えた山ン本が名前を書き入れ、夜輪の手で印をつけた。
夜輪の血である。

「これで…君は死んでも君の噺は終わらない。ボクがきっと守ってみせるよ」

たった今、出てきたばかりの怪談となった夜輪を抱きながら呟いた。
その様子を見て、山ン本はニヤリと笑った。

まるで、遊び道具を見つけたかのように…

17:NONO:2011/09/24(土) 22:27

第十二話 怪談噺 【夜輪花魁の怪】

むかし吉原に夜輪という美しい花魁がおりました。
夜輪は欲望を胸にやってくる男たちを心底嫌っておりました。
やがて吉原一の花魁となった夜輪は客をとらなくなってきたのでした。

ある日、大商人の男が吉原を貸切で遊びに参りました。
夜輪は座敷にあがるのを拒み、一人支度部屋から外を眺めておりました。

そして、一人の男と出会いました。
その男は妖者でした。

しかし、夜輪はその男に引かれていきました。
男もまた、美しい夜輪に心を奪われました。


男と会って何日かが過ぎた日、吉原は浪士共に襲われました。
何人もの花魁が斬り殺されていきました。

そして、夜輪も浪士に斬り捨てられました。


暫くして、男が夜輪に会いに来ました。
しかし、彼を待っていたのは血に染まった花魁の姿でした。

男は嘆き悲しみ、何とか彼女を生かす術を考えました。
そして思いつきました。

怪談噺にしてしまえばいいと…


夜輪を噺にした男は誓いました。

自分が守ってみせると…
そして自分が消えない限り、語られ続ける怪談にしたのです。


この噺を、こう名づけることにしましょう。


怪談噺 【夜輪花魁の怪】と…

18:輪廻:2011/12/03(土) 09:48

めちゃくちゃ面白いです!!
続きが気になります!!

19:NONO:2011/12/03(土) 12:03

ありがとうございます。
書くのやめようかと思ってましたが、やっぱり書いていこうと思います。

これからもお願いします。

20:mi:2011/12/06(火) 17:38

やっぱりNONOサンは書き方がうまいですね。想像力豊かですし・・・間違いも少なく・・・。
あっ!!お久しぶりです。

21:NONO:2011/12/11(日) 15:08

第十三話  妖怪の日々

妖怪になってから幾日かが過ぎた。
山ン本は思ったほど悪い男ではなかった。

夜輪のとってはの話であるが…

ただ一連の妖怪騒動は全てこの男が起こしていたようだった。
それについては気に入らなかったが、命の恩人であるこの男をそう簡単に恨むことはできなかった。
何より、柳田が慕うこの男を憎めるはずもなかった。


「いい月夜だね…」


隣に腰掛けていた柳田が口を開いた。


「まるで僕達が出会った夜のようだ」


まだ少ししか経っていないのに懐かしそうに話す柳田に夜輪は微笑んだ。
きっと自分が心の底から微笑みかけるのはこの男だけだろう。


「…あの夜は驚きしんした」
「廓言葉やめて欲しいっていったのに…」


柳田は少し残念そうに肩をすくめた。


「……じゃあ柳田が教えてくださんし」
「僕が?」
「あてに……普通の話し方を教えておくれなんし」


柳田は少し驚いたようだったが、すぐに喜んで"と微笑んだ。

妖怪になってよかったのかもしれない。
籠の鳥はもう御終い。

これからは自分で自分の道を決めるのだ。

愛しい人と一緒に。


「……いつか言いますから…あなたの望む言葉で」


自分の思いを打ち明けますから…柳田様。

22:NONO:2011/12/11(日) 16:46

第十四話 夜輪の怒り

暫く経ったある日。。。

「…夜輪?いるかい?」
「いるよ?どうかしたの?」

部屋の外から声がした。
夜輪はそれに答える。


「僕、これから山ン本さんの側に行ってくるから少し待っててくれる哉?」


「あぁ、そうか…」と夜輪は呟く。
今宵は山ン本が客達に茶釜の中の茶を配る日、そして百物語を披露する日だった。

相手の姿は襖の向こうで見えない。
しかし、夜輪は満面の笑みでこう答えた。


「頑張ってきてね」


廓言葉はあまり使わなくなっていた。
すべて柳田のおかげだ。
今宵の話し方の勉強も楽しみにしていたのだが仕方ない。


「できるだけ早く帰ってくるね」

足音が遠ざかっていく。
そんな足音に耳を傾け夜輪は顔をしかめた。

嫌な予感がするのだ…
襖をあけ庭を見ると椿の花が首を捥げる様にぼたぼたと落ちていた。
縁起が悪い。
急に寒気に襲われ着物の上に羽織をはおった。

「…気味が悪い」

月は怪しく輝いている。


「そんな顔をしてどうしたんだ…?」

声がした。

「…あんたこそどうしたの?黒田坊」
「気分が悪く、少し涼もうと…。どうも奴良鯉伴に言われたことが気になってな」

「鯉伴ですって?」

鯉さんのことではないか…

「鯉さんに何をしたの…?」
「……………た」

「え?」
「殺した。拙僧と仲間達で…」

夜輪は走り出した。
嘘であってほしいと願う。

たった一人の友達なのだ。
たった一人の理解者だったのだ。

大広間の襖を勢い良く開け山ン本の前に立ちはだかった。

「!?何をしている、さっさとどかんか?皆様が困ってらっしゃるじゃろ」
「黙れ、人殺しが…。答えて!!鯉さんを殺したの?」

「鯉さん…(嗚呼、奴良鯉伴のことか)。知らんな、さぁ分かったじゃろ。さっさとどくのだ」

山ン本は何事も無かったかのように客の方に向き直った。

「失礼いたしました。では、お話を…」

一人の御老公が顎鬚を撫でながら何かを話し始めた。
それと同時に柳田が夜輪を連れ部屋を出る。

「離して!!離してよ!!」

柳田の腕の中で夜輪はジタバタと暴れる。

「落ち着いてよ、どうしたの?一体」
「柳田…私……やっぱり此処にいるのやめる。出て行く」
「何言ってるの?」

強引に柳田の腕から抜け出しさっきまでいた部屋に走る。
襖をあけようとした時、中から悲鳴と物が壊れる音がした。


「百鬼夜行だァァァ」


慌ててその襖を開けた夜輪を待っていたのは逃げる人々と多くの妖怪だった。

23:NONO:2011/12/12(月) 18:44

第十五話 再開

目の前の光景に唖然とする。
部屋の中央には長い黒髪の男が立っていた。
山ン本の大切にしていた茶釜を足でひっくり倒したようだ。

山ン本は怒りでわなわなと震えていた。
男がこちらを振り返る。


「お前…夜輪かい?」
「鯉さん!?」


死んだはずの鯉伴がいた。
無事でいたことにほっとする。


「何で…この屋敷に…お前が」


疑ったように目を向ける鯉伴の視界から逃れようと夜輪は後ずさる。
雰囲気で分かる。

鯉伴達は山ン本を倒しに来たのだ。
花魁であるはずの夜輪がここにいるなど有り得ない事だった。
それがいるのだ。
疑うのも無理は無い。

だとしたら…自分も殺されてしまうかもしれない。
もう死ぬのは嫌だった。



「アンタ…本当に夜輪なの!?」


妖怪達の中から女が一人飛び出してきた。
その姿を忘れるはずも無かった。


「紀乃……姐さん」
「嗚呼、本当に夜輪なんだね」


10年ぶりの再会。
この再開が人であったなら、どんなに良かったことだろう。


「姐さん!!」


我慢できなくなり、紀乃に抱きつく。
今は敵のようなものだというのに…


「立派に……なって」
「あい、姐さん」


紀乃の声色が急に変わる。


「何でここにいるの…?」


紀乃から離れ間合いをとる。
やはり敵同士のようだ。


「姐さん、あて殺されました。人間に殺されました」
「じゃあ…あんた」
「妖怪になりんした。柳田の…山ン本様のおかげで」


驚いているようだった。


「だったらアンタ…奴良組に来ないかい?アタシや鯉伴様もいる」
「姐さんのところに…?」


悪くない話だ。
姐さんと過ごせて、鯉さんとも会える。
だが、何かが引っかかった。


「姐さん…あては……」


後ろを不意に振り返った。
腕を組みながら首をかしげている男の姿があった。
耳に光る鈴はあの夜のことを思い出させる。


夜輪の中で一つの思いが固まった。


「あては…ここで生きる」


これは、これから続く長い戦いの幕開けだった。

24:NONO:2011/12/15(木) 16:42

第十六話 昔々のお話


夜明け…


山ン本は死んだ。
仕方のないこと。
でも…柳田が泣いているから私は……
百物語組になるの。





昔、あるところに一人の花魁がおりました。
その花魁は一人の男に恋をしました。
男もまた花魁に思いを寄せました。

しかし、その花魁は人間に殺されてしまいました。
嘆き悲しんだ男は花魁を妖怪にしました。

妖怪となった花魁は男と共に男の主人の屋敷に住みました。
ところがある日、主人は殺されてしまったのです。


主人を殺したのは花魁の慕った者たちでした。
彼らは花魁に一緒に来ないかと誘いました。


花魁はその誘いを断りました。


誰よりも男のことが大切だったのです。


花魁は主人の残した妖たちと共に生きることを決めました。
妖怪として生きることを…


そして…時は現代に進むのです。

25:NONO:2011/12/15(木) 17:10

第十七話  夜輪と鏡斎

現代…


とある寂れた小屋でひたすらに絵を描く大柄な男がいた。
汚れた服も気にならない様子で書き続けている。


「納得いかないの…?」


呆れたように声をかける少女。
少女は鬱陶しそうに自分の長い髪を掻きあげた。


「…悪いかい?」


不服そうに振り返る男。
絵描きにしては大柄過ぎるその男を前に悪びれた様子もなく少女は近寄った。


「…次の噺はまだかって、圓潮が言ってたよ」
「このまえ『切り裂きとおりゃんせ』描いたばっかだろ」
「調子に乗ってるんだよ。あの噺、気に入ったみたい」


男はやれやれというように首を振った。

「それにしても夜輪。アンタがわざわざ来るなんてな」
「鏡斎が生活力ないから面倒見に来てあげたの」


得意そうに夜輪は笑った。
それとは裏腹に鏡斎は気だるそうな顔を見せ、自分の描いている絵に視線を戻した。


「んで、何してくれんの?」


視線を変えずに鏡斎が言った。


「…ご飯?」
「作れんの?」
「さぁ…?」


渋々、夜輪のほうに顔を向ける鏡斎だったが彼女の持っているスーパーの袋を見てまた顔を背けた。
中に入っていたものがプリンやらケーキやらの甘そうなものばかり。
全然、飯を作りに来ているようには見えない。


「アンタさぁ〜〜〜〜」


どう言葉を返してよいのかわからず、語尾を延ばす。


「生活力ないだろ」


やっと見つかった言葉を返した時には夜輪の姿はもうなかった。

26:NONO:2011/12/16(金) 17:25

第十八話 切り裂きとおりゃんせ 前編


通りゃんせ 通りゃんせ

ここはどこの 細通じゃ

天神様の 細道じゃ

ちっと通して 下しゃんせ

御用のないもの 通しゃせぬ

この子の七つの お祝いに

お札を納めに 参ります

行きはよいよい 帰りはこわい

こわいながらも 通りゃんせ 通りゃんせ

_______________________


埼玉県川越とある交差点―――

逢魔が刻…
それはこの世がもっとも魔に近くなる時間帯。
その時間帯に神隠しは起こるのだった。

『とおりゃんせ』の歌が何処からか聞こえてくる。
その歌は子供にしか聞こえず、歌に誘われ交差点の向こうにある三好野神社に入った子供達は行方不明になるのだった。
それは夜輪たち『百物語組』が作り出した怪談でもあった。

「もうそろそろね」

日が沈みかけた茜色の空を見ながら夜輪は静かに呟いた。
『とおりゃんせ』を待っているのだ。

怪談などに興味は無い。
ましてや人を襲う怪談など、どうでも良かった。

しかし、この場所に来たということは夜輪の中で『とおりゃんせ』について納得がいかないことがあったからなのだろう。
自分でも気付いていないうちに怪談を消そうとしていたのだ。


「圓潮…怒るかしら……」


この噺を気に入っていたようだった。
噺家として怪談を広めている彼としては怪談を消されるのは微笑ましくはないだろう。


そんなことを考えていた時、『とおりゃんせ』が聞こえてきた。
どうやら子供でなくても妖なら聞こえるらしい。
ゆっくりと歩き始める。

その時、2人の少年が神社の中へ入っていくのが見えた。
気配からして1人は妖。
もう1人は人間…だと思った。


「退治に来たか…」


ここは妖怪任侠一家『奴良組』のシマだ。
きっと、そこの妖怪だろう。


「やっぱりやめた。…暫く見物させてもらうことにしようかな」


興味深そうに夜輪は呟いた。
この時、密かに計画が始まっていたことはまだ誰も知るよしもなかった。

27:ミチル:2011/12/16(金) 17:30

まってました!!
私NONOさんの小説大好きです!!

28:NONO:2011/12/17(土) 20:49

ありがとうございます!!
嬉しいです!!
>ミチルさん

29:NONO:2011/12/17(土) 21:03

第十九話 切り裂きとおりゃんせ 後編


少し間を空けながら2人の少年の後を追う。
人間の方の少年がしゃがんでいる少女に話しかけた。


―――かかったわね


そう…
この怪談の畏れは『神隠し』だった。
異世界に閉じ込めて、外に出さない。
自分達がこういう怪談にしたのだから…


「あ〜あ…つまんない。帰ろうかしら…?」

背を向けたその時、畏れを感じた。


「お待たせしやした。3代目…」


「え…嘘……。鯉さん…?」


否、似ているが違う。
息子だろうか…?
とおりゃんせの怪人も出てきた。


「この噺は終わりね。畏れが断たれたもの」


踵を返して神社を出る。
一瞬、あの鯉伴に似た少年に畏れを感じた自分がいた。


「…圓潮に報告しなきゃ」


振り返ることなく夜輪は夕暮れの街に姿を消したのだった。

30:NONO:2011/12/17(土) 22:01

私の今のマイブーム

鏡斎かっこいい〜♡
もう鏡斎さえいれば何もいりません(キパ
でも敵なんですよね…


以上、独り言でした。

31:NONO:2011/12/18(日) 15:00

第二十話 畏れと役目

私は一先ず自分の家に戻った。
自分の家といっても仮の住処だが。

高層マンションの最上階。
結構、天国に近い場所なのかもしれない。

鍵を開け中に入ると男が2人いた。

「人の部屋で何してんのよ」
「おやおや、人聞きが悪い。あたし達は『仲間』じゃありませんか」

圓潮は気味悪く笑う。
その隣で柳田も微笑んだ。

「君にお願いしたいことがあってさ…」
「お願いしたいこと…?」


怪訝そうに眉を曇らせる夜輪に向かって2人はまた微笑んだ。


「あたしは青蛙亭に戻らなきゃならないから…話は柳田、頼んだよ」

そう言って立ち去る圓潮の後姿を睨む。
そんな夜輪の頭を撫でながら柳田は切り出した。

「君に潜入して欲しい所があってね…」

どうやら夜輪の事情などお構い無しのようだ。

「潜入…?」
「うん。浮世絵中学校…『ぬらりひょんの孫』の学校だ」

「何で…?」
「奴らの畏れを奪う下準備哉。制服はこれだよ」

何処で入手したのか分からない制服を夜輪に渡す。


「じゃ、頼んだよ。奴らの弱み…掴んできてね」


柳田はそういうと踵を返し行こうとする。
その背中に向かって夜輪は言った。


「…切り裂きとおりゃんせの怪談が消えたわ」


反応して柳田が振り返る。


「あいつらか…。まぁ、心配要らないよ。すぐにまた…産み出すから」


そう言って出て行った。
残された夜輪は制服を抱きしめへなへなと座り込んだ。

32:NONO:2011/12/18(日) 15:26

第二十一話 転校生

「ふわぁぁぁぁ」

朝日に照らされながら夜輪は盛大な欠伸をかました。
目の前には学校。
初めての場所に戸惑いを隠せない。


「転入手続きとか…済ませてんの?」
「んあ?知らねぇよ。んなこと」


隣には雷電がいる。
どうしてコイツなのだろうと夜輪はため息を吐いた。


「しょうがねぇだろ?圓潮は噺してて、柳田は顔が知られてる。鏡斎は引きこもり…」
「珠三郎は?」
「あいつは…目立つから」
「アンタもよ」


大男である雷電が目立たないはずがない。
手で追い払う素振りを見せ、夜輪はいった。

「後は上手くやるから、さっさと帰って」


そのまま校舎の方へ歩き出す。


「おう、行ってらっしゃい」


大きく手を振りながら大声で言う雷電に気付かないフリをしながらさっさと校舎に入った。


(だから早く帰れっての…)



「秋月紀乃です。よろしく」

夜輪はそう言ってニコリと笑った。
とっさに考えたのだった。

秋月は妓楼の秋月屋。
紀乃は姐さんである紀乃から取ったものだ。


(何であいつら名前決めてないのよ…)


催眠をかけて転入したようなので、夜輪はすんなり『ぬらりひょんの孫』のクラスに入ることができた。

「じゃあ、奴良くんの隣の席ね」

黙って従う。
順調すぎる。
こんなにも容易く潜入できるとは思っていなかった。


「よろしく。僕、奴良リクオっていうんだ」

笑って手を出してきた孫。
夜輪も微笑み返す。


「よろしくね、リクオくん」


本当に順調だ。
こんなことに意味はあるのだろうか…

33:NONO:2011/12/18(日) 15:46

第二十二話 清十字怪奇探偵団

「はあ!?清十字怪奇探偵団?」
「うん…」

放課後、リクオに部活のことを聞いた夜輪は素っ頓狂な声を出した。
リクオは頭を掻いている。


「もうそろそろだと思うんだけど…」

リクオが言ったその時、誰かがすごい勢いで教室に駆け込んできた。

「やあ、マイファミリー!!随分、早いねぇ。いいことだっ」
「き…清継くん」

満足そうに頷いた清継は夜輪の方に目を向けた。

「おや…君は?」
「今日、転入した秋月紀乃です。よろしく」
「そうか!君が!!いやぁ…僕のクラスでも美人だって話題になっていたよ」

またまたオーバーリアクションを取りながら笑う清継。
そんな彼に夜輪も苦笑いを返す。

「ぜひとも!我が清十字怪奇探偵団に入ってくれたまえ」
「…いいよ」
「いいの!?」

清継は笑い、周りは唖然とする。

「紀乃ぉ…しっかりしろぉ!!」

巻が夜輪の肩を掴みゆっさゆっさと揺らす。
こんな時、少しだけ人間を愛おしいと思ってしまったことは言うまでも無い。

34:NONO:2011/12/18(日) 16:13

第二十三話 地下鉄の幽霊少女 前編

夜輪が潜入して数日がたった。
今、学校内で『怪談』が噂されている。

コインロッカーから出てきた少女の幽霊。
夜輪のクラスの鳥居は学校に来ていなかった。


「まさか…ね」


自分の脳裏に浮かんだ仮説を否定する。
そんなことがあるわけがない。

そう思いたかった。


「ありえるわね…。鏡斎なら…」


屋上から中庭を見下ろし静かにそう呟いた。
鏡斎の趣味の悪さなら知っていた。
そんな彼のことは嫌いではなかったが…


「あいつ変態だもんなー…」


誰に言うでもなくそう言った。


「やあ!!秋月さん、こんなところにいたのかい!!」

清継が近づいてきた。

「今から、妖怪の性質について…」
「ごめん。今日は帰る」


カバンを引っつかみ屋上を後にする。
階段を急いで下りていると誰かにぶつかった。


「ごめんなさいっ」
「…何処に行こうとしているの哉?夜輪…」

「柳田…。何で…?」

目の前に居る柳田に戸惑いを隠せない。


「一緒にいたら…正体が…」
「元の姿に戻ればいい」


冷ややかな目で言われ、渋々妖気を解放する。
夜輪は本来の着物姿になり、柳田を睨みつけた。


「何しに来たの…?」
「場所を移そう…。家に一旦帰ろう哉」


柳田が夜輪の手を握る。
次の瞬間、2人の周りにはコインロッカーが並んでいた。

「この怪談が終わった後でね…」

35:NONO:2011/12/18(日) 16:38

第二十四話 地下鉄の幽霊少女 後編

やはり鳥居は此処にいた。

「会わなくていいの?」
「潜入できなくなるじゃん」


「おや?また誰か掛かったようだね」

薄気味悪く柳田は笑う。
蜘蛛のようだと思った。

2重にも3重にも罠をはって、獲物を完全に消す。
この男の性質だった。

(圓潮もか…)

顔をしかめる夜輪とは正反対に柳田は嬉しそうだった。

「鳥居ーっ」

声が聞こえる。
聞き覚えがあった。


「巻さん…?」


犠牲者になるのだろうか…

「お願い…2人を助けて……」

思わず祈るように手を合わせ呟いた夜輪を柳田は怪訝そうに見つめた。


「毒されてきたの哉」

夜輪の肩を抱き柳田は歩き出す。

「この噺の最期…見に行こうか」

柳田には確信があった。
黒田坊が来たという確信が…




「柳田…夜輪……」

久しぶりに会った黒田坊を見て夜輪は俯いた。
柳田が哀しそうな顔をするからだ。

「何が人の想いが生んだ怪談だ…」

恨めしそうに言う柳田を直視できなかった。
山ン本が死んだ後、血の涙を流した柳田の様子が脳裏に浮かんで消えない。


「…つけあがるんじゃないよ、裏切り者」


耐え切れなくなって柳田の手を引く。

「…黒……。私はアンタが羨ましいよ」

そう言葉を残して、怪談の中から姿を消す。
柳田は顔を悔しそうに歪めていた。

36:NONO:2011/12/18(日) 17:03

第二十五話 魂までも売った女

夜輪の部屋に着くのと同時に、柳田は夜輪を押し倒した。
夜輪の腕を掴み、顔を近づける。
柳田の目には怒りの色が浮かんでいる。
夜輪は必死に逃げようとしながら言った。

「ちょっと…何してんのよ!!」
「それはこっちの台詞哉!夜輪は人間を憎んでいるんじゃなかったの哉!!」

見たことがない柳田の剣幕に夜輪は抵抗をやめる。


「それは…」
「思い出してごらん。君を吉原に売ったのは誰だい?君を物として扱ったのは?」
「…人間よ」
「君を殺したのも人間じゃないの哉!!」

腕を掴む柳田の力が強くなる。


「君は…吉原の女だったんだ。いわば悪女だよ!!そんな君が人間に対する自分の気持ち一つ欺けないの哉」
「…そんな風に思ってたの?」

確かに吉原の女だった。
人間のことも心の底では恨めていない。
悪女なんて言葉…何回も言われてきた。

だけど…
この男に言われると苦しい。

涙が溢れる。
廓言葉をやめて欲しいといったのは嘘だったのだろうか。

不意に柳田に口付けられる。
頭がついていかないうちに何度も何度も口付けられる。

「…どうってことないよね。君は吉原で体だけじゃなく魂まで売っていたんだから」
「……私は…あては……魂まで売った覚えはないっ」

強引に柳田を押しのけ外へ飛び出す。
勿論、人間に化けてだ。
妖気を消さないと居場所がばれる。


「何で……柳田…」

37:NONO:2011/12/18(日) 17:07

何か…すごい柳田さんが酷くなっている気が((汗
っていうか…
何か方向がおかしなことに…

すみません><

38:まーちゃん 2011/12/24(土):2011/12/24(土) 17:38

この話、とってもおもしろいです。がんばってください。

39:NONO ◆eCks:2011/12/25(日) 18:53

ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします
>まーちゃんさん

40:ゆめぽん ◆b96E:2011/12/26(月) 19:00

こっちの話もおもしろいです!!
さすがNONOさんです☆

41:NONO ◆eCks:2012/01/06(金) 12:46

ありがとうございます!!
>ゆめぽんさん

42:NONO ◆eCks:2012/01/06(金) 13:11

第二十六話 愛しさと切なさ 前編


誰かが来た気配を感じた。
どうせ柳田だろうと思い、鏡斎は絵を描き続ける。

だが、いつまでも声をかけてこない人物に対し、鏡斎は痺れを切らした。

「おい、柳田さ…」


振向いた鏡斎の言葉はそこで途切れた。
いたのは柳田ではなかった。

涙で顔を濡らした少女が立っていた。
小さな体は震えていた。



「夜輪…」
「…………」

「とりあえず上がれ。風邪ひくぞ」


理由はあえて聞かない。
なんとなく分かる気がしたからだ。
中々、上がろうとしない夜輪を強引に引っ張り込み、座らせた。


「…茶、入れてくるから。そこから一歩も動くな」


小さく頷いたのを確認して茶を入れに行く。
戻ってきたとき、夜輪はちゃんと座って待っていた。


「ありがと…」
「……気にするな」


湯飲みを手にし、夜輪は切り出した。


「…私って汚いのかな?」
「は?」

言っている意味が分からず聞き返す。
夜輪は湯飲みを弄びながら更に続ける。


「悪女…。体も魂も売った女。私って何なんだろうね」


寂しそうに呟く。
茶をすすりながら鏡斎は返した。


「俺は…そんな風には思わねぇけどな」


更に鏡斎は続ける。


「お前が吉原にいたってのは事実だ。でも、それだから汚ねぇっつうのは違ェよ」
「……鏡斎」


「だから…気にすんなよ」


こんなに喋るのは自分の性に合わないと思いつつも、夜輪を放っておけずそういった。


「ほら、笑えよ。笑ったお前さんの顔、描くの好きなんだ」
「鏡斎…」


自分の思いとは裏腹にまだ泣いている夜輪をそうっと抱きしめる。
頭を撫で、泣きやむのを待つ。


「鏡斎、お父さんみたい…」

少し声が明るくなった。
それを確認して鏡斎はぶっきらぼうに返す。


「そんなに老けてねぇよ」

43:NONO ◆eCks:2012/01/08(日) 13:36

第二十七話 愛しさと切なさ 後編


夜輪が帰った後、鏡斎は黙々と絵を描き続けていた。
誰かが来た気配がする。


「やあ、調子はどう哉」


今度こそ柳田だ。


「…ダメだ。調子でねェ。もっとくるもん見ねぇとさ」
「いつもそれだね」


高らかに笑う柳田を横目で睨みこう返した。


「まぁ…やなもん見ちまったしな」
「へぇ…何なの哉。その『やなもの』って…?」
「女の涙」


柳田は目を瞬かせてから笑い始めた。


「まさかお前がそんなことを言うなんてね。女の涙なんて好物なんじゃないの哉」
「普段はな…。ところで柳田さん、夜輪は来てないのかい?」

「夜輪……?」


ちらりと柳田のほうを見ると少し蒼い顔をしているのがわかった。
やはり夜輪を泣かせたのは柳田らしい。
鏡斎の視線に気がつくと、柳田は表情を元に戻した。


「…いつも一緒のわけじゃないよ」
「柳田さん。あんた、夜輪に何言いやがった?」


少し強めの口調でそう言った。


「あんたのせいで泣いてた。夜輪がそう言ったわけじゃねぇ。でも、すぐに分かった」
「……泣い…て…た?」
「あの子はお前のために自分を押し殺してる。んなこともわかんねぇのかい?」


どんどん口調が強くなる。
自分も苛立っているのがよくわかった。


「これ以上…あの子を傷つけるってんなら―――」


そこまで言ってから口をつぐんだ。
柳田が何か言うのを待つ。
でも、彼は言わなかった。


「俺が奪うぜ…」

44:ゆめぽん ◆b96E:2012/01/08(日) 16:27

えー!?
まさかの鏡斎さん!?
しかもかなりカッコいい!!
鏡斎さん好きにはたまらないですね❤

45:NONO ◆eCks:2012/01/09(月) 17:28

まさかの…ですねぇw
私自身、鏡斎大好きなのでこうなってしまいました。
これからもよろしくお願いします。

46:NONO ◆eCks:2012/01/09(月) 17:51

第二十八話 柳田の思い


「…僕だって傷つけたくなんかないよ」


柳田が静かにそう言った。
寂しそうな声だった。


「……そうかい」


半信半疑でそう返す。
鏡斎の中にあるのは疑問と怒りだけだった。


「夜輪を百物語組に縛り付けてるのは僕だよ。それは分かってるんだ」
「じゃあ…あんた。もしかして…」


「夜輪に奴良組を傷つけることはできないから―――」


夜輪には慕った者がいる奴良組を傷つけることはできない。
それを分かっていたからこそ柳田はあんな行動にでたのだ。
それでも納得がいかなかった。


「僕のことを嫌いになればこの組を抜けれる。だって夜輪は言ったんだあいつに…」
「あいつって黒田坊のことかい?」


柳田は頷き、こういった。

「『羨ましい』って…」
「だからって夜輪に何てこと言ったんだよ。あいつがそんなこと言ったぐれぇであんたの側、離れるわけ…」
「僕自身、羨ましかった。夜輪のことが…」


どこか遠い目をして柳田は言った。
その言葉は他人事のように話している気もして、鏡斎の心は複雑だった。
「羨ましかった?」と聞いた鏡斎に柳田は少し微笑んだ。


「…何でもないよ」
「理由がどうであれ、あんたのしたことは最低だよ」
「いつも最低な奴に言われたくないね」


柳田の軽口を無視し、鏡斎は続ける。


「俺は…あんたを許せそうにねぇや」

黙る柳田に追い討ちをかけるように鏡斎は言った。
冷ややかな声でこう言った。



「あんたじゃ無理だ。俺があの子を守るから…」


続く言葉はこうだった。
―――『すっこんでろ』

47:ゆめぽん ◆b96E:2012/01/10(火) 21:58

キャー❤
鏡斎さんカッコよすぎる〜!?
NONOさん、うますぎて胸キュンヤバいです!

48:NONO ◆eCks:2012/01/14(土) 09:08

ありがとうございます!
これからもお願いします^^

49:NONO ◆eCks:2012/01/14(土) 09:30

第二十九話 女子達の恋話


「紀乃ちゃんって好きな人いるの?」

そう聞かれたのは翌日の昼休みのことだった。
あまりに突然の出来事に持っていた弁当箱を落としそうになる。



「昨日、泣いてる紀乃ちゃんを見たって言う人がいるんだよ」
「まさか…ふられたとか?」



真っ白になった頭を高速回転させ言い訳を考える。
まるで、あの時の山ン本みたいだ。


「何かの見間違いじゃない?好きな人なんていないしぃ」
「そうなの?紀乃ちゃん、いないんだ〜…」


少し残念そうに肩を落とすカナ。
夜輪がキョトンとしているとカナが呟いた。



「紀乃ちゃんって付き合ってる人いそうだったから…」



思わず苦笑いする。
吉原にいたことがここでも現れているのかと忌々しかった。
どうやら柳田の言ったことはあながち間違いではないらしい。


「本当にいないの?好きな人!!」
「好きな人…」


少し考えてみる。
深い意味は無い。
ただ、何となく。
人間への未練があるのかもしれない。



頭の中に浮かんだのは2人だった。
慌てて首を横にブンブンと振る。

それでも、思い出す。


『ボクがきっと守ってみせるよ』

『笑ったお前さんの顔、描くの好きなんだ』


(そういえば私って柳田と生きるための怪談だったけ…)


自分が妖になった時のことを思い出す。


(鏡斎は私のことわかってくれるたった1人の理解者だよね…)


自然に顔がほころんだ。
その後、女子3人に事の真相を問い詰められたのは言うまでも無い。

50:NONO ◆eCks:2012/01/15(日) 15:33

第三十話 作戦の決行


放課後、夜輪の携帯が鳴った。
渋々でる。


「もしもし…」
「僕だけど……今、学校哉?」
「そうだけど。どうかしたの?」


昨日のことにはふれないでおく。
一刻も早く忘れたかったからだ。


「作戦を決行するよ。君の潜入も今日までだ」
「そう…」
「早く帰っておいで。君は百物語を繋ぐ者なんだから」



そこで電話が切れた。
作戦を決行するって事は件の予言を実行するということだ。
夜輪は拳を握り締めた。


「秋月さん?」


声がした。
ドアの側にリクオが立っていた。
持っていた携帯を慌てて隠す。


「どうしたの?顔色悪いよ。大丈夫?」
「あ…うん。全然、平気よ。あの…リクオくん」
「なに?」


「……ごめんね」
「え?」

鞄を掴み教室を飛び出す。
人を裏切るのは辛かった。
周りには目もくれず、走った。



「…ごめんなさい」


門を出ると、振向いてそう呟いた。
体が震える。
怖かった。


ふと、温もりを感じる。

「大丈夫かい?夜輪…」
「鏡斎…」


「迎えに来たぜ」

鏡斎は夜輪の肩を抱きかかえ歩き出す。


「何でここに?」
「ん〜?なぁんとなくさ…」


「私が泣いてると思った?」
「辛いんじゃねぇかとは思った。お前は1人で抱え込みすぎなんだよ」


鏡斎の声は優しく響いた。
心が満たされるのを感じる。


「お前はさ…柳田さんの操り人形じゃねぇんだ。お前の進みたい道を選べばいい」
「…私は百物語を繋ぐ者だよ。みんなを繋がなきゃ」
「お前は山ン本さんの一部じゃねぇんだ」


ゆっくりとそう言う。
その言葉を聞いて夜輪は微笑んだ。


「私はあの人から生まれたよ。だから、私もあの人を復活させる」
「お前はそれでいいのかい?」


心配そうな鏡斎の言葉を聞いて夜輪は笑った。
鏡斎は心外そうに目を細める。


「鏡斎、やっぱりお父さんみたい」


鏡斎は大きく息を吸い込んだ。
そして、少し強めにこう言った。


「だから…そんなに老けてねぇよ」

51:まぐねっと magunetto317@gmail.com:2012/01/23(月) 14:20 ID:Z/o

鏡斎さんかっこいい…!!

めっちゃ続き気になります〜〜

52:まーちゃん:2012/01/25(水) 17:07 ID:TTw

柳田さんと鏡斎さんカッコイイ!!                                                                   更新ファイトです!

53:匿名さん:2012/01/27(金) 23:30 ID:g4.

初めまして。annriと申します。
夕麗と鯉伴の物語から
読み始めています。夜輸の物語にも、
一気にはまってしまいました。
文章もプロ並みですし、
これからも応援しているので、
がんばってください。
それから、私少年陰陽師と
ぬらりひょんの孫が大好きで、
夢小説を書きたいんですが、
いっそのこと、ミックスにしてしまえ、
と思い、この二つをミックスした夢小説を
掲載したいのですが、どうやれば掲載できるか、教えてもらえませんか。

54:annri:2012/01/27(金) 23:33 ID:g4.

ごめんなさい。名前を入れ忘れていました。
すみません。

55:annri:2012/01/28(土) 16:10 ID:g4.

スレッドを作ることができました。
ので、どうかコメントを下さったらうれしいのですが。
お待ちしております。

56:NONO ◆eCks:2012/01/29(日) 14:07 ID:406

ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします>まぐねっとさん・まーちゃんさん


初めまして^^
応援ありがとうございます。
コメントさせていただきますね
>annriさん

57:ネア:2012/01/29(日) 17:04 ID:UzM

お久しぶりです。
ネアです!!


NONOさんの小説見ているうちに私も書きたくなって

スレッド造りました!


名前は[ぬらりひょんの孫 -鈴姫恋草子-]です!

小説作りの天才たるNONOさんにアドバイス頂けたらと思います。

58:NONO ◆eCks:2012/01/30(月) 08:17 ID:406

お久しぶりです〜☆
私、全然天才なんかじゃありませんよ((汗
ホント駄作ばっかり書いてるので…


読みました!!
ネアさんの小説。
とっても面白いです!!
続き気になります><
義賊っていうのがいいですねbb
そっちの方にも感想書きますので((敬礼

>ネアさん

59:NONO ◆eCks:2012/01/30(月) 18:31 ID:406

第三十一話 偽善者 前編


「鏡斎…。今から何処行くの?」

横にいる鏡斎を見上げて聞いてみる。

「さぁな…」
「柳田たちは…」
「今から行われるのは『鬼ごっこ』さぁ」


鏡斎は歩きながら答える。
夜輪が「鬼ごっこ…」と呟くと鏡斎は「嗚呼」とだけ答えた。


「…それって私達も狩るんでしょ?」
「人間もついでにな。辛いかい…?」

「大丈夫…」


夜輪がそう呟いた時、夜輪の携帯が鳴る。

「でなくていいのか?」
「私には…あてにはもう関係ありゃせんわ」


廓言葉で答える。
人間への未練を捨てるためだ。


「でろよ…。関係ないってんならケジメちゃんとつけて来い」
「あはは…。何それ。そんなの鏡斎に一番似合わない言葉じゃん」
「珍しく真面目なこと言ってんだからちゃんと言うこと聞いてくれよ」


頭を掻きながら言う鏡斎の顔を見て夜輪は首を傾げた。


「理由になってないよ…?」
「じゃあ俺は先いく。ケジメつけて来いよ〜」

妙に間延びした声を残し、鏡斎は夜輪を置いて歩いていった。
携帯はまだ鳴り続けている。


「…よけいなお世話だよ」


鏡斎の背中にそう呟き、携帯を開く。
表示は『奴良リクオ』


「もしもし…?」
『秋月さん、良かった。やっとでてくれた…』
「何か用?」
『ちょっと気になって…。今から会えないかな?』


言葉に悩む。
会うべきではないだろう。

『ケジメつけて来い』

脳裏に響いた鏡斎の言葉。
行ってはいけないという思いと行かなくてはならないという思いが浮かぶ。


「わかった…」
『じゃあ、今から…そうだな。駅前はどう?」
「わかった。じゃあ、後でね」
『待ってるから』


その言葉を聞いて電話を切った。
そして、駅に向かって歩き始めたのだった。

60:NONO ◆eCks:2012/02/05(日) 12:03 ID:406

第三十二話 偽善者 後編


「あ…秋月さん!!」

リクオが大きく手を振った。
隣には及川氷麗がいる。
彼女も妖怪であることはわかっていた。


「リクオ君、遅れてごめんね」

ちゃんと笑えているだろうか。
そんなことを思いながら笑いかけた。


「さっきの言葉が気になって…。どうかした?」


心底、心配そうに聞いてくるリクオに対して罪悪感がこみ上げてきた。
同時に苛立ちも感じる。
2人はそんな夜輪の様子には気付かない。


「ねぇ…」


夜輪は静かにそう切り出した。
どうせばれるなら今、打ち明けてしまおうと思った。


「リクオ君は…人と妖怪どっちが好き?」
「え……?」

質問の意味が分からないのだ。
どうして夜輪がそんなことを聞くのか分からないという顔をしている。


「まだ気付かない?」
「何のこと…」
「奴良組の三代目が聞いて呆れる」


その言葉を聞いて2人の警戒心が強まった。


「君は一体…?」
「あなた何者なの?」


「初めまして…と言うべきかしら」
「君…妖怪なのか?」

コクンと頷いた夜輪をリクオはしっかりと見つめた。

「さっきの質問だけど…僕はどっちも好きだ。どっちも守りたい」
「偽善だね」
「え…?」


リクオが大きく目を見開いた。
夜輪は間髪入れず続ける。


「人は醜い。今も昔も…勝手なものよね。君だって知ってるはずだよ」
「そんなことない!!」
「今知らなくても、知る事になる。たった今から人間は君達の敵だよ」

「何言って…」

リクオが言いかけた時、一人の男がリクオに話しかけた。


「奴良リクオくんだよね…?」
「は…?」


カシャ


男はリクオの写真を撮り、すぐさま逃げ去った。


「…君も知る事になるよ。人間と言ういきものを…」

夜輪は静かに呟いた。

61:NONO ◆eCks:2012/02/05(日) 17:39 ID:406

第三十二話 正体


「じゃあ…精々頑張ってね。頑張っても君達は終わりなんだけどさ」
「それ…どういうこと?」
「また後で会おうね。お二人さん」

意味深な笑みを浮かべ夜輪は姿を消そうとする。
その腕をとっさに掴んでリクオは言う。


「質問に答えろ。それと君の本当の名は?」
「逃がしてくれないんだ?意外だね。結構しつこいんだ?」
「早く答えろ。人に仇をなすってんなら僕はお前を許さない」


その言葉を聞いて夜輪は大きな笑い声を上げた。
手を振りほどき、軽やかに跳ねた。
地面に降りた時、微笑みながら夜輪は言った。


「そんなに知りたいんだ?私のこと…」
「…なっ、そういう意味じゃ……」


顔を赤くするリクオに氷麗が冷たい視線を送った。


「り、く、お、さまぁ〜?なぁに赤くなっているのでございましょおかぁ!?」
「違うって…落ち着いてよ、つらら」


その様子を見て夜輪は薄く笑った。


「私は『夜輪』。そして、またの名を…」

大きく深呼吸して夜輪は言う。
その言葉に2人が集中した。


「『殺され花魁 夜輪花魁の怪』」
「!?」
「大江戸百物語組幹部の『首』」


驚いた顔をする2人に笑いかける。
実に清々しい気分だ。


「私の『役割』覚えといた方がいいよ。後で必要になるから」
「必要って何に…?」
「殺すため」


表情を崩さず夜輪は言った。
険しくなるリクオの顔を見ながら踵を返した。
そのまま姿を消そうとする。


「おいっ、待てッ!!!」
「じゃ、また後で会おうね。リクオくん」


夜輪はそういい残し姿を消した。

62:NONO ◆eCks:2012/02/05(日) 20:03 ID:406

第三十三話 殺し花魁

街に降りる夜のとばり。
風情のある一時に哀愁を漂わせながら少女は歩いていた。
幼さの残る、しかし美しい顔に道行くものが振り返る。


「ねぇねぇ、君一人?俺らと遊ばねぇ?」


汚らしい男達が少女を囲む。
周りの者は「可哀相に」と呟きながら見て見ぬ振りだ。
男達が少女の肩に手をかけた。
その瞬間、男達は消え失せた。

少女は何事も無かったように歩き始める。
しかし、何人かは見ていた。
少女の顔に返り血が付いていたのを。


『奴良リクオ ヲ 殺セ 』


何処からかそんな声が聞こえてきた。



夜輪はナンパしてきた男達を八つ裂きにした後、駅に向かって歩いていた。
鴉の声が騒がしい。
人間達が武器を持ち何処かへ向かっているのが分かる。
横目でそれを確認しながら夜輪はニヤリと笑った。


「もうすぐだよ…。もうすぐで山ン本さんは復活する」


立ち止まった夜輪は後ろを振り返った。
何処からか出てきた妖怪が人間を襲う。

「…人間を許さない。私は…あては…『殺され』から『殺し』になる」


夜輪の呟きは夕方の街に消えていった。

63:まぐねっと magunetto317@gmail.com:2012/02/05(日) 21:54 ID:Z/o

わぁ!増えてる〜〜www

めちゃくちゃ面白いです!!

やっぱNONOさん上手いです!

これからもがんばって下さい〜(*´∀`*)

64:NONO ◆eCks:2012/02/06(月) 18:41 ID:406

ありがとうございます!!
頑張ります((敬礼

65:NONO ◆eCks:2012/02/06(月) 19:14 ID:406

第三十四話 地獄の姫  

「鏡斎何処かなぁ…」

渋谷駅を出た夜輪は周りの様子を見ながら呟いた。
辺りから漂う血生臭い空気に顔を顰める。

「やりすぎだよ…まぁ、それぐらいの方が好都合なんだけど」

近くにいる妖怪を片手で捕まえ、ため息をつく。
ジタバタと暴れまわる妖怪に笑いかける。
冷ややかにこう言った。

「で…あなたの『お父さん』はどこかしら?」



「やっと見つけた!!鏡斎!!!」

手を大きく振り近づいてきたのは夜輪だった。
鏡斎は笑いかける。

「…吹っ切れたのか?」
「おかげさまで。で…何やってんの?」
「絵を描いてるのさ。見りゃわかるだろ?」


そう言った鏡斎に夜輪は首をかしげた。
その視線の先には女の子達がいる。


「わかんない」
「おいおい、そりゃねぇぜ…」


そんな中、一人の少女が夜輪に追いすがってきた。
鬱陶しそうな顔を向ける夜輪の様子を見て鏡斎は畏を感じる。
いつもなら美しいと感じる夜輪の畏も今は恐ろしいものだった。

(お前に何があったんだい?夜輪…)


「助けて…。お願い!!助けてッ」
「…何が不満なの?あなたは死んでもあなたの噺は終わらないのに…」


一瞬、とんでもない寒気に襲われる。
次の瞬間、少女は倒れていた。


「おい…夜輪……」
「大丈夫。死んじゃいない」
「そういう事じゃねえ!!お前、本当にどうしたんだ!?」


立ち上がり、夜輪の肩を持ちながら怒鳴る。
少し震えているのが分かった。


「お前…」
「あては…繋ぐ者じゃ。百物語を……みんなの野望を……」


そういうと夜輪は変化した。
鮮やかな赤の花魁風の着物を纏い、薄らと微笑む。
鏡斎の胸が高鳴る。


「私はどっかで見物してる。じゃ、また後でね〜」


手をヒラヒラと振りながら夜輪は姿を消した。

66:まーちゃん:2012/02/06(月) 22:42 ID:TTw

これからどうなるか楽しみデス!

67:NONO ◆eCks:2012/02/08(水) 16:53 ID:406

ありがとうございます!!
柳田さんの話を書こうと思ってたのに鏡斎おちににりそうです><

まぁ、鏡斎が一番好きなので…((汗

これからの夜輪と鏡斎、そして柳田をよろしくおねがいします!!

68:NONO ◆eCks:2012/02/08(水) 18:53 ID:406

第三十五話 鏡斎の決意

鏡斎は夜輪の居なくなった空間を見つめていた。
妙に虚しく感じるその場所を瞬きもせず見つめていた。

「…大丈夫だ。俺が夜輪の笑って過ごせる世界を創る」


そう呟いた。
側にいた女の背中に絵を描く。
描き終えた瞬間、女は妖怪となった。
鏡斎の手は休まず次の女へと伸びる。


「…お前を苦しめるものは何も無い。俺の創った地獄の姫になるんだ」


そう呟きながら描き続ける。
夜輪への思いを込めながら…



「俺が守る」




誰もいない静かな路地を夜輪は静かに歩いていた。
頬に感じる風は血の匂いがする。


「か〜って嬉しい花一匁〜」


一人で歌う。
花魁が売り買いされる歌。
哀しい、けれども知れ渡っている歌。


「あの子が欲しい」


そう言われて、買われた。


「相談しましょ、そうしましょ」


大人たちはそう言って、子供の私を値切ろうとした。
憎い…人が憎い。
私がこの手で潰してやるよ。



「人は醜い…」


自分に言い聞かせるように呟く。
その本当の意味を知るものはまだ誰も…
夜輪自身も知らない。

69:☆夏蜜柑☆:2012/02/08(水) 19:27 ID:Tag

初めまして! 夏蜜柑です☆
NONOさんの作る小説は全部おもしろい!!

70:ミツミ:2012/02/08(水) 21:12 ID:Fyg

初めまして、ミツミです。
前作の小説読ませてもらってます。
ものっすごくおもしろいですよう。
もう一作書かれるというので見てみました。
鏡齋さんかっこいいです。
すみません、ビックリマーク付けられなくて・・・
ホントは5個とか付けたいんですけど・・・・・・
続きがすごく気になります。

71:annri:2012/02/08(水) 21:45 ID:fEQ

こんにちは。
annriです。
とてもおもしろくて、続きが気になります!!
夜輪が好きです!
可愛い、かっこいい。
どうやったらそのようなキャラクターを作れるんですか?
私はどうしても作れません。
 ぬら孫とは関係ないけど、別の物語を書き始めました。
コメントをいただけたらな、と思いますので、
ぜひとも、素晴らしくうまいNONOさんに
お願いしたく。
これからもがんばってください!!

72:NONO:2012/02/10(金) 17:00 ID:406

ありがとうございます。
そう言ってもらえると嬉しいです^^
>☆夏蜜柑☆さん


初めまして。
前作から見ていただきありがとうございます。
これからもお願いします^^
>ミツミさん


ありがとうございます。
私なんて全然です。
もっとうまい人たくさんいますから…
これからも応援よろしくお願いします。
小説、読みますね!!
>annriさん

73:NONO ◆eCks:2012/02/10(金) 17:06 ID:406

トリップ付け忘れました↑

74:NONO ◆eCks:2012/02/10(金) 17:29 ID:406

第三十六話 忌まわしき記憶

それは随分昔の事…
何百年も前のお話。


「ここは…何処?お父さん…お母さん……?どこ―――?」


目が覚めると知らない場所にいた。
真っ暗な部屋の中で一人でいた。


「怖いよぅ…誰か助けて――!!!」


少女の声は届かない。
しくしくと泣き出す少女に声をかける者は誰もいない。



暫くして、重たそうな鉄の扉が開いた。
ギギィと不快な音を立てて開く。
間から光が差し込んだ。


「おい、五月蝿ぇぞ。これだから餓鬼は嫌なんだ」
「まぁ、そう言うなよ。見ろ、あと10年もしたらスゲーいい女になるぜ」
「馬鹿野郎。10年もしたら俺たちゃ、年寄りの爺さんだぜ?」
「そうだった。いっけね…」


男が2人入ってきた。
少女は涙目で見上げる。


「おじさん達、誰?」


「俺たちはお店屋さんからお前さんを買った善良な町民だ」
「そうそう、君は吉原で暮らすんだよ」


「嫌だ!!帰りたい、お父さんとお母さんに会いたいよう」
「無理に決まってんだろ!!お前は売られたんだ。将来、花魁として働くんだ」


男達は少女の髪を掴み外へと引きずりだす。
太陽が見える。
雲一つない青空が虚しかった。



「お前は親に捨てられたんだ」


男の放った一言が少女の頭のなかに何度も何度も響いていた。

75:NONO ◆eCks:2012/02/10(金) 18:22 ID:406

今更ですけど…
鏡斎のキャラ崩壊っぷりが半端ないですね((汗

でも、鏡斎って一途になったらあんな感じかなぁっと…
私の勝手な想像です((汗

76:☆夏蜜柑☆:2012/02/10(金) 19:36 ID:Tag

そんなことないです!
鏡斎かっこいい!!

あと、今更すみません。
夜輪って何て読むんですか?

77:まぐねっと magunetto317@gmail.com:2012/02/10(金) 19:54 ID:Z/o

やばい…!!すごいです…

毎回楽しみにしていますwww

鏡斎さん落ちでもイイと思えます〜〜(*´∀`*)

頑張ってくださぁい

78:annri:2012/02/10(金) 21:28 ID:vW2

NONOさんの書く鏡斎、
とてもかっこいいです!
いままでは夜輪一筋だったのですが、
鏡斎さんもかっこいいな、と思い始めました。
早く続きが読みたいです!
がんばってください。

79:NONO ◆eCks:2012/02/11(土) 11:02 ID:406

そうですか?
ありがとうございます。
夜輪は「よわ」と読みます。
>☆夏蜜柑☆さん


おそらく鏡斎おちです。
柳田にはちょっと可哀相な役をやってもらうことになりそうです((泣
>まぐねっとさん


ありがとうございます。
夜輪と鏡斎のこれからをみててくださいね!!
>annriさん

80:NONO ◆eCks:2012/02/11(土) 11:41 ID:406

第三十七話 名づけられた花

地獄の日々だった。
見たくもない男達の顔を見て、好きでもない男に媚を売る死んだような女達を毎日眺めた。
今宵も吉原からは腐った匂いがする。
腐った人間の匂いだ。
吐き気がする。


「お前の名は鬼灯。忘れるな」


そう言われた。
少女の名は鬼灯。
腐った男に名づけられた。


暫くして、少女はある花魁の禿となった。
美しい女だった。
他の女達とは違った目をしていた。


「アンタ…名は?」
「鬼灯でありんす」
「大層な名前だね。アンタみたいな小さい子がそんな名前…」

女は考え込む。
少女がゴクリと唾を飲み込むと女は優しい笑みを浮かべた。


「…その名前気にっいってるかい?」
「…いんえ。腐った奴らに名づけられた名など気に入っているはずありゃしんせん」
「あはは…。アンタおもしろいね。う〜ん、そうだなぁ」


女はまた考える素振りを見せる。
一体何なんだという風に少女が睨むと女は口を開いた。


「夜輪ってのはどうだい?」
「は…?」
「あんたの名前だよ!!いい名だと思わないかい?」

「夜輪…」
「何度も巡ってくる夜のように永遠の愛を手に入れるっていう感じかな」
「愛なんか必要ない」


そうは言ってみたものの顔は自然にほころんだ。


「あたしは紀乃。よろしくね、夜輪」
「あい、姐さん」

81:annri:2012/02/11(土) 12:01 ID:3JY

私は不思議なことに花魁やってる紀乃
が好きなんです。これは前からですね。
というわけで、夜輪と紀乃の話、
もっと書いてください!!
(無理言ってすみません)
がんばってください!

82:折原奈緒:2012/02/12(日) 14:38 ID:A.E

いきなりすみません…。

すっごく面白いです!
鯉伴の方を見てからこちらも見させていただきました><
もう読むのが止まりません^q^((
これからも頑張ってください!
応援してます!

後、私鏡斎大好きです!

83:NONO ◆eCks:2012/02/16(木) 17:39 ID:406

いえいえ、ありがとうございます!!
頑張ります。

鏡斎かっこいいですよね☆

>折原奈緒さん


私もです!!
紀乃もどんどん出していこうと思います^^
>annriさん

84:NONO ◆eCks:2012/02/18(土) 15:55 ID:406

すいません!!!
ネタ切れです><
ある程度、自分の中ではできあがってるんですが…
と、いうことで一度やってみたかった鏡斎と夜輪×カゲロウデイズを書いてみます。

「妖怪がこんなことで死ぬか!?」というつっこみはなしでお願いします。

85:annri:2012/02/18(土) 21:01 ID:U3w

絶対見に行きます!!

鏡斎と夜輪とカゲロウデイズですか!?

鏡斎と夜輪好きなので本っ当に楽しみです!

それと、カゲロウデイズって、なんですか?
すみません(泣)変なこと聞いて。

これからもがんばってください!!

86:NONO ◆eCks:2012/02/19(日) 11:24 ID:406

ありがとうございます。
カゲロウデイズはボカロの曲です。


なんとなく歌詞が怖いんですけど意味が深いので結構好きなんですよ♪


頑張ります!

87:NONO ◆eCks:2012/02/19(日) 11:45 ID:406

第三十八話 番外編 カゲロウデイズ 1

8月15日 午後12時半くらいのこと


五月蝿い蝉の声が響いていた。
俺は公園のベンチに座りながら空を見上げた。
雲一つない真夏の空を忌々しく思った。

「今日は天気がいいな…」

ボソッと呟いた俺に彼女は微笑んだ。

「嫌そうだね?」
「こう暑いとよ、熔けてなくなっちまいそうだ」

「九相図みたいに?」
「そういう意味じゃねぇよ」


絵に納得がいかず、することもないので夜輪に連れられ公園に来た。
来てもすることがないので彼女と駄弁っていた。


「でも、まぁ…私も夏は嫌いかな」


猫を撫でながら彼女はふてぶてしく呟いた。


「暑いし…」
「そうかい」


興味なさそうにそう返す。
俺の視線はその猫だ。


「…ところで、その猫はなんだい?」
「拾ったの。可愛いでしょ?」


そう言って夜輪は猫を俺に渡そうと持ち上げた。
その時だった。
その猫が夜輪の腕から飛び出し、逃げ出した。


「あ…」


慌てて追いかける夜輪の後姿を見つめた。
この時止めればよかった。
俺は10秒後、後悔することになる。


10秒後、俺は見た。
夜輪が赤になった信号機に飛び込んでしまったのを。


キキィ


パッと通ったトラックが耳障りな音を出して停まった。
目に飛び込んできたのは真っ赤な血飛沫と動かない彼女の姿。
鼻を掠めた匂いは血の鉄臭さと彼女の香り。

涙と混乱で俺はむせ返った。
名を呼びたくても声が出ない。
目眩がする。


向こうの交差点で、俺と同じような姿をした陽炎が「嘘じゃないぞ」って嗤っていた。
絶望を抱える俺を嘲笑うかのように蝉の声が響く。
地獄のような光景に俺の目が眩んだ。

88:NONO ◆eCks:2012/02/19(日) 12:09 ID:406

第三十九話 番外編 カゲロウデイズ 2

目を覚ますと布団の上にいた。
冷や汗がすごい。


「何だ…。夢かよ」


ホッとしてそう呟く。


「おはよう。いつまで寝てるのよ」


隣には彼女がいた。
思わず抱きしめる。

「鏡斎…?どうしたの?」
「夜輪。生きてるよな?死んじゃいねぇよな?」
「当たり前じゃない。人を勝手に殺さないでよ」


ケラケラと笑いながら夜輪が言った。
俺は「良かった」と呟いた。
そして、彼女の手元を見て背筋が凍りついた。


あの猫がいた。


「…その猫、どうしたんだい?」
「拾ったの。可愛いでしょ?」


夜輪は誇らしげにそう言ってから「早く行こうよ」と立ち上がった。
「嗚呼」とだけ返し、公園へ向かう。


真夏の道を2人並んで歩く。


「ところで、今日は何月何日の何時だい?」
「え〜っと…8月14日の午前…12時すぎかな?」


携帯の画面を見ながら夜輪は答えた。
夢の日付じゃない。
俺は安堵して息を吐いた。


でも、公園では同じようなことを話した。
そして、猫が逃げ出した瞬間、記憶がよみがえる。


周りの景色の色、血のにおいまで鮮明に覚えていた。
猫を追いかけようとした夜輪の腕をパッと掴む。
驚くような顔をした夜輪に「今日はもう帰ろうか」と言った。

黙って頷いた夜輪の手を引き道に出る。
その時だった。



周りの人間達が上を見て口をあけていた。
次の瞬間、上から落下してきた鉄柱が彼女を貫いて突き刺さった。
劈く悲鳴と風鈴の音が俺の頭の中に響く。
頭の中が真っ白になった。


ワザとらしい陽炎が「夢じゃないぞ」って嗤っていた。
眩む視界の中で夜輪の横顔が笑っていた気がした。

89:NONO ◆eCks:2012/02/19(日) 12:25 ID:406

第四十話 番外編 カゲロウデイズ 3

繰り返して何十年。
何度、世界が眩んでも陽炎がすべて奪い去る。
何度、夜輪の笑顔を取り戻しても笑って奪い去る。

もうとっくに気がついていた。
こんなよくある噺なら結末はきっと一つだけ。
繰り返した夏の日の向こう。


彼女を押しのけて飛び込んだ。
その瞬間、トラックにぶち当たる。
激痛以上に喜びが走った。

血飛沫の色と夜輪の瞳の色が乱反射した。
文句ありげな陽炎に「ざまあみろよ」って笑った。
その時、俺は見たんだ。
陽炎が目から涙を流したのを。


これは実によくある夏の日の噺。
そんな何かがここで終わった。



*8月14日、少女が目を覚ましたのはベッドの上だった。
 
少女はただ「またダメだったよ」と一人、猫を抱きかかえていた。
涙を流しながら呟いていた。

90:annri:2012/02/19(日) 15:46 ID:cxU

すみません。
カゲロウデイズの話、
別のスレッドに書くんだと思っていました。
変なこと書いてすみませんでした。

ボカロというのは、あの初音ミクとかですか?

番外編、おもしろいです。
これからもがんばってください!!

91:kairi:2012/02/19(日) 20:56 ID:isA

はじめまして。初めての書き込み失礼します。
NONOさんの小説毎回チェックさせていただいています!

カゲロウデイズいいですよね!私も好きですよ〜

いきなりで、失礼しました。

92:NONO ◆eCks:2012/02/20(月) 18:29 ID:406

いえいえ、分かりにくくてすいません><
これからもお願いします。
>annriさん


初めまして。
いつも見ていただきありがとうございます。
コメントいただけて嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。
>kairiさん

93:NONO ◆eCks:2012/02/20(月) 18:30 ID:406

次から本編に戻ります。

94:☆夏蜜柑☆:2012/02/20(月) 19:08 ID:Tag

カゲロウデイズ、面白かったです!!

NONOさん天才ですね^^

本編も、頑張ってください^^

95:まぐねっと magunetto317@gmail.com:2012/02/23(木) 19:13 ID:Z/o

カゲロウデイズってイイ曲ですよねぇ〜〜(*´∀`*)

私も毎日通学時間に聴いてますwww

96:NONO ◆eCks:2012/02/26(日) 15:00 ID:406

お知らせがあります!

実は私、受験生でして…
暫く更新できません。

終わり次第、即更新しますので、それまで少しの間すいません。
ちょくちょく上げといてもらえると嬉しいです。

97:annri:2012/02/26(日) 20:53 ID:d.6

受験、応援しています。
しばらく更新されないのは残念ですが
がんばってください!!

98:yuri:2012/02/27(月) 17:54 ID:cKI

はじめまして!最近初めてこの夢小説読みました!
気に入ったのでこれからも期待しています!
受験がんばってください><
応援してます!!!!

99:まぐねっと:2012/02/27(月) 22:05 ID:Z/o

そうなんですかッッ!

ちょっと残念ですけど受験応援します!

頑張って下さい(´∀`*)

100:リオカ:2012/02/29(水) 20:28 ID:2bE

100番目だ〜。あすみません。
たぶん、はじめましてです。とっても面白い。
受験勉強頑張ってください。

101:NONO ◆eCks:2012/03/04(日) 14:28 ID:406

みなさんありがとうございます。
受験頑張ります。
時間が少し空いたので更新します。

102:NONO ◆eCks:2012/03/04(日) 15:13 ID:406

第四十一話 移り変わる噺


「…夢?」


随分遠い昔の夢を見ていた気がする。
自分がまだ人間だった頃の忌まわしい記憶。


「…悪い夢でもみたの哉?」



隣には柳田が居た。
いつものような涼しげな表情を浮かべ空を仰ぎ見ている。
夜輪は小さく舌打ちをしてから「何で居るのよ」と呟いた。


「…僕に会うのが嫌みたいだね。少し哀しい哉」
「自覚があるならさっさと消えて。目障りだから」
「ついこの間まで想い合っていたようには思えないね、僕たち」


少し寂しげに笑いながら柳田は言った。


「こうなるように仕向けたのはあんたでしょ?」
「言っている意味が分からないね」
「私は好きだった。あなたは私の世界を変えてくれた人だから…」


柳田は驚いた表情を見せた後、「そう…」と言った。


「でも…もう違うんだよね?君の噺の中の『男』はもう僕じゃない」
「…どうだろうね。私、もう…どうしたらいいのか分かんないよ」



夜輪は静かに答えた。
沈黙の時間が続く。
あたりの闇に飲み込まれてしまいそうなほど、暗く静かな時間だった。



「…でも、鏡斎だけは温かいの。私の心を温かいもので満たしてくれる人なんだよ」
「僕じゃ無理だね」
「うん」


夜輪は立ち上がって柳田の方を振り返った。


「じゃあね、さよなら」


もう二度と会うことはないと心のどこかで感じた。
黙って歩き出す。
その後姿を見つめながら柳田は静かに涙を流した。


「僕だって愛していたよ…。さようなら、夜輪」


そこまで言ってから口を閉じ、涙を拭った。
もう二度と彼女には会えない気がした。


「夜輪を頼んだよ、鏡斎…」


呼びかけるように、そう呟いた。

103:NONO ◆eCks:2012/03/05(月) 18:22 ID:406

第四十二話 噂の怪談


とある、ネットカフェ


『ねぇ…夜輪花魁の怪って知ってる?』
『{よわおいらん?}』

次々と書き込まれる情報に少年は目を細めた。
少年の目は休まず文字を追い続ける。


『昔は吉原の花魁だったのに殺されて妖怪になったんだって』
『吉原って?』

『女を買うところさ。やっぱ外道は死んでも外道ってことだな』


少年の指はキーボードに伸びる。
カタカタと素早く書き込んだ。


『で…その夜輪花魁の怪がどうしたの?』


返信をじっと待つ。
すぐに書き込みがあった。
少年の口角があがる。


『夜輪花魁は救世主。この国を救うため「奴良リクオ」殺すもの』


「なあんだ、神に選ばれたのは俺たちじゃん」


少年はそういい立ち上がった。
月明かりが彼の顔を照らす。
浮かび上がったのは白い肌、漆黒の少し長めの髪。
そして瞳は光を失った闇の色だった。


「まぁ、せいぜい妖怪同士で潰しあってもらおうかな」


踵を返した少年の後姿はただ闇を放っているだけだった。

104:NONO ◆Nabc:2012/03/08(木) 17:54 ID:406

すいません。
第四十二話、意味わかんないっすね…

『少年誰やねん!?』

という皆さん、、申し訳ありません。

でも、あの少年ちゃんと意味あります!!
では、また今度^^

105:NONO ◆Nabc:2012/03/08(木) 17:57 ID:406

すいません、トリップ変化しております。

106:☆夏蜜柑☆:2012/03/08(木) 17:58 ID:Tag

お久しぶりです!!
鏡斎落ちになるんですね❤
楽しみですww

107:まーちゃん:2012/03/10(土) 23:54 ID:xQg

お久しぶりです。続きたのしみにしてます。

108:NONO ◆eCks:2012/03/13(火) 11:11 ID:406

みなさん、暫く書けずにすいませんでした。
受験、無事に?終わりました。


やばいです。
ピンチです。


合格したいですねぇ…


ということで、これからはどんどん更新していきますので応援よろしくお願いします。

109:annri:2012/03/13(火) 20:42 ID:9Oc

NONOさん、合格できるといいですね。
更新、楽しみです!!
応援していますのでがんばってください!!

110:NONO ◆eCks:2012/03/22(木) 10:17 ID:406

皆さん!
合格しました!!
これからはどんどん更新します♪

111:☆夏蜜柑☆:2012/03/22(木) 13:33 ID:Tag

おめでとうございます!!!!
&お疲れ様でした!!

更新がんばってください^^

112:annri:2012/03/22(木) 18:32 ID:TkU

おめでとうございます!!
すごいですね。
更新楽しみにしています
がんばってください!

113:NONO ◆eCks:2012/03/23(金) 16:25 ID:406

えっと…
本編での話は飛ばしたいと思います。
だから続きは鏡斎とリクオの戦いの後からですねっ

夜輪のクライマックスを最後までどうぞ読んでください。

114:NONO ◆eCks:2012/03/23(金) 17:24 ID:406

第四十三話 真・夜輪花魁の怪

柳田と別れた後、鏡斎に会うために渋谷へと戻った。
しかし、姿はない。
気配すら感じられなかった。


「鏡斎……、何処…?」


辺りを見わたしてもわからない。
その時、頭上から気配を感じた。
上を見上げると人影が見えた。


「鏡斎!!!」


手を伸ばす。
夜輪の畏れに包まれて鏡斎は地上に降りた。
夜輪の腕の中で鏡斎は薄らと目を開いた。


「夜輪…。ごめん……な…」
「いや…!!死なないで、私を一人にしないでよっ」
「…お前さんの世界、綺麗…だろ? 俺の…畏れは……終わらない」


夜輪は目を大きく見開き、決意したように呟いた。


「………少し、待っててね。鏡斎の…仇は私が討つから」





鏡斎を倒した後、リクオは急いで下へと向かった。
熔けた体も気にせずに外へと飛び出す。
その時だった。

突如、煌びやかな世界に包まれリクオの足は止まる。
氷麗も辺りを警戒して、リクオの傍で構えた。


「あてのお座敷へようこそ」


奥の闇から、色鮮やかな着物が見えた。
女は近づきながら続ける。


「今宵、旦那様がたのお相手をさせていただきんす…殺され花魁『夜輪』でありんす。以後、よしなに」
「夜輪!!」


リクオが驚いた声を上げると、夜輪はリクオを睨みつけた。


「…許さない。奴良組は……あなたは私が殺す」
「させるもんですか!!」


氷麗が前へ出ると夜輪は醒めた目で睨み、こう呟いた。


「…花魁唄 其の一 椿落とし」
「きゃぁぁぁぁ」


夜輪の畏れに氷麗の悲鳴があがる。


「氷麗!!」
「あての畏れは神隠し。あての世界であんた達に勝ち目はない」
「どうしてだ!? お前だって人間じゃなかったのかよ!!」


「人間は醜い!!!あなただって分かってるはずよ!!」


夜輪の大声にリクオはたじろいだ。
夜輪は続ける。


「自分のためだったら平気で人を貶める!!それが人間よ!!!」
「そうじゃねぇ奴だっている。カナや鳥居や巻。てめぇは、楽しそうだったじゃねぇか!!!」


リクオが斬りかかる。
それをかわしながら夜輪は叫んだ。


「あんたに何がわかるのよ!? あんたに私の想いがわかってたまるもんですか!!!」


まわりから無数の刃がリクオを襲う。

「ぐはっ」
「あの夜…私は死んだのよ」


夜輪の声が響いていた。
そしてリクオの意識は300年前へと…

115:NONO ◆eCks:2012/03/23(金) 17:57 ID:406

第四十四話 血染りの夜

「ここは…何処だ?」


見たことのない場所だった。
何処かの部屋であることは分かる。
一歩踏み出そうとすると「うぅ…」という呻き声のようなものが聞こえてきた。


その声を頼りに進むと部屋の中に数人がいるのが見えた。
いや、数名の死体といった方がいいのかもしれない。
その部屋の中央に男が蹲っている。

「おい、あんた…」

リクオは声をかけて気がついた。
こいつは、柳田だ。
耳についている鈴に見覚えがあった。

柳田はリクオには気付かない様子で一人の人間を抱きしめている。


「…うぅ……夜輪。死なないで」


「夜輪!?」

驚いたリクオが大声を出しても柳田は気付かない。
どうやら柳田はリクオの存在を認識していないようだ。


「そうか…噺にしてしまえばいいんだ」


柳田はそう呟き、何処かへと消えた。
取り残されたリクオはポツリと呟いた。

「これは…あんたの記憶なんだな、夜輪」




「死んだかな?」

刃が突き刺さったリクオの姿を見て、夜輪は呟いた。
ため息をつき、氷麗のほうを振り返る。


「…あなたの大将、もう死んだよ。あなたは……どうする?」
「……あなた、馬鹿じゃないの。リクオ様はそんなことで死なないわ」
「へぇ…。随分な自信だね」
「私はリクオ様を信じてるの!!」


その時だった。
夜輪の体に激痛が走った。

「おいおい、勝負の最中に背中向けてんじゃねぇよ」
「リクオ様ァァァ!!!」

リクオの刀が夜輪を貫いていた。


「生きてたんだ…?」
「死んだ覚えねぇよ」


夜輪はリクオの刀を自分から引き抜くとふらふらと振向いた。


「私は負けない…」
「俺も負けるわけにはいかねぇ」


リクオが刀を構えると夜輪も傍にあった刀を拾って構えた。


「一太刀で終わらせる」
「名案だね。私もそう考えてた」


2人の刀がお互いを斬る。
2人とも血飛沫をあげる。


「俺の…勝ちだ」


リクオが呟くと夜輪は膝から崩れ落ちた。


嗚呼、そうか。
私はただ人が怖かったんだ。
人に裏切られるのが怖かったんだ。
そして、裏切られてなお、人を信じたいと思ってしまう自分が怖かったんだ。



「ごめんね、鏡斎…」


仇、とれなかったよ…



夜輪の畏れが解かれる。
倒れると思った夜輪の体は倒れなかった。

116:NONO ◆eCks:2012/03/23(金) 18:27 ID:406

第四十五話 終わる噺

「鏡斎…」


夜輪を支えていたのは鏡斎だった。
虚ろな目でリクオを見ている。
しかし、夜輪を抱く腕には力が入っている。


「俺が…守る。夜輪は俺が…俺が守る。もう一度…」
「鏡斎…」
「もう一度、九相図を…」


リクオが刀を構える。
すると、夜輪は泣き笑いの表情になって鏡斎に囁いた。


「もういいよ。もういいんだよ、鏡斎」
「夜輪…?」
「もう、私のために怪我しないで」


夜輪は鏡斎から離れるとリクオの前に立ちはだかった。


「…私が死ぬから、私が消えるからっ……もう鏡斎には手を出さないで」
「おい…何言って……」

「あなた達にとっては酷い男かもしれない。でも、私にとっては大切な人なの!!」

夜輪の叫びにリクオは刀を納めた。


「ちょっと…リクオ様!?」
「死に掛けの奴に止めなんか刺す必要ねぇよ」


「リクオくん…」
「あんたの言うとおりだよ。人間は醜い。でも、俺はその醜さも救いてぇんだ」


リクオが微笑むと夜輪は涙を零した。



「ごめんなさい…」
「・・・。行くぞ、氷麗」


リクオは踵を返し、去っていった。

117:NONO ◆eCks:2012/03/23(金) 18:56 ID:406

最終話(第四十六話) 永遠の誓い

「夜輪…」

鏡斎が夜輪を抱擁する。
鏡斎の背中に手を回しながら夜輪は微笑んだ。


「もう…離さない」
「私もだよ…」


そのまま倒れこむ。
2人の血が混ざり合って大量の血が溢れ出す。

「…もう死んじまうな」
「でも…死ぬ時は一緒だよ」

2人で笑い合う。
薄れゆく意識の中で鏡斎が言った。


「最後に…わがままとか言っても…いいかい?」
「…いいよ」


唇に柔らかいものが触れる。

「愛してる。死んでも…永遠に」

鏡斎の声が聞こえる。


「私も…愛してるよ……鏡斎」


そうして2人は同時に目を閉じた。


この噺は哀しい花魁の物語。
花魁の300年の時をかけた物語。

118:☆夏蜜柑☆:2012/03/24(土) 15:37 ID:Tag

最終話、すごく感動しました!!!
夜輪、最後死んでしまったけど、
とても幸せそうですね^^
お疲れ様でした^^

119:yuri:2012/03/24(土) 17:58 ID:cKI

お疲れ様です!感動させていただきました!
これからも何か小説書くのですか?
楽しみにしてます♫

120:NONO ◆eCks:2012/03/25(日) 00:47 ID:406

ありがとうございます!!

次回作は第四十二話で出てきた少年が主人公となると思います。
初の男の子が主人公の小説です><

題名は

『ぬらりひょんの孫夢小説【黒の陰陽師】』です。

ちょっとベタですかね…((汗

121:☆夏蜜柑☆:2012/03/25(日) 10:05 ID:Tag

新しい小説書くんですね!!!
楽しみです^^
これからもがんばってください!!!

122:あしゅりー ◆SJiw:2012/03/25(日) 13:26 ID:Rc6

久しぶりに来てみたら未だ更新されている様子。
何だ何だと読んでみたら再びどっぷりはまってしまいましたww

NONOさんの世界観に圧倒されました!!
これは本当にプロ志向でもおかしくないです!

ありがとうございました!
次回作も楽しみにしています!

123:annri:2012/03/26(月) 18:14 ID:YC.

夜輪、なんだかかわいそうだけど、幸せでもある最後でしたね。
感動してしまいました!
次の作品がとても楽しみです!!
がんばってください!!


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