ーKAGEROU PROJECTー

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1:大工 ◆AUoo:2012/07/22(日) 19:31

ここは小さな孤児院、「目隠し院」。
数人の小さな子供達が住む和やかな場所だ。

表向きでは孤児院ということになっているが、
本来は能力者の救済活動を行う、
『メカクシ団』なる組織のアジトとしての役割がある。

今日も10人のメカクシ団員は救済活動を行っていた______。

2:大工 ◆AUoo:2012/07/23(月) 15:57

8月10日午後3時ーヒビヤ

蝉の音が近くなったり遠くなったりしている夏の午後3時。
猛暑の中、茶髪の少年がだらだら歩いていた。



「暑ぃ〜〜〜.....」

俺はたまらず近所のスーパーに逃げ込んだ。
突如、冷涼な空気に包みこまれ、至福の時間が流れる。

「ヒビヤ? 何してんのよ。」

幸せな一時を過ごしていた俺に、不意に誰かが声を掛けた。
顔を上げてよく見てみると、幼なじみのヒヨリだった。

俺はふてくされた顔で言った。

「涼んでるだけ。お前こそ何してんだよ、こんなオバチャンスーパーで。」

しかし、ヒヨリは質問に答えず苦笑した。

.........大方、俺と同じ理由だろう。

俺は無意識に外を見る。
漂う陽炎と、あの公園があの出来事を蒸し返すように佇んでいた。

まぁ、そんな嫌な思い出は忘れて.....っと。

「暑さがあっては戦は出来ない(?)からな。俺はアイスを買うぞ。」

俺はニヤニヤしながら財布をヒヨリの目の前でちらつかせる。
しかし、逆効果だったようで、ヒヨリは「奢って〜」と嘆願してきた。

しまった......と思いながらも、公園でヒヨリと話したいという思いもあったので、
しぶしぶ自分と同じ、棒のアイスを奢ってやった。

公園のブランコでアイスをかじりながらヒヨリが呟いた。

「そういえば、最近メカクシ団のアジトに行ってないね。」

3:大工 ◆AUoo:2012/07/25(水) 12:23

8月10日午後4時ーヒヨリ

私とヒビヤは薄暗い森の中を歩いていた。

私が「最近行ってないね」と言ったら、じゃあ行くか。」とヒビヤは私の手を引っ張って行ったからだ。
ヒビヤは少し単純すぎるんだよね.........
と思いながらもメカクシ団の皆とはとても会いたかった。

1年前、『陽炎』に私たちが襲われた時、助けて貰ったことを本当に感謝してるし、
自分に出来ることがあったら命を張ってでも恩返ししたい。



家から総計3時間、メカクシ団のアジトにたどり着いた。
森の木々に囲まれている迷彩色の建物であるアジトは、
『そこにある』と始めから認識していないと分からないくらいカモフラージュされていた。

お腹すいた........

私は今にも鳴り出しそうな腹を押さえてチャイムを鳴らす。
すると、インターホンからおどおどした少女の声が聞こえた。

『あ......あのっ!....あ、あ、合言葉を!!!』
「メカクシコード」

私が言おうとしたが、意外にもヒビヤがサラっと言った。
インターホンの声が今度は喜んだ様子で言った。

『あ!!ヒビヤ君とヒヨリさんですか? 今行きますねっ!!』

中からドタドタと走ってくる音が聞こえたが、その次に「バタン!!」と転んだ音がした。
さすがにヒビヤも苦笑して「相変わらずのドジっ子だな」と呟いた。

そして、扉が開いた____。

4:大工 ◆AUoo:2012/07/26(木) 10:20

8月10日午後7時ーマリー

日が沈み終わった頃。
私は転んでジンジン痛む鼻を押さえて扉を開けた。

「マリーちゃん、久し振り♪」
「よっ!」

そこにいたのはヒビヤ君とヒヨリちゃんだった。
2人は夏休みの宿題で忙しかったらしい。......宿題ってなんだろ?
私は笑顔で2人を招き入れる。

「来てくれてありがとうございますっ!! 中へどうぞ」

「お邪魔しまーす」と2人が入ってきた。
すると、孤児の子供達がバタバタと駆け寄ってきた。
そして、1人の男の子が言った。

「あ〜〜っ!!ヒビヤとゴリラだ!!」
「誰がゴリラだぁぁぁぁっ!!」

ヒヨリがその子供を追いかける。ヒビヤは苦笑して見守っていた。
「おままごとの続きしようよ〜」と4人の女の子が私の服を掴んで言う。

私はその子達の頭を撫でて、「ご飯を食べてからね。」と微笑む。

「マリー、どうしたの?もうご飯は出来てるよ。」

緑色のパーカーがトレードマークのセトさんが廊下を歩いてきた。

「セトさん!!」

子供をくすぐり倒しているヒヨリと、ヒビヤの声が重なった。
しかし、セトさんは「2人も早く来なよ」と2人を見ても驚かなかった。
セトさんの『動物と会話できる』能力によって既に知っていたのだろうか。

やっぱりセトさんは凄いなぁ.......

私は憧れの目でセトさんを見つめた。

5:大工 ◆AUoo:2012/07/26(木) 13:34

8月10日午後7時20分ーセト

久しぶりにヒビヤ君達が来た。僕は鳥に教えてもらって知っていたが。
せっかくなのに、今日は僕とキドとマリーしかいない。
他の皆は、任務や事情で忙しいらしいのだ。

僕達が食堂に入ると、iPod柄のパーカーを着たキドに子供達が飛び付いていた。

「わっ!?ちょ......止めろ!」
「アハハハハハ」

横からヒヨリが「意外に人気ですねぇ......キドさん。」としんみりと呟いた。
キドがこっちに気付き、子供達をくっ付けたままズンズン歩いてきた。
マリーが子供達を引き剥がそうと必死だった。キドが構わず言う。

「ヒビヤとヒヨリ、申し訳ないが明日、任務をやってくれないか?」
「良いけど、何をするんですか?」

ヒビヤが尋ねるたので、僕が代わりに答える。

「ハワイに行くんだよ。」
『ハワイ!!!?』

またしてもヒビヤとヒビヤの声が重なる。
.........気が合うなぁ、この2人は。
キドが詳しく付け足した。

「ハワイにある『マウナロア』という火山に、怪しい輩が住み着いているようだ。
それがどうやら能力者の違法売買をしてる組織らしくてな。その調査を頼む。」

マリーが「私も行くんですよ」とヒビヤに伝えていた。
そっちのけでヒヨリがドンと胸を叩く。

「そんなの余裕ですよ。まかしといてください団長!!」
「おお、頼もしいな。明日は早朝だから個々で泊まっていけ。」

キドがそう言うと、ヒビヤが「やった!」と喜ぶ。

........親に怒られでもしたのだろうか。

マリーが「ご飯食べませんか?」とお腹を押さえながら言う。
その仕草が可愛くて、僕は少し顔が赤くなるのを感じた。
今日のご飯は、マリーお手製のクリームシチュー。
美味しいシチューを食べながらマリーの横顔を見て、

「家庭的だなぁ......」

と呟いた。


しかし、今夜は少人数なのにも関わらず、賑やかだったなぁ_____。

6:大工 ◆AUoo:2012/07/30(月) 22:05

8月11日午前4時ーヒビヤ

「ねぇ.....ヒビヤ.....?」
「うーん......」
「早く起きて」
「.........」
「起きなさい!!」

誰かが叫んで、俺は目を開けた。
すると、真上にヒヨリがかがみこんでいた。
ヒヨリと目が合い、少し沈黙が流れ、

「近いっ!!」

とヒヨリが急に俺を脇に突き飛ばした。
少しだけ顔を赤らめている。

........近づいてきたのはヒヨリじゃないか

俺は「理不尽だ」と言う気力もないくらい睡魔と戦っていた。
なんでこんな時間に起きなきゃいけないんだよ......まったく。

「ハワイ行きの便に遅れるぞ、早くしろよ。」

遠くでキドの声がしてハッと気づく。

「今日はハワイに行くんだった!!」

俺は立ち上がる。ヒヨリは呆れ果てた表情だ。
ガイドブックを片手に別室からマリーが言った。

「2人の荷物は私たちでまとめてますよ〜。外の車に乗ってね。」
「マリーちゃん、センキュー。」

俺があたふたして準備していると、セトが通りかかった。
ヒヨリがセトから何かを受け取っていたが、そんな事気にしている場合ではない。

俺はかろうじて最低限の準備を済ませると、
外に止まっている黒い車に乗り込んだ。

後部座席にはマリーとヒヨリが座っていて、お喋りをしている。
助手席にはキド。運転席には見知らぬオッサンが座っていた。
ヒビヤはキドにこそこそと「この人誰?」と訊く。

「セトのお父さんだ。空港まで送って貰う。」
「あぁ〜。」

俺は納得して、おじさんに「お願いします」と言った。
おじさんは「仕事ついでだから気にすんな。それより全員乗ったな?」と確認すると、
車をゆっくりと発進させた。

7:訂正m(_ _)m:2012/07/30(月) 22:08

>>5

×またしてもヒビヤとヒビヤの声が重なる
○またしてもヒビヤとヒヨリの声が重なる


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