悪ノ娘〜金のヘルエンジェル〜

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1:Яui:2013/06/06(木) 20:17 ID:wcI

悪ノ娘という小説は知っていますか?
もともとはボカロの楽曲だったのですけど…
知らなくっても大丈夫ですよ

ここでは“悪ノ娘〜黄のクロアテュール〜”をモデルとしたオリジナル小説を書かせていただきますので
どう違うかというと…読んでくださいww

あと
感想とかアドバイスとか書いていただけるとうれしいです

それじゃ
START!!

2:Яui:2013/06/06(木) 20:33 ID:wcI

序章

むかしむかしのおはなしです
あるところに おうこくがありました
そのくにのじょうおうさまは まだこどもでした
じょうおうさまは じょうおうさまになりたくありませんでした
そのくにのひとたちも こどもがじょうおうさまになることがいやでした
やがて そのじょうおうさまは 
「ヘルエンジェル〜地獄に落ちた天使〜」とよばれるようになりました

こどもがじょうおうさまなので そのくにはめちゃくちゃになりました

そのとき あかいよろいをまとったおんなけんしがあらわれ 「ヘルエンジェル」にたたかいをいどんだのです
はげしいたたかいのすえ ついにおんなけんしは「ヘルエンジェル」をつかまえました

「ヘルエンジェル」はひとびとのまえで しょけいされることになりました
ひとびとは みなよろこびました

だけどだれよりもよろこんでいたのは しょけいだいにいた「ヘルエンジェル」でした
かのじょはさいごにこういいました

「オシアワセニ」

きょうかいのかねがさんかいなったとき
「ヘルエンジェル」はくびをきられました
こうしてそのくにはへいわになりました

めでたし めでたし

3:Яui:2013/06/06(木) 20:43 ID:wcI

第一章 子供ノ女王様

大臣は嘆く。
ああ、女王はいつになったら大人になってくれるのだろう。

民衆は嘆く。
ああ、私はいつまで、この女王の国にいなければならないのだろう。

女王は嘆く。
ああ、私はいつまでこの国の女王でいなければならないのだろう。

笑うのは、ある人物のみ。
満足げな顔で、王国を眺める。

今日もまた、王国を眺める人影が。

「ふふふ」

4:Яui:2013/06/06(木) 21:08 ID:wcI

♦アレクシル 〜ルシフェニア王宮内「アレクシルの部屋」にて〜

「あっ、もうおやつの時間だ」
三回鳴る鐘の音、それを聞いた時、僕が口にしたのはその言葉だった。
レヴィン大教会の巨大な鐘の音は、遠く離れたこの王宮まで届く。
僕は、ユリンお姉さまの部屋に向かった。
おやつはユリンお姉さまの部屋で、僕とリリアンヌとユリンお姉さまの3人で食べる。
部屋に着いたら、ユリンお姉さまとリリアンヌが待っているだろう。
リリアンヌはおやつが大好きで、鐘がなる前にユリンお姉さまの部屋に行くのだから。
部屋に行く途中、「天国庭園(ヘブンリーヤード)」が見える。
そういえば、今日はユリンお姉さまの14歳の誕生日で、舞踏会が開かれるんだっけ。使用人たちが天国庭園を掃除しているし。
でも、この庭園の広さは尋常じゃないし、使用人たちは6人で作業しているから、間に合わなさそうだな。
手伝ってあげたいけど、僕が「手伝います」なんて言ったら、「アレクシル王子に手伝っていただくなんて、とんでもありません!」って追い返されるだけだ。
そんなことを考えている間にユリンお姉さまの部屋に着いた。
ドアを開けると、リリアンヌ1人だけだった。

5:Яui:2013/06/06(木) 21:14 ID:wcI

「リリアンヌ、ユリンお姉さまは?」
僕はリリアンヌに聞いた。
なぜなら、おやつの時間にユリンお姉さまが部屋にいらっしゃらないなんて、1度もなかったからだ。
「知らない。私が来た時には誰もいなかったよ」
僕はだんだん青ざめていった。
「大丈夫?アレクシル」
その時、使用人のネイが、おやつを持って入ってきた。
「失礼いたします。本日のおやつは…」
ネイが言いかけたとき、僕は大あわてで言った。
「たいへんだよ。ユリンお姉さまがいない!!」
「なんですって!?」
ネイは驚きのあまり、持っていたおやつを落としそうになった。

6:Яui:2013/06/06(木) 21:30 ID:wcI

♪シャルテット 〜ルシフェニア王宮内「天国庭園(ヘブンリーヤード)」にて〜

「もうおやつの時間ッスか?」
レヴィン大教会の鐘の音を聞いて、私がつい口にしてしまったのはそんな言葉だったッス。
昼過ぎからこの庭園の掃除を始めたのに、いまだに終わる気配はしないッス。
何しろ広さは尋常じゃ無いッスからね。6人くらいの使用人で行うこと自体おかしいッス。
でも、大半の使用人たちは舞踏会の準備をしてるッスから、これ以上の人数を割り当ててもらえそうにもないいッスね。
私は、ほかの使用人に話しかけた。

7:桜みく:2013/08/01(木) 09:00 ID:Ztw

 これいいネ!

8:林檎:2013/08/03(土) 09:10 ID:Ygw

悪ノ娘の本、親友に今貸して貰ってるんですけど、
似てるんですよね。

♪○○○○○○〜○○○○「○○○○○」にて〜

も実際あるし、

ルシェファ王国もあの本に存在します。
シャルテットの「ッス」と言う口癖も。

登場人物を見ると、
リリアンヌ
ネイ
シャルテット

この三人は本に出ています。

序章を見ると、似た所が所々にあります。


どうせ最後は、リリアンヌが処刑をくだされて、
召使がリリアンヌの姿になり、
召使がリリアンヌとして首を切られるのでしょう?

9:Яui:2013/08/27(火) 20:09 ID:pI.

いいえ
リリアンヌもアレンも処刑されません
完全オリジナルです

10:レミ:2013/08/29(木) 20:41 ID:lDI

がんばっ☆

11:秋:2013/08/29(木) 21:34 ID:lNw

何故パクリ的な事を言うの?
いいやん。これはこれで私は読みたい。
そう言うのは荒しに入るからよそうよ。

頑張って!
面白いからPCのお気に入りにいれました。

12:Яui:2013/09/10(火) 21:43 ID:InI

みなさんありがとうございます

えーっと
いろいろと手違いが発生したのでもう一度初めからと言うことで
本当にごめんなさい
話自体はほとんど変わりませんから
これからもよろしくお願いします

13:Яui& ◆IK9U:2013/09/13(金) 22:20 ID:8Y2

父がいるときは
PCが30分しか使えないので
今日は書けそうにないです(泣)
ごめんなさい

明日ならかけるかもです

14:Яui& ◆IK9U:2013/09/14(土) 11:18 ID:ryE

序章

むかしむかしあるところに とてもわがままなおうじょさまがいました
おうじょさまはおかねをいっぱいつかって あそんでばかりいました
そしてさからうひとたちを つぎつぎところしてしまいました
あまりのひどさに おうじょさまは
「あくのむすめ」とよばれるようになりました

ひとびとは おかねもたべものもなくなり とてもこまってしまいました

そのとき あかいよろいをまとったおんなけんしがあらわれ「あくのむすめ」にたたかいをいどんだのです
はげしいたたかいのすえ ついにおんなけんしは「あくのむすめ」をつかまえました

「あくのむすめ」はひとびとのまえで しょけいされることになりました
ひとびとは みなよろこびました

だけどだれよりもわらっていたのは しょけいだいにいた「あくのむすめ」でした かのじょはさいごにこういいました

「あら おやつのじかんだわ」

きょうかいのかねがさんかいなったとき
「あくのむすめ」はくびをきられました
こうして へいわがもどりました

めでたし めでたし

 ―フリージス童話「あくのむすめ」より―

15:Яui& ◆IK9U:2013/09/14(土) 11:29 ID:ryE

第一章 一節 ―十四歳ノ誕生日―

大臣は嘆く。
ああ、私はいつまで、この秘密を隠さなければならないのだろう?

民衆は嘆く。
ああ、私はいつまで、この女王の国にいなければならないのだろう?

女王は嘆く。
ああ、私はいつまでこの国の女王でいなければならないのだろう?

アレクシル 〜ルシフェニア王宮内「アレクシルの部屋」にて〜

「あっ、もうおやつの時間だ」
三回鳴る鐘の音、それを聞いた時、僕が口にしたのはその言葉だった。
レヴィン大教会の巨大な鐘の音は、遠く離れたこの王宮まで届く。
僕は、ユリンお姉さまの部屋に向かった。
おやつはユリンお姉さまの部屋で、僕とリリアンヌとユリンお姉さまの3人で食べる。
部屋に着いたら、ユリンお姉さまとリリアンヌが待っているだろう。
リリアンヌはおやつが大好きで、鐘がなる前にユリンお姉さまの部屋に行くのだから。
部屋に行く途中、「天国庭園(ヘブンリーヤード)」が見える。
そういえば、今日はユリンお姉さまの14歳の誕生日で、舞踏会が開かれるんだっけ。使用人たちが天国庭園を掃除しているし。
でも、この庭園の広さは尋常じゃないし、使用人たちは6人で作業しているから、間に合わなさそうだな。
手伝ってあげたいけど、僕が「手伝います」なんて言ったら、「アレクシル王子に手伝っていただくなんて、とんでもありません!」って追い返されるだけだ。
そんなことを考えている間にユリンお姉さまの部屋に着いた。
ドアを開けると、リリアンヌ1人だけだった。

16:Яui& ◆IK9U:2013/09/14(土) 11:31 ID:ryE

アレクシル 〜ルシフェニア王宮内「ユリティランの部屋」にて〜

「リリアンヌ、ユリンお姉さまは?」
僕はリリアンヌに聞いた。
なぜなら、おやつの時間にユリンお姉さまが部屋にいらっしゃらないなんて、1度もなかったからだ。
「知らない。私が来た時には誰もいなかったよ」
僕はだんだん青ざめていった。
「大丈夫?アレクシル」
その時、使用人のネイが、おやつを持って入ってきた。
「失礼いたします。本日のおやつは…」
ネイが言いかけたとき、僕は大あわてで言った。
「たいへんだよ。ユリンお姉さまがいない!!」
「なんですって!?」
ネイは驚きのあまり、持っていたおやつを落としそうになった。

17:Яui& ◆IK9U:2013/09/15(日) 12:58 ID:Ro2

>>14の序章はちょっと間違いがありました

「おうじょさま」の部分は原作と違って
「じょうおうさま」です

18:Яui& ◆IK9U:2013/09/15(日) 13:02 ID:Ro2

シャルテット 〜ルシフェニア王宮内「天国庭園(ヘブンリーヤード)」にて〜

「もうおやつの時間ッスか?」
レヴィン大教会の鐘の音を聞いて、私がつい口にしてしまったのはそんな言葉だったッス。
昼過ぎからこの庭園の掃除を始めたのに、いまだに終わる気配はしないッス。
何しろ広さは尋常じゃ無いッスからね。6人くらいの使用人で行うこと自体おかしいッス。
でも、大半の使用人たちは舞踏会の準備をしてるッスから、これ以上の人数を割り当ててもらえそうにもないッスね。
私は、ほかの使用人に話しかけた。
「あ〜!疲れたッス!疲労困憊ッス!ねえ、もう後は適当にそこらへんを掃き掃除して終わりじゃ駄目ッスか?」
「そういうわけにもいかないだろ。まだ大噴水の周りなんか手つかずだし。 今日は他国の王族も来るからピカピカにしとけってマリアム様にも言われただろ?」
「そんなもん、多少汚れていてもばれないッスよ。舞踏会は夜にやるんだし」
「…でもね、今日はユリティラン様の御誕生日をお祝いしてもことだぞ。マリアム様は、いつもよりピリピリしていたし、もしばれたら大変だぞ」
私は無言で掃除を再開した。それにつけても、そもそも私は女王付きの使用人であり、庭園の掃除はほかの使用人に任せればいいッス。
しかし、なぜ私が参加しているかというと、原因は私にあるッス。
私が食事の準備や、着替えの手伝いなどをしようものなら、持ち前の馬鹿力で食器は破壊するわ、衣装はビリビリに引き裂くわで散々ッス。
よくクビにならないものだと私でも思うけど、力仕事に関していえば男以上に得意だし、何より私がどんなものを壊しても女王ユリティランが許してくれるッス。
実際、女王付きの使用人と言うのは“どんな王宮のの仕事よりも楽”、といっても過言ではないッス。
もし女王の宝石などを壊してしまっても、悲しげなそぶりを少しも見せずに微笑んで許していただけるッス。
私も先月にはダイヤモンドのついた指輪を壊してしまったが、ユリティラン様は怒りもせずに許していただいたッス。
「よ〜う、頑張ってるかい?ガキんちょども」
庭園に突如響いた大きな声。
元をたどると、正門から赤い鎧に身を包んだ精悍な男が、笑みを浮かべて私のもとへ向かってきていたッス。
「女王付きっていうのも大変そうだな、シャルテット」
「親衛隊長の職務ほどではないッスよ。レオンさん」
「ははは、まあな」
レオンハルトが頭をかく。
その気の向けた様子を見ていると、彼がかつて『三英雄』と呼ばれた勇者の一人だとは信じられなくなるッス。
「お前がここに仕え始めて、もう一年ちょっとか。どうだい?元気でやっているか?」
「まあ、ぼちぼちッスよ。レオンさんも…ジェルメイヌも元気ッスか?」
「ジェルメイヌか…あいつは元気すぎて困ってるくらいだよ。昨日も街のゴロツキと乱闘騒ぎを起こしてな…」
「でも、ジェルメイヌが勝ったんッスよね?」
「勝ったどころか、かすり傷一つ負っちゃいなかったよ…。あいつももう少し女らしくというか…あれじゃ嫁の貰い手もねえぞ」

19:Яui& ◆IK9U:2013/09/15(日) 13:02 ID:Ro2

「で、今日は何しに来たんスか?」
「何って…、舞踏会の警備に決まってるだろ。親衛隊長としての職務を全うしに来たというわけだ」
「なんだ〜、また貯蔵庫の酒を漁りにでも来たかと思ったッス」
「そんなことやったことねえよ!第一、ここ最近は酒を断っている」
「ほえ?あの酒好きのレオンさんが禁酒ッスか?何でまた?」
レオンハルトが酒を断っているという事実に私は驚いたッス。
彼の養女であり私の幼なじみのジェルメイヌの家でのお泊り会を思い出すッス。
知っている限り、レオンハルトとジェルメイヌが酒を飲まなかった日など一日としてなかったからッス。
「…折からの不作による食糧不足がいよいよ深刻でな。民はみんな飢えに苦しんでいる。王族の親衛隊長があまり贅沢をするわけにもいくまい」
「…その言葉、みんなに聞かせてやりたいッス」
私の声は先ほどまでとは違い、暗く沈んでいたッス。
「最近、ユリティラン様のご機嫌が悪いのは、その所為ッスか?」
私が訊ねるとレオンハルトは肩をすくめた。
「まあな。食糧不足とはいっても王宮にはまだ貯えが結構ある。それを民に分けてやれればいいんだが…ミニス殿たちも、中々首を縦に振ってくれなくてな」
レオンハルトとユリティランの話し合いは今日に始まったことではないッス。ずぼらでいい加減で酒好きだが、自分の職務と民への献身に関しては真面目なレオンハルトが、何かにつけてユリティランや大臣たちと会議を開く光景は、王宮ではよく見られるッス。
「ユリティラン様ももうじゅうろ―今日で十四歳になられるのだから、大臣たちをどうにかしてくれないと」
レオンハルトが言いたいことは何となく理解できる。女王の目は民衆へ向けられているのだが、近臣たち、特に親の七光だけで出世した宰相ミニスの無能さゆえなかなか女王の声が民衆に届かないみたいッス。
「さて…ところでだ」
居住まいを正すと、レオンハルトが話題を変えてきた。
「ここに来る前に馬小屋に寄ったんだが…今ユリティラン様はお出かけ中なのか?」
「そんなはずは…ないと思うッスけど。まさか誕生パーティーが行われる日に王宮を出ることなど…」
嫌な予感がしたッス。
レオンハルトがいぶかしげな顔で言う。
「そうか…だがな、馬小屋にいなかったぞ。ジョセフィーヌ」
ジョセフィーヌというのはユリティランお気に入りの馬の名前ッス。
「まさか、盗まれたとか?」
私の問いにレオンハルトが答える。
「ありえないな。今日は警備も一段と厳しくなっている。そう簡単に王宮への侵入など…」
「侵入者への警戒を強くしている分…脱走者に十分な注意を払えていない、なんてことは?」
レオンハルトの顔色が変わる。
「おいおい、まさか…」
その時、王宮から叫び声が聞こえた。あれは…ネイの声ッス!
ネイも私と同じように、女王付きの使用人の一人ッス。
仕事なら私よりよっぽどそつなくこなすし、ユリティランの私物を壊すこともないッス。
さすがは侍女長の愛娘、といったところだろうか。
でも、なんだかいつもと様子が違うッス。
「ユリティラン様〜!どこに行かれたのですか!ユリティラン様〜!」
私とレオンハルトは顔を見合わせると、声の聞こえる方へ急ぐ。
王宮に入り、鏡の間に出たところで声の主を見つけたッス。
ユリティランの二つ下の双子の姉弟、リリアンヌとアレクシルも一緒ッス。
私はあわてて話しかけるッス。
「ネイ!ユリティラン様がどうかしたッスか!?」
ネイが半分泣きそうな顔で答える。
「シャルテット…どうしよう…。ユリティラン様、いなくなっちゃった」

20:りるる:2013/09/15(日) 22:28 ID:6/c

おもしろいですね〜!!
読者にならせていただきま〜す。(^^)

これからも頑張ってください。
応援してます☆
         byりるる←(カッコつけみた(笑))

21:杏音 モエ:2013/09/17(火) 20:53 ID:lsk

私、この本持っています!
ほぼ似ていますね・・・
もうちょっと中身を書いてみては?

22:杏音 モエ:2013/09/17(火) 20:57 ID:lsk

↑のレス気にしないで!
オリジナルだモンね!
ごめんなさい・・・
アドバイスなんですが・・・

23:Яui& ◆IK9U:2013/09/22(日) 00:57 ID:v3Q

>>20
ありがとうございます!
がんばりますね☆

>>21>>22
いえいえ
そんなっ!
アドバイスありがとうございます
確かにすごい似てますよね
でも後半では全く違う物語になる(予定)なので!
最後まで読んでいただけるとうれしいです

24:Яui& ◆IK9U:2013/09/22(日) 02:24 ID:ZEU

アレクシル 〜ルシフェニア王国「迷いの森」にて〜

ここルシフェニア王国、通称「黄ノ国」の北方には、広大な森が広がっている。
「迷いの森」とも呼ばれる、木々の生い茂ったこの森に道らしい道はなく、地元の木こりでもない限り、不用意に入ることは自殺行為だ。
「迷いの森」は隣国エルフェゴートの「千年樹の森」に続いており、そこを抜ければエルフェゴートの首都アケイドまで遠くない。
しかし、実際にルシフェニアからエルフェゴートに向かう場合、ほとんどが、大きく東へ迂回して街道を通る。
わざわざ「迷いの森」を抜けるような者は、よほど急いでいるか、ただのもの知らずかのどちらかだ。
元々はエヴィリオス地方に混在する小国の一つに過ぎなかったルシフェニアを、軍拡政策によって一代にして現在のような大国に成長させたのが初代国王、アルスだ。
彼が軍事的に脆弱なエルフェゴートを攻めなかったのも、この森が邪魔で大規模な軍事侵攻ができなかったため、らしい。
そんな森の中を、もう日が暮れようというこの時間に、王族の親衛隊、及び使用人たち、さらに王族の僕たちまでもの集団が女王捜索のために徘徊している。
何故女王がこの森に入ったことがわかったのかというと、何のことはない、馬小屋から続くジョセフィーヌの蹄の跡が、この森に続いていたからだ。
もっとも、地面に残る幾多の足跡の中からジョセフィーヌの足跡だけを見分け、追跡するなんて芸当ができるのはレオンハルトぐらいのものだが。
親衛隊の隊員はとにかく必死だ。無理もない。女王の身を守るはずの彼らがユリティランの行方を失うばかりか、彼女が向かったのが「迷いの森」だというのだから。
もしユリンお姉さまの身に何かあれば、どうなることか知れたことではないからだ。
暗がりの中、副隊長が新入りらしき兵に怒号を浴びせている。
「何故、ユリティラン様が外に出るのを止めなかったのだ!」
「しかし…あのユリティラン様のことですよ?そんな失踪するなんて思わないじゃないですか」
「ならばせめて、行き先を聞くなり、護衛として同行するなりしようとは思わんかったのか!バカモノ!」
今にも泣き出しそう、というか既に半泣きの新入りをこれ以上責めても仕方ないだろうに。
多少同情したが、こちらもそれどころではない。
もっとも可哀想なのはネイの方である。
衣服に泥が跳ねて汚れるのも気に留めず走り回っている。
彼女がユリンお姉さまの部屋を訪れた時、部屋の主の姿はそこにはなく、最初はまた散歩にでも行ってらっしゃるのかしら?ぐらいにしか思っていなかったらしい。
しかし、何度部屋に訪れても姿はなく、王宮のどの部屋にも姿が見えなかった時には顔面蒼白になったそうだ。
シャルテットは捜索に参加していない。彼女が森へ入ることを断固、拒んだからだ。
どうやらシャルテットは使用人になる前の幼い頃、この森で迷子になった挙句、当時ここを根城にしていた盗賊団に拉致されたことがあったらしい。
その時は、何とか救い出されたそうだけど、彼女はそれがトラウマになっているらしい。
「あまり離れないでください。迷いますぞ」
隣を歩いていたレオンハルトが僕とリリアンヌに声をかける。
「大丈夫よ。この森には前にも来たことがあるし」
「…そうでしたな」
レオンハルトの言葉にリリアンヌが答えた。
そう、僕とリリアンヌはこの森に来たことがあった。
幼い頃、王宮を抜けだして、この先の海岸でユリンと出会って…
「レオンハルト殿。少し離れます」
「それなら護衛をつかせましょう」
「いえ…」
僕は軽く首をふった。
「…何か、心当たりがあるのですな」
僕は言葉に詰まり、ほんの少し下を向いた。
だがレオンハルトは何も聞かず、
「もう一度言いますが、迷わないでくださいよ」
と言った。
その言葉を背に、僕とリリアンヌは走り出した。
もしかしたら、ユリンはまたあそこで…。
だとしたら急がないと!

25:Яui& ◆IK9U:2013/09/22(日) 02:25 ID:ZEU

結構難しい字もたくさんありますので
読めない字があったら教えてくださいね

26:禁書目録& ◆IK9U:2013/10/12(土) 19:34 ID:Gno

アレクシル 〜ルシフェニア王国「名もなき海岸」にて〜

森を抜けた先にある海岸。
少し西に行けば小さな港町があり、そこにはエルフェゴートの大商人・キール=フリージスの寄付によって建てられた修道院もある。
だが今回の目的はそこではない。
港へ向かって歩いていると、小柄な馬と、少女の人影が見えた。
少女は砂浜から一歩、また一歩と歩いていき、足に波が押し寄せて来て宝石のちりばめられたハイヒールがぬれても気にしなかった。
そうしているうちに腰まで海に沈んでいったが、少女はぼうっと歩き続ける。
きれいなドレスが台無しだ、などと考える余裕はない。
リリアンヌは思わず少女に向かってさけんだ。
「ユリンお姉さまっ」
すると、ユリンお姉さまは一瞬ビクリと身体を震わせ、そしてこちらをゆっくりと向いて言った。
「リリアンヌ様、アレクシル様…」
ユリティラン=ルシフェン=ドートゥリシュ。今日で十四歳の誕生日を迎えるこの娘が、ルシフェニア王国の限現統治者だ。
「また、あなたたちに見つかってしまったようですね」
僕とリリアンヌはユリンお姉さまのところへ駆け寄った。とはいっても、身体が海水にぬれない所までだが。
「レオンハルト殿が心配しておられましたよ」
ユリンお姉さまはぐっしょり濡れたドレスを少し持ち上げて、砂浜に引き返してきた。
「ああユリンお姉さま、どうしてこんなことを…」
リリアンヌがユリンお姉さまの前で慌てふためいている。
するとユリンお姉さまは急に声を荒げて
「お姉さまだなんて呼ばないで!」
と言って、あわてて口に手を当てて僕たちの前にひざまずいた。
「無礼な振る舞い失礼いたしました、リリアンヌ様、アレクシル様。ですがわたくしは、あなた方の『お姉さま』ではないのです」
「ユリンお姉さま、それは言ってはいけないことです」
「おやめくださいアレクシル様!わたくしが何をしようとしていたかお判りでしょう?わたくしはもう、嫌なのです。わたくしはお二人よりも遥かに身分が低い。それなのにこんなドレスを着て、宝石をつけ、国を統治するなんていけないのです!しかも今日は舞踏会まで開かれるのですよ?誕生日でもないのに誕生パーティーの舞踏会を開かれ、わたくしより遥かに身分の高い各国の王族にひざまずかれるなんて嫌です!第一わたくしはじゅうろ…」
「ユリン!」
僕は叫んだ。
するとユリンお姉さま―ユリンはビクリとして言葉を止めた。
下を向いているが、確かにユリンは歯をかみしめて、泣いていた。
「帰ろう」
リリアンヌがユリンに手を差し出した。
ユリンは黙ってそれにつかまり、静かに立ち上がった。
ぬれていたドレスは、ひざまずいた所為で砂だらけになっていた。
「もう日が暮れます。帰りは、森を通らず、港町の方を通って行きましょう。森を通るよりも早いですし」
僕が言うと、ユリンは少しおびえた様子を見せた。
「港町では、人に見つかってしまうのでは?」
「大丈夫です。こんな時間だと、人はもう家の中に入っているでしょう」
「そう。それならよかった」
ユリンは真っ赤になった目を細めて微笑んだ。
「リリアンヌ、アレクシル、ジョセフィーヌにはあなたたちが乗って」
「えっ」
「私は乗馬があまりうまくないの。だから」
「それならっ」
リリアンヌがジョセフィーヌに跳び乗った。
「僕はユリンお姉さまと一緒に歩きます」
この分なら、舞踏会には何とか間に合いそうだ。
僕とユリンお姉さまは、リリアンヌの乗った馬を引いた。

ユリティラン=ルシフェン=ドートゥリシュ。
今夜の舞踏会の主役。
ルシフェニアの支配者。



















そして

僕とリリアンヌとは血のつながりが全くない、
エルフェゴートでずっと迫害されてきた、金髪の一般人だ。

27:禁書目録& ◆IK9U:2013/10/12(土) 19:36 ID:Gno

全然書いてなくてごめんなさい
それから
名前かえました
感想お願いしますね

28:杏音 モエ:2014/02/17(月) 17:35 ID:A1.

本当に話が違いますね!
見ててよかったー。
次が楽しみです


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