あやかし緋扇 〜新キャラ登場!〜

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1:Яui:2013/12/18(水) 13:34 ID:bOs

お久しぶりです
前にも同じスレを作ったんですが
いろいろあって書き直すことになりました

では説明
8巻の修学旅行の手前から新キャラを入れて全く別の話にしちゃいます!
本編と全然違う流れになると思うけど…
まぁ、もう一つの話とでも思ってください

ルール
・荒らさない
・人が嫌がることを書き込まない
・許可なく小説を書かない
基本的なルールを守れる人だけ来てください

あと、ものすごく下手なので
そこはお願いします

ではでは
START!!

2:Яui:2013/12/18(水) 13:37 ID:bOs

〜未来side〜

ある日、転校生が来た。
「神ア 葵です。よろしくお願いします」
その子は、大きくはないけどよく通る声で言ってから、長い黒髪を揺らしながらお辞儀をした。
第一印象は“大人っぽい”
同い年とは思えないくらいだなぁ。

休み時間になると、転校生のところに人だかりができて、みんなが質問攻めにした。
転校生が来るといつものことなんだけどね。
一方、あたしはというと…
自分の席でぼうっと転校生を眺めて、転校生も大変だな〜、と思っていた。
あたしは別にそんなに興味ないし。
「未来さん、あの人だかりは何ですか?」
いつの間にか、あたしのすぐそばに陵がいた。
「えっと、転校生が来たの」
「そうなんですか」
陵は、うなずきながら人だかりの方を見た。
人の間から、ちらっと転校生が見えた。
「え?もしかして、葵!?」
陵が言った。
知り合いなのかな?
すると、転校生にも陵の声が聞こえたようで、こっちを見た。
「え!?陵くん??」
何?この2人、どんな関係??
転校生は、周りの人を振り切ってこっちに来た。

3:Яui:2013/12/18(水) 13:42 ID:bOs

「陵くん?本当に陵くん??ここ、陵くんの学校だったの?」
「葵!どうしてここに!?」
みたいな感じで陵と転校生が話してる。
この2人、どういう関係??
しばらくすると、2人はあたしのことに気付いたみたいで、
「すみません、未来さん。紹介しますね」
と陵が紹介し始めた。
「こちらは唐沢 未来さん。僕たちと同じような…」
それから陵は小声で、
「力を持っている」
陵が転校生にあたしを紹介する。
「未来さん、この人は…」
「陵くん、いいよ。自分でする」
陵があたしに転校生を紹介しようとしたら、転校生がそれを止めて自己紹介し始めた。
「初めまして、唐沢 未来さん。私は神ア 葵です。陵くんの婚約者です」
こ、婚約者〜!!?

4:Яui:2013/12/18(水) 13:47 ID:bOs

「ちょ、陵、婚約者って…」
あたしは半分気絶状態で説明を求めた。
「婚約者って言っても、言葉だけなの」
すると、転校生が説明し始めた。
「陵くんは、私以外に好きな人がいるみたいだし。陵くんが私のことを好きになってくれない限り、私は結婚しないわ」
なんかあたし、すごいのに関わっちゃってる!?
「ごめんね、変な話したよね」
「いやっ、大丈夫…」
全然だいじょうぶじゃないけど
「陵くん、会うのは10年ぶりくらいかな」
「葵、転校してきたってことはもしかして…」
転校生はうなずいて
「私立の学校でも、穢れていたわ」
穢れ?
気になったあたしは、話しに割り込んでいった。
「穢れってどういうこと??」
「え、ああ、穢れ?穢れっていうのはね…」
転校生は、あたしにしか聞こえないくらいの声で説明し始めた。
「私は、霊感が特に強くて。感じちゃうの、雰囲気とかを。だから、人の悪口とかを心の中で思ってると、その人の雰囲気が穢れるの。そういう人がたくさんいると、空気が穢れるのよ」
へぇ〜
敏感だね。
「前まで通ってた私立の学校、ものすごく穢れてて…大丈夫たと思ったんだけど」
転校生は、深呼吸をした。
「それにしても、この学校、空気がとってもきれい。珍しい」
そのあと転校生はいろいろぶつぶつと呟いてから、
「あなたのことは、“未来”って呼ぶね。私は“葵”って呼んで。よろしくね、未来」
と言って微笑んだ。

5:Яui:2013/12/18(水) 13:51 ID:bOs

〜未来side〜

葵が転校してしばらくたった。
葵はどんどん馴染んでいって、さくらちゃんや龍とも仲良くなった。
そんな時のことだった。

家庭科の授業で、エプロンをつくることになった。
作業は第二家庭科室で行う。
第二家庭科室は、裁縫とかする教室で、ミシンとかアイロンとかが置いてある。
はじめにアイロンをかける。
第二家庭科室の前の方に、大きな机を置いて、そこにアイロン台を並べて、6人くらいが並んでそこで作業する。
あたしは順番待ちをしてた。
今あたしが並んでる列でアイロンがけをしているのは、さくらちゃん。
相変わらず不器用で、危なっかしい。見てるこっちがハラハラするよ。
「ああ!変な折り目ついてしもた!!」
そう叫んでさくらちゃんはアイロン台の右の方にアイロンをたてて、布を広げる。
「さくらちゃん!スイッチ切って!!危ないよ!」
「え?」
さくらちゃんはそこまで頭が回らなかったようで、アイロンのスイッチを切らずにおいていた。
これじゃ、さくらちゃんの右でやってる葵がやけどするかもしれないじゃん!
すると、葵はアイロンをかけ終わったようで、アイロンのスイッチを切って台の安全な場所に置き、布を取ろうとしていた。
葵の手が、さくらちゃんがたてて置いてるアイロンに当たりそう!
さくらちゃんは、まだアイロンのスイッチを切れていない!!
「危ない!葵!!」
あたしがそう叫んだ時、葵の
「っ!」
という声と一緒に
ジュ…
という音が聞こえた。

6:Яui:2013/12/18(水) 13:54 ID:bOs

「葵!大丈夫?」
という声が口々に聞こえる。
さくらちゃんは、
「葵!ごめん!!えっと…どないしよ!」
と言いながらあわててる。
葵は、肘くらいのところをやけどしていて、赤い筋が入って皮がめくれていた。かなりひどい。
「大丈夫だよ、このくらい」
葵はあわてもせず冷静で、水道のところに冷やしに行っていた。
そして、やけどしたところをハンカチで押さえて戻ってきた。
「葵!とりあえず保健室いこ!!うち、付いてくから。ほんまにごめんな」
さくらちゃんは、葵に駆け寄った。
そのまま2人は保健室に向かった。

7:Яui:2013/12/18(水) 13:57 ID:bOs

〜さくらside〜

保健室に向かう途中、うちは葵に、何度も「ごめんな、ほんまにごめんな」って謝った。
えらいことしてしもた。
自分で自分に腹が立つわ。
保健室に着くと、先生と陵くんがいた。
葵が先生に診てもらってる間、うちは陵くんと話とった。
「陵くん、どないしはったん?」
「いえ、ちょっと先生に用があっただけです。それよりも、葵、どうかしたんですか?」
「家庭科でやけどしてん。うちのせいやわ」
すると葵は、腕を冷やしながらこっちに来て、
「そんなことないよ」
と言った。
「さっきのは、私の不注意だったの。さくらは悪くないよ」
「でも…ほんまにごめんな」
「大丈夫。もう気にしないで」
何回「大丈夫」って言われても、うちは申し訳なさでいっぱいやった。
「そうです!さくらさんの力で、葵の傷を治すというのはどうですか?先生もさっき出て行かれましたし」
陵くんが提案する。
「でも…葵の前でそんなこと…」
「心配しないでください。葵は僕の力のことを知ってるんです」
そうや。この2人、幼なじみやっけ。
うちは扇子を取り出した。
「葵、ちょっとじっとしといてや」
うちが扇子を広げて葵の方を向いたとき、なんと葵は!
「治れ」
と、藍色の扇子を広げて肘にかざして言っていた。
葵の傷が治っていく。
うちと陵くんは、ただ茫然と見ていた。

8:Яui:2013/12/18(水) 14:01 ID:bOs

〜陵side〜

え?どういうこと?
葵が白拍子?
葵には力はなかったはずじゃ…
「葵?今のは一体…」
僕はそう言いながら葵に近づく。
「葵あんた…白拍子…なんか?」
さくらさんも葵に近づく。
「え?あ、そっか。そうだったね。陵くんは知らなかったね」
葵は扇子をなおした。
「陵くんと会ってなかった間、私、できるようになったの。治癒の力を持ってるみたいなの」
ということは…
「葵、未桜と関係してるん?」
「未桜?誰のこと?わからないけど…治癒の力なら、ほら!」
葵は扇子を広げ舞い始めた。
「君を初めて、見る折は…。千代も経ぬべし、姫小松…」
すごい。
葵にも未来さんやさくらさんと同じくらいの治癒の力があったなんて!
「御前の池なる、亀岡に…。鶴こそ群れ居て、遊ぶめれ…」
それと、この今様は…
嶺羽と未桜の出会いのうた!
これを葵が知っているということは、葵は未桜と何らかの関係があるということ。
「ね?」
舞い終わった葵が僕の方を向く。
「やっぱりあんた、未桜と関係してんねんな」
さくらさんが拍手をする。
「じゃあ、私はこれで」
葵は保健室のドアの方に向かう。
「ちょっ、待っ、葵!!」
僕はそう言って止めようとしたが、葵は廊下に出て、ドアをピシャリと閉めた。

9:Яui:2013/12/18(水) 14:04 ID:bOs

〜未来side〜

あたしの家は、マンションの805号室。
8階ってのが微妙なんだよね…
「未来―っ、朝ご飯できたよー」
お母さんの声がリビングから聞こえる。
「うん!支度できたら食べるから!」
制服姿のあたしは、バタバタと駆け回る。
「えーと、歯ブラシとタオルと…あっ!洗顔フォーム〜!」
急いで洗顔フォームを取りに行っていたら、お母さんに話しかけられた。
「もー、なんで寝る前に支度してなかったの」
「だってつい爆睡しちゃってさー」
とうとう、この日がやってきました。
今日から、3泊4日の修学旅行です!
たくさんの不安要素を抱えたまま、あたしたちは京都へと旅立ちます―…
てか、さっきからずっと、黒猫が窓のとこで見てるんだけど。
黒猫って、不吉なんだっけ。
首に鈴ついてるし、飼い猫なんだろうなあ…
あれっ、今度は外見てる。
あたしからは見えなかったけど、黒猫にはある人が見えたようで、その人に向かって飛び降りた。
ここ8階だよ!?大丈夫??
その人影が聖だったことを、あたしは気付けなかった。
猫を使ってあたしを監視していたようだ。
聖は黒猫を左腕にのせると、その場を去って行った。

10:Яui:2013/12/18(水) 14:06 ID:bOs

〜未来side〜

あたしたちは、京都へと向かう新幹線に乗っていた。

今、窓から富士山が見えた。
「わ―っ、富士山だー!!!」
「やばーい、超キレー♡」
未来の周りに座っている女子たちが騒ぐ。
「ねえ、未来も見て見て♡!」
ひとりの女子が未来に言う。
窓を見た未来は、
「うん、キレイだねー♡」
とにっこりして言った。
その笑顔に、周りの人(男子含めて)は、きゅんっ♡としてしまった。
「な…なんか今日の未来、素直…♡」
「修学旅行でテンション上がってるのかな?」
未来は質問に、
「うん!」
とまたさっきのようににっこり笑って答えた。

そんな様子を奥の影から4人が見ていた。
それは、あたし・陵・さくらちゃん・龍だった。
「すごい…ニセモノのあたしだって全然バレてない!」
奥の影にいる本物のあたしが、ニセモノのあたしを見ながらつぶやいた。
「便利やろ?龍の得意技なんやで」
さくらちゃんが自慢気に言う。
龍が人型の紙をカーデガンで隠れた胸ポケットから取り出した。
「この、術をかけた式神に髪の毛を1本はさんで息を吹きかけると…」
龍が言うのに合わせて、陵が自分の髪の毛をはさんだ式神に息を吹きかけた。
ぽんっと陵の目の前にニセモノの陵が現れた。
「わっ」
陵はびっくりして声を出した。
「わ―っ、陵が2人!」
あたしが言うと、ニセモノの陵が
「はい!僕は、神山 陵です」
と言った。
「軽い受け答えくらいなら可能なんだ」
龍がそれを見て言う。
「これで、この旅行中になんぼ別行動とっても、誰にもあやしまれんっちゅーことや!」
さくらちゃんが今度は得意げに言った。
陵がニセモノの陵に触れると、ニセモノの陵は煙とともに消えて、式神が現れた。
本人がタッチすれば消える仕組みらしい。
「あ、それからこれな」
さくらちゃんは、そう言いながら手にのっている4本のミサンガらしきものを見せた。
「ミサンガ?」
あたしが聞く。
「言葉を伝達できる式神編み込んどるから、話したい相手を思い浮かべて話しかければええ。ケータイやと、電波とか電池とかめんどーやからな」
「へぇー」
さくらちゃんの説明した。
陵が、試しにミサンガに「未来さーん」と言った。
あたしが持ってるミサンガから、『未来さーん』という陵の声が聞こえてきた。
「おぉ!」
あたしは感心して、陵と一緒に
「すごいや、ドラ○もんみたい」
といった。
さくらちゃんは、そんなあたしたちにちょっと引いてたみたいだけど。
「これがあれば、極力4人離れずにいることができますね」
陵が手に巻いて言った。
その時、コツコツという足音が聞こえてきた。
まさか、聖に気付かれた!?
あたし達は近づいてきた人の方を向いた。

11:Яui:2013/12/18(水) 14:10 ID:bOs

「なに式神使って、ごそごそと別行動してるの?」
そこには、葵がいた。
「どうしてわかった?」
陵が冷静に聞く。
「そんなの簡単。気配がしたの。第一、あの未来、どう考えても変だし」
葵がニセモノの未来の方を見て、もう一度こっちを見た。
「どういうことなのか、説明してくれる?」
そう言う葵に、誰も答えられなかった。
しばらくたって、葵はあきらめたみたいで
「そう。私には言えないことなの。いいよ。私は仲間はずれなんだから」
と言って座席に戻って行った。
「すごい…龍の式神を見破るやなんて」
沈黙を破ったのはさくらちゃんだった。
「あいつ、只者じゃなさそうだな。白拍子らしいし」
さくらちゃんに続いて、龍も言う。
再び沈黙。
「聖…何たくらんでるんだろ…」
あたしがつぶやいた。
この事に、誰も答えられる人はいなくて、ただ列車の音だけが響いた。
「今までのヒントを振り返ると…」
陵が自信なさげに話し始める。
「未来さんのお兄さんが言っていた『時雨はもう転生している』だけど『姿がどこにも見当たらない』ということ…」
「あとは、聖が言っていた『時雨様はまだ目覚めてはいない』」
龍も言う。
「ええ。その3つをふまえると、この京都でなんらかの形での“時雨の覚醒”を聖先生が目論んでいるのは間違いないことです。ただ問題は」
陵は眼鏡をはずした。
「時雨の亡骸が眠っている場所がわからないこと…!それさえわかれば先に打つ手があったのに…っ」
陵がくやしそうに言った。
「なんぼ調べても、墓が残ってないんやもんなぁ」
今度はさくらちゃん言う。
「ですから、聖先生の動向を常に見張らなければ…でも僕たちは、クラスが違うので」
陵の言葉に、あたしとさくらちゃんがうなずく。
聖はあたしとさくらちゃんの担任だ。
「まかせて!(とき!)少しでも怪しかったら報告する!!」
あたしとさくらちゃんは力強く言った。

12:Яui:2013/12/18(水) 14:19 ID:bOs

〜未来side〜

『まかせて!(とき!)少しでも怪しかったら報告する!!』とは言ったものの…
いざ京都について新幹線を降りると、あたしとさくらちゃんは真っ青になった。
「未来?さくらちゃん?どーしたの?」
あたし達と一緒に歩いている、女子が言う。
「こっ、これ…」
あたしは言う。
あたしとさくらちゃん見えないんだよね、この、大量の霊が…
「あ!見てー♡あれが有名な、清水寺「音羽の滝」!」
「真ん中が恋愛成就の水だって♡キャー♡行こ行こ!」
女子たちは、3か所横並びに上から水がチョロチョロと流れている「音羽の滝」を見ながら言うけど、あたしとさくらちゃんにそこに近づく勇気はない。
なぜなら、その「音羽の滝」の下の池になってるとこに、特に霊が集まってるんだもん!!
なんでこんなに霊がうじゃうじゃいるの―!?
「あ…あたし、エンリョしとく」
あたしは女子たちに言う。
「えー?」
女子が言った。
すると、ずっとあたしにしがみついていたさくらちゃんが、あたしにしか聞こえないくらいの声で言った。
「知っとおか?このへん地域一帯は昔、死体捨て場になっとったらしゅうてな、どこ行っても霊がよーさんおんねん…!」
「しっ、死体!?」
あたしはそのほかに言葉が出なかった。
いつの間にか、隣に葵がいた。
葵はあたしたち以上に真っ青だった。
「ちょっ、葵っ、大丈夫!?」
あたしが聞く。
「大丈夫なわけないよ。私はあなたたちより敏感なの!吐き気までしてきた」
ふと聖の方を見ると、だいぶ先にいた。
あっ…聖、見失っちゃう!!
あたしは走り出そうとして顔をあげた。
目の前に、着物を着た長い髪のがいこつの霊がいた。
「い、いいいっ」
目が合ってしまった〜〜!!!目も無いけど!!
どうしよう!怖くて動けない!!

13:Яui:2013/12/18(水) 14:21 ID:bOs

すると、陵があたしの肩に手を置いた。
そして、片手で眼鏡をはずし、その幽霊をキッとにらんだ。
その幽霊は、ふい…と去って行った。
「あ、あれ?どっか行っちゃった…」
あたしはつぶやいた。
「力のない下級霊は基本、敵わない相手には刃向かってこないんです」
陵はあたしから離れて、眼鏡をかけながら言った。
いつの間にか、龍も来ていた。
「へー…」
そういうこと説明されたときって、なぜか『へー…』としか言えないんだよね。
「ん?そういえば、なんでいるの?」
そうだよ!陵と龍は別のクラスだよ!?
あたしは聞く。
「もう次のクラス来てますよ」
「あっ」
陵の答えにちょっとあわてるあたし。
陵はあたしの前で振り返って、
「僕の後ろについてきてください」
と言い、歩き出した。
「?うん」
陵の後についていく。
扇子も使ってないのに、周りの霊が陵のこと避けていってる。
陵の力に、霊たちが怖気づいてるんだ―…
いつもこんなに霊がいないから知らなかった。陵のそばにいるだけで、あたし、護られてたんだ…
「やっぱ陵くんええなあ♡」
隣で歩いていたさくらちゃんがボソッと言う。
あたしは思わずぎょっとした。
その様子に気づいたさくらちゃんが、
「なんや、冗談やで」
と笑顔で言う。
「やっぱり、優先順位は決まってるのね」
葵もあたしをからかうように言う。
当の本人(陵)は何もわかっていないようで、きょとんとしていた。

14:Яui:2013/12/18(水) 14:21 ID:bOs

「あ、未来さん、神社の境内でしたら霊が少ないですよ?聖先生もここに入りましたし」
顔をあげると、すぐそこに『えんむすびの神 地主神社』『良縁祈願』などの看板と、鳥居があった。
「えんむすびの神社や♡うち、京都住んどったけど、このへんの霊のせいで来れんかってんー♡」
そういうさくらちゃんは、明らかにテンションが上がっている。
「え‶、こういうの苦手なんだけど」
あたしはテンションが下がった。

15:Яui:2013/12/18(水) 14:24 ID:bOs

境内は、たくさんの人でにぎわっていた。
聖はというと、柱にもたれて眠そうにあくびをしていた。
私達は、おみくじを引いた。
「うっそ…」
あたしのおみくじを持つ手が震えている。
なぜかというと、あたしのおみくじは…
「凶…!?」
そこには、しっかりと“凶”と書かれていた。
「はははっ、や…やだなぁ。縁結びなんて、あたし、陵がいるから関係ないし。もー無視無視!」
笑ってごまかしながら、あたしはおみくじを括り付ける。
「ウチ、大吉やったで」
とさくらちゃんがつぶやく。
「ぼっ、僕がいいのを引きますから!」
まだおみくじを引いていない陵が、あわてて言う。
陵はおみくじを引く。
陵のおみくじは…大凶。
陵&未来ペア 撃沈
「ウソやろ、アンタら…」
さくらちゃんと龍は、明らかに引いていた。
「ちょっと、陵っ。神様にお願いしてなんとかできないの?」
「無理です〜!神様は実体がないし、会話はできませんから〜」
プチパニック!
「ズルはあかんで、ズルは!」
さくらちゃんの鋭いツッコミ。
その様子を、葵と龍はただ茫然と見ていた。
「龍と葵はおみくじ引けへんの?」
さくらちゃんが2人に気付いて話しかける。
「俺はいい」
「私もパス。第一、こんな悪いのが出てるところでおみくじなんか引けないよ」
確かに葵の言う通りだ。
この状態じゃ、いいくじが出そうにないもんね。

16:Яui:2013/12/18(水) 14:27 ID:bOs

そのあとあたしたちは、賽銭箱にお金を入れてお参りをした。
「これで少しでもよくなってくれればいいなだけどなぁ…」
あたしはつぶやく。
「よくしたいのなら、神主さんに相談する?」
葵からの突然の提案に、あたしは戸惑う。
「え‶!?そんなことって…」
「いいから付いてきて」
葵は、あたしの意見など聞かずに歩き出した。
そのあとをあたしたち4人は行く。
葵は、小さな建物のドアを開けた。
あたし達も中を覗く。
どうやら事務室みたいなところらしくて、白衣(白い着物)を着たおじさんがいた。
葵はそのおじさんに声をかける。
「久しぶりやなぁ、お父さん」
「お、お父さん!?」
きれいな京都弁で言った葵の言葉に、4人が声をそろえて言った。
「ええ、そうよ。私のお父さんが神主さんなの。私の家系では神社の神主がたくさんいるわ。つまり、いくつもの神社をやりくりしているってこと」
葵って、やっぱりすごい家の人なんだ…
「葵やんか。久しぶりやなぁ。元気しとったか?」
おじさんが言う。
やっぱり京都弁なんだね。
「うん。今日、修学旅行で来とる学校があるやろ?その学校、私が通ってる学校やねん」
「そうやったんかい。ほんならひとこと言ってから来てくれたらよかったのに」
「まさか会うとは思ってへんかったから」
バリバリ京都弁の親子の会話。
あたしたち、どうしとけばいいの?
「そうそう、本題に入るけどな」
葵がそういう。
ようやく本題に入った。
「友達がな、おみくじで凶やってん。だから、どうにかできひんかなぁ思ってな」
「それやったら、出てすぐの石と石の間を目ぇつむって歩くやつなんかがええで」
「ほんまぁ。おおきに。やってみるわ」
あたし達は小屋を出た。
「すごい京都弁…」
あたしは独り言を言う。
「あれっ、言ってなかったっけ?私、京都出身なの。小学生になるときに東京来たから、普段は標準語なんだけど、親せきと話すときは京都弁になっちゃうの」
「そうやったんや。うれしぃわ。仲間ができたみたい!」
さくらちゃんは葵に抱きつく。
「ほんまにぃ?私もうれしいわ〜」
葵も京都弁になってる。
2人はしばらく京都弁で会話をしながら、笑い合っていた。

17:Яui:2013/12/18(水) 14:28 ID:bOs

「これだ!」
あたしは“恋占いの石”と書かれた石を指さした。
5m位先にもう1つの石も見える。
「あたし、あーいうの得意なんだ―っ」
このまま後味悪いまま帰れるかァ!!!
「行くよーっ」
とあたしは歩き出した。
向こうの石ではみんなが―陵が待ってる!
「わっ」
あとほんの少しのところであたしはつまずいて、誰かにもたれかかってしまった。
「?た―…ごめん…」
あたしは顔をあげた。
隣で陵が見てる。
あたしがもたれかかったのは、“龍”だった。
「…っえ」
あたしは龍から離れる。

なんで?

「…もう一回コケないように…」
あたしが言いかけたとき、
「お―い、B組はもう移動しろよ―!」
という声が聞こえた。あたしはB組だ。

両思いなのに

「陵…」
人ごみに押されて、あたしと陵ははなればなれになる。

あたしたち
幸せになれないのかな…

18:Яui:2013/12/18(水) 14:30 ID:bOs

その時、ビュッとすごい風が吹いた。
「もーやだーっ」
「なんなの、いまのかぜ〜」
という声が聞こえる中、あたしと陵は…
「ひ、あ、わ―っ、なんで空飛んでんのー!?」
「未来さん、ちょっと静かに。下に聞こえちゃいます」
屋根より高い位置にあたしたちはいた。
陵が緋扇を使ってあたし達を浮き上がらせたのだ。
あたしは陵にぎゅっと抱き着く。
「だってだってだってだって。すぎ…」
その時、なにか暖かいものがあたしの唇をふれ、口をふさいだ。
「ん!?」
それは、陵の唇。あたしは今、陵にキスされている。
陵は建物の屋根に着地し、ようやく唇を離した。
あたしは今、屋根に寝転がった状態にある。
「―…たとえ神様に刃向かおうとも、あなたへの愛しい想いを止めることは決してできません…」
あたしの顔が、みるみる赤くなる。
思わずあたしは陵の頭をボカッと殴った。
「死ぬかと思ったじゃんバカ!!また突然キスするしっ」
「すみません…」
「おおげさだって。神様に刃向かうとか…。あたしたちが別れる理由がどこにあるの?」
すると陵は、にっこりと笑って
「そうですね…」
と言った。

そんな様子に気づいて誰かがあたしたちのことを見ているなんて、そのときは想像もしなかった。
「陵くん…どうして?どうして?」
葵は、今にも泣きだしそうになって、ズキンと痛む胸をおさえた。

19:Яui:2013/12/18(水) 14:35 ID:bOs

〜龍羽side〜

俺は、ある人物に呼ばれてここに来た。
そいつは、黒猫と一緒に木陰に座っていた。
「…よお。腹は括ったか?桜咲 龍羽」
聖が木陰から話しかける。
前から聖には声を掛けられていた。
聖の味方になって手を貸せ、と。
「…ああ」
俺は答える。
「そーか。じゃ、決行は明日…」
聖が俺に背を向けて立ち上がり何か言いかけたとき、俺は聖の背にナイフを刺した。
だが、残念ながら気付かれ、聖の刃の部分を掴んで止められてしまった。
「腹括ったって、こういう意味でかよ…!」
「取り返しがつかなくなる前にお前を止めるには、これが一番確実な方法だ」
俺はできるだけ静かに言う。
「陵や未来やさくらは人がいいからな、殺すのをためらっていたが、俺は違う。好きな女の幸せを奪おうとするやつは、俺がこの手で始末する!」
「く…」
聖の手から血がボタボタと落ちる。
「…くく」
聖が笑い出した。
「くははっ」
「何がおかしい…!」
「やっぱ、お前イイわ」
突然聖が血の付いた手で俺の頭を掴む。
激しい頭痛がする!
「うっ…ぐ」
思わず俺は、ナイフから手をはなしてしまった。
「その頭痛がお前自身の心の叫びだ。お前が抱えてる闇は計り知れない。こっち側に来れば楽になるぞ…?」
「誰が…行くか…」
聖は俺から奪ったナイフの刃を、俺ののどに突き付けた。
ナイフから、さっきの聖の血が滴り落ちる。
「素直になれよ。未来を手に入れたいんだろ?」
頭痛がさらにひどくなる。
「お前が桜咲家に生まれてきた理由はなんだ?なんのために生きている?未来を嫁にできないお前には、存在価値がねーんだよ」
“未来を嫁にできないお前には、存在価値がねーんだよ”
その言葉は、俺の頭の中でこだまし、俺の胸に強く突き刺さった。
「…だ」
もう我慢できない!というように
「黙れ!!そんなことは初めからわかっている!!」
と俺は聖を殴った。
だが、聖に受け止められてしまった。
聖の不気味な笑い声が響く。
奪われたナイフは、カラカラカラカラと空中を回転しながら飛び、やがて見えなくなった。
「試してやるよ、明日。未来にふさわしいのは陵なのか…それとも、龍羽なのか」
「未来に何かしたら、今度こそ殺す…!」
「ははっ、やれるもんなら」
聖は去っていく。
「明日をお楽しみに♪」
頭痛はまだ、続いていた。

20:Яui:2013/12/18(水) 14:36 ID:bOs

〜未来side〜

その日の夜。
お風呂から上がったあたしたちは、布団の敷かれた女子部屋で、浴衣姿で自由時間を過ごしていた。
中にはトランプをしてる人もいるけど、あたしはさくらちゃんと話していた。
「龍が気分悪そう?」
「せやねん。顔、真っ青にしとってな。あんな龍、初めて見たわ」
双子のさくらちゃんでも見たことないなんて、相当気分悪いんだろうな。
「どこが悪いんか聞いてもはっきり言わへんし…っとにもぉ」
さくらちゃんの声は、最後の方は消えかかっていた。
「様子見に行こう!」
あたしはさくらちゃんの手をぎゅっと握った。
「ね!」
座り込んでいるさくらちゃんを立ち上がらせて部屋を出ようとした時、誰かの手があたしたちをさえぎった。
「どこ行くの?」
女子部屋のみんながあたしたちを止める。
なんかちょっと、引く…
そのままあたしたちは、男子部屋に集合させられた。

21:Яui:2013/12/18(水) 14:38 ID:bOs

「王様ゲーム♡」
女子も男子も男子部屋に集合。
あたしたちはくじを引かされた。
「やったー。オレ王様!♡」
ある男子が王様になったらしい。
あたしはとにかくイライラしていた。
なんでこんなことに…!
あたしはふと龍を見た。
龍、ちゃんと快復してるみたいでよかったし…
なにより、久々の陵の浴衣姿♡♡
これは嬉しいっ♡
あたしは思わず赤くなった。
やっぱ、ほかの男子とは着こなしが違う…
「3番と10番がポッキーゲーム!」
王様の男子が言った。
あたしのくじは…3番
げぇっ!
「あ―っ、未来3番」
周りの女子に見られてしまった。
「ちょっ」
「10番誰―!?」
ぎゃあああ、最悪〜〜〜!!!
10番を持っていたのは…龍
「帰る!!」
あたしは腹が立って女子部屋に戻ろうとしたけど、
「だめ―!!」
とれなたちに止められてしまった。
「10番誰なの―!?」
その時、あたしは気付かなかったけど、龍が陵に10番のくじを渡した。
「え…龍羽くん、これは」
きょとんとする陵。
この様子もあたしは見れていない。
「10番神山じゃねーか!」
「ヒュー♡カップル同士のキスが見れるぞー!」
「!」
この男子の叫びを聞いて、あたしは初めて気づいた。
「あのっ、違うんです」
とあわてる陵に
「つべこべ言わずやれ―♡」
「キ―ス!キ―ス!」
という周りの声が重なる。
ついにポッキーの箱があけられた。
最終的にあたしと陵は、みんなにはがいじめにされた。
「…」
あたしと陵は何も言えない。
あたしはポッキーをくわえさせられる。
なんなのこれ!
みんな今日のテンションおかしいよー!!
さくらちゃんと龍は、ドン引…
「やりすぎちゃうんか」
龍にいたってはホッとしてるし。
陵はため息をついて、そして決心したように、あたしがくわえているポッキーの反対側をくわえた。
そして、あたしの顔すれすれのところまで顔を近づけ、ギリギリのところでポッキーを折った。
あたしは思わず真っ赤になる。
陵は顔をはなし、ポッキーを食べ終えて、
「キスはしなくてもいいんですよね?このゲーム」
と言った。
「ま…まあ」
「え?もう終わり?」
周りのみんなはキョトンとしている。
あたしはみんなを振り切って部屋から出た。
「未来さん」
陵もあたしの後を追って部屋から出る。
「…ちょっとやりすぎちゃったかな…」
「アハハ」
みんなは部屋でつぶやいていた。

22:Яui:2013/12/18(水) 14:41 ID:bOs

廊下に出たあたしは、追いかけてきた陵に手を掴まれた。
「…すみません。あの場を無難に乗り切るのは、ああするしかないと…」
陵が言い訳をする。
あたしは陵の方を見ないで言う。
「今日、あたしふり回されてばっかりなんだけど。地主神社の時もキスでムリヤリ口ふさがれるし」
「ううっ…すみません…」
「さっきも噛みつかれるかと思ったじゃん!」
「それなのにあんな寸止め…いやっ、寸止めはいいんだけど、むしろ。って、何言ってんのあたし…」
陵があたしを振り向かせる。
あたしの顔は真っ赤。

さっきから 心臓が
苦しいくらいドキドキしてる―…

「え…と…」
戸惑う陵。
「みっ、見んなっ!」
あたしは両手で顔を隠した。
「…………違ってたらすみません」
陵も少し赤くなりながら、ゆっくりと言う。
「乱暴にではなく、寸止めなんかじゃなく」
陵はあたしの顔を隠している手をどけた。
あたしは思わず目をぎゅっとつむる。
「僕と、キスしたい…?」
あたしは目を開けて、こくんとうなずく。
真っ赤になってる陵の顔が見える。

こんなことを 考えてしまうのはきっと
修学旅行の夜だからだよね

あたし達は、あいている部屋に入った。
遠くで、あたしたちを探してるみんなの声が聞こえる。
あたしが座ってるイスがきしむ音。
窓から見える月。
あたしは赤くなりながら、何度もキスをする。

静かな夜―…
お互いの吐息とキスの音しか聞こえない


幸せな 嵐の前夜だった

23:Яui:2013/12/18(水) 14:42 ID:bOs

〜葵side〜

未来と陵くんを探そうと廊下に出て、後悔した。

みんなは気付かずに通り過ぎた、ある部屋。
私は、その部屋から未来と陵くんの気配がしたので、少しだけ引き戸を開けて、のぞいてみた。

そこに広がっていた光景に、私は、涙が出てしまった。

陵くんと未来が、何度もキスをしている。
陵くん、私、陵くんのこと大好きなのに。
あんなに愛してるのに。
ひどいよ、陵くん。ひどいよ…
涙が止まらない。

こんな時だったから、私は油断していた。

誰かが、私の手を掴んで、ハンカチで口をふさいだ。
薬を吸わされているっ
そのまま私は、気を失ってしまった。

24:Яui:2013/12/18(水) 14:48 ID:bOs

〜葵side〜

気がついた時、私はある部屋に座っていた。
目の前の男と、2人きり。
「俺の、仲間にならねえか?神ア 葵」
「どういうことですか?聖先生」
この状態と聖先生の言葉で、ある程度今までの陵くんたちの行動がようやく理解できた。
「陵から何も聞いてねぇのかよ」
「ええ。どうやら私は仲間外れらしいの」
「そうか。それなら話してやるよ」
聖先生は、未来の力の事、時雨の願いの事などを話した。

「それで、時雨様というのは、現世で誰なの?」
「そこからは…必ず協力すると約束しないと教えられない」
「あらそう」
聞けるのは、ここまで…か。
「どうだ?協力してくれるか?」
「そうねぇ…私は陵くん・未来・さくら・龍羽くんを傷づけないなら協力してもいいけど」
「くっ!」
聖先生は、私をにらんだ。
「その様子なら、断るしかなさそうね」
「断ったらどうなるのかわかってるのか?」
「どうなるの?」
聖先生は、私を押し倒して、私の手を片手で動かないように抑えた。
「そうだな…その身体を汚すとか」
「あなたに本当にできるの?そんなことしたら、保護者達が黙ってないよ。あ、でも大丈夫ね。あなたはもう未来達を傷つけてるんだし」
「なんだと!」
聖先生は、私をうつぶせにして、浴衣の帯に手をかけた。。
私は思わず目をつむった。
「ん?これは、藍色の…扇子?」
そうだった!扇子をしまっていたんだった。
私は目を開けて急いで扇子を掴もうとしたが、ひとあし遅く、聖先生に取られてしまった。
「これでもう、お前は何もできない」
聖先生が不気味に笑う。
私は思わず、聖先生をにらんだ。
でも、聖先生から今扇子を取り返すのは難しそうだ。
私は仕方なく、その部屋を出た。

25:Яui:2013/12/18(水) 14:51 ID:bOs

〜未来side〜

修学旅行2日目の朝。
あたし達は外で集合していた。
「各班、点呼とって担任に報告―っ」
先生が言う。
「神山―」
「はい」
「桜咲―っ」
「ハイ」
「未来とさくらちゃんいるねー」
「はーい」
「はーい」
あたし達もこんな風にもちろん参加…してるわけない!!
あたし・陵・さくらちゃん・龍はあの式神に任せて別の場所からその様子を見ていた。
「準備万端だね…!」
本物のあたしが言う。
「ほんと便利だねー、この替え玉をつくれる式神!これで今日一日、対 聖のために自由に動き回れるね」
あたしは例の式神の予備をポケットから出した。
「まぁな。こういう時のために本来渡したはずなんやけど…」
さくらちゃんがちょっと深刻そうな顔をして続ける。
「アンタら昨日の夜これ使って隠れて何しよった?」
ドキィ!!
真っ赤になっちゃう陵とあたし。
バレてる。 ※実は使っていた。
陵が真顔になって、
「すみません…どうしても僕が未来さんとキスした ぐもっ」
というのをあたしは陵の口を手で押さえて、
「ちょっと2人きりでいたかっただけ!!ごめんね、不正利用して」
と無理やりごまかした。
「ふぅん。てっきりHなことしよるん思うてたけど」
さくらちゃんが探ってくる。
「すっ、するわけないじゃん!!」
「見ればわかるわ」
「!?」
あたし、まだ真っ赤。
う…でも、そういう展開になってもおかしくなかったかも…
「しませんよ」
昨日の夜のことを思い出してたら、陵の声がした。
「そういうことは、結婚してからでも遅くはないはずです」
あたしの顔、もっと赤くなったような気がする。
「僕はまだ責任をとれる年齢に達していませんし…それに、愛を伝える手段は、ほかにもたくさんありますから」
陵があたしの顔を見て微笑む。
「僕たちのペースで、ゆっくり歩んで行きましょうね」
「うん」
ちょっとあわてながらも返事をする。
その時龍は、前あたしに無理やりしたことを思い出して、少し悔やんでいた。
そんなこと、あたしが知るはずもないんだけどね。
「では、聖先生の後を追いましょうか」
あたし達も歩き出した。
ドキドキが、おさまんない。
ちゃんとマジメにこの先のこと考えてくれてたなんて、うれしい。
陵には言ってなかったけど、未桜の記憶が全部蘇った時、嶺羽に抱かれる未桜の気持ちも流れ込んできて、すごい恥ずかしい記憶だったけど、本当に幸せで、愛に包まれてた。
陵も同じ記憶持ってるよね?
恥ずかしくて聞けないけど。
この幸せな記憶、陵もいっしょだったらいいな。

26:Яui:2013/12/18(水) 14:52 ID:bOs

〜未来side〜

「スタンプラリーか…」
伏見稲荷に来たあたしは、配られたスタンプラリー用紙をみてつぶやいた。
「今日はこれを持って、各班別々に観光名所をまわるみたいですね」
あたしたちは、伏見稲荷の入口の、鳥居がたくさん並べられているところに隠れていた。
聖はというと、あいかわらずで、生徒にからかわれたりしてる。
「聖はあいかわらずだし、ほんとに何か仕掛けてくるのかな?」
もう一度聖を見ても、変わりはない様子だった。
「アイツ、どんくらいの“力”持っとるんやろ?」
さくらちゃんがつぶやく。
「…えっと、今までの行動を見る限り、聖先生は道具に力を借りています。なので、今現在の体の持つ力はほぼないものかと」
今日はメガネをかけていない陵が説明する。
「え!じゃあ、道具ふんだぐって、どっかに縛りつけとけば」
「そりゃ強盗と監禁罪や」
「チッ」
舌打ちはしたものの、関西育ちの鋭いさくらちゃんのツッコミに、ちょっとだけ感心した。
「そのぶん頭を使って仕掛けてくるので、気を付けないと…今は力がないにしても、手に入れようとたくらんでいるでしょうね。聖先生の前世の亡骸と魂を同調させれば、力が復活するはずですから」
「…もしかして、前にあたしがやったみたいな?未桜のお墓で」
あたしはそのことを思い出した。
「はい」
陵の答えにあたしは、
「!じゃあ聖の前世の墓を…!」
と言いかけた。
でも
「それもわからないんです。聖先生の前世の記録がないので」
と言われてしまった。
む―…と思いながらも移動。

27:Яui:2013/12/18(水) 14:54 ID:bOs

「でも、聖先生もわかってないのではないかと思います。知っていればとっくに力を手にしているはずですから」
「なぁ、龍ならわかるんちゃうの?」
“龍ならわかるんちゃうの?”というさくらちゃんの言葉に、あたしは一瞬、龍が冷汗を流してるように思った。
でもまたすぐに、気のせいか、と思った。
「そういう闇属性の式神使役しとらんかったか?」
さくらちゃんがつけたした。
「まぁ…大体の範囲がわかれば特定はできる。知ってる人に限るが」
「……!」
その言葉には、陵も驚いているようだった。
「では!いくつか見当がついているのでそこに」
陵がそう言おうとした時、祭壇の方でボンッという音と、女子たちの「きゃ―っ!」という悲鳴が聞こえた。
あたしはそっちを見てみると、祭壇のところに煙が出ていて、
「みっ、未来が消えた―!」
「スタンプ押したら急に…!」
「何この煙〜!?」
と、式神のあたしと一緒にまわっていた女子たちが騒いでいた。
足元には、紙に戻ってしまった式神が落ちていた。
げぇぇ!
「ちょ…行ってくる!!」
とあたしは走り出した。
女子たちのすぐ後ろに行くと、
「ばぁっ!」
と女子たちを脅かし、
「キャー!?未来、どこから!?」
「びっくりした?アハハ」
と何とかごまかした。
陵たちは、
「志那都比古神よ」
と風を起こして、ぼろぼろになった式神を見た。
「これは…」
一方あたしは、しっかりと押されていないスタンプを、押しなおそうとした。
スタンプを手に取った時、鳥居の方から
「未来さん押しちゃダメです!!」
と言いながら走ってくる陵たちの声が聞こえた。
「え?」
あたしが振り向いた時はもう、スタンプを押してしまっていた。
その時、聖が横に現れて、包帯のまかれた手で、パチンッと指を鳴らした。
あたしは、聖の腕に倒れた。

28:Яui:2013/12/18(水) 14:55 ID:bOs

〜陵side〜

僕たちと、聖先生以外の人が、みんな倒れている。
もちろん、未来さんも。
「なに…を…」
言葉が、それしか思いつかない。
「スタンプを押したやつらの魂を紙の中に閉じこめたんだよ」
聖先生は、未来さんのスタンプ用紙を口に加え、未来さんを支えていない方の手で、さっき未来さんが押したスタンプのページを切り取った。
倒れてしまった未来さんを見ると、さらに腹が立ってくる。
「この場所だけじゃない。市内6か所の観光名所で同じことを仕掛けた。30分以内に紙を破らなければ死ぬようにな」
「くっ」
僕は反射的に緋扇を開き、未来さんがスタンプを押した紙を破ろうとした。
「おっと」
聖先生は片手に持っていたその紙をぐしゃっと丸め、飲み込もうとした。
その時だった。

聞こえたのは、たぶん僕だけだろう。
誰かが、走ってくる音がした。

29:Яui:2013/12/18(水) 14:57 ID:bOs

「やぁああああ!!」
走ってきたその人はそう叫び、素早く右手で大きく空中を切った。
聖先生は驚いて、紙を飲み込もうとするのが一瞬止まった。
その時、その人の手と連動するように、聖先生が飲み込もうとしていた紙が真っ二つになった。
「っ!」
聖先生はそんな声を上げたが、その間にもその人は動く。
「はっ!」
という声とともに右手が素早く動かされ、下から上へとまた大きく空中を切った。
すると、聖先生が抱えていた未来さんの体が宙に浮いて動き、その人物に抱えられた。
「どういうことだ!?お前、白拍子の舞だけじゃなかったのかよ!それに、あの藍色の扇子は俺がまだ持っているはずだ。あの扇子はニセモノだったのかよ!!神ア 葵」
その人物の動きは止まり、ようやくしっかりと顔を見ることができた。
その人は、まぎれもなく葵だった。

30:Яui:2013/12/18(水) 14:58 ID:bOs

葵はフッと笑った。
「私を甘く見ないでほしい。あの扇子はニセモノではないよ。私はね…」
葵の、未来さんを抱えていない左の手のひらに、青い光の玉ができていた。
葵の目は、完全に藍色に染まっている。
「扇子なしでも術を使えるの!!!」
一瞬で左手の青い光は葵を包み、葵から聖先生に光線のようなものが放たれた。
「う‶、うぁぁあああ!」
聖先生は崩れ落ちるように倒れた。
僕とさくらさん、龍羽くんはただその光景を見ていた。
聖先生は最後の力をふりしぼって、
「くそっ…」
とつぶやきながら、術を使ってそこから消えた。
「ちょっ、待ちなさい!」
という葵の声も無視して。

31:Яui:2013/12/18(水) 14:59 ID:bOs

都合上
8巻が手元にないので細かいことは書けません
だから代わりにあらすじ

32:Яui:2013/12/18(水) 15:11 ID:bOs

葵は聖が消えて後に落ちていた扇子を使い、一度にすべての紙を破った。
それから龍の式神を使って聖のいる場所に向かった。

聖は陵に向かって「お前が時雨様だ」と告白し、一同は黙り込んでしまう。
聖が陵に時雨の記憶を戻させるために術をかけようとすると、葵が「私にやらせて」と扇子を使って陵に術をかけた。

眠った陵を未来は旅館まで運び、看病する。
しかし、陵は目覚めると未来の首を絞めてしまう。

部屋から追い出された未来は、廊下に葵を見つけ、責める。
すると葵はこういった。
「だから、これから聖を倒しに行くの」

33:Яui:2013/12/18(水) 15:30 ID:bOs

〜葵side〜

「何言ってんの!?葵が陵をおかしくしたじゃん。だからもう、あたし…」
未来はそのままばたりと倒れた。
「未来っ」
私は未来に駆け寄る。
「どしたん?未来」
未来の声に気付いて、さくらと龍羽くんが出てきた。
「あんた、今度は未来になんかしたんかっ」
さくらは私をキッとにらんだ。
「さくら。今はそう思われても仕方ないかもしれない。でも聞いて。私は未来に、これからを説明しようとしたの」
「これから?」
龍羽くんが問う。
「これから、聖先生を倒しに行く。それから、陵くんが時雨じゃないことを証明するの」
「陵くん、時雨やなかったん?」
「ちょっといろいろあったみたいだから。簡単に言えば、手違い?」
さくらはハッとして、陵くんのいる部屋のふすまを叩いた。
「陵くん、陵くん!」
「なんですか?さくらさん」
中から陵くんの声が聞こえた。
「ええから出て来て!」
「だめです。僕が出たら、未来さんを傷つけてしまう」
「大丈夫や。今未来は眠っとる。それに、陵くんは時雨やないみたいなんや!」
「え?」
ようやく、陵くんが部屋から出てきた。
「どういうことですか、さくらさん?」
「それは、私が説明する」

34:Яui:2013/12/18(水) 15:50 ID:bOs

〜陵side〜

葵の説明は、すごいものだった。
でも、確かにそれで説明がつくし、葵が言うからにはその通りなんだろう。
「で、まずは未来を安全なところに移さなきゃいけない。それで私、考えたんだけど…」
葵は息を吸ってから
「陵くんの家に未来を置こうと思ってるの」
といった。
僕も含めてみんな、びっくりしたようだ。
「でも、もし聖先生が僕の家に来たら?」
「その時は、優くんがいるでしょ」
「優は術を使えない!だから、無理だよ」
「大丈夫。優くんも陵くんの弟なんだし」
黙り込む。
「いろいろ心配はあるが、それが一番いい案かも知れない」
「龍!」
龍羽くんが静かに言った。
さくらさんはかなりびっくりしている。
「そうですね。龍羽くんの言うう通りかもしれません。そうしましょう」
僕も、決心がついた。
「じゃあ、優くんに連絡するね」
「えっ、どうやって…」
葵は扇子を広げ、気持ちを集中させた。

35:Яui:2013/12/18(水) 16:08 ID:bOs

〜葵side〜

頭に優くんを思い浮かべ、呼びかける。

『優くん、優くん』

しばらくすると、

〈この声は、葵さんですか?〉

と優くんの声が聞こえてきた。
よし。つながった。

『そうだよ優くん。葵よ』
〈やっぱり。お久しぶりです〉
『優くん、よく聞いて。これから大事なことを話すから』

優くんは少しあわてたようだ。

〈な、なんですか?〉
『未来はわかるよね?』
〈はい。未来さんがどうかしましたか?〉
『今、未来は私達と一緒にいると危ないの。だから、優くんの家に預けたいの』
〈え?でも僕、力を持ってないし、未来さんを守ることなど…〉
『まぁ、そこは任せて。とにかくお願い。一番守りのかたい所に寝かせてあげて』
〈えっと、よくわからないけど、わかりました〉

優くん、かなりあわててるみたいだけど、大丈夫かな。

36:Яui:2013/12/19(木) 19:32 ID:/wY

※IDかわるけど同一人物です

37:美玉:2013/12/19(木) 19:42 ID:mCs

初めまして!
すごくおもしろいです!
文章が分かりやすく、情景がよくわかって、凄いです。
尊敬します…!
最初、陵の形の婚約者が出てきてどうなるかわかりませんでした。
またきてもよろしいでしょうか?

38:Яui:2013/12/19(木) 20:04 ID:/wY

〜陵side〜

「連絡取れたよ」
葵が言う。
「それで、どうやって優のところに未来さんを?」
そう、問題はそこだ。
僕たちの誰かが僕の家に戻るわけにはいかない。
大切な戦力を失うわけにはいかないからだ。
「まあ、それは任せてよ。私を甘く見ないで」
確かに、一度にスタンプ用紙を全て破ったところを見ると、葵は只者ではない。
僕たちの中で一番強力な術を使えるかもしれない。
「体力温存の為に、みんなの力を借りるわ。それぞれの道具を未来にかざして」
言われたとおり、僕とさくらさんは扇子、龍羽くんは刀をかざした。
「それからっと」
葵は未来さんの服を探って、未桜の扇子を取り出した。
「これが未来の手元になければ未来は舞を舞えないから、聖先生が未来のもとに現れても安心よね」
なるほど。
やっぱり葵は細かいところまで計算しつくしている。
未来さんの話によると、クラスでも成績が1位らしいし。
葵は、未桜の扇子と自分の藍色の扇子を広げてかざした。
「みんなはそれぞれの道具に力を込めて」
僕は目をつむり、全神経を扇子に集中させる。
「唐沢未来よ 此の場から神山陵の家である神社へと移動せよ 急々如律令」
急々如律令?
これは確か安倍晴明が使っていた術の言葉のはず…
すると、僕たちの持っていた道具が光りだし、その光が未来さんを包んだ。
やがて光は濃くなり、未来さんは見えなくなった。
光が消えると、未来さんはいなくなっていた。

「優くんのもとに無事に届いたって。成功ね」
葵はにっこり笑った。
「ほんならあとは、聖にメッセージを送るだけやな」
さくらさんは腕を組んで言った。

39:Яui:2013/12/19(木) 20:06 ID:/wY

>>37 美玉さん
ありがとうございます!
そんなっ
尊敬だなんて…
ぜひぜひ
また来てください!!

40:Яui:2013/12/19(木) 20:23 ID:/wY

〜聖side〜

俺は今、寝られなかった。
陵たち、今頃どうしてるだろうな。
あ、もう神山陵じゃなくて時雨様だな。
その時、俺の頭の中に声が響いてきた。

〈聖先生、聞こえますか?〉

これは、神ア葵の声か?

〈そうです。神ア葵です。先生にメッセージがあります〉

わざわざ術を使ってくるとは。
ま、確かに直接会ったら何されるかわからないしな。

〈ふふふっ。では、本題に入りますね〉

そうだったな。

〈はい。いまから2時間後の午前3時に、陵くんに時雨の記憶を戻したあの場所に来てください〉

決選ってことか?

〈いいえ。聖先生にとって嬉しい知らせです。私たちにとっては…〉

そういうことか。
じゃあ、2時間後にな。

〈はい。では、待ってますから〉

そこで声は聞こえなくなった。
嬉しい知らせか。
ついに時雨様の願いがかなうときが来たか!

41:Яui:2013/12/19(木) 20:24 ID:/wY

決戦の字が間違ってました
ごめんなさい

42:Яui:2013/12/19(木) 20:48 ID:/wY

〜葵side〜

私達が来てしばらくすると、聖先生がやってきた。
今の私はいつもの私とは違う。
髪をポニーテールにして、扇子を握り締めている。
「嬉しい知らせってなんだ?」
聖先生は、にやりと笑って聞く。
「陵くんの事よ」
私は堂々と答えた。
「陵くん、聖先生のところに行きたいんですって」
「俺が予想していた中で二番目にいい知らせじゃないか!」
聖先生の顔がさらににやけた。
一番はたぶん、未来が舞を舞うことなんだろう。
「はい。今は龍羽くんの式神で記憶を封じていますが、それも長くは続きません。記憶が戻れば、未来さんたちを傷つけるかもしれません」
陵くんは下を向いて手を握り締め、震えていた。
「ただし、ひとつだけお願い。記憶はできるだけ戻さないで。陵くんは、精神的にかなりきついみたいだから」
聖先生は顔を少しくらませたが、また戻って
「わかったよ」
と言った。
「それから、例の式神もだ」
やっぱりそう来たか。
「先生は願いを聞いてくれた。だから、私たちも先生を信じるわ」
龍羽くんは陵くんに式神を渡した。
陵くんは、ゆっくりと聖先生の方に歩き出した。

43:Яui:2013/12/19(木) 21:02 ID:/wY

ビリッ
陵くんが聖先生のところにたどり着いた時、先生は式神を奪って破った。
陵くんがもだえ苦しむ。
「っ」
私は声にならない声を漏らした。
「俺がそんな願いを聞くと思ったか!俺を信じたお前たちがわるいん―」
私は少し笑顔になって、扇子を横に大きく振った。
陵くんがばったりと倒れた。
「!?」
「あんた、ばかちゃうか?うちらが何の作戦もなしに陵くんを渡すとでも思ったんか?」
「お前が式神を破るところも、全部予想済みだ」
「私たちを信じた先生が悪いのよ?」
私達は順番にいう。
「なに!?」
聖先生はあわてて道具を取出し、陵くんに駆け寄った。
ここまでは予想済みだった。
まさか、先生がそこまで力を持っていたなんて。
陵くんの体から、時雨の魂が抜けだし、時雨の形となった。

44:Яui:2013/12/19(木) 22:09 ID:/wY

「時雨様!」
聖先生は時雨の前にひざまずいた。
「ついに蘇ることができた!ところで、未桜はどこだ?」
時雨はにやりと笑う。
これが陵の中に入っていたとは思えない。
「未桜…未来はどこだ!」
聖ははっとして叫んだ。
「未来はここにはいないわ」
「陵の家かっ」
聖先生は考え込んでから、陵の体の上に手を置いた。
それから紙を取り出し、地面に置いた。
聖先生は光に包まれ、消えた。
まさか、未来を移動させたときに使ったの術を?
陵くんの力を使ったんだ!
私は目をつむり、優くんと連絡を取った。

『優くん、大変なの!』
〈どうしたんですか?〉
『聖先生ってわかる?』
〈確か、兄さんの学校の先生でしたよね〉
『ええ。その先生は、未来を狙う黒幕のパートナーなの!』
〈えっ〉
『さらに、悪いことに聖先生は優くんのところに向かっているわ』
〈ええっ〉
『どうにかして未来を守って。お願い!』

時雨が言葉を唱えている。
まさか、術を使えるの!?
あ、陵の体にいたからっ!

『ごめん。お願いね』
〈ちょっと、葵さん!?〉

私はそこで、通信を終わらせた。

45:Яui:2014/01/03(金) 02:52 ID:s/M

※優は生きてます

46:都:2014/03/31(月) 12:35 ID:ZRo

わぁー・・・すごい上手だね。
あっ初めまして・・・だね。
あたし、都。時々感想送るね。


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