【黒バス】愛しさは花火のように儚くて。

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1:碧海なぎ(千鶴) ◆KISE:2014/02/25(火) 20:19 ID:ez-lSg




『影は、光の元にいなきゃダメなんです、』


その言葉を
彼が耳にした時は
もう僕の隣に、
君はいなくて。


『さよならも言えずに素直になれなかった自分に腹が立ちます』


差し伸ばされた手は
彼とはまた
違った手で、
特に温かみもなく、
この心が癒される
ことなどなかった。


『――黒子、』


愛しい君の声が、
どんどん
遠ざかっていく。



“会いたい”



その気持ちは
あまりにも儚くて。







.....Kagami×Kuroko

2:碧海なぎ(千鶴) ◆KISE:2014/02/25(火) 21:33 ID:ez-0PI


■first message


初めましての方、黒子んにちは。
お久し振りの方、お久し振りです。

千鶴改め、碧海なぎと申します。


今回も黒バスという訳ですが、内容はBLとなっておりますので苦手な方はお引き取り願います。
尚、長引けば長編、終わりそうであれば短編集となりますのでよろしくお願いします。

※リクエスト随時受付中

3:碧海なぎ(千鶴) ◆KISE:2014/02/25(火) 21:45 ID:ez-hK2



『火神君っ……』



神無月の半ば頃、
突然君は姿を消した。



『どうしてっ……』



残されたのは、
傷跡がついた机の上に
置かれた一枚の手紙。

開けようとしても
手が震え、目が霞み、
開けようにも
開けられない。



『僕がもっと素直だったら……!!』



可憐な花よりも
ちっぽけな存在の
僕は、嗚咽と涙が
止まらなくて、
ただただ自分ばかりを
責めてしまう。



『黒子っち…』



新たに手が
差し伸ばされるも、
何故か否定してしまう
自分がいて、
取ろうとしても
なかなか届かない。


それは、まだ僕に、






未練があるから。

4:碧海なぎ(千鶴) ◆KISE:2014/02/26(水) 21:00 ID:ez-lSg



『あんまり自分を責めちゃ駄目っスよ…』


そんなこと
言われたって、
どうにも自己嫌悪
してしまい、



“僕に欠けていたものは何か”



とか、奥深く
考えてしまう。
それは自分の為
とかじゃなくて、
全部、全部、
愛しい火神君の為。


『黄瀬君…、』


乗り換えちゃ
いけないことくらい
当に分かっているのに。
体は、心は、
全て嘘つきだ。


『無茶苦茶、痛いです……駄目だって分かってるのに、体が勝手に動いてしまう…っ』


それなのに、
黄瀬君にすがり
寄ってしまうのは、
どうせ自分の為。
少しでも痛みを
和らげたくて、
人に頼ってしまう。
まだまだ子供だろうと
痛みと共に痛感した。


『黒子っちっ…、全部一人で何もかも背負わないで……その痛み、俺にも分けて…?』


差し伸ばされた手に
差し伸ばした手。
取ろうとした手に
取ってくれた手。
そのどれもが
温かくて、
オブラートに包む
黄瀬君の温かみが
体へと、心へと
伝っていく。

5:恋嶺:2014/02/27(木) 17:36 ID:.3E

これいです。

感動しますね…

6:碧海なぎ(千鶴) ◆KISE:2014/02/27(木) 19:51 ID:ez-Y/A



>>15】恋嶺さん


とりあえず感動ものにしたいな、と一番書きやすい光コンビを選ばせて頂きました。
お褒めの言葉として受け取らせて頂きますね。

有難うございます。

7:碧海なぎ(千鶴) ◆KISE:2014/02/27(木) 23:07 ID:ez-hK2



熱い。
まるで、舌でゆっくりと
溶かしていく
チョコのように
体中が
とろけるようで熱い。


「黄瀬君…、ごめんなさい……」

「何で謝るんスか…」

「黄瀬君のものでもない、僕のようなケガレは嫌でしょう?」


つまり、
使い捨ての服より
新品の服という
理屈になる。
“隣”がいない今、
僕はただの独り身だ。


「正直、黒子っちが火神っちの隣って考えると俺も痛ぇっスわ…」


それは陽炎かつ、
風に揺れる
木々のようで、
溢れる涙を堪える
限界も超え、
もう既に最頂点に
到達していた。

8:碧海なぎ ◆KISE:2014/02/27(木) 23:45 ID:ez-0PI



>>6】訂正


今気付きましたが>>15ではなく>>5
光コンビではなく火黒、もしくは誠凛ルーキーコンビですね。(火黒黄の可能性大)

申し訳ありません。

9:碧海なぎ ◆KISE:2014/02/28(金) 00:45 ID:ez-lSg




「ごめんなさ――」

「だから、」



未熟な口から
零れる言葉を
遮ったのは、良策。
次に零れ落ちる
一粒の水玉は、
時の偶然ではない。



「火神っちが戻ってくるまで、俺が黒子っちの隣になる」



決行された意思は
しどろもどろでなく、
その瞳に込められた
力強い想いを
アートのように
表される。



「僕は…本当にいけませんね」



いけないと
分かってるのに、
今度は自らの手を
差し伸ばしてしまい、

いけないと
分かってるのに、
自身の気持ちを
圧し殺してしまう。


彼も同じだ。
いけないと
分かってるはず。

なのに、

一定の安堵のため、
僕のために、
一番良い方法で
壊れかけたピースを
端から順番に
直していく。



「火神君が帰って来たら、合わせる顔がありません…でも――」



これだけは、
胸張って言える。
それは、もしかすると
妬いてしまうかも
しれない。


けれど、


“今でも君が好きです”


なんて言葉、
嫌がるはずがない。
だって僕は、
火神君の隣だから。

10:碧海なぎ ◆KISE:2014/03/05(水) 22:20 ID:ez-J/6



――翌日。



「ん………」


目に焼き付くような
朝日が照らし、
遮光など意味もなく
ただ全開された
カーテンが風で
靡くように
爽やかな風が流れた。


「黒子っち、おはよう」


目の前には
夢で出てきた
騎士がいて、
昨日の出来事が
嘘みたいに
蘇ってくる。


「おはようございます」


だけど、

やっぱり
僕のしている行動は
嫌気がさして
光を思い出す度に
胸がじん≠ニ
痛くなるのが分かる。

11:碧海なぎ ◆KISE:2014/03/10(月) 21:39 ID:ez-ZBY



「黒子っち、」

「すいません。僕……やっぱり行きます」


唐突な言葉
足らずの
その言葉を相手は
どう捉えたかなんて
僕には何の
関係もなく、
無意識に僕の足は
一戸の扉を淡々と
越えていた。


「ちょ……黒子っち!?」


やっぱり

という言葉は
僕だけが知っていて
未知の世界の
言葉である。
それは、
とてもとても短い
儚い夢の物語。


『――――黒子』


夢に出てきたのは
愛しい彼で、
彼を際立たせる
周りの黒い影が
彼を吸い込むように
夢の中から
すっ、と消えてしまう。


『火神君…?』


追いかけても、
追いかけても、
先に見えるのは
大きな壁。
まるで僕らを
遮るように立てられた
その壁は硬い鋼鉄で
出来ていて、
愛の熱さだとか
そういった非現実的な
衝動でも前には
進めない。

12:碧海なぎ ◆KISE:2014/03/12(水) 12:52 ID:ez-RbM



『火神君っ…、』


進めようにも
進まない僕の足が
百花繚乱、無数の糸で
絡まってしまいそうに
なった時。


「黒子…?」


そして僕は悟る。

嗚呼、僕の身に
何かしらの
厄(わざわい)が
起きた時、
助けてくれるのは
いつも彼≠セと――


「火神君っ、火神君っ……!!どこに行ってたんですかっ…!」


哀しみと、
嬉しさで溢れる
涙が止まらなくて、
それ以上に喉元から
押し上げてくる
嗚咽が予想以上に
激しくて。


「ワリィ、黒子……お前との距離を取らなくちゃ、って思ってタツヤんとこ行ってた……」


だけど、


突然姿を消した彼を
いつまで経っても
恨めないのは、
きっと僕が
彼を感情で
圧し殺してしまうくらい
愛しているから。

13:碧海なぎ ◆KISE:2014/03/12(水) 14:50 ID:ez-dcU



「本当に君は馬鹿正直ですね…」


君が本当のことを
言うから、
僕は偽ることが
出来なくなってしまう。


「……はっ、馬鹿正直なのはお前もだろ」


というのは戯言で、
君が本音を
口にするまで、
嘘はついちゃいけない
って自然と
そう思うんです。


「そうですね」


君の見せる笑顔は
どこまでも儚くて、
自然さを物語っていた。
いつまでも
その笑顔が
僕のものであり、
ずっとずっと永遠に、




君の隣≠ナ
見ていられますように。

14:碧海なぎ ◆KISE:2014/03/12(水) 14:55 ID:ez-xMo




これにて火黒は以上となりますね。


【まとめ】

「Kagami×Kuroko」

>>1
>>3-4
>>7
>>9-13

15:碧海なぎ ◆KISE:2014/03/12(水) 15:42 ID:ez-lSg




『待ち遠しかった。なのに何で…こんなに胸が痛むんだ』


それは念願の
思いだったはず。
それなのに、
こんなにも
胸が痛むのは
どうかしてるって
思ってた。


『こんな思いするなら、躊躇わずに言っておけば良かった』


遠慮すれば
何もかもが上手く
いくだろう。
そう思って
無理矢理留めた声。



だけど、



何故か逆効果で。
気付いた時に
あの人は俺の傍から
姿を消していた。









....Imayoshi×Hanamiya

16:碧海なぎ ◆KISE:2014/03/18(火) 18:42 ID:ez-lSg



『なぁ、花宮』

『ンだよ』

『何でそんなぶっきらぼうな顔してるん?もっと笑顔でいこうやー』

『…るせっ、』


俺とあの人が、
音信不通になるまでの
約18日間。


『ワシ、あともうちょっとで卒業やで?寂しくないん?』

『……別に』


俺のあの人に
対する態度は
いつも適当で、
例えどんなに
興味の沸く
言葉でも必ず
一言で返していた。


『可愛くない奴やなぁ』

『余計なお世話だ』


徐々に話していく
内に心の中の
俺は、きっと
気付いていた。



“強がってるんだ”



俺が寂しそうな
顔をしたり、
寂しそうな発言を
することを
俺はあの人に
見物させたく
なかったから。

だから、

態度自体、
冷酷のままであった。

17:碧海なぎ ◆:2014/04/07(月) 22:20 ID:ez-ZBY



『なぁ、花宮』


今日もこの一言から
全てが始まる。


『……なんですか』

『寂しくないん?』

『別に……』


あの人がする
質問はいつも
こんな質問ばかりで
終いに飽きてくるのが
俺の性(さが)。


『ふーん…ワシは寂しいで?』

『何で疑問文なんですか…アンタが寂しくても俺の気持ちは変わりませんよ』

『いいや』


そして、


その人はまるで
俺の未来を
見透かすかのように
あだ名を元とする
サトリ(悟り)を
し始めた。


『お前は別れを惜しむ…絶対にな』


誰がいつ、
そんなことを
言ったのか。
思ったのか。
きっとこの時点で顔に



“行かないで”



と書いていたのかも
しれない。
しかし今の俺に
本音など、
知る由もなかった。

18:碧海なぎ ◆:2014/05/14(水) 20:35 ID:J/6



それから
一日、一週間、
一ヶ月と過ぎ、
季節はとうとう
春になった。


『なぁ花宮。知っとるか?春は出会いと別れの季節っちゅうねんで』



出会いと別れの季節



そんなことアンタに
言われなくても
当に俺は知っていた。

それに、

どうせアンタは
聞かなくても
分かっていたはずだ。

なのに、

どうしてアンタは
そんなことを聞く?
一体アンタは、


『アンタは…何を企んでるんですか』


落ち着いた
俺の声にいつもと
変わらない表情で。


『別に、何も企んでへんよ』


その声は、どこか
寂しそうだった。

夕陽が射し込む
教室に在るのは、
俺とアンタと


存在している


黒い影のみ。
そんな心地よい空間で
自然と俺の口から
哀れみという名の
迷言が零れた。



『春は俺の心を惑わす誘惑の季節――』


その言葉に別に、
深い意味などない。


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