【ポケモン】気まぐれ少女のポルト地方一人(と6匹)旅【一部オリジナル】

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1:ウインディは俺の嫁:2014/05/31(土) 18:25 ID:Ix6

こんにちはorこんばんは
今回はポケモンの二次創作小説を書かせて頂きます
ゆるりとお付き合いください

☆オリジナルの地方、キャラクターが出てきます。ポケモンはすべて既存の物を使わせて頂きます。

☆荒らし(暴言、なりすまし、喧嘩、度の過ぎた雑談、その他迷惑行為)は規制依頼をだします。

☆昔他サイトで連載していた物の続編になるため、主人公が最初から割と強いです。
その為バトルシーンは控えめに旅の様子が主になります。
「主人公無双とか許せない!」「バトルシーンしか興味無い!」そんな方は閲覧を控えた方がよいかと思います。

>>2 主人公、世界観設定

2:ウインディは俺の嫁:2014/05/31(土) 18:29 ID:Ix6

◎主人公設定◎
名前はリリアン=ラット(本名はリリィ=ブラント)
年齢は17歳
出身はホウエン地方

容姿は胸までの黒髪、目は黒っぽいグリーン
白い膝丈のワンピースに白いケープと白いパンプスを着用している

性格は至って気まぐれで飄々としている
意外に好奇心旺盛
ポケモンはバトルより育てて可愛がるのが好き

手持ち
ウインディ♂:クッキー
最初のパートナー
ガーディの時に幼い頃森で野生ポケモンに襲われた時に助けてもらったのが出会い

ラプラス♀:ゼリー
ジョウト地方で怪我をしているのを保護し仲間になった
おっとりしている

チルタリス♀:わたあめ
ラプラスの背中で日向ぼっこするのが好き
チルットの時に友達と交換してGETした

サーナイト♂:マカロン
お母さんのエルレイドの卵から孵ったラルトスが成長した
メガ進化が可能

ゴーゴート♂:シュガー
メークルの時にお父さんがカロスに出張した時のお土産に貰った
貴重な移動手段

メリープ♀:はちみつ
最近捕まえたばかりでまだ弱い
子どもだからか少しわがまま
モコモコが可愛いとよく抱っこされている

その他設定
親は有名な商人だが、なるべく親の威光に頼りたくないと偽名を使っている。
父親がカロス出身。
ポケモンバトルも一応得意だが戦わせるより可愛がる方が好き

◎世界設定◎
ポルト地方
面積のほとんどが海に面しており、沢山の港が点在している貿易が盛んな地方
海賊とも上手く共存している平和な地方だったが、ホウエン地方で野望を砕かれたアクア団の残党が悪さをしており問題になっている。

・技やレベルはアニメ式でレベル無し、技上限なしです
・何か設定で疑問に思ったこと、意見等はいつでも募集しています。

3:ウインディは俺の嫁:2014/05/31(土) 18:39 ID:Ix6

序章「オーキド博士の頼みごと」

「で、私に頼みごとって何なんです?」
カントーのマサラタウンにあるオーキド研究所。
私はそこで腕組み&足を組むという何とも偉そうな態度で、かの有名なオーキド博士と向かい合って座っている。

「これこれ、女の子がスカートで足を組んだりしてはいかんよ」
「これは失礼。で、本題を」

オーキドの注意に口上では謝るが足は戻さない。
自分でも失礼な事をしているのは分かっているが、長旅に疲れて久しぶりの実家でまったりしているのをはるばるカントーまで呼び出されたのだ。
不機嫌から少しばかりふてぶてしい態度になっても仕方ないだろう。

「うむ、何というか…噂通りの人物だな。まあそれはいい、話を始めよう」

オーキドもその辺りに引け目はあるらしい。
それ以上態度については口を挟むのを諦めた。

「実は、君に急遽ポルト地方へと行ってほしいのじゃ」
「ポルト地方…? ああ、確か貿易と海賊の国ですよね」

ポルト地方の事は商人の父から何度か聞いていた。
確か貿易が盛んで港町が多いからか海賊も珍しくなく、賑やかで平和な地方らしい。

「なぜホウエントレーナーの私を呼び出してまでポルト地方に? 」
「それなんじゃがな…最近ポルト地方でアクア団を名乗る者たちが暴れて問題になっておるらしい」

アクア団、その名を聞いた途端自分の眉間に寄ったのが分かった。
少し前にホウエン地方で問題を起こしていた組織だ。私も何度か接触した事がある。
勇敢な少女に壊滅させられたと聞いていたのだけど。

「…残党ですかね?」
「恐らくそうじゃろうな。それで君に詳しい調査を頼みたいのじゃ。アクア団との接触がある君ならカントーのトレーナーよりずっと適任じゃろうと思ってな」
「なるほど…ふぅむ」

顎に手を当てじっくりと考えこむ。
その情報が確かならば放っておける訳がない。下手すればホウエンの評判、つまり外交に関わるとなれば商人の娘としては無視できない。
しかし今はホウエン一周の旅から帰ったばかりでクタクタだ。
しばらくは家でのんびりしていたい。
どうするかな…

五分後、ようやく考えが纏まった私は溜息を一つ吐いて答えた。

「わかりました、そのお話引き受けましょう」

4:ウインディは俺の嫁:2014/05/31(土) 18:46 ID:Ix6

序章 あとがき
始まりのきっかけです。
イラついてるけど育ちがいいから一応目上のオーキドにつっかかれなくてとげとげしいのか礼儀正しいのかよく分からない態度になってるってのを表現したかったんですがどうでしょう?(笑)

5:ウインディは俺の嫁:2014/05/31(土) 19:24 ID:Ix6

うーん、何だか私が作品を投稿したことでご迷惑をかけたようですね…。
私としては「一ヶ月くらい筋書きで悩んでたら何かポケモン作品増えてるけど別に葉っぱに同じ作品の二次創作投稿しちゃいけない決まりないしいいや」って感じで投稿したんですが、迂闊でしたかね。
いくらぐだぐだと言い訳したって後から投稿したのは間違いなく私ですし、先行者様達が不快だと思われるならば削除します。

6:白猫◆9tk:2014/05/31(土) 19:33


別に、作者様の作品を否定しているわけではないんですけど…私の言い方が悪かったですね(笑)
理由を話して下さるんでしたらいいですよ最初の方にも「ほかのサイトで連載していたものの続編」と書かれていますし…。私もじつは、ほかのところで更新していた小説を載せてるんです。
…とまあ、解除、まではいかなくても大丈夫ですよ。

>>5

7:ウインディは俺の嫁:2014/05/31(土) 19:45 ID:Ix6

>>6
いえいえ、自分の後から同じ作品の小説がぞくぞく出てきたら誰だってもやっとしますよね。私の思慮が足りませんでした。
白猫さんも他サイトで書いてらっしゃるんですね。いつか巡り会えるのを楽しみにしておきます。
でもよかった、削除しろって言われたらもう書いちゃってた小説の続きどうしようって思ってました(笑)
ともあれ許可(?)ありがとうございます。精一杯頑張ります。
白猫さんのセピアも更新楽しみにしてます。

8:ウインディは俺の嫁:2014/05/31(土) 21:12 ID:Ix6

一章「船旅」

ゆらゆらと穏やかな波に揺れる船の甲板の上は柔らかい潮風が吹いている。
その潮風を浴びてキャモメの鳴き声を聞きながら遠い海を眺めぼんやりと考える。
ホウエンの海も綺麗だがやはり本場は違う。
澄み切った美しい海に本日何度目かで見惚れていると、背後から声を掛けられた。

「ようお嬢ちゃん、そんなに覗き込むと落ちちまうぞ〜!」

少しからかう様な声に振り返ってみると大柄な初老の男性が一人こちらに歩いて来る。
服装からするに恐らく船員の方だろう。
とりあえず軽く微笑み会釈する。
こういうのは上品に、愛想よく振る舞うのに越した事は無い。
商家に伝わる伝家の宝刀、ザ☆猫かぶりだ。

「お嬢ちゃんここらじゃ見かけない雰囲気つーか顔立ちだが…どこから来たんだい?」
「ええ、カントーからですわ」
「カントー!? そりゃあ長旅だな!」

正確にはホウエンからなのだが船が出たのはカントーからだからあながち嘘ではない。
船員さんには悪いがこの世界、どんなルートで情報が伝わるか分からないため下手に情報を漏らすのは好ましくないのだ。
小さい頃から父に商人の心得としてそう教え込まれた為、情報に関しては特に注意を払っている。

「ヘェ〜、それで行き先は確かレイリタウンだったよな? あんななにもない田舎に何しに行くんだ?」
「親戚に会いに行くんですの」

これも間違いではない。
私の父の家系はカロス出身でその両親、つまり私にとってのおじいちゃんとおばあちゃんは今ポルトに移り住んでいる。
ポルト地方への上陸の際にポルトの大都会リースンシティでは悪目立ちしてアクア団に気づかれるかもしれないとド田舎であり、祖父母が住むレイリタウンへの上陸となったのだ。
実際祖父母へも会いに行くのだから嘘ではない…はず。

「そうか、いい休暇になるといいな。 ほら、見えて来たぞ、レイリタウンだ!」
「どうもありがとう。お話できて楽しかったわ」
「ああ、俺もだ。帰りこの船に乗ることになったら次は土産話聞かせてくれ!」

そう言って背を向けて歩き出す船員の背中を見送る。
意外にいい人だった。またどこかで会えると良いのだけど。
そう考え下船の準備をしようと部屋に戻ろうとした時、船員が思い出した様に振り返り言った。

「あ、そうそう! お嬢ちゃん、下手な猫っかぶりは辞めたほうがいいぜ! 自然が1番だ!」
「…!」

どうやら猫かぶりに気付かれていた様だ。伝家の宝刀、敗れたり。
まあ、冗談は置いといて、いつから気付かれていたのだろうか?
今まで騙されなかった者はいなかったのに…
彼は一体何者なのだろうか。
手を降って歩いて行く後ろ姿を呆然としばらく見つめていたが、答えは出なかった。

9:ウインディは俺の嫁:2014/05/31(土) 21:17 ID:Ix6

一章 あとがき
やっと物語が始まりました。
今回はまだ説明と伏線回で次からが本格的な冒険です。
リリィの猫かぶりを見抜いたおじさんは何者なのか?ご期待ください♪

10:ウインディは俺の嫁:2014/06/01(日) 01:25 ID:Ix6

二章「ポルト地方上陸」

「うぅう〜…疲れたぁ」

思いっきり背と腕を伸ばしてのびをする。
長い長い船旅もやっと終わり、ポルト地方への上陸が完了した。
このレイリタウンはポルト一と言って良いほどの田舎町らしく、私の他に下船しているのは貨物ばかりだ。
このままここにいるのも邪魔になりそうだし、地図を取り出し移動する。

「小さな町だし迷う事はないでしょうけど、結構歩くわね。よし、出ておいで!シュガー!」

モンスターボールを放りシュガーことゴーゴートを呼び出した。
体力が無い上面倒くさがりの私の主な移動手段だ。
日の光に目を細めているシュガーの背中に跨り合図するとゆったりと歩き始めた。

「のどかね。この辺りはまだアクア団の手が届いて無いみたい…ん?」

ふと、肩からかけていたバックの中で何かが動いた気配がした。
バックを開けてみると一つのモンスターボールがモゾモゾとうごめいている。
このボールはメリープ、もといはちみつだ。他のポケモンはボールに慣れているからおとなしいが、最近ゲットしたこの子はボールに慣れず外に出たがっているようだ。

「仕方ないな〜。出ておいで、はちみつ!」
「めー」

はちみつをボールから出してあげる。
ゴーゴートの上で私に抱っこされてる状況では不満かと思ったがそれで満足らしく、目を輝かせて周りを見回している。
すると案の定その二人を出したなら自分も出せと言わんばかりに他のボールが揺れ始めたが、ゴーゴートだけでもそれなりに目立つのに流石にラプラスやウインディを引き連れて歩く訳にはいかないだろう。

「ごめんね、後でちゃんと出してあげるからね。ちょっと我慢して?」

そう囁きボールを軽く指で押すと納得してくれたらしく、ボールはおとなしくなった。
その様子を見て安心し、バックを閉じるといつの間にかかなり進んでいた様で祖父母の屋敷が見え始めた。
およそ12年ぶりに会う祖父母に緊張したのか、嬉しくて心が踊っているのか。
屋敷に着く前にドキドキとなる心臓を何とか鎮めようとやきもきしており、ひっそり後をつけてくる影に気付く事ができなかった。

11:ウインディは俺の嫁:2014/06/01(日) 01:32 ID:Ix6

二章 あとがき
ポルト地方上陸です。
なんかポケモン小説なのにポケモン要素が全くなかったので申し訳程度にゴーゴートとメリープを登場させました。
それから、次からが本格的な冒険回とか言っておいてまだ全然冒険回じゃなかったです。
しばらく下準備にお付き合いください。

12:ウインディは俺の嫁:2014/06/01(日) 14:05 ID:Ix6

三章「祖父母」

古びたレンガ作りの屋敷の前、リリィは深呼吸を繰り返していた。
ドキドキの正体はどうやら緊張だったらしい。嫌な汗がじっとりと滲んでくる。
頭の中をぐるぐる渦巻く不安を振り払い、やっとの思いでドアノブを掴んだ。

「す、すいませ〜ん…」
「あらあら、待ってたわ。いらっしゃいリリィちゃん。 私のこと覚えてるかしら?」
「えと…おばあちゃん?」
「ええ、そうよ。貴女の祖母のリアンよ。久しぶりねぇ」

屋敷の奥から出てきた穏やかな微笑みを浮かべる老婦人…祖母のリアンに内心ホッと息を吐いた。
事前に連絡を入れてはいたが突然押しかけた様な物だ。もし煙たがられていたらどうしようかと道中ずっと不安だった。
この様子ならば大丈夫そうだ。少し緊張が解けた気がする。

「うん、久しぶり。…おじいちゃんは?」
「そうだったわ、ちょっと待っててね…。あなた〜、リリィちゃんが来ましたよ」

そう呼ばれて奥から出てきたのは厳格そうな老紳士だった。
その鋭い眼光に自然と背筋がしゃんと伸びる。
ゆっくりと、それでいてしっかりし足取りでリリィの目の前まで歩いて来た老紳士は口を開いた。

「よく来たねリリィ。おじいちゃんのレオンハルトだ。ゆっくりとしていくといい…」
「うん、おじいちゃんも元気そうでよかった。久しぶり」

先程までの威圧感が嘘のように柔らかい口調で語りかけてくる祖父。
鋭い眼光を放っていた目も綻び優しい目でリリィを見ている。
祖父の記憶はぼんやりとしか残ってなかったが、とても優しく穏やかな人なのに顔が恐いせいでいつも恐がられていた気がする。

「長旅で疲れたでしょう? さあ上がって、ポケモンちゃん達も休ませてあげましょう」
「う、うん。お邪魔します!」
「数日間滞在するとの話だったから客間を用意したよ。ゆっくり寛いでくれ」
「ありがとう、しばらくお世話になります」

たわいもない話をしながらリアンに屋敷の中を案内される。
老夫婦二人暮らしだからなのか調度品等は少ないが、家具はどれも高い値打ちがつきそうな物ばかりだ。
ホウエンとは雰囲気の違う家具や屋敷の作りが珍しく、夢中で見回していると不意にリアンが立ち止まった。

「さあ、ここが客室よ。自由に使ってちょうだいね。ご飯ができたら呼びにくるから、それまでゆっくりしてるといいわ」
「うん、ありがとうおばあちゃん」

案内された部屋は窓から町と海が一望できる広めの部屋だった。
おそらくポケモンをボールから出して休ませられるスペース確保だろうか、家具はベッドとクローゼットにドレッサー、テーブル&ソファーと簡素な物だった。
まあもちろんそれらも見た感じかなり高価な代物だが。

「うーん、とりあえず最初の一歩は上手く行ったわ。これからが大変なんでしょうけど…ああ、そうだったわね」

ずっとボールに入れっぱなしだったこの子達も休ませてあげる必要がある。
モゾモゾと騒がしいバッグを開いてモンスターボールを取り出して全て放り投げた。

13:ウインディは俺の嫁:2014/06/01(日) 14:12 ID:Ix6

三章 あとがき
祖父母のリアンとレオンハルトの登場です。
最初は二人をすっごい嫌な奴にしてリリィがいびられる話にしようかと思ったんですけど、話変わっちゃうし尺の都合でカット。

14:ウインディは俺の嫁:2014/06/01(日) 18:10 ID:Ix6

四章「パートナー達」

「みんな出ておいで!」

空中に六つのボールを投げるとたちまちリリィのポケモン達が飛びたして来た。
ウインディのクッキー
ラプラスのゼリー
チルタリスのわたあめ
サーナイトのマカロン
ゴーゴートのシュガー
メリープのはちみつ
以上がリリィのパートナー達だ。
ニックネームがみんなお菓子なのはご愛嬌。

「みんなお疲れ様、しばらくゆっくり休んでね〜」
「ガルルっ♪」
「うわっ! クッキーったら、もう!」

やっとボールから出れたクッキーが甘えるようにじゃれてきた。
もう十年の付き合いになるが彼の甘え癖は全然治らない。
懐いてくれているのは嬉しいがこの巨体では押し潰されるのではとヒヤヒヤしてしまう。
でもこればかりは仕方ないとわしゃわしゃ頭を撫でてやると少し満足したらしく、拘束が緩んだ。
その隙に素早く抜け出し荷物からポケモンフーズを取り出して分け始めると、お腹が空いていたのか諦めてくれたようだ。

「今日はホウエンのフーズだけどせっかくポルト地方に来たんだからポルトのフーズが食べたいよね〜」
「きゅー」

返事を返してくれたラプラスをなでながら今後の予定を考える。
とりあえずは数日間ここに滞在して準備を整えなければ。
アクア団の情報収集や旅に必要な道具の準備、気候や食事もこちらの物に慣れなければいけないしポルト地方を巡るルートも考えておかないと。
やることが山積みで自然にため息を吐く。
気分転換がてら山積みの問題を少しでも減らしておこうとフーズを食べ終わったポケモン達をボールに戻して部屋を出た。

「あら? リリィちゃんお出かけ?」
「はい、少し町を散歩してきます」
「分かったわ。暗くなる前に帰って来てね」

少し心配そうなリアンに頷き、屋敷を出る。相変わらずのどかで良い天気だ。
確か地図にポケモンセンターの位置も載ってたはず。
フレンドリィショップで必要な物の買い物を済ませておこうと思い、地図を取り出すためバッグを探っていた時だった。

「おい! そこのお前!」
「え? わ、私?」
「お前だよ、そこの黒髪!」

突然乱暴に呼び止められてたじろぎながらも声のした方に近づいてみる。
見たところ15歳程の少年が腕をくんでこちらを睨んでいる。
この町の住人だろうか? 何にせよあまり穏やかではない雰囲気だ。
とりあえず呼び止めたと言うことは用があるのだろう。話しかけてみる。

「どうも。何か御用?」
「何か御用? じゃねえよ! お前のせいで俺のプライドはズタボロだ! 」
「え、えええ…。私何かした?」
「つべこべ言わず俺の名誉回復の決闘だあ! 」

唐突すぎるいちゃもんに意味も分からず目を白黒させる私にお構いなしで、少年はモンスターボールを握りしめ決闘を申し込んで来た。

15:ウインディは俺の嫁:2014/06/01(日) 18:14 ID:Ix6

四章 あとがき
手持ちポケモン達の紹介でした。
HNにもありますが私はウインディが大好きです。嫁にしたいです。
次はいよいよバトルが始まります。五話目にして初バトルってどうなんでしょうね。多分うちだけだと思います。

16:ウインディは俺の嫁:2014/06/01(日) 21:32 ID:Ix6

五章 「決闘」

海から吹き込む強い潮風が草を揺らしている。
何故か一方的に決闘を申し込まれた後、町の外れにある草原に連れてこられた。
そもそも初対面の少年に何故恨まれているのかさっぱり分からない。
初日から地元民に悪印象を与えるのは好ましくないとできるだけ愛想よく振る舞うつもりだったのだが、宝刀を抜く暇もなかった。

「よし、ここなら邪魔も入らねえ。思う存分暴れられるぜ!」
「あ、あのさぁ。決闘は良いんだけどせめて理由だけでも教えてくれな…」
「うるせー!そんなん俺に勝ったら教えてやる! いけピジョン!」
「ぴぎゃー!」

少年はこちらの話を聞く気は無いようで主にカントーやジョウトに生息しているポケモン、ピジョンを繰り出してきた。
さすが貿易の国。他の地方のポケモンも多いのだろうか?
とりあえずはこのいきり立つ少年を黙らせ事情を聞き出す必要がある。
ウインディのフレアドライブで仕留めてもいいのだけれどそれじゃあつまらない。

「…よし、行け!はちみつ!」
「めぇめぇ〜」
「メリープゥ? しかもまだ子供じゃねえか!バカにしてんのか!」

最近捕まえたばかりでまだ戦わせた事の無いはちみつを出してみる。
そろそろこの子も鍛えたいと思っていたからいい機会だ。
少年はというと何故か勝ち誇った顔をしている。
タイプ的にははちみつが有利だがそんなにあのピジョンは強いのだろうか?

「ピジョン、すなかけだ!」
「ぴぎゃー!」
「はちみつ、ずつきで砂を撒き散らしてそのまま攻撃!」
「めっ!」

ピジョンが飛ばしてきた砂をずつきで撒き散らしてそのままピジョンに突っ込む。
予想外の行動だったのか少年とピジョンは反応できなかったようで、まともにはちみつのずつきを喰らってしまった。

「ピ、ピジョン! 体制を立て直せ!」
「はちみつ、追撃ででんきショック! 相手のペースを取り戻させないで!」
「めー!!」

続いてはちみつにでんきショックを指示する。
しかしいち早く体制を立て直したピジョンに間一髪で避けられてしまった。
流石に一筋縄ではいかないようだ。

「よし、ピジョンかぜおこしだ!」
「ピィィィ!」
「はちみつ、もう一度でんきショックで対抗して!」
「めぇー」

ピジョンのかぜおこしにでんきショックを当てて相殺する。
技と技が激しくぶつかり合い爆風が巻き起こる。
始めて旅に出たばかりの頃を思い出す、張り詰めた緊張感とこみ上げてくる楽しさ。
もうずっと忘れていたことだ。

「もうすぐ日がくれるし、そろそろ終わりにしましょう? …メリープ、思いっきりずつき!」
「めーえっ!」
「くっ、ピジョン! こっちもつばさでうつだ!」
「ぴぎゃああああ!!」

二匹のポケモンが渾身の力でぶつかり合った。
体が小さいメリープがぶつかり合いに負けて吹き飛ばされる。
しかし、それと同時に相手のピジョンが崩れ落ちた。
勝負に勝った、ただそれだけなのに驚くほど清々しい気分だった。
…今まで勝つことが当たり前だった私には勝つか負けるかの勝負が新鮮だったのかもしれない。

「お疲れ様、メリープ。始めてなのによく頑張ったね」
「めー」
「ううう…この俺が負けるなんて…!」
「さて、と」

肩を落としがっくりしている少年に近づく。
何故私をそんなに恨んでいるのか、理由を聞き出さなければいけない。

17:ウインディは俺の嫁:2014/06/01(日) 21:37 ID:Ix6

五章 あとがき
初のバトル回でした。
自分で書いた上投稿しといてアレですが迫力や疾走感が足りない気がします。
戦闘シーン上手くなりたいなぁ…

18:ウインディは俺の嫁:2014/06/02(月) 13:08 ID:Ix6

六章「闘う理由」

「私は…リリアン、リリアン=ラット。君の名前は? まだ聞いてなかったよね」
「ロイ=アンダー…」
「ロイ、勝負に勝ったら決闘を申し込んできた理由教えてくれるんだったよね?」

うなだれる少年に自己紹介して名前を尋ねる。一応偽名で。
少年はロイと言うらしい。かなり凹んでいるところ申し訳ないが約束通りに喋ってもらう。
ロイはしばらくごにょごにょ言っていたがぽつりと呟いた。

「お前、ポケモンに乗って歩いてただろ…」
「え? ああ、確かに乗ってたけれど。歩くのめんどかったし」
「…俺が今まで町で一番だったのに、お前が見たこと無い珍しくて強そうなポケモン連れてたから…!」

成る程、だいたい読めた。
恐らくロイとピジョンはこの小さい田舎町では子供達のリーダー的存在だったのだろう。
しかしそこに私がピジョンより強そうなゴーゴートを引き連れてやって来たせいでプライドが傷つけられ、私を倒す事で尊厳を取り戻そうとした、そう言う事らしい。
しかしそこでふと気づいた。彼は見たところ15歳程でもう十分旅に出れる年だろう。
珍しいポケモンが欲しいなら探しに行けばいいし、手持ちも一匹だけだ。

「ねえ、君は旅に出てポケモン探しに行かないの?」
「はあ? 何言ってんだよ。俺まだ15だし旅とか危ないっつーの」
「…私は12で旅に出たわよ?」
「は、はあ!?」

話を聞いてみると、どうやらポルト地方には子供が10歳を過ぎたら自分のポケモンを持って旅に出る文化がないらしい。
他の地方では割と当たり前の事だからこちらも驚いた。これがカルチャーショックと言うやつか。
そこでホウエンやカントーの話をしてあげる事にした。


「ーーで、私が住んでた地方の辺りでは10歳を過ぎたら自分のポケモンを連れて旅にでるのよ」
「マジかよ…こっちじゃ考えられねぇ」

話を聞き終わりロイはただ唖然としている。
もちろん異文化の話が衝撃的だっのもあるのだろう。
ただその顔には落胆の色も浮かんでいる。
いつか大きくなって旅にでる事を夢見ていたのに、他の地方では俺より小さい子供が旅にでるのが当たり前だったなんてーーそんな事を考えてそうだ。
そんなロイを眺めていたリリィはいい案を思いつく。

「ねえ、君も旅に出たらいいじゃない!」
「なっ…! そんな事できるわけっ…」
「え〜? 私を倒すんじゃなかったの? 私これからポルト地方一周の旅にでるから、こんなとこでもたもたしてたら私が帰ってくる頃には君の勝ち目無くなってるんじゃない?」
「っ…!」

挑発するような口調で言ってみる。
思えば私にはライバルなんていなかった。
一人で旅立ち、一人で強くなり、一人で旅を終えた。
もちろんポケモンたちがいてくれたから寂しくはなかったが、それでも誰かと競い合い共に成長していくトレーナーを見ては羨ましく思ったものだ。
自分に闘志を燃やしているこの少年をうまく焚きつければいいライバルになってくれるかもしれない。
少年も夢が叶ってWinWinだ。

「ま、そんなに嫌なら仕方ないけど。それじゃあね、私旅の支度をしなきゃいけないから」
「だ、誰も行かないなんて言ってない! 今に見てろ、強いポケモン捕まえてお前を倒してやるからな!」
「ふふふ、楽しみにしてるから」

ロイはうまく挑発に乗ってくれたようだ。
肩を怒らせながら町へと走って帰って行った。
その後ろ姿を見送っていると、もう日が暮れかけていることに気づいた。
まあ、買い物はまた明日行けばいい。もっといい収穫があったのだから。
そう思い直し、リリィも上機嫌で町へと歩き始めた。

19:ウインディは俺の嫁:2014/06/02(月) 13:15 ID:Ix6

六畳 あとがき
ライバルの少年、ロイが登場しました。
ここで彼の軽いプロフィールを。

ロイ=アンダー
レイリタウンのガキ大将。15歳。
薄茶色の髪に青い目。そばかすがある。
負けん気が強くリリィに挑発されて旅に出る。
パートナーは今のところピジョンだけ。

20:ウインディは俺の嫁:2014/06/02(月) 19:24 ID:Ix6

うわー!誤字ってました>>19は六畳じゃなくて六章です!

それから、レス数20突破です!
まだまだ先は長いですが頑張りまーす!

21:ウインディは俺の嫁:2014/06/02(月) 21:40 ID:Ix6

やばいネタが尽きた…。
あとストックが一話しかありません。急いで捻り出します。

22:ウインディは俺の嫁:2014/06/03(火) 22:36 ID:Ix6

七章「お出かけ」

「ふっ…ああぁ〜」

ベッドから体を起こしてうんと伸びをする。
結局昨日買い物ができなかったし、今日こそは必要な物を買っておかないと。
いくらリアン達が優しいからといつまでも厄介になる訳にはいかないから早めに旅支度は済ませたい。

「さてと、着替え着替え…ん?」

パジャマからいつもの白ワンピとケープに着替えようとベッドから立ち上がると、部屋のドアの開く音がした。
部屋に入って来たのはサーナイトのマカロンだった。
なぜ部屋から出ているのかと疑問に思っていると、マカロンは一枚のメモを差し出してきた。

『リリィちゃんへ
おはよう、昨日はよく眠れた?
言い忘れていたのだけどおばあちゃんは今日は昼まで出かけています。
おじいちゃんはいるけど、ねぼすけだから昼まで起きてこないでしょう。
防犯の為にリリィちゃんのポケモンをお庭に放してあります。
ご飯はあげたから安心してね。
リアンより』

メモを読み終わり、そういえば寝る前にボールから出していたはずのポケモン達が見当たらない事に気づいた。
マカロンは外で遊んだり日向ぼっこするタイプじゃないから1人戻って来たのだろう。

「なるほどねぇ。それじゃあおじいちゃんを1人残して出掛けられないし…マカロン、今日は二人で買い物に行く?」
「…!!」

着替えながらそう聞いてみると、今まで仏教面を貫いていたマカロンの顔が驚きと喜びで溢れる。
この子は寂しがりやの割には控えめな性格で人や他のポケモンの前ではなかなか甘えてこない。
たまには二人きりにして思いきり甘やかしてあげようと思ったのだ。

「それじゃあお出かけの準備しましょうか。おめかししなきゃね」

そう伝えるとマカロンは嬉しそうに首を縦に激しく振り、旅行カバンの中からお出かけ用のポシェットを引っ張り出して来た。本当にかわいいやつめ。
二人で顔を洗って髪を梳かし、マカロンのポシェットにお小遣いと飴玉、お弁当のオレンとモモンのミニサンドイッチを入れてあげる。

「さ、じゃあ出発しましょうか!」
「♪ ♪ ♪」

早くも上機嫌のマカロンと屋敷を出る。
流石に何も伝えず出て行く訳には行かないので、庭を覗いて一番話の通じそうなシュガーを呼び、二人でこっそり出かける旨を伝えた。
シュガーはわかってくれたようで少し残念そうな顔をしたが、一度頭を擦りつけてくると何も無かった様に庭に戻って行った。
これがクッキーだったら間違いなく飛び掛かって来ただろう。

「これで良し。えっとポケセンの位置はっと…」

地図を取り出して確認する。どうやら町の中心付近にある様だ。
あんまり歩かなくてよさそうだと安心して地図をしまうと、にこにこしてるマカロンの歩調に合わせて歩き始めた。

23:ウインディは俺の嫁:2014/06/03(火) 22:42 ID:Ix6

七章 あとがき
サーナイト回です。
甘えん坊なのに控えめで、二人の時しか甘えてこないって可愛くないですか?私の好みドンピシャです。

それから、初っ端から根を詰めすぎてオーバーヒートしたのでしばらく更新遅くなります。
二日に一章は更新したい…


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