ボーカロイド曲の二次創作を書いてみる。

葉っぱ天国 > 二次創作 > スレ一覧 [書き込む] Twitter シェアする? ▼下へ
1:ちあ@◆y6:2014/09/13(土) 17:51 ID:oHU

はじめまして、ちあ@と申します。
主に小説板と交流板に生息しております
駄文を生み出す天才です。


今回は「ボーカロイド」の曲の二次創作を書いていきたいと思います。
駄文注意。


作者の勝手な解釈での制作ですので、
自分の世界を壊されたくない方はブラウザバックを推奨します。


基本、短編集。

2:ちあ@◆y6:2014/09/13(土) 17:51 ID:oHU











『金曜日のおはよう』












.

3:ちあ@◆y6:2014/09/13(土) 18:21 ID:oHU





キャラ名前出てないので、極力出さないようにしたいと思います。









「おはよう! おはよっ! おはようっ! ……おはよ?」


 洗面所の三面鏡には、顔を真っ赤にしながらひたすら「おはよう」と叫ぶ俺の姿が映る。
 母さんに白い目で見られたって、父さんに「邪魔」って言われたって気にしない。
 今日こそ、今日こそはあの子におはようって言いたい。
 8時7分に同じ電車に乗る、大好きなあの子に。


 多分、名前も覚えられてないけど。


 同じクラスの、彼女。
 金髪の二つ結びがチャームポイントの、彼女。


 好きになって結構経つけど、
 未だに挨拶すらできてない。
 話しかけるなんてこと、出来ないんだ。
 かなり前から挨拶の練習はしてたけど、
 挨拶どころか半径1メートルに自分から近づくことすらできない。
 ヘタレのなせる技、我ながら凄いと思う。




 「おはよう」のオーディションを終えた俺は
 三面鏡の中からスタイリング用のクシとワックスを取り出して、髪型を整える。






 「よし! バッチリおっけー……ってやっべ! 時間やべぇ!!」




 
 水道の横にかけられている時計が鏡越しに目に入り、
 焦りが俺の中にドッと生まれる。
 やばい、もう出ないと。
 8時の電車に乗らないと、会えない。
 急いでバッグを肩にかけて駅に走った。


 そのせいで軽く髪型が崩れてしまったけど手グシでなんとかなる。
 ギリギリで電車に飛び込むと、
 いつもの特等席に腰を落ち着けた。
 あの子が乗るまで、あと7分。

4:ちあ@◆y6:2014/09/16(火) 18:29 ID:oHU







 8時7分。
 俺が座る特等席から見てちょうど向かい側の扉が、
 開閉の際に鳴らすプシューッというような音を立てて開く。
 

 ごくり。息をのんだ。
 次の瞬間、彼女は隣の女子と楽しそうに話しながら電車に乗り込んでくる。
 あぁ、金色の髪の毛が揺れて。
 どうしようもなく俺の気持ちをかきたてるんだ。
 「おはよう」。それだけ。
 それだけを言うために、そのためだけに俺は朝、家族の冷たい視線を受けたんだ。
 今日こそはヘタレから脱出してみせる。
 





「……っ、あ、お、おは……っ」





 駄目だ。これは駄目な奴だ。
 どもってうまく喋れない。俺は初恋中の中学生か。
 いや初恋だけれども。
 俺が「おはよう」すら言えないで顔を真っ赤にして硬直していても、
 彼女はなにかを気にする様子もなく、
 隣の女子と談笑をしている。
 ……今日も、駄目か。
 

 震え交じりの俺の声は、
 今日も空気の中に溶けて行った。






 きっかけはシンプルでいいのに。
 挨拶、なんて普通のことでいいのに。
 祐希のテストを乗り越えなきゃいけない。


 俺、ほんっと意気地ねぇよなぁ……。
 逃げるなよ、俺……。

 

5:ちあ@◆y6:2014/09/16(火) 18:35 ID:oHU







 「おはよう!! おはようっ!! おはよ!!」






 ただいま、学校のトイレ。
 おはようのオーディション再び開催中。
 家族どころじゃなく、クラスメイトにも冷たい視線を向けられる。
 でもそれよりも、俺は勇気のテストを乗り越えなきゃいけない。
 ……頑張れ、俺。
 弱虫な自分に、勝て。






 今日は金曜日。
 今日を逃せば、二日会えないんだぞ。
 だから俺、頑張れよ。












 教室に戻ると、自然に君を目が探す。
 見つかった君は、大あくびをしていて。
 きっとそれは普通の人から見たらはしたない、なんて言われることかもしれないけれど。
 俺からしたら可愛くて、
 隙だらけで、
 なのにその隙をつけない自分がもどかしくて。
 結局見てるだけで満足しちゃってる俺がいる。






 って、駄目だって。






「……頑張らなく、ちゃ」






 そっと声に出してみた。
 幸い周りには聞こえていないみたいで、一安心だ。

6:ちあ@◆y6:2014/09/16(火) 18:45 ID:oHU













 ある金曜日、朝8時。
 二車両目、いつもの特等席には知らない女子が座っていた。
 ついてねぇな。
 ふと空を見上げれば、空模様まで泣きそうになっている。
 はぁ、なんてため息をついて幸せを一つ逃がしてしまえば、
 すぐに君のやってくる8時7分が訪れた。





 プシューッと音がして、扉が開く。
 待ってくれよ、心の準備がまだなんだ。
 なんて思っていても時の流れは無情で、
 君はいつもの女子と話しながら入ってきた。


 「雨降ってきたねぇ」なんて会話、俺にもしてくれないかな。
 なんて、こんなヘタレには無理ですよね。
 ドキドキ鳴ってる鼓動をほったらかして、
 言いかけてた「おはよう」と今日も飲み込んだ。










 







「……嘘だろ」






 授業が終わって、部活がないからと帰ろうとした時。
 俺は外の異常に気付く。
 雨、降ってんじゃん。
 傘持ってきてないのに。


 とりあえず弱くなってから駅まで走ろうと思い、
 昇降口の屋根の下で立ちすくみという名の雨宿りをしていた俺に、
 天使のひと声。







「……あのっ、傘をどう、ぞ」






 
 パッと顔をあげると、
 恥ずかしそうに下を向きながらごにょつく愛しい彼女。
 手元には可愛らしい星のストラップのついた、彼女愛用の傘が握られ、
 『それ』は俺に向かって差し出されていた。

7:ちあ@◆y6:2014/09/16(火) 19:57 ID:oHU











「あ、ありがとうっ!!」






 声は、震えていた。
 「おはよう」なら練習してきたけど、
 「ありがとう」は練習していなかった言葉。
 それが言えたんだから、おはようくらい頑張らなくちゃ。
 ……だって、二日会えないからね。






 いつもの電車の子と一緒の傘で急いで帰って行く彼女。
 その大好きな後ろ姿、
 いつのまにか見てるだけじゃ満足できなくなって。
 





「月曜日……、頑張らなくちゃ」






 そっと声に出してみた。
 もう小さい彼女の背中には届かないように、
 だけど自分には言い聞かせるように。

8:ちあ@◆y6:2014/09/16(火) 20:00 ID:oHU













 夢では、
 「おはよう!」
 「うん、おはよう! 今日もいい天気だね!」……なんて。
 自然に話しかけて、自然に会話ができるのに。
 現実でなんて、そんなうまくいかなくて。
 もどかしくて、辛くて、でも好きで。






 明日こそ、話しかけるから。
 勇気のテスト、乗り越えて見せるから。
 少しだけ、待ってて。

9:ちあ@◆y6:2014/09/16(火) 20:13 ID:oHU













「おはよう!! おはよ!! おはよっ!!」






 毎日の恒例行事となった、朝のおはようのオーディション。
 鏡の前で体を乗り出して、
 君がいることを想定して。


 おはよう、の一言でいろんな気持ちを伝えられるように。


 髪型をセットして、いつもよりも少し早く家を出る。
 余裕で8時の電車に間に合った。
 俺の片手には、彼女の傘。






 大丈夫。
 練習してない言葉でも、言えたんだから。
 練習しまくってきた「おはよう」なら、言えるはず。
 言えるはず。言えるはず。言えるはず。
 ……いや。






 言えるはず、じゃなくて、言うんだ。
 「おはよう」って。
 それから、「ありがとう」って。












 8時7分に君を待ってる。
 だって今日は言えるから。












 本当は「おやすみ」も言いたい。
 言いあって、気持ちよく眠りにつきたい。
 でも、ちょっと待って、俺。
 まずは「おはよう」から。
 「おはよう」は大好きな言葉、なんだ。




 だって、おはようのオーディションしてる時は。
 君に会えることを想像して。
 幸せな気持ちになれるからさ。


















 さぁ、8時7分。
 扉が開いて、君がいつものように入ってくる。
 目が、あった。






 
「あ……っ、おは、よう!」






 やっと、言えた。
 大好きな君と、目を合わせて。
 やっと、おはようって言えた。






「おはようっ!」






 恥ずかしそうに、うつむいた君。
 次の瞬間、君はパッと上を向いて。
 まぶしいくらいに、笑った。

10:ちあ@◆y6:2014/09/16(火) 20:15 ID:oHU













『金曜日のおはよう』 FIN













.

11:ちあ@◆y6:2014/09/21(日) 13:51 ID:AUI













『告白予行練習』












.

12:ちあ@◆y6:2014/09/21(日) 13:59 ID:AUI







「いきなりでごめんね……! ずっと前から、好きでした……っ!!」






 ドキドキ、ドキドキ。
 胸の音、やばい。
 君に聞こえてないかな……。












.

13:ちあ@◆y6:2014/09/21(日) 14:12 ID:AUI













 「……は!? え、えマジ……?」






 私の目の前で、
 顔を赤くして戸惑う男、瀬戸口優(せとぐち ゆう)。
 私の、好きな人。
 というか、幼馴染。腐れ縁。
 小さいころからずっと一緒にいるから、優は私の事恋愛対象でなんか見てない。
 ……私は、ずっとずっと好きなのに。





 だから、言ってしまって。
 関係が崩れるのが怖くて言えないで来た。
 今、言ってしまって。 
 やばい、どうしよう。
 





「な、なんてねーっ!! そんなわけないっしょ! ばっかじゃないの!?」






 やばい、やばいなんて思った末に選んだのは誤魔化し。
 バンバンと優を叩くと、
 優は「いってぇ!」なんて言って。
 なんだか複雑な顔をして、笑った。






「ねぇ優ー! 練習付き合ってよ!」






「しょーがねぇな。その代わり、ラーメン夏樹のおごりな!」






「やった! って、えー! おごりかよー!」






 そのあと、駅前のラーメン屋で私のおごりでラーメンを食べた。
 ……美味しかった。


書き込む 最新10 サイトマップ