【絶叫学級】〜黄泉と優美〜

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1:Ena:2014/10/09(木) 02:46 ID:B.A



「 優美…あんたは弱いのよ。 」
黄泉は優美を睨み付けた。

「 あんた…誰…。 」

遠のく意識を必死で我慢しながら
優美は言った。

「 神でもあり、悪霊でもある。
私は黄泉よ。 」

2:Ena:2014/10/09(木) 02:55 ID:B.A


「 黄…泉…? 」

呟いた途端、優美は血をドッと吐いた。
−滝のように溢れ出る血。

黄…泉…?
黄…泉様…。

優美の意識は完全に無くなってしまった。

「 …フフ。あの世へ行ってしまったのね。
私も行くわ。…フフ。また会いましょうね。 」

3:Ena:2014/10/09(木) 02:59 ID:B.A


黄泉は笑った。

『ニャー』と、猫の泣き声が
足元に聞こえた。

「 可哀想に。捨てられてしまったのね。
本当、人間て勝手だわ。

命は人間の命だけ大切にして…。 」
憎しみが隠ったような低い声で黄泉は呟いた。

そして、猫…黒猫を抱き上げた。

4:Ena:2014/10/09(木) 03:06 ID:B.A



1 迷宮

気付くと優美は知らない場所に立っていた。
セーラー服を着ていて、腹から下がなかった。

「 え…?なんで…。 」

切り裂かれたような自分の腹を見て
目眩がしそうな気がした。

「 ここ…どこ…? 」
優美は辺りを見回した。けれども誰も居ない。

−黄泉。
ふと、優美の頭にその文字が浮かんだ。

5:Ena:2014/10/09(木) 03:12 ID:B.A



そして…

優美は走った。
ここがどこなのか…今自分はどんな状況なのか…
気になって気になって仕方がなかった。

「 誰も…いない…? 」
優美は走るのをやめ、立ち止まる。
誰もいない。

青い鍾乳洞のような風景が目の前に映る。
ただそれだけだった。

6:Ena:2014/10/11(土) 06:08 ID:B.A



誰も居ないことがわかり、優美は泣いた。
静かな場所だった。

ただ、優美のシクシクという泣き声が響いているだけ。


「 誰か…助けて…。 」
優美は泣きながらそれを連呼した。

* * *
どのくらいの時間が経ったのか。
優美は泣き止んでいた。

7:Ena:2014/10/11(土) 08:29 ID:B.A



「 誰も居ないの?… 」
優美はまた泣きそうになる。

その時だった。

「 優美…!優美ィィ…!! 」

声が聞こえた。

声は優美の名前を連呼していた。

8:Ena:2014/10/11(土) 08:32 ID:B.A


この声は…と、優美は聞き覚えのあるように思い出そうとした。

誰?誰なの?

私を必死で守ってくれた…。思いやりがあってすごく優しい声。
まさか…

「 まこと…?まことなの? 」

そうだ。まことは私を守ってくれた。
汚れた上履きを綺麗にしてくれた…。

すごくすごく優しい…。

9:Ena:2014/10/11(土) 08:36 ID:B.A


優美の目に涙が溜まる。

「 まこと…助けて。私はここよ。 」

だが、助かる、と思ったのも束の間だった。
聞こえるのは声だけ。姿も何も見えない。

優美は不安になった。

何分たっても声だけ。
しかも優美を何度も何度も呼ぶので、だんだん鬱陶しくなったのだ。

10:Ena:2014/10/11(土) 08:39 ID:B.A



「 優美…!優美…! 」
「 …やめてまこと!! 」

ついに耐えきれなくなった優美は叫んだ。
耳を押さえながら。声が聞こえないようにした。

「 ねぇ優美…助けてよ…。 」
まこととは別人の声が聞こえた。

11:Ena:2014/10/12(日) 16:49 ID:B.A



「 優美…何で裏切ったの…?うちら友達じゃなかったの…?

サクをこんな目に合わせないでよ…。
あんたのせいで…
あんたのせいでサクは… 」

「 し…知らないっ!!そんなの知らない!! 」
優美は耳を押さえて叫んだ。

サク…聞き覚えがある名前だ、と優美は思った。

もしかして、サクの親友だったレンではないだろうか。
優美の心臓がドクッ…と鳴る。

12:Ena:2014/10/12(日) 16:55 ID:B.A



そうだ。確かに優美は皆を操りサクを自殺に追い込んだ。
でもそれは自殺に追い込むためじゃなかった。

レンにもっと強くなってほしかっただけなのだ。
親友とはどんなに大切なものか、わかってほしかっただけだった。

まさかこんなにあの子が傷付いていたなんて…。
全部私が悪いの?けれどもサクのことは黄泉が助けてくれていた。

「 何言ってるの…。サクは…死んだんだよ!?死人の気持ち、わかるだろ!?
あんた神様じゃないの…!? 」
そんなこと言われても、と優美は困惑する。
頭にレンの涙が落ちる。

13:Ena:2014/10/12(日) 17:00 ID:B.A


「 優美…酷いよ…。
サクを助けてって言ってんじゃん…。
なんで助けてくれないの!?

まだまともに話せてないんだよ!?
…こんなのってないよ。
私は悪くないし。悪いのは優美だもん。 」
レンは目にたっぷりと涙を溜めながら
話して話して話し続けた。

よくこんなに話せるなぁと、優美は逆に呆れた。
そしてぎゅっと手を握りしめた。

「 …そんなの、あんたの弱さが問題じゃない。だから助けてあげたのよ。 」

14:Ena:2014/10/12(日) 17:05 ID:B.A



…優美は何か言われたらどうしよう、と、目を閉じた。

しばらくするとレンの声が聞こえた。
「 …ふざけないでよっ!あんたに私の気持ちがわかるか!!
サクが死ぬくらいなら、
ずっと弱い人生を生き抜いた方がマシなんだよ!! 」
レンの剣幕はもの凄かった。

サク、サクと何度も言葉にするレン。
そんなにサクが大事だったのだろうか…。
リオたちとサクをいじめていたクセに。

優美は唇を噛み締めた。

15:Ena:2014/10/12(日) 17:11 ID:B.A


そして、笑った。

「 ……サクは私の近くにいるわ。
あんたの近くになんか行かせない。
人に裏切られるくらいなら私に魂を預けるほうがマシだ、と言ってたわよ。 」

何言ってるの、私。
サクなんてどこにいるのかもわからないのに。
優美は自分で自分が言ったことを後悔した。

「 そんなわけないでしょ!? 」
レンは相変わらず怒鳴ったまま。
優美はそれを無視した。

「 優美っ!!! 」


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