らんま1/2 オリジナル小説

葉っぱ天国 > 二次創作 > スレ一覧 [書き込む] Twitter シェアする? ▼下へ
1:シャンプー:2015/05/09(土) 00:01 ID:XaQ

リクエストを受付中です。
乱馬×あかねの小説を書くのが大好きです。
意地っ張りな、二人が幸せになる。
そんな小説を書こうと思います。
良かったら見てください。

2:シャンプー:2015/05/09(土) 00:33 ID:XaQ

取り敢えず書いて見ます。

Bloody kiss 乱馬×あかね

俺が、あかねを泣かせたせいで、もう取り返しのつかないことになった。

良牙とあかねが結婚をする―

1ヶ月前の事。
「可愛くねぇ。色気がねぇ。そんな女が、この早乙女乱馬の許嫁なんざ、百年早ぇんだよ。」
「乱馬、それじゃぁあたしも言わせてもらうけどね。あたしだって、乱馬の為にもっと可愛くなりたいって頑張ってるのよ。あんたにそれがわかってもらえないんじゃ、意味無いじゃない。」
目に泪を溜めながら、そうあかねは言った。
そんときの俺は、いつもの冗談のつもりで、言ったんだ。
「そんでも、俺にわかってもらえねぇんじゃ、百年いや、千年はえんだよ」
本当は、分かっていた。
あかねが、毎日観る度に段々と綺麗になっていったことを。
頑張って、綺麗に見せようと、雑誌を読んだりしたいたことも知っていた。
なのに俺は、本心は何も言えず、反対のことばっか言っていた。
あかねは、本当は可愛くて、綺麗で、色気もあって、それでいて、傷つきやすくて・・・。
寸胴女とばかり最初は思っていたが、考えて見れば、霧のないくらい、あかねのことで、俺の心は溢れかえっていた。
「乱馬、こんな色気のかけらもない女でごめんね。可愛くなくて、綺麗じゃなくてごめん。すぐ暴力振るう女なんか、願い下げだよね。・・・、ごめんね。」
その笑顔には、もう溜りにたまりきった涙が溢れていた。
本当に謝りたいのは乱馬の方だった。
(ごめん。あかね。泣かせてごめんな。悪口言ってごめん。思ってもないことを言ってごめん。)
考えれば色々出てくる。
「ごめん、あかね。泣くなよ。」
自分の左手をあかねの右頬に触れようとした時だった。
あかねが、俺の左手を払ったんだ。
「乱馬なんか・・・。乱馬なんか・・・大っ嫌いっ。」
泪を振り切りながら、俺を自分の部屋から出すと、閉じこもった。
(あ・・・かね・・・・。)
ポタと、掌に一粒の水滴がこぼれ落ちた。
それは、知らぬ間に俺の目から流れて来た涙だった。
透き通っていて、純粋さを感じられる色をした、あかねを思いながら流した涙だった。

3:シャンプー:2015/05/09(土) 00:56 ID:XaQ

俺にとってのあかねは、許嫁の次元を超えていた。
少なくとも、今まで、多くの許嫁と会ってきた中で、俺の心の中にぐっと来るもんがあった。
外見とかそういうものではなく、“心”が綺麗なやつだって、心から思った。
シャンプーやうっちゃんは、俺が辞めてくれって程に、態度で表す奴等だった。
あのふたりは、色気云々の問題ではなく、皆から好かれる事をする方が良いと俺は思う。
何より、あかねがそうだったからだ。
周りから好かれていて、あかねと付き合いたいと言う奴は、大勢いた。
久能が言った一言で毎朝、男子全員倒して入らないといけない様になったらしい。
俺から言ってみたら、芯があるんだって思ったよ。
朝から、あかねと付き合いたいと言う奴等と戦って、いっつも遅刻になるんだから。
涙を唯唯流しながら、昔の事を思い出していた。

翌朝あかねは、行き先も言わず、出かけていった。
俺は、心配になって、あとを付けた。
あかねは今にも倒れそうなくらいだった。
そんな原因を作ってしまったのは、俺だ。
だから、何もやることなんてねぇ。
そんな中、10分位歩いたところで、あかねがよろめいて、倒れそうになった。
俺は、無意識のうちに、あかねを呼びながら、駆けつけていた。
でも、そんなあかねを支えたのは、誰でもない、良牙だった。
俺は、何も出来なかったんだ。
「あかねさん?どうしたんだよ。あかねさん?!」

4:シャンプー:2015/05/09(土) 09:01 ID:jcE

「りょ…うが…君?」
こんなに、屈辱的に、良牙に対して、敵対心を持ったのは初めてだった。
正確的には、やきもちをやいたんだ。
俺は、電柱の影に隠れた。
こんな俺をあかねに見せたくないというのが、本当だろう。

―何故俺は、この時あかねを止めなかったんだろう。
考えれば考える程、後悔ばかりしていた―

それから一週間が過ぎた。
あかねは、段々と元に戻っていった。
毎日、良牙が花を抱えて、お見舞いに来ていたんだ。
あかねは照れては居たが、決して、拒否はしなかったんだ。
俺は、拒否して欲しかった。
『他の男のところへなんか行くな。俺はお前と一緒に居たかった。それと、ごめんな。』
今の気持ちが、口に出して言えれば…。
「お邪魔します。あかねさん居ますか?」
「あら、良牙くん。もう、お見舞いなんていいのに。」
「あかねさん、体調は?」
「うん、大丈夫よ。…それより、手作りのクッキーがあるんだけど…。一緒に食べない?上手く焼けたの。」
「本当ですか?じゃぁ、頂こうかなぁ。」
そう言うと、あかねと良牙は、キッチンの方へと向かっていった。
普段なら、俺に
「今日のは自信があるの。食べてくれる?」と言って、持ってきてくれていた。
俺は、毎回不味いと思いながら食べていたんだ。
正直に不味いと言って、袋毎返したんだ。

5:シャンプー:2015/05/09(土) 09:35 ID:jcE

キッチンでは、楽しそうな声が聞こえている。
「あかねさん、料理の腕、上達したんですね。凄く美味しいです。」
「お世辞がうまいのね、良牙くんったら。」
「嘘じゃないです。食べてみて?」
良牙は、クッキーを一個取り、あかねの口の中に入れる。
「あら、本当に美味しい。分かった、愛情込めて作ったからかな?良牙くんの事ばっかり考えてたのよ」
二人は、見つめ合っていた。
俺は、見たくないというふうに思ったが、体が言う事を聞かなくて、動く事も、目をつぶることもできななかった。
そして、あかねは、良牙の首に手を回した。
良牙は、あかねの腰ら辺に片方手を回すと、片方の手で、顎を持ち上げた。
唇の間を開けると、良牙が、あかねに口付けをした。
あかねも、それを拒まず、目を瞑り、頭の角度を換えている。
今は、偶然、家には俺とあかねと良牙だけだった。
親達は、旅行だとか言って、三週間程帰ってこない。
「あかねさん、好きです。」
「私も。良牙くんが好き…」
俺は、みていられなくなり、道場方面に向かった。
当然気付かれないように、忍び足で。
「はぁ」
溜息を付きながら、道場の扉を開ける。
そして、さっきの事を頭から遠ざける為、修行に没頭した。
1時間やそこらではなかった。
多分、7時間ぐらい、修行に没頭していただろう。
ずっと、頭を逆さにして考えていた。
まぁ、こんな頭から出てくるんだから、大したことではない。
「おじゃましましたー」
良牙が、家を出ていくところだった。
手を振っているあかねの頬は、ほんのり紅色に染まっていた。
なるべく、気づかないようにして、歩いた。
「あっ、乱馬。クッキー、食べる?」
あかねが喋ったと同時に、シャンプーが家に入ってきた。
「あいやー乱馬。あたしが来るの分かってて出迎えてくれたんあるネ。」
「おう、シャンプー。ラーメン持ってきてくれたのか?」
「そうある。一緒に食べるよろし。」
リビングまで行き、机のうえにラーメンを置いた。
「んじゃぁ、いただきます。」
箸で麺を掴み、口に持ってゆき、啜る。
それから俺は押し黙った。
黙々と、ラーメンを食べ続けた。

「ご馳走様。」

俺は、そう言い放ち、自分の部屋に戻った。
あかねが言おうとしていたのはなんだったのか。
そんな疑問を考えながら、眠りについた。

6:シャンプー:2015/05/10(日) 09:34 ID:v7g

翌朝、俺はお昼過ぎに起きた。
悪夢を見たのだ。
あかねと、良牙が結婚するという夢。
俺はただ、黙って見つめているだけだった。
汗を拭いながら、息使いを整える。

―これが、正夢になるとは、この時の俺は思いもしなかった。―

「乱馬、今日起きるの遅かったのね。良牙君も一緒だけど、昼ご飯食べない?」
「部屋で食べる…。」
あかねから、トレイを受け取ると、自分の部屋ではなく道場の方へと向かっていった。
道場に入ると、トレイを床に置き、内側から、全部に鍵を掛けた。
(デリカシーってもんがあんだろうが、あかねのやつ。
)
そう思いながら、チッと舌を鳴らした。
そして、昼食に手を付ける。
今日のは、ご飯と、味噌汁と、鯖の塩焼きの上に大根おろしが掛けてある。
普通の食事だった。

食べ終わると、いつもの様にモーニングアップをし始めた。
さっきは言わなかったが、昨日
「俺、修行に没頭する為に、道場に住み込むから。」と、書き置きを俺の部屋の机の上に、残してある。
今日の料理は、美味しかった。
丸で、香澄さんの料理を食べているみたいだった。
あかねは、俺の知らないところでずっと頑張っているんだと思い知らされたような、気分だった。
あの不器用なあかねが、ちょっとコツを掴んだだけで簡単に、料理が上手くなるなんて、知らなかった。
人間は、褒められて、段々と上手くなるんだって、初めて知らされた。

お婆に習った、天津甘栗拳は完璧に自分の技になった。
そりゃあ、最初は、火に手を突っ込むなんてごめんだって思っていた。
上達していても、命にかかわる可能性があることを改めて、あの修行で知らされたんだ。
「俺、最近知らなかった事教えられてるばっかだな。」

7:なっちー&◆jE:2015/05/11(月) 18:20 ID:DnM

それから三週間。
俺はずっと、道場に篭りっきりだった。
変わった事と言えば、俺があかねに付き合おうと言ったところだろうか。
あかねは、ごめんと何度も呟いていた。
俺は、唯唯俯いてることしか出来なかった。
抱きしめる事も、涙を拭う事さえも出来なかった。
そして、親父達が帰って来た。
なびきは感が鋭く、俺達がギクシャクしている事に気付いたのだろう。
「乱馬君、あかねと何かあったの?」
と、聞かれた。
テレビを見ながら、呟いただけだろうから、気にせずに、テレビを見続けていた。
だけど、ずっと見てきてたから、なびきのほうを観た。
その目は、真剣そのもので、初めて俺が見た、なびきの表情(かお)だった。
「そんなもん、あかねに聞きゃー分かんだろ。」
俺も、真剣そのもので答えた。
「それが、あかねに聞いても、黙ったままなのよ。」
なびきの表情は、辛そうだった。
「話が長くなるから、取り敢えず、場所を変えよう。」
俺となびきは、俺の部屋へと向かった。
そして、三週間ぶりの自分の部屋を開けた。
綺麗に片付けてあり、布団もきちんと畳んであった。
そして、適当なところに、なびきを座らせると、俺もなびきの正面に座った。
「ちゃんと、教えてよね。」
「わかってるよ。」
そして俺は、ここ三週間に合ったことを全て話した。
大介にも、ひろしにも、このことは話していない。

「それは、あかねも悪いと思う。けど、乱馬くんも悪いわよ。」

それくらい言われるだろうと、俺は覚悟していた。が・・・。
「・・・あたしが思うに、今回の事はあかねが悪いわよ。」
予想外の言葉に俺は戸惑った。
「乱馬くんの性格を知ってるけど、冗談だって事は直ぐわかる。あかねは、その冗談を間に受けたんだから。乱馬くんの見方をするわけじゃないけど、あかねは、きっと乱馬くんの元に戻って来るわよ。」
なびきにしては、真っ当な事を言うと部屋から出て行った。
「今回の相談料はちゃらよ、ちゃら」
いつものなびきに戻った。
と思い、安心したのは言うまでもない。

8:なっちー&◆jE:2015/05/11(月) 21:48 ID:DnM

俺は、風に当たるため、近くの公園に来ていた。
俺は、物陰に隠れた。
何故なら、良牙が小さな箱を持って、それをあかねに向けていたからだ。
話はここからじゃ聴こえないが、あかねは良牙と嬉しそうに話しているのが分かった。
そして、その小さな箱の指輪(なかみ)を、あかねの左手の薬指にはめた。
俺は、その二人を見たくなくて、天道家へと帰った。
「あら、乱馬くん。あかねちゃんと一緒じゃなかったの?」
香澄さんが、俺に聞いてきた。
「違いますけど」
「あらそう。」
あかねちゃん、どこ行っちゃったのかしらとつぶやきながら香澄さんは、リビングに入っていった。
あかねの居場所を知っているが、そんなこと俺が言えるわけ無かった。
時計は、10時を指していた。
いつもなら、まだ寝ないが、俺は自分の部屋に向かった。
ベットも、あかねと寝ていたから、広く感じなかった。
部屋だって、あかねが居たから、広く感じなかった。
でも、今はうーんと広く感じた。
この部屋とも、あかねの部屋とも、そして天道家とも、いずれさよならだ。
俺は、自分が嫉妬で狂って可笑しくなる前に、あかねに向けての、手紙を書く事にした。

そして、今に至る。
良牙と、あかねの結婚式の準備は、順調に進んでいった。
俺は、今にも嫉妬に狂って死んでしまいそうだった。
教会に関係者として、俺はあかね側の席に座った。

「響良牙。あなたは、病める時も、健やかなる時も、妻・天道あかねを愛し、敬い、命の限り、堅く節操を守る事を誓いますか?」
「誓います。」
良牙は、息ずくヒマもなく答えた。
「天道あかね。あなたは、病める時も、健やかなる時も、夫・響良牙を愛し、敬い、命の限り、堅く節操を守る事を誓いますか?」
あかねの、
「誓います。」と言う言葉を聞いた時、俺は、自分の左胸に、予め忍び込ませておいた、短いナイフを突き刺す。
俺は、胸元から、ナイフを取り出した。
その異変に、誰も気付いていなかった。
らんまは、一番後ろの席に居たからだ。
そして、胸元目指し、ナイフを自分の方に向けた。
勢い良く、左胸に突き刺した。
「くっ、」
俺はなんとか、外に出ようと、足を動かした。
そして、思い扉を開けると、扉の横に倒れ込むように、座り込んだ。
「乱馬っっっっっっっ。」
あかねの声が聞こえて、俺はそっちを向いた。
「あ・・・・かね・・・・。」
「らんまぁぁ。何してるのよぉぉ。」
あかねが俺を抱きしめて来た。
「あたしが好きなのは、乱馬だけだった。それを乱馬に教えたかったから、結婚式を開いたのに・・・・。なんでこんなこと・・・・」
大きな瞳から、大粒の涙を流しているあかね。
俺は、重たい手をゆっくりと動かし、あかねの頬に触れた。
「ごめ・・・な。俺、お前を泣かしてばっかだったよな・・・・。く・・・。」
あかねの頬に滑り落ちる大粒の涙ゆっくりと拭った。
「俺・・・、おま・・・に会え・・・・・て・・毎日が・・・たのしかった。」
ホントは、伝えたいことが沢山あった。けど、声が出なかった。
俺は、最後の力を振り絞り、あかねの唇に俺の唇を近づけてゆく。
あかねも、俺の唇に近づけて来た。
もどかしい時間を掛けて、お互いの唇を重ねた。
俺はその後、意識を失った。
俺の口からは、血の唾液が流れ落ちていた。

私は、らんまが亡くなった後、乱馬の部屋を手入れしていた。
そして、教科書と教科書の間に、白い封筒が挟まっていた。
その封筒には、
あかねへ≠ニ書かれれいた。
私は、乱馬が使っていた、勉強机に向かい、椅子に座った。
恐る恐る、封筒の中身を取り出した。

あかねへ

俺、今まで、あかねに色気がねぇやら可愛くねぇやら、色々言ったけど、あれは、本心じゃないからな。
考えてみたら、あかねを泣かせてばっかだったしな。
ごめんな。
今でも、あかねが好きだ。
だから

嫉妬に狂って、俺死んじまうかもしれない。

なぁ、あかね。良牙と幸せになって。
俺は空から、お前を見守ってる。

9:なっちー&◆jE:2015/05/11(月) 21:59 ID:DnM

PS,ほら泣くなよ。笑え。

私は、笑えるはずもなく、唯唯、涙を流していた。

切な目の小説、いかがでしょうか。
代目は、Bloody Kiss。
血まみれのキスの味は、どんなのなのでしょうか。

10:なっちー&◆jE:2015/05/13(水) 16:11 ID:ib6

Bloody Kiss

END

11:なっちー&◆jE:2015/05/13(水) 20:32 ID:AH6

Bloody Kiss

END

12:なっちー&◆jE:2015/05/14(木) 08:53 ID:AH6

Bloody Kissの続き

「…ま、乱馬」
と、俺を呼ぶ声が聞こえる。
その声は、徐々に確かなものになってゆく。
「乱馬、起きて。」
俺は、うっすら目を開けると、その女性の顔を見た。
「君は、……誰?俺は、誰なんだ。」
俺は、その女性の名も自分の名さえ覚えては居なかった。
「えっ。」
女性は、驚きが隠せなかった。
だが、ちょっと落ち着かせたあと、こう言った。
「私は、天道あかね。あなたは、早乙女乱馬よ。」
辛そうな顔をしながら、名前を教えてくれた。
「あかねさん…?」
俺は、頭を抱えながら、必死に思い出そうとした。
でも、激痛で、思いだせそうにも無かった。
「乱馬、あたし先生呼んでくるね。」
あかねさんは、そう言うと、病室から出ていった。
暫くして、医者が俺の病室に入って来た。
あかねさんの姿は無かった。

私は、先生を呼びに行ったあと、ロビーで一人泣いていた。
せっかく乱馬の目が覚めてくれたのに記憶喪失なんて…。
良牙君と式を挙げようとした時、乱馬は亡くなったって、父さんから聞いた。
でもその後、右京から電話があって、乱馬が生きている事を知った。
それから毎日、乱馬の病室に通った。
目を覚まして欲しくて。
三週間通って、今日やっと目が覚めた。

13:なっちー&◆jE:2015/05/14(木) 09:38 ID:AH6

目が覚めたら、元の乱馬なんだって思ってて疑いもしなかった。
私は涙が枯れるまで、一人で泣いていた。

俺は、何故かあかねさんを探していた。
泣いてるんじゃないのかって思ったからだ。
ロビーに着き、あたりを見回した。
そこに、一人泣いている少女が居た。
あかねさんだった。
俺は、そこまで行くと、黙ったまま隣に座った。
「…?」
あかねさんは、俺を見上げると、抱きついて来た。
さっきの顔には、目の際に涙が溜っていた。
俺は、その顔を見て胸が傷んだ。
何故かは知らないが、あかねさんを泣かせてはいけないと、心のどこかで思っていた。
だから、彼女を思い切り抱きしめ、泣きやませる様に、頭を撫でた。

やがて、疲れきったのか、彼女は安心して寝ていた。
俺は、彼女をお姫様だっこすると、病室まで運んだ。
ベットの上に寝かせると、俺は、椅子に腰をかけた。
俺の病状は、一部の記憶喪失。
そう、あかねさんのことだけが抜けていた。
なびきや、かすみさん。
おじさんや親父。
シャンプーやうっちゃんの事は覚えていた。
なのに、あかねさんの事と自分の事は覚えて居なかった。
あかねさんの顔を見て、何とか思い出そうとする。
でも、さっきと同様、頭に激痛が走るんだ。
頭を抱えて、下を見た。

14:なっちー&◆jE:2015/05/14(木) 21:29 ID:AH6

映像が頭を過ぎった。
あれは、教会か?
うっすらとだけど、少女の顔が写って消えた。
俺は、何故か記憶を取り戻すことを拒否している、と病室の先生が言って居た。
もしかして、あかねさんと何かあるのだろうか。
そいえば俺、三週間の間、植物状態だったんだよな。
三週間前に何があったんだよ。
何で自分の事も覚えてねぇんだよ。
「乱馬?大丈夫?」
あかねさんが、俺の肩に手を置き、俺の様子を見る。
「あぁ、うん。大丈夫。」
悩んでいる顔を見せたくない為、引き攣った笑顔を見せた。
悩んでる顔を見せるよりましだろう。
あかねさんは、起き上がり、ベットから降りた。
「ごめんね、ベット取っちゃって。」
そう言うと、あかねさんは、入口に向かった。
「また明日ね。乱馬。」
俺と同じように、引き攣った笑顔を見せると、シャンプーの匂いを残し、病室を出た。

私は、乱馬が目を覚ましたことは、シャンプー達には話さないことにした。
後、なびきお姉ちゃんにも。
別に、バレて不味いことはない。
だけど、シャンプーや右京の事は覚えていて、あたしの事だけ、覚えてないと知られた時には、二人に笑われるだろう。
せめて、記憶が戻るまでは、あの三人には伝えないことにしておこう。

「只今ー。」
私は、扉を開き、靴を脱いで上がる。
「あぁ、お帰りあかね。今日は乱馬くんどうだったの?」
一番に声を掛けてきたのは、感の鋭いなびきお姉ちゃん。
「何も無いわよ。」
「あぁ、そう。」
「あかねちゃん、ご飯の用意手伝ってもらえる?」
「はーい。」
なびきお姉ちゃんから逃げるようにして、かすみお姉ちゃんの元に走る。
「あかねちゃん、何かあったの?乱馬くん。」
香澄お姉ちゃんになら話しても良いかな?
私は、香澄お姉ちゃんの耳元で囁く用にして、乱馬が一部の記憶喪失だという事を話した。
「そうだったの。それは大変ね。」
なびきちゃんには内緒なんでしょと、小声で付け足すお姉ちゃん。
私は、小さく頷いた。
家の中で、一番頼りになる香澄お姉ちゃん。
お母さん替わりで、怒った時は本当に怖い。
でも、お姉ちゃんのことは信用できるんだ。
「さ、あかねちゃん。ご飯食べましょう。」
触れず当たらず、というのがお姉ちゃんの良いところ。
「うん。」

次の日の朝。
チュンチュンと言う、鳥の声が聞こえる。
私は、時間を確認し、ジャージに着替える。
そして、モーニングアップに出かける。
タオルを肩に掛けて。
走りながら、蹴ったり、パンチをしたり、ジャンプをしたり、している。
そして、一周すると、家の門を潜った。
そして、背伸びをして、まだ東の方にある太陽を見る。
「良し。」
そして、道場に行く。
瓦を10個用意して並べる。
そして、手を構え、上に上げると、勢いをつけて割った。
「ふぅ。」
息を吐き、笑顔を作った。
皆から聞いた話だと、色気が出たとか何とかって、男子にも囲まれている始末。
「あかねちゃーん。」
香澄お姉ちゃんの声がして、急いでリビングに行く。
「どうかしたの、お姉ちゃん。」
「あぁ、あかねちゃん、ご飯だって言おうとしただけよ。」
私は、不意を突かれ、転びそうになった。
「わかった、食べよ。」
最近、殆どと言って、食事を摂って居なかったのだ。
自分のせいで、乱馬が死にそうになったのだから、仕方のない話だけど。

「ご馳走様。」
ゆっくり食事を摂り、服を着替える。
中学校の時とは違って、セーラー服。
しかも、黄色の。
女子には結構人気のある制服なのだ。
私が目指していた、明蘭学園ではなく、今山高校だ。
「おはよう、あかね。」
「おっはよーん。」
さゆりとゆかが声を掛けてくる。
「おはよう、ゆか、さゆり。」
私は、囲まれるような感じで、三人で歩く。
「さゆり、ゆか。今日話したい事あるんだけど・・・。」
「良いよ、じゃぁ、カラオケ行こう。」
「そうだね、行こいこ。」
「ごめん、それ無理かも。」
今日は、乱馬のお見舞いが・・・、と言った。
「あっ、そっか・・・。まさかその事なの?」
私は、黙ったまま頷いた。

15:なっちー&◆jE:2015/05/17(日) 19:25 ID:P/s

「ご馳走様。」
ゆっくり食事を摂り、服を着替える。
中学校の時とは違って、セーラー服。
しかも、黄色の。
女子には結構人気のある制服なのだ。
私が目指していた、明蘭学園ではなく、今山高校だ。
「おはよう、あかね。」
「おっはよーん。」
さゆりとゆかが声を掛けてくる。
「おはよう、ゆか、さゆり。」
私は、囲まれるような感じで、三人で歩く。
「さゆり、ゆか。今日話したい事あるんだけど・・・。」
「良いよ、じゃぁ、カラオケ行こう。」
「そうだね、行こいこ。」
「ごめん、それ無理かも。」
今日は、乱馬のお見舞いが・・・、と言った。
「あっ、そっか・・・。まさかその事なの?」
私は、黙ったまま頷いた。



そして、お昼休み。
弁当片手に、昨日あった事を話す。
グラウンドでは、男子達が、サッカーをしている声が、屋上まで響いている。

話し終わった頃には、もう食べ終わっていて、屋上の手前にある柵にもたれ掛かっていた。
「なるほどね。あかねのこと覚えてない理由は、多分、良牙君との結婚式のせいよ。」
ゆかも私と同じ事を言ってくれた。私も、そのせいなのは確かだろうと考えていたんだ。
「私は、違うと思うよ。」
さゆりのその言葉に私達は、戸惑う。

「だって、乱馬くんはほんとうにあかねのことが好きだったんだよ。だから、その時のショックが、あかねのことを忘れさせたんだと思う。でも、おかしくない?自分の事まで忘れていたんでしょ?そこには何か、意図があるはずよ。」

と言う、さゆりの言葉は最もな意見だった。あの時の結婚式が理由なら、私の事だけ記憶を無くすはず。だけど、乱馬は自分の記憶も無くしていた。そこには何らかの原因があるのかは確かだろう。あたしと、乱馬に関係のある何かが・・・。
「ありがとう、さゆり、あたしもうちょっと考えてみるね。ゆかもありがとう。」
「ごめんね、役たたずで 。」
とゆかがつぶやく。
「ううん、うーんと役に立ったよ。ありがとう。」
スッキリした笑顔を二人に向けて、屋上を後にした。

私は一度家に帰り、乱馬が口に出来るデザートを作った。
一生懸命に愛情を込めて、料理を作ればいいんだって教えてくれたのは乱馬だった。隠し味を入れたところで、不味くなるだけ。
それなら、料理の本の材料と分量を分ければいい。
そんな簡単な所に、早く気付けなかったのは、ダメだけど。

やっと乱馬に食べてもらえるんだ

と思うと自然に口もとが緩んでしまう。
「良し。」
それを、タッパーに入れると、家を出た。



俺は、昨日初めて会った、高城さんの事を考えていた。
リハビリ中で、倒れそうになった所を助けてくれたんだ。
彼女の病気は、心臓白血病。
小さい頃から、この病院に入院しているらしい。
俺達は、意気投合をして、笑い合いながら話し込んでいた。
「乱馬くんは、記憶がないの?」
「あぁ、一部だけなんだけどな。自分の事と・・・。」
俺は黙り込んだ。あかねさんの事を言っても、何の特にもならなかったからだ。
「大切な人何だね。」
そう言った彼女の笑顔は眩しかった。優しそうで、ちょっと抜けていて・・・。
まるで最初のあいつみたいだった。
そこまで考えて、息詰まった。
(あいつって誰だよ)
と言う、?が頭に浮かんで居た。
と、その時、病室のドアが開いた。
「乱馬、来たよ。」
優しい声で、呟く様に言い、部屋に入って来たのは、あかねさんだった。
「どうしたんですか?」
「敬語使うなんて、乱馬らしくないわよ。乱馬はいつも、あたしに向かって暴言吐いていたんだから。」
その時、また映像が過ぎった。今度は、声まではっきりと聞こえた。


書き込む 最新10 サイトマップ