るろうに剣心〜現代版小説〜

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1:なっちー&◆jE:2015/06/08(月) 16:25 ID:3uI

こんにちは、なっちーです。
色んな、小説掛け持ちしていますが、よろしくお願いします。

>>2
注意事項

>>3
このスレについて

>>4
登場人物について

2:なっちー&◆jE:2015/06/08(月) 16:30 ID:3uI

注意事項です。

・悪口を言わない
・喧嘩をしない
・人の小説を貶さない
・書きたい人は、じゃんじゃん書いてください

3:なっちー&◆jE:2015/06/08(月) 16:35 ID:3uI

このスレについてです。

このスレでは、るろ剣に出てくる人が、現代版にリメイクされています。
例えば、剣心達が先生に成っていたり、薫達は生徒に成っていたりと、明治剣客浪漫譚の設定とはまた異なりますが、面白い小説を書きたいと思っています。

4:なっちー&◆jE:2015/06/08(月) 17:06 ID:3uI

登場人物についてです。

神谷薫 17歳
東京都内の高校二年生。
小さな頃に、母を亡くし、つい最近父を亡くした。
明治時代から代々継いでいる神谷活心流を継いでいて、剣道部でも全国大会で優勝した過去を持つ。そのお陰で、先輩から睨まれたりもするが、活発で元気な女の子。

緋村剣心 28歳
薫の通っている学校に今年から就任する教師。
母は剣心が十五の時の亡く亡くなっていて、どちらかというと、母親似だ。父の名は比古清十郎と言った。
剣心は、剣道をしていて、薫より遥かに強い。
茶色の髪色は、生まれた頃かららしい。

巻町操 16歳
薫の幼馴染みで、同級生。
職員である蒼紫が好きで、蒼紫様と呼んでいる。
薫のことは、薫さんと呼んでいて、剣心のことは緋村と呼ぶ様になる。
左之助と恵さんが付き合っているという事を薫共々知っていて、バレないように隠している。
薫には操ちゃんと呼ばれているが、斎藤と左之助はイタチ娘と呼ばれている。

相楽左之助 19歳
学校をサボって留年しているから、薫の学校の三年生。保健室の先生である、恵と付き合っている。
剣心とは、昔から面識があり、剣心と呼んでいる。剣心からは、左之と呼ばれている。
見た目不良で、悪一文字を背中に背負っている。この街で、やたらと喧嘩っ早いと噂の人物。
薫のことは嬢ちゃんと呼んでいて、操のことは、イタチ娘と呼んでいる。

5:なっちー&◆jE:2015/06/08(月) 17:24 ID:3uI

続きです

高荷恵 22歳
左之助と付き合っている、美人医士。
剣心のことは、剣さんと呼んでいる。
左之助からは女狐と呼ばれることの方が多い。
男子生徒が目をつけている程の美少女だが、大抵は左之助が隣にいる事が多いので、手も足も出せない。

斎藤一 34歳
学校では、厳しいと評判の生徒指導。
担当教科は社会。
目が細い為、いつも怒っているんではないかと思われている。
左之助には会うたびに、アホと言っている。

四乃森蒼紫 24歳
操の想い人で、生徒からも結構好かれている。
いつも無表情と言ってもいいほど、表情を変えないが、操に限って、笑顔を見せている。
剣心には、蒼紫と呼ばれている。剣心の事を緋村と呼ぶ。

6:なっちー&◆jE:2015/06/08(月) 20:56 ID:AK.

第一章
「おはよう、薫さん」
「あっ、おはよう、操ちゃん」
「どうした?何かあったの?ぼーっとしちゃって」
「ううん、何でも無いの」
―薫は朝に弱いのだ。
だからさっきも、ちょっと寝ぼけてたところに、操が話し掛けてきたから、ちょっとびっくりしていたのだ。
「今日は、終業式なのよ?明日から春休みなんだし、もっとはしゃがなきゃ」
あっ、でも蒼紫様に会えなくなるのはちょっと淋しいかな、と遠い目をしながら、手を握りながらいう。
薫は操が羨ましいと思った。
一週間に一回は告白をされて居るが、その人のことを好きかと言われると、そうじゃない。
だから、一人のひとを好きだと言える操が羨ましいのだ。
―心から好きになることあるのかな?
と思いながら、操を見ていた。

7:なっちー&◆jE:2015/06/08(月) 22:29 ID:AK.

終業式が終わり、薫は左之助と恵と操と話していた。
「そう言えば、左之助って、恵さんの何処を好きになったの?」
薫がふと思いついたように、左之助に聞いた瞬間、左之助が、飲んでいた紅茶を吹き出した。
「ちょっと、汚いわねー。ここ保健室なのよ?薫ちゃんも、声を控えて喋ってくれる?」
寝ている子も居るんだからと言いながら、恵が長い横髪を耳にかけながら、左之助が吹き出したため濡れた服をハンカチで拭く。
「ごめんなさい」
「嬢ちゃん、謝ることはねぇよ。俺らだってさっきまで、大きな声出してたんだからよ」
左之助がそういった後、さっきの騒ぎが嘘だったかのように、沈黙になった。

その沈黙に耐えかねた薫が、立ち上がりこう言った。
「今日は、帰るね。じゃあね」
後ろを振り向かず、保健室のドアを開けると、そのまま走った。
いつもなら気付く斎藤の
「おい神谷、廊下を走るな」
と言う声も耳にも入らず、靴を履き替えると、又走った。

いつも通る十字路に差し掛かったところで、足を止めた。何故なら、質の悪い連中に絡まれたからだ。五六人の男連中。
いつもなら、操と一緒だから、倒せるが、今日は違う。薫一人だ。
「ねぇちゃん、俺達と遊ばねぇ?」
リーダー格らしき人物が、薫の方に手を置きながら、そう聞いてくる。
「辞めてください」
そう怒った口調で言うのが早いか、肩に置かれた手を両手で握り、背負い投げをした。
が、
「てめぇー」
いつの間にか、薫を囲んでいた連中が、薫に襲いかかろうとしていた。
薫は、一人ひとりをやるか、それとも全員を一気にやるかを考えていた。
その時だった。
私の目の前にいた男が、突然倒れた。
私が慌てて目を上げるとそこには―

8:なっちー&◆jE:2015/06/08(月) 22:53 ID:AK.

薫が、慌てて目を上げるとそこには赤毛髪の男が、竹刀を持っていた。
「ちょっとどけておいてくれるかな?」
薫にそう言うと、その赤毛髪の男は、薫の手を引き、後に立たせた。
「てめぇー、調子にのんじゃねー。」
襲いかかってきた男の肩に、空高く飛び上がり、竹刀を叩き込んだ。
「飛天御剣流、龍追閃」
薫は、初めて見る技に絶句していた。
飛天御剣流という技は確か、明治時代に、最後についだ比古清十郎で、終わった筈だ。
薫は、そんなことを考えながら、赤毛髪の男を見つめる。
「大丈夫?」
赤毛髪の男は私の顔を覗き、そう聞いてきた。
「ええ。・・・貴方は?」

9:なっちー&◆jE:2015/06/09(火) 18:27 ID:6f6

「緋村剣心」
緋村・・・剣心?
何故か聞き覚えがあった。それが何故なのかは分からないが、この人には以前、あった事あるような気がする。
「剣心って、剣に心で剣心?」
「そうだけど・・・。」
名前をつけた人が、凄いと思った。
本当に、剣に心が入っているからだ。それに、あの伝説ともなった、人斬り抜刀斎と同じ名だ。
薫は、さっきまでの恐怖が嘘だったかのように飛び退いた。
「君は?」
「私は、神谷薫。神谷道場の師範代。」
「そっか。薫ちゃんね。」
剣心は、薫の顔を見て、にこっと笑うと、送ってあげるよといい、立ち上がった。
「ありがとう、剣心。」
薫もにこっと笑い立ち上がると、先を行く剣心に追いつくように走った。

10:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 22:59 ID:2Jk

話が思い付かないので、変えようと思います。

愛するあなた
[序章]


主人公紹介

・緋村剣心 ―himura kensin―
独身で28歳。見た目は実年齢よりも若く見える。
性格は傍から見ると優しいお兄さんだが、実際はエロい。
首にかけてある、指輪の付いたネックレスは、亡き妻・緋村巴との結婚指輪。


・神谷薫 ―kamiya kaoru―
大学生で18歳。
見た目、可愛いのでとってもモテる。性格もいいので、薫がいると周りまで笑顔にさせてしまう。
流行っている物に興味がなく、あるのは剣道だけ。


・巻町操 ―makimachi misao―
薫の幼なじみで、四乃森蒼紫の大ファンで、蒼紫の事を蒼紫様と呼ぶ。
好きな事は、テレビを鑑賞する事。
見た目、背が低いが、顔は可愛い。
長い髪を後ろで三つ編みにしてある。


・四乃森蒼紫 ―shinomori aoshiー
操の想い人。
剣心と左之助とバンドを組んでいる。
見た目は老けて見えるが、剣心の一つ下で27歳。
表情を全くと言ってもいいほど変えない。


・相楽左之助 ―sagara sanosukeー
剣心と蒼紫よりも年下の、19歳。
普段の服は、惡一文字を背負った白い服と白いズボン。
それから、へそのちょっと上まで、晒を巻いている。


あらすじ


突然の母親からの電話で、お見合いすることになった薫。


その相手はなんと、今人気上昇中のrouteと言うバンドのボーカルである緋村剣心。


今、routeで急なvocal募集がかかっている。


薫は、それ操から聞き、ボーカルになる気はないが、剣心と会うために、オーディション会場へと向った。


会場の前で、迷子になっていた薫たちは、左之助に助けられ、オーディション会場へと足を踏み入れることになる。

そして、一目会った剣心にボーカルに決めたと言われ、その場は大混乱に見舞われることになる。

11:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:00 ID:2Jk

[第一章]『薫がお見合い?』

「薫〜、おはよう!」

こういって、朝に弱い薫を起こしているのは、ルームシェアをしている操。

「ん〜もう朝?」

頭は起きていない為、目がうっすらとしか開いていない薫。
そんなどう仕様も無い薫を眠気から覚ますため、フライパンとおたまを使って、うるさい音を立てた。

「あ〜っ、わかった。起きるから」

両手で耳を塞ぎながら起き上がり、パジャマを脱ぎ捨て、下着姿となった。

「私はお弁当作るから、着替えたらおいでよ?」

「はーい」

薫はそう言うと、脱ぎ捨てたパジャマを畳み、ベットの上に置くと、ハンガーにかけてある制服を取り、ハンガーから外した。

そして、ハンガーから外したブラウス・スカート・制服をベットの上に置くと、ブラウスを手に取り、腕を通すと、ボタンを留めてゆく。
全部のボタンが止め終わると、今度はスカートを手に取った。

スカートに足を通し、腰まで持ち上げると、チャックとホックを止め二重・三十にスカートを折る。

制服を取り、腕を片一方ずつ制服に通し、頭を通した。
そして鏡の前に立ち、唇でゴムを加えると、クシで髪型を整えると、手グシでポニーテール位まで持ち上げると、口からゴムを取り、左手で持っているポニーテール位まであげている髪をくくる。

薫はドアを開けると、リビングに入り、食卓に着いた。

「うわー、美味しそうー」

食卓には既に料理が並んでいた。
半熟の目玉焼きと、ベーコン。それからトーストにドレッシングサラダ・・・

「これ、お弁当ね」

「ありがとう」

操が作ってくれたお弁当を受け取ると、鞄の中に仕舞いこんだ。そして、二人で手を合わせて、
「頂きます」
を言った。
―そんな時だった。
薫の携帯の着信音がなった。
(こんな朝早くに誰よ・・・)
とも思いながら、薫は自分の携帯を手に取り、着信画面を見た。
そこには母と題されていた。

「誰?」

操は、薫が着信に応じないことに気付き、誰なのかを問い質す。

「あぁー、お母さんなのよ。ちょっと出てくるね」

薫は一言だけ言うと、自分の部屋に入り、薫は自分の母からの電話に応じた。

「どうしたの?母さん」

『あ〜、薫ちゃんやっと出てくれた。あのね』

そう言って切り出した話は、とんでもない話だった。

『父さんがね、薫ちゃんをお見合いさせるって言い出したの』

「あぁ、そう。・・・って、えー?お見合いですって?」

『そう、お見合いよ。昨日相手の写真を速達で送ったから、今日届く筈よ。じゃあね』

『えっ、ちょっ』

薫が待ってよと言おうとした時には通話が終了していた。
薫は、大きな溜息を吐くと、リビングに戻った。

「どうしたの?ぼーっとしちゃってさ」

朝食を取るなり、朝の運動をしていた操に声をかけられた。

「それがねぇ」

薫は、もう一度溜め息をつくと、トーストを口にしながら、さっきの事を洗いざらい話した。

12:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:00 ID:2Jk

「見合い〜?」

話が終わるまで黙って聞いていた操が、大声を出して、そう叫んだ。

「それで、相手は?」

私が許すぐらい格好よくなかったら、薫は行かせないんだから・・・と言いながら、薫に相手を推測し始めた。

「それがねぇ〜、・・・知らないのよ。母さんが送ってくれたって言ってたけど」

「何を?」

「相手の写真よー」

薫がそう言うと、操は何かを思い出したように、早朝に届いた茶封筒を差し出した。

「ごめん、多分これだと思う」

操は謝る気ゼロって感じで、薫が受け取った茶封筒を見つめている。茶封筒の中には、何やら硬いものが入っている。
茶封筒は一般より大きかった為、なにがはいっているのかを確認する為、薫は仕方なく、茶封筒の中身を出した。

―中身は・・・







―茶封筒の中身は、アルバムの一回り小さい物だった。

そして表紙をめくった。

そこには赤毛髪の男の人がスーツ姿で乗っていた。

「この人知ってる。routeの緋村剣心じゃない」

「route?」

あまりテレビを見てないせいか、そのボーカル名は聞いたことあるような無い様な感じだった。

13:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:01 ID:2Jk

「そうよ。ボーカルの緋村」

そう言えば、薫も幼い頃、この人の歌を聴いたことがあった。
routeは、解散してしまっているが操が知っているのは何故かと思い、こう聞いた。

「操はなんで知っているの?」

「routeは解散したって言うのは知ってるよね?
左之助から聞いたんだけど、半年前に、バンド組んだらしいよ。緋村と蒼紫様と」

「そうだったんだ。今度左之助に聞いて見なくちゃ」

薫がそんなことを言っているのを聞き、操は何かを思い出したような感じで、鞄の中をまさぐり始めた。

「あっ、あった」
と言って、鞄の中から出した物は、『once again』と書かれた折込チラシだった。

『vocal募集中』と小さく書かれてあった。

「それ、左之助からもらったんだけど、今日学校終わってから行ってみない?」

「行きたい」

お見合いの席で緊張して合うのではなく、剣心の好きな歌で、出会う方が良いと思った薫は、そう言って、操に続き家を出て、鍵を閉めた。

14:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:02 ID:2Jk

「嬢ちゃんとイタチ娘じゃねーか。こんなとこで何やってんだ?」

道を迷っていたところで、後ろから左之助が話しかけて来た。

「あっ、左之助。・・・ここに行きたかったんだけど、道に迷っちゃって・・・」

薫は紙に書いてある地図を左之助に見せながら聞いた。
―すると
「ここだぜ」
と言いながら、左之助は目の前にあるビルを指した。

「嘘」

薫はそう言いながら、腰を抜かして力なく座り込んだが、土壇場で左之助が支えたお陰で座りこまずに済んだ。

「ありがとう、左之助」

「どうってもんよ」

左之助はそう言ったあと
「そいやー」
と付け足した。

「嬢ちゃんとイタチ娘もvocalしてーのか?」

「へっ?」

「だってよ、それ」

左之助が指をさしたのは、薫が持っている折込チラシだった。ここに来た本来の理由はこれではないが、そう思われても仕方が無いだろう。

「まぁ、取り敢えず入れよ」

左之助に示され、薫・操は左之助の後に続き、ビルの中に入っていった。

15:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:03 ID:2Jk

「おーっす」

左之助はそう言いながら豪快にドアを開けると、中へと入って行く。
薫たちもそれに続き、
「失礼します」
と言って中に入ると、中にいた人にこう言われた。

「失礼するなら帰ってやー」

髪型は、丸で逆さにしたホウキ髪で、髪色は黄緑と黄色を混ぜ合わせた様な色をしていた。

「放棄頭、てめぇ何でここに」

その様子を見ていると、丸で、鳥と放棄が喧嘩をしていると見える。
実際にそうなると怖いが・・・。

「喧嘩はそこまで」

おとなしく様子を見ていた剣心が、いつの間にか殴り合おうとしていた左之助の拳と、放棄頭の拳を掴んだ。

「左之、今日からベースを担当する、沢下条 張だ。仲良くしろよ?」

「・・・」

「俺は別に喧嘩は基本的受けるんやで?やけど、喧嘩と音楽は別や。あんたもそのつもりでな?」

放棄頭・・・改め張が、そんな当たり前なことをいい、片手を佐之助の前に差し出した。
・・・よろしくということなのだろう。

左之助は、渋々片手を出し、握手をした。

「左之助、その子達は?」

やっと薫たちに気付いた剣心が、左之助にどういう間柄なのかを聞いた。

「こいつらは、俺の学校の後輩よ。vocalやりたいんだとよ」

「こんにちは、巻町操です。こっちは、神谷薫。今日は宜しくお願いします」

操はハキハキと自分の名と薫の名を紹介した。

「巻町さんと・・・神谷さん、ね。宜しく」

剣心は、ギコチナク薫の名前を呼んだ後、
「話があるんだけど、ちょっといい?」
と聞かれて薫は頷くと、スタジオの外に出た。

16:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:04 ID:2Jk

「君・・・この子だよね?」

剣心は薫が持っていたものと同じ、小さめのアルバムを開き、薫に見せた。

「これ・・・」

その写真は、高校卒業後に、スタジオア〇スでとった写真だった。この写真と今とでは、化粧をしている事と髪の長さが違う。

「よく分かりましたね、確かにこれ、あたしです」

薫は証拠を見せるかのように、鞄の中から、今剣心が持っているのと同じものをカバンの中から出して見せた。

「やっぱり・・・。これから宜しくね」

「あっ、はい。宜しくお願いします」

(えっ?これからもよろしくってどういう事?)

薫はそんな不安を胸に、スタジオに入った。

「左之助。ボーカルはこの子に決めたよ」

17:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:04 ID:2Jk

「左之助。ボーカルはこの子に決めたよ」

「はぁ?」

突然の薫の言葉に、このスタジオに居る全員が驚いた。
勿論のこと、隣にいる人物に突然爆弾発言をされ、一番驚いたのは薫自身だった。

「剣心、そりゃねーぜ」

「何故?」

それもそうだろう。
チラシだって配ってあるし、それにメンバーが格好よすぎてそれ目当てでボーカルになりたいなりたい奴だって、山ほど居るだろう。

「何故ってそりゃーな?」

「うっ、うん」

左之助の横にいる操も行けないと思っていたのだろう。

「いいじゃん、入口に『決まりました』って書いておけば、問題無い」

「まあな」

さて、やるかーと左之助が言いながら、操・張と共に表に出た。

18:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:05 ID:2Jk

「薫ちゃん、じゃぁボイストレーニングしようか」

「はい」

そうして始めたrouteのボーカルは、薫にとって、この上ない嬉しさが満ち溢れていた











ーはずだった。

19:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:06 ID:2Jk

いつものように学校とバンドを両立した毎日を送っていた。
それで毎日のように、忙しい日々が続いたから、薫は自分がお見合いするっている話を忘れていたのだ。
久々に休みをもらって家に居たのだ。ゆっくりしたい一心で、ベットの上に寝っ転がり、目をつぶった。
毎日殆ど寝ていなかったせいか、眠気が襲って来た。
薫は大きな欠伸をすると深い眠りに落ちようとして、目をつぶった。
――その時だった。
薫の携帯が、静かな部屋の中で煩く着信を告げた。眠りかけていたが、眠気を一気に覚め、目をぱっちりあけて枕元にある携帯を取り、着信画面を見た。
そこには、母と題されていた。
薫はなんだろうと思い、起き上がると、着信に応じた。

「もしもし?」

『あっ、もしもし?今ちょっといいかしら?』

「えっ?あっ、うん。別にいいけど」

20:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:06 ID:2Jk

『あのね、今日家に帰ってきてくれないかしら?知り合い≠ェ来てるのよ』

「分かった、今から行くと・・・んーそうだな。十分かかるから待っててね?」

薫は母の返事を待たずに切ると、服を部屋着から着替え、戸締りをすると、家を出た。





それから十分後。
薫は予定道理に実家に着いた。薫は、玄関の扉をあけて、中には入り、
「ただいまー」
と言いながら靴を脱ぎ、乱れた靴を直した。
ふと、自分の横に置いてある靴を見て驚いた。それはそうだろう。
最近毎日会っていた人の靴だからだ。
―そう、剣心の靴。
そう言い切れはしないが、剣心の履いている靴と全く同じものだというのは間違え無いはずだ。
薫は、そんなことを思いながら、居間に入った。

「薫、お帰り」

「うん、ただいま?」

薫が今この目で見たものは、この家にいるはずもない、剣心だった。

21:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:07 ID:2Jk

「何やってる?薫ここに座りなさい」

「分かった」

薫はそう言いながら、母の隣に腰を卸し、正座をした。目の前に居る剣心に何かを訴える気なのだろうが、伝わってないようで、唯唯微笑み返されるだけ。

「薫、ご挨拶なさい。こちらがあなたのお見合い相手の緋村剣心さんよ」

その隣がお父さんの比古清十郎さん・・・、薫の母は薫にそう説明してほほ笑みを浮かべた。
その顔は、薫に瓜二つだった。頭上で結ってある髪、ちょっと老けているが、大きな目に高くも低もない鼻、それからピンク色のぷっくりとした唇。


―誰が見ても、間違えそうなくらいそっくりだ。


いつものように学校とバンドを両立した毎日を送っていた。
それで毎日のように、忙しい日々が続いたから、薫は自分がお見合いするっている話を忘れていたのだ。
久々に休みをもらって家に居たのだ。ゆっくりしたい一心で、ベットの上に寝っ転がり、目をつぶった。
毎日殆ど寝ていなかったせいか、眠気が襲って来た。

22:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:09 ID:2Jk

「何やってる?薫ここに座りなさい」

「分かった」

薫はそう言いながら、母の隣に腰を卸し、正座をした。目の前に居る剣心に何かを訴える気なのだろうが、伝わってないようで、唯唯微笑み返されるだけ。

「薫、ご挨拶なさい。こちらがあなたのお見合い相手の緋村剣心さんよ」

その隣がお父さんの比古清十郎さん・・・、薫の母は薫にそう説明してほほ笑みを浮かべた。
その顔は、薫に瓜二つだった。頭上で結ってある髪、ちょっと老けているが、大きな目に高くも低もない鼻、それからピンク色のぷっくりとした唇。


―誰が見ても、間違えそうなくらいそっくりだ。


「初めまして▲

本当は、初めましてでは無く、毎日会っているが、そのことを言うと余計にややこしくなると思い、薫は言わなかった。

「こちらこそ初めまして=B緋村剣心と言います」

23:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:10 ID:2Jk

宜しくね、薫ちゃんと言いながら笑顔を見せた。薫も、初対面じゃない事を語られたくない為、宜しくお願いします・・・と返した。

「それにしてもいいんですか?」

剣心の養父・比古清十郎が薫の両親にそう聞いてきた。が、何の話かわからない為、薫の父が聞き返した。

「いいんですか?とは」

「ですから、お若いお嬢さんですから沢山恋もできるでしょう?うちの馬鹿息子は今年で28です。お嬢さんも不安なのでは?と思いまして」

あー、なるほど・・・と説明を聞いて納得した薫の父が、頷きながらそう言った。清十郎は後・・・と繋げ何かを話そうとしたが、剣心に止められ話せなかった。

「取り敢えず、比古君。後は若い二人に任せて、飲みにでも行かないかい?」

「良いなぁ。久々に飲みにでも行こうか。奥さんも」

そう言って、薫の両親と清十郎は薫と剣心だけを残し、家を出た。
―二人になって気まずかなった二人は、躊躇して何も話す気になれなかった。
だから、部屋の中が沈黙になり、薫はもっと喋りにくくなった。
―その沈黙を破ったのは

24:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:10 ID:2Jk

剣心だった。

「薫ちゃん、親父が話そうとしていたこと、今言うよ。」

剣心が、驚かないでね?というので頷くと、話を聞くために剣心と目を合わせた。
剣心は首元に掛けている指輪のついたネックレスと、自分の社員手帳を出した。

「俺はね、二年前に大切な人≠失ったんだ」

剣心は、社員手帳を捲り、挟んであった写真を薫の前に出して見せた。その写真には、若かれし剣心と、雪のような白い肌をした、綺麗な人が腕を組んで映っていた。二人共幸せそうに笑っていた。

「旧姓雪代巴。俺の妻だった人」

剣心の奥さんの緋村巴さんは、薫よりも遥かに美人だった。
非の打ち所がなく、見ただけでもわかる清楚な華の様な人だ。

「巴はね、売れっ子歌手だったんだ。薫ちゃんも多分知ってると思う」

そう、薫も知っていた。確か四年前ブレイクした『I LOVE U』を歌っていたtomoeだ。透き通った声をした人で、ファンも多かったと聴いたことがある。薫の父もtomoeのファンだったという。

「巴はね、病気でなくなったんだ。QT延長症候群って知ってるかな?」

剣心は薫にそう問いかけてきた。もちろん薫は、そんな病気を知らない為、首を横に振り知らないというアピールをする。
剣心は薫のそんな様子に
「分かった」
とだけ言うと、話を続けた。

25:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:11 ID:2Jk

「巴はね、その病気で結婚目前に突然死したんだ。付き合う時に心臓病だから、突然死ぬかも知れないと聞いていたけど、俺の目の前で亡くなった彼女に何もしてあげられなかったという後悔だけが後味悪く残っちゃってね。その後は、俺も荒れちゃって、煙草やお酒に手を出しちゃって」

剣心は今まで薫に見せたことのない辛そうな顔をしていた。それはそうだろう。愛する人を失った気持ちは、今の薫には分からないが、何となく辛いと言う気持ちが分かった。同情なんかじゃないのは、何故なのだろう。

「俺はね、元はギターとvocal掛け持ちしてたんだよ。」
「そうなんですか?」
「そう。自慢の喉だったんだけどね煙草で殺られちゃったから、高い声が出ないんだ」

十分高い声が出ているような気がする・・・と言おうとしたが、無神経だと思われたくない為、言わなかった。

「薫ちゃんがいて良かったよ。歌も上手だし、可愛いし。むさ苦しい男連中だけど、これからもよろしく」

剣心は今までが嘘だったかのように、笑顔を見せたが、それが心からの笑顔じゃないことが何故か薫には分かってしまった。

「私には、無理して笑わないで下さい」

薫は剣心を包み込む様に抱き締めながら、そう呟いた。剣心をこうやって抱き締めたのは、初めてだったはずだが、初めての気がしないのはどうしてなのだろう。薫はそんなことを思いながら、剣心の不安をできるだけ無くすように、強く抱きしめた。

26:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:12 ID:2Jk

[第二章]

初めてのお見合いが終わり、薫は剣心に途中まで送ってもらっていた。最初は遠慮していた薫だが、剣心の押切で、薫は有無を言わなかった。

「薫ちゃん」

剣心は、脚を止めて薫を見つめていた。薫は、名前を呼ばれて剣心を振り返った。

「今日はごめんね?情けないところを見せちゃって」

何だ、その事か・・・。
薫はそう思い、溜息を付いた。剣心はさっきから思いつめているような顔をして居たので、何故かと思っていたが、そういう理由だったのかと薫は思った。

「緋村さん、そんなに思い詰めないでください。人間なんだから、情けないところもあると思います。だから・・・」
「いや、そういう問題じゃないんだ。巴の事は忘れるって決めたんだ。なのに、薫ちゃんを目前にして話すと、何故か・・・以前の巴と重なるんだ」

27:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:12 ID:2Jk

剣心の薫を見る目はいつも切なそうな顔をしていたが、そのせいだったのか。薫は、剣心を見ながらそんなことを考えていた。

「薫ちゃん、これは言いたくなかったんだ。だから・・・ごめん」

剣心は、薫を見つめ、切なそうな目をして薫に謝罪した。薫はもう何が何か分からなくなり、黙り込んだ。

(巴さん・・・剣心・・・巴さん・・・剣心・・・巴さん・・・剣心・・・?)

何故かその名前が当てはまった。以前妙にリアルな夢を見たことがあったのだ。
確か、神谷活心流という流儀を受け継いだ、少女の夢だった。
その夢の中には、赤毛髪の剣をぶら下げた男、それから生意気な門下生。大柄な体格をした喧嘩屋、美人の医者、隠密御庭番衆や京都の御庭番衆の皆。

それらが全部、周りにいる人に当てはまっていたのだ。今目の前にいる人は、赤毛髪の剣客の剣心。現代では違うが、前世で人斬りだった男だ。いつも笑っていたが、どこか切なそうな顔をした人。そう、今目の前にいる人に全てが当てはまった。
巴という人物は、前世では剣心が殺したと聞いていたが、今度もそれと同じ様な物だ。
大切な人を一度ではなく、二度も目の前で失ったのだから。

28:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:13 ID:2Jk

薫は突然前世の記憶を思い出し、目前にいる剣心を見つめた。

「緋村さんは、・・・前世の記憶って・・・ある?」

薫は覚悟を決めて、剣心に聞いた。せめて、記憶だけは・・・と切に願ったのだ。

「・・・あるよ」

あまよくばと願ったが、その一言でそれも叶わなかった。それと同時に、薫は剣心に謝らなければならない事があった。

前世で剣心と約束した事。

「ごめんね、剣心。あの時の約束・・・守れなくて。それと・・・けんし・・・」

薫は、剣心に力強く抱きしめられて、言葉を遮られた。
「薫殿・・・やっと、やっと会えた」
独り言かのような小さな声でそう言うと、更に抱き締めている力を強める。
薫も、それに応えるように力一杯剣心の背中に回した手・腕に力を入れた。

剣心は、ふと我に返ったのか、薫から手を話した。

「ごめん」

そう謝ると、薫に背を向けて走り出した。薫は、剣心に何故謝られたのかが分からなくて、そこに座り込み、子供のように泣きじゃくっていた。

29:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:14 ID:2Jk

薫は、一時間程そこに座ったまま泣きじゃくっていた。泣きやもうと必死に唇を噛み締めるも、後から後から涙が溢れて来るのだ。一体どこからこんな涙が溢れて来るのだと、自分でも笑ってしまう程だ。

「嬢ちゃんか?どうしたんでぃ、こんなところで」

偶然通りかかった左之助が座り込んで泣いている薫を見かけて話し掛けたのだ。
薫は、泣き顔を見られまいと思い、下を向いたまま、声を殺して泣いた。
が、逆にそれは無効果で、左之助に左手をグッと引かれ、左之助の胸に飛び込むハメになって仕舞った。

「俺の前では無理すんなよ。思いっ切り泣け」

左之助に思いっ切り抱きしめらけて、今までに聴いたことのない左之助の声が耳元で聞こえた。昔の明治の世でも、この声を聞いたことがない。

30:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:15 ID:2Jk

「嬢ちゃん、俺じゃ・・・剣心の代わりにはなんねぇか?」

左之助のその言葉に、薫は胸が締め付けられるほど痛かった。確かに、左之助が好きだ。でもそれは、前世と同じで友人として≠セ。剣心は、現世でも前世でも、神谷薫≠ェ好きになった大切な人。

だから、・・・だからこそ、こんなにも苦しくて、切なくて・・・。
どう仕様も無いのだ。
左之助だって、前世からの縁だ。薫が剣心を好きになる事が分かっていたはずだ。

(左之助は、剣心を好きになるって分かってたから、私にはバンドを組んだこと教えてくれなかったんだ)

そう考えれば、今の状況に納得が行く。
左之助は、薫を悲しませたくないから、バンドを結成していた事を知らせなかったんだ。なのに、左之助は一緒に住んでいる操にあのチラシを渡して仕舞った。
でも、全部左之助のせいというわけではない。お見合いの事、それから前世の記憶を忘れていた薫も同じくらい悪いのだ。

31:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:16 ID:2Jk

「左之助・・・ん」

薫は、ごめんなさいと謝ろうとしていたが、左之助に無理矢理唇で唇を塞いだ。びっくりして、さっきまで考えていたことが全部吹き飛んで仕舞った。

回数を増す事に、顔の角度を変えて、唇を重ねた。その口付を薫は快く受け止めて仕舞った。剣心の事は忘れた方が良いからだ。
薫は、左之助の角度に合わせて自分も角度を変えて、しまいには簡単に舌を入れられて仕舞った。薫は左之助に体重を預けながら、必死に舌を動かした。流石に息が苦しくなったのか、左之助が唇を離した。

「泣きやんだな?・・・嬢ちゃん、家まで送るぜ」

左之助はそう言うと、さっきのキスで息切れしている薫を抱き上げて、操とルームシェアをしている家に、お姫様抱っこをしたまま、薫を連れていった。

32:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:16 ID:2Jk

薫もまぶたは、昨日泣いたせいか、ぷっくりと膨れて土偶みたいな顔になっていた。
今日は、学校は休みだがお昼からバンドの集まりと、夜中のコンビニのバイトがある。
薫は、ちょっとは腫れを沈めるため、冷凍庫から氷を取り、小さなビニール袋に詰め込んだ。

ふと机の上を見ると、朝食と手紙が置いてあった。薫は手紙を手に取ると、開いて内容を確認した。

内容はこうだった。

おはよう、薫。顔浮腫んでない?大丈夫?
私はちょっと用事があるから、朝食ちゃんと食べなよ?浮腫みにも聞く朝食にしておいたから。

じゃぁね。

と書いてあるのを見て、自然と口元が綻んだ。
薫は、氷を机の上に置くと、ちょうしょくを採った。

33:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:17 ID:2Jk

そしてお昼。
薫は、重い足取りでスタジオへと向かった。今日は、以前から予定していたsessionをする日だった。薫も、大体のギターコードを覚えてきた頃だからちょうどいいだろうと、みんなで話し合って決めたんだ。

「お早うございます」

いつもよりも、テンションは低いが、それを気付かれないようにするのがプロだ。そう、仕事に私情を挟んではいけないんだ。

スタジオには、薫以外の全員がもう集まっていた。それぞれの楽器を持ち、鳴らしていた。
薫の声が聞こえて皆それぞれが、
「おぉっす」
「お早うさん」
「お早う、薫ちゃん」
「お早う」
と挨拶をしてきた。
昨日のことが、まるで無かったかのように、私も作り笑いをする。
そして、背負っているギターケースを卸し、鍵をあけてギターを手に取った。

「良し、嬢ちゃんも来たことだし、session始めようか」

左之助は、ドラムを鳴らすのをやめて、皆にそう言った。この中で左之助はリーダー的存在で、張以外の皆が信用している。

34:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:18 ID:2Jk

左之助は、ドラムを鳴らすのをやめて、皆にそう言った。この中で左之助はリーダー的存在で、張以外の皆が信用している。

「あぁ、始めようか」

蒼紫もキーボードを鳴らすのをやめ、左之助の方を向いてそう言っていた。表情を変えないことで評判の蒼紫も、ちょっと嬉しそうな顔をしている。

「俺はじゃぁ、ドラムやろうかな」

剣心は自分のギターを立てかけると、左之助がいつもやっている、ドラムの方へと向かった。

「じゃあ俺はギターやるわ」

張は、剣心のギターを手に取り、肩にかけた。
蒼紫は、張のベースを手に取り、簡単に音鳴らしを始めていた。
左之助は、薫のギターを取りに来た。詰まり、左之助は薫のギターをするということなんだろう。

「んじゃ嬢ちゃん、キーボード頼むぜ?」
「うん、任せて?」

薫は幼い頃から、ピアノを習っていた為、多少の事ならお手の物だ。何時もは、蒼紫が引いている曲を、自分でするというのはちょっと気が弾けるが、でも逆に楽しい気がする。

35:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:18 ID:2Jk

「んじゃ、早速はじめるよ。family▲

familyは、once againのデビュー曲だ。familyというのは、家族や仲間と言う意味がある。どちらかというと、仲間を主体に描いた曲らしい。
作詞は全部剣心で、作曲は剣心と蒼紫が主体らしい。

剣心が書いた曲は全て、英語の詩だ。
あの巴のことを思って書いた曲the she≠セって英語の詩で、日本語で書いた詩は無かった。
薫は、英語は苦手ではなかったが、覚えるのに苦労をした。

そして、今回のツアー前の新曲は薫が書くことに成ったのだ。初めて、作詞をするから、今の気持ちを詩にしようと思っていた。

実は昨日の夜、詩を書き上げたんだ。日本語の詩で、自分の気持ちを最大限まで書き上げた作品になっている。

その詩が、これだ。


Memory
ねぇ どうして 大切なものはいつも
私の前から消えてしまうの
伝えられない 伝わらない
大切なこの気持ち

自分の気持ちを押し殺して
やっと気づいたこの思い
好きの一言が伝えられない
今のこの状況は
あなたにとっても私にとっても
重荷でしかない

過去の記憶に囚われて
大切なものを失った
あなたと過ごしたこの時間は
嘘偽りのないこの想い

空を見上げながら呟いた
「愛してる」の一言
あの日あなたが言った言葉は
この胸に溢れている

過去の記憶に囚われて
大切なものを失った
あなたと過ごしたこの時間は
嘘偽りのないこの想い

あなたがいて 私がある
なのにどうして二人
同じように想い
愛して居るのに

過去の記憶に囚われて
大切なものを失った
あなたと過ごしたこの時間は
偽りのない想い

偽りのない想い・・・

36:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:19 ID:2Jk

sessionが終わったあと、初めて書いた詩をいつの間にか、曲にして、口ずさんでいた。
しかもマイクを手にとって。

薫は、自分のしたことを振り返り、さぁーっと血の気が引いていくのを感じた。

「いいね、それ」

剣心が、薫の歌ったmemoryと言う曲を、褒めた。ほかのみんなも、剣心の言葉に同意し、大きく頷く。

「それ、薫ちゃんがかいたの?」
「はい。昨日作詞したんです」

と言いながら、自分の鞄の中から、昨日書いたmemoryという詩を剣心に見せた。
剣心は、作詞だけの紙を見て、目を見開いた。それはそうだろう。さっきの歌には、メロディが入っていたからだ。

「これ、良いよ。薫ちゃん、新曲はこれに決定」

37:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:20 ID:2Jk

新曲が決まり、後はメロディーラインを重視して編曲した。歌詞も一部変わったところがあ
る。


Memory
作詞作曲:神谷薫
編曲:緋村剣心

ねぇ 大切なものはいつも
私の前から消えてしまうの
伝えられない 伝わらない
大切なこの気持ち

自分の気持ちを押し殺して
やっと気づいたこの思い
好きの一言が伝えられない
今のこの状況は
あなたにとっても私にとっても
重荷でしかない

過去の記憶に囚われて
大切なものを失った
あなたと過ごしたこの時間は
偽りのない想い

空見上げながら呟いた
「愛してる」の一言
あの日あなたが言った言葉は
この胸に溢れている

過去の記憶に囚われて
大切なものを失った
あなたと過ごしたこの時間は
偽りのない想い

あなたがいて 私がある
なのにどうして二人
同じように想い
愛して居るのに

過去の記憶に囚われて
大切なものを失った
あなたと過ごしたこの時間は
偽りのない想い

偽りのない想い・・・

字余りになったところは、消してこれで歌いやすく成った。
もちろん歌うのは薫だが、皆もハモリで入ってくれると言った。



今月は、フェスがツアー目前に控えて居る。
皆は、フェスは諦めてツアーを一生懸命やろうと言ったが、薫だけ
「フェスもやりたい」
と言ったので、フェスもやることになった。

フェスをやる会場は、結構大きな会場らしい。
『once again』だけじゃなく、志々雄真実と言う、ライバルが居る『the survival of the fittest』と言うバンド。the survival of the fittestは志々雄真実の口癖である『弱肉強食』から出た名前らしい。
Once againと同じぐらい人気があり、志々雄真実と剣心は幼馴染みで、小さい頃から比べられていたらしく、仲がいいと言う感じではない。

38:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:20 ID:2Jk

The survival of The fittestのメンバーは、Once againと同じくらい格好いい人ばっかりだ。

瀬田宗次郎や、お釜の鎌足・・・。
個性豊かな人達で、ギターには女の人も居る。
名前は、駒形由美。
志々雄真実を志々雄様と言い、志々雄真実からも好かれている?人物。

紹介は後にしても、今回はフェスが終わった後、志々雄達と打ち上げをする事に成っていた。剣心達は何故か引き気味だったが、薫はそうでも無さそうで、今も楽しそうに自分の楽器を練習している。

新曲の練習を各自でしていると、薫は歌詞を口ずさみながら、メロディーラインを引く。
そんな綺麗で小さな声に吊られて、皆も薫が歌っているラインを引く。
そしてサビに入ると、皆がハモリに入り、一つの音になっていく。

「過去の〜記憶に囚〜われて 大切〜な物を失った〜」

薫と剣心がメロディーラインを歌いながら引き、左之助と張と蒼紫がそれをハモリ乍、リズムを刻んだり、コードを引いたりしている。

「偽りの無い〜この想い〜・・・」

薫は、剣心に言われた通り、この詩を描いた時の感情や、気持ちを込めて歌った。
最後に、余韻を残す様に。

39:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:21 ID:2Jk

歌い終わったあと、薫の目には涙が浮かんでいた。これを書いた時の感情が、胸にこみ上げてきて、何時もこうなるのだ。
こればかりは、薫自身でもどうしようもない事だ。抑えようと思えば思うほど、涙が溢れて止まらなくなる。

薫はこの時気が付いたのだ。こんなにも、剣心の事を好きでいるという事に。
この歌を書いていた時も、そして今も・・・。薫が考えているのは、緋村剣心と言う人物の事だけだった。
心が、二番目でもいいから、剣心を好きで居たいと、心のどこかで誰がか叫んで居る。

「薫ちゃん?どうしたの?」

斜め後ろでギターを弾いていた剣心が、薫の様子がおかしいと想い、薫の顔をのぞき込んでいた。剣心はぎょっとした。それはそうだろう。
薫は今にも涙を零しそうに成っていたのだ。

「ちょっ、えっ?薫ちゃん?」
「もう、今日は終わりだよね?今日は先に帰ります」

震える声で薫はそう言うと、ギターをギターケースにしまい、肩に背負うと、スタジオルームから出ていった。

40:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:24 ID:2Jk

寄り道をせず家に帰ると、自分の部屋に入りギターケースを置くと、操の部屋をノックした。
ノックしてからすぐ操の声が聞こえ、ドアが空いた。
薫の顔を見てぎょっとしたが、操はすぐ笑顔を見せて、部屋に招き入れて、ベットのうえに薫を座らせた。
操は、何も聞かずに薫を抱き締めた。せ中を摩りながら、薫が安心して泣ける様に。
薫は操に抱き締められた瞬間、今迄堪えていた涙が溢れだした。一粒の涙が頬をつたり、そのあとを追うように、涙が流れてくる。

あれから、一時間くらい泣き落ち着くと今まで合ったことを洗い浚い話始めた。
しゃくりをあげながら話すため、とっても聞きにくいが、操は何も言わずに、薫の言う事を聞いていた。

「でもね、操・・・私自分の気持ちに気づいたの」
「薫の気持ち?」
「うん。・・・私は・・・」



「私はやっぱり、緋村さんが好きなの。大好きなの」

そう、薫が今言った気持ちにうそは一つも無かった。さっき自分の気持ちにやっと気づいたんだ。剣心を好きな自分の気持ちに・・・。

「薫、おめでとう。やっと好きだって気づけたんだね」

親友の恋路を心から祈っている操は、薫の一大決心におめでとうと言った。

「うん・・・、て、ぇええ?知ってたの?」

いつから?と繋げる薫は、さっきまで泣いていたことも忘れて、操の答えを待っている。操は、
「あんたの反応見てたらわかるって」
と苦笑しながらいう。

41:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:25 ID:2Jk

「どんな反応よ」

薫は頬を真っ赤にさせて膨れ乍、操にそう言った。だが、すぐに笑顔を見せるとベットから立ち上がり、操に
「ありがとう」
と言うと、部屋を出て、自分の部屋に戻った。

薫は、鞄の中から楽譜を出し、ベットの上に置くと、壁に立て掛けてあるギターケースを床に置き、中からギターを出すと、片手で持ち、ベットの際に座ると片手で持っていたギターを手に取り、指で軽く音鳴らしをする。
今度はギターと一緒に出した、自分専用のピックを使って音を鳴らした。

音鳴らしをすると、楽譜を見ながら、書いてあるコードを抑えて、ピックで音を鳴らして行く。Memoryは、バンドではあまり無いバラードなので、ギターとピアノが殆どメインに成っている。
ベースとドラムにリズムを刻んでもらうことで、ペースを合わせようと言う訳だ。

薫は、そんなことをかんがながら、伴奏のコードを引き終わると、サビのラインを弾きながら歌う。

「過去の〜記憶に囚われて〜 大切なものを失った〜 あなたと過ごした〜この時間は〜 偽りの無い〜想い〜」

何も考えていなくとも、歌詞が口から出てきて、途端に心が苦しくなって、涙が流れてくる。このサビは、剣心のことを思って書いた曲。だから、告白ととってもらってもいいのかもしれないが、それとはまた違う歌詞になっている。
剣心のことを書いた唄なのだから。

「薫ー、ご飯よ〜」

リビングから、操の声が聞こえて、薫は
「はーい」
と元気に返事をすると、リビングに向かった。

42:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:26 ID:2Jk

[最終章]

季節は夏を迎え、ツアーを目前としたフェスが今日ある。薫が初めて合うのは、志々雄真実が率いるThe survival of The fittestのバンドのメンバーのみ。

フェスが開催されるのは、東京で一番広いと言われている?東京ドームだ。あの有名なrouteの緋村剣心というだけで、こんなに大きなホールが取れたそうだ。
何よりrouteは、伝説のバンドと言われているだけあって、男女問わずに人気が合ったそうだ。メンバーは、剣心と蒼紫、それから・・・。もう一人は、リーダーであった比古清十郎。剣心の養父でもあり、剣術とギターを徹底的に教えこんでもらった師匠でもあると、薫は聞いたことがあった。
ボーカルであった剣心は、デビュー当日14歳だった。routeは5年間続いていて、あるきっかけがあり、解散したらしく、今では伝説となっていた。

きっかけは、剣心と巴の結婚だったそうだ。比古清十郎は、そのことを既に知っていて、解散ライブを開いて解散したらしい。
ところが、巴は解散ライブが終わり、1ヶ月が過ぎたあと、剣心の目の前で亡くなった。
そんな事もあり、剣心は単身で海外を周り、二年前に東京の地を踏んだと言っていた。

43:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:26 ID:2Jk

あれ以来、殆ど変わった事は無く、変わったとすれば剣心の呼び方ぐらいだろう。以前の薫は剣心の事を
「緋村さん」
と呼んでいたが、剣心に呼び捨てでいいと言われて
「剣心」
と呼ぶようになった。


フェスと言うだけあって、中には着物を着て歩いている人が結構居た。薫自身も、今回は着物でもいいと言われたので、着物を着込んで居た。剣心はと言うと、明治時代と同じ袴姿だった。上は髪と同じ赤毛がかった茶色で、下は灰色だった。違うことといえば、左の脇側に逆刃刀がない事だけだろう。
その代わりに、背中にはギターケースを背負っている。
剣心は相変わらず、顔立ちが良い為、剣心の横を通りがかった女性たちが振り返る程だ。剣心は、それに気がついていないのか、前を向いたまま、歩いている。薫は、そんな剣心をやっぱり剣心らしいと思うのであった。

「薫ちゃん、俺の顔何かついてる?」

いつの間にか、薫は剣心の横顔を見詰めていたらしく、剣心に顔を覗きこまれてしまった。
薫は言い訳よがしに
「あっ、ううん。なんでもないの」
と言うと、真っ赤に染まっている顔を、剣心から背けた。

「ならいいけど?」

と言うと、剣心はまた視線を元に戻した。薫は、真っ赤な顔を剣心に気付かれていないということがわかると、溜め息をつき視線を戻した時、誰かにぶつかった。

44:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:27 ID:2Jk

「ごっ、ごめんなさい」

薫は、ぶつかった人物に謝りながら、その人の顔を見上げた。
服装は、青の着物を着込んでおり、体全体に包帯を巻いている、如何にも恐ろしい人物だった。

「志々雄様、早く行きましょうよ。そんな子なんて放っておいて」

その人物の隣にいた、大人の女性と言う感じの人が、志々雄と言っていた。この人が志々雄真実・・・と薫は圧倒されていた。前世では一度も目にしたことがないが、剣心との死闘を交えた人物という事に間違えは無い様だ。

「ああ」

そのとなりにいた女性にそう答えると、薫の隣にいる人物を睨みつけ、二人は行ってしまった。志々雄が睨みつけた人物は、確かに剣心だった。明らかに敵対心を持っているとしか思えないほどの脅威の目だった。

「偉い挨拶だな、志々雄・・・」

剣心は小さい声でそうつぶやき、溜め息をつくと、また何事もなかったような素振りで、歩き始めた。
薫は剣心とは違って、何気ない素振りで歩く事は出来ない。

45:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:28 ID:2Jk

「何辛気臭ぇ顔してんだ嬢ちゃん。これからフェスだぞ?もっと楽しもうぜ」

斜め横にいた左之助が、そう言うと肩をぽんっと叩いて薫を嗜めるように、笑顔を見せた。
薫も、左之助の笑った顔を真似して、笑って見せた。

「良し、それでいいぞ」

左之助は、久々に薫の笑った顔を見たせいか、自分も吊られて笑ってしまった。

「くそっ」

そう呟いたのは、一体誰だったのだろう。薫はその呟きは聞こえてなかったのだろうか、笑顔で歩いていた。

46:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:28 ID:2Jk

夕方になり、陽が傾いてきた頃、フェスのライブが開催された。綺麗な夕日に照らされて、マイクが光る。楽屋では、Once againのメンバーである左之助の声が木霊する。その後、剣心・蒼紫・張の声が聞こえた。

「薫ちゃんも。息入れとかないと。・・ほら」

剣心は薫の手を取ると、皆が重ねている手の上に乗っけた。そして、左之助が音頭をとる。

「嬢ちゃんにとって初めてのライブ。盛り上げていこーぜ」

「おー」

意気込みを入れて、楽屋から出た。







その頃のステージでは、志々雄のliveが開催されていた。盛り上がりは、絶頂を超える程だ。

「きゃぁー、志々雄様〜。かっこいー」
「宗次郎くーん」
「由美さ〜ん」

等と、好みは多数で、観客は目がハートに成っていて、殆どが狂って踊りまくって居た。
志々雄のバンドは、殆どが日本語で、早口で歌っているのが多い。
まぁ、あの志々雄のどこがいいのかは分からないが、何となく盛り上がりやすいのが解る。

47:匿名さん:2015/06/26(金) 23:30 ID:2Jk

「やけくそだ。これで最後だぜ」

低い声で、見た目も怖いから、殆どがヤンキーバンドだって思うかもしれないが、志々雄の歌声はどこか切なく甘い声をしていた。
最後の曲は、バラードだった。
伝えたい事が身にしみて分かるような、切ない曲。作詞作曲は、駒形由美がしたらしい。殆ど志々雄真実がしていたらしいが、志々雄は今回編曲に回ったらしく、曲調もゆったりしていて、観客を魅了させているようだ。

「じゃぁな」

唄い終わったあと、志々雄は首にかけていたタオルを観客席に向けて投げた。乱れた着物を治すと、Once againと交代するため、舞台袖に向かった。

志々雄の投げたタオルを受け取ったのは、かの有名なToranesuのギターであるオカマの鎌足だった。何故か、志々雄に惹かれているらしく、今回もこうして、liveにに来ていたのだ。

「志々雄様・・・」

48:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:31 ID:2Jk

それから十分間。
ステージ係であるスタッフが、剣心たちの楽器をチューニングしている。それと同時に、マイクのテストもしている。
今回は、薫や剣心以外の楽器の前にも、マイクスタンドが接着されていた。
左之助達の歌う姿は見たことがない。だから、どんな声で歌うのかが、余計に楽しみに成ってきた。

チューニングが終わったあと、ステージスタッフ達は、舞台袖へよけ、舞台袖の右側に居る剣心たちに合図を送った。
それに気付き頷いたと同時に、照明が切れた。
そして、綺麗な歌声とpiano、それからギターが初めに入った。
まだ、ステージ照明は切れたままだが、透き通る様な声が響いた。

この曲は、剣心が巴の事を思い、最大限に気持ちを書き出した曲。剣心の事を思うと、この歌はフェスでは歌わまいと思っていたが、本人の希望で、歌う事に成った。
最初のサビが終わったあとぐらいだっただろうか、目前の噴水が吹き上がり、照明がついた。
間奏の間皆前にやったセッションの場所に動くため、噴水でステージに壁を作ったままだ。薫は、蒼紫がいつも使っているピアノの前に着き、剣心はドラムがセッティングされている間にある、椅子に座り撥を持った。
左之助は薫のギター、張は剣心のギターを手に取り、マイクスタンドに挟まっているピックを手に取った。
蒼紫は勿論のこと、張がいつも使っている愛用のベースを手に取った。

49:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:32 ID:2Jk

そんなことが、ステージ上で行われているとは知らず、長い間奏を待つ観客たち。勿論、その中には操もいる。
操がまだかなぁと思った時だった。噴水で作った壁が、段々と崩れていき、中にいる剣心たちが見えて来た。
先ほどの位置、持っている楽器が全員違う。

「なるほど・・・。これが薫の言っていたセッションね」

操は意味有りげに小さく呟くと、ステージに立っているOnce againを見つめた。


薫は、コードに気を付けながら歌を歌う。剣心は、そんな薫を横目で見ながら、ドラムを完璧にこなす事に集中した。
何とか皆躓かず、自分がやっている楽器を精一杯完璧に成し遂げた。

セッションが終ったあと、自分の楽器に戻り、額に流るる汗を拭う。剣心にはそんな薫の姿が、愛おしく思えるが、未だに自分の葛藤が抑え切れては居なかった。
MCの間も、頭は上の空で、返事にもそれが表に出ていたようだが、本人は気づいていない様子だ。薫は、そのことに気付くと、観客に新曲をここで歌うと告げた。

「皆さん、聴いてくださいね?・・・memory」

甘え声で薫がそう呟くと、左之助は撥を置き、自分の楽器の目前に置いてあるマイクを取った。もちろん張も自分の楽器を置くとマイクを取った。

50:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:33 ID:2Jk

何度も何度も、書き直しただけあって、その時の様子が目に浮かび、歌う前から涙が浮かぶ。薫は何とか、サビまでは泣かないと決め、何とか歌い上げた。
でも、やっぱりサビに入ると、涙が溢れてきた。薫は震える声で、何とか歌い、支えてくれた左之助達に感謝をした。

「偽りの無い〜・・・思い〜」

涙を流しながら、観客に笑顔を向けると、自然に落ちてゆく照明と共に、舞台袖に余けた。
薫は、何とか泣きながら舞台袖によけると、ステージ裏にある椅子に座った。何故か自然に溢れてゆく涙と共に、更に自分の気持ちの重さを知った。


あれから、二時間ぐらいだろうか。左之助達は先に打ち上げに行くからと言って、先に会場を出た。
残ったのは、薫と剣心のみ。
やっと泣き止み、落ち着いたところを見計らい、剣心が口を開いた。

「薫ちゃん」

不意に呼ばれたので、薫は剣心の顔を見上げた。剣心の顔はすぐ近くに有り、その事に正直驚いていた。
あたふたしている間に、唇を奪われて、薫は目を開けて驚いた。が、すぐに状況を理解して、目を瞑り剣心の唇を受け止めた。
唇が離れた後、剣心は自分の意を決めた。薫は、剣心を見据えたまま目を離さなかった。

51:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:33 ID:2Jk

「やっぱり、君が好きだ。今の気持ちに嘘を付けないよ」

剣心は恥を偲んで、今心から愛おしく思っている人を真っ直ぐ見つめ、押し殺していた気持ちを吐き出した。
薫は、突然の告白に驚き、顔を真っ赤にさせていた。まさか、自分のこの想いを、先に剣心に言われるとは思っても居なかったのだ。

「迷惑・・・かな?」

迷惑と思うわけが無い。薫は、そう言うかのように、首を振った。そして、今が自分の気持ちをいう時だと思い、深呼吸をした。

「・・・私も剣心が、・・・大好きです。・・・多分剣心が思っているのよりずっと」


―そう、神谷薫は、緋村剣心を愛しています。―



end

52:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:34 ID:2Jk

愛するあなた 番外編

剣心と薫が付き合うようになって、約半年が経つだろうか。操はまだ、蒼紫に気持ちの一つすらも言えていない。
好きと言う二文字の言葉を伝えればいいだけなのに、その言葉は口が避けても、言葉にすることは出来ない。

何時からだろうか?こんなにも、胸が張り裂けそうなくらい、蒼紫の事を好きになったのは・・・。


ゴールデンウウィーク前だっただろうか。打ち上げという名で、剣心・蒼紫・左之助が来たのは。張は用事があって先に帰ったらしくて、来ていなかった。
操は、大の男が四人来ると聞いて、結構な量の料理を時間かけて作ってしまったのだ。
蒼紫様を思って作ったのが殆どで、辞めかけようとしたとには、机の上に結構な量の料理が並んでいた。

「まぁ、いっか」

操は、一人で納得すると、今作っていたものを皿に入れて、机の上に置いた。
――――ちょうどその時。
ドアが開き、薫・剣心・左之助に続いて、蒼紫が家に入ってきた。

「ただいまー」

53:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:35 ID:2Jk

薫はヒールを脱ぎ揃えると、キッチンに入って来た。その後に続いて、剣心と蒼紫、左之助がぞろぞろと入ってきて、机の上にある料理に釘つけた。

「あっ、お帰り薫。緋村・左之助・蒼紫様いらっしゃい」
「おぉーす。イタチ娘久しぶりだな。元気にしてたか?」
「誰がイタチ娘よ、誰が・・・。あっ、そいえば張君は?」
「あぁ、先約があるみたいで今日は来れなかったらしいよ」

操の問いかけに答えたのは、剣心だった。髪を切ったらしく、前見たく括っていない。まぁ、操にとってそんなことはどうでもいい。今どうでもよくないのは・・・

「お久しぶり、蒼紫様」
「久しぶりだな、操」

そう何を隠そう、四之森蒼紫だ。いつもの様に、操を見下ろす感じで、優しく微笑んでいる。蒼紫を見上げる操の頬は、いつも異常に赤くなっていた。
操は、何かを思い出したかのように、後ろを向いた。
そして、小皿を取りそして、一つの料理から、一口ぐらいの量を皿に入れて、蒼紫に渡した。

54:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:35 ID:2Jk

「蒼紫様、食べてみて?」

操にそう言われ、蒼紫はどれどれという顔で、皿を受け取ると、スプーンで掬い、口に運んだ。
他のみんなは、美味いのか美味くないのかを期待しているような感じで、蒼紫を見詰めた。

「・・・美味い。・・・、上達したな。操」

優しく微笑んで、操を見詰め、そう言った。
他のみんなは、安心したかのような顔をして席に座った。

「蒼紫様も座って?これ全部、あたしが作ったの」
「これを全部か?」
「そう。だから、食べよう?」

蒼紫が座れる様に椅子を引きながら、操はそう言った。勿論蒼紫は断るはずもなく、笑顔で頷くと、席に座った。
操も席につき、皆で
「頂きます」
をした。

左之助は、いつも以上に食い意地が貼っているのか、ローストチキンを手に取って、結構大きな口で頬張った。他のみんなは、呆れてものも言えないくらいだ。左之助のその食欲はどこから出て無るのだろうか。

「薫っ、はい。・・・あーん」

剣心が、ロースカツを一口サイズに切り、薫に食べさせようとしていた。
薫は、拒みもせず、剣心が差し出してきてくれたそれを、食べた。

「んー、美味しい」

流石ね、操と言いながら、自分がさっきまで口にしていたナムルと言うサラダを、小皿に取り皿に取り、剣心の口に持っていく。

55:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:37 ID:2Jk

流石ね、操と言いながら、自分がさっきまで口にしていたナムルと言うサラダを、小皿に取り皿に取り、剣心の口に持っていく。

「はい、あーん」

剣心も拒まず口を開けると、薫が口元まで持ってきたナムルを食べた。
やがて左之助は、それを見てられなくなったのか、こう言った。

「そういう事は、二人の時だけにしてくれよなー」

眉を曲げながら、左之助が言った。薫たちは、別に気にしてないように、食べさせ合いを続けている。操も、それが楽しそうに思えたのか、隣に座って黙々と食べている蒼紫に、自分が食べていた料理を差し出した、

「蒼紫様、はい。・食べて?」

フォークで突き刺したサイコロステーキを、蒼紫の口元まで持って行った。蒼紫は少し躊躇したが、持ってきてもらったものを、拒否る訳にも行かず、少し口を開けて、サイコロステーキを食べた。

56:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:38 ID:2Jk

「・・・美味い」

さっきまでちょっと不機嫌だった蒼紫も、微笑みながら、そう答えて、昔の事を思い出した。
あの頃の操は、翁と言う蒼紫の親戚の家で引き取られていて、毎日の様に
「蒼紫様」
と言って小さな手でギューっと蒼紫指を握っていた。
その子が今は、こんなに大きくなって、蒼紫の傍にいる。それは多分、幸せな事だろうと思う。が、自分の手ではまだ、操を抱き合い目てやることは出来ないのだ。いや、できないから逆に・・・・と言うのもあるのだろうか。こんなに近くにいるのに、何も出来なくて・・・というのが、蒼紫の中では強いのかもしれない。

操は操で、さっき自分がやったことに、恥ずかしいと思っていた。だって、自分からあんな大胆な事をしてしまったのだから。
それから、蒼紫とは気まずくなっていた。

二時間が立った頃だっただろうか?
あんなに作りすぎていたおかずも、殆どが空っぽ。殆と言っていいほど食べていた左之助も、用事があるのを思い出し、先に帰ってしまった。今日は、うちに泊まるらしい剣心は薫と部屋に籠ったまま。
蒼紫は、ある程度片ずけると言って、洗い物中。
操は蒼紫に示されて、今はお風呂に。

57:匿名さん:2015/06/26(金) 23:39 ID:2Jk

「はぁ」

操は、自分が情けないと思った。確に、蒼紫に好きだと言われることが、何よりも理想だが、人生そんなに甘くは無いものだ。そんな理想はそんな簡単に叶うものではない。何度も思っていたが、蒼紫はみんなに対して優しすぎる。その優しさも、今では自分に気を使っているだけとしか思えなくなったのだ。何よりも、誰よりも好きな人だからこそ、誰カフェ構わず優しくしていると、落ち込む物だ。

操はもう一回溜息を突くと、脱衣場に上がった。そして、用意していた服に着替え、脱衣場から出た。
脱衣所を出て、キッチンに行くと、置き手紙があった。
操へと書かれてあったため、すぐに蒼紫のものだと分かった。

操へ
今日は、迷惑かけて済まないな。特に左之助が迷惑かけたようで、すまん。
あと、今日はここに泊まることにするが、それでもいいか?
あっでも、空いている部屋もないし、操の部屋を借りておく。

と言う、短い置き手紙だった。もし、書かれていた通りならば、蒼紫はまだ操の部屋に居るはずだ。操はそう思うと、急いで自室に入った。

「蒼紫様?・・・もう寝ちゃった?」

58:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:39 ID:2Jk

操は、床に座って寝ようとしている蒼紫に声をかけた。

「操・・・」

蒼紫はそう言うと立ち上がり、操の手を引くと、ベットに座らせた。

「膝枕、してもらってもいいか?」
「・・・いいよ」

蒼紫は操の返事を聞くと、体重をかけないように、操の膝の上に頭を置いて横になった。何故かそんな蒼紫がとても愛おしく思えてきて、操は自分の膝の上にいる蒼紫の髪を触った。

「ねぇ、蒼紫様?」
「・・・何だ?」
「私ね、やっぱり・・・。蒼紫様のことが好き」

操は恥ずかしさを偲んで、蒼紫に自分の気持を言った。何故か、そう言いたい衝動が抑えられなかった。蒼紫は最初から、その気持ちに気づいていたからだろうか、驚きもしなかった。それが救いだったかのようにホッとすると、蒼紫の答えを聞いた。

「蒼紫様、・・・返事は?」
「分からん」

59:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:39 ID:2Jk

さっき蒼紫が言った言葉は、操が想像していた返事より、あやふやな物だった。
―好きでも無ければ、嫌いでもない―
そう遠廻しに言われた気がした。操は、何か吹っ切れたような感じで、一筋の涙が頬を伝い、蒼紫の頬にこぼれ落ちた。

「操・・・」

蒼紫の顔を見られず顔を逸らすと、後から後から涙がこぼれ落ちた。今迄、何処か操は無理をしていたのかもしれない。いつも笑顔を絶やさず、自分だって恋には発展していないのに、薫の恋愛相談を受けたりして。色々大変な事があっても、辛いことがあっても、絶対に泣かなかった操。周りから見れば、強い子という一言で収まるのかも知れない。でも裏では、特に蒼紫の前では、泣いている所やそう言う辛そうな顔を何故か見せられた。
蒼紫は小さな頃から、操の傍にいたからなのかもしれない。蒼紫は兄の様な存在だからと言う理由だけだけかも知れない。だけど、だけど、蒼紫は兄よりももっと大事な人だからこそ、弱い所を見せられる。大事な人だからこそ、泣いている姿を見せられるのだ。

60:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:40 ID:2Jk

でも、今は違う。
蒼紫には多分、心に思う女性(ひと)がいる。それは多分、自分では無い。だからこそ操は今、泣き顔を見せるのが、途轍も無く嫌だった。どうせなら、膝で転んでいる蒼紫の頭をどけてでも、逃げ出したいくらい蒼紫に辛い顔を見せたくなかった。
操は、一睡もしないまま、蒼紫に顔を背けたまま、声を殺して泣いていた。

61:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:40 ID:2Jk

―ゴールデンウィーク―
操は久々に、翁に家に来ないかと言われ、シェアハウスを出て、ゴールデンウィーク中は翁の家に泊まる事になった。

「翁〜?いる?」

玄関に入り、家にいるはずの翁に声を掛けた。でも、翁の返事は帰ってこなくて、仕方なく、家に上がった。
―中学校以来だろうか?この家に来たのは。
高校生になってから操は薫とルームシェアを初めて、幼い頃から育ててくれた翁の元を出た。
だから、翁と会うのも四年ぶりぐらいだろうか。

「翁〜?」
「おぉ、操〜。おかえり」

相変わらず長い髭を、紐で蝶々結びをしている翁。呆れるというか何というか・・・。
操はちょっぴり深い溜息をつくと、居間に入り、座布団が敷いてある上に座った。

「ゴールデンウィーク中、お世話になるね。翁」
「あぁ、それなら前使っていた部屋を使えば良いじゃろう。部屋はそのままの状態にしてあるから、使いやすいじゃろう」
「ありがとう、翁」

62:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:41 ID:2Jk

操はそう言うと荷物を持って、自分の部屋に向かった。
―ここは、・・・翁の家は、京都じゃ有名な葵屋だ。
翁は、蒼紫の祖父であるが、孫である蒼紫よりも、操のことを可愛がっている。
正直、そんな翁には感謝しているのだけれど、孫である蒼紫を可愛がるならわかるけど、先代の一人娘である操を可愛がるのは正直に言って、意味がわからない。

自分の部屋に入り、一息つくといつも来ている動きやすい道着に着替えた。
中学校の頃着た以来だからちょっと小さいかなとは思ったが、ポジティブ思考でまぁいっかと考えると、長い髪を三つ編みしていった。横髪は短いので残し、三つ編みしていった髪をゴムで結うと、部屋を出た。

63:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:41 ID:2Jk

―その頃の蒼紫―
蒼紫は剣心に誘われ、飲みに行っていた。正直に言うと行きたくはなかった。だって、蒼紫は下戸だ。飲めるとしたらソフトドリンクか抹茶、それから子供ビールぐらいだろう。剣心がそれでもいいからというので、仕方なく待ち合わせのバーに向かった。

蒼紫がそのバーにつく頃には、剣心はもうそこに居た。蒼紫はバーに入ると、剣心の隣に座った。

「緋村、待たせてすまんな」
「あぁ。俺も今来たところだから」

蒼紫は珈琲を頼み、隣にいる剣心に何故ココに呼んだのかを聞いた。自分とただ話したかったのか、それとも又違う理由なのか・・・。蒼紫はそれが聞きたかった。

「あぁ、それ聞く?・・・、俺が言いたいのは操ちゃんの事だよ」

操という単語に、蒼紫は体をビクッとさせた。確に、それなら薫から聞いていて剣心に聞かれるのも納得がいった。

「操が、・・・どうかしたのか?」
「いや、気に触ったらごめんなんだけど。・・・女の子の心、弄ぶようなこと辞めなよ。操ちゃん、今日のお昼に京都に帰ったらしいよ。・・・朝だって、凄い顔してたのに。一人で京都に帰ったらしい」

操が、京都に帰ったらしい・・・という言葉が、蒼紫の中で木霊した。それは自分がマネイタ種のせいだ。昨日の夜、操に告られたのはいいが、蒼紫は自分の気持ちが分からないから、わからないと答えたのだ。
その結果、操は昨日一晩中泣き続けていた。操の涙を見て、蒼紫はすぐ様後悔した。操の告白にあやふやな返事を返しておいて、操の泣き顔を見て、やっと己の気持ちに気付いたのだ。
―でも、もう遅いのだ。今ごろになって、自分の気持ちを言っても、遅い。

64:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:43 ID:2Jk

「それは、言ってみなきゃわかんないでしょう」

まるで、蒼紫の心を見透かしていたかのように、そう呟くと勘定を置き、先に出た。
蒼紫は剣心に言っていた事は正しいと思った。確に蒼紫は剣心の言う通り、自分から気持を伝えた事など無い。
寝てる時に一度だけはあるが、起きている時は無性に恥ずかしくなってきて、出来なかった。でも、今なら・・・。
蒼紫はそう思うと、珈琲代を置き、駅に向かって走った。

65:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:43 ID:2Jk

―京都の葵屋 夜―
操はお店のお手伝いが終わった後、部屋でゆっくりしていた。アルバムをめくり、幼い頃の自分を見る。いつも、蒼紫の後ろを追いかけ回っていたあの頃が懐かしい物だ。何も考えなくて良くて、勉強の邪魔になると言われても、勉強が終わったあと、蒼紫のところに行って、お疲れ様って言うと、蒼紫に強く抱きしめられて、ありがとうって言われていた。
出来るならば、あの頃に戻りたい。あの頃に戻って、何も考えないまま蒼紫に触れていたい。

そんな時だっただろうか。
急に操の部屋の扉が開いた。そこにいたのは、間違いなく、操の思い人である四乃森蒼紫だった。全力で走ってきたのか、息が切れていた。操は、泣きそうになっていた顔を背けた。
そんな操を、蒼紫は後ろから手を回し、強く抱き締める。

「済まない、操。俺はやっぱり・・・お前が好きだ」

耳元で囁かれたその言葉は、嘘偽りのない、蒼紫の想いだった。操は、その言葉に驚いて、首もとにある蒼紫の顔を見た。

66:斎藤一&◆jE:2015/06/26(金) 23:44 ID:2Jk

「・・・、さっきのって本当?」

「ああ、お前を愛している」

操の頬にキスをして、抱きしめていた腕をほどくと、操を前に向かせて、また抱き締めた。

「もう俺の前で、泣いたりしないでくれ」

そう言って、より一層、強く抱きしめると、操を抱っこして、今度は唇にキスをした。


end

67:斎藤一&◆jE:2015/06/27(土) 09:04 ID:IAA

名前が変わっていたりしていますが、なっちーです。
小説の方で、新撰組物語と言う小説を書いているので、名前を変えて居ます。

あと、誤字脱字があるかもしれませんが、読んで下さった皆さん、ありがとうございます。


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