【ばらかもん】島に来たのは、絵本作家だった。

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1:匿名さん:2015/07/26(日) 23:54 ID:hbM

ばらかもんにどはまりちゅうなので、なんとなく書きます。
書き込みはオッケーですが、無いと予測しています。

男の方が主人公ですが、そっち系にはなりません。
ただなんとなく書くだけなので、適当に。

ばらかもんの方言は、いまいちわからないので、違和感満載ですし、他の方言も混ざっているかもしれませんが、悪しからず。

それでは、気ままに自己満足させていただきます。

2:匿名さん:2015/07/27(月) 00:08 ID:hbM

航空を出ると、少しムワっとした空気が俺を襲った。
携帯の電波は、一本しか立っていない中、携帯で母へメールを送る。

『着いた。』

その簡潔な内容を送ると、携帯を閉じて息を吸い込んだ。
思い切り吐き出し、「よし」と声を出す。


「あのー……ここって、バスとか、タクシー乗り場、ないんですか?」

「ありませんよー」

「……は?」

「ですから、ありませんよ、タクシーもバスも」

「……は?」


恐るべき田舎。そして、恐るべき交通便の悪さ。
ありえねぇ……と、眉を寄せながら歩き出すと、尋ねたガイドさんのような人に呼び止められた。


「どこへ向かうんですかー?」

「えっ、えーと……七ツ岳郷っていう所です」

「あー……歩いて行くなら、半日以上かかりますよ」

「……ありえねぇ」



唖然とし、声をなくしていると、「おい、そこの若いの!!」と、じいさんの声が響いた。

「お、俺?」

「それ以外に誰がおっとか!!七ツ岳さ行くのか?」

「あ、はい……そうです」

「なら、乗ってけ。歩いて行ったら、半日はかかっぞ!!」


ニッと笑ったじいさんは、荷台を指しながら「はよぉせい、すぐに行かんば、準備が出来んだろ」と、俺を諭した。


「……じゃあ、お言葉に甘えます」

「おお!!よかよか!!」


都会ではありえない、親切が、何故か心に染みた。

3:匿名さん:2015/07/27(月) 00:18 ID:hbM

「海が……綺麗だ」

周りに店が無い、一本道を走ってる時に見えた海に、俺はつい言葉を漏らした。
ごごごご、とうるさいこの車の雑音のおかげで、じいさんに独り言は聞こえていない。

「おまえさん、どっから来たとか」

「は!?」

「おまえさん、どっからきたとか!!!!!」

「あー、東京です」

「あ!?なんて!?」

「と、東京です!!」

「おー!!東京か!!半田センセとおんなじやな!!」

「はあ!?」

「東京から来た奴さ乗せんのは、これが二度目だ!!」


がっはっは、と、まるで漫画のような笑い方をするじいさんの話は、車が止まるまで続いた。
じいさんの話によれば、半田という書道家が、ひと月ふた月前に越してきた。
そいつも東京からやってきて、色々苦労しとる、とじいさんは言った。


「んじゃあ、こっからはヒッチハイクで行け」

「あっ、わかりました。ありがとうございます」

「おお、よかよか。頑張れよ」

「ありがとう、ございます」


道路へ向かい歩き出すと、じいさんは俺を呼び止めて、こう聞いた。

「お前さんはなんば仕事しよっとか!?」

勢いのあるその質問に、俺は笑いながらこう答えた。

「絵本作家、やってます!!」

4:匿名さん:2015/07/27(月) 00:52 ID:hbM

「ここか……なんかぼろいな」

乗せてもらった車にお礼を言って、自分の家を見ると、少し荒んでいるような気がした。
気がした、というよりも、荒んでいる。

がちゃり、と鍵を開けると、家の中は畳が敷かれ、案外綺麗なもんだった。
部屋数は少ないけれど、すっきりとした部屋割りで、案外気に入った。

「こ、これは……なんだ」


風呂場に行くと、何かよく分からない装置の様なものがある。
トッテを回すと、カチカチと音が鳴る。
ガス栓があるという事は、これでお湯を沸かすのだろうか。

「……わかんねー」


頭をガシガシ掻いて、縁側に立ってみると、生垣から眼鏡の女とボサボサ髪の女が、頭半分覗かせて、こちらを見ていた。


「うおおお!?」

思わず声をあげて驚くと、その二人は入口へ回って、俺の目の前に姿を見せた。


「な、なんだお前ら」

「そりゃあこっちの台詞よ。今日から島に来たと?」

「ちょっと美和ちゃん、もしかしたら、先生の知り合いかもよ?」

「あー!!前も川さんとか来たもんね!!そこのあんた、半田先生の知り合いかなんか?」

「……悪いが、俺は半田も先生も知らない」

「ほーら、やっぱり!珠、これがなるのじいちゃんが言いよった奴やろ」

「あー、あの、東京から来たっていう……」

「そーそー!!もう、先生と同じやんね!!」


俺を置いて会話を進める二人を眺めて、さっきから出てくる半田って誰だよ、と一人悪態をついた。

「ところで、君らは何かな?」

「何って……この家、半田先生が越して来てから基地としてたまに使っとったんよ。やで、部屋ん中も誇り一つなかろ?」

「まぁ。綺麗だったよ」

「ヒロ兄が片づけてくれちょったけん。タイミングよかね」

「まぁ、最近は先生の家に入り浸ってばっかりだったけどね」


どんどん出てくる知らぬ人物の名前に、俺の頭は追い付かない。
その時、玄関から声が聞こえた。

5:匿名さん:2015/07/30(木) 21:43 ID:S22

「すみませーん」

「あ、はーい!」

玄関へ出てみると、トラックと共に大量の荷物が道路に置かれていた。

「えっ?」

「それじゃあ、ご贔屓にー」

「あっあの、これ!!ここに置いて置くんですか!?」

「あ、ここ車とかあんま通らないんで。大丈夫です」

「運んで、くれたり」

「あ、そういうのうちはやってないんで」

そこまでいうと、一瞬でトラックに乗り走り去って行った。
これだから田舎の業者は……、と1人溜息を吐いた。

俺は別に、自ら望んでここに来た訳ではない。
確かに海は綺麗だ。空気も、綺麗に澄んでいる。
だがやっぱり、俺はここに来た意味が全くわからない。


「ねぇ、絵本作ってる人」

「……なんだ」

「そんなとこに荷物置いてたら、皆困るちば」

「えっ、でもここは車通らないって」

「トラックはよく通るよ」

「……トラックも車じゃねぇか」


あんの糞業者が!!と、口にだそうとしてやめた。

「……取り敢えず、片付けるか」

「んー、でももうそろそろ、なるが皆を連れてくる頃やろ」

「なる?」

「うん。なる。多分先生も連れちくるよ」

「え、なんで」

「よそもんは、手伝っちくれる人なんか居なかやろ。だから、島のもんが手伝うんが普通なんよ」

「……でも、知り合っても居ないのに」

「七ツ岳は、そういう所やけん」


ニッとそいうが笑うと、空を飛ぶ烏も鳴く。
田舎の空は赤く、やっぱり澄んだ空だった。

6:匿名さん:2015/08/01(土) 01:56 ID:S22

「おい美和、居るのか?」

生垣から顔を出した金髪の男は、唐突にそう言った。
こんな田舎にも金髪とかいるんだな、と、関心していると、女がその男に返事をした。

「あ、ヒロ兄!!ヒロ兄も、手伝いにきたと?」

「あぁ。ババァが行けってうるさかったからな」


あぁ、それがヒロ兄か。と、一人で納得。
島の中でも、やはり標準語はあるらしい。
メガネの女も、標準語だ。


「お前は何やってんだよ、タマ」

「私も手伝いだよ。美和ちゃん一人だと、暴走するし」

「あぁ、ブレーキか。しっかり頼むぞ」


ナチュラルに、ここにいる全員の名前がわかってしまった。
これが田舎クオリティなのか。


「そんで……そこに居る奴はだれよ」

「俺!?」

「あんた以外に誰が居るんだよ。今日引っ越してきたんは分かるけど、名前もなんも知らん」

「この人はね、絵本ば作っとるんやって」

「絵本?」

「子供が見るような本の事やん。ね、絵本作っとる人!!」

「……その呼び方やめろよ」


はぁ、と息を吐いて、俺はまた息を吸った。


「俺は、神田。神田結城」


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