テニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!?【2】

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1:アポロ◆A.:2015/10/01(木) 21:37 ID:4/o

おはようございます、こんにちは、こんばんは、はじめまして。
色々混ぜた駄作者アポロです。
ろくに完結させてないのに書き始めちゃうアポロです。

これはですね、アレですよアレ。
テニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!? の別シリーズ第二弾なんです。
そのうちテニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!? とクロスリンクさせていく予定です。

御名前はもういいや! 
【涼風 いおり】でいいや! 面倒臭い!
赤嶺いおちゃんと【り】の違いですけど、そこはそこですでに考えてありますので。

そして赤嶺いおちゃんは氷帝。涼風いおりちゃんは四天宝寺!
しかも男装してます、めっちゃイケメンちゃんと化します。
しかもトリップはいおちゃんの様に階段から落ちたと言う悲惨なモノではなくて、アレですよアレ。

実は、ってここは本編でいいっすよね。

そしてプロフィール!

名前:涼風 いおり(すずかぜ いおり)
性別:女 誕生日:4/9 牡羊座
学年:(前)中三・(現)中三
身長・体重 :170cm ・?kg
一人称(女時)『あたし』(男時)『俺』
喋り方:超一般的。(関西弁)
特徴:テニプリをまずなんにも知らない。聞かされるまで存在すら知らなかった。
相当の面倒臭がり。何もかもにおいて天才。成績トップオンリー。
男女どちらの時もめっちゃ美形。
近畿、兵庫県出身。なので関西弁喋れる(逆に標準語が無理)※←関西人大抵それ。
家庭的。善哉などの和菓子を好んで作ったり食べたり。しかも家が甘味処。(リアルでもテニプリワールドでも)
男子更衣室で着替えていても馴染んで違和感ナッシング☆(もちろんそんなことはしない)な子。
口癖:「俺の辞書に退屈は認めねぇ!(あたしの辞書に退屈は認めねぇ!)」
神奈川の詐欺師の様に嘘をつくのが巧い。
“爆”乳で、男装時はサラシ着用。ギリギリ誤魔化してる。でも先生達は女って知ってる、が、口止め(脅しとも言う)されてる。


次の更新でLet’s go! テニプリワールド!!

2:アポロ◆A.:2015/10/01(木) 21:56 ID:4/o





「くぁぁ……。」



あたし、涼風いおりは授業中、大きな大きなあくびをした。只今自習中。あくびするんなら、なんで寝ーへんのかって?

それはな?

寝るのが面倒やねん。あたし極度の面倒くさがりやねん。分かったってな? それがあたしやから。


学校から帰ろうと歩いていた廊下で。あたしは大勢の女の子に囲まれ「一緒に帰らん!?」「うちらええ甘味処しってんねん!」と誘われた。でも今日めっちゃ疲れてんねん。隠したらいややし、断らんとな。



「ごめんな? あたし今日なんや知らんけどめっちゃ疲れてしもて……。
なんや君らに悪いなぁ……じゃあ今度一緒に行かしてもらってええ?」



そう言えば、顔を赤くしてこくこくこくと頷く女の子達。どないしたんやろ、熱でもあるんかな?



「ごめんな?」



そういって下駄箱で靴を取って女の子達と別れた。そして帰宅路を足取り重く歩いていく。帰宅部道まっしぐらなあたし。それは親に言われてるからで。

『あなたは次の涼風組当主になるんやから! 学校いかせてあげてるだけでも有難いと思い!』

と言う訳なんです。実はあたしの家、表向きは大人気甘味処やけど、裏では世界的に有名な極道やねん。
学校ではひた隠してるけどな。ええねん、しゃあないし、あたしもそれはそれで嫌ではない。



「家に帰ったら、善哉か最中でも食べよ。」



あたしがそういって前を見た時だった。目の前に小さな真っ白の兎が!
え、何これ、持ってかえっていい?

ってそんな場合では無くて。
じっと見つめていたらこちらに気ぃついたんか知らんけど駆け出しよった。

ふざけんな! あれはあたしがショーケースに入れて一生モニュメントとして飾るやつやねん!


と全力疾走で追い掛けた。そして、Get! と捕まえた瞬間あたしの意識はシャットアウト。
ふざけるな、と言いたくなった。(オイ)

目を覚ませばそこはあたしには到底似合いそうもないカラフルかつプリティな部屋。っていうか多分やけどこんな部屋が似合う人なんて誰も居らんやろ。


そう思っていると、目の前に小さな兎が。そう、あたしが追いかけていたやつだった。

3:アポロ◆A.:2015/10/01(木) 22:14 ID:4/o


「あああ! 可愛いウサギ!」



あたしが指を指してウサギを見れば、ウサギはシリアス気な顔をして言った。



「パンパカパーンツ!! おめでとー! 君はトリップしてテニプリワールドに行ける世界でたった三人の女の子の一人だよ!」

「おい。待てコラウサギ。」



どかっとウサギを足蹴にし、ゴミムシを見る目でさげすんだあたし。っていうか最初のパンパカパーンツ!! て、下ネタやん。シリアス気な顔してなんでそんなに明るい声が出るねんマジでキモいわ。



「なんだい!? いおりちゃん!」

「これは一体どー言う事やねん。」

「あ! それね! 実は神様の間でテニプリワールドにトリップさせる人間を三人選ぼう! って事になったんだけどね。
そのうちの二人がなんと日本人!! だから最終人も日本人にしよう! って事で、偶然僕を見つけた君が最後のトリップする人になったんだ!」

「よし! トリップは分かる! テニプリになんだ!」



いやいやマジで。テニプリって何? テニプリ……テニ、テに……テニス!? 



「もしかして【テニスのプリン】!?」

「違う。」

「じゃあなんなん。」

「テニスの王子様だよ! もしかして知らない!? 嘘だー、あの名作を知らないなんて。」

「……お前ボコって良い?」

「いやだめだめだめ! 僕最上級の最上階の最上ランクの神様だし!」

「あ、神様だったの? って神様? え。何それ美味しいの?」

「食べ物じゃ無いよ!」



とりあえずこの目がいたくなる部屋をどうにかしろい。



「で、どうする? トリップする?」

「する。」

「よし分かった。但し約束事があるよ。

1,自分がトリップしてきたと言わない
2,必ずキャラクターと関わること
3,テニプリが漫画だと言うことは絶対言わない。
4,困ったら僕を呼ぶこと。

良いね?」

「面倒だけど良いで。はよ行こ。」



面倒臭いから早いとこ済ませちゃってよ。



「じゃあいってらっしゃーい! あ、待って。最後に希望を聞くよ。」

「え、何それ。」

「自分がこうでありたいとか。」

「!! なら男装したい! あと家が極道じゃ無くして! 甘味処はそのままで!」

「分かった!! じゃあね!」

「おん!」



そしたらあたしの足元に急に出てきた黒い穴に落とされて、目が覚めたら。



あたしは布団で寝て今起きた所だった。

4:アポロ◆A.:2015/10/01(木) 22:34 ID:4/o


四天宝寺と書かれた制服に手をするりと通して着替える。
どうやら母と父は仕事らしい。甘味処の。

とりあえず飯食って家を出た。頭には短髪黒髪ウィッグ。顔立ち男の子みたいなあたしにはそれとサラシで充分だった。

とりあえず場所が分かんなかったから勘で歩いてたら着いた。すげぇあたし。いや、俺か。俺すげえ。

っていうか職員室どこだ。



「参ったな。」



俺がそうして困り果てていると、一人の女の子が声を掛けてきた。



「どないしはったんですか?」



そう聞かれたので、笑って返す。



「ああ、俺今日転校してきてんけどな、職員室がどこやわからへんねん。教えてもらってエエかな。」



頬を赤く染めるその子。いやいや、熱でもあるのかい? とりあえず場所を答えておくれ。



「あっ……(嘘! めちゃくちゃカッコエエ////)職員室ならあそこを曲がったら……。」

「そーか。ありがとう!」



そういって俺は走っていった。職員室に入れば、一気に煙草臭い匂いが押し寄せてきて鼻を嫌な感じにくすぐる。



「うわ……「おーぅ! 遅かったな!」誰やねん。」



俺に声を掛けてきたのはくわえ煙草にチューリップハットを被ったおっさん。多分、というか高確率で先生やろーな。職員室に居るし。



「俺はお前の行く3-8組の担当教師の渡辺オサムや! よろしくな涼風!」

「あ、はぁ……。よろしくお願いします。」



そうして教室前まで案内され、「ちょっと言うて来るから外居ってな」と言われ、大人しく外で待つ。



……遅い。


退屈や! 退屈なんて言いたくないけど退屈や!

何分待たせる気ぃやねん! 5分は待っとるわ!

なんや笑い声聞こえるし! くそっ俺も混ざりたい!

そしたら「入ってきやーー!」と言われ、待たされていた事と俺抜きで楽しそうな事をしていた怒りからドアを蹴破ってとりあえず渡辺にバックドロップかけたった。



「じ、自己、紹介し……てや涼風……。」

「黙れ。
えーと。兵庫から転校してきました〜。涼風いおりですよろし」「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」



女子に言葉を遮られた。っていうかうるさっ。うんるっさっ!



「かっこええ!」

「嘘やん!」

「めっちゃイケメンやん!」



誰がだ。あた……俺は女だ! とまぁそこは置いといて。



「とりあえず涼風は今居らへん一氏と金色の後ろに座っとき。」

「はーい。」



そうして終わった今日。感想、女子うるさい。
そしてなぜ一氏とかいうのと金色とか言うのが居らへんねん。

と聞いてみれば。



「あいつら今合宿中や。多分今日にはかえって来るで。」

「あ、そ。」



と言う訳である。

5:アポロ◆A.:2015/10/03(土) 00:16 ID:4/o

そして五時間目。昼休み寝てて昼飯食い損ねた。くそぅ。

そしたら俺の前にある席に見覚えの無いバンダナ君と丸コメ君。

そして視線に気ぃついたんか知らんけど、俺の方をばっと見たバンダナ。



「……お前、誰や……!?」

「はじめまして〜。今日転校してきました。涼風いおりでーす。」

「“いお”……り? 赤嶺と知り合いか?」

「……赤嶺ってどなたや?」

「知らんならええねん。」

「じゃあ良いや。」

「ええんかい。」

「お前こそ誰だ。」

「お前に名乗る名なんて無いわ。」

「じゃあおやすみ。バンダナ。」

「バンダナちゃうわ! 俺には一氏ユウジっちゅーかっこええ名前があるねん!」



バンダナが言った時には遅かった。俺熟睡。話なんて聞いてない。ハッ!



六時間目スッ飛ばしてホームルーム。



「明日の日直は涼風と一氏や〜。まっ、よろしく頼むわぁ!」

「はーい渡辺とか言ったっけ? とりあえず先せーぃ! 一氏ってどこのどいつですかー。」

「俺や俺!」

「オレオレ詐欺には引っ掛かりません。」

「詐欺ちゃうわ!!!」



なんか周り笑い転げてるし。え、なんなの?



「あ、バンダナ君、一氏って知らない?」

「だから俺やっちゅーねん!」

「え、あー……



























って嘘マジで!? ほんまに??」

「ほんまに知らんかったんかい!」



そしてここで大爆笑! あ、丸コメ君がこっち見てる。



「どーしたん?」



とりあえず聞いてみたら。



「涼風君めっちゃかっこエエわぁ」



と返された。とりあえずのとりあえずととりあえずでスルー。



「俺の小春取るなよ?」

「俺は他人のものには手を出さへん主義や!(どやぁ) それに俺は男が好きと言う変な癖は持ってへんしな!」



一氏にすごく睨まれたので、とりあえず。はっ、と嘲笑ってやったぜ!

すると担任が、(名前忘れた)声を掛けた。



「あ、せや涼風! お前部活何に入るんや?」

「……入らんとあかん?」

「あかん。」

「……じゃあテニス部。」

「よっしゃテニ「のマネージャー」は?」

「マネージャーなら部活やってやるぜ!」



と、立ち上がって机に片足乗せてがっと腕を巻くって見せた。女子卒倒。なぜだ。



「しゃあないな。マネージャーでエエか!」

『やだ!』

「どっちやねん!」



ここで教室大爆笑! 笑うの好きだなおい! やだ! って言った俺も俺だけど。



「見学ならいくで。」

「なら見学で……「やだ!」どっちやねん!」

「じゃあ見学。」

「……お前めっちゃ疲れるわ。まっ、ええか! 1コケシやろ、おぉやr「要らん! ごみを押し付けるな! 」酷い!」



そうして放課後、金色とか言うおねぇの丸コメとバンダナ&目付きが悪い一氏と一緒に部室に向かわされた。

それにしても笑ったな。おもろいわ。

ここ。

6:アポロ◆A.:2015/10/03(土) 00:30 ID:4/o

実砂side

はじめましてぇ、こんにちはぁ! テニプリ界にトリップしてきた実砂だよぉ。

いま実砂が居る学校はねぇ、四天宝寺中学なのぉ。キャー、蔵と謙也君が居るクラスに編入してきたのよぉ。



「東京都から転校してきましたぁ。加川実砂でぇす。よろしくぅ〜。」



決まったわぁ。実砂の上目使いでみーんなあたしに見とれてるのぉ。(ぶりっこがキモくて引いただけだが)

ってあれぇ? 蔵と謙也君が居ないじゃなぁい。どこに言ったのかしらぁ。



「せんせぇ〜! あたしの席の隣と前の人が居ないんですけどぉ。」

「ぁ、……ああ、白石と忍足か。今日の五時間目にはいるやろ。」

「そーですかぁ! じゃあ私席に座りますねぇ!」

「お、おう……。(引き気味) 」



すとんと席に座ったあたし。実はぁ、神様に私を世界で一番美少女にしてって言うお願いも出来たんだけどぉ、実砂はそんなことしなくてもすぅーっごく可愛いからぁ、他のみんなにも出張るところをあげたのぉ。

実砂ってばやっさしぃー!



そして五時間目になれば、蔵と謙也君が私の横と前に。



「しっ、白石……ちょっと話が。」

「おん、俺もや謙也。」



そうして前に行く二人。あっ、私の方を見てこそこそ話してるぅ。よぉーし、にっこり笑ってあげないと。



「……。(にぃっこぉり)」

「「……ひっ!(ぞぞぞっ) 」」



あーあ、二人共実砂に見とれてるぅ!(違う。キモくて硬直しただけ)

蔵と謙也君……ごめんねぇ? 実砂はみんなのものだからぁ、蔵と謙也君のものにはなれないのぉ。(勘違いも甚だしい)

7:アポロ◆A.:2015/10/03(土) 00:50 ID:4/o

部室に入れば、わいわいと賑わっていると二人に聞かされた部室があると思っていたが。

全く違うものだった。

入ればすぐ目に入ってきたのは厚化粧をした女の子。その子は一氏と金色を見つけるとたたたたたっと駆け寄りたかったんやろうけど、俺にはくねくね体をよじらせてて気持ち悪いとしか言えへん。



「はじめましてぇ。今日転校してきた加川実砂って言うのぉ。よろしくねぇ?」



その二人は硬直。キモい。けどめっちゃ面白いことになりそうな予感が!! すると、俺に気がついたのか、くねくねと体をよじらせてて駆け寄ってくる加川。



「君もはじめましてぇ。(あらぁ? テニプリにこんなキャラ居なかったわよねぇ。まぁ格好いいから良いかぁ)」

「ああ、はじめまして。君と同じく今日兵庫から転校してきた涼風いおり言うねん。よろしく。(めっちゃキモいわ……。今は男装してるけど、同じ女として恥ずかしい)」

「よろしくぅ!!(嘘、私に見とれないのぉ?)」



そういうやり取りがあったあと、明らかに部室のテンションが低いのはこいつのせいだと知った。



「あ、白石! 今日コイツ俺らのクラスに転校してきてな、テニス部の見学に来たい言うからつれてきてん。」



一氏が言えば、白石は俺を見て、あからさまにほっとした顔を見せた。加川の破壊力半端ないやん。めっちゃ可哀想、白石とか言うの。



「よろしくな。涼風君。」

「あ、よろしく白石。涼風君じゃなくていおりって呼んでくれや。」

「分かったで!! よろしくないおり!!」

「おーう!」



そうして握手をかわせば加川が会話に割り込んでくる。何コイツめちゃくちゃ鬱陶しいんやけど。



「私もぉ、今日からマネージャーをやることにしたからぁ。よろしくねぇ?」

「え……誰に許可貰ったん……加川さん。」

「誰にももらってないけどぉ、やりたいのぉ!! あと加川さんじゃなくて実砂って呼んでぇ?」

「いやあかんやろ……オサムちゃんところに言っておいでや。“加川”さん」



しゅぱっと素早くその場から離れた俺。気持ち悪そうに対応する白石に、動画を撮りたくなる。やべえ、充電ヤバいわ。他に誰か撮っとる奴は……居った! ピアス左右に数個付けとる奴! アイツとは気が合いそうや!

あと、白石……『加川』を強調したな。
渋々オサムちゃんとやらのところに行く加川。走り方すらキモいと思えてきた。



「なぁ、ひとつ聞いてエエ?」



俺が聞けば周りは俺に注目する。



「アイツ、何者……?」

「いや俺らも知らんから。」



そういったのはなんか、金髪のヒヨコ頭。いかにもヘタレそうな顔付きだ。



「……誰?」

「俺? 俺は押したり引いたり忍足謙也や! 1呼んで『浪速のスピ「あいよ。謙也ね。」最後まで言わせてや!」

「やだ!」

「酷い!」



という感じでみんなと早速すっごく仲良くなった。
千歳とか、銀とか、金ちゃんとか。

8:アポロ◆A.:2015/10/03(土) 11:06 ID:4/o

部活後。財前と馬が(めちゃくちゃ)合い、あのときの動画をスマホに送ってもらう事になって。
とりあえずメルアドと連絡先を交換した。



「光、お前ブログやってんのな。すげー。」

「いや、俺もあの加川先輩にあんな風に普通に接する事が出来るいおりさんめちゃくちゃ尊敬しますわ。」

「……え、喜んでエエの?」

「エエんとちゃいます?」

「雑いな!」



と会話をしていたら、白石と千歳が俺達のところに避難してきた。



「「コソッ))いおり! 助けてくれ!/欲しか!」」

「……え、なんなん? どないしてん。」

「加川さんがやな……」

「部室の掃除をしとっとと思っとったら逆さに……」

「散らかしてたっちゅー訳っすね。」

「あ、なるほど。」


そうして部室に戻れば、あぁ、もう酷い!
タオルは散乱、ドリンクボトルは何か黒い汚れが付いとるし……。

惨状やな。



「あっ、いおりくぅーん!」

「(いつ名前呼びになってん。)どないしたん加川さん。この『惨状』……。」

「ヤダぁ、惨状なんてじょーだんキツいわぁ〜?
私ねぇ? 頑張って掃除してたのぉ!」



えっ、ちょっと待って。何この子。多分上目使いしたいんやとは思うけど、……白目むいてるよ! キモいw
あっ、コラ光! 笑い堪えてんじゃねぇ! 顔がすごい事になってるでお前!
白石と千歳、その他もろもろは怯えすぎ!



「(とりあえず帰らそう)……そうなんか! なら後は俺らがやっとくから先帰り?」

「えぇ〜? 私まだ……」

「今日は初日やし……な?(にこっ(営業スマイル))」

「(キュン)わ、分かったわぁ! じゃあねぇ!」



よし、加川は帰っていったぞ。部室を出て完全に外からあいつの声が聞こえなくなった瞬間、ばっと白石達の方を見た。



「……大変やな、これから。」



まぁ頑張りや、と声を掛けて部室を出ようとしたとき、部長である白石が本気で真剣な顔をして俺に言った。



「テニス部……入ってくれ!」

「……えっ、え、え? 白石!? 俺、別の部に……」

「お前が居らんと俺ら確実に不登校になってまうわ、あんなん!」

「け、謙也……。」



二人に頭を下げられて、少し迷っていると。何者かが俺の制服の裾を引っ張った。



「にーちゃん頼むわぁ! テニス部入っ「よし入る。金ちゃん、俺入るよ。」



金ちゃん可愛すぎ。即決っすわ。



「いおりさん、入ってくれるんすか?」

「まぁ、不可抗力な。」

9:アポロ◆A.:2015/10/03(土) 23:40 ID:4/o

金ちゃんの可愛さゆえに即決してちゃってんけど、あれを毎日相手にすんのか。
キツいわ……まぁエエか! 退屈しなそーやし!

翌日。マネージャーとして入部した俺は部室でせっせと準備をしていた。



「ダルい……俺飽きっぽいんやけどなぁ……。」



俺がぶつぶつ言っていると、白石が制服姿で入ってきた。お気付きかな? 今日の一番乗りは俺なのだ。



「いおり、おはようさん!」

「おはよう白石!」

「白石やのうて別の呼び方にしてん? お前に言われると慣れへんねん。」

「え、あ。おん。じゃあ蔵……。」



え、何こいつ。顔思いっきりにやけてるぞ。良いことでもあったのか? 後ろから出てきた謙也。



「おはよう謙ちゃん。」

「お前“も”謙ちゃん呼びか……。」

「も?」

「おん。氷帝学園っちゅーばかでかい学校のとこのな? テニス部にマネージャーが居るねん。
そいつに謙ちゃん呼びされとる。」

「へー、頑張れ謙也。」

「なにをやねん!」

「ナイスツッコミ!」

「うざいっ!」



俺達が軽く言い争いをしていると、白石が顔を輝かせながら会話に割り込んできた。



「謙也羨ましいわ〜、謙ちゃんとかあだ名で呼んでもらえて……。」



そう一言緩みきった顔で言い、鼻唄歌いながら着替えを始める蔵。



「な、謙也。蔵どーしたん。」

「ああ。白石の奴、氷帝のマネージャーに惚れてな。昨日の夜、『赤嶺いお』っちゅーねんけど、メールで返信きたらしいねん。」

「いお……へー、俺と一文字違いか。どんな子?」

「それがなぁ」



そうしていると、蔵が目を再び輝かせながら謙也のあとを続けた。



「いおはな!! 氷帝マネージャーやねんけど、男勝りでな! 胸ぺったんこやけど可愛いねん! 髪の毛も結構長いし! シャンプーの香りがするねん!」



そこまで言うと「んん〜エクスタシー!!」と叫びながらコートに走っていった。
めっちゃ変態やけど、顔が良いから許せるわ。良かったな蔵、『顔が良くて』。
あと何げに胸ぺったんこ。って……羨ましいなぁ。
今サラシ巻いてるけど俺、100あるからなぁ。貧乳が羨ましい。動くときすごく邪魔やし。

……よし分かった。とりあえず赤嶺いおちゃんは美少女っちゅーことか! 一回会ってみたいわ!



「おら謙也!! お前もちゃっちゃと着替えんかい! とっとと練習行け!」

「分かっとるわ!」



謙也を練習に行かせ、マネージャー業再開。
ジャージにはすでに着替えてあるから問題無し。



「おはようございます、いおりさん。」

「あ、光!! おはよう!」



光が入ってきた。挨拶を交わして俺は光と共にドリンクやタオルを持ってベンチへと歩く。

ドリンクの入っている箱を担いで、タオルを持っていたら、光が。



「タオル。持ちましょか?」



と、聞いてきた。「おー、悪いな。」とタオルを渡してドリンクの入っている箱を肩から下ろす。

ベンチにズシッとドリンク箱を置くと、光が「それどんだけ重いんすか」と聞いてきた。「持ってみ?」と持ち上げて手渡しで光に渡せば瞬間彼の腕は重力に逆らうことなく地面へと向かった。



「重たっ!!!!! これ普通に俺の体重有りますよ!?」

「あ、光軽いの。」

「いおりさん。どんな腕力してるんですか。」

「さぁ? あははっ。」



そして箱をもとの場所に置き、そのとなりに座る。
ふと近くに蔵の姿が見えた。



「蔵も恋をするんやなぁ。」



目を伏せて蔵に聞こえるように言ったあとに、目ぇ開けて顔を見れば両手でフレームを抱き締めている形で顔を耳まで真っ赤にして照れとる。

……なんこの美少年。爆笑してエエかな。

10:アポロ◆A.:2015/10/04(日) 18:52 ID:4/o

主人公は『』で喋らせます。



『蔵……乙女やな。』

「っ!!」

『え、なんその胸が『きゅっ』としたような女の子の顔は。』

「うるさいわっ!」

『おわっ!!! 鼻血吹き出そ……ってちゃうわ!!
光、光!! 写メ、写メ! こんな可愛い女の子そこらに居らんって!』

「おっしゃ任しといてください。」

「誰が女の子やっ!///」

「『自分や。』」

「財前敬語!!! 敬語どこいってん!」



コントをして、加川が来たので勢いよく散らばる二人。
……押し付けられた。くそー!



「いおりくぅん! おはよぉっ!」

『ああ、おはようさん加川さん。せや! 次からもうちょっと遅くてもエエで? 俺もマネージャーやることにしたから。
こんなに朝早うからキツいやろ?(微塵も思ってねーけどな)』

「そ、そうなのぉ!?//// 嬉しいわぁ〜、いおり君と一緒にお仕事できてぇ♪」

『うん、(ガチキモいわぁ)そういうわけやから、ドリンク、洗濯、おやつ、タオル畳み、掃除その他諸々は俺がするから、タオルやドリンクを渡す役をしてくれへん?』



そういって笑うと「ウチそんなんでええのぉん?」と半目で訴えてくるので、ひきつった顔が出ないように笑って頷き彼女と別れた。

謙也の元にいくと「お前スゴいな」て言われた。



『なんでなん?』

「だってや、なんで加川なんかとあんなににこやかに話せるん? 俺やったら無理やわ。」

『ヘタレやしね。でもそれもそうやな。
多分な、とりあえず変な噂は立てられたくないし、冷たくして周りの可愛い女子に嫌われたくないし。』

「え、待って。今とんでもない女たらし発言がさらっと耳に入ってきてんけど……?」

『気のせいやろ?』

「……そーなんかいなぁ……?」

『そうやって。』



そうして朝練終わり。授業全部寝て昼休み。



『あ……忘れとった!! 光に朝の蔵の写メもらうんやった!』



そういって廊下を駆け出した俺。そしたら少女漫画の王道?(少年漫画しか読んだことない)なのか知らんけど曲がり角で誰かとぶつかった。



『おわっ……』

「キャ……っ!」



俺とぶつかったのは女の子だったらしく。俺より頭ひとつ分ぐらい身長が小さかった彼女は派手にどたんとしりもちをついた。



『あっ、悪い……。』



俺はそういって手を差し向ける。女の子は顔をあげて俺の顔を見るなり、うつむき無言で手を取った。
      ギャラリー
そして周りの観衆(主に女子)がキャアアアッと黄色い声をあげた。
俺のどこが気に入らんねん。
引っ張り起こすと彼女は顔をあげてありがとう、そう一言小さく告げられた。
同い年か、可愛い。この子めっちゃ美少女や。めっちゃ可愛い。今俺が女の格好しとったら抱き付いとるわ。

そしてこういうときしみじみ思う。俺の身長、標準バリバリ無視ってる。=高過ぎ。
173cmぐらいっすよ? 高いな。俺。(遠い目)



『怪我とか無い?』

「う、うん。無いで?」

『良かった。可愛い子に怪我さしたら涼風家末代までの恥やわ。』

「やっ、やめてぇな涼風君……////」



顔を赤らめて言う彼女に笑みが溢れる。
そして疑問を問いた。


『……え、なんで名前知っとるん?』

「あっ、あのね? 涼風君すっごい有名人やねん。」

『そーやったんかぁ。ホンマごめんな。』



俺行くわ! と告げてその場をあとにした俺。

その女の子は「かぁっこえぇ……」とうっとりとし、その子の友達が「エエなぁエエなぁ」と言っていたことを俺は知らない。
あと涼風が有名人な理由、蔵に勝るかどうかぐらいのイケメン+α家柄良好容姿端麗頭脳明晰運動神経抜群、と才色兼備だから。あとテニス部マネージャーをやりはじめたと言うことから。もちろんそれも俺は知らない。

11:アポロ◆A.:2015/10/04(日) 21:38 ID:4/o

光の教室について、


「光居る?」


と聞けば、あそこに居りますよ、と女の子がもじもじしながら言ってきた。『ありがとうな』そう礼をいい「光ー!」と叫ぶ。
案の定光は昼食中でした。俺はと言うと昼飯は速攻で食べてきた。



「いおりさん?」


昼食の最後の一口を放り込んで飲み込み、首をかしげつつも駆け寄って来てくれる光に笑って話を切り出した。



『朝の蔵の写真、スマホに送ってくれん? 笑いたいから。』

「エエですよ!」

「よっしゃ!!」



そうして俺達二人は屋上へと向かった。
屋上へのドアを開け、給水タンクの上に座って会話する。



『ありがとう光。これ、蔵を脅すときに使える。』

「面白そうっすね。」



そう言って話をしていると、不意に俺は空を見上げた。[元の世界にはいつ帰れるのか][別に帰らなくても良いか]と言う類いのものなのだが。

俺が「戻ろうか」となぜか俺を見つめて呆けている光に声を掛け立ち上がったその時、俺は足を滑らせ、給水タンクから落ち掛けそうになった。



「いおりさんっ!!」



咄嗟に光が左手で腕を掴んで助けてくれたけど、そのまま体が重なるように地面に倒れた。あ、今光下敷きにしてる。やべぇ。



『うわっ、悪い!!』

「っ……。」



むくりと起き上がり、なぜか黙ってしまった光の顔を覗き込むと、小さく「……え、嘘やん」を繰り返し言いながら震える右手を見つめていた。



『ひか「いおりさん。」え、なん?』



急に真剣な顔をして俺を見る光。「いおりさん。」もう一度名前を呼ばれ、意味が分からないと思っていると。



「一旦……『学ラン』とその下に着てる『シャツ』脱いで下さい。」



!!? 何を言い出すんだ君は!! え、なんなん? どないしたん? 頭おかしなったん!?



「はよ脱いで下さい。」

『いやや。寒い。俺男やし。』

「男なら別に脱いでもええやないですか。」

『嫌や!!』

「チッ、まぁしゃーないっすわ。」



あ、諦めてくれた。と思ったのも束の間。前を開けていた学ランをはぎとられました。そして素早くシャツのボタンに手を掛ける光。



『やめやめやめやめ!!! 俺ら男同士や!』

「なんやいおりさんが時々女に見えてしゃーないんすわ。ホンマに男?」

『おっ、男や男!!!』

「嘘や。」

『嘘ちゃうわ! ってマジやめ!!!』

「嘘つかんとって下さい。さっき助けたときにいおりさんの胸に手ぇ当たったんすけど、なんや妙〜に柔らかかったんですわ。」

『気のせいや! 気にするな!』



ぎゃーーーー! シャツをはぎとられました。光は光で「!?」と予想はしていたものの、本当に見ると驚いていた。下につけていたのはサラシのみ。



「え、ちょっと待って下さい。ホンマに女やったんすね。」

『み……見るな! そーだよこれ、男装だよ! 見てわかんねぇ!?』

「逆ギレされてんけど。」

『っ!/// も、もうええやろ!』



ばっとシャツを奪い返すと一瞬のうちに着て、学ランを肩に羽織る。



『……誰にも言うなよ。』

「……無理や、言うたら?」

『ん〜、転校やな。』

「言わへん。」

『秘密やで、絶対。これ、知ってるんお前だけやねんから。』

「分かってますよって。」



光に性別がバレました。

12:アポロ◆A.:2015/10/05(月) 20:40 ID:4/o

放課後、部室で準備をしていると加川がいおり君いおり君うるさい。なんや俺はなつかれたらしい。あぁ、【鬱陶しい】。



『加川さん……悪いけど外見てきてくれへん?』

「えぇ〜? 嫌よぉ、いおり君と一緒に居たいものぉ。」



え……? ……嘘、俺好かれた!? 嫌やで俺は! こんな厚化粧半目デブ女と!(酷)
ひきつった笑顔のまま、『頼むわ!』と頼み込んだら「いおり君ったらしゃあないわぁ。良いわよぉ! 蔵や謙也君たちにも会いたいしぃ」と行ってくれた。

ふぅ、助かった。


そして部員達と自己紹介。朝練来てなかった奴も居たし、正式にって事で。



『えー、これからよろしkガフォッ!!』



最後によろしくと言おうとしたらなぜか腹にタックル喰らった。え、何? 部室に金ちゃんか銀さんか其処らの打ったテニスボールが部室に飛んできて俺の腹に食らわせたの? やだなー、やめてよそんな冗談〜……と腹を見てみたら光が腰にくっついてました。

よろよろとよろめきながらどたんと座り込んだ俺。腹のダメージパねぇ。



『……光……オ、レ……死…ぬ…』

「これからよろしゅ〜お願いしますっ、いおりさんっ!」

『……え……あ……う、ん。』



ガクッ。

気を失った俺に「うわあああっ」「いおりさん大丈夫ですか!?」「財前お前……」「財前が涼風先輩殺したー!」等と騒ぎ立てていたのを最後に聞いた。

はっと目を覚ませばソファに寝かせられていた。

キョロキョロと見回せばそこには心配そうなレギュラーの面々。

むくっと起き上がれば大丈夫か? と聞かれ『おん、気にするな』と返した。



「すんませんいおりさん……。テンション上がってもーて。」

『ええねん。いや、ええねん。でもお前そんなキャラやったか!!? クール系毒舌やったんちゃうん!!?』

「今の俺が本物です。」

「「「「『せやったん!!?』」」」」



あ、これにはみんな驚いとるわ。

13:アポロ◆A.:2015/10/07(水) 22:23 ID:4/o

設定で足し忘れ。
涼風ちゃんは男装時ショートカット外跳ねの髪を上でくくって、ぴょこんとしてる。まぁ髪の長さが短くなるだけ。あとどちらの時も左の前髪をピン止め三つ使って留めている。

そして翌日。放課後に部活は無くて、さっさと家に帰った。(加川から逃げたとも言う)
っていうかなんなの加川。いおり君いおり君うるさいねん。
そんな加川の脅威から逃れるべく俺はさっさと家に舞い戻った次第であります。

『母さん、ただいま。』

店の扉と真反対の裏口を開けて家に帰宅。顔を上げれば母さんが忙しそうに動き回っていた。

「あ、いおり!! おかえり! 悪いんやけど店手伝って? 人手が足りんねん!」

『あいよ。』

「それと元の格好に戻りなさい! そっちの方が需要があるねん!」

「……あいよ。」

渋々言うことを聞き入れてあげたあたし。
言い返さなかったあたし大人ー!(いやホントすいません御母様) 部屋に戻り、着替えて男装からもとに戻る。
Tシャツを着て、スカート履いて髪を下ろす。
下ろすっちゅーても少し長くなるだけやけど。店番やるときはピン止めをはずしてる。
まぁ万が一って事で。あたしの予感は二割当たる!(え)

「いおりー! オーダー取ってー!」

『うぃーす。』

両親が経営している甘味処、
【涼白風甘味処(すずしらかぜかんみどころ)】
は日本でもかなり有名な甘味処で、何回か特集されている。(らしい)
階段を駆け降り、エプロンを素早くつけて客の座っているところを駆け回る。

「いおりちゃん、塩饅頭二つときな粉わらびもち頼むよ!!」

「こっちはわらびもちの抹茶で!」

『分っかりましたー! ちっとばかし待たなくても良いからな!!』

「「あははははっ!!」」

店中を笑わせつつ、オーダー品を母さんに報告し、再び駆け回る。
その時、ガランと入り口のドアが開いた。

『……え。』

なんと、入ってきたのは我が四天宝寺中男子テニス部レギュラー陣。全員いるんだけど。
くっそう! なんでこんなときに来るんだ!
ぞろぞろと席に着くあいつらを見ないフリをしていると。

「おーい。そこの爆乳の店員さーん。オーダーエエかなー!」

『今爆乳っつったのはどこのどいつでしょーか、とっとと名乗りを上げろお客様。』

そこでドッ、と笑いが起き上がり、等の本人たちは光を除いて「おもろいな君!」と笑い転げている。

「注文エエですか〜、店員さ……!!?」

メニュー表から顔を上げてあたしを見た光が目を見開いた。あっ、こいつ気付きやがったな。くそう。
蔵達は硬直したあたしを見て「店員さん?」と心配気にしている。良かった、コイツらには気付かれてない。

『注文をちゃっちゃと言えよお客様。』

「お客様に対してそれなん?」

あたしの言葉に蔵が反応し、言い返して来るが、別の常連客が告げる。

「ええねん! この子がこー言う感じやからここはこんなに盛り上がっとるし笑えるんやで!!」

『有り難きお言葉っすわ。武下さん。』

「ええねんええねん! 名前覚えてくれてんねんな!」

『そりゃ毎日毎日来てたらな。』

軽く会話を弾ませ、騒がしく店内は喋り出す。

『注文を聞いてやるで。さっさと言うてここの足を堪能しろ。ここの一番は白玉ぜんざいやったかな、多分。』

「ひどい言葉なんか優しい言葉なんかよぉわからんわ!! おもろいからエエけど!! で、……俺は〜……栗もなかたのもかな。」

「俺は白玉ぜんざいでたのんます。」

蔵、光のあとに謙也や千歳が続く。そして騒がしい店内でも一際騒がしいあいつら。

『うぃーす。頼んだやつだぜ。
栗もなか二つと白玉ぜんざいと塩饅頭六つとようかんと抹茶パフェとわらびもち抹茶ときな粉。
あんみつ、イチゴ大福、あんとみたらしの団子、以上!! とっとと味わえ!!』

そういってその席をあとにしたあたし。
みんなわーわーぎゃーぎゃー言ってたけど、聞こえてくるのは旨いだとか美味しいだとか嬉しい声ばかり。

14:アポロ◆A.:2015/10/08(木) 18:33 ID:4/o

翌日! の朝! 今日は心なしかどたばたと騒がしい雰囲気だった。

『うぃーす。なんや、今日は騒がしいねんな。』

俺が部室に入りながら告げると、蔵が乙女の如くちょっと戸惑った顔をしてやって来た。

「い、いおりぃ……。」

『え、なに蔵キモい。乙女な顔やめろや。』

「俺な、俺な!!」

わたわたとした表情で俺にすがりつく蔵に正直ドン引いた。マジで。

『え、何蔵。……離れろや。光がなぜか睨んできてる。』

「……いおりぃいいいいいい!!」

『うぎゃあああああああ!!』

どったーん。訳もわからず飛び付かれ、二人して倒れた俺達。光が早足でこちらに向かってきている事は見なかった事にしよう。蔵をひっぺがして肩を掴む。

『蔵、何があった……。』

「俺な、俺な? すでに好きな人が居るのにな……?」

『……。』

「もう一人好きな人が出来てもーてん!」

『さぁ白石君、練習をとっとと始めよか。』

「いおり酷いっ!」

『光〜、ドリンク運ぶん手伝って〜。』

「いおりいいいいいいいい! 頼む!! 頼むわ! スルーはやめて!」

泣き付く蔵を横目に謙也と話をしていた光に声を掛けつつ近寄る。

「いおりさん……不潔っすわ。」

『蔵に言えや。俺に同性を好きになる趣味は無い。』

「それはつまり女を好きになる事はないっちゅー『やめんか光ううううううううううう!!!』(ニヤッ)」

あっぶねー、光に正体バラされる所だった。あっぶねー、マジあっぶねー。蔵と謙也をキョトーンとしてる。蔵と謙也がバカで良かった!(蔵と謙也は頭良いけど別の意味でバカだった!)

『……しゃーないから聞いたるわ。なんやねん。』

「二人目の好きな人が出来たんや……。」

『うわ、蔵不潔。』

「ちゃうねん! まだいおとは付き合ってもないから不潔ちゃうねん!」

「で、誰なん? 白石。」

あ、謙也が会話に入ってきた。相変わらずへらっとしててぶっ飛ばしたくなる。押さえろ、大人な俺。

「いおりは知らんと思うけど、昨日俺ら凉白風甘味処に行ってんやんか。」

ちょっと待て。なんか嫌な予感がするぞ。光怪訝な顔してるで、何でやねんこのツンデレboy。((財前の気持ちに気付いてやれ))

「そこの店員さんがな? めっっっちゃ美人でかっこよかってん。いおとは違って出るとこ出てた……っちゅーか出過ぎてたっちゅーかな? その人に惚れてもーt(ガンっ)え、なんや?」

……それ、俺じゃんよおおおおおおおおおおおお!! え、何!? 俺は素の姿でこんな変態に惚れられたん!? 嘘やん。「嘘だと言ってくれやあああああ!」(おい、進撃○巨人じゃん。)
え、なんか謙也もじもじしてんだけど。え、まさか。まさかまさかまさかまさかまさか!!

「ん? 謙也、どないしたん? ……お前まさか。」

「……そのまさかや!! くそったれっ!///」

あ、行っちゃった。流石自称でsppedstarとか言っちゃうだけあるな。

『謙也もか。』

「そーみたいっすね。(いおりさん……これから大変ですね)」

『マジかよ……。(光!! 助けろや!)』

副音声で別の会話をする二人。そしてそのあと、やって来た加川に世話を焼くのだった。
ああ、悲しいな。俺。

15:アポロ◆A.:2015/10/08(木) 20:01 ID:4/o

そして3-8教室。

『はよー。』

朝練が終わり、ドアを開ければ女子に囲まれる。ザ☆女の子って感じやね! エエね! 女の子は普通こうやんね! 俺が女として可笑しいだけなんよね! ほら! 胸とか!(←実はコンプレックス)
そんなザ☆女の子達に笑いを向けて席につく。あ、女の子倒れた。そんなに俺の微笑みがキモかったのか。ゴメン。((違う

『ユウジ、蔵に聞き忘れてたんやけどなんや朝騒がしかったな、なんかあるんか?』

隣のユウジに聞いてみれば、明日から跡部とか言う俺様君(ボンボンらしい)率いる氷帝学園が合宿をするらしく、それに我が四天宝寺も御呼ばれしたらしい。

『へー。で、他にも呼ばれてんの?』

「他は青学と立海やと。」

『ふーん。(どこの二校だ? そこ。)』

そういう感じでST開始。そして部活!

『ぶっかーつーぶっかーつーふふふんふんふーん♪』

「涼風キモい。」

『んだとこらユウジ。ただのユウジのくせして。』

「ただの俺ってなんなん!?」

ユウジを無視し、部室へ入ると加川が居た。

「いおりくぅん! ユウジくぅん! 聞いてくれなぁい? 明日から氷帝と合「『知っとるで』」あらぁ? 知ってたのぉ。
ま、良いわ。氷帝にね、可愛いマネージャーが居るらしくってぇ。
足手纏いにならなきゃ良いんだけどぉ。(氷帝にマネージャーなんて居たかしら、気に入らないわぁ)」

『大丈夫じゃないん? 蔵の好きな子らしいし。(副音声丸聞こえやねんけど、っちゅーか足手纏いはお前ちゃう?)』

「うっそぉ! 蔵って好きな子がいたのぉ? え〜。蔵って私の事が好きだったんじゃないのぉ?」

『その子の事を俺の目の前で興奮しながら熱弁しとったし。間違い無いんちゃう? あっ、ユウジ待てコラ俺を置いてくな。』

俺に加川を押し付けて逃げようったってそーはいかんぜよ(笑)お前も同類だかんな!

『な、ユウジ。蔵の事前の合宿でも見てたんやろ?(逃がすかオラ)』

「せ、せやな。もう何度断られても抱き着きに行きよったしな。(くそっ、涼風め怖いなお前!)」

ユウジのそれを聞いた瞬間加川の顔がブラックになったのは気のせいだろうか。気のせいに決まってるさ!

『じゃあ準備を始めようや、加川さん!』

「もうっ、いおり君ったら実砂で良いってばぁ!」

『全力で遠慮しまっせ。俺は女の子はみんな平等主義者やねん。』

「えぇーっ!」

あぁうざい。周りをちょんちょろ動かないでほしい。

16:アポロ◆A.:2015/10/08(木) 22:37 ID:4/o

そして翌日早朝。大きな荷物を持って俺達は氷帝が出してくれたバスに乗り込む。
鞄の中には一週間分のものしか入ってへんけど、家の甘味を持ってきた。(大量に)俺が甘いもの好きって事も有るけど、やっぱり他校にも食べてもらいたい。
凉白風甘味処で買ってきた! って言や大丈夫やろ。

「いおりさん、どこ座るんすか?」

俺の隣に光が姿を現す。

『どこにしようか。じゃあ光の横でいーや。』

「そっすか。((ガッ」

え、光? なんか俺の視界の隅で大きくガッツポーズを決めたように見えたんですけど……気のせい?
そんなことは露知らず、光は小さい声で話をし出した。

「それにしても。いおりさんのバスト、あんなにデカイとは。」

『一回死ねよ変態ツンデレ。』

「何カップっすか?」

『……露骨に聞いてんじゃねぇよ。お前今思春期かよ。』

「じゃあ触って確認しますよ?」

そう言って思春期ですが? って顔しながら首かしげつつ両手をわきゃわきゃしながらにじり寄る光に寒気が。

『やめ、それだけはやめ! 触るな!』

「じゃあ教えてくださいよ。」

『っ! ……_!//』

「え?」

『ぼそっ))……G……///「とりあえずサラシ取ってから揉んでええっすか。」やめろ光!』

何こいつ怖い。怖い怖い。にじり寄る光に後退りの俺。だんだんと下がっていくと、背中にドンと何かがぶつかる。
蔵の背中でした。振り向いた蔵に良いことを考え付いた俺。

「ん? いおr(バッ)……いおり?」

蔵の背中に隠れてやったぜ! してやったりとにやりと笑って見ると。

「にこっ))いおりさん。今日の夜、覚悟しとって下さいね?」

その瞬間俺の顔から血の気が引いたのを露骨に感じた。蔵は俺と爽やかに黒い笑顔を浮かべる光を交互に見て困惑した顔。

『蔵……俺、お前の隣に座る。』

「え……いおり?」

『なんでも良いからお前のとなr「いおりさん?」……悪い。やっぱりええ。』

もうこの後輩怖い!

17:アポロ◆A.:2015/10/08(木) 22:47 ID:4/o

強制的に光の隣に座らされ、補助席には謙也が。その奥には加川。加川の奥には蔵が。

謙ちゃん。お前が俺の最後の望みやわ。

「いおりさん、目ぇ死んでますよ?」

『誰のせいやと思ってんねnうひゃっ! ひかっ、やめ! くはっ! や、やめや! くくっ!』

こいつ、こそばしてきよったで。光めっちゃ可愛い顔して笑っとる。ぇ、何こいつ、ドS!?

「なんや!? いおりこそばし効くんか!? 俺も参加や!」

謙ちゃああああああん! 助けて! 謙ちゃん参加しんで助けて!?

「謙也さんうざい。」

「財前酷い!」

あ、光がめっちゃ謙也睨んでる。うわ怖!

「いおりーーー! なんや食いもん持っとる!?」

がふっ。金ちゃんのその笑顔に殺られました。だって前の席から顔覗かせて満面の笑みでお菓子ねだって来るんですよ!?
鞄を漁ってポテチ発見!

『金ちゃんポテチー。』

「貰ってエエんか!!?」

『それ食うて大人ししとき。』

そういうと金ちゃんはこくんと頷いた。そして袋ごと渡し、新たなお菓子を取り出してみんなでやんややんやと騒ぎました!

そんなこんなで到着! 東京!!

18:アポロ◆A.:2015/10/10(土) 00:51 ID:4/o

……でかっ。え、なんこれでかっ。

『ここが跡部っちゅーのんの用意した合宿所なん?』

「そーなんちゃう……?」

『蔵顔にやけてる。っていうかうわでけ〜。(リアルの俺ん家の半分は有るわ)』

蔵はその赤嶺さんとか言う子に会えるのが嬉しかったのか、にこにこ笑ってる。キモい。俺達が合宿所に足を踏み入れたら、氷帝らしき学校がお見えに。

「久しぶりやな跡部君。」

「白石か。そこまで久しぶりって訳でもねぇだろうがよ。」

「せやな。」

笑顔で和気藹々と話しとるとおもっとったら二人共背中に黒いオーラを発してるやん。なぜ?

『小春……なんで跡部君と蔵黒いん? 正直怖いんやけど。』

「やだ、いおり君。二人共いおちゃんが好きなのよ〜。」

『ふぅん。(にやっ)』

面白いな。これ。恋愛多角形って奴やんな? これで蔵んこと一週間は笑えるで。はははっ

「いおりさん。何一人でニヤけとんすかほんま可愛いっすわ。」

『え、そこキモいとかきしょいちゃうん? 光。』

「いおりさんが悪いんです。」

『……ハァ?』

何この子、片方の頬をぷっ、ってちょっと膨らませてるからのそっぽ向いたよ。不覚にも可愛い思た俺はアホやな。跡部に挨拶しようと近寄り自己紹介。

『俺は涼風いおりっちゅーねん。三年でマネージャーしとるから!』

「お……おう。」

『っちゅー訳で、よろしくな! あ…………あ、あ……? 名前なんやったっけ? アホ部?』

「跡部だ! 跡部景吾だ!」

『そか。悪かったな景吾。』

「いきなり呼び捨てかよ……。」

『ならお前が俺ん事『いおり』て呼べばええねん。』

「……まぁな! よろしく頼むぜいおり!」

景吾から差し出された手を握り返しおーう! と返事をすれば、一気に景吾の顔が怪訝になり、蔵がどこかに行き、周りに誰もいなくなったあと、景吾が喋り出した。

「……いおり、お前?」

『んあ? なんや?』

「女か?」

『……チャイマッセ俺ガ女トカ有リ得ン。実ハ女ヤトカチャウカラナ。実ハGカップナンテ言ワヘンカラナ。』

「暴露してるぞ。」

『あっ。』

「女か……。なら大丈夫か。」

『なんや知らんけど絶対黙っとれよ? バラしたらお前の遺体がバラされるからな?(´言` )』

「俺はそんなことはしねぇよ。(あれはマジの顔だ……)」

『マジか! 景吾お前ええ奴やな!』

そうして景吾と別れたあと、光の機嫌が超絶悪かったのは言うまでも無かった。(いや俺知らんけどな?)

「とっとと練習やれっての! 鬱陶しいんだよ! 離れろ白石てめぇ!」

何やら向こうから蔵を罵る怒声が耳に嫌でも聞こえてきたんですが。光を連れてその場に居ると、うわっ! 蔵に飛び付かれてる女の子発見。とりあえず止めな!そう思い蔵をその子から引き剥がしたら。

「誰や知らんけど邪魔しなや!」

べちっ。……? 蔵の手が俺の頭に飛んできたんですが。振り向いて誰かと顔を確認した蔵。俺の顔を見た蔵から血の気が引けていくのが分かる。

『……おいこらてめぇ、誰を殴ったんだ? あん? 言ってみれ。フルネーム……(°言°ノ)』

「……す、すすす、涼風いおりさんや!」

『おーし。肋が二三本いくと思うけど堪忍な?(爽やかにニコっ)』

「ぎゃああああっ! すまんすまん!! ほんまお前やとは知らんかってん! いやほんま!」

『なら……これに懲りたらやめること。エエな?』

「はいぃぃぃい!!」

あ、光がうわ情けな、という視線を蔵に送っているのが見えた。蔵マジ情けない。そして女の子が俺を不思議そうに見つめる。

「えー……と。誰? お前。」

『君こそ。っていうか悪いな、うちの変態が。ちゃんと躾しとくさかいに。』

「俺は犬かなんかか!!?」

『喧しい、黙って大人しくしとけ。でもって死ね。』

「いおり酷い!」

とまぁ蔵をあしらい、尻餅をついていた彼女に手を差し出す。

『大丈夫か? 怪我無いか?』

「名前を言うのが先じゃねぇの?」

『お、悪いな。俺は【涼風いおり】。あんたは?』

「【赤嶺いお】よろしく頼むぜ! 白石をどうにかしてくれ!」

『了解!!』

手を取った赤嶺さんを引き上げて立たせる。光がにやにやしているのを見たが、にこっと笑ってやったら顔が無表情に戻る。

そうして俺は【赤嶺いお】と出会った。

19:アポロ◆A.:2015/10/10(土) 11:46 ID:4/o

inホテルにて。只今は景吾・幸村さん・仁王さん・いお・蔵・俺・光・英二で共に行動中。英二とは仲が良ーなったで、なんや馬がおーた。幸村さんと仁王さんは景吾に道案内させてる。

「あ、君が涼風いおり君?」

おっと。幸村さん、女っぽい。可愛い。っていうか声かけられた。

『ん? せやで? そっちは幸村さんやった?』

「面白いね、俺のこと知らないなんて。」

『あ〜……ゴメン。俺テニスを最近まで知らんかったから。』

「そーなんだ。幸村さんじゃなくて精市でいいよ。【いおり】。」

おう! と返事をすれば光に頭はたかれた。なんやねんこの後輩。(だから気付けや)

「いおりさんアホちゃいます?」

『ってーな……少なくとも蔵よりはアホじゃないかrぐほっ』

蔵から脇腹に肘貰いましたー! 「いおりの方がアホやん。」そう返されたので言い返してやりました。

『お前、俺一応四天宝寺じゃ特待生やぞ。』

「へえ、いおりって四天宝寺じゃ特待生なのか。」

お。いおちゃん乱入。隣の蔵を押し退けて。こくんと頷くと、仁王さんが声を掛けてきた。

「ほぉ〜ぅ。おまん、なかなか面白いのぅ。男そu『仁王さんんんん!!?』((にやっ。
詐欺師の目を誤魔化そうったってそうはいかんぜよ。」

『仁王一回死ねやてめぇ。』

俺と仁王(苛ついたからさん付け取った)の会話に精市と景吾と光以外キョトンとしている。
知ってるやつが驚いてる。あ、精市気付いたの? 仁王のせいだ。

『内密にな? (バラしたら殺るぜ♪)』

「わかっとーよ。(一か八かやったんやけどのぅ)」

『もうとりあえず死ねよ仁王。(ハメたかてめぇ。)』

「そうだよ、仁王。一回死んできて。」

『「精市/幸村!!?」』

あぁ、ゆっきーは黒い人だったか。っていうか英二。いおにベタ惚れじゃん。景吾もちらちらいお見てるし。蔵嫉妬中やし。

『モテとるなぁ。』

「何がだ?」

『いお。』

「俺が? やめろよいおり〜、そんな冗談!!」

『……せやな!』

「てめぇ。」

いおから膝かっくんを喰らいました。

20:アポロ◆A.:2015/10/10(土) 12:02 ID:4/o

夕食を食べ終わり、俺の自室(景吾に一人部屋を用意された)で俺は一人でベッドに寝転んでいた。

『疲れた。っていうかテニプリってキャラクター濃いなぁ。』

「そーでしょ?」

『おー……ってうわ! ウサギ!』

「久しぶりー。」

横に座っとるのは俺をトリップさしてくれたウサギ。

『で、何しに来てん。』

「ちょっと御忠告まで。」

『なんや?』

「ひとつだからすぐ終わるけど、恋愛関係ね。
【君“は”この世界の誰かに恋をしたと“自覚”瞬間この世界で一生を暮らさなくちゃならなくなる】んだ。大丈夫?」

『おん。全然大丈夫。逆に帰りたくない。』

「あ……あはは。じゃ、困ったら呼んでね!」

『うぇーい』

「あと、トリップ者の君みたいな条件は違ってくるからそこよろしくね。例えば、君が恋を自覚したら帰れないって条件なら、他の人は付き合ったりしたら帰れなくなるって感じの」

『おん。分かったで。』

あ、ウサギ消えた。部屋から出ると、レギュラー陣達がお風呂を上がったようなので、俺は安心して女湯に入れるや。

21:アポロ◆A.:2015/10/10(土) 14:31 ID:4/o

幸村は今は倒れてない設定で。関東大会の時には倒れてます。



『くはっ。めっちゃ気持ちええわぁ。』



あー。風呂最高。今女風呂で一人やから貸し切り状態やわ〜。あー最高。
湯船に浸かって腕を広げ、そのまま縁に腕掛けてやけに高い天井一日の疲れを取っとると、浮いて来よった。



『……あたし、胸が異様にデカいん恨むわ。』



ほんま邪魔。いおみたいにちっちゃい方があたしはエエわ。貧乳? 極貧乳でもエエわ。
自暴自棄になって胸を放置して呆ける。
そのまま十分ぐらい居ると、扉がガラリと開いた。
清掃員の人かいな? そう思い振り真後ろにあるドアの方を向いて見てみると。



『……え。』



うわ。最悪。



「いおり……?」



いおや。入って来たんはいおやった。そしていおの顔がみるみるうちに赤くなっていく。あたしの顔も赤くなっていく。



「きゃああああああああああっ!」

『うわああああああああああっ!』



その叫び声を聞き付けた男共(四天宝寺(加川込み)・氷帝・幸村・仁王・青学)が閉めてあったドアを開いて入ってきた。



『「あ。」』

一同「え。」

『「ぎゃあああああああああああ!」』



いや、いおはまだええやん! タオル巻いとるし! あたし湯船に入ってるとしても全裸やで!? まぁ背中しか見えてないと思うけど!
でも、でもでも! あたしピン外して髪下ろしてるんやで!? 凉白風に来た四天レギュラーは分かってもたやろ!



「え……いおり?」



蔵があたしを見てキョトンとする。あたしには目を背ける事しか出来ない。まさか……まさかっ! まだ四月下旬やのにもうバレてもーたとか! しかも加川入れて全員に!


『……。』



あたしは背を向けた。何を言い出すか分からん。もしかすると軽蔑されたかも。……騙してたんだし。



「とりあえずここから出ろ変態共おおおおおお!」



いおが男共を風呂から追い出した。そしてあたしの隣に座って湯に浸かる。



「いおりって女の子だったんだな……。」

『悪いなぁ。……騙してて。軽蔑したやろ?』

「してねぇよ。軽蔑なんか。むしろ安心した。」

『は? 安心?』

「っ!! いや、聞き間違いだってそれ!! っていうか軽蔑なんかしねぇよ。だって、騙してたのは性別だけだろ? 一緒に居て、楽しくて笑ってた、その気持ちは嘘じゃねーんだろ?」

『……せやけど。』

「大丈夫だっての。そりゃまぁ最初見たときは俺もビビったけど、軽蔑はしなかったぜ。」

『……いおがそーやとしても光と精市と仁王と景吾を除いた蔵達がいおとおんなじように考えるか……やで?』

「……その時はその時だ。軽蔑したら俺はそいつらを軽蔑する。」

『……ありがとういお。めっちゃ感謝するわ。』

「安心しろよ。さっきいおりが言った四人は事実をしってんだろ? そんなかにゆっきーや跡部、財前が居るなら大丈夫さ。」

『……景吾と光は分かるけど、精市は何でなん?』

「ゆっきーの事知らねぇの? ゆっきーはあれだぜ? 中学テニス界最強でさ。
神の子って言われてるんだ。」

『マジか……知らんかったわ。』



そうして他愛ない会話をして。



『いおは胸ちっちゃいなぁ。ぴったんぺったんやん。』

「てめぇ……お前は出過ぎだろ。このっ。」

『うわっ。や、やめや! んっ!』

「俺はねーもん! くそがあああっ!」

『まてまてまて!! 話せば分かる! 話せば!! あたしに八つ当たりしてもいおの胸が極貧乳っちゅー事実は変わらん! っていうかええ加減触るな!』



もうやめて……あたし死ぬからマジ勘弁や。

いおとの話し合いの結果、あたしは明日の朝、性別を騙していたことを謝ろう。そう決めた。

22:アポロ◆A.:2015/10/10(土) 16:13 ID:4/o

自室にて。



『……どうしよか。』



あたしは一人、頭を悩ませていた。明日の言葉、明日のみんなの顔、あたしの性別、みんなの目。



『……うわあああっ! もー無理! 明日ぶっつけ!』



そういって部屋に置いてあった鞄の中から凉白風の和菓子を取り出して一人で食べていると。

こんこんこん。

ドアがノックされ、いおかと思い団子をくわえ、服は短パンに薄いTシャツのまま『うぃーす』と出てみると。



『……っ。』



蔵だった。くわえていた団子がぽろ、と地面に落ちて弾力で跳ねる。



「……いおり、ちょお邪魔してエエか?」



蔵の目を見れない。顔を見ずにあたしは『……エエよ別に』と蔵を部屋に入れた。



『……何しに来たん? ……。』

「ん? ふぇふにはんほ?(別になんも?)」

『あ¨?』



喋り方が可笑しかったから蔵を見てみれば、机に置いてあった和菓子を頬張っていた。



『ちょっ、おまっ! ホンマ何しに来てん!』

「いおりに用があってやけど?」

『なら喰うなや。無くなる。』



あたしを見て和菓子を置いた蔵。そしてベッドに座ってあたしに隣に座るように促してきた。渋々隣に座ると蔵が話を切り出す。



「……お前。あのときの凉白風の店員さんなん?」

『……まぁ。








あそこ、あたしの家やし。』

「そか。」



しばらく沈黙が続いて、気まずい。



「なぁ。」



またもや蔵が切り出した。



『なんやねん。悪かったな。』

「まだなんも言うてへんやん。」

『……なんとなくや、なんとなく。』



辛い。やっぱり、こうして面向かって言うんは辛い。



「……気にしなや?」

『……はぁ? 何をや?』

「お前が例え女やったとしても、みんなの態度は変わらへん。そらちょっとはなんか言われるやろうけど、大丈夫や。」

『……蔵。あたし今泣いてエエかな。』

「あかん。」

『なんでやねーん!!』



普通さっきの所は泣かしてくれるところや無いん!?
膝に肘ついて頭を押さえていると……あれ? ちょっと待ってや。ドサッちゅーた思ったら目の前には蔵。でその後ろには天井。

なんやこれ。



『白石蔵ノ介さん?』

「なんや?」

『退けや。』

「イヤや♪」

『いおが見たらなんちゅーやろな?』

「エエもん。」

『あたしが嫌だ。白石退け、それか死ね。』

「今の俺は何を言うても動かへん。」



あ、馬乗りされた。今のあたしの顔、呆れてると思うわ。



「ほなら、いただきます。」



そう満面の笑みで笑って、手を合わせた瞬間蔵に寒気を覚えた。そしてそこにnicegoodタイミングでドアが開いた。



「……部長?」



光ううううううううう! 来てくれてありがとう!!! それからノックしようか! でもありがとう!!!

23:アポロ◆A.:2015/10/10(土) 16:37 ID:4/o



『光うううううう!』

「ちっ、財前……空気読めや。」

『光ありがとう!!! お前マジ救世主!! 空気ちゃんと読めとるよ!』

「とりあえず部長なにしてるんすか。」

『やんなやんな!! 普通そうやんな!』



光がつかつかと歩いてやって来て助けてくれたと思ったら。



「部長、押し倒すくらいじゃ生温いっすわ。」

「俺はこれでも我慢しとるんやで?」

『光もそっち側かーい!』



光に上半身を起こされ、後ろから腹に手を回されたあたし。っていうかなんやねん。我慢って。



『我慢ってなんやねんアホ!』

「「なにって……性よk『なんでやねんんんんんん!』」」



あたしのどこに性欲を思わせる部分があるねん! っていうか光耳元で喋んな! 頭になんや広がって嫌な感じするわボケぇ!



「やって、腹見えとるし。」

『胸のせいやろ!』

「胸めっちゃでかいからっすわ。」

『てめぇらいっぺん死んでこい!』

「「もう無理。」」

『ぎゃあああああっ!!! 誰かああああ!』



ちょっと待ってや! 二人して来るなや! 一人も嫌やけど! 来るなや!
光に関してはもう手が出てきとるし! 離せええええええええええ! 光に後ろから腹に手ぇ回されとるし、足には蔵が乗っとるし、身動き出来んへんねん!



『うをっ!!!』

「……足。」

『うわっ、やめや! 触るな!』



蔵最低や! 太股内側の上からから膝に指滑らしよった!!! っていうか光はなんやねん! 横からにやにやにやにやと! っちゅーか誰でもエエから来てくれや! そしてあたしを助けろ!



『誰か来いやあああああああああああああああああああああ!』



がちゃ。これまたいいタイミングでドアが開きました。



『いおおおおおおおお! どうにかしてコイツら!!!』

「よっし任せろ。」

「待て待て待ていお。構えるな、喧嘩の構えするなや。」

「死ねよ白石。」

「財前は!!?」

「財前はいおりがなんとかするらしいぜ。だから俺はてめぇを殺るのだ。」

「ちょまっ、うぎゃああああ!」



蔵の悲惨な叫び声が聞こえてきたけど、スルーや。お前が悪い。



『光のアホ〜……。手加減せぇへん。覚悟しぃや。』

「いおりさんに負ける気しませんわ。」

『剣道一段柔道三段合気道一段少林寺一段空手二段。なめんなや。』

「……なんかボコられる気ぃしかしないんすけど。」

『やって、ボコるもん。』

「うわあああああああっ!」



最後には光の叫び声も追加しました。

24:アポロ◆A.:2015/10/11(日) 15:30 ID:4/o

翌朝、食堂に入れば全員があたしを見た。
そりゃシャツにスカート穿いてたらな。



「涼風か……?」

「涼風?」

「マジ涼風?」

『てめぇら何回確認すんねん。確認せんでも顔見たら分かるやろボケ。』



あ、言っちゃった。そしたら男子がいっせいに駆け寄ってきた。



「涼風さん!」

「マジでビビったぜお前が女なんてよー。」

「俺時々涼風が女に見えて仕方なかったんだ! けど、ホモ疑惑消えて良かったぜ。」



やら笑顔で迎えてくれるテニス部(各校)に笑顔がこぼれた。そして改めて自己紹介をする。



『改めまして。はじめましてやな。
涼風いおりや! えーと、実は女で、四天宝寺中学3-8の男子テニス部マネージャー! 好きな食べ物は甘いもの、得意教科は全部!
嫌いな食べ物は……ゴーヤとシュールストレミング(世界一臭いにしん(魚)の缶詰)や!
家は凉白風甘味処やで。』



そう言えば、みんなそこまで詳しく言わなくていいのに、のあとに。



「「「家が凉白風甘味処!!?」」」



と目を見開いた。あ、そんなに有名なん? うちの家。



『まぁとりあえずよろしk「認めない!」え。』



声がした方を見ると加川が立っていた。



「なんなのよぉ! みんないおり君にデレデレしてぇ!
しかもぉ、いおり君が実は女の子だったなんてぇ!
いおり君も私と同じマネージャーなんて認めないわぁ!
(私の方が可愛いのに、なんでみんな私を好きにならないの!? なんで赤嶺やいおり君ばっかりなの!?
私の方が数十倍可愛いのにぃ!)」

『……加川。』



あたしは一応声を掛ける。



『……副音声丸聞こえやで。』

「知らないわよぉ! そんなことはぁ!」



あ、行っちゃった。相変わらず走り方キモいな。蔵や精市の方を見てみるとあ、ひきつった顔しとるわ。



『とりあえず!! 今日から涼風いおりは女や! よろしく頼むで!』



と、言うわけで。蔵の言う通りになったんは悔しいけど、みんなあたしを受け入れてくれたから、良かったわ!!

25:アポロ◆A.:2015/10/12(月) 22:56 ID:4/o

合宿の二日目、朝はみんなに全てを話した。トリップの事は喋ってはいないけれど。
だけど、加川の姿を見なかった。可笑しい、静かだ。
加川の好きなイケメンがこんなにいるのに静かだ。



『加川の奴……静かやな、っちゅーかマネ業サボりかいな。』



一人でぶつくさ言っていると、謙ちゃん御登場。



「なんやエライぼやいとるな!」

『あ、凉白風の店員さんに一目惚れしたチキン君。』

「誰がチキンや。それと、その人がお前やって分かった瞬間冷めたわ。あと目も覚めた。」

『……貶された気がするんは気のせい?』

「やって貶してるもん。」

『謙ちゃん、「もん」とか可愛すぎやでもうっ!』



がばーっ。そう飛び付けば「離れぇ!」と拒絶された。あん? なんか不満でもあるんかボゲぇ!(影山被っとりまっせ) まぁ離れてあげたけど。あたしおっとなー!



『なんや謙ちゃん。不満か?』

「……不満っちゅーか、なんちゅーか、その……」

『あ、胸か!』

「……お前……俺がやんわり言おうとしてたのにぶち壊しよってからに!」

『そーかそーか! 謙ちゃんも年頃やもんな! 気になるよな!』

「え……いやいやいや! ちゃうて! 全然ちゃu『恥ずかしがらんでええねん! ちなみにサイズは「言わんでエエわアホ!//」……謙ちゃん。』

「お前もう少し女らしくしろや! 普通言うか!? サイズ!」

『……なんや、謙也。これでも結構なコンプレックスやねんで。動くとき邪魔やし。』

「……だからそー言うところをなおせゆーとんねん。」



あ、謙也呆れた。呆れたよ、ヘタレに呆れられたよもう! どーしてくれるんや作者!(知るか)

ドリンクを作り終えたあと、渡していくと、丸井……丸、ま……そう! 丸井ブ太が寄ってきた!



「ようよう涼風!」

『どないしたんや丸井ブ太君。』

「ブン太だ!!! ブ太じゃねぇ!」

『……ハイハイ。ブン太ブン太。で、なんやねん?』

「凉白風の菓子とか持ってる!? 俺一回あそこのぜんざい食べてみてぇんだ! ほら、神奈川とか東京とか店舗ねーだろい?」

『……あぁ。っていうかあたしの家ってそんなに有名なん?』

「ったりめーだろい! 和菓子と言えば凉白風! ぜんざいと言えば凉白風! すっげー有名なんだぜぃ!」

『へー。じゃあ部屋に有るから後であげるよ。ぜんざいは無いけど団子とか最中とかわらびもちとか塩まんじゅうとか軽めのものが有るから。
みんなで食べる用やけどな。』

「っしゃ!」



ブン太はガッツポーズをして練習に戻った。やっぱりアイツは丸井ブ太やな。

26:アポロ◆A.:2015/10/12(月) 23:14 ID:4/o

午前の練習の休憩時間、あたしは家の菓子が入った鞄を部屋から取ってきた。



『凉白風の菓子の差し入れやでー。』



適当にそう言えば、わらわらわらっとみんなが寄ってきた。そして一番にやって来たのはやはりブン太。



『涼風! 俺塩饅頭と最中と「いっぱい有るから自分で取っていきな」涼風太っ腹ー!』



わーい。そんな感じでいってしまわれた丸井ブ太。次は光で、「なんやぜんざい無いんすか」とぶうたれながらもようかんの皿を丸々持っていかれた。

てめぇどんだけ食う気やねん。



「いおり! 栗最中有るか?」

『あー蔵。えーとちょっと待ってや?』

「お、案外うめぇな。何てーんだ? これ。」

『ああ、栗最中……あ! 景吾おまっ、あー……。』

「?」

『いや、なんもない。


悪いな蔵、景吾が最後のひとつ食ってしもて……。』

「ならわらびもち有るか?」

『うぇーい。あるある! ほい。』

「ん♪」



え、なにさっきのわらびもち口に入れたときの幸せそうな顔。可愛かったんやけど。



『精市ー! 真田ー! 練習より糖分摂取やー! はよ食わんとなくなるでー!』



いまだ練習を続ける精市と真田に声をかける。
なんか人がいっぱいでホンマになすなりそうやったから、塩饅頭や餡最中等をハンカチに数個乗せ、持っていく。



『持ってきたったで!』

「え……でも良いのかなぁ。」

「流石に甘えすぎと言うのも有るのだが……」

『食いや、ブン太が横取りに来るで。それに食うた方がええ。あたしが言うんもなんやけど、多分美味しいから。』

「じゃあ貰おっかな!」

「すまんな。」

『どーも。』



真田と精市に渡して戻ってきたらああ、もうないやん。



『あ、いおー!』

「いおり!」

『和菓子食うた?』

「?」

『くうてないんか。じゃあ夜にいおの部屋言ってあたしの家の和菓子、一緒に食お。』

「なんかよくわかんねーけど良いぜ!」



ふんっ、と胸を張るいおに少し可哀想だと思ったんやけど。



『いお……無い胸張ってもむなしいだけやで。』

「っ! んだとこの爆乳関西人!」

『うわっ、触んな触んな!!! それとあたし言うとくけど一応兵庫県民!!!』

「知るかこのやろう!」

『いっ、いおやめや!』



こいつホンマに容赦無く触って来るわホンマに。やめや。

この時一部の男子がいおを羨ましく思ったのをあたし達二人は知らん。

27:アポロ◆A.:2015/10/14(水) 00:19 ID:4/o

『で、』



合宿二日目夜。inいおの部屋。あたしは頭を抱える。いや流石にあかんやろ。



『なんで居るねん……。』

「笑えねーよマジで。」



いおと同時に溜め息をついた。あたしらが座っとるいおのベッドの周りには長髪青髪眼鏡、謙ちゃん、蔵、それと精市と英二と不二さん。
そしてあたしの右隣にはちゃんといおが居るんですが。
左隣には光が陣取ってます。何この子可愛いねんけど。



「だって今日もらった最中とか美味しかったんだもん。」

『精ちゃん……もんって可愛いな! 抱き付いてエエか!?』

「駄目っすわ。」

『「なんで光/財前君が断るねん/の?」』

「……。((プイ」



あ、そっぽ向いた。



「謙ちゃん、御隣のいかにも似非眼鏡な人は誰なん?」

『いおんとこのレギュラーやろ……? 多分。』

「あぁ、こいつは俺の従兄弟の侑士や、よろ「忍足侑士やで、よろしゅうな」侑士、自分俺の言葉に被せてくるなや。」

『似非眼鏡君、いおに忘れられた感想はあるか?』

「なんや背筋に気持ちエエのがぞわぞわっt『謙也その眼鏡この部屋から放り出せ』

「やて。侑士出ていけ。」

「いおもヘタレも酷いわ……。」



あ、眼鏡君落ち込んだ。……ざまぁ!



『……蔵〜、近いでー。』

「何がや?(爽やかスマイル)」

『顔近い近い。いくんやったら謙ちゃんとこ行き。それか加川のとこ「ごめんなさいごめんなさいそれだけは頼むからやめや。」おもろっ。光、光! シャッターチャンっ!』

「了解っすわ。」



光に写メに納めてもらいつつ、先程からいおにべったりな英二に目をやった。



『英二、いおが暑苦しそうやで。』

「えー。いおちょーど良いもーん。」

『さよか。暑そうやけど。』

「ならいおりさん、俺はエエんですか? 俺平均体温35.0っすよ。」

『誰も抱きつけなんてゆーとらんわ。』

28:アポロ◆A.:2015/10/26(月) 09:30 ID:4/o

合宿もそろそろ終わりに近づいてきた。といってももう最終日なのだけれども。

あたし、涼風いおりには少し不安が出てきました。



『……。』

「……さん。」

『……。』

「いおりさん。」

『……。』

「いおりさん。」

『はうあっ。』



え、なんやねん! 頭ばこーんて、ばこーんて叩かれてんけど!
後ろを向けば光が不機嫌きわまりない顔して立っている。
先輩の頭を叩いたのはお前かやめろや。



『……先輩はたくとは何事やぜんざい君。
あたしなんもしとらんで。』

「無視しましたよね、しましたよね? いおりさんホンマ酷いっすわ。」

『あ。すまん。』



……どうしよう。なんか気まずい。



「いおりさん、なんや辛気臭い顔してますけど、なんかあったんですか。」

『いやぁ、なんかあったと言うか、これからと言うか。』

「なんですかそれ。」



光はドリンクを飲みながらベンチに座っとるあたしの隣に座る。
今は練習中、もちろんあたしたち二人はマネージャー業をこなしとったんやけど、あの日から加川は仕事をしとらん。
まぁあたしが女やって分かってやる気なくしたんやろ。ははっざまぁ!



『……いやなぁ? ほら、あたし学校男装で行っとったやろ? やからあっちはあたしが女やって分かったらどないなるやろ……。めっちゃ不安やねん。』

「……心配することないと思いますけど? 俺らの学校、頭のネジ抜けてますし。」

『……自分の学校やんな?』

「気にしんでください。」



光はそれだけ言い残すと行ってしまった。光ってばあたしが落ち込んでたから見に来てくれたの? もーっホントにツンデレだなお前は!



『おん、大丈夫よな! あたしのクラスには小春ちゃんやらユウジも居るし!』



あたしの中の不安が消えた。

29:アポロ◆A.:2015/10/26(月) 11:53 ID:4/o




「え……。」

『あ……。』



どうしてこうなった。

よし差し入れ行こ! としたらいおも行くことになって共にコンビニへ出向いたら、美少女に出会った。なぜかその子はやべえ見られた、って感じの顔しとるんやけど。



「……何よ。」

『へ?』

「え?」



キッと睨んで来るその子の声に聞き覚えがあった。



『もしかして……加川さん?』

「……。」



ふい、そんな風に目を逸らす加川。え、めっちゃ美少女やねんけど。



「……化粧してない私を笑えばいいわ!」



あ、化粧してないから恥ずかしいのか。でも化粧してない方が、っていうかしてなくても可愛い。



『ごめん、加川さん。めっちゃ可愛い。』

「「!?」」



いおも加川と同じようにあたしを見とる。やって今の加川の顔あたしの好みドストライクやねん、しゃーない。



「な、なんでよ! 化粧もしてないのに!」

『いや、化粧してない方が可愛い。』

「うん、すっごい美少女。」



これにはいおも同意。加川は驚いた顔をしている。



「もうその顔で蔵達の前に出た方が良いよ!」

『いや、ホント冗談抜きで、今みたいに語尾伸ばさず喋っとったら多分清楚な御嬢様風の美少女やで。』

「……そうなの?」

「『そう!』」

「……。」



なんか不服げ。でもあたしはそんなこと気にせず加川……実砂ちゃんの手を引いてレギュラー達のところへ引っ張る。
実砂ちゃんは少し顔をしかめて逃げようとしていたけど、後ろからいおが押していたから逃げ道も無くなり観念して着いてきた。



『蔵ノ介えええええええええええっ!』

「跡部えええええええええええええ!」


遠くに居る部長をフルネームで呼んでやる。(叫んだの間違い)みんなが気付かないように実砂ちゃんを背中に隠しながら。



「なんやいおりーーーー!」

「どうしたいお!」

『悪いけどすぐ人を集めてくれへん!? ニュースやニュース! ビッグニュースや!』

「早く!!!! ゆっきーも手伝って!」

「いおってば仕方ないなぁ。
さぁみんな、10秒以内に集まって! 集まらないと……ふふっ(満笑)」



ゆっきーの一言でみんなこちらに集まる。そして集まったあと、謙也が気付いた。



「涼風の後ろにおる子は誰や?」



それにみんな首を縦に振る。一方あたしといおはにやりと笑って実砂ちゃんを前に出した。

周りは可愛い!! と絶賛。実砂ちゃんは予想もしていなかったのか、目を見開いている。



「ちょっ、その子どないしたん!? 誰や!?」



足綺麗やなぁと謙也の従兄弟が言えば、



『ふっふふ……聞いて驚き!この子はノーメイクの【加川実砂】ちゃんや!』



ざわわっ。
実砂ちゃん含め驚く一同。それに対ししてやったり、とほくそ笑むあたしといお。
なんか爽快感パないわぁ!

30:アポロ◆A.:2015/11/02(月) 23:10 ID:4/o



「え、ホンマに加川さんなん!?」

『せやで、蔵……この子の魅力が分かったか!』



実砂ちゃんの肩をポンと叩いてにししと笑ってみせたった。
みんな実砂ちゃんの周りで「可愛い」を連呼。そしてそれに少しばかり恐怖を覚えたのか、実砂ちゃんはとてて、とあたしの後ろに隠れた。
あかん、めっちゃ可愛い! 前まで太ってるって思てたけど、着込んでてんな! スラッとしてめっちゃかわええよ!



『実砂ちゃん! もうメイクもせず、自然体で居ればめっちゃ可愛いんやから、普通にしとって!』

「いっ、……いおり君っ!?」



肩をがくんがくんと揺らしながらあたしは実砂ちゃんに訴える。この時密かにいおが「胸も揺れてるぞ」と自分の胸をさすりながらあたしの胸を恨めしげに見ていたことは余談である。



「いや、ホンマメイクせんほうが可愛いわ。それと自然体で居ってくれん? そっちの方が学校の奴等も俺らも話しやすい。」

「蔵……。」

『分かった? 次から普通で居って!』

「……うんっ。」



実砂ちゃんとも打ち解けれたところで練習再開。
実砂ちゃんも参加してマネージャーのお仕事を頑張っとるで。



「お疲れ様、謙也くんっ。」

「おぉ、実砂。助かるわ。」



みんな実砂ちゃんの呼び方が『加川』から『実砂』もしくわ『実砂ちゃん』『実砂先輩』になっていたのはあまりにも自然で実砂ちゃんは気付いとらんけれど、大きな進歩や!



『お疲れさん、ほい光、タオルとドリンク。』

「……どーも。」



あ、光不機嫌。むすっとしてるとこがすっごく可愛い。



『あーっ、もー、光めっちゃ可愛いっ。』



がばっと横から光に飛び付けば「わっ」と声をあげて驚いとる。



「ちょ、いおりさん。俺が可愛い言われてもうれしないんすけど。っていうか、何げにいおりさん、俺より6cm身長高いっすね。」

「今頃なん?」



光から離れてそう笑った。

のち、あたしはいおと実砂ちゃんとで慌ただしくコートを走っていた。

31:アポロ◆A.:2015/11/04(水) 21:24 ID:4/o




「いおりく……いおりちゃん! こっちこっち!」



あぁ、実砂ちゃんがあたしのことを君付けからちゃん付けに変えたよ。っていうかその『えんじぇるスマイル』ぱないわ、御姉さんへの破壊力やばいわ。



『どないしたん? 実砂ちゃん。』

「これってどこで洗ったら良いのかなって……。」



そういって差し出してきたのは空のドリンクボトル。あぁ、あんなにサボっていた実砂ちゃんがこんな積極的に仕事をしてくれるとか、御姉さん嬉しいわ!(御姉さんって……)



「これは水道で一旦すすいでからまた準備だぜ。」

『いお。』

「いおちゃん!」

「なんなら一緒にやるか?」

「やるっ、やるやるっ!」



実砂ちゃんのいおを見る目が……なんやハートんなっとるで、ヤバイ、二人とも可愛い。実砂ちゃん普乳やのにいおがぺったんこやからなんや大きく見えるわ。って待てやあたし、いおが可哀想なことわざわざ思うな、あたしは女の子大好きやねん!(おい)
ちなみにレズとちゃうから安心しぃ!



「あ、待ってや手塚。」



偶然通り掛かった手塚を呼び止めた。手塚は怪訝な顔して「なんだ」とぶっきらぼうに言い放つ。
あたしは実砂ちゃんも加え、さきほど監督たちと相談して決めたことを部員に知らせてもらうべく、手塚に教えた。手塚に「みんなにも言っといて貰えん?」と言えばあたしが呼び止めたのを納得したのか「分かった」と一言だけ告げて足早に去ってしまった。



『手塚、顔こえ〜。』



あたしが一人でそんなことを言っていると、金色が寄ってきた。



「なぁにいおりクン? 手塚君と何か楽しいことでもあったのん?」

『いやちゃうから。っていうかなんでクンやねん、あたし女やで。』

「やってカッコいいんやもんっ!」



そういった瞬間、「くぉらぁあああっ」と誰かが叫びながら走ってきた。この声は……



「小春ーっ、浮気かー! 死なすどーっ!」

「やぁんユウ君浮気なんてせぇへんよ!」

『お前らキモいから別んとこでやれやキモい。』



キモいを連発してただひたすらにいちゃつくラブルスを放りその場を後にした。

その光景を光と蔵が見ていたのをあたしは知らない。

32:アポロ◆A.:2015/11/04(水) 21:47 ID:4/o

財前side


休憩時間、先程の休憩時間の様子を見ていて白石部長と話し合い、いおりさんが気になるテニス部部員(加川先輩・赤嶺さん含め)で集まった。マネージャーの二人は「「ちょっと」」と言いいおりさんに断ってやって来たらしい。そして白石部長がいおりさんに聞こえない程度の声で叫んだ。



「第一回『涼風いおり』の魅力を語ろうやの会ーっ!」



白石部長がそう言えば、みんなわああっと乗り気。なんて御調子者が多いんやテニス部。大丈夫かテニス部。かといっていおりさんの話題やし、抜けられへん、っていうか抜けたくない。

集まったのは青学、不二さん、(赤嶺さんについてきただけの)菊丸さん、桃城。立海は幸村さん、仁王さん、切原。氷帝からは(皆を抑えるべくやって来た)跡部さんと、忍足さん、赤嶺さん。四天宝寺からはいおりさんを除いたオールキャスト。



「まずいおりの最大の魅力とはズバリ!」



白石部長の声にいち早く返したのは幸村さん。「ルックスじゃないかなぁ」と一言。加川先輩が「いおりちゃんはホントにカッコいいよね、もしかしたら蔵よりイケメンかも」と白石部長のガラスのハートを見事に貫いた。やるな加川先輩。



「俺はあの性格だと思う。」



赤嶺さんが言えば仁王さんと謙也さんと不二さんが『あぁ〜』と同意。
そして次々と魅力が出ていくなか、俺はみんながあの事についてなんにも言っていないのに気が付いた。
が、みんな避けていたようやな。でも、常識が通じへんのがこの人。



「いおりの魅力と言ったらやっぱり第一にあの『爆乳』やろ!」



そういったのは白石部長。さっすが万年発情エクスタシードM男。前にそれをいおりさんに言われてめっちゃ喜んでたのを確かに記憶している。



「「白石さん……それは禁句っすよ。」」



そんな中、桃城と切原が突っ込んだ。ナイスや、よぉそんなことをぬけぬけ言えるわ、感心するで三人とも。

こうして休憩時間が終わり、練習に戻った俺達。やっぱり地獄耳のいおりさんには白石部長の声は聞こえてて、めっちゃどやされてた。はっ、ざまぁ無いわ白石部長。

33:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 03:35 ID:4/o

いおりside
現在午後3時。
さてさて、蔵も叩きのめしたところで、この休憩時間に手塚から聞いてる思うんやけど。

まぁその内容ははな、晩飯がバーベキューやっちゅーことや!



練習を再開したらみんな力がみなぎるように熱心に打ち込んどる。

エエことや!



「いおりちゃん……。」



すると実砂ちゃんが声を掛けてきた。



「明日からまた学校では男装するの? それともこのままで?」

『おん、こんままや! 四天宝寺やで? 大丈夫やって!』



そういうと実砂ちゃんは「そっか」と顔を綻ばせていってもた。
あぁめっちゃ可愛い。っていうかなんよあの『えんじぇるスマイル』は。御姉さんノックアウトやって。



「いおり。」

『ほわぅっち!』



ゆっきー!? 精ちゃん! なんよ後ろから声かけるんは反則やろ! びびるやろ! あたし怖いん苦手やねんで!?



「いおり?」

『すいませんでしたあああああっ!』



出たでちまたで噂の読心術! もー精ちゃん怖いわ!



「とりあえず話を聞けよ。」

『あい……。』

「このお話は結構大事だったりするんだよ? ちゃんと聞いてよ?」

『アイアイサー。』



精ちゃんはそこまで言うと大きく息を吸う。
そして告げた。



「俺はいおりが好きだよ。」

『……あ、はぁ。』



え、なん? あ、はぁ。て、驚きすぎてなんもでてこーへんねんけど!



「もう俺いおりがすっごい好きになっちゃってて……。」



照れてれ笑いな! 可愛いやろ!(おい)っていうかゆっきーにそう見られとったとは。でもちゃんと変えさなあかんよなぁ。



『……精市、ゴメン。』



それを聞いた途端精市の顔が泣き掛けになった。あぁ、悪いことしてもーたどないしょう!



『で、でも!あたし、精市の事あんまり知らんから、お付き合いは無理でも友達からなら!』



あたしがそういうと精市はぱあっと顔を輝かせて「ふられたのは残念だったけど、これからもよろしくね、いおり!」と飛び付かれた。
『おん!』と笑って精市を支えるあたし。まぁ抱き締めあってる様に見えるんかな?


その時あたしは知らんかった。それを、光が見ていたなんて。

34:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 03:44 ID:4/o

財前side



……なんやあれは。

体育倉庫の様なところに歩いていったらしい(加川先輩情報)でいおりさん呼びに向かったら幸村さんと笑いながら抱き合ってる。
意味わからん。


俺はその場をとりあえず後にした。不意に目が合った幸村さんが俺にムカつく笑顔を向けて居たことは視界の端で捉えていた。

うーわ、もう意味わからん。

いや、別にいおりさんは俺のや無い訳やし、恋愛とかはいおりさんの自由や。でも、なんや胸が痛いっちゅうか、ジクジク痛むっちゅうか、なんちゅうか、苦しい? そんな感じがする。
これが嫉妬なんか? いおりさんは好きや。先輩としても、友達としても、異性としても、俺は全ての面においていおりさんが好きや。
まぁ、いおりさんを狙っとるんは俺だけや無い。
部長は目に見えて分かっとるし、ユウジ先輩も自覚はしてないけどきっといおりさんが好きや思うし。謙也さんも結構危ない、興味無いフリしてるけど。千歳先輩なんてもってのほかや。多分副部長かてせやし。

っていうかなんやよく見たらライバル多いな。立海とか絶対いおりさん狙いばっかりやろ。
加川先輩も前より全然マシになって青学にも好かれとる。

なんや、無償に苛立ってきたわ。いおりさん。

35:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 14:52 ID:4/o

いおりside

なんや光に避けられとる気がする。御姉さん悲しい。



『光〜ドリ「加川先輩タオル貰えますか」



なんっで、あからさまやねんっ! あたしお前になんやしたんか!? してないやろ! っと一人顔をしかめて考え事しとると、



「いおり? ドリンク……。」

『え、うおおっ!! ゴメン蔵!! ほいよ!』



蔵に何回か呼ばれていたらしく、気が付かんかった。ヤバイ、あたしあかんやん、別のことは考えたらあかん! 晩飯はバーベキューやで!(言った傍から)



「なんや顔色悪いな、大丈夫か?」

『ん……あぁ、大丈夫や大丈……』



ぼすっ。
あれ? ちょい待ちや、あたし今蔵に抱き締められてるんやけど。



『ちょ、蔵離せや!!』

「しんどいんちゃうん? ホンマに要らん見栄張りよってからに、しばらくこうしとき。」

『えぇ〜……。』

「こ う し と き 。」

『あいっ、スンマセンしたぁっ!』



蔵黒い! もう、白石じゃなくて黒石だよ君!
まぁこう言うわけで、あたしはおとなしくしていることにした。

36:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 15:14 ID:4/o



そして夜、バーベキュー開催! そして光の不機嫌MAX祭開催! もうガン無視やでガン無視!!!
もうなんやろ、謙ちゃんに飛び付いてエエかな。



『謙ちゃんっ! あたしどないしょー!』

「うおおおっ!? ひょ、ひおひ! めひ食うへんほひ、とひふいてふんは! へるはほ!(ちょ、いおり! 飯食うてんのに、飛び付いてくんな! 出るやろ!)」

『食い終わってから喋れや汚い。』

「お前こそ離れろっちゅーねん!」



呆れた顔で怒鳴って来る謙也、謙也まで御姉さんに反抗期や!(誰が)
とりあえず不本意ながら離れる。



「で、なんやねん。どないしょー! て、うるさいから話し聞いたるわ。」

『うわーんおかーさーんっ!』

「誰がお母さんや!!!!」

『謙也。』

「俺男!!」



と、戯れ。そして事を話すと謙也は「あほやな」と言った。酷いわ。



「心当たりは?」

『無しや。』

「今日あったことは?」

『精ちゃんに告白されて振って、抱きついてきたから受け止めて、そこから機嫌が「それやろ」は。』

「いやだから、抱きついてきたから受け止めて、っちゅーのやろ。あぁ財前可哀想に。財前、めっちゃ可哀想や……。」

『? 二回も言うなよ。』

「もうあかんわ。」



あ、謙ちゃん行っちゃった。

その代わり光が来た。



『おー、光。』

「いや……めっちゃ気楽にいうてますけど、俺の顔見てそない軽う居られるんいおりさんぐらいですよ。」

『デスヨネ、ゴメン。』



その通り、光の顔不機嫌極まりない顔しとる。やばい怖い。



「なんなんですか。」

『何がや?』

「幸村さんと抱きしめあっとったやろ、なんなんですかあれ。」

『精市に告白されて、振って、友達になった。そして友情のハグ。』

「なんや、せやったんですか。」

『は、なにむがっ!』



ああああああっづ! 肉を口の中にねじ込まれた。熱いいいいいいいいっ!



『あっじぃぃぃぃぃぃい!』

「もっと可愛げの有る声あげてくださいよ。おもんない。」

『いやあたし光の玩具ちゃうからね? おもんないとか言われる筋合いなんて無いからね?』

「知りません。」

『おい!』



光とのわだかまりが解けました。

37:アポロ◆A.:2015/11/14(土) 19:55 ID:4/o



夜、他校とはお別れや。真っ暗な空の下、他校との別れを惜しんだ。



『手塚、精市…景吾、またな! 次は全国大会か?』

「その辺りだろうね。」

「あーん? てめぇらそれまで負けんじゃねぇぞ。」

「勝つのは青学だ、だが、当たるのを楽しみにしている。」



手塚ってばひょーじょーかてーなーてめーとか肩をばしばし叩く。

そう言えば青学にはスーパールーキーが入って来たらしいんや。この合宿は断ったらしいんやけど。



最後は一人だけ学校の違ういおや。



『いおおおおおおおっ!』

「いおちゃあああんっ!」

「いおり、重いぃ……!」



がばっと抱き付けば重い呼ばわりされた。「てめー頭軽い癖に胸は無駄に重いよな」って言われた。



『いおは頭も堅いし胸も硬いな!』

「跡部、ラケット寄越せ。このイケメン女の脳天をぶち抜いてやる。」

「いおちゃん駄目えええ!」



とこんな感じに最後までごちゃごちゃしとったけど、「また全国大会で!」と約束した。

 これにて4校合同合宿無事終了!

38:アポロ:2015/11/17(火) 22:31 ID:4/o

涼風いおりちゃんのイラストです!
http://ha10.net/up/data/img4667.jpg

39:アポロ:2015/11/17(火) 22:33 ID:4/o

出てこない……だと!?もう一回トライです!

40:アポロ:2015/11/17(火) 22:35 ID:4/o

http://ha10.net/up/data/img4667.jpg

41:アポロ:2015/11/17(火) 22:35 ID:4/o

もう一回トライです!

42:アポロ◆A.:2015/11/17(火) 22:37 ID:4/o

http://ha10.net/up/data/img/4667.jpg

43:アポロ◆A.:2015/11/17(火) 22:47 ID:4/o

やっと出ました……。一安心です。では小説投下!


昨日の夜、合宿所から大阪にかえって参ったで!

朝、家から出たら蔵が待ち伏せとった。



「おはよう、いおり。」

『おん、おはよーさん。』



そんな挨拶を交わして学校へと赴く。

途中、「白石先輩の隣に居る子めっちゃイケメンやしめっちゃ綺麗ー!」「お似合いって感じやね!」等と好き放題言ってくれちゃってます。

下駄箱へに手を伸ばせばそこは「涼風君の下駄箱やで?」と隣の男子に言われ、髪を後ろでちょいとくくり、パッチン止めと髪止めを外してにやりと笑って見せる。



「おっ、おまっ、まさか!」

『し、黙りや。まだ内緒。お前だけ特別や。』



そんなことを言うてウインクしてみる。友達はこくこくこくと首を激しく縦に振った。



「こら。」

『いてぇ!』



蔵に左腕で殴られた。自棄に痛い。なんなんこいつ、筋肉やべぇ。


ただいまあたしの制服は女子特待生制服です。(イラスト参照)胸が異様にキツいですが。

教室に入ればざわっとざわめくクラスメイト。その中でユウジと金色だけがにやりと笑う。そしてそれににやりと笑い返せば「かっこいぃ……」と言われた。

なんっでやねんんんんんんん!?

44:アポロ◆A.:2015/11/21(土) 22:37 ID:4/o

あたしが元々の席につけば「!!?」と言う表情であたしを見る周囲の目に耐えられず……。



『ど、どおも〜……す、涼風いおりでーす……。』



と手を振ってみた。より困惑していく教室内で金色とユウジが声を掛けてくる。



「いおり君、ちゃんと事情を説明せなあかんでっ! そんなところもカッコいいけど!」



いおり君!?

とか毎回驚かんでエエってば。



「お前、浮気か!?」

『ユウジそれあたしに向ける言葉ちゃう。』

「知るか。」



ひでぇやコイツ!

とかやっていると、



「すっ、涼風君……なんかなっ?」



恐る恐る聞いてきた女の子。その子に「おん!」と笑い返せば顔を赤くして行ってしまった。

女になる前の男友達は「ホンマに涼風なんか!?」と聞いてくる。

しつこいっちゅーねん。



「おん、ホンマホンマ〜。正真正銘涼風いおりやで。
すまんなぁ、今まで男装してて、実はあたし女やねん。」



そう告げればその男友達を押し退けて大して喋ったことのない女の子達があたしの席を取り囲んだ。



「涼風君女の子やったん!?」

「男の子かとおもっとったわ〜。」

「女の子でもかっこよさは健全やな!」

「はぁ良かった! ファンクラブが解散するとこやったわ!」

「また男装するやんな!?」

『男装は……望んでくれたらいつでもするで、やから……その、怒ってへん……?』



<今の涼風君に怒る女の子なんて存在するわけないやんっ!>



『マジですか、光すげぇ。』



光の言うこと当たってたで、お前凄いな。勘が。



『まぁ態度なんて変えずに今まで通りよろしく頼むわ!』



そう机に足をガッとのせて腕捲りしながらクラス全体に告げれば「おおおおお!」と歓声が上がった。

すげぇ、光エスパー!

45:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 22:32 ID:4/o


次の休み時間、あたしが女ということは瞬く間に全生徒に広まり、主に女の子中心にあたしのクラスには人がいっぱい来た。



「「「「「涼風先輩!」」」」」

『ん? なんや?』

「女の子でもイケメンっ!」

「かっこい〜……!」

「私達先輩のファンクラブの会員なんです!」

「先輩女の子でもかっこいいです!」

「胸もおっきい……!」

「涼風! あんたホンマ最高やわ!」



どうやら受け入れてくれたらしい。席に戻れば男子が「お疲れ〜」と声を掛ける。
元々男の格好をして転入してきたから、男子は慣れたのか、よく喋る。よかった! 嫌われんで!

46:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 22:38 ID:4/o

翌日の昼休み、あたしのクラスには女の子が殺到した。



「涼風君! これ貰ってくれる?」

『おぉ! 美味しそう! もらってええん?』

「エエってば! 涼風君に作ってきたようなもんやから!」

『ならありがとう頂戴するな!』



1,2時間目が丁度調理実習やったらしく、あたしはいっぱいクッキーやカップケーキが貰えた。自由につくってええとかホンマこの学校自由やな!

いまだブレない女の子達はあたしの事を君付けで呼ぶ。別にエエけど!
こんなに慕ってくれてあたしは嬉しい!

http://ha10.net/up/data/img/4744.jpg

47:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 22:59 ID:4/o

ちょうど二年生も調理実習やったらしく、三年生に混じって渡しに来てくれた。

身長ちっちゃくてめっちゃ可愛いし嬉しい……!(上のイラスト参照)



『ホンマありがとう! 美味しく頂くな! あたし甘いもんめっちゃ好きやねん!』



そう告げれば照れて顔を染める女の子達。もーかわいい! と飛び付きたいところやけど、手にはクッキーやカップケーキの入った袋が抱えられていて飛び付けない。

よし、美味しくいただこう。そうだ、あれがちょうどあったはずや。



『ハイ、凉白風甘味処の一品無料券!』



渡してくれた三人の二年生。三年生に混じって、と言う勇気に惚れました。と告げれば「エエんですか!?」「ありがとうございます!」「わぁ、凉白風の一品無料券!」と喜ぶ女の子達。
周囲はいいなー、と男子も混じって声をあげる。



「っていうか、先輩……なんでこんなもん持ってるんですか?」



三人の二年生の一人があたしに聞いた。そうや、知らんかったんか。



『実はあたしな、あそこの店の一人娘やねん。』



そう告げれば周囲はざわわっとざわめく。なんなん? 意外なんかな。



「ホンマですか!?」

『おん、ホンマホンマ〜。』

「スゴいです! 今日いきます! 行くやんね!?」

「「おん!」」



興奮気味に女の子達は去っていった。

席につけば「アンタ凉白風の一人娘やったん!?」とか「俺らも今日行くから奢って!」と食い付く友達に『親にゆうてあたしが払ったるわ』と笑う。



「ちょ、いおり!」

『ん? あぁ! 白鷺さん!』

「皐(さつき)でエエって!」

『皐! どないしたん!?』

「三年生のマドンナ、細谷佳奈(ほそや かな)さんが来とるで!」

『マジで!?』

「ほら、待っとるから行ったり!」

『お、おん!』



恐らく親友となった皐に言われドアの前に行けば控え目に笑う女の子、細谷佳奈さんが居た。



「す、涼風きゅっ!」



ぁ、噛んだ。可愛い……!



『焦らんでエエよ、ゆっくり喋り? 待っとるから。っちゅーか大丈夫か? 舌噛んでないか?』



顔を覗けばボッと赤く染まる佳奈さん。熱か?(←鈍感)



「すっ、すす、涼風君! あの……これ……っ!」



そういって渡されたのは周りより可愛くラッピングされたカップケーキ。美味しそう。



『……くれるん?』

「……い、いらんかったらエエよ! あんなにいっぱい貰っとるし……。」

『そんなん貰うに決まっとるやろ?美味しくてなんぼでも食えるし! それにあたしに作ってきてくれたんやったらめっちゃ感謝やわ、あたしホンマ甘いもん好きやねん!』



ソッと受け取り笑えば周りから桃色の悲鳴が上がる。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、気持ち悪かったやんなごめんなさい。(違う)



「ありがとうっ……! あと、お友達になってくれへん?」

『大歓迎やわ! 女の子万歳!』



がばっと飛び付けばきゃああああっ! と声が上がる、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいみんなのマドンナ細谷佳奈ちゃんに飛び付いてごめんなさい。



「ありがとう!」



そういって佳奈ちゃんは友達のところに駆けて行った。

可愛い。

48:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:20 ID:4/o

そのsideの主人公は『』でしゃべってます。

実砂side


私が今日学校に行けば「あの子可愛い」と周りで囁かれる。
私って化粧のし過ぎでみんなよそよそしかったのかな? なんて思って厚化粧し過ぎたなぁ、とかぶりっこ過ぎて思い出したら嫌気が差してきた。

下駄箱のところに行けば謙也君に出会った。



『おはよう謙也君!』

「ん? どっちらさ……実砂ちゃん?」

『そうでーす。』

「おん、今の方が断然可愛いわ。」

『ありがとう謙也君。今前までの私を思い出すと吐き気がするよ。いおちゃんといおりちゃんに感謝しないと。』

「気にしぃな、俺らはもうそんなことないで。」

『ありがとうっ!』



そう笑えば謙也君も笑った。


謙也君とお話ししながら教室に入ればざわっとざわめく教室内。多分いおりちゃんの所もそんな感じなんだろうなぁ。



「ちょっとちょっと! めっちゃかわいい!」

「御嬢様? 転校生なんかな?」

「転校生なら先生がHRの時に連れてくるやろ?」

「「せやなぁ。」」

「誰やろ。」



周りがさわさわと喋る中、私は席に着いた。



「ちょ、名前分からんけどあんた! そこ加川さんの席やで!?」



慌てて教える女の子に苦笑が漏れた。



『あはは……。』



私のその声にその女の子は目を見開いた。それは周囲も同じ。しばらくの静寂。聞こえてくるのは謙也君と白石君の笑いを堪える声。



「あんた……もしかして、加川実砂さん……?」

『うん。加川実砂、歳は15歳。誕生日は4/16、スリーサイズは上から「いや、あんた女の子やろ!!?」……はっ!』



途端にその女の子の表情は柔らかくなった。そしてぱらぱらと人が集まり始め、私は訳を話す。



『私ね、前まで厚化粧してて、ぶりっこしてたの。でも、テニス部の合宿に涼風君と一緒に行って……化粧落としたところを見られて、いおりちゃんとその時一緒にいた他の学校のマネージャーさんが「かわいい」って言ってくれたの。
だから勇気を持って化粧をせずに来たの。
今思えばぶりっこしてるときの自分に吐き気がして……うっぷ……。』

「わあああ! ちょ、加川さん!?」

「誰かビニール持ってこおおおい!」

「ちょ、吐いたらあかんって!」

「大丈夫!?」

『だ、大丈夫……。』



ヤバかった。ホントに吐き掛けた。でも、みんなはもう笑っていた。



「これからよろしゅうな加川さん!」

『よろしくね!』

「実砂ちゃんって呼んでもええ?」

『良いよ!』

「友達になろや!」

『ありがとうっ!』



わらわらと男女問わず集まるクラスメイト受け答えにちょっと大変だったけど。
白石君と謙也君が親指をぐっと立てていたので私は笑いながら親指を立て返した。

49:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:37 ID:4/o

加川実砂親指立て返しイラスト
http://ha10.net/up/img/4746.jpg

50:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:39 ID:4/o

もう一回トライ!

http://ha10.net/up/img/4746.jpg

51:アポロ◆A.:2015/11/22(日) 23:42 ID:4/o

大事なところが抜けてました! もう一度トライ!

http://ha10.net/up/data/img/4746.jpg

52:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 00:47 ID:4/o

実砂side
翌日の三時間目、1組と合同で女子はお菓子作り、男子は木工だった。
お菓子は何でも良いので、みんな無難に、クッキー等を作っている。
私は昨日一番仲良くなった細谷佳奈ちゃんと一緒にお菓子を作ることにした。
そして昨日、いおりちゃんが女の子と言うことはすぐに広がり、クラスの子も見に行ってた。
「色っぽくてかっこいい女の子とかマジで惚れそうやわ!」等々騒ぐ女の子達。みんなテニス部とかいおりちゃんに渡しにいくんだろう。
佳奈ちゃんに聞けば「涼風君に渡す!」と意気込んでカップケーキを作り始める。いおりちゃん甘いもの好きだからな。あ、白石君や謙也君にも作らないと。

「ねねっ、実砂実砂! 涼風君って甘いの苦手なんかなっ!?」

そう聞いてくる佳奈ちゃんに『いおりちゃんは甘いのが好き!』と返せば「甘いのが好きなんや〜。」と返ってくる。
そして私の発言を聞いたクラスメイトは「どうしょう! 甘さ控えめにしてもーた!」と慌て出した。

『……メレンゲ菓子でも作ろーかなぁ。』

それを聞き付けた佳奈ちゃんとは別の女の子、『宮原飛鳥』ちゃんが「メレンゲ菓子作れるん!?」と言ってきた。

『うん! 一緒に作ろ!』

「かわええ!」

くぅー! と唸る飛鳥ちゃん。謙也君も似たようなことするときあるよね……。いおりちゃんにはメレンゲ菓子で、謙也君と白石君にはクッキーにしよう!
のち、佳奈ちゃんも加えて楽しくお喋りしながらお菓子を作り終えた。メレンゲ菓子をひとつつまんで食べる。
メレンゲ菓子はオーブンで焦げない程度に焼いた。サクッとしたかと思えば溶けていく。隣の飛鳥ちゃんも「うま〜♪」と笑っている。佳奈ちゃんは苦笑い。

『一個食べる?』

「エエの!?」

『はい!』

「ん、ふぁ……美味しい!」

美味しかったし良かった。三時間目と四時間目の間の休み時間、私は謙也君と白石君にクッキーを渡す。

『はい、いつも部活お疲れ様です』

「ありがとさん実砂ちゃん!」

「おっ、実砂ちゃんありがとう! クッキーか?」

『そ。いおりちゃんはメレンゲ。』

「メレンゲも食いたいわ〜。」

『謙也君の分はありません。』

「あ、コラ白石! 笑うな!」

小突き合いを始める二人に笑みが漏れた。すると、肩をちょちょんと指でつつかれた。見ると女子クラスメイトが。内容を聞けばみんな揃っていおりちゃんが貰ってくれるかどうかと言うものだった。みんな昼休みに渡しに行くらしい。私は部活の時に渡そ。

『いおりちゃんに限って一生懸命作った物を貰わないなんて絶対無いよ!』

私が言えば不安気な声を発す女子クラスメイト。それに気づいたのか、白石君と謙也君が聞いてきた。

「(みんな何でこんな不安そうなん?)」

「(白石に同意やわ。)」

『(いおりちゃんにみんな渡したいんだけど受け取ってくれるかどうか心配なんだって)』

「(マジか、いおりに限って受け取らんとかないやろ)」

「(いおりホンマ女の子と甘いものには弱いしな)」

『(二人とも言ってあげて?)』

「(実砂ちゃん言えばええやん?)」

『( 言 っ て あ げ て ? )』

「「(分かりましたああああ!)」」

すると謙也君と白石君が喋り始めた。

「いおりに限って受け取らんとかないやろ〜。なぁ白石?」

「せやで。あのいおりが女の子からのプレゼントを受け取らへん筈が無いわ。絶対それは無い! 絶対無い! ありえへん!」

そして「そうなんかぁ」と納得する女子クラスメイト。

53:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 03:08 ID:4/o

爽加side


っと言う訳でやって来ました立海。


……なんで立海?


あぁ、どうも、トリッパーの太刀川爽加です。
よく冷めてるねと言われます。そうですね、冷めてますよ。冷めてますけどなにか?

校舎を見上げ、『うわでか……』と声をあげた。

いやマジ立海の校舎バリでけぇんだけど。


確か神様はテニプリ界には私含め『3人』の日本人女の子がトリップしたとか言ってたなぁ。
どこの学校に居るんだろう。青学? 氷帝? 四天宝寺? それとも、ここ?

まぁテニス部と関わるつもりはさらさら無いので放置。会えるなら赤也クンに会いたい。わかめ美味しいよね。



『さて、職員室。どこだ。』



とりあえずあそこの木の上で寝てる人に聞いてみよう。



『すいません。』

「……ぐぅ。」

『……すいません。』

「……ぐぅ、ぐぅ。」

『……。(イラッ)』
















『狸寝入りしてんじゃねぇよ銀髪。』



どかっ。

木を蹴る。案の定その男は頭からドシンと落ちた。痛そう。

んん? なんか見覚えあるぞ。

銀髪に赤い髪ゴム……あ。

やべぇ、やべぇ。逃げろ。



『あ、やっぱ良いです。さようなら。』



すたすたすた……がしっ。

あ、やっぱり? 腕掴まれました。



「待ちんしゃい。」



あ、フラグ立った。やべぇ。



『なんですか。』

「人を頭から落としておいてそれは無かろ?」

『勝手に頭から落ちたのは貴方です。なので私的には有りなんです。』

「俺的には無しなんじゃが。」

『貴方の有る無し私様に関係無しです。さようなら。』

「だから待ちんしゃい。」

『だから離してください。』

「いや、だから……待てっちゅうとるんに。」

『いや、だから……離せよ気持ちわりぃなてめぇ。』

「本性を表しよったな。」

『知るか、死ね。離せ、死ね。死ね。死ね。離せよ銀髪チョロ毛。』

「死ね。を連発するんじゃなか。」

『貴方が離せば済むことです。』

「おまんが俺を落としたことを謝れば良いことです。」

『ごめんなさい。さようなら。』

「待ちんしゃい。」

『まだなにか用ですか。なんなんですか、寂しいんですか、ボッチですか。かまってほしいんですか。もしそうならとんでもないかまってちゃんならぬかまって君ですね貴方。んだよめんどくせぇな。』

「ノーブレスでようそうつらつら言えるの。」

『聞きたいことはそれだけですか。私は職員室に行くんです。さようなら。』

「待ちんしゃい。」

『まだなにか御用なんですかてめぇ。いい加減にしろよ、めんどくせぇ男だな。とっとと要件言えよめんどくせぇな。』

「めんどくせぇな連発じゃの。」

『そうですねハイハイ。もうダルいんではなしてもらえます? てめぇのたけぇ鼻ブチ折るぞ。いい加減私様も腕いてぇんだけど。何気に力入れんのやめてくんない? あぁあめんどくせぇ。あくびすんのもめんどくせぇ。てめぇとしゃべんのめんどくせぇ。てめぇと対峙すんのもめんどくせぇ。立ってんのめんどくせぇ。しゃべんのめんどくせぇ。息すんのもめんどくせぇ。』

「見事にめんどくせぇ連発じゃの。」

『あーハイハイそーですね。とっととはなしていただけますでしょうkあーめんどくせぇ。』

「会話が成り立たんぜよ。」

『とっとと離していただけますか。』

「えー、どーしょーかのぉ。」

『じゃあお先に失礼。アデュー。』



腕を振り払い全力疾走。

校舎に入れば超安全。あー、自分の安否確認すんのもめんどくせぇな。

54:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 05:34 ID:4/o

爽加side
職員室に着いて先生に挨拶して。
そして3-B組の扉の前へ。いやいや、あたし3-Aがよかったたよ。
3-B、銀髪ちょろ毛居るじゃん。



「入ってこーい」

『嫌です。』

「!?」



がたがたと扉を向こうで開けようとする先生。こちらで必死にそれをさせまいと閉めている私。

それが30分続いて、疲れたから力を抜いたらドア開いた。最悪。



「ぜぇ、はぁ……自己紹介をしなさい。」

『嫌です。』

「嫌ですじゃなくて。」

『太刀川爽加です。よろしくしないでください。よろしくお願いします。』



そう言えば笑い始める3-B。そんなにあたしの自己紹介は滑稽だったか。良かった良かった。これで私には誰も近付かないだろ。


嘘だろぃ?

人がわんさかわんさか集まってくるんだけど。
コミュ障な私を追い詰めないで。



散々だ。

55:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 16:11 ID:4/o

いおりside



「いおり君!」

「いおり! これ!」

「涼風様! はい!」

「涼風先輩! どうぞっ!」

「涼風! やる!」



わらわらと集まる女の子。エエね……THE.女の子やねっ!



『みんな纏めてありがとさんっ! 美味しく頂くわ!』



笑って席に戻る。エエわぁ、女の子可愛い……!



「涼風……顔緩みっぱなしやで。」

『なんやユウジ、羨ましいんか? 安心しぃや、五時間目俺ら調理実習やから……。』

「俺とか言うな! 耳元で喋るな気持ち悪い。」

『俺様ホモの方がキモい思うわ。』

「ひっど!」

56:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 16:24 ID:4/o




『おし。』



調理室にて。あたしは食料準備を終えた。



『(塩饅頭作って部活のみんなで食べよ)』



こりゃ量がヤバイなぁ。

そう考えて苦笑い。周りの女子はなんぞなんぞとあたしを覗きに来る。



「ん……なぁ、いおり。」

『なん? 皐。』

「なんでうちも一緒に作らんといかんの? 女子の視線がヤバいんやけど。」

『ええやん、心細いやん。』

「それうち以外に言うたあかんで。」

『はいはーい。』

「気ぃ抜けた返事やなぁ?」

『ふいふーい。』

57:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 17:26 ID:4/o

太刀川爽加ちゃんです。いおちゃんと同じ中学三年生にして胸は真っ平ら。

http://up10.net/up/data/img/4758.jpg

58:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 17:28 ID:4/o

間違えました……(笑)

http://ha10.net/up/data/img/4758.jpg

59:アポロ◆qg:2015/11/24(火) 22:57 ID:4/o


さて、お菓子作りも終わり、部活。みんなはテニスの打ち込んでいるけど、あたしはフェンスの傍でおろおろと苦笑い。



「涼風先輩!」

「先輩!」

「いおりさんっ!」



ばばば、と渡されるお菓子に笑顔が溢れる。嬉しい。苦笑いなんてしたくないけど。
背中の視線がパない。光のオーラがヤバイ。




そして部活も終わった放課後、塩饅頭を差し出せばみんなわらわらと集まってくる。



「いおりさんいおりさんっ!」

『光? どないした。』

「……めっちゃ旨いっすわ。」

『てーんきゅっ! 愛しとるで光!』

「「「「愛しっ!?」」」」



あれ、みんないっせいにこちらを向いたんですけど。光顔真っ赤。あ、頭掻いた。

……はっ!



『愛しとるで、言うても友達としてっちゅー話やで?』

「なーんや、安心。」

「紛らわしいやっちゃな。」

「ねーちゃん旨いでー!」

『金ちゃん可愛いわー。純粋。』



わちゃわちゃやな。



「あ、いおり君、はい。」

『?』



突然実砂ちゃんが鞄から袋を取り出した。甘い匂いが漂う。メレンゲ菓子か!?



『メレンゲ菓子か!?』

「よくわかったね!」

『いただきます。』

「「「「はやっ!」」」」

60:アポロ◆qg:2015/11/25(水) 17:21 ID:eG2

prrrr、突然あたしの携帯に電話が掛かってきた。誰やねん。



『どちらさんや?』

「電話か?」

『うお! 蔵! ビビらすな!』



とかわちゃわちゃしながらディスプレイを覗く。そこには『幸村精市』と出ていた。ので、まとわりついている蔵を突き飛ばして『精ちゃん!』と叫んだ。



「こんにちはいおり。うるさいね。」

『ごめんなさいごめんなさいこんにちは。お願いやから呪わんといて。』

「仕方ないなぁ。ところでね、なんで俺が連絡したと思う?」

『暇潰しか?』

「呪うよ?」

『ごめんなさいいいいいい!』

「ふふっ。」

『ヒッ。』

「実はね、立海にマネージャーがついたんだ。」

『……ミーハーか?』

「だれがそんなこと言ったんだい?」

『すいませんんんんんん!? え、ミーハーちゃうの!??』

「うん、そうなんだ。」

『精ちゃんのお気に入りか?』

「よくわかったね。」

『そりゃ友達やからな。』

「ありがとう。その子がね、俺たちのことすっごい嫌ってるんだ。面白いから無理矢理マネージャーにしちゃった。」

『鬼畜か。』

「殺るよ?」

『殺らんといて! っちゅうか災難やな、その子。名前は?』

「太刀川爽加だよ。俺から見ても可愛いね。」

『マジでか。調べよ。今度写真送ってや。』

「分かった。じゃあね。」

『おん。』



ぶつっ。
電話が切れた。すればすぐにみんなが誰から!? と聞いてくる。



『幸村や、幸村精市。』

「あぁ、友達の。で、何の話やったん?」

『おん。っていうか謙也でしゃばんな。まぁ、そんでな。立海がマネージャー取ったらしいんや。』

「「「「マジでか!!!!?」」」」

『うっさい。精ちゃんが無理矢理入れたらしいんや。』

「鬼畜……。」

『精ちゃんに呪い殺されるで。』

「嘘!? ほんまに!?」

『あたし腹痛止まらんかった。』

「嘘や幸村呪わんといて。」

『蔵のばーか。嘘に決まってんだろ。』

「!!?」

61:アポロ◆A.:2015/11/25(水) 17:28 ID:eG2

翌日、写真が携帯に来た。

http://ha10.net/up/data/img/4775.jpg


『可愛い……!』



あたしは一人悶えた。

62:アポロ◆A.:2015/11/26(木) 13:30 ID:eG2




『……な、光。』

「え、なんすか? ようやくその気に?」

『ちゃうわアホ。お前今なんつった。』



裏庭で光と二人きり。なぜこうなった。

事の出来は遡ること一分前。

光に呼び出されたあたしは共に裏庭へ。そして言われた。



「いおりさん、好きです。付き合ってください。」



なんか王道な告白を受けた。そしてしばらくフリーズ。やべぇ。



『ひかるん、ごめんなさい、あたし今そんな余裕ないねん。』

「そうですか、ならこれから俺はずっといおりさんの周りに居ますんで。」



すたすたすた、そんな感じに行ってしまった光。

おい作者! 雑だよバカ!

63:アポロ◆A.:2015/11/28(土) 08:57 ID:eG2

光の告白はとりあえず置いておく。返事はゴメンで返したし。

でも、次の日。なんだろう、実砂ちゃんが黒い。しかもベッタリ。


『実砂ちゃん……なんかあったん?』

「ううん? なんにもないよ? とりあえず悪い虫が付かない様にねー。」


くすっ、そんな風に笑った実砂ちゃんは完璧な黒属性だった。
腕に引っ付く実砂ちゃんは可愛いから許すけど。
すると。



「いーおーりーさーん!」

『え、ひかふッ』



あたしにタックル! というかあたしに飛び付いただけなんだけど……。



『光、重い。』

「愛の重さです。」

「財前君、離れようか。」

「実砂先輩……嫌です。」

「絶対呪ってあげる。」

「やめてください。」

『まず離れよか光!! 実砂ちゃん……はとりあえずその中学生が読まんようなまがまがしい分厚い本片付けて!!』



笑顔が黒いよ実砂さん!!



「財前、次いおりちゃんに飛び付いたらどうなるか、考えてね?」

『(『財前』呼び捨て!!?)』

「実砂先輩、同性愛っすか。」

「バカだなぁ、私はいおりちゃんに悪い虫が付かない様にしてるだけだよ? というわけで財前バイバイ。」

『あ、ちょ……実砂ちゃんんんんん!?』



ちょっと光と話したいことがあったんだけどなぁ!!?

64:アポロ◆A.:2015/11/28(土) 09:01 ID:eG2

実砂ちゃんと別れて教室に入ればおはよう、おはよう、と返ってくる。良いねぇ、可愛い。

席に付けば。



『なぁユウジ……あたし光に告白されたんだけど。』

「!!? なんやいおり!? 浮気か!? 死なすど!」

『なんでやねん!』

「いおりは小春の次に好きやで?」

『ああ、おん。(良かったギャグか……!)』

65:アポロ◆A.:2015/11/28(土) 16:26 ID:eG2

調子に乗って書いてみた絵です。下手。

http://ha10.net/up/data/img/4797.jpg

66:アポロ◆A.:2015/11/29(日) 12:04 ID:eG2

部活にいけば、蔵が他校からお前に連絡があったと話出した。



「なんやまた合同合宿するらしーてな。」

『またかよ。ホンマ作者合同合宿好きやな。』

「まぁ聞きや。
そんで、幸村からの提案やねんけど、各校のマネージャーの交流を深めてほしいから、日曜日にマネージャーだけで遊びに行けって。」

『精ちゃんからか。仕方ないわ。遊びにいく。
氷帝のいおも実砂ちゃんも立海の太刀川さんも来るんやろ!?』

「いや、青学もマネージャーを取ったらしい。」

『マジか。どんな子?』

「手塚クンと割り込んできた不二に聞いてんけど、なんやいおりらがめっちゃ嫌いなタイプらしいで。
媚売って、レギュラーと親しい子を虐めて、ブスで。あ、最後のブスは不二からや。
やから気ぃつけや。」

『それあたしらめっちゃ嫌いなタイプやん。』

「言うたやろ、頑張りや。」

『おん。』

67:アポロ◆A.:2015/11/29(日) 20:33 ID:eG2



やって来た日曜日。
精ちゃんに言われた時間帯に学校に来れば、景吾のヘリが止まっていた、しかも校庭に。

とりあえずそれに実砂ちゃんと乗り込めば、あっという間に東京に着いた。



『ありゃま、東京は空気が濁ってるやなー。』

「私東京から転校してきたから懐かしいな、ってぐらいしか思わないけど。」



そんな風に会話をしていると、いおが太刀川さんを連れてやって来た。



「いやー、悪い悪い。爽加がだれてて。」

「いお、お願いだから離してちょうだい、腕が痛い。」

「「よろしく/よろしゅー、太刀川さん。」」

「うん、涼風さん、加川さん。よろし……く……






待て。いお、どーなってんの。」



あ、なんか、あたしら見てすぐにいおに太刀川さんが質問した。

そしてずんずんとあたしに向かって……え!?
なんであたしに向かってきてんの!?



「……あなた、本当に女の子?」

『あたしは女の子や。この胸を見ろ。……やっぱり見ないでください。』

「どっちなのよ。
というか、あなた、顔がすっごくイケメンで、胸も大きいとかなんなのよ。ずるいわね!」

『おわ! 触んな触んな!』

「声もイケボなの!?」

『ちょ、誰か助けてやあああああ!』



その後、みんな名前呼びになり、実砂ちゃんは太刀川さんに「可愛い」を連発され、結局みんな名前呼びになった。

68:アポロ◆A.:2015/12/23(水) 16:10 ID:eG2

それからして、やって来たのは二人の女の子だった。片方は荷物をたくさん持った小柄でいかにも気が弱そうな可愛い女の子。もう一方は身長が高く、スラッとした美人の貧乳、気がキツそうで金髪をひとまとめに束ね、見下す様にあたし等を見ていた。



「お、おおおっ、御待たせしましたっ……私、青学マネージャーの御影 朱李(みかげ しゅり)と言います。3年生です……。」

「あたしは倉間かのん(くらま かのん)中学三年生ー。この子と同じ青学マネージャーでー、役立たずのこの子の代わりに仕事してまーす。あ、ちょっと聞いてもらえますー? この子ー、あたしの事いじめてくるんですよ? 酷いとか思いません?」



いかにも、と言う二人の光景にやっぱりか、とあたし等四人はそう思った。多分いじめられているのは御影さんの方で、いじめて荷物まで持たせているのは倉間さんの方や。
なんて酷い子なんやろ、と思いつつ『あたしは中学三年生四天宝寺のマネージャー、涼風いおりや。よろしゅー御影さん、倉間さん。』と笑って告げる。「いおり君と同い年で、四天宝寺中学テニス部マネージャーをしてる加川実砂、よろしくね。」実砂ちゃんが言い終わればいおが口を開く。



「中学三年、氷帝テニス部マネージャー、赤嶺いお。」



機嫌悪そうに告げるいお、それは多分倉間さんの態度や。あたしも今ちょー我慢してるもん。



「私は太刀川爽加、立海テニス部マネージャーをさせられているの、よろしくね。」



さすが、大人な対応の爽加。御姉さん毎回驚かされるわ。
よろしくー、と挨拶を交わしてあたしは御影さんに声を掛けた。



『よろしゅー、御影さん。良かったら朱李ちゃんって呼ばせてろもてええ?』



声を掛けられるとは思っていなかったのか、驚いた顔をしながら「あ、はぁ」と頷く。あたしが笑って『荷物持つわ』と声を掛けたら「えええっ!? 良いですよ! 大丈夫です!」と強がるもんやから、強引にあたしが持ってやった。困った顔をする朱李ちゃんに笑うと、いつの間にか隣に来ていた倉間さんに笑ってこう言われた。

69:アポロ◆A.:2015/12/23(水) 16:21 ID:eG2

実砂side



「いおりちゃんってすっごいかっこいいねー! どう? 今度あたしとお茶でもしない!?」



いおりちゃんの腕に絡み付いてにこやかに御影さんから離れた倉間さんに私は怒りで顔をしかめた。
あれはいおりちゃんのイケメンさに惚れた人の顔だ。気持ち悪い……美人だけど、気持ちが悪い。
ミーハーにいおりちゃんは触らせない。誰であろうと私達三人以外にいおりちゃんは触らせない。

私は早くいこうよ!と告げる。その時の爽加ちゃんといおちゃんの顔が怯え切った顔をしていたのは多分気のせいだ。
ぞろぞろと大世帯で歩く。男の人がいおりちゃんやいおちゃん、爽加ちゃんに声を掛けていたが、いおりちゃんは「すんません、君に興味あらへんわ」いおちゃんは「結構だ」爽加ちゃんは「今この子達と居るの分からない? 目が見えないの? 見えてるでしょ? っていうかあんたの相手をするにも面倒臭いのよ、どっか行って。」と返したにも関わらず、依然と言い寄るそいつらに「「「近寄んなキモい」」」と全員声を揃えて告げた。流石。


こうして、倉間さんが御影さんをはぶろうと一生懸命な所にいおりちゃんが割り込み自分の隣に居させて、とあまりトラブル無く今日は終わった。

……とりあえず。
今日の朝から私達を付けてきていた白石君と財前と謙也君は明日お仕置きかなっ?

70:アポロ◆A.:2015/12/24(木) 21:43 ID:eG2

実砂side
翌日。あれから、みんなと別れて私たちも大阪へと舞い戻ってきた。
月曜日、昨日は私たちのあとをコソコソ付いてきていたエクスタピアスに近付く。丁度集まってるなー……。

私は黒魔術の分厚い本を片手に三人に近付いていった。



『白石君、謙也君、財前。君達昨日は御苦労様、立派なストーキングだったよ。』

「あ、あはは……やっぱり実砂ちゃんには気づかれとったか。目ぇ合ったもんな。」

『話を逸らさないでよ白石。』

「君付けが無くなったやと……!?」

「実砂ちゃん! 実砂ちゃんは可愛いままで居って!」

『黙れ忍足。ストーキングなんて趣味悪い。』

「俺暴言吐かれた気ぃすんねんけど。」

「実際吐かれてますしね。」

『財前、何自分関係無いみたいな顔してるの。いおりちゃんのストーカー。気持ち悪い。』

「いおりさんへの愛の重さです。」

『いおりちゃん重いのは嫌いらしいよ。』

「なんやと……!?」

『分かったら三人共、私の黒魔術の実験……じゃなかった、お仕置きされなさい!』

「「おもいっきり実験する気やん!」」

「……ホンマタチ悪いっすわ。やめてくださいよ。」

『問答無用っ!』


そのあとテニス部部室内には三人の悲痛な叫び声が聞こえたとか♪

お仕置き完了!

71:アポロ◆A.:2016/01/10(日) 23:11 ID:eG2

いおりside

なんや部室から主力三人の断末魔が聞こえてきた気がしたんやけど、気のせいか。

とりあえず、関西大会を無事突破したあたしら四天宝寺はのんびりと全国大会に向けて英気を養っていた。
3-2と書かれた教室のドア付近で他愛もない会話をしようと実砂ちゃんを呼ぶ。

『実砂ちゃーん!』
「いおりちゃん!」

ぱたぱたと駆け寄ってきてくれる実砂ちゃんは天使だ。




そして今、あたしたちは知るよしも無かった。
これから先、とんでもない事が起こることなんて__


【神様のゲーム】に続く


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