ボカロオリジナル曲の小説書きま〜す♪

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1:刹那:2016/03/29(火) 19:49 ID:Npc

ボカロ大好きです。
なので、わたしなりに解釈した短い物語を書いていきたいと思います(≧∇≦)
見てくれると嬉しいです(#^.^#)

2:刹那:2016/03/29(火) 19:50 ID:Npc

「わたしのアール」

放課後。わたしは立ち入り禁止の屋上へと向かう。全てを終わらせるために。
でも、先客がいた。三つ編みをした女の子。
片方の靴だけ脱いだまま、わたしはその子に近付いた。高い柵を乗り越え、今にも飛び降りそうな彼女に後ろから声を掛ける。
「ねぇ、やめなよ」
その子は振り返り、一度驚いてから、わたしにどこかで聞いたことあるような話をしてくれた。「運命の人だった。どうしも愛されたかった」って。別に、この子が死んだってわたしには関係ない。けど、声をかけたのは気紛れ。先を越されるのがなんとなく癪だっただけ。ふざけんな。そんな理由でわたしの先を越そうだなんて!欲しいものが手に入らない?奪われたことすらないくせに。いらついた気持ちを抑えて、わたしはその子の悩みを聞いてあげた。すると、三つ編みの子は「話したら楽になった」って、屋上を後にした。まったく、何がしたかったんだ?

続く。

3:刹那:2016/03/29(火) 19:50 ID:Npc

続きです。

次の日。さぁ、今日こそは、とわたしは屋上に上がり、靴を脱ぎかけた。が、昨日、三つ編みの子が居た場所に今度は背の低い女の子がいる。わたしはまた声をかけてしまった。背の低い子は話してくれた。クラスでの孤独を。無視されて、奪われて。居場所がないんだって。ふざけんな。そんな理由でわたしの先を越そうだなんて!それでも家に帰れば愛されて温かいご飯もあるんでしょ?そう聞くと、背の低い女の子はお腹が空いた、と泣きながら屋上を後にした。

そうやって、わたしは何人かに声をかけた。追い返した。でも、わたしの痛みは誰にも言えないまま。誰にも……届かないまま。


続く。

4:刹那:2016/03/29(火) 19:52 ID:Npc

続き

ある日、前の子たちと同じ場所で初めて見つけた。同じような悩みの子。何人目かにあった子。黄色いカーディガンを着て、寂しそうに伏せていた。理由を聞いたら、「家に帰りたび、増え続ける痣を消し去ってしまうために来たの、と言った。本当はどうでも良かった。でも、思ってもみないこと。声をかけてしまった。

「ねぇ、やめてよ……」

あぁ、どうしよう。わたしにこの子は止められない。止める資格なんて無いから。同じ苦しみを知っているから。無責任に止めることなんて出来ない。でも、早く屋上から出て行って欲しい。この子を見てると苦しくて堪らないから。わたしのそんな姿を見て、黄色いカーディガンの子は寂しそうに笑うと、じゃあ今日はやめておくね、って目を伏せたまま屋上を後にした。

今日は誰も居なかった。今日こそは、わたし一人だけ。誰にも邪魔されないで済む。誰も……邪魔してはくれない。わたしは一つ深い深呼吸をして、靴を脱ぎ捨て、高い柵を登る。見下ろした景色は最高だった。

カーディガンは脱いで、三つ編みも解いた、背の低い……恋人にも友達にも家族にさえ裏切られたわたしは、今から飛びます。

「わたしのアール」
終わり

5:刹那:2016/03/29(火) 22:16 ID:Npc

ロストワンの号哭

「下手くそなギターなんて弾かないで、少しは勉強しなさいッ!近所迷惑ね」
母が言葉にした、刃渡り数センチの不信感。母は僕がバンドマンの兄の影響でギターを始めたことに不審を抱いているようだった。
今まで散々練習してきたつもり。今まで散々我慢してきたつもり。でも、今日こそは限界だった。「下手くそ」「近所迷惑」そんな言葉が僕の心臓や脳ミソ、動脈の一つひとつに突き刺さり、傷付けている様だった。気付けば、兄のお下がりの赤と茶色のレスポールで母の頭をぶん殴っていた。飛び散る血が、茶色い部分をも真っ赤に染めていった。
そこで、ふと思い出した。大人って、こーゆー生き物だったんだ、って。

6:刹那:2016/03/29(火) 22:16 ID:Npc

僕は昔から数学と理科が得意だった。いつでもその2つだけは学年1位。兄は理系が嫌いだったから、兄に勝てる唯一の部分で僕はとても嬉しかったんだ。でも、その代わり、国語が苦手だった。ある日。個性溢れる兄と比べて、何の取り柄もない無個性な僕にもその宿題は出されてしまった。
「将来の夢」。作文を書くために僕は自分の夢を考えた。幾つかの候補は出た。学校の先生、サッカー選手、消防隊員。この中で先生が一番気に入りそうなのを選んでみた。正しいのはどれか……。その結果、僕は「学校の先生なりたい」と発表して、先生に褒められた。国語が苦手な僕にとっては嬉しいことだった。過不足ない、不自由ないそんな世の中。言葉にすれば褒めてくれる先生がいて、少なからず悪いことをすれば叱ってくれる人もいる。そんな作文を書いてた頃、僕はは「勉強しなさい」だの「ゲームは1日30分」だの言われる前にそんな決まりを守れる良い子くんだったから、何ひとつ不自由なんてなかった。でも、どうしてだろう?こんな作文。心ないことを書いとけば正解のはずなのに。結局どれも不正解な気がしてならなかった。あの時、僕は自分の「夢」をなんて表せば良かったんだろう?

7:刹那:2016/03/29(火) 22:17 ID:Npc

最近は悲しいことばかりだ。はじめは時々悲しくなるくらいだった。テストで赤点とって補習だ、とか。課題の提出を忘れたから掃除だ、とか。でも、それが最近、毎日の様に悲しくなった。父はもう他界していて、兄は都会で人気バンドマン。母と二人暮らしの僕だったけど、その母は今、僕の隣で血を流してうずくまっている。不意に淋しくなった。理由も無く。顔を歪ませ、目を瞑る母を睨み付ける。
「この漢字、読める人〜」
黒板に大きく書かれた「夢」の文字。将来の夢をについての作文を書く前、先生はみんなに聞いた。当然、僕も手を挙げた。良い子くんだったから。指名されたのは僕じゃない他の子。堂々と立ち上がり、大きな声で答える姿は何故がその時の幼い僕にとっては輝いて見えた。先生は話した。
「夢に向かって突き進むのは決して簡単なことではないんだよ。例え、その道なりで転んだり、倒れたりしてしまった人を見つけても、決して笑ったり怒ったりしないこと。だってそれは、その人が進もうとした頑張りの証だから。それは君達があれこれ言えるものではないから」
と。僕の心にその言葉は大きく突き刺さった。もう、痛かった。どうしようもなく。その後、先生は黒板に「1+1」と書いて見せ、
「この式、解ける人〜」
と、聞いた。僕はもう手は挙げられなかった。「2」と指名された子は答えた。先生は褒める。先生は言った。
「1+1は当然、2だよね?でも、さっきも言った通り、夢を叶えるっていうのはとても難しいことなんだ。だから、無理に1+1=2にしなくても良いんだよ」
僕は訳が分からなかった。先生が何を言っているのかも分からなかったし、隣の席でその言葉に感心しているあの子の心境も分からなかった。先生はそんな僕に気付きもせず、続けた。

8:刹那:2016/03/29(火) 22:17 ID:Npc

「じゃあ、1×1、分かる人?」
僕が目を伏せているうちに、また誰かが答えた。「1」と。先生はその生徒を懲りずに褒める。
「そう、1+1=2が難しかったら、1×1=1からでも良いんだ。一歩進めなくたって、進む練習をするだけでも、夢を近付く一歩を踏み出したことになるからね」
先生のそんな言葉が、僕の心を黒くしたんだ。誰のせいで、僕は母を殴ったんだよ。夢は叶えていいものだ、と教わったからギターを始めたんだ。転んでも倒れても……つまり失敗しても悪くないって、それを笑う奴がダメな奴だって言われたから、夢を叶えようと必死に頑張る俺に怒鳴り散らしてくる母を殴ったんだ。……あの最悪な授業から、いったい何年が経ってると思ってるんだ。いつまで経っても僕は、あのくだらない投げやりな先生の言葉を間に受けてるんだ。あの時、みんなの前で先生に傲慢な態度で口答えしてやれば良かったのに。そうすれば、何か変わったかもしれないのに。無責任な先生の話を黙って聞いて、匿ったりしなければ良かったのに。そう思うと、僕の胸元の塊が握り潰されるように痛くなり、苦しくなった。死にたくなった。消えたくなった。「面積比の公式?」そんなの言えたって何の意味のない。僕の夢すらドブに捨てたのは、やっぱり先生でもなく母でもなく、自分自身だったのかもしれない。もう、知ってるんだ……僕は。
痛む胸を押さえ、僕は震える手で携帯電話を手に取る。掛けた先は110番。僕は母をギターで殴った、と素直に告白した。それから10分も経たないうちに母は救急車で搬送され、大人になれなかった僕はパトカーに生まれて初めて乗った。いつになれば大人になれるのか。いや、そもそも大人ってなんだろう?僕が思い描いていた「大人」は、ご都合主義のこの世の中では通用しないみたいだ。だから、きっと僕の求める「大人」はどなたに聞いても正しい答えなんか返ってこないんだ。もう、どうしよう。どうだって良いような顔して母に頭を下げようか?どうだって良いようなフリして全てをリセットしてしまおうか?そんな思考なんて捨てて、やっと辿り着いた正解が一つ。あの時、あの作文に僕が表すべきだった「夢」を思い付いた。

『正しい大人になれますように』

……まぁ、そんな夢、叶う訳ないか。


ロストワンの号哭
終わり

9:あるしあ:2016/03/30(水) 16:27 ID:BUI

小説、陰ながら応援してました!
人物の気持ちとかがよく分かり、読みやすかったです。
これからも更新頑張ってください!


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