*☆*Aladdin*☆*~二次創作~

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1:AL ◆6.:2021/01/29(金) 21:35 ID:Mk2

アラジンの二次創作となります。
(アナ雪の二次創作もよろしくね!)

・荒らし、成り済まし❌
・コメント求む!

※実写の世界線です。後日談みたいなものです。

2:AL ◆6.:2021/01/29(金) 21:44 ID:Mk2

ーーアグラバーは今、かつてない程賑わっていた。
街でも、宮殿でも。そして、宮殿からアラジンの
叫び声が聞こえてくる。

「ーー無理だよ!絶っ対無理!」

「大丈夫だ、坊や。自信を持て」

「どうやって!?どうやって自信を持てって!?」

アラジン、次にジーニーの大声が、宮殿の
豪華な部屋に響く。アラジンは目の前に掲げられた
紙を前にぶんぶんと、千切れるのではないかと
心配になるくらいに両手を振る。

「結婚式のスピーチは、女王で王族のジャスミンに
任せようよ。そりゃ、ジャスミンに全部丸投げなんて
僕だって嫌だよ?でも、僕みたいな貧相なドブネズミが
結婚式のスピーチとか……しらけるだけだって!」

バンッ、と自分の目の前にあるテーブルを
思わず思い切り叩く。コロン、とテーブルの上の
金色の大皿に乗っていた林檎が向こうに転がっていく。
その林檎を拾ったアブーは、林檎をかじる。

「大丈夫だって言ってるだろ?」

やれやれ、と言って具合にジーニーが言う。

3:AL ◆6.:2021/01/30(土) 09:14 ID:Mk2

ーー同じ頃、ジャスミンの美しい部屋では
ジャスミンとダリアが話し合いをしていた。

「やはり、結婚式のスピーチはお嬢様がやるべき
なのでは?殿下のお人柄もあり、少しずつお嬢様と
殿下の結婚に異義を唱える方も少なくなって来たとは
言え……やはりここはお嬢様が……」

いつになく真剣な顔付きで、ダリアが言った。
ジャスミンは眉根を寄せて腕組みしつつ、ゆっくりと
口を開いた。

「いいえ。早く私達の結婚を認めて貰いたいのなら
尚更、彼がスピーチをするべきなのよ。分かるでしょう?」

そう言いながら、ジャスミンは溜め息を吐いた。
ジャスミンはこの件で、ずっと悩んでいる。
話題を変えて、少しでもジャスミンの気を晴らそうと
ダリアがまるでたった今、思い付いたように切り出した。

「ああ、そう言えば!お嬢様、殿下に何をプレゼント
なさるのですか?」

この国では、指輪交換の他に、お互いがお互いに
プレゼントを贈り合うという習慣があるのだ。

「え……?」

ジャスミンの顔がポッと赤くなる。ことアラジンの
ことになると、ジャスミンは動揺を隠せなくなるのだ。
ダリアは笑いを堪えながら、

「プレゼントですよ。何をあげるのですか?」

と言った。

「でも、何をあげれば彼は喜ぶかしら?」

ジャスミンは本気で考え込んでいるらしい。
そんなジャスミンの可愛らしい様子にダリアは
笑みを隠しきれなかった。そして、彼女にそっと
近付くと、励ました。

「お嬢様が贈る物なら、何でも喜びますよ。
殿下が喜ばないだなんてこと、ある訳ないじゃないですか」

「本当にそう思う?」

「ええ。思いますとも」

4:AL ◆6.:2021/01/30(土) 09:56 ID:Mk2

一方、アラジンとジーニーもジャスミン達と同じ話題で
話していた。

「プリンセスに、何をプレゼントするんだ?」

「分からないよ。何をあげればジャスミンは
喜んでくれるのかな?それに、みんなの前で渡すんだから
下手な物はあげられないよね」

テーブルの上の林檎を弄びながら、アラジンは
考え込んだ。

「ジーニー、何が良いと思う?宝石とか?」

アラジンはジーニーの方へ身を乗り出した。

「あーージャスミンは、宝石とか喜ばないタイプ
なんじゃないか?心がこもってない、とか言ってさ」

ジーニーはそう答える。アラジンは思い切り
思考を働かせた。みんなの手前があるのもそうだが
プレゼントを通して、愛する彼女に、想いを伝えたい。
だから、特別な物を贈りたいと思っていた。
ひとしきり考えると、彼の頭に素晴らしいアイディアが
浮かんだ。

「ねぇ、ジーニー!僕、良いアイディアを思い付いたよ!」

アラジンは瞳をきらきらと輝かせて言った。
ジーニーはそんな彼を訝しげにじろじろと見る。

「ホントか?どれ、聞かせてみろ」

「あのね、宝石っていうのは、惜しいと思うんだ。
宝石みたいに身に付ける物だけど、宝石とは違って
心のこもった物さ」

アラジンは意気込んで言う。

「と、言うと?」

「手作りのアクセサリーさ」

何処か自信ありげにそう答えたアラジンに
ジーニーも頷く。

「素晴らしい案じゃないか!……ホントに自分で
考えたのか?」

ジーニーはアラジンをからかった。

「失礼だな!勿論さ」

アラジンは頬を膨らませた。

「でも、どうやって?」

ジーニーがそう問うと、アラジンはにやりと笑った。

「大丈夫。あてがあるんだ。ジーニー、街へ行こう」

5:AL ◆6.:2021/01/30(土) 10:02 ID:Mk2

ーーそれから、アラジンとジーニーは毎日、街へと
出向いた。スピーチの練習も、最初は自信がなく
嫌々、と言った感じだったが要領の良い彼のこと、数を
重ねていく内に、完璧なスピーチへと近付いていった。

「殿下、だいぶ上達しましたわね」

ダリアが感心したように言うと、ジャスミンは
まるで自分のことのように得意気に微笑んだ。

「ね、だから言ったでしょう?彼なら大丈夫だって」

「さぁ、彼も頑張っていることだし、私も
頑張らなくっちゃね。プレゼントの準備よ、ダリア」

そう言って、ダリアを手招きする。
だんだんと結婚式の日が、近くなってきているのだ。

6:AL ◆6.:2021/01/30(土) 10:19 ID:Mk2

ーー結婚式当日。大勢の客を前に、アラジンは
緊張していた。

「ジーニー、これ、大丈夫?」

先程から彼は、何度も同じ質問を繰り返している。

「大丈夫だって言ってるだろ?自信を持て」

ジーニーはそう答え、アラジンの背中を叩いた。

「……ありがと。頑張るよ」
**
あれだけ心配していたスピーチも、無事に終わり、
ついに、今日の大目玉であるプレゼントを贈り合う
儀式へと移る。目の前の美しい純白のウェディングドレスを
身に纏ったジャスミンは、彼の目を見て、
「頑張って!」と合図を送った。

「ーージャスミン、これを君に。僕は君を愛してる」

ジャスミンにそう囁き、彼女の美しい耳に
綺麗なイヤリングを飾る。紫色の、月の形をした
美しいイヤリングだった。

「綺麗ね」

ジャスミンは思わず、そう呟いた。

「僕の、手作りなんだ」

彼が打ち明けると、ジャスミンは大きな目を見開いて
驚いた。

「驚いた?」

アラジンが悪戯っぽく笑う。
次は、ジャスミンの番だ。

「アラジン、貴方にこれを贈るわ。アラジン、貴方には
たくさん感謝してる。私を見つけてくれて、ありがとう。
そして……私を諦めないでいてくれてありがとう」

彼女は、アラジンの額に、そっとキスすると
アラジンの首に、ネックレスをかけた。
そのネックレスを見て、アラジンは驚いた。

ーージャスミンがアラジンに贈ったネックレスは
アラジンがジャスミンに贈ったイヤリングと、全く
同じだったのだ!紫色の、月の形をした、美しい
ネックレス。まるで示し合わせたかのようだった。

「こんなことって、あるんだね」

「ええ、本当に。驚いたわ」

二人はそう言って、思わず笑い出した。

「何で月を選んだの?」

アラジンが聞いた。

「あら、それを聞くのは野暮ってものじゃあないの?
勿論、月が私と貴方の思い出だからよ。
じゃあ私も聞くわ。どうして月を選んだの?」

ジャスミンは微笑みながら、同じことを聞いた。

「君と同じさ。月は、僕らの思い出だから」

アラジンは照れ臭そうにそう言った。

「ね。野暮って言ったでしょう」

ジャスミンはクスクス笑う。アラジンはそんな彼女を
抱き寄せて、キスをした。
わぁっと、歓声が上がる。素晴らしい結婚式だった。

7:AL ◆6.:2021/01/30(土) 20:22 ID:Mk2

ーー結婚式から、数日が経った。あの時贈り合った
アクセサリーは、今も肌身離さず付けている。

「図書室へ行かない?色々な本があるわよ」

と、ジャスミンがアラジンを誘った。
アラジンは彼女の手を取り、図書室へと二人は向かった。
アラジンは、元々は貧民の出で、身寄りもなく
その貧しさは、生きるためにパンを盗まなくては
ならない程だった。しかし、アラジンは、字の読み書きや
計算が出来た。平民には、珍しいことだった。
初めて図書室へ行った時には、ジャスミンも気になって
聞いてみたが、彼は首を横に振り

「分からないんだ。何処で字を覚えたのか、計算が
出来るようになったのか。それを、覚えてないんだ。
記憶を辿って見ても、思い出すのは父さんや母さんが
死んだ時のことばかりさ。父さんや母さんに、何かを
教わった記憶は、ないんだ」

と、寂しげな目をして答えるだけだった。

「……辛いことを思い出させてしまったわね。
ホントにごめんなさい」

ジャスミンは申し訳なさそうに謝った。

……と、そんな訳で、何故字の読み書きや計算が出来るように
なったのかは不明だが、アラジンは出来るのであった。

重々しい扉を開いて、図書室へ入る。
図書室の古くさい本の匂いが、ジャスミンは好きだった。

「ねぇ。今日は何を読む?」

「そうだなぁ、旅行紀とか?」

アラジンは答えた。アラジンは、宮殿の図書室に
ある、たくさんの色々な本を面白がり、気に入っていたが
特に旅行紀が好きだった。その理由を聞くと、色々な
世界を旅した気分になれるから、らしかった。
最初に図書室に足を踏み入れた時も、彼は旅行紀を
手に取っていた。

「僕はね、ジャスミン。旅行紀が好きなんだ。
世界を旅した気分になれるからね。貧しかった頃も
よく旅行紀を読んでたんだ。それで、違う誰かになった
つもりになって、気分が少し楽になった」

これを聞くと、ジャスミンは大層驚いた。
自分と一緒だったからだ。

「まぁ!私もなのよ。私もよく、旅行紀を読んでた。
宮殿から、出られなくても世界を知れたから」

そう言ってジャスミンは微笑んだ。

「でも今は、魔法の絨毯があるからね。いつだって
好きな時に好きな場所に行ける」

アラジンはにやりと悪戯っぽく微笑み返した。
**
「魔法の絨毯があるんでしょう?それでも、旅行紀を
読むのね」

ジャスミンはアラジンをからかった。

「なんとなくね。癖なのかも」

彼は笑うと、目に付いた旅行紀を手に取った。
ジャスミンも何か読もうと、本棚を探る。
すると、古ぼけて黄ばんだタイトルのない本が
見つかった。

「ーー何、この本?」

ジャスミンは思わず呟いた。

「随分古い本だね。でも、こういう古い本とかって
返って面白いんだよね」

アラジンは言った。

「私、読んでみるわ」

彼女はそう言って、本のページを開く。

ーーすると、とんでもない事実が発覚した。

8:AL ◆6.:2021/02/07(日) 15:25 ID:CjE

「ちょ、ちょっとアラジン!これ!」

ジャスミンが驚きの声を上げた。

「……?ジャスミン、どうしたんだい?」

アラジンは、彼女の読んでいる本を覗き見た。
それは、本というよりも日記に近いものだった。
美しく丁寧な文字で綴られた日記。

「これは、日記?」

アラジンは自分の考えを、率直に口にした。

「そうみたい。それも、ただの日記じゃないわ!
お母様の日記よ!」

そう言ったジャスミンは、興奮で頬を紅潮させている。

「君の、お母上の?」

「ええそう。お母様は、もしもの時の為に、私に
手紙を残していてくれていたの。その筆跡と、この
日記の筆跡は同じよ。つまり、これはお母様のもの…」

ジャスミンの、日記を持つ手が震えている。
アラジンは、彼女を心配そうに見つめていたが
あることが頭に思い付き、彼女に言った。

「この日記から、王妃様を殺害した輩の情報が
掴めないかな?ほら、誰かに追われている、とか
『殺,してやる』っていう手紙が届いた、とか
書いてあるかも!」

9:AL ◆6.:2021/02/14(日) 12:11 ID:FNA

♡バレンタイン番外編♡

ーーアラジンは朝からソワソワしていた。

「ジーニー、大丈夫かなぁ?」

「大丈夫だって言ってんだろ?さっさと渡すもん
渡してこい!」

ジーニーはそう言って、アラジンの背中をドンと押す。

「うわっ」

丁度、目の前にジャスミンが現れた。

「!アラジン…」

ジャスミンも、何処となく落ち着かなげだったことに
彼らを見守っていたジーニーはめざとく気付く。
最も、アラジン本人は気付いていないが……

「女王様も、ソワソワしてるな」

「そうね。何度も鏡の前で身だしなみを整えてらしたし……
やっぱり年頃の乙女なんだわ」

ジャスミンの侍女であるダリアは、楽しげに言う。

「アラジン。私、貴方に渡したい物があるの」

「え、あ、実は僕も……」

頬を赤らめて、しどろもどろになりながらアラジンも
答えた。

「僕のプリンセス、自由の花をホラ……」

スッと、スマートな様子で、綺麗なアラビアジャスミンを
彼女の髪に挿した。
スマートな彼にジャスミンは少しだけドキリとした。
天然で危なっかしいアラジンなのに、時々こうして
男らしくなるのだ。その不意打ちにジャスミンは
ドキドキしてしまう。

「アラジン、この花を貴方に」

正装の彼の胸に、綺麗なアラビアジャスミンを
挿した。偶然にも、二人が選んだ花は一緒だった。

「僕達、考えてることは同じだね」

髪をかきあげて、アラジンは照れくさそうにポツリと
呟いた。

二人の間に甘い沈黙が流れた。

ーーチュッ。

二人は、流れるようにキスをした。

「素敵すぎて信じられない」

ジャスミンは心の中で呟いた。

10:AL ◆6.:2021/02/14(日) 12:26 ID:FNA

♡バレンタイン番外編2♡
(前編)

「ーーはい、この中から好きなの選んで」

ジャスミンは、クローゼットの中のたくさんの
ドレスときらびやかなアクセサリーを指さして
そう言った。

「お嬢様、本当に良いのですか?」

ダリアは落ち着かない様子で応じた。

「勿論よ!何でも好きなの選んで」

にこりと優しく微笑むジャスミンに、ダリアも
おずおずとドレスとアクセサリーを選び始める。

「あら?これなんか、ダリアに似合うんじゃない?」

ジャスミンが、ふと目に付いたドレスとネックレスを
ダリアの前に掲げた。ジャスミンが選んだのは、
シンプルな大人っぽいワインレッドのドレスと
金色のネックレスだった。

「まぁ!私の好みそのままですわ!」

ダリアはうっとりと答えた。

「ふふ、じゃあ決まりね!」

ジャスミンは優しく微笑んだ。

11:AL ◆6.:2021/02/14(日) 19:45 ID:FNA

♡バレンタイン番外編2♡
(後編)

「ーーど、どうでしょうか?」

着替え終わったダリアが、おずおずと出てきた。

「まぁ、ダリア!とっても素敵だわ!」

ジャスミンが歓声を上げる。

「本当に?」

心配げに問うダリアを、ジャスミンは励ました。
そして、軽く背中を押す。

「頑張って!」
**
ーーダリアは、宮殿の廊下を歩いていた。
そして、目的の人物を見つける。

「ジーニー!」

「ダリア!とっても綺麗だ…」

ジーニーはうっとりとした口調で言った。

「ありがとう。お嬢様に借りたんです」

「本当にプリンセスみたいだ……」

そう言ったジーニーにダリアは照れて微笑む。

「そんなお姫様にこれを」

ジーニーは優しく、ダリアに花束を手渡した。

「素敵な花束!綺麗だわ……私も、貴方にこれを」

ダリアも、ジーニーに花束を渡す。

「1000年以上生きてきた俺の人生の中で、今日が
一番の日だよ!!」

ジーニーはダリアを強く抱き締めた。

12:AL ◆6.:2021/03/15(月) 20:15 ID:33s

(本編に戻ります)

13:AL ◆6.:2021/03/15(月) 20:29 ID:33s

「とにかく、読んでみましょう」

ジャスミンは意を決してそう言った。
日記をどんどんと読み進めていく。

「興味深いことが記してあるわ」

ホラ見て、とジャスミンはアラジンに日記を渡す。

「君の母上様には、宮殿の外に、アグラバーの市場に
友達……というか相談相手がいたのか?」

アラジンは呟いた。

「昔は、普通に宮殿の門は開け放たれていたから
有り得ないことではないわ。今もそうだけれど」

ジャスミンは目にかかる髪を払い除けながら答える。

「まあね。あ!」

アラジンは、突如声を上げた。

「どうかしたの?」

訝しそうにジャスミンは尋ねる。

「その人が裏切って、君の母上を……ということは
考えられないかな?」

アラジンは考えを口にした。

「どうやら違うみたいよ。日記を読む限りでは
その人とはずっと親しかったみたい。
そして……誰かに追われているとか、殺害予告を
されたとかは書いていないわ。残念なことに」

ジャスミンはそう言って、一旦日記を閉じ
悲しげに目を伏せた。

「でも、その人が母上の死と関係していそうだね」

アラジンは言った。

「お父様に聞いてみましょう!お母様が親しくしていた
人はいたのか、その人はどんな人だったのかを」

ジャスミンは強い意志を宿した瞳をアラジンに向けた。

「ああ!行こう!」

アラジンも強い意志を込めて頷いた。
そうして二人は王妃の日記を手に、図書室を後にした。


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