短編小説 http://ha10.net/short/ 私が短編小説を書くだけのスレ(4) http://ha10.net/test/read.cgi/short/1484787503/4  
 
 No.3 片想いから両想いへ、両想いから片想いへ 
 
 
 アップルのような、オレンジのような色をした夕日がゆっくりと沈んでいく。夕方、彼と私は浜辺に来ていた。さきほど、私の彼氏が「 大事な話があるから、浜辺に来てくれないか? 」と言われたので来たのだ。 
 サー、サー、という波の音が嫌でも聞こえてくる。そんな中、彼は口を開き小さな声でこう囁いた。 
 
 
 
 
 
 「 ごめん、別れよう 」 
 
 
 
 いつもはおっちょこちょいで、冗談をよく言う私の彼氏。周りからは “ ジョーカー ” というあだ名をつけられていた。
 しかし、今私に放った言葉は冗談なんかじゃない____彼の目は、本気だ。 
 
 「 え……な、なんで……? 」 
 「 ごめんな。俺、他に好きなヤツができたから…… 」 
 
 突然のことだったで、私はどう対処していいかわからなくなってしまった。彼が言っていた大事な話、というのはこのことだったようだ。なんで、どうして、私のどこがいけなかったの……それが心の中で何度も何度もリプレイされる。動悸が激しい。 
 彼は悲しいような表情をしていた。涙が溜まりに溜まった私の瞳からは、一粒の涙がこぼれ落ち、地面にぽつりと落ちていく。 
 
 今まで彼と一緒に過ごしてきたことが、すべて昨日のことのように思い出す。私は彼と一緒にいられて、とても幸せだった。この世に生まれてこられてよかった、と思えるほどに。 
 でも……彼が私と別れるっていうのなら、私は止めない。いいや、止めたくない____彼の恋を応援したいから。 
 
 「 ____っ、わかったよ。悲しいけど、あんたの次の恋、応援してやるから…… 」 
 「 ……!! 」 
 
 しばらく沈黙だった時間が、私の一言で終わった。今まで悲しそうな顔をしていたが、この一言を耳にすると、どこか安心したような表情を見せる彼。 
 
 「 本当に、ごめん…… 」 
 「 いいんだよ。そんなに泣かないで 」 
 
 「 俺、お前を傷付けるんじゃないかと思って、なかなか言い出せなかったんだ____でも、別れもしないで俺が他のヤツと付き合ったら、もっとお前のこと傷付けちまうから 」 
 
 ああ、そうか……彼は私に気を使ってくれたんだ。彼は冗談をよく言う人だけど、本当は優しい人なんだ。 
 それならこの別れも冗談だったらよかったのにな、なんて思ってしまう。でも、私は彼のことが好きだ。だからこそ、彼の新しい恋を応援してあげたい。 
 彼と私の関係は、この出来事で恋人から幼馴染みへと変わった。彼は新しいを恋し、元カノの私はその新しい恋を応援することとなった。たとえその恋がダメだとしても、私は彼の “ 幼馴染み ” として、前のように仲良くやっていくつもりだ。 
 
 
 
 さて!私も新しい恋を探しにいきますか。 

by アンジュ◆iU:2017/01/20(金) 16:19]]>