普通すぎる名字「やまもと」の独り言。 〜yamamoto〜

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660:やまもっちゃん 有岡&洸希→神説:2018/05/19(土) 14:09

これあかんわ…自分が年上で和哉くんの知り合いだったら、こんなことなるんかな…(なわけ)




「プレゼントいっぱいだね、何もらったの?」
『お菓子とか服とか』
「そっか、お誕生日会楽しかった?」
『…まあそれなりに』

それなりに、なんて到底中学生の台詞とは思えない。彼はとても大人びている。

「何か食べたいものある?あんまり遠いところには行けないけれど」

彼の誕生日。中学生の男の子に何をあげればいいのか見当もつかなかったから1週間ほど前に何が欲しいか彼に訊ねると、彼は当日までに考えておくと答えた。

今日は日曜日。明日は月曜日だから、遅くならないうちに家まで送っていかなければならない。
ご飯を食べてプレゼントも買って、なんてしていたら遅くなってしまうからプレゼントは後日ということになるだろう。

『別にない、…から〇〇さんの家行きたい』

彼はそう言ったけれど、生憎うちには今ろくな食料がない。

これからスーパーで買い物して料理をしたって、何にも誕生日らしいものは食べさせてあげられないし。

「ん〜、でもせっかく誕生日だし時間も限られてるんだからさ、美味しいもの食べようよ、ね?何がいいかなあ」

ハンバーグ?ステーキ?この年頃はやっぱり肉だよなあ、なんて考えを巡らせている私に彼は言い放った。

『時間は気にしなくていい、今日泊まるから』
「…えっ、でも明日学校でしょ?」

私と彼の約束事のひとつ。学校がある日の前日は泊まらない。だから彼がうちに泊まるのは金曜か土曜。月曜が祝日の場合の日曜。

『明日は休むから』
「いやいやいや、休んじゃ駄目」

私は中学生を何度もご両親に内緒で泊めている悪い大人だ。その上学校まで休ませるとなると、ご両親に合わせる顔がない。いや、会ってはいけないだろうし会いたくないけれど。

『やだ、〇〇さんと一緒にいたい』

またそんなワガママを。彼の年相応ポイントを挙げるとすればよくワガママを言うことだ。

言っても聞かないだろう。一旦諦めて、いつも行くところより少し高めの洋食屋を目指して車を走らせる。

「…そういえばプレゼント何がいいか決まった?」

切り替えてなるべく明るく聞くと、彼はぼそりと呟いた。

『〇〇さん』
「……え、?」

小さな声だったから聞き間違えたのだろう、そう思ったけれど彼はもう一度、〇〇さんがほしい、と言った。

「……それはもしかして私と同じ名前のゲームがあるとか?」
『そんな訳ないじゃん、バカなの?』

中学生にバカと言われてしまった。少しショックだ


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