東方project オリキャラなりきり【原作もあり】

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445:安武 亜留羽 蒔跳 舞綴◆3IQ:2017/08/03(木) 21:41


「――――宇宙に始まりはあるが、終わりはない。 ―――無限」
真昼の炎天下の下、大岩の頂に佇んでいる女が一人居ました。セミがやかましくバックコーラスを奏でています。
「・・・・・・・・・・・・」
「――――星にもまた始まりはあるが、自らの力をもって滅び逝く。 ―――有限」
大仰な、芝居がかった声色と仕草で太陽の逆光を背にしながら女は一人語り続けています。
「・・・・・・・・・・・・」
「――――英知を持つ者こそ、最も愚かであることは、歴史からも読み取れる」
腕を回し、腰あたりまで移動させると同時にバッ!と胸の前で交差させました。キメ顔から汗がキラリと光りながら飛び散ります。
「・・・・・・・・・・・・先輩」
否、そこに居たのは一人ではありませんでした。岩の頂に佇む少女の丁度真下、降り注ぐ日光から逃れるように岩陰の闇の中に黒い本を
胸に抱くようにしながら隠れてぺたん、と座り込んで目をつむっている少女が居ます。自分の汗が本に垂れそうなのが鬱陶しそうです。
「――――海に生ける魚は、陸の世界を知らない。彼らが英知を持てば、それもまた滅び逝く」
「・・・・・・・・・・・・ねぇ、先輩」
ババッ!とさっきと違うスタイリッシュなポージングを決める頂の少女に、闇の中の少女は口に加えた紙煙草の煙を吸う訳でも無く、
ただ燻らせながら胡乱…というにはいささか退廃的に過ぎる濁りきった瞳を開けて向けました。
「――――人間が光の速さを超えるのは、魚たちが陸で生活を始めるよりも滑稽」
「・・・・・・・・・蒔跳(まくとび)先輩」
聞こえてないのかあえて無視しているのか、頂の少女は影の中の少女をまるで意に介さず一人寸劇を続行しています。今度は天を仰ぎ見ながら
手を広げて片足を上げました。荒ぶる鷹のポーズです。
「――――これは抗える者たちに対する、神からの最後通告とも言えよう―――」
「・・・・・・・・・舞綴(まてい)先輩ったら」
「なんだ安武 亜留羽(やすたけ あるは)後輩。そう連呼しなくても聞こえているぞ」
だったらもっと最初の方から応答しろよ、と安武と呼ばれた闇の中の少女は思いましたがいちいち食ってかかるのも面倒なのでとっとと簡潔に
要点だけ纏めて疑問の言葉を投げかけました。
「・・・・・・楽しいんですか?その一人小芝居」
「思っていたよりかは、割とな」
ふっと息をつき、流し目とどや顔のダブルコンボをカマしたのでした。安武の煙草の煙が彼女の顔の横をかすめていきました。
「・・・・・・そうですか」
うぜぇ、と吐き捨てる気力も今の彼女からはとっくの昔に失せていました。セミの合唱は未だに延々と続いています。


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