【博麗神社】
李 金龍
「了解しました。
では、引き続き監視警戒を続けながら総員集結まで待機しています。ターゲットが新しく増えましたが、たった一人です。
さほど問題は無いでしょうが、一応動向に注意を払っておきます。」
アグリネスからの通信を聞いて、丁度目の前に9Sが神社に降り立ったのを確認すると、偵察部隊は李の率いる分隊と合わせて5×11の総勢55名、そこにアグリネスが率いる分隊が合流すればその数は60にまで至る。
更に此方はほぼ全方位から同時攻撃をしかけられる上に、個々の実力も教団から与えられた聖力によって底上げされているのに対して、制圧対象はたったの二人。そしてその内の一人は戦闘が出来ないであろう少女であると認識しているため、ほぼ抵抗らしい抵抗を受けずに制圧できると確信している。
李 金龍
「……糸繭さん、任務に私情を挟むのはいけませんよ。
我々は兵士です。兵士は戦うだけでなく、忠実に任務をこなす為の存在です。それに、アグリネスさんの到着と同時に攻撃を始めます。そうなれば後は、貴女の力を存分に発揮できると思いますので、それまでは大人しく待機していましょう。」
通信から聞こえて来た同じ偵察部隊に所属された糸繭の不満げな声が聞こえ、通信機を用いて、この神社の制圧後に、国連本隊の到達までの間で起こると想定される、この地の者達による奪還部隊からの攻撃を防ぐために相手の力を存分に振るえるであろう事を伝える。
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