「…何、作ろっかな…」
キッチンにて、一通り基本的に使いそうな道具を無駄に広い机に出して、そう呟き。暇でやる事も無いし、と、取り敢えず仕事場であるキッチンには来てみたものの、しかし作りたいものも浮かばず。何かあったかなあ、と記憶を探るも、良い料理のレシピは出てこない。少々面倒くさいけれど、まあ仕方が無いなと軽く溜息を吐くと、食器棚の隣にある棚の引き出しから、古めの紙切れを何枚か取り出した。…何かと言うと、レシピである。同じ料理ばかりになってしまった時、挑戦してみたい時などに大いに役立っていた。
「…これ、作ろ」
斜め読みしてふと目についたのは、一番上に『ビーフウェリントン』と書かれている肉料理だった。…そう言えば、以前にもこれを作ろうかと思い悩んで、手間がかかりそうだと他の料理に変えたのだ。良し、と腕を捲り、レシピを見ながら材料を準備し始めた。
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