ーーどうして私には視えるの。
ーーどうして私には聴こえるの。
ーーなのにどうして私はなにもできないの。
『もうやだぁ!こんな目、こんな耳要らないっ!私普通の人が良い!』
泣きじゃくって、喚いても状況が変わるわけじゃないのに。それでも当時の私は自分が置かれている状況を理解したくないと駄々を捏ねた。
『また泣いとるん?○○は優しい子やねぇ』
泣きじゃくる私の頭を優しく撫でてくれたのは、私と同じ立場の祖母だった。
『視えるだけ、聴こえるだけしかできない言うて、こんなにも霊たちのことを思って泣いてあげられるんは○○が優しい証拠や』
『なんでこんな力があるの!ママもパパもないのに、私とおばあちゃんだけ!なんで……』
『それはな、世に蔓延りさまよう霊たちを助けてあげるためや。○○、どうしてもなにもできん自分が嫌なんやったら、霊たちを守れるぐらい助けてあげられるぐらい強くなり。そのための助力はおばあちゃん惜しまへんよ』
そう言っておばあちゃんが私に差し出したのは一冊のパンフレット。
陰陽術を学ぶことができる学校のパンフレットだった。
あれから十年。
私は今、《黒き華》として初めての任務にあたる。
>>2舞台
>>3説明
>>4ルール
>>5募集&pf例
《ストーリー/舞台》
世は2XXX年。数多の悪霊が蔓延る日本。悪霊による被害は年々数を増し、とうとう50年前から大地震や台風などの天災すら巻き起こすようになり、成すすべもなく人々は命を落としていった。もうすでに日本人口は壱億を切っている。このままでは世界にまで及び、人が生きていくことがかぎりなく難しくなることを懸念した政府は、悪霊と唯一対峙できる存在、《陰陽師》の育成に力を入れ始めた。
《陰陽術》を駆使し、悪霊を減らすことを目的とした学問機関を設置。全国から霊感と素質のあるものを集めて受け入れ、《陰陽師》として育て上げる。
そうして今から35年前。念願の《陰陽師》が全国に派遣されるようになり、少しずつではあるが悪霊の数が減っていった。
そんな《陰陽師》の中でも、選ばれた者が配属されるのが《黒き華》と呼ばれる《華部隊》である。