幻想郷の守護者『博麗霊夢』
これはそんな彼女が博麗の巫女となり、数多の異変を解決する以前に、始めて訪れた邪悪な妖との戦いの物語。
>>1 世界観と注意
>>2 異変キャラについて
べ、別にいいけど・・・・・
(とりあえず、持たなければこの意味のわからない時間は終わらないだろうと考えてか、霊夢は次々と紫が持つように言ってきた品物を、難無く普通に持っていく・・・・・
どれもこれも、微塵ほどの反発や拒絶も起きずに持てていて・・・・・)
>>52
【スキマのおすそわけW】
紫
「うそ……でしょ……?」
次々と霊夢の前に取り出した品々を微塵の抵抗もなく、まるで最初からその品々を使っていたかのように馴染ませている霊夢を見て圧巻すら覚える。
そして、紫は確信する……
霊夢であれば、歴代最強の巫女になり、この幻想郷を守っていけると……
紫
「これ以上試験をする必要は無さそうね?その道具達も貴方を主と認めているのだから………さ、それじゃあ特別に貴方の質問に一つだけ"正直に"応えてあげるわ。」
最後に渡した幣を霊夢が返すと、紫は数々の疑問を抱える霊夢に対して、一つの質問だけ包み隠す事無く、素直に応えると言う。
【もしかしたら、霊夢の紫化(妖怪化)と言うのが起こっているのかも……?】
それじゃあ聞くわ・・・・・私に隠していることで「一番私に話したくないこと」を包み隠さずに正直に話してちょうだい・・・・・
(霊夢は紫が隠していることで「一番自分に話したくないこと」を包み隠さずに正直に話すように言う・・・・・
霊夢の選んだ質問内容の先に待ち受けている回答とは、果たしてどんな内容なのか・・・・・
紫の表情の変化などの真意もわからないまま、質問の回答を待ち・・・・・)
>>54
【あってもおかしくなさそうですからねぇ・・・・・W】
紫
「それを聞くとは……いえ、その"聞き方"をするとはまた面白い。」
紫は霊夢がいきなり核心を付くような言葉で問うて来た事に対して驚く様子は無く、むしろその霊夢の機転の良さと、敢えて伏せていた核心部分をピンポイントで付く問いを思い付いた彼女を褒めるように呟く。
紫
「………良いわ、杯から地へ溢れ落ちた酒が二度と杯に戻れないのと同じように、一度口にした言葉を撤回するつもりも無い。教えてあげるわ。……貴方は表向きには貴方は14代目の博麗の巫女よ……けれど、真実を言うと貴方は"63代目"の博麗の巫女なのよ……」
ならば……50人の巫女達はどうなったのか……何故、表向きの代数に数えられることなく闇へ葬られてしまったのか……その真実について紫は口にし始める。
……当代の巫女になら……真実を話しても良いのかもしれない。
無知なままであれば幻想郷を維持するシステムの一部として何もせずとも、何も考えられなくても生きていられただろう。そうなるようなシステムも既に完成させていた。
だが、知恵の実を喰らい楽園を追放され、苦悩と苦痛に満ちた世界へと堕とされたアダムとイヴのように、知恵を得て破滅に繋がる羨道を歩む事になっても……この巫女なら破滅の闇も、絶望の禍も払い除けて新たなる幻想郷の未来を掴めるのかもしれない……
>>55
随分本来の人数と差があるじゃない・・・・・で?他の巫女達はどうして数えられないの・・・・・?
(数え間違いや人数が不確かなどではく、本来の人数を知っておきながら隠蔽されるように表向きからは闇に葬られた博麗の巫女達の存在・・・・・
何故そうなったのか、霊夢は真実を知るためにさらに踏み込む・・・・・)
>>56
紫
「博麗の巫女と言う幻想郷の核となるものが何度も代替わりを短期間に繰り返していてはこの幻想郷に住まう者達に不必要な警戒と不安を抱かせてしまう……」
これまでの博麗の巫女達は一人で居る事が多く、そのため人々の前に姿を現さなくても誰にも気付かれる事は無かった。
博麗の巫女は強い存在であると思われている方が幻想郷に住まう者達に安心感を与える事から紫は敢えて人目に触れることなく死亡した巫女を、表向きには語られる巫女の数から除いていたと言う。
紫
「表向きに語られる13人の巫女達はそれぞれが十年以上生きられた者達で、残る50人は皆、巫女になって数週間から数ヵ月で"殺害"されたからよ……」
紫は50人もの巫女達が人目に付くことも無く"殺害"されてしまっていた事を教える。つまり、博麗の巫女はその立場から長く生き続けられる者は少なく、その大半が巫女となって早々に経験を詰む前に殺害されてしまっていたのだと言う。
・・・・・は・・・・・?殺された・・・・・?何よそれ・・・・・誰がやったのよ・・・・・
(紫の言葉を聞き、霊夢は目を大きく見開いて驚く・・・・・
数十名もの表向きには明かされない博麗の巫女が、何者かに殺害されたことも衝撃だが、そもそも誰が一体何の目的で博麗の巫女にそこまでのことをするのかが一番肝心で・・・・・)
>>58
紫
「誰……と言うよりも、博麗の血筋は総じて生まれつき高い霊力があり、通常の人間はおろか、仙人や天人を喰らうよりもずっと強くなる事が出来ると言う性質から自身の力を上げる事を企む複数の妖魔達が狙い、襲って来たのだから……」
霊夢は自分の血肉がどれだけの力と影響力を持っているのかを知らずにいたようだが、紫は歴代の巫女達の多くが、その血肉に宿る博麗の力を求める妖魔達によって貪り喰われてしまって来たのだと言う。
紫
「その中でも、"豺狼"と言う狼男はその危険性や狂暴性から一番警戒した方が良い。彼は120年前……つまり、博麗大結界が展開されて十年後にこの幻想郷に流れ込んで来た存在でありながら、12人もの博麗の巫女を喰らった最悪の妖怪よ。」
これまで複数の妖魔が博麗の巫女を喰らって来たのだが、その中でも12人もの博麗の巫女を喰らった"豺狼"と呼ばれる化物の存在について話す。
【実際に霊夢は何代目なのか不明だそうです!なので、この設定を見た時からこんな感じなのかもしれない……!と思っていました!】
・・・・・ちょっと待ちなさいよ・・・・・その豺狼とかいう奴が今の時点でどれだけ警戒しないといけないかは断片的にわかったけど・・・・・博麗の巫女は、要は昔からそれほどの力を宿した強力な人間ってことでしょ・・・・・?今の力がどうであれ、12人も殺害して食べる前の妖怪一匹相手に博麗の巫女が苦戦したの・・・・・?それとも、その豺狼って奴が元々強かったの・・・・・?
(紫が話せば話すほど、霊夢は話のより一層核に近い部分へと踏み込もうとする・・・・・
しかも、博麗の巫女を殺害して食べたということは、今もその豺狼はこの幻想郷のどこかに身を潜めている、ということで、しかも過12人という数と最悪という紫の言葉から察するに、博麗の巫女12人分の力を宿していると言ってもいいほどの恐ろしい実力を持っているのだろう・・・・・)
>>60
【結構気になる設定が公式で明かされていないと、想像して物語を作りやすいのでいいですよね!】
紫
「いえ、元々はただの長生きして妖怪化した野犬の一匹に過ぎなかったわ。けれど、ある時、異変解決をしたものの、それによって瀕死になっていた巫女を喰らい、強い力を得たのが始まりだと思われるわ。」
紫は12代目の巫女(先々代の巫女)が失踪したタイミングと豺狼が現れ、どこの水力や組織にも属さないにも関わらず、強い力を振るい始めたタイミングから推測した事を話す。
紫
「アイツは狡猾で油断なら無い獣よ、けれどこの幻想郷は人間の畏れによって成り立っている部分もあり、その点で言えばアイツほどこの幻想郷に」
皮肉にも、幻想郷における恐怖の象徴として豺狼は君臨しているため、彼を迂闊に消せば人々の妖への恐怖が薄れてしまうのでは無いかと危惧している。
紫は幻想郷の維持を第一に考えなければならない立場であるがあまり、紫自身は豺狼の排除を行えない……
だが……もし、幻想郷の守護者である巫女が豺狼を排除すべき悪として退治した場合ならば巫女としての役割を果たしただけに過ぎないため、豺狼による影響力を巫女の役割によって上書きする事が出来る。
そのため、紫は敢えて先日から思わせ振りな言葉を列挙していたのは霊夢にそれを伝えるためだったのかもしれない……
・・・・・アンタは巫女が食われた時、近くにいたの・・・・・?
(霊夢は豺狼が最初に博麗の巫女を食べた時に、紫は近くにいたのかどうかを聞く・・・・・
博麗の巫女が瀕死の状態だったなら、しかも、異変解決直後なら、誰かが駆けつけてもおかしくはないだろう・・・・・
そして、もしその時に紫が近くにいたのだとした、助けられる状況だったのか、それとも助けられない状況だったのか、霊夢はそこが気になっているのだろう・・・・・)
>>62
紫
「……私が来た時には彼女の血溜まりと僅かな肉片しか残っていなかったわ。」
紫は表情には出していないものの、その声はほんの僅かにだが声が落ち込んでいる。紫でさえもこの幻想郷内における全てに手が届ききる事が出来ないことがあるのだと彼女の言葉からわかる。
それもそうだ、紫一人では手が足りないが故に博麗の巫女が必要となっているのだから……だが、その手が届かない事を利用する悪もこの幻想郷には確かに存在している……
・・・・・本当は、運命がどうとかって助からない運命だと決めつけて助けなかったんじゃないの・・・・・?
(まだ紫にあまりいいイメージを抱いていない霊夢は、本当はわかっていて助けなかったんじゃないのかと酷いことを言ってしまう・・・・・
が、霊夢には酷いことを言ってしまったという自覚なんてなかった・・・・・)
>>64
紫
「……否定はしないわ、生ある者は等しく何らかの役割を持っている。殺された巫女は豺狼によって殺されたのであれば、それもまた運命……」
紫は目を閉じて霊夢の言葉を聞いていざとなれば自分が助けることも出来たにも関わらず、それをせずに見殺しにした事に対して否定せず、巫女の死も豺狼の強化も運命(想定された未来)によるものだと応える。
紫
「けれど……後悔はしていないわ。彼女の犠牲のおかげで、幻想郷は人喰い妖怪に対する強い恐怖の柱が作る事ができた……それに私には豺狼を潰す力はあれど、その役割は無い……これもまた、"運命"よ。」
紫は自分の感情よりも、幻想郷の存続や、それがどのように幻想郷に影響を与えるのかについてを重視する。例え望まぬ死であっても、それにより得られる成果が大きいのならば、未来への糧として犠牲にする事も厭わない……いや、躊躇ってはならない……
紫
「……個人の想いや一時の感情よりも幻想郷の存続を考えるべきよ。大を救うために小を切り捨てなければならないような選択が迫られたのなら……例え小の中に"何が含まれていようと"迷わずに切り捨てなさい?」
加えて、紫は霊夢に巫女としての役割と責務について話す。
紫は全てを守る事、救うことなど出来ない、自分の感情や意思をも消して幻想郷を守り、維持するシステムの一つになるべきだと教える……
ふざけんじゃないわよ・・・・・
ガッ・・・・・!
(霊夢は紫の胸ぐらを掴み「アンタは助けられなかったんじゃなく、助けなかったんでもない、運命のせいにして逃げただけよ・・・・・変えられるかもしれないのに逃げてばかりの臆病者、よく覚えておきなさい・・・・・アンタの言う大は小にずっと守られてきた、人間にずっと守られてきた、私達人間は・・・・・博麗の巫女は、アンタの道具なんかじゃない・・・・・」と、物凄く睨みつけながら言う・・・・・)
>>66
紫
「…………………。」
紫は霊夢が自分の胸ぐらを掴み、怒りを露にしながら大は小に守られて生きてきた、自分達は道具などではない、"運命"と呼んで逃げる臆病者と言う言葉を聞いて、言葉を返そうと口を開けるものの、言葉を発する前に口をつぐみ、何処か物悲しげな笑みをして敢えて反論せずに黙り込む……
言葉を返さないのではない。
どの言葉を口にしたところで、運命に抗う事を諦め、自らを滅し、押し込めることでしか幻想郷のために力を出せない自分では、どんな言葉を口にしたところで何も成らないだろう……
霊夢の顔を見ていると、遠い昔に失った過去の自分を見ているかのような、懐かしいような寂しいような感覚に襲われる……
【ちなみに、私の個人的なイメージとして、紫=メリー説を秘かに押しているため、それが随所に出るかも……?あ、それと二人だけならアンカー無しにしても良いですよ〜。
(*´∀`)ノ】
・・・っ・・・・・何笑ってんのよ・・・・・
バッ・・・・・!
(霊夢は紫を投げ飛ばすようにして放し、そのまま睨み続ける・・・・・
正義がどうとかの感情ではない、ただただ紫に対する怒りの感情が顕になっている・・・・・
そして「アンタのツラなんて見たくないわ、消え失せなさい・・・・・」と、突き放し始める・・・・・)
【了解しました!】
紫
「……そうね……私が言わなくとも、貴方もわかる時が来るわ……」
霊夢が投げ飛ばすようにして放すと、紫の後ろにスキマが開かれ、その中に入り紫の姿が消え、少し言葉を呟いた後、その気配さえも消える。
紫は、霊夢はまだ何も失っていない、自分なら何でも出来るし、運命でさえも変えられる。自分には限界が無い……そう信じているのだろう。
だが……人生とはそんな簡単なものではない。
どれだけの力があっても、才能や智力、財力、権力があろうとも、何も失わずに進める者は存在しない。
紫は長い年月の中で数多の選択肢を前にし、その中でも 多くのものを失って来た……失ったものは二度とは戻らないが、せめてその失ったものに意味を見出だそうと、知恵を振り絞った結果が、運命の定理を定め、それを理解する事で最悪は無いが最善でもない、最良の結果のみを得られるようにした。
霊夢もまた、自分と同じ境遇に陥った時、そうせざるを得なくなってしまうのだろうと紫は考えている……
・・・・・本当に嫌な奴ね・・・・・
(霊夢は少々やり過ぎただろうかと思いながら、何とも言えない複雑な気持ちを胸に神社へと戻ってゆく・・・・・
紫には紫なりに運命は変えられないということを肯定する理由があるのだろうが、霊夢はその考えが納得出来ない・・・・・
何も行動を起こさずに運命は変えられないという紫の考え方が何が何でも納得出来ない・・・・・)
《ザアァァァァァァァ……》
紫が去り、相反する運命についての考え方について思考する霊夢の近く、神社の周りの草木の茂みの奥から突如、血の臭いと共に刺すような視線が霊夢の背後から感じられる。
紫が居なくなるのを待っていたかのようなタイミングで感じられる視線である事から、先程の話にあった"豺狼"の存在を想起出来るだろう……
ゾワッ・・・・・
霊夢「・・・・・」
(背後から突き刺さるように鋭い視線を感じては、先程の話が脳裏によぎる・・・・・
もし、紫の話に出てきた豺狼とかいう奴だったとしたら・・・・・
不安と恐怖が募る中、ゆっくりと後ろへ振り返る・・・・・)
【所変わって別の場所】
蔵蜜「先程、影から見させてもらったが・・・・・今回の博麗の巫女、昔のお前そっくりじゃあないか・・・・・」
(出会ったばかりで早速ギクシャクしていて、考え方も異なる紫と霊夢・・・・・
そんな二人を、蔵蜜はそっくりだと言いながら面白おかしく微笑む・・・・・
この先が思いやられるが、きっと何とかなるという考えもあって・・・・・)
野犬
『ガルルルル……』
強い殺意が込められた視線を感じた背後の茂みに目をやった霊夢の直ぐ傍、蔵の影に潜んで近付いて来たのか、強い殺意を抱いた餓えた野犬が勢いよく飛び出し、霊夢の頸を喰い千切ろうとする……
殺意の視線の持ち主とこの野犬は異なるものの、今脅威として牙を剥いているのはこの野犬であり、対処が出来なければ喉元を喰い千切られて殺されてしまうだろう……
>>霊夢
【スキマ空間】
紫
「クスクス…そうかしら?まあ、彼女は何だか停滞していたこの幻想郷に新しい風をもたらしてくれる……そんな予感がするわ。」
スキマの空間に入った紫は一連の様子を見ていた蔵蜜に視線を移し、本心が伺い知れない笑みを浮かべながら、霊夢と直接言葉を交わした事で霊夢であれば、ずっと停滞していたこの幻想郷に新しい変化を起こしてくれるかもしれないと、何処か俯瞰的な見方をしている紫にしては珍しく、期待の言葉を口にする。
蔵蜜の言うとおり、過去の自分と似ているからだろうか……?それとも、これまで誰一人成せなかった、全ての宝具に主として認められたその力を評価してだろうか……?
紫
「……貴方も気付いていたでしょう?神社の近くにまで豺狼が迫っていた事に……さあ、当代の巫女は無事に生き残る事が出来るかしら……?」
紫は豺狼が神社の近くにまで迫っていた事には気付いていた。
だが、敢えて忠告や警戒をする事はなかった……もし、ここで死んでしまうようであれば、そこまで。
自分の過大評価に過ぎなかったのだと考える。
だが……もし、幻想郷に新しい時代をもたらす素質があるのならば、豺狼がもたらす忌まわしい呪縛を他ならぬ霊夢自身が絶ち斬ってくれるかもしれない……
>>蔵蜜
なっ・・・・・!?
バッ・・・・・!
(いきなり飛びかかってきた野犬に瞬時に反応して避ける・・・・・
そして、紫から聞いていた話を思い出し、一瞬目の前の野犬が豺狼かとも思うものの、もしそうだとしたらもっと違う襲い方をするだろうと思い、豺狼とは違うと判断し・・・・・)
>>野犬
・・・・・あの巫女、ヴァルターって奴と戦った巫女と同じ眼をしていたな・・・・・お前の期待はそこからも来ているのか・・・・・?
(蔵蜜は、紫が珍しく期待していることに気づくと、ヴァルターと戦った先代巫女のことを思い出し、霊夢の眼は先代巫女と同じ眼をしていたと言い、紫の期待はそこからも来ているのかと言う・・・・・
そして「期待するのはいいが、お前は失い過ぎたことで感覚が狂っている・・・・・」と忠告をして)
>>紫
野犬
『ガアッ!!!』
飛び掛かりが避けられると、直ぐ様再び霊夢の方を振り返り、今度は霊夢の右足に噛み付こうと襲い掛かる。茂みの奥からはまだ異様な視線を感じるものの、まるで偵察しているかのようであり、攻撃してくる気配はない。
>>霊夢
紫
「……どうして私が彼女を選んだのか知っている?」
紫はスキマを漂う通行禁止の道路標識の看板部分に腰をかけ、霊夢に対して期待している、性格や価値観さえ変わってしまうほど数多くのものを失い過ぎた事に対する指摘をする蔵蜜に対して、その二つの答えに繋がる問いかけをする……
博麗の血筋そのものが少なかったから?
先代巫女を連想させたから?
過去の自分に似ていたから?
比類なき適正を見せたから?
……いいや、違う。
博麗の血筋そのものが少なくなっているのであれば、霊夢個人に期待など見せることはない。
先代の巫女や過去の自分を連想したり、宝具の適正からにしては、この幻想郷に連れて来るまではまともに言葉を交わすことも無かったため、わからない筈だ。
>>蔵蜜
くっ・・・・・!
バッ・・・・・!
《避けるのぐらい容易いけど・・・・・さっきから感じるこの嫌な視線は何・・・・・?攻撃を避ければ避けるほど、私自身の瞬発力とかを観察されているような気がして、どうも落ち着かないわ・・・・・
まさか・・・・・豺狼が見張っているの・・・・・》
(何かを探られているような嫌な視線と、本能で察知する違和感・・・・・
確信ではない、だが、観察されているかいないかなら、100パーセント中80パーセント観察されていると断言できるほど、視線を感じるがそっちがその気ならこっちだって、いつ、どのタイミングで出てくるか観察してやろうと意気込み)
>>野犬、視線を向ける者
ん・・・?あの巫女に期待したから、とかじゃないのか・・・・・?
(期待なくして選ぶことはないだろうが、紫の心の底に秘めたる想いは蔵蜜の言っていることよりも、もっと深いことなのだろう・・・・・
そう簡単に当てられるようなありふれた感情で博麗の巫女を選んだりはしないというのは蔵蜜自信もわかってはいるが、これといった答えは見つからない・・・・・)
>>紫
野犬
「」
野犬はまるで勢いを落とすことなく幾度となく霊夢の手足や腕とその体の部位であればどこにでも噛み付こうと猛り狂ったように牙を剥いて飛び掛かり続ける。
霊夢も人間である以上、その体力には限界が来るだろう。
それに対して野犬が妖獣化していた場合、消耗戦を挑むのは悪手だろう。もし、消耗しきったところを襲うつもりならば、何時までも野犬一匹を相手に回避し続けるのはかえって自滅行為となってしまうだろう……
しかし、幸いにもここは蔵の中であり、周りには攻撃に使えそうな道具は幾らでもある。
>>霊夢
紫
「……彼女は初代博麗の巫女と瓜二つなのよ。私も驚いたわ、けれど、もし……もしも彼女が初代博麗の巫女の生まれ変わりなら……私は彼女に………………なければならない……」
霊夢は初代博麗の巫女と瓜二つの顔をしていたのだと応え、同時に紫は少し顔を蔵蜜から反らし、小さく抑えた声で自分がしなければならない事を呟く。
紫が霊夢に期待したのも、その伏せた言葉の内容を果たすため……一種の悔いを果たすためであると言う。
初代博麗の巫女は今の幻想郷の基礎を作り上げ、人と妖の調和をもたらし、異界より押し寄せる数多の巨悪達を滅し、幻想郷を守り続けた英雄でありながら、突如として失踪した謎多き人物だ。
その事を記した書物でさえこの世には残されておらず、それどころか彼女の存在を知る者も紫や極一部の賢者達しか知らない……
>>蔵蜜
《道具はいくらでもここにはある・・・・・でも、こいつをこれらの道具で攻撃したら・・・・・》
(霊夢は迷っていた・・・・・
自分は今確かに殺されそうになっているものの、これらの道具を使って攻撃するにしても、もしこの野犬が操られているだけだったら、命令に従うしかない状態だったら、本当にそれでいいのか、と悩み始める・・・・・
博麗の巫女として、まだ甘い考え方を持っているのか、人間としての当たり前の感情か、霊夢自身もわからなくなってくる・・・・・)
>>野犬
・・・・・つくづくお前はおかしな奴だな、そこまで思い詰めているのなら、豺狼があの場所にいたのを教えてやればあの巫女だって戦いやすいだろうに・・・・・
(過去の運命に囚われ続けている紫を見ては、あの場にもう既に豺狼がいたということを教えてやればよかったのにと呟く・・・・・
紫の言動は、どこかズレている・・・・・
今こうしてあの巫女のことを考えながらも、敢えて豺狼がいたことは教えないのは、やはり運命がどうとかいう考え方なのか・・・・・それとも・・・・・)
>>紫
野犬は霊夢の葛藤について知らずに霊夢に向かって唸り声をあげながら、殺意を込めて牙を剥き続けている。この場において、状況を打破する方法は大きく二つある。
野犬を攻撃するか、それともそれを操っていると思われる視線の持ち主に攻撃をするか……
>>霊夢
紫
「どの道、豺狼は私では倒せない……いえ、倒してはいけないのよ。貴方もそれは知っているでしょう?豺狼は幻想郷を脅かしている訳じゃない……上手く幻想郷のシステムに取り入り、欠かせないシステムの一つになっているのだから……」
紫は巫女になったばかりの霊夢に対してあまりにも過酷な状況であると思われるものの、先代巫女もその前の巫女も、豺狼を撃退し、自らの命を守った。これで豺狼によって殺されるのならばそこまでだったのだろう。どの道、一筋縄ではいかない人外が犇めくこの幻想郷で長くは生きられないだろう……
紫
「彼が幻想郷のシステムを利用しているのなら、此方もまた彼を利用する。この試練を乗り越えられないようであれば、私の過大評価に過ぎなかったのだと言わざるを得ないわ。」
これはある意味"試練"だ。
個人の感情としては霊夢に味方をしたい。だが、それをしてしまえば、霊夢は自分の手が届かない予測困難な場所からの攻撃や存在を前にした時、耐性無く瞬く間に潰されてしまうだろう。
そうなれば、何が起こるのかわからない異変解決など出来ない。先々まで見据えているからこそ、豺狼をある意味で利用している。
>>蔵蜜
・・・・・何をさっきから様子を伺っているの・・・・・?力に自信が無いなら無闇に戦いの種は撒かない方が身の為ということを知らないの・・・・・?
(霊夢は野犬よりも、野犬を操っている黒幕を何とかするべきだと考え、視線は野犬に向けながらも、言葉は黒幕へと向けて放つ・・・・・
こそこそ隠れながらこんな野犬までよこして攻めるくらいなら、無闇に戦いの種は撒かない方が身の為であると背を向けたまま告げる・・・・・)
>>黒幕
勿論知っているさ・・・・・奴はこの幻想郷には欠かせない博麗の巫女の因縁の敵であり天敵でありながら、この幻想郷に陰と陽の如く、上手く取り入っていやがる・・・・・私達はサポートに回ることしか出来ない、陰を倒せるのは陽しかないからな・・・・・
(悔しいが、豺狼は博麗の巫女が倒さなければならない陰の存在・・・・・
我々が下手に介入すれば、どんな結果になるかもわからない・・・・・
だからこそ、サポートに回ることしか出来ない、霊夢に全てを委ねるしかないのだ・・・・・)
>>紫
《ザシュ》
視線の主は何も返事を返さない。
加えて霊夢が接近しようとすればそれに合わせて森の奥へ奥へと下がり、常に一定の距離を維持している。加えて、豺狼へ意識が向いた事で野犬の牙が霊夢の右腕を掠り、霊夢の巫女服の袖が一部千切られる。
時間がかかればかかる程に有利になるのは豺狼側だ。それを知っているからこそ、敢えて様子見しつつ、回避しやすい距離を維持し続けている……
>>霊夢
【そう言えば最近ロストワードをインストールしました!(*´∀`)ノ】
紫
「単純に力の強い私達が消してそれで解決する程単純なものじゃない……私や、他の賢者達さえも手を出せない事がわかったでしょう?」
豺狼は自身が妖怪の負の側面を全面的に背負うことで里の人々に恐怖を抱かせ、妖怪が存続しているために不可欠な"恐怖"を体現している。
勿論、豺狼が汚れ役を引き受けているのではなく、彼の純然たる獣性が自然と幻想郷存続に貢献する結果になっているが故に紫や他の賢者達でさえも黙認せざるを得ない状況になっている……
先代や先々代は豺狼を撃退していたため、適正があれば生き残れると言う事も、紫や賢者達が傍観している理由の一つとなっている。
>>蔵蜜
《このままじゃこっちがやられる・・・・・どうやら、私から声をかけても無視を貫き通したり、徐々に下がっている辺り、最初から大体のことは想定しているみたいね・・・・・それならば・・・・・》
いいわ、かかってきなさい・・・・・相手をしてあげる・・・・・
(このまま黒幕へ話しかけても、自分が追い詰められて不利になるだけ・・・・・
ならばいっそのこと、野犬と戦って勝利し、一時的に敵側には撤退してもらうという道しかない・・・・・
もし黒幕が豺狼ならば、いずれまた対峙することになるとわかっている・・・・・)
>>野犬、豺狼
・・・・・幻想郷の何者も拒まないシステムが逆に仇となった、か・・・・・人間が妖怪に対して抱く感情が恐怖なのもまた、一因なのかもしれないが・・・・・
(幻想郷という場所の特性を最大限に活かして過去に博麗の巫女を喰らってきた豺狼・・・・・
そして、その特性があって敵側が陰と陽の陰の立ち位置であり、必要不可欠な存在となってしまっても立ち向かう博麗の巫女、博麗霊夢・・・・・
傍観者という立場はこういう時、どうも歯がゆい思いで・・・・・)
>>紫
【お返事遅れてしまってすみませんでした!
最近CMもやっているあのロストワードですね!】
野犬
「ガアッ!!」
《ダッ》
豺狼に対する追求を止め、野犬を倒すことを選択したところ、野犬は再度霊夢の頸目掛けて飛び掛かり、今度こそ霊夢を仕留めようと襲い掛かる。
>>霊夢
紫
「それは少し語弊があるわね?
人は妖怪を恐れ、妖怪が人を襲う……これが本来在るべき形よ?妖怪が人を襲わなければ、人々は妖怪を恐れなくなり、妖怪の力も失われ、やがて外の世界と同じように人々の心から忘れ去られてしまう事になるのだから……」
紫
「妖怪が人を襲わなくなっている現状、豺狼と言う明確な脅威としての存在はこの幻想郷を維持するためには不可欠な要素になっているわ。」
紫はこの人と妖怪の双方が持つ影響やその仕組みについて語る。人と妖怪が歪ながらも共存するこの幻想郷において、妖怪が人を襲い、人が妖怪を恐れると言うのは妖怪の存続に関わる大原則なのだとも口にする。
>>蔵蜜
【お気になさらず〜。(*´∀`)ノ
はい、CMで流れているあれですね!】
《とは言っても・・・・・この蔵の中にある道具についてはさっき少し持っただけだし・・・・・もうやけくそでやるしかないわね!》
(そう言うと、蔵の中を攻撃を避け続けている内にお札を手に取る・・・・・
が、お札というのは大体貼らねばその力を発揮しない・・・・・
近づかなくてはと思いながらも、下手に手に取ってしまったことを後悔しつつ・・・・・)
>>野犬
それはそうだが・・・・・私からすれば妖怪は恐れられてこそ存在できるのが納得出来んな・・・・・
(蔵蜜は豺狼が自分達妖怪の存在を保ち続ける上に欠かせない存在になっているという、なんとも皮肉な現状を半ば認めつつも、自分達は簡単に言えば人間達から嫌われることで存在できる、という点が納得出来ないらしい・・・・・
蔵蜜自身は人間が嫌いではない為、複雑な気持ちなのだろう・・・・・)
>>紫
【ありがとうございます!
ロストワード、友達がやっていましたW】
《コォォォォォォォォォ……》
霊夢が蔵の中で重ねるようにして置かれた札の一枚を手にした途端、札が蔵の暗闇を照らすように微かに金色の光を放ち、幻想郷に来る前までは使ったことも意識したことも無かったであろう霊力の流れが漠然とだが感じられるようになる。
そして、直感的にこれを投げれば野犬に"必ず"命中し、野犬を操っている邪気を打ち消すことが出来るのだと言うこともわかる。
>>霊夢
【マジですか!ちなみに、アリアさんはやらない感じですか?
他にハマっているゲームもアプリも特に無いのと、ソシャゲなので盆栽みたいにコツコツ育てて行こうかなと思いますwww】
《何これ・・・・・今まで感じたことない・・・・・言葉じゃ表しづらい何かを感じる・・・・・》
(霊力の流れというものをまだ全然知らない霊夢は、言葉でなんと表せばいいのかわからないと思いながらも、この戦いに早い内に終止符を打った方がいいと考え、札を野犬へと投げつける・・・・・
正直、よくわかっていない状態で、勘に頼っているような感じで投げたものの、同時に博麗の巫女としての本能も感じていた・・・・・)
>>野犬
【私はゲームあまり得意じゃないんですW
プレイ動画とかを見ていて、客観的にスリルを味わうのが好きになったというのもありますがW】
野犬
「ギャン!!?
ガ…ガルルル………」
野犬は御札を受けると、野犬の体を傷付けることなく野犬を凶暴化させていた邪気を浄化し、みるみるうちに消え、邪気を取り除かれた野犬は意識を失い、そのまま蔵の中に倒れ、野犬が倒れると、茂みの奥から感じていた視線と気配が消えて無くなる。
>>霊夢
【あ、私も結構それがありますwww特にストーリー系の実況を見ていますwww】
・・・・・
(野犬が倒れると、すぐに駆け寄って触れて、生きているかどうかを確かめる・・・・・
そして、意識を失い倒れただけだとわかると、視線が来ていた方へと振り返って
「・・・・・視線が消えた・・・・・」
と言い)
>>野犬
【実況プレイは実況者さんのリアクションも含めて楽しめるので、自分でプレイしたら味わえない感覚もありますよねW】
紫
「始めて使うであろう物の筈なのに、それの扱い方を瞬時に把握し、"攻撃"ではなく"浄化"に回した……もし、これで野犬に攻撃していたり、視線の感じた方向へ攻撃していた場合、貴方はこの蔵ごと破壊されていたでしょうね?」
蔵の中で倒れた野犬の安否を確認し、更に気配と視線が消えている事を確認している霊夢の前に蔵の奥にいつの間にか現れたのか、紫が木箱に悠然と腰掛け、先程までの態度や様子とはうって変わって最初の飄々とした態度に戻った状態で話す。
紫
「奴は気配や邪気を野犬に与え、自分自身は限りなく気配と邪気を抑え込む事で精巧な偽物を作り、相手に攻撃を誘発させて、攻撃と攻撃の間の瞬間……言うなれば"隙"を作る作戦を好むのだから……」
紫の手には、先程豺狼のものと思われていた野犬が意識を失った状態で抱えられている。もし、あの時に霊夢が茂みへ攻撃をしたり、襲い来る野犬に気を取られ過ぎていた場合、全く予期せぬ死角からの不意討ちを受けてしまっていたであろう事を呟く。
【私もあまりゲームそのものはやらない(あまり上手くない)方なのですが、確かに動画投稿者のリアクションも面白いですよね!個人的にはわい◯いさんの動画とか結構好きwww】
・・・・・まるで私を試していたかのような口ぶりね・・・・・まさかアンタ、豺狼とかいうのがいるのもわかっていたの・・・・・?
(紫の発言がまるで自分を博麗の巫女として試していたように聞こえて、豺狼がいることもわかっていたのかどうかを聞く・・・・・
紫が何を考えているかは知らないが、霊夢の紫に対する視線は、より一層鋭く、強くなる・・・・・
霊夢と紫、お互いの溝が深くなる一方で・・・・・)
>>紫
【特に先の展開をわかっているゲームとかだと、視聴者側である自分達はもう慣れていても実況者さんが慣れていなかったりするのでリアクションした瞬間ニヤニヤが止まらないですW】
紫
「あら、襲撃主が豺狼であるとわかったの?博麗の巫女は何時如何なる時にその命を脅かされるかわからない……他者に頼らずに常に警戒する必要がある。」
紫の手には、霊夢が豺狼であると思って見ていた茂みの中に潜んでいた豺狼から囮の妖力を与えられていた野犬の首を掴んでおり、霊夢が彼女に向かって襲い掛かった野犬を浄化した際にタイミングを見て豺狼が囮にしていた野犬を抑えたのだと思われる。
紫
「それに……臆病な豺狼の事よ、確実な勝算を得られるまではその姿を見せることさえせず、遠巻きに攻撃を仕掛けてくる、その攻撃に対応できないようなら他の野良妖怪に襲われた時に勝つことなど出来ない……そうでしょう?」
紫は左手で掴んでいた野犬から、豺狼の与えた妖力と邪気を抜き取り、消滅させながら、霊夢の実力を測るために敢えて豺狼の襲撃を教えたり、加勢する事無く傍観していたのだと答えると、正気に戻った野犬を森へ返す。
命をかけた戦いをさせる事さえも厭わないのは、これまで何人もの巫女候補が豺狼を始めとした妖怪による襲撃を受けて殺害された事から来るのだろう……
紫は非情なまでに個の感情よりも結果を優先する。
故に気にかけている霊夢にさえも、命がけの過酷な戦いを強いるのだろう。
【あるあるですね!wwww】
・・・・・力に自惚れたわけじゃないけど、幻想郷を守らなければならない博麗の巫女が、そこまで臆病な下等妖怪一匹が送り込む野良妖怪の一匹屋に引きに立ち向かえないようじゃあ、この役目は果たせないと自覚しているわ・・・・・これが、私の「運命」だから・・・・・こればっかりは変えることのできない運命とわかっている・・・・・
(そう語る霊夢の姿が、先代巫女と重なる・・・・・
紫の言葉に影響されたわけではない、この運命は変えられないと分かった上の発言だ・・・・・
この程度の戦いなんて、これから当たり前になる・・・・・そう思っていた・・・・・)
>>紫
【はいWWW】
紫
「あら、随分と物分かりが良いのね?てっきりあらゆる運命や未来に抗い続ける反逆主義」
扇子で口許を隠しながら昨日まで変えられると否定していた"変えることの出来ない運命"を口にしたのを聞いて、てっきり自分を責めるのかと思いきや、肯定するように言った事をからかうように指摘する。
>>霊夢
・・・・・これは、運命と偽られた使命なんだから、仕方ないのよ・・・・・
#(そう言うと「・・・・・で、豺狼とかいう奴は普段は特に人間を襲ったりとか、大胆なことはしないの・・・・・?ハッキリ言って豺狼が今どこにいるかは私にはわからないし、かと言って誰かを襲い始めてから動き出すなんていう歯がゆいのはまっぴらごめんよ、把握しているなら、奴の行動をわかっている範囲で教えなさいよ・・・・・」と言い)
>>紫
紫
「豺狼は基本的に他の人喰い妖怪と同じように外来人を襲っていて、時折里の郊外に出た里の人間を襲っていると言う行動を取っているわ。」
多数の人間を無差別に襲うのではなく、外来人や郊外に住む人間をメインに時折襲うと言うスタンスをしているため、幻想郷の人間を全て狩尽くそうとしている訳ではない。
この辺りもまた、幻想郷の人妖のバランスが崩れて紫達が動かさざるを得なくなるような状況に陥らないようにしているのだろう。
紫
「けれど……これまでの傾向から、巫女の実力を測った後、博麗の巫女を直接襲う前に力を蓄えるべく、里の郊外にある小さな集落を狙うでしょうね……」
豺狼の狙うターゲット層を教えた上で、これまでの経験から里の郊外にある小さな集落を襲って自分の妖力を蓄えようとするのだと言うことも教える。里の外には幾つも村とも呼べないような小さな集落があるのだが、その何処が襲われるのは、霊夢の勘が教えてくれるだろう。
本当に小物ね・・・・・こっちの状況をコソコソと伺いながら、戦う時までは決して安易に姿は見せない・・・・・臆病者の証だわ・・・・・
(博麗の巫女という、幻想郷には絶対に欠かせない存在をを何人も喰らってきた極悪妖怪ではあるものの、そのコソコソとした卑怯極まりないやり方と、戦う時までは他者を利用して自分は力を蓄えながら決して安易に姿を見せることは無いその思考が、完全に臆病者のソレだと霊夢は評価する・・・・・)
>>紫
紫
「本当に厄介なのはコソコソ逃げ隠れしたり、ルールの裏から出ようとしない臆病者なのかもしれないわね?」
自分の力に自信を持ち、堂々と悪行を行い、討伐のための大義名分を得られやすい悪よりも、豺狼のように勝利や栄光よりも、自らの保身のみを念頭に置いて行動している豺狼の方が厄介なのかもしれないと呟く。
その言葉の裏にあるのは、臆病なまでに警戒心や注意力の強い豺狼の厄介さと、自分のような幻想郷の秩序を守る事を第一とする者では手出しのしようがない場面へ逃れる豺狼への微かな苛立ちが感じられる。
いずれにしても、厄介か厄介じゃないかじゃない、悪は問答無用で滅するべきということ・・・・・
(豺狼は幻想郷を蝕むばい菌でありながら、妖怪と人間との距離感を保っているような立場になっていることが何とも言えない・・・・・
博麗の巫女を喰らうことで力を蓄えるという、臆病者のクセしてやることは本当に汚いのもまた、怒りを通り越して殺意を抱く・・・・・)
>>紫
紫
「怒りは良いわよ、許せないと言う強く純粋な怒りは限界を超える力を与えてくれる。」
豺狼のあまりにも卑怯な手段や、まだ満足に戦えずに弱い状態の者を狙うその性質を知って怒りと殺意を抱く霊夢を見て、スキマの縁に腰をかけたまま言う。
紫
「けれど……その怒りに欲望と願望が混ざれば憎悪となる。憎悪は怒りと似て非なるもの……貴方が抱くのは怒りのままでいられるかしら?それとも憎悪へと変貌してしまうか……」
だが、その怒りと殺意の混ざった状態を見て、紫は憎悪へと変貌してしまえばそれは即ち破滅へ通じる事になるのだと警告する。怒りに呑まれ、憎悪に心満たされた存在の末路は幾つも見てきたが故に、紫は霊夢にはそうならないように、そうなって欲しくはないと考えている。
紫
「………何にせよ、私からはこれ以上干渉する事は難しい……この件については先代と先々代と同じように、巫女である貴方に任せるわ。」
最後に紫は豺狼について、このまま里の外れの集落を襲うであろう豺狼の行動を先回りして阻止するも良し、神社に結界を張って二度と襲撃してこなくしても良し、もしくは豺狼を確実に仕留めるために動き出すも良し、後の行動について紫から指示したり束縛するのではなく、霊夢の意思に任せると言う。
【本来であれば到底力及ばぬ博麗の巫女を、まだ弱い雛の状態で喰らうべく執拗に狙う狼……それが豺狼です……!!】
・・・・・憎悪・・・・・?アンタ、私が欲望や願望を抱いて今に至っていると思っているの・・・・・?アンタは手を出せないにしても、何代も前から博麗の巫女がただただそいつの力の糧にされ続けているのが悔しくないの・・・・・!?
(霊夢には、霊夢なりの怒りがあるのだろう・・・・・
いや、だからこそ紫は忠告するのだろうか・・・・・
怒りの感情なんて、違うもので、そして怒りは時に、破滅へと繋がるのだから・・・・・)
【どう足掻いても漂ってしまう悲しき小物感・・・・・】
紫
「悔しい……?」
霊夢がこれまで我欲を持って来たと思っていたのかと言う問いに応える前に、何人もの巫女が僅か数ヶ月足らずで殺され、その力の糧とされて来た事が悔しくないのかと問う霊夢の言葉にキョトンとした表情で反芻するように同じ言葉を呟く。その様子はまるで悔しいと思ったことが無いかのように見える。
・・・・・アンタは、心ってもんがないのね・・・・・もういいわ・・・・・
(そう言うと、霊夢はそのままその場を後にする・・・・・
一番博麗の巫女と関わってきていながら、何もわかっていないじゃないかと、より一層悔しさが増す・・・・・
紫はただの傍観者であり理解者ではない、霊夢はそう判断した・・・・・)
紫
「……悔しい……ね、久し振りに聞いた言葉だったわ……」
幻想郷において、ある程度の換えを用意していたため、例えば霊夢が命を落としたところで新しい候補者を紫は複数考えていた……
悠久の時を生きている中で時間感覚も倫理観もまた、人間のそれとはかけ離れてしまっているのか、一人が死んでもまた新しい博麗の血筋を呼んでそれを代わりにすればいい。何人かは殺されるものの、先代や先々代のようにそれを撃退する才がある者も確かに存在する。その確率について、紫は二人の前例を元に計算した結果考え付いたものであり、巫女の生存率や生存期間、それぞれの感情については微塵の考慮もされていない……
心や感情について抑え込んでいる内に、紫自身も元々持っていた感情が圧殺されてしまっているからか、幻想郷の維持が出来るのならば、命さえも消耗品として見なしてしまう冷徹かつ非情、機械的なまでに無慈悲な思考に至ってしまっている……
【現状では、幻想郷の維持のためなら巫女の命さえも短期間限りの消耗品としか考えていない紫と、用意周到になるがあまり、登場前であるにも関わらず小物化している豺狼wwww
紫はこれから少しずつ変わっていくかも……?】
蔵蜜「・・・・・あの巫女の言う通りだ・・・・・幻想郷のこともわかるが、お前は代わりがいるからと博麗の巫女が命を落とすことさえもあまり大事として考えていない・・・・・」
(紫が幻想郷を想う気持ちもわかるものの、それでも博麗の巫女の命を軽視し過ぎだと忠告をする・・・・・
いくら代わりがいるとしても、命は無限に生まれる都合のいい道具ではない・・・・・
紫の今の考え方には、蔵蜜もかなりモヤモヤしていた・・・・・)
【豺狼さんの言われっぷりがどんどん酷くなってゆく・・・・・WWW】
紫
「………そうね、猛省するわ。」
軽口を言う霊夢をからかうようにして発した言葉だったのだが、確かに当事者の前で命を軽視した発言は些か不用意だったかと考える。
かつては紫もまた、少し変わっているだけの人間でありながら、途方もない年月の中を妖怪で居た事で内面的にも人間からかけ離れてしまっている事を自覚し、目を閉じるとそのままスキマを閉じて自身の屋敷へと帰って行く。
霊夢がこのまま豺狼による集落の襲撃に向かうか……それとも、神社の守りを固めて迎撃に専念するか……二つの道がある。
・・・・・紫の奴は、時々空気が読めないというか、何というか・・・・・
(やれやれどうしたものかと思いながら、上記を言えば、自身も森へと戻ってゆく・・・・・
そして、蔵蜜も単独で豺狼について調査を始める気でいた・・・・・
いくら力が強くても、妖怪との戦い方をまだ把握しきれていない霊夢は力的には見込みはあれど、このまま戦えば過去の悲劇を繰り返すだけだと思ったようだ・・・・・)
【博麗神社内】
・・・・・私は、間違っていないわ・・・・・
(紫の言葉についカッとなってしまうことや何とも言えない怒りを覚えてしまう・・・・・
が、間違っているのは紫だ、自分は間違っていない、そう思うことで幾分か気を紛らわすことが出来た・・・・・
が、時々、紫も沢山辛い思いをしてきて今のような性格になったのではないかと思えてくる・・・・・)
【返信送れてすみません!】
【誤字していました、遅れて、です、すみません!】
114:八雲 紫◆3.:2020/07/17(金) 18:36 【大丈夫ですよ〜、お気になさらず〜
この後里郊外に移動しますか?それとも神社でもう少し居ますか?】
【ありがとうございます!
里郊外でお願いします!】
魔理沙
「はあ…はあ……くッ!次から次へと沸いて来やがって……!倒しても倒してもキリがない……!!」
人間の里の郊外にある小さな集落では、霊夢が到着する少し前に豺狼の操る瘴気によって凶暴化した野犬の群れが襲撃しており、集落の戦える男衆と共に金髪の、魔法使いを連想するような白黒の服装をした少女……魔理沙が手にした緑色の液体が入った爆発性のある瓶を手に野犬と応戦している。
しかし、多勢に無勢、元々数人しかまともに戦える集落の男がいなかったのに対して相手は百にも及ぶ圧倒的なまでの野犬の大群であり、一人、また一人と倒れ、魔理沙もまた、服のところどころが野犬の爪や牙によって引き裂かれてしまっていて、その下には幾つもの傷口が作られてしまっている。
>>霊夢
【了解しました!!】
・・・・・何か嫌な予感がするわね・・・・・
(博麗の巫女のとしての直感か、霊夢は里の方で今正に凄まじい戦いが起きていることなど知らないものの、嫌な予感がすると呟く・・・・・
自分でも何故いきなりそう感じたのかは定かではないものの、確信とも言えるほどの自身が不思議とあった・・・・・
霊夢は、急いで里へと向かい始める・・・・・)
>>魔理沙
豺狼
『ククク……お前は確か魔法使いの成り損ないだったなァ?お前を喰らえば魔力とやらもこの俺様のモノに出来るだろう。詰まらねぇ肉塊共よりも前にお前をこの俺様の糧にしてやるよ!!』
魔理沙
「く……そ……ッ!
ここまで……か……。」
魔理沙もまた、集落を守るためにまだ未完成な魔法技術を用いて応戦していたものの、最大魔力量も人並みしか無く、会得出来た魔法もほんの初歩の基礎魔法を数個だけであり、戦い始めて直ぐに魔力が底を付いてしまう……
眼前には体長3mにも及ぶ見上げるように巨大な二足歩行をする狼の頭蓋骨を被り、赤黒い刺が身体中から生え、禍々しい異様な姿をした巨大な怪物……豺狼が抵抗する集落の人々をその爪の一振りでバラバラにしながら迫って来る。
そして、手の届く距離にまで豺狼が近付き、数多の命を奪って来た巨大な鉤爪を振り上げた時、既に両足も動かせないほどに消耗してしまった事から回避さえも出来なくなった現状から、自身の死をも悟り、目を瞑る……
目を瞑った魔理沙の脳裏には勘当され、あれほど憎んでいた筈の父親と母親の顔が脳裏を過る……あの二人の事だ、一人娘だった自分を勘当したところで、もう新しい養子を迎え入れている事だろう……
里の大人達からも魔法を使うために魔法の森に住むようになった狂人奇人と蔑まれて来た……だが、死が目前に迫った時、ふと瞼の裏に思い浮かぶのは嫌っていた筈の両親と里の光景だ……
立派な魔法使いになりたかった。
何でも守れる偉大な魔法使いになりたかった。
最後に両親の顔を見たかった……
もはや叶わない数多の願いを抱きながら目を瞑る魔理沙の頭上には、振り下ろされた豺狼の鉤爪が空を切り裂きながら迫る………
>>霊夢
随分やってくれたじゃない、下等小物妖怪・・・・・
ビシイィッ・・・・・!
(魔理沙に振り下ろされる鉤爪が迫る中、豺狼の背後から「下等小物妖怪」という言葉が聞こえる・・・・・
そして、豺狼の背中に何かが貼りつくような違和感が走る・・・・・
気配などなかった、突然背後に現れた・・・・・
そうとしか言えないほど、いきなりの出来事だった・・・・・)
>>豺狼、魔理沙
豺狼
『ぐ……!なんだ……!?』
魔理沙
「誰だか知らないが助かった!!」
《ドゴオォォォォォォォォォォッ》
目を閉じ、来るべき死痛に備えていた中、豺狼が背中に違和感を感じた事で振り下ろされた鉤爪が寸前のところで止まり、豺狼の唸り声が聞こえたところで、目を開けた魔理沙はそのまま両手を豺狼に向け、その掌から残っていたありったけの魔力を光の波動に変えてぶつけ、豺狼の巨体を吹き飛ばし、直ぐ様立ち上がる。
>>霊夢
・・・・・どうやらこのお札、相当効くみたいね・・・・・
(先ほど操られていた野犬にも効いたお札を何枚か持ってきていた為、それを使ってなんとか豺狼の動きを封じてみせると、このお札は相当効くみたいだと呟く・・・・・
そして、魔理沙のところまで行くと「アンタこんなところで何してるの?死にたいの?」と言い・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
魔理沙
「おい!後ろ!!」
豺狼
『ガアァァァァァァァァッ!!!』
《ゴオッ》
魔理沙は側に近付いた霊夢を見て言葉を返そうとするが、豺狼が御札による邪気払いを受けながらも動き、その巨大な鉤爪を振るうのを見て、霊夢に飛び付いて地面に倒れ伏すようにして豺狼の爪から一緒に逃れようとする。
野犬であれば御札一枚でその邪気を全て払えていたものの、その根元たる豺狼が持つ邪気は操られていただけの野犬とは比ではなく、加えてこれまで喰らった博麗の巫女の宿していた霊力をも取り込んでいるため、動きを一時的に鈍感させるぐらいにまで軽減されている……
>>霊夢
っ・・・・・!あ、危なかった・・・・・こんなのに巻き込まれたら、一溜りもないわね・・・・・
(魔理沙が飛び付いて助けてくれたおかげで、間一髪でなんとかなった・・・・・
しかし、こうして忠告や避難をさせる間も与えず、即座に攻撃を仕掛けてくるとは・・・・・
小物の割にはやることはかなり大胆と見た・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
豺狼
『この目障りな力は……博麗の巫女か。また新しい巫女(エサ)を持ってきたようだが、わざわざこの俺様の前に出すとはとうとう気でも狂ったか賢者共!!』
その気になれば、本来であれば巫女になる以前の記憶がない霊夢どころか、まだ魔法使いとしても魔女としても経験の浅い魔理沙でさえも反応できない速度で豺狼は攻撃出来ていたにも関わらず、魔理沙が霊夢と共に回避出来た事から御札の力で自分の動きが大幅に鈍化している事を知り、その苛立ちを吐き捨てるように霊夢を見下ろしながら言う。
豺狼
『だが……この俺様がわざわざ戦うまでもねぇ!テメェら!コイツらをまとめて八つ裂きにしろ!!』
豺狼は御札によって体の動きが鈍っている事から、豺狼は後方へ飛び退いて距離を取ると同時に、万が一を考慮して周囲にいる百匹前後いる野犬の大群に攻撃命令を下す。
すると、野犬の大群はジリジリと霊夢と魔理沙の二人を包囲するように動きながら少しずつ距離を詰め、隙があれば即座に飛びかかろうとする。
【見下している相手に対しても、自分では直接戦わずに幾らでも替えの効く手下を使って様子見をする卑怯者スタイル……!】
>>霊夢
【あ、雑談や相談用の場所を建てましたので、もし宜しければどうぞ!
http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1595239279/l2】
わざわざ戦うまでもない・・・・・?本当は自分で戦うのが怖いんでしょ・・・・・?
(豺狼を煽りながら、野犬達に攻撃されないように、札を構えながは魔理沙を庇うようにして警戒する・・・・・
そして、野犬達の能力的には、さっき戦った野犬達と同じくらいなのか、それとも)
わざわざ戦うまでもない・・・・・?本当は自分で戦うのが怖いんでしょ・・・・・?
(豺狼を煽りながら、野犬達に攻撃されないように、札を構えながは魔理沙を庇うようにして警戒する・・・・・
そして、野犬達の能力的には、さっき戦った野犬達と同じくらいなのか、それともまた違った感じなのか・・・・・
札にも限りがある、慎重に戦わなければと思いながら・・・・・)
【途中送信すみません!
豺狼の小物感がどんどん増していく・・・・・もはや小物とかいうレベルに収まり切るのかどうか・・・・・W
雑談所了解しました!】
>>魔理沙、豺狼
魔理沙
「博麗の"巫女様"が来たのなら心強い、パーッとコイツらを蹴散らしてくれ!」
魔理沙は懐から傷や失った魔力の一部を回復する事が出来る特製のポーションの入った小さな瓶を取り出しながら、霊夢に蹴散らして欲しいと頼む。
豺狼の言葉が本当なら、彼女はあの博麗の巫女であるため、野犬の百や二百なら簡単に蹴散らせるだろうと思い、豺狼の追撃に備えて回復に専念しようとしている。
だが、幾ら才能があるとは言え、霊夢は巫女になって二日目であり、まだ博麗の巫女としての力を充分に引き出すのは難しいだろう……
【いえいえ、お気になさらず〜。
雑談所の方もありがとうございます!
豺狼の小物ウェーブが止まらないwwww】
>>霊夢
・・・・・随分簡単に言ってくれるわよね・・・・・
バッ・・・・・!
(霊夢は素早い動きで野犬達に次から次へと札を投げつけてゆく・・・・・
野犬達に効いたとしても、豺狼に対しては一時的に動きを鈍らせるほどの効果しか得られない・・・・・
となれば、豺狼を一時的だとしてもどうにかして里から遠のかせなければならない・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【ありがとうございます!
豺狼が可哀想になってきた・・・・・W(哀れみ)】
魔理沙
「よっし!魔力もだいぶ回復できた……って、なんだなんだ?"巫女様"ならもっと派手なやつで一掃すると思ったんだが……」
ポーションを一息で飲み干し、自分の右手を見ながら開閉し、失われた魔力が回復して来た事を実感しながら、ふと視線を戻すと、霊夢が回避をしながら札を野犬に貼り、少しずつ野犬達を浄化して回っているのを見て、博麗の巫女であれば強力かつド派手な範囲技で一掃すると思っていた魔理沙は驚きのあまり目を丸くする。
野犬達は魔理沙など目に入っていないかのように霊夢にだけ幾度となく飛び掛かかり、牙や爪を振るっている。それもその筈だ、魔力も体力も尽きかけの魔理沙よりも、どんな技や力を使うのか未だに未知数の霊夢を警戒するのは当然だろうか……
>>霊夢
【しかも、地獄に堕ちても畜生界で早鬼さんにボコられると言うwwww】
アンタ何してんのよ!喋っている余裕があるならすぐに逃げなさい!!!
(今相手にしているのは豺狼ではなく、豺狼の手下の野犬達だ・・・・・
つまり、今この時、豺狼本人を相手にできるほどの余裕は、霊夢にはない・・・・・
回復した上での見知らぬ魔法使いの少女の実力がいかほどのものなのかは知らないものの、喋っている余裕があるなら今すぐこの場からできるだけ遠くに逃げるように声を荒らげて忠告する・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【小物道を突き進む、正に小物の鑑ですねW】
魔理沙
「おっと、この大魔法使い魔理沙様の噂を知らないのか?そろなら、山をも焼き尽くすこの私の力を見せてやる!」
魔理沙は右手を挙げて指を鳴らす。すると、魔理沙の周囲に薄緑色の魔法陣が四つ展開され、そこから魔法陣と同じ緑色に発光する多数の光弾が一斉に解き放たれ、
霊夢が点で攻撃するのに対して、魔理沙は面による同時攻撃を行う事で、生き残っていた集落の人々に襲いかかろうとしていた野犬も撃破し、守ることに成功する。
最も得意としている一点集中攻撃では無いため、その魔力の消耗が激しく、一発一発の威力も落ち、建物を破壊しないように注意や意識を分散させているが、それでも複数発光当たれば野犬を戦闘不能に出来るだけの威力がある。
集落の守護をしていた時は消耗を抑えて戦っていたが、博麗の巫女である霊夢が到着した事で、最悪敵の親玉である豺狼は霊夢に任せれば良いと思い、攻撃に専念する事が出来るようになる。
>>霊夢
【ですwwwww】
アンタ・・・・・いくら魔法使いだからって、私は立場上一般人を戦いに巻き込んじゃいけないのよ!援護は嬉しいけど、早く逃げなさい!
(いくら魔法使いでも相手は一般人、博麗の巫女である以上、一般人を戦いに巻き込んでしまったら元も子もない・・・・・
援護は助かるものの、過去に博麗の巫女を何人も喰らってきた凶悪妖怪が目の前にいる以上、非常に危険な状況であることに変わりはない・・・・・
霊夢は再び魔理沙に忠告をする・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【断末魔とかも小物っぽくないそう・・・・・W】
魔理沙
「はッ!私を舐めるなよ!このくらい直ぐに片付けてやる!」
魔理沙は辺り一面にいた野犬を一掃すると、近くに落ちていた箒を自分の手元へ引き寄せてそれに乗り、箒の上でバランスを取りながら立ち上がり、そのまま勢いよく空中を飛び回り、手にした八卦炉から金色の光弾を放って霊夢による野犬退治の手助けをしていく。
そんな中、魔理沙に気を取られている霊夢に向けて四匹の野犬が正面から飛び掛かり、霊夢の体を引き裂こうとする。
>>霊夢
【断末魔ってwwwwww】
《まさかここまでの実力とは・・・・・》
(魔理沙がここまでの実力を持っているとは思わなかったのか、言葉には出さないものの、表情には驚きを隠せずに表れている・・・・・
そして、魔理沙の戦い方に気を取られていたものの、瞬時に「邪魔よっ!!!!!」と言い、札を投げつけて対応する・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【悪役は断末魔で全てが決まる(嘘)】
豺狼
『……ちッ!思った以上に厄介だな……此処は一旦雑魚を喰って力を蓄え直すか……!!』
霊夢と魔理沙の二人が数の差をものともせずに百にも及ぶ獰猛な野犬の大群による攻撃を避けながら反撃し、撃破して行っているのを見て、このまま二人まとめて相手にするよりも、怪我を負った集落の人々を喰らって力を底上げした方が良いと考え、勢いよく地を蹴り、近場の民家に突っ込み、中にいる人間の親子を喰らおうとする。
魔理沙は迫り来る野犬の大群に対処するので手一杯であり、とても民家や豺狼への警戒や注意が出来ずにいるため、防げないだろう……
>>霊夢
【グ…ズ…ギュアアアアアムッ!とかどうですかね(ネタが古い&マイナー過ぎる)wwww】
【あ、それと向こうの方にもちょっと質問を投稿しておきました!】
138:博麗の巫女◆gI:2020/07/23(木) 20:48 アンタ、博麗の巫女の前で堂々と里の人間喰らおうとするなんて、小物の雑魚にしては随分いい度胸してるじゃない・・・・?
ドゴォッ!!!!!
(霊夢は片手に札を構えたままの状態で、豺狼の顎を思いっきり殴り飛ばし、そのまま札を貼り付け、そして
「死にたくなかったら早く逃げなさい!!!!!」
と、親子を避難させようとする・・・・・)
>>豺狼、魔理沙
【独特過ぎるW 人間じゃなさそう・・・・・W】
【了解です!】
豺狼
『ゲヘェッ!!?』
《バキバキバキバキバキッ》
民家の壁を破壊して巨大な口を開けて怯える齢5歳ほどの小さな子供と、その子供を守ろうと抱き締めていた母親をまとめて喰らおうとしている中、豺狼の顎に直撃した霊夢の一撃によって豺狼の巨体が民家の内壁へ殴り倒される。
母親
「ありがとうございます、巫女様!このご恩は忘れません……!」
豺狼
『グググ……クソッ!!たかだか人間(エサ)ごときが図に乗るなァ!!』
《ギュオッ》
霊夢に頭を下げて急ぎ足で豺狼のいる民家から外へ逃げ出し、そのまま里に向かって娘を抱いて走って行く。
外では魔理沙が野犬達を引き付けているため、追撃の心配も無いだろう。
だが、立ち上がった豺狼は殺意を隠す事すらしなくなり、憎悪と憤懣を露にし、罵声と共に右腕の爪を振るい、霊夢の体を引き裂こうとする。霊夢の御札による浄化によってダメージを受けてその力も抑えられているにも関わらず、その爪は人体を引き裂くには十分すぎる程の威力がある。
>>霊夢
【はい、人間じゃない&ラスボスの断末魔ですwwww
FFだったかなwww
なんだか面白そうなので、人助けをしたり、幻想郷にとってプラスになる事をした場合、今後の展開や、後の物語にも関係してくるようにしようかなと思います!
(*´ω`*)】
《これで巻き込まずに済むわね・・・・・さて・・・・・》
そっちこそ・・・・・小物ごときが図に乗るんじゃあないわよっ・・・・・!!!!!
ボチュッ!!!!!
(霊夢は豺狼の次の攻撃を大体予想できていたのか、瞬時に豺狼の動きに対応して攻撃を避けると、そのまま高く飛んで豺狼の右目をさっき顎を殴り飛ばした時と同じ威力で殴り飛ばす・・・・・
眼球に拳がめり込む音が、実に生々しくて気持ち悪い・・・・・)
>>豺狼、魔理沙
【どのような感じで関係してくるのか、期待ですね・・・・・】
豺狼
『グ……オォォォォォォォッ!!?』
右目の視界が漆黒に変わると同時に脳を駆け巡る激痛により、豺狼が凄まじい咆哮を上げて華奢な霊夢の体を吹き飛ばし、右手で右目を押さえ、少し後ろに後退る。
豺狼
『ツッッッ……!!クソッ……クソッ!クソガアァァァァァァッ!!!』
【「暴魔の一撃」】
《ゴアッ》
霊夢によって潰された右目からは血が滴り、豺狼は殺意と憎悪に満ち、血走った目で霊夢を睨み付けると、右腕にこれまでの歴代の巫女達から奪い、蓄積して来た莫大な力の一端を破壊エネルギーの塊として地面に叩き付けると、地面には直径10mのクレーターが形成され、さらにクレーターを中心に周囲の地面に無数の亀裂が地面には刻まれ、集落の建物の一部が倒壊し、辺り一帯が土埃で満たされてしまう……
魔理沙
「しまった……!!?」
豺狼
『ある程度の力があったら大人しく下がってやろうと思っていたが止めだ!お前は必ずこの俺様の手で引き裂いてその臓物を貪り尽くしてくれる!!!』
立ち込める土埃の中、豺狼は呪詛のような言葉を口にすると、豺狼の気配が消え、何処かへ去って行く……
だが、豺狼が残したクレーターと亀裂によって倒壊した民家の中にはまだ多数の集落の人々が取り残されており、大勢の人々が倒壊した建物の下敷きになったり、脚が瓦礫によって潰され、動けなくなった人々の悲鳴と助けを求める声が聞こえてくる……
豺狼はこうして広範囲に被害を与えることで霊夢と魔理沙が追えないようにする事で、逃亡するための時間を稼ぐことを考えているようだ……
豺狼にとって、人々の命など自分の逃走手段に使える多数ある手段の一つにしか考えていない事がわかる……
>>霊夢
【お試しとして、最初の選択肢!
→豺狼を追わずに集落の人々助ける
→豺狼を追って集落の人々を見殺しにする】
やれるものならやってみなさいよ!!!!!アンタみたいな小物の相手ならいつでもなってやるわ!!!!!
(そう言うと、)
【途中送信すみません!選択肢は前者の方でお願い致します!】
やれるものならやってみなさいよ!!!!!アンタみたいな小物の相手ならいつでもなってやるわ!!!!!
(そう言うと、霊夢は崩れた建物の下敷きになっている里の住人達を必死になって救おうと、瓦礫をどかし始める・・・・・
そして「アンタも手伝って!あんな小物今じゃなくても倒せるから!!!!!」と、魔理沙にも手助けを求める・・・・・
思いっきり吹き飛ばされようが、逃げられようが、今は里の人間達の救出が第一だと判断して)
>>魔理沙
魔理沙
「ああ、わかった!」
豺狼の撤退と共に生き残っていた野犬や、魔理沙に倒されたものの、意識を取り戻した野犬達も撤退し、逃げて行く。
霊夢が豺狼への追撃ではなく、集落の人々の救出を選び、自分に助力を求めたのとわかると、急いで霊夢と一緒に崩れた建物の瓦礫除去を手伝う。
集落の住人
「ありがとうございます、巫女様……!」
辛うじて野犬と戦いながらも生き残っていた集落の男衆も共に瓦礫の撤去を手伝い始め、次々と瓦礫の下で身動きが取れなくなっていた人々を助ける事に成功する。
だが……中には瓦礫の下敷きになり、押し潰されて死亡している人々もいた……
とは言え、霊夢が救出を選んだ事で、数多くの人々がその命を救われ、霊夢への感謝の言葉を口にしていく。
>>霊夢
【いえいえ、お気になさらず〜。
(*´∀`)ノ
はい!了解しました!!】
・・・・・当然のことをしたまでよ・・・・・
(そう言うと、崩れた建物に押し潰されて命を落とした住人達を見ては、霊夢は複雑な表情になる・・・・・
自分は命を救うことが出来たが、同時に救えなかった命もある・・・・・
それなのに「ありがとうございます」と感謝されるとは・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
【ありがとうございます!】
魔理沙
「私達だけじゃとても手が足りない……里の方からも人を呼んでくるからちょっと待っててくれ!」
魔理沙は自分や霊夢のように細い腕、大人の男に比べて非常に少ない筋肉しか無い事から瓦礫が重すぎるあまり持ち上げられないものもあるとわかると、箒にまたがりながら霊夢に里からの応援を呼んでくると告げ、応答を待たずにそのまま里の方へ向かって飛んで行く。
救えた命と救えなかった命……
この二つを前にした時、紫の言葉が幾つか蘇る……
"全ての者を救うことはできない"
この非情な現実がまざまざと霊夢の前に立ちはだかってしまう……
>>霊夢
《運命は変えられない・・・・・‐》
(あの時の紫の言葉が脳裏に蘇る・・・・・
もしこれも運命だったとしたのなら、最初から既に決まっていた結末だったとしたのなら・・・・・
自分は今、変えられなかった運命を目の当たりにしているということになる・・・・・)
・・・・・
(無言で瓦礫に手をかけたまま俯き、冷や汗を流す・・・・・
これが変えられない運命というものなのか・・・・・
違う、変えられるはずの運命を変えるのに間に合わなかっただけだ・・・・・きっとそうに違いないと、霊夢は思うしかなかった・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
運命とは何だろうか。
紫の言う決められた道筋……未来なのか。
それとも人が生まれながらにして背負う業なのか……
その答えは神ですら知らないのかもしれない……
ほどなくして人間の里から多数の男衆を率いた魔理沙が駆け付けた事でこれまで女手だけでは重くて持ち上がらなかった瓦礫や残骸を退ける事にも成功し、倒壊した民家の下敷きになっていた集落の人々の半数が救われ、家を失った人々は改めて人間の里へ移り住むようになった。
だが……残る半数の人々は瓦礫に押し潰された事で死亡しており、その中にはまだ幼い子供の骸もあった……
豺狼が襲撃しなければ、最初に神社に豺狼が斥候と共に霊夢の実力を測るために訪れた時に倒せていれば、こんな悲劇は起こらなかったのかもしれない……
>>霊夢
【これで豺狼を打ち倒す理由ができましたね……!
殺された巫女の仇、集落の人々の仇……!!】
・・・・ぁ・・・・・ぁあ・・・・・
《どうして・・・・・?あいつをどうしてあの時私は倒さなかったの・・・・・?あの時倒していれば・・・・・どんなに自分が傷ついてもあの時に倒していれば・・・・・どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして》
(子供の亡骸を見た途端、両手で頭を抱え、怯えるようにガタガタと震えながら何故野犬が神社を襲撃したあの時に豺狼も倒しておかなかったのかと自分を責め始める・・・・・
心が今にも砕け散りそうなほどに・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
【小物なのに割とやることがかなり凶悪な豺狼さんWWW】
151:運命◆3.:2020/07/24(金) 20:08 魔理沙
「……?おいおい、博麗の巫女と言うことだからとんでもない力を持った超人だとばかり思っていたんだが、普通の人間とそんなに変わらないんだな?」
霊夢が自責の念と後悔に押し潰されそうになっている中で、この幻想郷において博麗の巫女は悩まず、迷わず、悔いず、超然とした人間でありながら神や妖を超えた超人だと思っていたため、いざ目の前にすると博麗の巫女も大したことがないんだなとからかうように言う。
>>霊夢
【これが我が逃走経路だァーーーーッ!!!】
・・・・・は・・・・・?目の前で救えたはずの命が救えなかったのよ・・・・・?何で平気でいられるの・・・・・?
(霊夢は里に出向いて博麗の巫女としての任務を行うのは、今回が初めてだったこと、そして、初めての任務でいきなり何人もの命を救えなかったこと、まだ幼い子供まで巻き添えになってしまったこと・・・・・
霊夢はもうこの時点で心が追い込まれていた・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
【逃げるんだよォーーーーーッ!!!!!】