(都合により、トリップのみで書き込みさせて頂きます。)
白く重たい、味気無い空を見ると、何だかとても狭苦しい気分になる…そんな、冬の日の事。
無情な冷たい風が吹く。顔や耳も冷えて、指先も…まるで、死んでしまったかの様に冷たい。
でも、歩く。だけど、歩く。
君の元へ行こう。暖かい家へ行こう。
そして、落ち込んだフリをしてこう言うんだ。
「ただいま。…帰って来てすまないね」
って。そう考えながら、歩を進める。君の心配そうな顔と声を頭に浮かべて。
「ただいま。…帰って来てしまってすまない。」
「おかえりなさい、ベルさん。…もう、謝らないで下さいよ。」
少し悲しげに微笑むワトソン君。そこまで心配させる気はなかったのに。ん…?でも、ワトソン君に何か嫌な事があったんじゃ…
そうだ、そんな時はこうすれば良い。
「ワトソン君、こっちを向いてくれ。」
「何ですか?ベルさ…」
そっと抱き締めて、頭を撫でる。ふわりと金色の髪を鋤いて…いつもの、君の匂いに落ち着く。
「嫌な事があったり、疲れたら、無理はしないでくれ。何かあったんだろう?」
「…はい。ありがとうございます。」
身を委ねてきたから、ソファーに連れていって横にさせる。いつもの温もりが、握った手から伝わってくる。
「ベルさんの手、冷たいです。」
「ワトソン君の手は、温かいよ。」