アイン・ソフ・オウル 〜Riging sun curiosity〜 リメイク版

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4:キュリオス:2017/04/06(木) 16:25

謎めいた少女が立ち去ってから30分以上——正確な時間は分からないが多分そのくらい——が過ぎた、痛みはまだあるが立ち上がれるようにはなった。
負傷した足を引きずりながら帰路につく、途中ごみ捨て場にあったビニール傘を杖代わりに出来たおかげでかなり楽に家の前まで来れた、それでも普段の倍以上の時間を掛けたのだが。
問題はこれからだ、この状況を七海にどう説明すればいい? 怪物に襲われたと、ありのままを語っても信じてはくれないだろうし、七海に嘘をついても一瞬で見破られる、あぁ結局ありのままを語ることなるのか。
面倒な事に七海の部屋の明かりはまだ点いている、心配してくれるのは有難いが、正直寝ていて欲しい。
まだ俺自身、自分の身に何が起きたかよく分かっていないから上手く説明出来る自信がない、あの少女は人ならざる者になったとか言っていたけど実感はない、角でも生えれば信じてくれるのに……。
そんなことを考えつつドアノブに手をかけてドアを開けた。
「……ただいま」
「——颯(はやて)!?」
ダダダダっとすごいスピードで階段を駈け降りてきた幼馴染みは顔に驚愕の色を浮かばせて目を白黒させている、きっと文句か何かを言おうとしていたのだろうが俺の姿を見て、そんな思いは頭からきれいさっぱり消え去ったようだ
無理もない家族や親しい友人が傷だらけで帰って来れば誰だってそういう反応をするだろう。パニックにならないだけマシか。
数秒の沈黙の後、七海が口を開いた。
「ちょっとあんた、ボロボロじゃない……血出てるし、大丈夫?」
「大丈夫と言えば嘘になっ——」
七海の声を聞き全身から力が抜けた、俺は頽れる身体を制御出来ずその場に倒れ込む。
七海は突然の事に言葉を失っているようだ。
「すまない七海肩貸してくれ」
「え、あ、うん、わかった」


そうして俺は七海の肩を借りてどうにか使わせてもらっている部屋に辿り着いた、部屋に入るなり有無を言わさずベッドに寝かされ毛布を掛けられる。
七海はと言うとベッドの端に腰を降ろしじろじろと物珍しそうに俺の方を見ている。そして状況が理解できたのか小さく頷いて口を開いた。
「さ、本題に入ろうかな、颯君。一体何をしたら、そんな怪我になるのかな」
「シオマネキみたいに右腕がでっかい怪人と喧嘩したらこうなるよ」
「……颯、それマジで言ってるの?」
まぁ、普通そうなるわな、でもこれは実際に起こった事だから、誰にも信じてもらえなくても俺は真実を話そう、七海の前で嘘はつけないし。
「あぁ、マジだよ、信じなくても良いけど事実だ」
「ちょっと信じられないかな、でもあんたの言うことだから全部嘘って訳じゃないんでしょ。」
半信半疑か、でも半分だけでも信じてくれたなら俺は満足だ。
「あ〜それからわたしに心配かけた罰、怪我治ったら買い物とか付き合ってもらうんだから、あとパフェおごって、でっかいやつ」
「それ、デートのお誘いってことでオッケー?」
「なっ、何言ってんの、そ、そんなデートとかじゃあ」
「違うのか」
「ちっ、違っ……違っ、違わない……」
顔をトマトみたいに真っ赤にして七海は小声でぶつぶつ呟いている。たかがデートぐらいで真っ赤になる辺り七海はまだまだお子ちゃまだな。

episode1 end


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