アイスベルク共同体

この氷山近郊地帯の地中には、ルシファーが、神の怒りによって軟禁されている。
ゆえに、外部の力がなければその軟禁は解き放たれることはまずない。
俺は、ルシファーを目覚めさせなければならない。

ベルフェゴル、待っている

あ、待たせちゃったかな？

君が私を誘ってくれた事に感謝するよ。
ありがとう、メフィスト君。
そしてよろしく。

俺の勧誘は、運命の導きに従ったにすぎない。さて、さっそくだが、ベルフェゴル、お前の生命への安全と怠惰な暮らしを手に入れるには、我々の目的を果たさなければならない。

まずは、我々の組織を築き上げることからだ。
そして、必要な人材を見つけ出し協定を結ぶこと。
最終的には、来たるべき時に向けてアイスベルク財政を豊かにし、忠義ある同胞、そして武器に不足がないようどんな手を使ってでも攻撃、防衛に関しては徹底することだ。

来たるべき時は、残り数ヶ月しかない。
そして、それまでに、ルシファーの覚醒を遂げなければ、我々、神に対する異分子は全て科められることになる。つまり、この世界、現世から排除される。

その来たるべき時の為に私は勧誘されたというわけか。
とりあえずの目標はここを支配することかい？

この地を支配、そしてこの組織を拡大させ、いつしか神への反逆を果たし、新天地を開拓していくのだ。
この計画はベルフェゴル、お前の安全のためでもある。

俺たちにとって、煥然、燦然、煌然と光を放つ天界は不要、必要なのは闇のみだ。あの光を全て、ドス黒い闇で飲み込み、傲慢な神を絶望へと捩じ伏せることこそが真理だ。

現世の流転は俺たちに委ねられている。
ベルフェゴル、気づいたか？この輪廻の波動、永久に循環し続ける魂の残滓が散り積もった結果、強大な怪物を作り上げてしまったことに。

では、この計画はこの世界の為でもあるということか。

そうだ。全ては、傲慢な神によって、身勝手に操られるこの世界そのものを破壊してしまえば、新たなる創生が可能となる。
ところで、 ベルフェゴル、お前の能力、そして性質を知りたい、能力に応じて役割を決定しなければならないのでな。

私の能力？
まぁ、空間超越といったところだよ。
自ら動くのは嫌いだからね。

返信待ってるよ。
君の能力とかも知りたい。

空間超越だと？莫大なエネルギー源が必要となりそうだが、その源はどこから漲るのか些か気になるな。
また現在、俺に特殊な能力はない。堕とされた時、ミカエルによって断ち切られた。
しかし少しの剣戟ならできる。
かつて地獄で幾星霜の時と共に精錬した冥剣シュナイデン ゴットを今は持ち合わせている。
この剣には、地獄に堕ちた愚民どもの血と苦しみが染みついている。ゆえにその怨念、邪念、惆悵などの凶悪な思念エネルギーが宿り続け、このエネルギーこそが、生命の輪廻を絶つことができる唯一の冥剣である。

旧サトゥルヌスだと？やつには、とてつもない狂気と魅魔の雰囲気を感じる。 そして撹乱される前にあの老いぼれには、死んでもらわなければならない。

まただ、また一人、天使がどこかで馳せ参じたようだ。
神は俺に困窘をもたらしたというわけか。
地上で合流した天使どもは、必ず計画を企てるだろう。
神の裁きが行われるのは3/1、その時に、天使の誰かが堕ちゆく運命とするのならば、来たるべき時というのはその日だ。
ルシファーの覚醒は3/1前に施しておかなければならない。

さて、これから新たな同胞を見つけ出しに行くとするか。
俺はしばらくベルリンへ行き、そこで堕とされた堕天使と合流する。
この氷山近郊地帯は我々アイスベルク共同体が直轄しているため、異分子の排除はまかせたぞ、ここに近づくものは、なんであろうと殺せ、いいな？ベルフェゴル。

見つけましたよ。

え〜、一応近づくものは殺せって命令なんだけど…

ど、どうしよう

メフィストさんはどこに居ますか。

私を殺害することはできません。何故なら、もう手遅れだからです。

ど、どういう意味ですか？

私はもう、貴方達とは違いますから。だから手遅れなのです。

つまり、過去は私達と同じだったと？

何が手遅れなんですか？

なぜ手遅れであるか…。それは運命による統計的優位性によって定められた私の消滅。いわば規矩、蒼氓への模範。
私の死はあらゆる宇宙の森羅万象に賛成され、神の決断が下された。
そう、私の死は正式なものとして確定しているのです。

だから最後に、神を憎み、反逆者であるルシファーさんを覚醒させようとしているメフィストさんに、私もこの共同体に参与したいと志願しました。
私も、神に対し憎悪心を抱いています。
献身的で、あらゆる人民に対し平等に幸せをもたらしてきたというのに、神はあろうかとか私の堕落、そして堕天する力さえも強奪し、混沌である宇宙へと葬った…。
私は神を殺したい…！
そして私の命が燃え尽きる前に、不条理なき新世界を創生したいのです

共同体への参加と関与はなんの力もない無能なお前にはむりだ。
それに、死期切迫のさなか、お前は焦りを抱くことになる。そうすれば作業と計画遂行の邪魔になるだけだ。
どうせ死ぬのなら、俺が殺してやろう。

神が確定した処刑であろうと、俺の扱う冥剣シュナイデン ゴットは、神聖を穢し、いかなるものであろうと神の被造物ならば破壊することができる。したがってこの剣に破壊できないものはない。

今のは盛りすぎか、破壊できないものが一つだけあったな。この冥剣に唯一破壊できないものがあるとすれば、神だ。

ちょ、待ってくださいよ！
もうとっくに死の切迫を感じています。なので、焦りの時期は過ぎましたよ！
それに、私はメフィストさんの味方ですぅ！

…、なら、証明してみせろ。
人間を殺してその首をここにもってこい。
ただし、お前が人間を殺したとバレることないようにしろ。無論、犯人がお前に辿り着くことのないようにすることも当然。
これは、俺の犬になるか否かを判決、審議する試験だ。
分かったならとっとと行け。

人間には罪はないですよ……。私にはできません…

何言ってやがる、この無能野郎が。
いいか？人間はな、愚かな神が被造した一つの欠陥万象だ。しかも人間という被造物は、愚かで醜悪な感情を持ち合わせているゴミのような存在だ。一人消すことに何をためらっている、愚図が。

…でも、醜い感情をもたせたのは、悪魔の誘惑や、大罪の悪魔からだと従来の書に書かれていましたよ……
色欲の悪魔は、人間に色欲の感情を唆らせた、
強欲の悪魔は主に財に対する魅惑を強調させ、人間に欺きの知識を提供した、
怠惰の悪魔は、人間を怠けさせた。
暴食の悪魔は、人間を同じ人間同士で互いの人肉を食べさせるよう命じた。
嫉妬の悪魔は人間に嫉妬し、たくさんの人たちに退廃的感情をもらたし、嫉みの感情を与えた。
憤怒の悪魔は人間に怒り、不条理にその憎悪をぶつけた。そして帰って人間たちの怒りを抱かせる発端となった。

……。

ようするに、今の惨状的な人間は、悪魔のせいってことか？どうなんだ

宇宙人、お前には神への復讐はむりだ。共同体の参加も不可能。
お前は死、ね。(銃を向ける)

私の旧名はカスピエル。天界では南の精霊を統合していました。

ハーイ
ストップだよー
(手で受け止める)

黙れ。人間一人すらも殺害することができない無能が。
(銃弾を放つ、


すると旧カスピエルの背後にある巨大な礎から、身を隠していた人間の頭に銃弾が着弾する)

そうだ。こうやってこそこそと醜く話を盗み聞きするのが人間だ。醜悪で腐った神の被造物は一つでも多く排除しなきゃならない。それが神聖対抗心のないものなら尚更、殺戮しなきゃいけない。

おい、ザレッドがなんか知らないが誰だ。

そうだねそうだね
気持ちはわかるよ

なぜ…あなたはどうして…人間に罪はないのに…人間だって悪魔や神に踊らされてきただけなのに…。

あ、どうも
いやー(＾＾)
俺も参加したくなってさ

ザレッド、これは遊びじゃないんだ。そして、喜劇でもない、
したがって単なる好奇心や興味本意でここに参加するのは身を滅ぼすだけにすぎん。
あまり、深く関わろうとするとお前も消すぞ。

理解したのならば、とっとと家に帰ってムスコでもいじってろ。

分かってる分かってる
本気だから安心してよー(＾−＾)

……メフィストさん、私はあなたの神を滅亡させる計画には賛成です。ですが、人間をむやみに殺めるのは間違っていると思うのです。

黙れ、メスブタが。カスピエルだがなんだが知らないが、旧天使の分際で意見を言えると思っているのか？
所詮お前は女だ、だから、心も弱いんだよ。これより、凛々しく、怜悧で勇敢な男たちのみを最低条件とする。

私も女なんですが…

同じくー

堕天もできずただの旧天使、森羅万象にもお前の死を肯定されて、神にも見下され、地獄にもいけず、誰にもお前という存在を咎められなくて、孤独で寂しいんだろう？余命も定まり、怖くて怖くて、堕天使であるこの偉大で聡明な俺の足元に泣きつきにきたんだろう？ハハハハハハ…！滑稽話にもほどがあるわ…！お前のような無能は、ゴミのような悪魔を相手にする醜婦でもしとけ。この売女が。

ううぅ……ヒドイ。

一回落ち着けメフィちゃん

落ち着く？落ち着けるわけがないだろう。こんな天使のちりにも満たない愚図は、さっさとネジ潰されればいいのだ。
愚かな人間を庇うとはな。はっ…今日は気分が悪い…！！
ベルリンから疲れて帰ってきたらこんな泣き噦る売女天使が居たんだぞ。
それにベルフェゴルは何をやっている、俺は異分子の排除を命じたはずだぞ。この怠け者が…！

耳が痛いな

庇ってない庇ってない
テンション上がり過ぎって事
ほら、深呼吸、深呼吸

うえーん…ヒドイよぉ。メフィストさんのばか…あなたは同士で人間が嫌いなの…？

旧カスピエル、お前はとっとと帰れ。
今日は本当に最悪だ。酒でも飲みに行く。
じゃあな。ゴミども、寝るんだったら、この施設の上の会場に暖房の温度を上昇させるリモートコントロール式の機械がある、それを使って怠惰に惰眠でもしとけ。

ほいほーい
(機械を壊す)

…お酒って人間が作ったものです…よね…？…

…黙れ…！

ちょ、ザレッド君何してるんですか

ひぇっ…！ごめんなさい…！

ん？暇つぶし

メフィストさーん？

酒飲みに言ったぽいねー
大丈夫？お前ら

あれ？居ない…？

あ、はい！私は大丈夫ですよ！

そっかー
良かったねー

私の仕事を増やさないでくれ

はい、よかったです…、ところでなぜザレッドさんはここに？

ベルフェゴルさん、私は異分子ではありませんよ！
メフィストさんと交渉中なので現段階では同胞になりかけです…！！

ん？暇つぶしとか色々






あ、でも入ろうと思ってるのは一応だよ

ここに近づいた時点で、私は君達を排除しなければならないんだよ。

そっかー…
お前とはいいジュースとかが飲めそうだったんだけどなぁ…

ベルフェゴルさん、どうせ私は死ぬ。
それに私はメフィストさんに殺されたい！
だから…殺さないで、ね？

ま、俺はそもそもの問題だしなぁ。

ザレッドさん、何が問題なんです？？

だって、俺不　老　不　死ですし、お寿司、河童の手巻き寿司。

…不老不死…この世でもっとも怖い災厄と天界では轟かれていました…
辛くないんですか？…その、永劫と続く未来と終わることのない自分は。
周りは破滅し、自分だけが生きてゆく。

君がメフィスト君に殺されたかろうが、私には関係ない。
君達がここに近づかなければ、私がメフィスト君に怒られることは無かったのにっ！

そして、私が君を排除しなかった…いや、排除できなかったのは君が不在だっただけであって、今ここで私が直々に手を下し、あの世へ送ってやることも可能だっ！

ベルフェゴルさん…！！待って…！まだ殺さないで…お願いします…！
そうだ、この上着あげるから……
この上着たたむとちょうどいいもふもふの枕になるんです、これを使って寝るとぐっすり眠れますよ！

>>86まぁ、確かに少しは辛いね
氏んでも永遠に氏ねないし
自分でも色々試したよ？
でも駄目だった。
まぁ生きてるから今の部下とか友達？みたいなのもいるし
あ、長々と喋ってごめんね

ザレッドさん…私はあと二ヶ月か、もっと早くかに神に殺されます。
ですが、神を倒せば、神の座として、世界の事象を改変する権利が与えられます。
もしかしたら、神の座を取れば、不老不死という定めや、死期切迫という定めを変えることができるかもしれません…

覚悟できるんなら
…今あるその不老不死の薬飲む？
(ポケットから瓶を出しながら)

んん…………。い、いえやっぱりやめておきます…私にはザレッドさんのような強い心はもちあわせていないので、すぐに破綻するでしょうし。それになにより、現実を受け止めることができなくなりそうで、怖いんです。永久というのは。

そっか、まぁ絶望に負けない様にはしとけよ

…はい！ありがとうございます。
私は必ず神を砕き、自分の運命を変えてみせます。
…ザレッドさんも、私に何か力になれることがあれば言ってくださいね…

おう、頑張れよ(満面の笑み)

さて、今日はここで寝ちゃいましょう…！
少しでもメフィストの力になりたい、そして彼の人間を厭う思想を変えるんです。
人間は、一部の悪魔と一部の天使、そして神によって惨く翻弄されてきたということを突きつけるのです。

…俺もここで寝るか
暇だし眠いし

ザレッドー黄泉の国で永遠に寝てねぇなら返信くれー
乱入すまんー
入るわー

んん…(声を変える)
久々だがここは我の城で話そう