ほう、こんなところにおぞましき集会が行われていたとは実に奇奇怪怪。
私は、吸血鬼の社会科学者でございます。
日々、知を持つ種族間での、争い防止、内政不干渉の原理を基底としながら、批判を言い合いなんとかバランスを保とうと力の限りを尽くして今日に至ります。
況や、私は中立であるため、というかこの中立という安穏な立場に根を生やすため、持論を唱えず、あくまで手助けとして、主観を除いた見方で各種族間の社会状況を説明し、解釈し、批評していくことが、種族間の険悪な対立を緩和させ、私自身の立場を守ることにもつながるということです。
畢竟、私は私のために全力を挙げて、現状の社会を維持し、自らの立場をせしめようとする絶対的右翼ということです。